JP2013184892A - 金属化合物、並びにそれからなる吸着材、吸蔵材及び分離材 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れたガス吸着性能、ガス吸蔵性能及びガス分離性能を有する金属化合物を提供すること。
【解決手段】少なくとも3個のカルボキシレート基を有し、かつ芳香環を形成する炭素数が6〜22個である芳香族多価カルボン酸アニオンと、アルカリ土類金属イオンから選択される少なくとも1種の金属イオンを含む金属化合物によって上記課題を解決する。
【選択図】 なし
【解決手段】少なくとも3個のカルボキシレート基を有し、かつ芳香環を形成する炭素数が6〜22個である芳香族多価カルボン酸アニオンと、アルカリ土類金属イオンから選択される少なくとも1種の金属イオンを含む金属化合物によって上記課題を解決する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、金属化合物、並びにそれからなる吸着材、吸蔵材及び分離材に関する。さらに詳しくは、特定の芳香族多価カルボン酸アニオンと、少なくとも1種のアルカリ土類金属イオンを含む金属化合物に関する。本発明の金属化合物は、二酸化炭素、水素、一酸化炭素、酸素、窒素、炭素数1〜4の炭化水素、希ガス、硫化水素、アンモニアまたは有機蒸気などを吸着するための吸着材、吸蔵するための吸蔵材及び分離するための分離材として好ましい。
これまで、脱臭、排ガス処理などの分野で種々の吸着材が開発されている。活性炭はその代表例であり、活性炭の優れた吸着性能を利用して、空気浄化、脱硫、脱硝、有害物質除去など各種工業において広く使用されている。近年は半導体製造プロセスなどへ窒素の需要が増大しており、かかる窒素を製造する方法として、分子ふるい炭を使用して圧力スイング吸着法や温度スイング吸着法により空気から窒素を製造する方法が使用されている。また、分子ふるい炭は、メタノール分解ガスからの水素精製など各種ガス分離精製にも応用されている。
圧力スイング吸着法や温度スイング吸着法により混合ガスを分離する際には、一般に、分離吸着材として分子ふるい炭やゼオライトなどを使用し、その平衡吸着量または吸着速度の差により分離を行っている。しかしながら、平衡吸着量の差によって混合ガスを分離する場合、これまでの吸着材では除去したいガスのみを選択的に吸着することができないため分離係数が小さくなり、装置の大型化は不可避であった。また、吸着速度の差によって混合ガスを分離する場合、ガスの種類によっては除去したいガスのみを吸着できるが、吸着と脱着を交互に行う必要があり、この場合も装置は依然として大型にならざるを得なかった。
一方、より優れた吸着性能を与える吸着材として、高分子金属錯体が開発されている。高分子金属錯体は、(1)広い表面積と高い空隙率、(2)高い設計性、(3)外部刺激による動的構造変化、といった特徴を有しており、既存の吸着材にはない吸着特性が期待される。
しかしながら、実用化に際しては、吸着性能、吸蔵性能及び分離性能のさらなる向上のみならず、実ガス中に含まれる水に対する耐久性の向上が求められている(例えば、非特許文献1参照)。
マグネシウムイオンとギ酸とからなる金属化合物が知られている(特許文献1参照)。しかし、本発明者らが検討した結果、当該金属化合物のガスの吸蔵・分離性能は未だ不十分であることが判明した。また、特許文献1には、金属化合物の水に対する耐久性の向上についても何ら記載されていない。
J.J.Low、A.I.Benin、P.Jakubczak、 J.F.Abrahamian、S.A.Faheem、R.R.Willis、Journal of the American Chemical Society、第131巻、15834〜15842頁(2009年)
したがって、本発明の目的は、従来よりもガスの吸着性能、吸蔵性能及び分離性能に優れ、かつ耐水性にも優れており、ガス吸着材、ガス吸蔵材、或いはガス分離材として使用できる金属化合物を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討し、特定の芳香族多価カルボン酸アニオンと、少なくとも1種のアルカリ土類金属イオンを含む金属化合物により、上記目的を達成できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明によれば、以下のものが提供される。
(1)少なくとも3個のカルボキシレート基を有し、かつ芳香環を形成する炭素数が6〜22個である芳香族多価カルボン酸アニオンと、アルカリ土類金属イオンから選択される少なくとも1種の金属イオンを含む金属化合物。
(2)該芳香族多価カルボン酸アニオンが、下記一般式(I);
(1)少なくとも3個のカルボキシレート基を有し、かつ芳香環を形成する炭素数が6〜22個である芳香族多価カルボン酸アニオンと、アルカリ土類金属イオンから選択される少なくとも1種の金属イオンを含む金属化合物。
(2)該芳香族多価カルボン酸アニオンが、下記一般式(I);
