JP2014083482A - 炭化水素を含む混合ガスのガス分離材 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来よりも優れた炭化水素を含む混合ガスのガス分離材を提供する。
【解決手段】ランタノイドに属する金属のイオンから選択される少なくとも1種の金属イオンと、芳香族トリカルボン酸化合物、特に1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、ビフェニル−3,4’,5−トリカルボン酸、1,3,5−トリス(4−カルボキシフェニル)ベンゼン、1,3,5−トリス(4’−カルボキシ[1,1’−ビフェニル]−4−イル)ベンゼンから選択される少なくとも一種である芳香族トリカルボン酸とから形成される金属錯体からなる、炭化水素ガスを含む混合ガスのガス分離材。
【選択図】なし
【解決手段】ランタノイドに属する金属のイオンから選択される少なくとも1種の金属イオンと、芳香族トリカルボン酸化合物、特に1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、ビフェニル−3,4’,5−トリカルボン酸、1,3,5−トリス(4−カルボキシフェニル)ベンゼン、1,3,5−トリス(4’−カルボキシ[1,1’−ビフェニル]−4−イル)ベンゼンから選択される少なくとも一種である芳香族トリカルボン酸とから形成される金属錯体からなる、炭化水素ガスを含む混合ガスのガス分離材。
【選択図】なし
Description
本発明は、炭化水素を含む混合ガスのガス分離材に関する。さらに詳しくは、ランタノイドに属する金属から選択される少なくとも1種の金属イオンと、特定のトリカルボキシレートイオンとからなる金属錯体を用いる炭化水素を含む混合ガスの分離材に関する。本発明のガス分離材は、メタン、エタン、エチレン、アセチレン、プロパン、プロペン、メチルアセチレン、プロパジエン、1−ブタン、イソブテン及びブタジエンから選択される少なくとも1種の炭化水素を含む混合ガスのガス分離材として好ましい。
これまで、脱臭、排ガス処理などの分野で種々の吸着材が開発されている。活性炭はその代表例であり、活性炭の優れた吸着性能を利用して、空気浄化、脱硫、脱硝、有害物質除去など各種工業において広く使用されている。近年は半導体製造プロセスなどへ窒素の需要が増大しており、かかる窒素を製造する方法として、分子ふるい炭を使用して圧力スイング吸着法や温度スイング吸着法により空気から窒素を製造する方法が使用されている。また、分子ふるい炭は、メタノール分解ガスからの水素精製など各種ガス分離精製にも応用されている。
圧力スイング吸着法や温度スイング吸着法により混合ガスを分離する際には、一般に、分離吸着材として分子ふるい炭やゼオライトなどを使用し、その平衡吸着量又は吸着速度の差により分離を行っている。しかしながら、平衡吸着量の差によって混合ガスを分離する場合、これまでの吸着材では除去したいガスのみを選択的に吸着することができないため分離係数が小さくなり、装置の大型化は不可避であった。また、吸着速度の差によって混合ガスを分離する場合、ガスの種類によっては除去したいガスのみを吸着できるが、吸着と脱着を交互に行う必要があり、この場合も装置は依然として大型にならざるを得なかった。
一方、より優れた分離性能を与える吸着材として、高分子金属錯体が開発されている。高分子金属錯体は、(1)広い表面積と高い空隙率、(2)高い設計性、(3)外部刺激による動的構造変化、といった特徴を有しており、既存の吸着材にはない吸着特性が期待される。
しかしながら、実用化に際しては、吸着性能、吸蔵性能及び分離性能のさらなる向上のみならず、耐候性(熱・酸素・水蒸気・紫外光に対する安定性)の向上が求められている。
アルミニウムイオンと芳香族トリカルボン酸とからなる多孔性金属錯体が開示されている(特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1にはアルミニウムイオン以外の他の金属イオンを用いた金属錯体のガス吸脱着能については何ら記載されていない。また、実施例において、該多孔性金属錯体の窒素、水素及び二酸化炭素のそれぞれの単独ガスの吸着性能・吸蔵性能が示されているが、炭化水素を含む混合ガスの分離性能については何ら言及されておらず、混合ガスの分離材についての示唆もない。
3価の金属イオンとOLi基を有する芳香族トリカルボン酸とからなる多孔性金属錯体が開示されている(特許文献2参照)。しかしながら、特許文献2には、無置換またはアルキル置換芳香族トリカルボン酸を用いた金属錯体の、混合ガスの分離性能については何ら記載されていない。また、実施例において、該多孔性金属錯体を用いた窒素と二酸化炭素の混合ガスの分離が示唆されているが、炭化水素を含む混合ガスの分離性能については示されておらず、またその分離性能についてもさらなる向上が求められていた。
したがって、本発明の目的は、従来よりも優れた炭化水素を含む混合ガスのガス分離材を提供することにある。また本発明の第二の目的は、耐候性(耐熱性及び耐水性)に優れたガス分離材を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討し、ランタノイドに属する金属から選択される少なくとも1種の金属イオンと、トリカルボキシレートイオン(I)とからなる金属錯体を用いることにより、上記目的を達成することができることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明によれば、以下のものが提供される。
項1.
