JP2014082108A - 蓄電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】建物の火災に伴い蓄電装置に収納したリチウムイオン電池の爆発的な燃焼を抑制可能とする。
【解決手段】蓄電装置12は、複数のリチウムイオン電池を収納した電池モジュール30を備え、商用交流系統の交流電力を、スイッチング電源部26で直流電力に変換し、双方向DC/DCコンバータ28を介して電池モジュール30に蓄電して利用する。電池モジュール30の収納容器に発煙消火装置48を設ける、発煙消火装置48は、リチウムイオン電池の発火による火災を検出した場合、電池モジュール30の容器内に消火用エアロゾルを噴出して消火する。
【選択図】図2

Description

本発明は、住宅等の建物内に配置し、交流系統の交流電力を直流電力に変換して、複数のリチウムイオン電池を収納した電池モジュールに蓄電して利用する据置型の蓄電装置に関する。
近年、一般住宅、オフィス、公共施設などを対象にした定置型の蓄電装置が急速に広がっている。
定置型の蓄電装置は、建物内に引き込まれた商用交流系統のコンセント等に接続して入力した交流電力を直流電力に変換して蓄電し、テレビ、パーソナルコンピュータ等の電子機器、照明機器といった日常生活で重要度の高い負荷、所謂重要負荷を接続しておくことで、商用交流系統の停電時は勿論のこと、平常時にも、必要に応じて蓄電した直流電力を交流電力に変換して出力して動作するようにしている。
また、商用交流系統からの交流電力による蓄電装置の蓄電を、電気料金が安くなる深夜の時間帯に行い、消費電力が最大となる昼間の電力ピークの時間帯に、蓄電装置に蓄電した直流電力を交流電力に変換して負荷へ供給し、商用交流系統からの電力消費を低減し、節電と経済的な電力の活用を可能としている。
蓄電装置には、セルと呼ばれる単電池を複数接続した電池モジュール(組電池)が組み込まれており、蓄電装置に搭載する単電池は、従来の鉛電池やニッケル・水素電池から、小型で容量が大きく、一般家庭でも充電が可能なリチウムイオン電池へ移行しており、リチウムイオン電池を用いたことで、数百Whから2〜3kWh程度の蓄電容量をもった建物内に簡単に設置して使用可能な小型の蓄電装置を実現している。
また、公共施設や病院などを対象に費用の全額を補助する公的な財政措置が採られることで、防災対策の観点からも蓄電装置の普及が強力に推し進められている。
特開2002−238246号公報 特開2009−064809号公報 特開2011−044703号公報
このようなリチウムイオン電池を使用した蓄電装置の広範な普及に伴い、、蓄電装置に収納したリチウムイオン電池において、内部ショートや過充電等の種々の原因で熱暴走し、電池温度が著しく上昇して、数百度まで電池温度が上昇すると、電池内部の圧力が上昇し、その結果、単電池の破裂や発火が起き、蓄電装置を火元とした電気火災を発生する恐れがある。
しかし、建物にリチウムイオン電池を収納した蓄電装置を設置した場合の電気火災に対応した設備は持ち合わせていない。また電気火災が発生した際に、従来の水系消火設備による消火活動は、火災を消火或いは抑制するどころか、感電事故等の二次災害を誘発する危険性が高い。
本発明は、リチウムイオン電池の異常に起因した電気火災を自動検出して消火抑制する蓄電装置を提供することを目的とする。
(蓄電装置)
本発明は、複数のリチウムイオン電池を収納した電池モジュールを備え、直流電力を電池モジュールに蓄電して利用する蓄電装置に於いて、
電池モジュールに配置され、リチウムイオン電池の火災を検出した場合に、消火用エアロゾルを噴出して消火する発煙消火装置を設けたことを特徴とする。
(発煙消火装置を電池収納容器の内側又は外側に配置)
発煙消火装置は、複数のリチウムイオン電池を収納した収納容器の内側又は外側に配置され、リチウムイオン電池の異常に伴う火災を検出した場合に、固形消火剤に点火して燃焼させることにより発生した消火用エアロゾルを収納容器内に噴出して消火する。
(リチウムイオン電池と同じ形状の発煙消火装置)
電池モジュールは、円筒形状を備えた複数のリチウムイオン電池を、収納容器内の電池収納部に配列して収納し、
発煙消火装置は、リチウムイオン電池と同じ形状を備えると共に電池収納部の空き位置に配置し、リチウムイオン電池の異常に伴う火災を検知した場合に、固形消火剤に点火して燃焼させることにより発生した消火用エアロゾルを収納容器内に噴出して消火する。