(式中、R1、R2、R3及びR4のうち少なくとも1つはRxであり、Rxを除くR1、R2、R3及びR4はそれぞれ同一または異なって水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、アルコキシ基、ホルミル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アシルアミノ基またはハロゲン原子である。Rxは下記一般式
で表されるカルボキシレート基である。)
で表されるベンゼン多価カルボン酸アニオンである(1)に記載の金属化合物。
(3)該金属化合物がさらにアニオン性配位子を含む(1)または(2)に記載の金属化合物。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載の金属化合物からなる吸着材。
(5)該吸着材が、二酸化炭素、水素、一酸化炭素、酸素、窒素、炭素数1〜4の炭化水素、希ガス、硫化水素、アンモニア、硫黄酸化物、窒素酸化物、シロキサンまたは有機蒸気を吸着するための吸着材である(4)に記載の吸着材。
(6)(1)〜(3)のいずれかに記載の金属化合物からなる吸蔵材。
(7)該吸蔵材が、二酸化炭素、水素、一酸化炭素、酸素、窒素、炭素数1〜4の炭化水素、希ガス、硫化水素、アンモニアまたは有機蒸気を吸蔵するための吸蔵材である(5)に記載の吸蔵材。
(8)(1)〜(3)のいずれかに記載の金属化合物からなる分離材。
(9)該分離材が、二酸化炭素、水素、一酸化炭素、酸素、窒素、炭素数1〜4の炭化水素、希ガス、硫化水素、アンモニア、硫黄酸化物、窒素酸化物、シロキサンまたは有機蒸気を分離するための分離材である(8)に記載の分離材。
(10)該分離材が、メタンと二酸化炭素、水素と二酸化炭素、窒素と二酸化炭素、エチレンと二酸化炭素、メタンとエタン、エタンとエチレン、プロパンとプロペンまたは空気とメタンを分離するための分離材である(8)に記載の分離材。
(11)金属化合物と混合ガスとを0.01〜10MPaの圧力範囲で接触させる工程を含むことを特徴とする(8)に記載の分離材を用いる分離方法。
(12)該分離方法が圧力スイング吸着法である(11)に記載の分離方法。
(13)少なくとも3個のカルボキシレート基を有し、かつ芳香環を形成する炭素数が6〜22個である芳香族多価カルボン酸アニオンと、アルカリ土類金属イオンから選択される少なくとも1種の金属イオンとを溶媒中で反応させ、析出させる、(1)に記載の金属化合物の製造方法。
で表されるベンゼン多価カルボン酸アニオンである(1)に記載の金属化合物。
(3)該金属化合物がさらにアニオン性配位子を含む(1)または(2)に記載の金属化合物。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載の金属化合物からなる吸着材。
(5)該吸着材が、二酸化炭素、水素、一酸化炭素、酸素、窒素、炭素数1〜4の炭化水素、希ガス、硫化水素、アンモニア、硫黄酸化物、窒素酸化物、シロキサンまたは有機蒸気を吸着するための吸着材である(4)に記載の吸着材。
(6)(1)〜(3)のいずれかに記載の金属化合物からなる吸蔵材。
(7)該吸蔵材が、二酸化炭素、水素、一酸化炭素、酸素、窒素、炭素数1〜4の炭化水素、希ガス、硫化水素、アンモニアまたは有機蒸気を吸蔵するための吸蔵材である(5)に記載の吸蔵材。
(8)(1)〜(3)のいずれかに記載の金属化合物からなる分離材。
(9)該分離材が、二酸化炭素、水素、一酸化炭素、酸素、窒素、炭素数1〜4の炭化水素、希ガス、硫化水素、アンモニア、硫黄酸化物、窒素酸化物、シロキサンまたは有機蒸気を分離するための分離材である(8)に記載の分離材。
(10)該分離材が、メタンと二酸化炭素、水素と二酸化炭素、窒素と二酸化炭素、エチレンと二酸化炭素、メタンとエタン、エタンとエチレン、プロパンとプロペンまたは空気とメタンを分離するための分離材である(8)に記載の分離材。
(11)金属化合物と混合ガスとを0.01〜10MPaの圧力範囲で接触させる工程を含むことを特徴とする(8)に記載の分離材を用いる分離方法。
(12)該分離方法が圧力スイング吸着法である(11)に記載の分離方法。
(13)少なくとも3個のカルボキシレート基を有し、かつ芳香環を形成する炭素数が6〜22個である芳香族多価カルボン酸アニオンと、アルカリ土類金属イオンから選択される少なくとも1種の金属イオンとを溶媒中で反応させ、析出させる、(1)に記載の金属化合物の製造方法。
本発明により、少なくとも3個のカルボキシレート基を有し、かつ芳香環を形成する炭素数が6〜22個である芳香族多価カルボン酸アニオンと、アルカリ土類金属イオンから選択される少なくとも1種の金属イオンを含む金属化合物を提供することができる。
本発明の金属化合物は、各種ガスの吸着性能に優れているので、二酸化炭素、水素、一酸化炭素、酸素、窒素、炭素数1〜4の炭化水素、希ガス、硫化水素、アンモニア、硫黄酸化物、窒素酸化物、シロキサンまたは有機蒸気などを吸着するための吸着材として使用することができる。
また、本発明の金属化合物は、各種ガスの吸蔵性能に優れているので、二酸化炭素、水素、一酸化炭素、酸素、窒素、炭素数1〜4の炭化水素、希ガス、硫化水素、アンモニアまたは有機蒸気などを吸蔵するための吸蔵材としても使用することができる。
さらに、本発明の金属化合物は、各種ガスの分離性能に優れているので、二酸化炭素、水素、一酸化炭素、酸素、窒素、炭素数1〜4の炭化水素、希ガス、硫化水素、アンモニア、硫黄酸化物、窒素酸化物、シロキサンまたは有機蒸気などを分離するための分離材としても使用することができる。