ランタノイドに属する金属のイオンから選択される少なくとも1種の金属イオンと、下記一般式(I);
項1.
ランタノイドに属する金属のイオンから選択される少なくとも1種の金属イオンと、下記一般式(I);
(式中、Xは水素原子またはアルカリ金属であり、R1、R2及びR3はそれぞれ同一または異なって水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜5のアルキル基である。l、m及びnはそれぞれ同一または異なって0〜5の整数である。)で表される芳香族トリカルボン酸化合物(I)とから形成される金属錯体からなる、炭化水素ガスを含む混合ガスのガス分離材。
項2.
該炭化水素ガスがメタン、エタン、エチレン、アセチレン、プロパン、プロペン、メチルアセチレン、プロパジエン、1−ブタン、イソブテン及びブタジエンから選択される少なくとも1種の炭化水素ガスである項1に記載のガス分離材。
項3.
前記混合ガスは、天然ガス、バイオガス及びランドフィルガスから選ばれる少なくとも1種の混合ガスであることを特徴とする項1または2に記載のガス分離材。
項4.
該芳香族トリカルボン酸化合物(I)が1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、ビフェニル−3,4’,5−トリカルボン酸、1,3,5−トリス(4−カルボキシフェニル)ベンゼン及び1,3,5−トリス(4’−カルボキシ[1,1’−ビフェニル]−4−イル)ベンゼンから選択される少なくとも1種である金属錯体からなる項1〜3のいずれかに記載のガス分離材。
項5.
該金属イオンがランタンイオンである金属錯体からなる項1〜4のいずれかに記載のガス分離材。
項6.
金属錯体と炭化水素ガスを含む混合ガスとを0.01〜10MPaの圧力範囲で接触させる工程を含むことを特徴とする項1〜5のいずれかに記載のガス分離材を用いる分離方法。
項7.
該分離方法が圧力スイング吸着法又は温度スイング吸着法である項6に記載の分離方法。
項2.
該炭化水素ガスがメタン、エタン、エチレン、アセチレン、プロパン、プロペン、メチルアセチレン、プロパジエン、1−ブタン、イソブテン及びブタジエンから選択される少なくとも1種の炭化水素ガスである項1に記載のガス分離材。
項3.
前記混合ガスは、天然ガス、バイオガス及びランドフィルガスから選ばれる少なくとも1種の混合ガスであることを特徴とする項1または2に記載のガス分離材。
項4.
該芳香族トリカルボン酸化合物(I)が1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、ビフェニル−3,4’,5−トリカルボン酸、1,3,5−トリス(4−カルボキシフェニル)ベンゼン及び1,3,5−トリス(4’−カルボキシ[1,1’−ビフェニル]−4−イル)ベンゼンから選択される少なくとも1種である金属錯体からなる項1〜3のいずれかに記載のガス分離材。
項5.
該金属イオンがランタンイオンである金属錯体からなる項1〜4のいずれかに記載のガス分離材。
項6.
金属錯体と炭化水素ガスを含む混合ガスとを0.01〜10MPaの圧力範囲で接触させる工程を含むことを特徴とする項1〜5のいずれかに記載のガス分離材を用いる分離方法。
項7.