(発煙消火装置の構造)
発煙消火装置は、
収納容器内に消火用エアロゾルを噴出する噴出口を備えた筐体と、
筐体に収納され、燃焼により消火用エアロゾルを発生する固形消火剤と、
収納容器内に配置し、リチウムイオン電池の異常に伴う火災を検出する火災検出部と、
火災検出部により収納容器内の火災を検出した場合に、ヒータの通電加熱により固形消火剤に点火して燃焼させる点火回路部と、
点火回路部に電源を供給する電池電源と、
を備える。
(電池収納容器外側の火災検知)
発煙消火装置は、更に、収納容器の外部に配置し、収納容器の外側となる筐体内の火災を検出する第2の火災検出部を備え、
点火回路部は、第2の火災検出部により収納容器内の火災を検出した場合に、ヒータの通電加熱により固形消火剤に点火して燃焼させる。
(熱感知ケーブル)
火災検出部は、火災による熱を受けた場合の絶縁被覆の溶融により一対の信号線を短絡状態に接触させる熱感知ケーブルであり、
点火回路部は、熱感知ケーブルの短絡を検出した場合に、ヒータの通電加熱により固形消火剤に点火して燃焼させる。
(火災と消火起動の報知)
更に、固形消火剤に点火して燃焼させた場合に、蓄電装置の火災と発煙消火装置の消火起動を報知する報知部を設ける。
(火災警報器との連携)
更に、固形消火剤に点火して燃焼させた場合に、建物に設置した火災を検出した場合に連動元を示す火災警報を出力すると共に火災連動信号を他の火災警報器へ無線又は有線で送信して連動先を示す火災警報を出力させる火災警報器に、火災起動信号を無線又は有線で送信して、蓄電装置の火災と発煙消火装置の消火起動を報知させる通信部を設ける。
(自動火災報知設備との連携)
更に、固形消火剤に点火して燃焼させた場合に、建物に設置した自動火災報知設備に、火災起動信号を無線又は有線で送信して、蓄電装置の火災と発煙消火装置の消火起動を報知させる通信部を設ける。
(発煙消火装置の筐体構造)
発煙消火装置の筐体は、
噴出口を設けた筐体本体と、
筐体本体の内部に支持部材を介して浮いた状態に配置し、固形消火剤を収納した消火剤収納ケースと、
消火剤収納ケースから噴出した消火用エアロゾルを噴出口に導く煙道を形成する煙道構造と、
煙道に配置した火炎噴出防止部材と、
を備える。
(分離型の発煙消火装置)
発煙消火装置は、
電池モジュールの収納容器外壁を貫通して配置され、固形消火剤の燃焼により発生した消火用エアロゾルを収納容器内に噴出して消火する発煙消火部と、
収納容器外壁を貫通して配置され、収納容器内に収納したリチウムイオン電池の異常に伴う火災を検出する火災検出部と、
記収納容器の外部に配置され、火災検出部により火災を検出した場合又は他の装置から点火制御信号を受信した場合に、発煙消火部の固形消火剤に点火して燃焼させる消火制御部と、
を備える。
(基本的な効果)
本発明の蓄電装置は、複数のリチウムイオン電池を収納した電池モジュールの収納容器に発煙消火装置を配置し、リチウムイオン電池の異常に伴う火災を検出した場合に、発煙消火手段から消火用エアロゾルを収納容器内に噴出して消火するようにしたため、リチウムイオン電池が、内部ショートや過充電等の種々の原因で熱暴走して電池温度が著しく上昇し、その結果、リチウムイオン電池の破裂や発火が起きた場合に、この電気火災を検出して発煙消火手段から消火用エアロゾルを収納容器内に噴出し、電気火災をリチウムイオン電池の収納容器内で消火抑制し、蓄電装置を火元とした火災に拡大することを未然に防止することを可能とする。
また、発煙消火手段がリチウムイオン電池の収納容器内に噴出する消火用エアロゾルは、固形消火剤を点火・燃焼させることによって発生し、消火用エアロゾルは2μm程度の微粒子であり、その主成分は例えば金属の酸化物、炭酸塩或いは燐酸塩或いはその混合物等を含有する。一例としては、塩化カリウム、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウムなどを主成分とし、これに窒素、二酸化炭素、水蒸気などが含まれ、水系消火剤を使用できない電気火災に好適な消火抑制ができる。
また、リチウムイオン電池の収納容器内は、外気から遮断された密閉空間であり、発煙消火手段から噴出した消火用エアロゾルは確実に収納容器内に滞留してほとんど外部に漏れ出すことはなく、リチウムイオン電池の異常で起きた収納容器内の電気火災を、確実に消火抑制することができる。