本発明の金属化合物は、少なくとも3個のカルボキシレート基を有し、かつ芳香環を形成する炭素数が6〜22個である芳香族多価カルボン酸アニオンと、アルカリ土類金属イオンから選択される少なくとも1種の金属イオンを含む。
金属化合物は、少なくとも3個のカルボキシレート基を有し、かつ芳香環を形成する炭素数が6〜22個である芳香族多価カルボン酸アニオンと、アルカリ土類金属の塩から選択される少なくとも1種の金属塩とを、常圧下、溶媒中で数時間から数日間反応させ、析出させて製造することができる。例えば、アルカリ土類金属塩の水溶液または有機溶媒溶液と、該芳香族多価カルボン酸アニオンを含有する有機溶媒溶液とを、常圧下で混合して反応させることにより本発明の金属化合物を得ることができる。該多価カルボン酸アニオンは、対応する多価カルボン酸化合物のみならず、酸無水物やアルカリ金属塩から発生させて用いてもよい。
本発明に用いられる芳香族多価カルボン酸アニオンは、芳香環上に少なくとも3個のカルボキシレート基を有し、かつ芳香環を形成する炭素数が6〜22個である芳香族多価カルボン酸アニオンである。芳香環を形成する炭素数が6〜22個である芳香族化合物としては、例えば、ベンゼン(環を形成する炭素数6)、ナフタレン、インデン、アズレン、アントラセン、フェナントレン、ナフタセン及びトリフェニレンなどの単環または縮環性芳香族化合物、ビフェニルなどの多環性芳香族化合物及び9H−フルオレンなどの渡環性芳香族化合物などを使用することができ、中でもベンゼン、ナフタレン、アントラセン及びトリフェニレンが好ましい。
芳香族多価カルボン酸アニオンとして、特に好ましくは、下記一般式(I);
で表されるベンゼン多価カルボン酸アニオンである。式中、R1、R2、R3及びR4のうち少なくとも1つはRxであり、Rxを除くR1、R2、R3及びR4はそれぞれ同一または異なって水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、アルコキシ基、ホルミル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アシルアミノ基またはハロゲン原子である。Rxは下記一般式
で表されるカルボキシレート基である。
上記R1、R2、R3及びR4を構成することのできる置換基の内、アルキル基またはアルコキシ基の炭素原子数は1〜5が好ましい。アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基などの直鎖または分岐を有するアルキル基が、アルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基,n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基が、アシロキシ基の例としては、アセトキシ基、n−プロパノイルオキシ基、n−ブタノイルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基が、アルコキシカルボニル基の例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基が、モノアルキルアミノ基の例としてはメチルアミノ基が、ジアルキルアミノ基の例としては、ジメチルアミノ基が、アシルアミノ基の例としては、アセチルアミノ基が、ハロゲン原子の例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が、それぞれ挙げられる。また、該アルキル基等が有していてもよい置換基の例としては、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基,n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基など)、アミノ基、モノアルキルアミノ基(メチルアミノ基など)、ジアルキルアミノ基(ジメチルアミノ基など)、ホルミル基、エポキシ基、アシロキシ基(アセトキシ基、n−プロパノイルオキシ基、n−ブタノイルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基など)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基など)、カルボン酸無水物基(−CO−O−CO−R基)(Rは炭素数1〜5のアルキル基である)などが挙げられる。アルキル基の置換基の数は、1〜3個が好ましく、1個がより好ましい。
前記一般式(I)で表されるベンゼン多価カルボン酸アニオンとしては、例えば、ヘミメリット酸アニオン、トリメリット酸アニオン及びトリメシン酸アニオンなどの芳香族トリカルボン酸アニオン、メロファン酸、プレーニト酸及びピロメリット酸などの芳香族テトラカルボン酸アニオン、メリット酸などの芳香族ヘキサカルボン酸アニオンなどを使用することができる。
芳香族多価カルボン酸アニオンが有するカルボキシレート基の数は3〜6個が好ましく、3〜4個がより好ましい。