該分離方法が圧力スイング吸着法又は温度スイング吸着法である項6に記載の分離方法。
本発明により、ランタノイドに属する金属のイオンから選択される少なくとも1種の金属イオンと、芳香族トリカルボン酸化合物(I)とから形成される金属錯体を用いる炭化水素を含む混合ガスのガス分離材を提供することができる。
本発明のガス分離材は、炭化水素を含む混合ガスの分離において、高い混合ガス分離性能を発現するガス分離材として使用することができる。また、本発明のガス分離材は耐熱性が高く、耐水性に優れるため実ガス中に含まれる水の影響も受けにくく、耐候性に優れたガス分離材として使用することができる。
本発明の金属錯体は、ランタノイドに属する金属のイオンから選択される少なくとも1種の金属イオンと、芳香族トリカルボン酸化合物(I)とから形成される。
本発明に用いられるランタノイドに属する金属のイオンとしては、例えば、ランタンイオン、セリウムイオン、プラセオジウムイオン、ネオジムイオン、プロメチウムイオン、サマリウムイオン、ユウロピウムイオン、ガドリニウムイオン、テルビウムイオン、ジスプロシウムイオン、ホルミウムイオン、エルビウムイオン、ツリウムイオン、イッテルビウムイオン、ルテチウムイオンなどを使用することができ、中でもランタンイオンが好ましい。金属イオンは、単一の金属イオンを使用することが好ましいが、2種以上の金属イオンを混合して用いてもよい。また、本発明の金属錯体は、単一の金属イオンからなる金属錯体を2種以上混合して使用することもできる。
該金属イオンは金属塩の形で用いてもよい。金属塩としては、例えば、ランタン塩、セリウム塩、プラセオジウム塩、ネオジム塩、プロメチウム塩、サマリウム塩、ユウロピウム塩、ガドリニウム塩、テルビウム塩、ジスプロシウム塩、ホルミウム塩、エルビウム塩、ツリウム塩、イッテルビウム塩、ルテチウム塩などを使用することができ、中でもランタン塩が好ましい。金属塩は、単一の金属塩を使用することが好ましいが、2種以上の金属塩を混合して用いてもよい。また、これらの金属塩としては、酢酸塩、ギ酸塩などの有機酸塩、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩などの無機酸塩を使用することができる。
本発明に用いられる芳香族トリカルボン酸化合物(I)は、下記一般式(I);
で表される。式中、Xは水素原子またはアルカリ金属であり、R1、R2及びR3はそれぞれ同一または異なって水素原子、または置換基を有していてもよい炭素数1〜5のアルキル基である。l、m及びnはそれぞれ同一または異なって0〜5の整数である。
上記アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基などの直鎖又は分岐を有するアルキル基が挙げられる。また、該アルキル基が有していてもよい置換基の例としては、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基,n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基など)、アミノ基、モノアルキルアミノ基(メチルアミノ基など)、ジアルキルアミノ基(ジメチルアミノ基など)、ホルミル基、エポキシ基、アシロキシ基(アセトキシ基、n−プロパノイルオキシ基、n−ブタノイルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基など)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基など)、カルボン酸無水物基(−CO−O−CO−R基)(Rは炭素数1〜5のアルキル基である)などが挙げられる。アルキル基の置換基の数は、1〜3個が好ましく、1個がより好ましい。
上記Xとして用いられるアルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムなどが挙げられる。
芳香族トリカルボン酸化合物(I)としては、例えば、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、ビフェニル−3,4’,5−トリカルボン酸、1,3,5−トリス(4−カルボキシフェニル)ベンゼン、1,3,5−トリス(4’−カルボキシ[1,1’−ビフェニル]−4−イル)ベンゼンなどを使用することができ、中でも1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、1,3,5−トリス(4−カルボキシフェニル)ベンゼンが好ましい。
本発明の金属錯体は、ランタノイドに属する金属のイオンから選択される少なくとも1種の金属イオンの塩から選択される少なくとも1種の金属塩と、芳香族トリカルボン酸化合物(I)とを、気相、液相または固相のいずれかで反応させることで製造することができる。中でも、常圧下、溶媒中で数時間から数日間反応させ、析出させて製造することが好ましい。例えば、金属塩の水溶液または有機溶媒溶液と、芳香族トリカルボン酸化合物(I)の水溶液または有機溶媒溶液とを、常圧下で混合して反応させることにより本発明に用いられる金属錯体を得ることができる。