(発煙消火手段の構造による効果)
また、発煙消火手段は、筐体、固形消火剤と、熱感知ケーブル、点火回路部、コネクタ、プラグ、電池電源を備えるようにしたため、リチウムイオン電池の収納容器に対し、発煙消火手段は完全に独立した手段として、簡単且つ容易に取付けて、リチウムイオン電池の異常に伴う電気火災の消火抑制を可能とする。
また、収納容器内のリチウムイオン電池の異常に伴う電気火災の検出は、例えば熱感知ケーブルがリチウムイオン電池の破裂や発火に伴う熱を受けた場合の絶縁被覆の溶融により一対の信号線を短絡状態に接触させることで検出しており、温度センサなどを使用した場合に必要な火災を検出する閾値温度の設定や、閾値と検出温度の比較判断を不要とし、簡単且つ確実に、リチウムイオン電池の異常に伴う電気火災を検出して消火用エアロゾルを収納容器内に噴出し、消火抑制できる。
(収納容器外側の火災検知による効果)
また、電池モジュールの収納容器の外側となる装置筐体内に、第2の電池火災検出手段として例えば熱感知ケーブルを配置し、建物火災により蓄電装置が火炎に曝され、電池モジュール収納容器内は発火温度に達していないが、収納容器外側の装置筐体内が発火温度を超えて回路機器などが燃える火災となった場合、第2の火災検知手段により装置筐体内の火災を検知してリチウムイオン電池が発火する前に消火用エアロゾルを収納容器内に噴出し、リチウムイオン電池が発火点に達した場合の火災を抑制することを可能とする。
(火災と消火起動の報知による効果)
また、蓄電装置は、固形消火剤に点火して燃焼させた場合に、報知部から火災と消火起動を表示して報知することで、居住者は、外部から見ることのできない蓄電装置内部で起きた火災と消火起動を確実に知り、迅速且つ適切な対処を可能とする。
(無線連動型火災警報器との連携による効果)
また、発煙消火装置がリチウムイオン電池の火災を検出して固形消火剤の燃焼によりエアロゾル収納容器内に噴出した場合には、通信部から消火起動信号を、建物内に設置している無線連動型の火災警報器へ送信し、蓄電装置の火災と発煙消火装置の消火起動を報知させることにより、住宅への設置が義務付けられた火災警報器を活用して、蓄電装置の火災と消火起動を居住者に報知し、迅速且つ適切な対処を可能とする。
(自動火災報知設備)
また、発煙消火装置は、リチウムイオン電池の火災を検出して固形消火剤の燃焼により消火用エアロゾル収納容器内に噴出した場合には、通信部から消火起動信号を、建物内に設置している防災受信機へ送信して、建物内の人に蓄電装置の火災と消火起動を報知し、迅速な対処を可能とする。
(発煙消火装置の筐体構造による効果)
発煙消火手段の筐体は、筐体本体、消火剤収納ケース、煙道構造、火炎噴出防止部材により構成しており、水系の発煙消火手段に比べると、例えばブックサイズ程度のコンパクトで且つ軽量な発煙消火手段とすることができ、リチウムイオン電池の収納容器に取付けても、蓄電装置の筐体内での設置スペースに大きく影響することはない。
また消火に必要な消火用エアロゾルを得るための固形消火剤の重量は、例えば1立方メートル当たり80グラム〜200グラム程度となることが知られており、リチウムイオン電池を収納する電池モジュールの収納容器の内容積は、大型の電池モジュールの収納容器であっても、0.25立方メートル程度であり、これに必要な固形消火剤は20グラム〜50グラム程度であり、実際には、収納容器内に複数のリチウムイオン電池を配列して収納することから、実質的な収納容器内の空き容積はそれよりも更に小さく、必要な固形消火剤が少なくて済むため、発煙消火手段はブックサイズよりも更に小さいサイズとすることが可能である。
また、必要とする固形消火剤の量が少なくてすむため、固形消火剤を燃焼して消火用エアロゾルを発生しても、固形消火剤の燃焼による炎や発熱を少なくすることができ、単電池による電気火災を逆に煽ってしまうような不具合は起きない。
(分離型の発煙消火装置による効果)
また、発煙消火装置を、発煙消火部、火災検出部及び消火制御部に分離し、電池モジュールの収納容器外壁を貫通して発煙消火部と火災検出部を個別に配置し、これに外部に配置した消火制御部を信号線接続するようにしたため、発煙消火部と火災検出部を独立したユニットに分離したことで、様々な構造をとる電池モジュールの収納容器に対し、収納容器内に消火用エアロゾルを噴出可能な位置を選択して発煙消火部を適切に取付け配置することを可能とし、同様に、収納容器内に収納したリチウムイオン電池の火災を検出するために適切な位置を選択して火災検出部を取付け配置することを可能とし、発煙消火装置を構成する発煙消火部、火災検出部及び消火制御部を電池モジュールの収納容器に実装する場合の自由度を高めることができる。