本発明の金属化合物は、1種のみの芳香族多価カルボン酸アニオンを含んでいてもよく、2種以上の芳香族多価カルボン酸アニオンを含んでいてもよい。また、本発明の金属化合物は、単一の芳香族多価カルボン酸アニオンを含む金属化合物を2種以上混合して使用することもできる。
アルカリ土類金属のイオンとしては、例えば、ベリリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、ストロンチウムイオン及びバリウムイオンなどを使用することができる。金属イオンは、単一の金属イオンを使用することが好ましいが、2種類以上の金属イオンを含む混合金属化合物であってもよい。また、本発明の金属化合物は、単一の金属イオンからなる金属化合物を2種以上混合して使用することもできる。
該金属イオンは金属塩の形で用いてもよい。金属化合物の製造に用いるアルカリ土類金属の塩としては、例えば、ベリリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩及びバリウム塩などを使用することができる。また、これらの金属塩としては、酢酸塩、ギ酸塩などの有機酸塩、硫酸塩、硝酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、炭酸塩などの無機酸塩を使用することができる。
本発明の金属化合物は、上記の他にさらに金属イオンと結合可能なアニオン性配位子を含んでいてもよい。アニオン性配位子としては、例えば、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオロヒ酸イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、ギ酸イオン、酢酸イオン、メタンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、ビス(トリフルオロメタンスルホン酸)イミド、硝酸イオン、ヨウ化物イオン、臭化物イオン及び塩化物イオンなどを使用することができる。
本発明の金属化合物は、1種のみのアニオン性配位子を含んでいてもよく、2種以上のアニオン性配位子を含んでいてもよい。
本発明に用いられるアニオン性配位子は、金属塩のカウンターアニオンをそのまま使用してもよく、他のカウンターアニオンを有する金属化合物を前記アニオン性配位子のアルカリ金属塩と反応させることでアニオン性配位子を有する金属化合物へと変換して使用しても良い。
本発明の金属化合物は、少なくとも3個のカルボキシレート基を有し、かつ環を形成する炭素数が6〜22個である芳香族多価カルボン酸アニオンと、アルカリ土類金属の塩から選択される少なくとも1種の金属塩と、必要に応じてアルカリ土類金属イオンと結合可能なアニオン性配位子とを、気相、液相または固相のいずれかで反応させることで製造できるが、常圧下、溶媒中で数時間から数日間反応させ、析出させて製造することが好ましい。例えば、アルカリ土類金属塩の水溶液または有機溶媒溶液と、芳香族多価カルボン酸化合物を含有する水溶液または有機溶媒溶液とを、常圧下で混合して反応させることにより本発明の金属化合物を得ることができる。
金属化合物を製造するときの芳香族多価カルボン酸化合物とアルカリ土類金属塩の混合比率は、芳香族多価カルボン酸化合物:アルカリ土類金属塩=3:1〜1:3のモル比の範囲内が好ましく、2:1〜1:2のモル比の範囲内がより好ましい。これ以外の範囲では目的とする金属化合物の収率が低下し、また、未反応の原料が残留して得られた金属化合物の精製が困難になる。
金属化合物を製造するための混合溶液における芳香族多価カルボン酸化合物のモル濃度は、0.01〜5.0mol/Lが好ましく、0.05〜2.0mol/Lがより好ましい。これより低い濃度で反応を行っても目的とする金属化合物は得られるが、収率が低下するため好ましくない。また、これより高い濃度では溶解性が低下し、反応が円滑に進行しない。
金属化合物を製造するための混合溶液におけるアルカリ土類金属塩のモル濃度は、0.01〜5.0mol/Lが好ましく、0.05〜2.0mol/Lがより好ましい。これより低い濃度で反応を行っても目的とする金属化合物は得られるが、収率が低下するため好ましくない。また、これより高い濃度では未反応の金属塩が残留し、得られた金属化合物の精製が困難になる。
金属化合物を製造するときの金属塩がアニオン性配位子以外の他のカウンターアニオンを有する場合には、他のカウンターアニオンの含有量はアニオン性配位子よりも少なくなることが好ましい。これ以外の範囲で反応を行っても目的とする金属化合物は得られるが、収率が低下し、副反応も増えるために好ましくない。
金属化合物の製造に用いる溶媒としては、有機溶媒、水またはそれらの混合溶媒を使用することができる。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、塩化メチレン、クロロホルム、アセトン、酢酸エチル、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、水またはこれらの混合溶媒を使用することができる。反応温度としては、253〜423Kが好ましい。