金属錯体を製造するときの金属塩と芳香族トリカルボン酸化合物(I)の混合比率は、金属塩:芳香族トリカルボン酸化合物(I)=3:1〜1:3のモル比の範囲内が好ましく、2:1〜1:2のモル比の範囲内がより好ましい。これ以外の範囲では目的とする金属錯体の収率が低下し、また、未反応の原料が残留して得られた金属錯体の精製が困難になる。
金属錯体を製造するための溶媒における金属塩のモル濃度は、0.005〜5.0mol/Lが好ましく、0.01〜2.0mol/Lがより好ましい。これより低い濃度で反応を行っても目的とする金属錯体は得られるが、収率が低下するため好ましくない。また、これより高い濃度では未反応の金属塩が残留し、得られた金属錯体の精製が困難になる。
金属錯体を製造するための溶媒における芳香族トリカルボン酸化合物(I)のモル濃度は、0.001〜5.0mol/Lが好ましく、0.005〜2.0mol/Lがより好ましい。これより低い濃度で反応を行っても目的とする金属錯体は得られるが、収率が低下するため好ましくない。また、これより高い濃度では溶解性が低下し、反応が円滑に進行しない。
金属錯体の製造に用いる溶媒としては、有機溶媒、水またはそれらの混合溶媒を使用することができる。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、塩化メチレン、クロロホルム、アセトン、酢酸エチル、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、水またはこれらの混合溶媒を使用することができる。
金属錯体を製造する際の反応温度としては、253〜423Kが好ましい。
反応が終了したことはガスクロマトグラフィーまたは高速液体クロマトグラフィーにより原料の残存量を定量することにより確認することができるが、これらに限定されるものではない。反応終了後、得られた混合液を吸引濾過に付して沈殿物を集め、有機溶媒による洗浄後、373K程度で数時間真空乾燥することにより、本発明に用いられる金属錯体を得ることができる。
金属錯体を構成する各成分の組成比は、例えば、単結晶X線構造解析、粉末X線結晶構造解析または元素分析などにより確認できるが、これらに限定されるものではない。
本発明に用いられる金属錯体は、溶媒が吸着した状態ではガスを吸着しない。そのため、本発明の分離材として用いる際には、予め得られた金属錯体について真空乾燥を行い、細孔内の溶媒を取り除くことが必要である。通常は金属錯体が分解しない程度の温度(例えば293K〜523K以下)で真空乾燥を行えばよいが、その温度はより低温(例えば293K〜393K以下)であることが好ましい。この操作は、超臨界二酸化炭素による洗浄によっても代えることができ、より効果的である。
以上のようにして得られる本発明の金属錯体は、ランタノイド金属イオンと芳香族トリカルボン酸化合物が金属酸化物様の結合様式をとると考えられる。ランタノイド金属イオンの金属酸化物は水に対する溶解性が低いため、本発明の金属錯体は、高い耐水性を発現することができる。
前記の耐水性向上メカニズムは推定ではあるが、例え前記メカニズムに従っていない場合でも、本発明で規定する要件を満足するのであれば、本発明の技術的範囲に包含される。
本発明に用いる金属錯体は、吸着圧力または吸着温度を制御することで各種ガスを選択的に吸着することができるので、炭化水素を含む混合ガスを分離するための分離材として好ましく、特に、メタン、エタン、エチレン、アセチレン、プロパン、プロペン、メチルアセチレン、プロパジエン、1−ブタン、イソブテン及びブタジエンから選択される少なくとも1種の炭化水素を含む混合ガスを、圧力スイング吸着法や温度スイング吸着法により分離・精製するのに適している。好ましくは、混合ガスは天然ガス、バイオガス及びランドフィルガスから選ばれる少なくとも1種である。
分離方法は、混合ガスが金属錯体に吸着できる条件でガスと本発明の金属錯体とを接触させる工程を含む。ガスが金属錯体に吸着できる条件である吸着圧力及び吸着温度は、吸着される物質の種類に応じて適宜設定することができる。例えば、吸着圧力は0.01〜10MPaが好ましく、0.1〜3.5MPaがより好ましい。また、吸着温度は195K〜343Kが好ましく、273〜313Kがより好ましい。
分離方法は、圧力スイング吸着法または温度スイング吸着法とすることができる。分離方法が圧力スイング吸着法である場合は、分離方法はさらに、圧力を、吸着圧力からガスを金属錯体から脱着させることができる圧力まで昇圧させる工程を含む。脱着圧力は、吸着される物質の種類に応じて適宜設定することができる。例えば、脱着圧力は0.005〜2MPaが好ましく、0.01〜0.1MPaがより好ましい。分離方法が温度スイング吸着法である場合は、分離方法はさらに、温度を、吸着温度からガスを金属錯体から脱着させることができる温度まで昇温させる工程を含む。脱着温度は、吸着される物質の種類に応じて適宜設定することができる。例えば、脱着温度は273〜473Kが好ましく、298〜373Kがより好ましい。
分離方法は、圧力スイング吸着法または温度スイング吸着法である場合、ガスと金属錯体とを接触させる工程と、ガスを金属錯体から脱着させることができる圧力または温度まで変化させる工程を、適宜繰り返すことができる。