反応が終了したことはガスクロマトグラフィーまたは高速液体クロマトグラフィーにより原料の残存量を定量することにより確認することができる。反応終了後、得られた混合液を吸引濾過に付して沈殿物を集め、有機溶媒による洗浄後、373K程度で数時間真空乾燥することにより、本発明の金属化合物を得ることができる。
以上のようにして得られる本発明の金属化合物は、芳香族多価カルボン酸アニオンとアルカリ土類金属イオンとが金属酸化物様の結合様式をとると考えられる。アルカリ土類金属酸化物は水に対する溶解性が低いため、本発明の金属化合物は高い耐水性を発現すると考えられる。
前記の耐水性向上メカニズムは推定ではあるが、例え前記メカニズムに従っていない場合でも、本発明で規定する要件を満足するのであれば、本発明の技術的範囲に包含される。
本発明の金属化合物は、各種ガスの吸着性能に優れているので、二酸化炭素、水素、一酸化炭素、酸素、窒素、炭素数1〜4の炭化水素(メタン、エタン、エチレン、アセチレン、プロパン、プロペン、メチルアセチレン、プロパジエンなど)、希ガス(ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンなど)、硫化水素、アンモニア、硫黄酸化物、窒素酸化物、シロキサン(ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサンなど)、水蒸気または有機蒸気などを吸着するための吸着材として好ましい。有機蒸気とは、常温、常圧で液体状の有機物質の気化ガスを意味する。このような有機物質としては、メタノール、エタノールなどのアルコール類;トリメチルアミンなどのアミン類;アセトアルデヒドなどのアルデヒド類;炭素数5〜16の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;塩化メチル、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素などが挙げられる。
また、本発明の金属化合物は、各種ガスの吸蔵性能に優れているので、二酸化炭素、水素、一酸化炭素、酸素、窒素、炭素数1〜4の炭化水素(メタン、エタン、エチレン、アセチレン、プロパン、プロペン、メチルアセチレン、プロパジエンなど)、希ガス(ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンなど)、硫化水素、アンモニア、水蒸気または有機蒸気などを吸蔵するための吸蔵材としても好ましい。有機蒸気とは、常温、常圧で液体状の有機物質の気化ガスを意味する。このような有機物質としては、メタノール、エタノールなどのアルコール類;トリメチルアミンなどのアミン類;アセトアルデヒドなどのアルデヒド類;炭素数5〜16の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;塩化メチル、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素などが挙げられる。
さらに、本発明の金属化合物は、各種ガスの分離性能に優れているので、二酸化炭素、水素、一酸化炭素、酸素、窒素、炭素数1〜4の炭化水素(メタン、エタン、エチレン、アセチレン、プロパン、プロペン、メチルアセチレン、プロパジエンなど)、希ガス(ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンなど)、硫化水素、アンモニア、硫黄酸化物、窒素酸化物、シロキサン(ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサンなど)、水蒸気または有機蒸気などを分離するための分離材としても好ましく、特に、メタン中の二酸化炭素、水素中の二酸化炭素、窒素中の二酸化炭素、エチレン中の二酸化炭素、メタン中のエタン、エタン中のエチレン、プロパン中のプロペンまたは空気中のメタンなどを、圧力スイング吸着法や温度スイング吸着法により分離するのに適している。有機蒸気とは、常温、常圧で液体状の有機物質の気化ガスを意味する。このような有機物質としては、メタノール、エタノールなどのアルコール類;トリメチルアミンなどのアミン類;アセトアルデヒドなどのアルデヒド類;炭素数5〜16の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;塩化メチル、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素などが挙げられる。
分離方法は、ガスまたは有機蒸気が金属化合物に吸着できる条件でガスまたは有機蒸気と本発明の金属化合物とを接触させる工程を含む。ガスまたは有機蒸気が金属化合物に吸着できる条件である吸着圧力及び吸着温度は、吸着されるガスまたは有機蒸気の種類に応じて適宜設定することができる。例えば、吸着圧力は0.01〜10MPaが好ましく、0.1〜3.5MPaがより好ましい。また、吸着温度は195K〜343Kが好ましく、273〜313Kがより好ましい。
分離方法は、圧力スイング吸着法または温度スイング吸着法とすることができる。分離方法が圧力スイング吸着法である場合は、分離方法はさらに、圧力を、吸着圧力からガスまたは有機蒸気を金属化合物から脱離させることができる圧力まで減圧する工程を含む。脱離圧力は、吸着されるガスまたは有機蒸気の種類に応じて適宜設定することができる。例えば、脱離圧力は0.005〜2MPaが好ましく、0.01〜0.1MPaがより好ましい。分離方法が温度スイング吸着法である場合は、分離方法はさらに、温度を、吸着温度からガスまたは有機蒸気を金属化合物から脱離させることができる温度まで昇温させる工程を含む。脱離温度は、吸着されるガスまたは有機蒸気の種類に応じて適宜設定することができる。例えば、脱離温度は303〜473Kが好ましく、313〜373Kがより好ましい。
分離方法は、圧力スイング吸着法または温度スイング吸着法である場合、ガスまたは有機蒸気と金属化合物とを接触させる工程と、ガスを金属化合物から脱離させることができる圧力または温度まで変化させる工程とを、適宜繰り返すことができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の実施例および比較例における分析および評価は次のようにして行った。
(1)単結晶X線結晶構造解析
得られた単結晶をゴニオヘッドにマウントし、単結晶X線回折装置を用いて測定した。分析条件の詳細を以下に示す。
得られた単結晶をゴニオヘッドにマウントし、単結晶X線回折装置を用いて測定した。分析条件の詳細を以下に示す。
<分析条件>
装置:株式会社リガク製R−AXIS RAPID II
X線源:MoKα(λ=0.71073Å) 40kV 30mA
集光ミラー:VariMax
検出器:イメージングプレート
コリメータ:Φ0.8mm
解析ソフト:CrystalStructure 3.8
装置:株式会社リガク製R−AXIS RAPID II
X線源:MoKα(λ=0.71073Å) 40kV 30mA
集光ミラー:VariMax
検出器:イメージングプレート
コリメータ:Φ0.8mm
解析ソフト:CrystalStructure 3.8
(2)粉末X線回折パターンの測定
X線回折装置を用いて、回折角(2θ)=2〜50°の範囲を走査速度1°/分で走査し、対称反射法で測定した。分析条件の詳細を以下に示す。
X線回折装置を用いて、回折角(2θ)=2〜50°の範囲を走査速度1°/分で走査し、対称反射法で測定した。分析条件の詳細を以下に示す。
<分析条件>
装置:株式会社リガク製SmartLab
X線源:CuKα(λ=1.5418Å) 45kV 200mA
ゴニオメーター:横型ゴニオメーター
検出器:D/teX Ultra
ステップ幅:0.02°
スリット:発散スリット=2/3°
受光スリット=0.3mm
散乱スリット=2/3°
装置:株式会社リガク製SmartLab
X線源:CuKα(λ=1.5418Å) 45kV 200mA
ゴニオメーター:横型ゴニオメーター
検出器:D/teX Ultra
ステップ幅:0.02°
スリット:発散スリット=2/3°
受光スリット=0.3mm
散乱スリット=2/3°
(3)吸脱着等温線の測定
高圧ガス吸着装置を用いて容量法で測定を行った。このとき、測定に先立って試料を373K、50Paで10時間乾燥し、吸着水などを除去した。分析条件の詳細を以下に示す。
高圧ガス吸着装置を用いて容量法で測定を行った。このとき、測定に先立って試料を373K、50Paで10時間乾燥し、吸着水などを除去した。分析条件の詳細を以下に示す。
<分析条件>
装置:日本ベル株式会社製BELSORP−HP
平衡待ち時間:500秒
装置:日本ベル株式会社製BELSORP−HP
平衡待ち時間:500秒
(4)破過曲線の測定
ガス流量計とバルブ類を備えたステンレスチューブでボンベと接続した内容積10mLの耐圧ガラス容器を用意した。測定は、耐圧ガラス容器に試料を入れ、373K、7Paで3時間乾燥し、吸着水などを除去した後に、混合ガスを流通させることで行った。このとき、出口ガスを2分おきにサンプリングし、ガスクロマトグラフィーで分析することで出口ガスの組成を算出した(入口ガスの組成はあらかじめガスクロマトグラフィーを用いて測定)。測定条件の詳細を以下に示す。
ガス流量計とバルブ類を備えたステンレスチューブでボンベと接続した内容積10mLの耐圧ガラス容器を用意した。測定は、耐圧ガラス容器に試料を入れ、373K、7Paで3時間乾燥し、吸着水などを除去した後に、混合ガスを流通させることで行った。このとき、出口ガスを2分おきにサンプリングし、ガスクロマトグラフィーで分析することで出口ガスの組成を算出した(入口ガスの組成はあらかじめガスクロマトグラフィーを用いて測定)。測定条件の詳細を以下に示す。
<測定条件>
装置:株式会社島津製作所製GC−14B
カラム:ジーエルサイエンス株式会社製Unibeads C 60/80
カラム温度:200℃
キャリアガス:ヘリウム
注入量:1.0mL
検出器:TCD
装置:株式会社島津製作所製GC−14B
カラム:ジーエルサイエンス株式会社製Unibeads C 60/80
カラム温度:200℃
キャリアガス:ヘリウム
注入量:1.0mL
検出器:TCD
<合成例1>
窒素雰囲気下、硝酸バリウム5.22g(20mmol)及びトリメシン酸2.10g(10mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド600mLに溶解させ、413Kで24時間攪拌した。析出した結晶について、単結晶X線構造解析を行った結果を以下に示す。また、結晶構造を図1に示す。本金属化合物の組成は、バリウムイオン:トリメシン酸イオン:硝酸イオン=2:1:1であった。