本発明の分離材は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、必要に応じて、酢酸セルロース、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン誘導体または紙などの天然もしくは合成繊維、或いはガラスもしくはアルミナなどの無機繊維と組み合わせて複合化してもよい。
本発明における分離材の使用形態は特に限定されない。例えば、金属錯体を粉末のまま用いてもよいし、ペレット、フィルム、シート、プレート、パイプ、チューブ、棒状体、粒状体、各種異形成形体、繊維、中空糸、織布、編布、不織布などに成形して用いてもよい。
本発明に用いる金属錯体を含むペレットの作製方法としては、特に限定はなく、従来から知られているペレット化方法のいずれもが採用できるが、よりペレットの高密度化が行える打錠成型法が好ましい。
本発明に用いる金属錯体を含むシートの作製方法としては、特に限定はなく、従来から知られているシート化方法のいずれもが採用できるが、よりシートの高密度化が行える湿式抄紙法が好ましい。湿式抄紙法は、水に原材料を分散させて、網で濾過し、乾燥する製造方法である。
異形成形体の例として、ハニカム形状を挙げることができる。本発明に用いる金属錯体を含むシートをハニカム形状とする方法としては、従来から知られている加工方法のいずれもが採用できる。なお、本発明においてハニカム形状とは、断面が六画形状のものの他、四角、正弦波形、ロール形のものなど中空多角柱、円柱などの中空柱体が連続したものをいう。例えば、本発明の組成物を含むシートを正弦波形のハニカム形状とするには、まず本発明の組成物を含むシートを賦形ロールに通して波形に賦形し、波形の当該シートの片面または両面に平らなシートを接合する。これを積層化して正弦波形のハニカム形状のフィルターとする。ここで、波形の頂点に接着剤を付けて固定するのが普通であるが、波形の本発明の組成物を含むシートを積層するとその間にある平らなシートは必然的に固定されるので、必ずしも接着剤を付ける必要はない。なお、接着剤を付ける場合はシートの吸着能を損なわないものを使用する必要がある。接着剤としては、例えば、コーンスターチ、酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂などを使用することができる。ガス吸着性能を高めるためには、波形の本発明の組成物を含むシートの接着ピッチを小さくし、山高さを低くするとよい。ピッチは0.5〜8mmが好ましく、山高さは0.4〜5mmが好ましい。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の実施例および比較例における分析および評価は次のようにして行った。
(1)単結晶X線結晶構造解析
得られた単結晶をゴニオヘッドにマウントし、単結晶X線回折装置を用いて測定した。分析条件の詳細を以下に示す。
<分析条件>
装置:株式会社リガク製R−AXIS RAPID II
X線源:MoKα(λ=0.71073Å) 40kV 30mA
集光ミラー:VariMax
検出器:イメージングプレート
コリメータ:Φ0.8mm
解析ソフト:CrystalStructure 3.8
得られた単結晶をゴニオヘッドにマウントし、単結晶X線回折装置を用いて測定した。分析条件の詳細を以下に示す。
<分析条件>
装置:株式会社リガク製R−AXIS RAPID II
X線源:MoKα(λ=0.71073Å) 40kV 30mA
集光ミラー:VariMax
検出器:イメージングプレート
コリメータ:Φ0.8mm
解析ソフト:CrystalStructure 3.8
(2)熱重量変化の測定
示差熱−熱重量同時測定装置を用いて、298〜650Kの温度範囲について測定した(JIS K7120に準拠)。分析条件の詳細を以下に示す。
<分析条件>
装置:株式会社リガク製Thermo plus TG8120
試料容器:株式会社リガク製TG−DTA Thermo plus用アルミパン
測定雰囲気:空気
窒素ガス流量:100mL/分
昇温速度:5K/分
示差熱−熱重量同時測定装置を用いて、298〜650Kの温度範囲について測定した(JIS K7120に準拠)。分析条件の詳細を以下に示す。
<分析条件>
装置:株式会社リガク製Thermo plus TG8120
試料容器:株式会社リガク製TG−DTA Thermo plus用アルミパン
測定雰囲気:空気
窒素ガス流量:100mL/分
昇温速度:5K/分
(3)吸脱着等温線の測定
高圧ガス吸着量測定装置を用いて容量法(JIS Z8831−2に準拠)により測定を行った。このとき、測定に先立って試料を373K、50Paで10時間乾燥し、吸着水などを除去した。分析条件の詳細を以下に示す。
<分析条件>
装置:日本ベル株式会社製BELSORP−HP
平衡待ち時間:500秒
高圧ガス吸着量測定装置を用いて容量法(JIS Z8831−2に準拠)により測定を行った。このとき、測定に先立って試料を373K、50Paで10時間乾燥し、吸着水などを除去した。分析条件の詳細を以下に示す。
<分析条件>
装置:日本ベル株式会社製BELSORP−HP
平衡待ち時間:500秒