Hexagonal(P−62c)
a=17.8254(4)Å
b=17.8254(4)Å
c=10.2582(2)Å
α=90.00°
β=90.00°
γ=120.00°
V=2823(1)Å3
Z=6
R=0.0277
Rw=0.0638
析出した金属化合物を吸引濾過により回収した後、N,N−ジメチルホルムアミドで3回、ジクロロエタンで1回洗浄した。続いて、373K、50Paで8時間乾燥し、目的の金属化合物5.05g(収率73%)を得た。得られた金属化合物の粉末X線回折パターンを図2に示す。
窒素雰囲気下、硝酸バリウム5.22g(20mmol)及びトリメシン酸2.10g(10mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド600mLに溶解させ、413Kで24時間攪拌した。析出した結晶について、単結晶X線構造解析を行った結果を以下に示す。また、結晶構造を図1に示す。本金属化合物の組成は、バリウムイオン:トリメシン酸イオン:硝酸イオン=2:1:1であった。
Hexagonal(P−62c)
a=17.8254(4)Å
b=17.8254(4)Å
c=10.2582(2)Å
α=90.00°
β=90.00°
γ=120.00°
V=2823(1)Å3
Z=6
R=0.0277
Rw=0.0638
析出した金属化合物を吸引濾過により回収した後、N,N−ジメチルホルムアミドで3回、ジクロロエタンで1回洗浄した。続いて、373K、50Paで8時間乾燥し、目的の金属化合物5.05g(収率73%)を得た。得られた金属化合物の粉末X線回折パターンを図2に示す。
<実施例1>
合成例1で得られた金属化合物について、273Kにおけるエチレンの吸脱着量を容量法により測定し、吸脱着等温線を作成した。結果を図3に示す。また、0.1MPa、0.4MPa、0.6MPa、0.8MPaの各圧力についての吸着量及び常圧(0.1MPa)における吸着量との差を表1に示す。
合成例1で得られた金属化合物について、273Kにおけるエチレンの吸脱着量を容量法により測定し、吸脱着等温線を作成した。結果を図3に示す。また、0.1MPa、0.4MPa、0.6MPa、0.8MPaの各圧力についての吸着量及び常圧(0.1MPa)における吸着量との差を表1に示す。
<比較例1>
マグネシウムイオン−ギ酸金属化合物(BASF製Basosive M050)について、273Kにおけるエチレンの吸脱着量を容量法により測定し、吸脱着等温線を作成した。結果を図4に示す。また、0.1MPa、0.4MPa、0.6MPa、0.8MPaの各圧力についての吸着量及び常圧(0.1MPa)における吸着量との差を表1に示す。
マグネシウムイオン−ギ酸金属化合物(BASF製Basosive M050)について、273Kにおけるエチレンの吸脱着量を容量法により測定し、吸脱着等温線を作成した。結果を図4に示す。また、0.1MPa、0.4MPa、0.6MPa、0.8MPaの各圧力についての吸着量及び常圧(0.1MPa)における吸着量との差を表1に示す。
図3より、本発明の金属化合物は圧力の上昇と共にエチレンを吸着することがわかる。また、表1に示すように、本発明の金属化合物は比較例1の金属化合物に比べ、常圧(0.1MPa)におけるエチレン吸着量と高圧下でのエチレン吸着量との差が大きいため、常圧以下に減圧せずともエチレンを吸脱着して取り出すことができ、エチレンの吸蔵材として優れていることは明らかである。
<実施例2>
合成例1で得た金属化合物について、容量比でメタン:二酸化炭素=60:40からなるメタンと二酸化炭素の混合ガスを用い、273K、0.8MPa、空間速度6min−1における破過曲線の測定を行い、ガス分離性能を評価した。結果を図5に示す。
合成例1で得た金属化合物について、容量比でメタン:二酸化炭素=60:40からなるメタンと二酸化炭素の混合ガスを用い、273K、0.8MPa、空間速度6min−1における破過曲線の測定を行い、ガス分離性能を評価した。結果を図5に示す。
<比較例2>
マグネシウムイオン−ギ酸金属化合物(BASF製Basosive M050)について、容量比でメタン:二酸化炭素=60:40からなるメタンと二酸化炭素の混合ガスを用い、273K、0.8MPa、空間速度6min−1における破過曲線の測定を行い、ガス分離性能を評価した。結果を図6に示す。
マグネシウムイオン−ギ酸金属化合物(BASF製Basosive M050)について、容量比でメタン:二酸化炭素=60:40からなるメタンと二酸化炭素の混合ガスを用い、273K、0.8MPa、空間速度6min−1における破過曲線の測定を行い、ガス分離性能を評価した。結果を図6に示す。
図5より、本発明の金属化合物は、二酸化炭素を優先的に吸着し、二酸化炭素の破過時間(二酸化炭素が出口ガスに検出されるまでの時間)が長く、その間メタンのみを取り出せるため、メタンを99.5%以上にまで濃縮することができ、メタンと二酸化炭素の分離材として優れていることがわかる。一方、図6より、比較例2の金属化合物は、出口ガスにおいて二酸化炭素とメタンとが同時に検出されるため、メタンのみを混合ガスから高純度で分離できないことがわかる。