(4)破過曲線の測定
ガス流量計とバルブ類を備えたステンレスチューブでボンベと接続した内容積10mLの耐圧ガラス容器を用意した。測定は、耐圧ガラス容器に試料を入れ、373K、7Paで3時間乾燥し、吸着水などを除去した後に、混合ガスを流通させることで行った。このとき、出口ガスを2分おきにサンプリングし、ガスクロマトグラフィーで分析することで出口ガスの組成を算出した(入口ガスの組成はあらかじめガスクロマトグラフィーを用いて測定)。分析条件の詳細を以下に示す。
<分析条件>
装置:株式会社島津製作所製GC−14B
カラム:ジーエルサイエンス株式会社製Unibeads C 60/80
カラム温度:473K
キャリアガス:ヘリウム
注入量:1.0mL
検出器:TCD
ガス流量計とバルブ類を備えたステンレスチューブでボンベと接続した内容積10mLの耐圧ガラス容器を用意した。測定は、耐圧ガラス容器に試料を入れ、373K、7Paで3時間乾燥し、吸着水などを除去した後に、混合ガスを流通させることで行った。このとき、出口ガスを2分おきにサンプリングし、ガスクロマトグラフィーで分析することで出口ガスの組成を算出した(入口ガスの組成はあらかじめガスクロマトグラフィーを用いて測定)。分析条件の詳細を以下に示す。
<分析条件>
装置:株式会社島津製作所製GC−14B
カラム:ジーエルサイエンス株式会社製Unibeads C 60/80
カラム温度:473K
キャリアガス:ヘリウム
注入量:1.0mL
検出器:TCD
<合成例1>
窒素雰囲気下、硝酸ランタン六水和物12.0g(27.7mmol)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸3.60g(17.1mmol)及び硝酸3.0mLを容量比でN,N−ジメチルホルムアミド:メタノール:水=6:6:1からなるN,N−ジメチルホルムアミドとメタノールと水の混合溶媒600mLに溶解させ、353Kで2日間攪拌した。析出した結晶について、単結晶X線構造解析を行った結果を以下に示す。また、結晶構造を図1に示す。本金属錯体の組成は、ランタンイオン:1,3,5−ベンゼントリカルボン酸イオン=1:1であった。
Tetragonal(P43)
a=10.4380(15)Å
b=10.4380(15)Å
c=13.853(3)Å
α=90.00°
β=90.00°
γ=90.00°
V=1509.3(4)Å3
Z=4
R=0.0280
wR=0.0829
窒素雰囲気下、硝酸ランタン六水和物12.0g(27.7mmol)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸3.60g(17.1mmol)及び硝酸3.0mLを容量比でN,N−ジメチルホルムアミド:メタノール:水=6:6:1からなるN,N−ジメチルホルムアミドとメタノールと水の混合溶媒600mLに溶解させ、353Kで2日間攪拌した。析出した結晶について、単結晶X線構造解析を行った結果を以下に示す。また、結晶構造を図1に示す。本金属錯体の組成は、ランタンイオン:1,3,5−ベンゼントリカルボン酸イオン=1:1であった。
Tetragonal(P43)
a=10.4380(15)Å
b=10.4380(15)Å
c=13.853(3)Å
α=90.00°
β=90.00°
γ=90.00°
V=1509.3(4)Å3
Z=4
R=0.0280
wR=0.0829
析出した金属錯体を吸引濾過により回収した後、メタノールで3回洗浄した。続いて、373K、50Paで8時間乾燥し、目的の金属錯体6.40g(収率88%)を得た。
<合成例2>
窒素雰囲気下、硝酸ランタン六水和物13.5g(31.2mmol)及び1,3,5−トリス(4−カルボキシフェニル)ベンゼン4.5g(10.3mmol)を容量比でN,N−ジメチルホルムアミド:メタノール:水=6:6:1からなるN,N−ジメチルホルムアミドとメタノールと水の混合溶媒1,050mLに溶解させ、353Kで2日間攪拌した。析出した結晶について、単結晶X線構造解析を行った結果を以下に示す。また、結晶構造を図2に示す。本金属錯体の組成は、ランタンイオン:1,3,5−トリス(4−カルボキシフェニル)ベンゼンイオン=1:1であった。
Trigonal(R32)
a=28.764(4)Å
b=28.764(4)Å
c=12.563(3)Å
α=90.000°
β=120.000°
γ=90.000°
V=9001.7(30)Å3
Z=9
R=0.043
wR=0.0152
窒素雰囲気下、硝酸ランタン六水和物13.5g(31.2mmol)及び1,3,5−トリス(4−カルボキシフェニル)ベンゼン4.5g(10.3mmol)を容量比でN,N−ジメチルホルムアミド:メタノール:水=6:6:1からなるN,N−ジメチルホルムアミドとメタノールと水の混合溶媒1,050mLに溶解させ、353Kで2日間攪拌した。析出した結晶について、単結晶X線構造解析を行った結果を以下に示す。また、結晶構造を図2に示す。本金属錯体の組成は、ランタンイオン:1,3,5−トリス(4−カルボキシフェニル)ベンゼンイオン=1:1であった。
Trigonal(R32)
a=28.764(4)Å
b=28.764(4)Å
c=12.563(3)Å
α=90.000°
β=120.000°
γ=90.000°
V=9001.7(30)Å3
Z=9
R=0.043
wR=0.0152
析出した金属錯体を吸引濾過により回収した後、メタノールで3回洗浄した。続いて、373K、50Paで8時間乾燥し、目的の金属錯体5.82g(収率63%)を得た。
<実施例1>
合成例1で得た金属錯体について、空気雰囲気下における熱重量変化を測定した。結果を図3に示す。
合成例1で得た金属錯体について、空気雰囲気下における熱重量変化を測定した。結果を図3に示す。
<実施例2>
合成例2で得た金属錯体について、空気雰囲気下における熱重量変化を測定した。結果を図3に示す。
合成例2で得た金属錯体について、空気雰囲気下における熱重量変化を測定した。結果を図3に示す。
<比較例1>
銅イオンと1,3,5−ベンゼントリカルボキシレートイオンとからなる金属錯体(BASF製Basolite C300)について、空気雰囲気下における熱重量変化を測定した。結果を図3に示す。
銅イオンと1,3,5−ベンゼントリカルボキシレートイオンとからなる金属錯体(BASF製Basolite C300)について、空気雰囲気下における熱重量変化を測定した。結果を図3に示す。
図3より、本発明の構成要件を満たす合成例1で得た金属錯体の分解開始温度は705K、合成例2で得た金属錯体の分解開始温度は715Kであり、本発明の構成要件を満たさない銅イオンと1,3,5−ベンゼントリカルボキシレートイオンとからなる金属錯体の分解開始温度は560Kであることから、本発明の金属錯体が熱に対する安定性に優れていることは明らかである(400Kまでの重量減少は吸着水の脱離由来)。このような差が生じた理由は必ずしも定かではないが、本発明の構成金属イオンを用いることで、金属イオンと酸素との反応性が低下し、優れた耐熱性が発現したと考えられる。
<実施例3>
合成例2で得られた金属錯体について、273Kにおける二酸化炭素の吸着量を容量法により測定し、吸着等温線を作成した。結果を図4に示す。
合成例2で得られた金属錯体について、273Kにおける二酸化炭素の吸着量を容量法により測定し、吸着等温線を作成した。結果を図4に示す。
合成例2で得られた金属錯体について、エスペック株式会社製低温恒温恒湿機PL−2KPを用い、353K、相対湿度80%の雰囲気下に置き、水蒸気曝露試験を行った。24時間後にサンプリングを行い、273Kにおける二酸化炭素の吸着量を容量法により測定し、吸着等温線を作成した。その結果を図4に示す。
図4から0.93MPaにおける二酸化炭素の平衡吸着量を算出し、水蒸気曝露試験前後で比較した結果、その保持率は97%であった。
<比較例2>
銅イオンと1,3,5−ベンゼントリカルボキシレートイオンとからなる金属錯体(BASF製Basolite C300)について、273Kにおける二酸化炭素の吸着量を容量法により測定し、吸着等温線を作成した。結果を図5に示す。
銅イオンと1,3,5−ベンゼントリカルボキシレートイオンとからなる金属錯体(BASF製Basolite C300)について、273Kにおける二酸化炭素の吸着量を容量法により測定し、吸着等温線を作成した。結果を図5に示す。
銅イオンと1,3,5−ベンゼントリカルボキシレートイオンとからなる金属錯体(BASF製Basolite C300)について、エスペック株式会社製低温恒温恒湿機PL−2KPを用い、353K、相対湿度80%の雰囲気下に置き、水蒸気曝露試験を行った。24時間後にサンプリングを行い、273Kにおける二酸化炭素の吸着量を容量法により測定し、吸着等温線を作成した。結果を図5に示す。
図5から0.93MPaにおける二酸化炭素の平衡吸着量を算出し、水蒸気曝露試験前後で比較した結果、その保持率は4.5%であった。
実施例3と、比較例2との比較より、本発明の構成要件を満たす合成例2で得た金属錯体は、本発明の構成要件を満たさない銅イオンと1,3,5−ベンゼントリカルボキシレートイオンとからなる金属錯体に比べ、高温・高湿度下でも二酸化炭素の平衡吸着量保持率が高いことから、本発明の金属錯体が耐水性に優れていることは明らかである。このような差が生じた理由は必ずしも定かではないが、本発明の構成金属イオンを用いることで、金属イオンとカルボキシレートイオンとの結合が強固となり、優れた耐水性が発現したと考えられる。
<実施例4>
合成例1で得た金属錯体について、容量比でメタン:二酸化炭素=60:40からなるメタンと二酸化炭素の混合ガスを用い、273K、0.8MPa、空間速度3min-1における破過曲線の測定を行い、ガス分離性能を評価した。結果を図6に示す。
合成例1で得た金属錯体について、容量比でメタン:二酸化炭素=60:40からなるメタンと二酸化炭素の混合ガスを用い、273K、0.8MPa、空間速度3min-1における破過曲線の測定を行い、ガス分離性能を評価した。結果を図6に示す。
合成例1で得られた金属錯体について、273Kにおける二酸化炭素の吸脱着量を容量法により測定し、吸脱着等温線を作成した。結果を図7に示す。