Claims (13)
- 少なくとも3個のカルボキシレート基を有し、かつ芳香環を形成する炭素数が6〜22個である芳香族多価カルボン酸アニオンと、アルカリ土類金属イオンから選択される少なくとも1種の金属イオンを含む金属化合物。
- 該芳香族多価カルボン酸アニオンが、下記一般式(I);
(式中、R1、R2、R3及びR4のうち少なくとも1つはRxであり、Rxを除くR1、R2、R3及びR4はそれぞれ同一または異なって水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、アルコキシ基、ホルミル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アシルアミノ基またはハロゲン原子である。Rxは下記一般式
で表されるカルボキシレート基である。)
で表されるベンゼン多価カルボン酸アニオンである請求項1に記載の金属化合物。 - 該金属化合物がさらにアニオン性配位子を含む請求項1または2に記載の金属化合物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の金属化合物からなる吸着材。
- 該吸着材が、二酸化炭素、水素、一酸化炭素、酸素、窒素、炭素数1〜4の炭化水素、希ガス、硫化水素、アンモニア、硫黄酸化物、窒素酸化物、シロキサンまたは有機蒸気を吸着するための吸着材である請求項4に記載の吸着材。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の金属化合物からなる吸蔵材。
- 該吸蔵材が、二酸化炭素、水素、一酸化炭素、酸素、窒素、炭素数1〜4の炭化水素、希ガス、硫化水素、アンモニアまたは有機蒸気を吸蔵するための吸蔵材である請求項6に記載の吸蔵材。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の金属化合物からなる分離材。
- 該分離材が、二酸化炭素、水素、一酸化炭素、酸素、窒素、炭素数1〜4の炭化水素、希ガス、硫化水素、アンモニア、硫黄酸化物、窒素酸化物、シロキサンまたは有機蒸気を分離するための分離材である請求項8に記載の分離材。
- 該分離材が、メタンと二酸化炭素、水素と二酸化炭素、窒素と二酸化炭素、エチレンと二酸化炭素、メタンとエタン、エタンとエチレン、プロパンとプロペンまたは空気とメタンを分離するための分離材である請求項8に記載の分離材。
- 金属化合物と混合ガスとを0.01〜10MPaの圧力範囲で接触させる工程を含むことを特徴とする請求項8に記載の分離材を用いる分離方法。
- 該分離方法が圧力スイング吸着法である請求項11に記載の分離方法。
- 少なくとも3個のカルボキシレート基を有し、かつ芳香環を形成する炭素数が6〜22個である芳香族多価カルボン酸アニオンと、アルカリ土類金属イオンから選択される少なくとも1種の金属イオンとを溶媒中で反応させ、析出させる、請求項1に記載の金属化合物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012048825A JP2013184892A (ja) | 2012-03-06 | 2012-03-06 | 金属化合物、並びにそれからなる吸着材、吸蔵材及び分離材 |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017029868A1 (ja) * | 2015-08-17 | 2017-02-23 | ダイキン工業株式会社 | ハロゲン化不飽和炭素化合物の分離方法 |
-
2012
- 2012-03-06 JP JP2012048825A patent/JP2013184892A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2017029868A1 (ja) * | 2015-08-17 | 2017-02-23 | ダイキン工業株式会社 | ハロゲン化不飽和炭素化合物の分離方法 |
JPWO2017029868A1 (ja) * | 2015-08-17 | 2018-07-05 | ダイキン工業株式会社 | ハロゲン化不飽和炭素化合物の分離方法 |
US10654775B2 (en) | 2015-08-17 | 2020-05-19 | Daikin Industries, Ltd. | Separation method for halogenated unsaturated carbon compound |
US11053180B2 (en) | 2015-08-17 | 2021-07-06 | Daikin Industries, Ltd. | Separation method for halogenated unsaturated carbon compound |
JP6997986B2 (ja) | 2015-08-17 | 2022-01-18 | ダイキン工業株式会社 | ハロゲン化不飽和炭素化合物の分離方法 |
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