図6より、本発明の構成要件を満たす合成例1で得た金属錯体は二酸化炭素を優先的に吸着し、メタンを99.5%以上にまで濃縮することができることがわかる。二酸化炭素の破過時間(二酸化炭素が出口ガスに検出されるまでの時間)が長く、その間メタンのみを取り出せるので、本発明の金属錯体がメタンと二酸化炭素の分離材として優れていることは明らかである。また、図7より、本発明の金属錯体は、圧力の減少と共に吸着した二酸化炭素を放出するので、圧力スイング吸着法に用いる分離材として使用できることは明らかである。
<実施例5>
合成例2で得た金属錯体について、容量比でメタン:二酸化炭素=60:40からなるメタンと二酸化炭素の混合ガスを用い、273K、0.8MPa、空間速度3min-1における破過曲線の測定を行い、ガス分離性能を評価した。結果を図8に示す。
合成例2で得た金属錯体について、容量比でメタン:二酸化炭素=60:40からなるメタンと二酸化炭素の混合ガスを用い、273K、0.8MPa、空間速度3min-1における破過曲線の測定を行い、ガス分離性能を評価した。結果を図8に示す。
合成例2で得られた金属錯体について、273Kにおける二酸化炭素の吸脱着量を容量法により測定し、吸脱着等温線を作成した。結果を図9に示す。
図8より、本発明の構成要件を満たす合成例2で得た金属錯体は二酸化炭素を優先的に吸着し、メタンを99.5%以上にまで濃縮することができることがわかる。二酸化炭素の破過時間(二酸化炭素が出口ガスに検出されるまでの時間)が長く、その間メタンのみを取り出せるので、本発明の金属錯体がメタンと二酸化炭素の分離材として優れていることは明らかである。また、図9より、本発明の金属錯体は、圧力の減少と共に吸着した二酸化炭素を放出するので、圧力スイング吸着法に用いる分離材として使用できることは明らかである。
<実施例6>
合成例2で得た金属錯体について、容量比でメタン:エタン=80:20からなるメタンと二酸化炭素の混合ガスを用い、273K、0.8MPa、空間速度3min-1における破過曲線の測定を行い、ガス分離性能を評価した。結果を図10に示す。
合成例2で得た金属錯体について、容量比でメタン:エタン=80:20からなるメタンと二酸化炭素の混合ガスを用い、273K、0.8MPa、空間速度3min-1における破過曲線の測定を行い、ガス分離性能を評価した。結果を図10に示す。
合成例2で得た金属錯体について、エタンの273Kにおける吸脱着等温線を容量法により測定した。結果を図11に示す。
図10より、本発明の構成要件を満たす合成例2で得た金属錯体はエタンを優先的に吸着し、メタンを99.5%以上にまで濃縮することができることがわかる。エタンの破過時間(エタンが出口ガスに検出されるまでの時間)が長く、その間メタンのみを取り出せるので、本発明の金属錯体がメタンとエタンの分離材として優れていることは明らかである。また、図11より、本発明の金属錯体は、圧力の減少と共に吸着したエタンを放出するので、圧力スイング吸着法に用いる分離材として使用できることは明らかである。
Claims (7)
- ランタノイドに属する金属のイオンから選択される少なくとも1種の金属イオンと、下記一般式(I);
- 該炭化水素ガスがメタン、エタン、エチレン、アセチレン、プロパン、プロペン、メチルアセチレン、プロパジエン、1−ブタン、イソブテン及びブタジエンから選択される少なくとも1種の炭化水素ガスである請求項1に記載のガス分離材。
- 前記混合ガスは、天然ガス、バイオガス及びランドフィルガスから選ばれる少なくとも1種の混合ガスであることを特徴とする請求項1または2に記載のガス分離材。
- 該芳香族トリカルボン酸化合物(I)が1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、ビフェニル−3,4’,5−トリカルボン酸、1,3,5−トリス(4−カルボキシフェニル)ベンゼン及び1,3,5−トリス(4’−カルボキシ[1,1’−ビフェニル]−4−イル)ベンゼンから選択される少なくとも1種である金属錯体からなる請求項1〜3のいずれかに記載のガス分離材。
- 該金属イオンがランタンイオンである金属錯体からなる請求項1〜4のいずれかに記載のガス分離材。
- 金属錯体と炭化水素ガスを含む混合ガスとを0.01〜10MPaの圧力範囲で接触させる工程を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガス分離材を用いる分離方法。
- 該分離方法が圧力スイング吸着法又は温度スイング吸着法である請求項6に記載の分離方法。
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JP2012232982A JP2014083482A (ja) | 2012-10-22 | 2012-10-22 | 炭化水素を含む混合ガスのガス分離材 |
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WO2021090723A1 (ja) * | 2019-11-05 | 2021-05-14 | 東京エレクトロン株式会社 | 基板を処理する装置、処理ガスを濃縮する装置、及び基板を処理する方法 |
-
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