また、発煙消火部、火災検出部及び消火制御部を分離したことで、各々を小型化することができ、それぞれの収納容器およびその周辺に対する配置スペースを最小限に抑えることを可能とする。
住宅に設置した本発明の蓄電装置を示した説明図 蓄電装置の実施形態を蓄電装置と共に示したブロック図 蓄電装置の内部構造の概略を示した説明図 住警器の概略構成を示したブロック図 電池モジュールの外観を示した説明図 図5の内部構造を示した断面図 図5の収納容器蓋を外して収納容器本体の内部を示した平面図 図7の収納容器蓋の内側を示した説明図 発煙消火装置の外観を示した斜視図 発煙消火装置の縦断面を示した断面図 発煙消火装置の横断面を示した断面図 図5の筐体内部に配置した点火回路部の実施形態を示した回路図 発煙消火装置を起動して消火用エアロゾルを発生する状態を示した説明図 発煙消火装置を外付けした電池モジュールの第2実施形態を示した説明図 図14の内部構造を示した断面図 発煙消火装置の縦断面を示した断面図 図16の発煙消火装置を起動して消火用エアロゾルを発生する状態を示した説明図 円筒形電池と同じ形状の発煙消火装置を備えた電池モジュールの第3実施形態を示した分解組立図 図18の収納容器蓋を外して収納容器本体の内部を示した平面図 発煙消火装置の縦幅方向の断面を示した断面図 発煙消火装置の上部端面を示した説明図 発煙消火装置を起動して消火用エアロゾルを発生する状態を示した説明図 扁平箱形電池と同じ形状の発煙消火装置を備えた電池モジュールの第4実施形態を示した分解組立図 図23の収納容器蓋を外して収納容器本体の内部を示した平面図 発煙消火装置の外観を示した説明図 発煙消火装置の縦幅方向の断面を示した断面図 発煙消火装置を起動して消火用エアロゾルを発生する状態を示した説明図 発煙消火部と火災検出部に分離した発煙消火装置を設けた電池モジュールの第5実施形態を示した説明図 図28の電池モジュールの分解組立図 発煙消火部を軸方向の断面で示した断面図 発煙消火部を起動して消火エアロゾルを発生する状態を示した説明図
[蓄電システムの概要]
図1は住宅に本発明の蓄電装置を配置した蓄電システムの概略を示した説明図である。図1において、住宅10の所望の部屋には、本発明による蓄電装置12を設置している。住宅10には、商用交流系統から例えば単相3線式の電力線が電力メータ14を経由して引き込まれ、分電盤16の1次側に接続している。分電盤16からは単相2線式の電力線が引き出され、建物10に設けた負荷に交流電力を供給している。
蓄電装置12は、複数のリチウムイオン電池を直列接続した1又は複数の電池モジュール(組電池)を収納しており、分電盤16から引き出した電力線に設けたコンセント18にケーブルをプラグ接続して交流電力を外部から入力し、直流電力に変換して電池モジュールに充電して蓄電する。また、蓄電装置12は交流出力用のアウトレット34を備え、ここに商用交流系統の停電時にも動作を必要とする家電機器や情報機器を重要負荷20としてそのケーブルをプラグ接続している。
平常時、蓄電装置12は交流電力を入力するインレット18と交流電力を出力するアウトレット34の間をバイパス電路により接続しており、このためインレット18に入力した交流電力はアウトレット34を介して直接に重要負荷20に供給され、重要負荷20は商用交流系統の交流電力により動作している。
蓄電装置12に設けた電池モジュールの充電は、例えば電気料金が安くなる深夜料金の時間帯に行う。勿論、深夜料金の時間帯以外でも、電池モジュールの充電率が所定値以下に低下した場合は、電池モジュールの充電を行う。
蓄電装置12の電池モジュールに蓄電した直流電力の利用は、商用交流系統の停電時は勿論であるが、平常時にあっても、重要負荷20の消費電力が所定値を超え且つ電池モジュールの充電率が所定値以上の場合に、電池モジュールに蓄電した直流電力を交流電力に変換して重要負荷20に供給する。
[蓄電装置の構成]
図2は本発明による蓄電装置の実施形態を示したブロック図である。なお、電力線を実線で示し、信号線は点線で示している。
図2において、本実施形態の蓄電装置12は、電力系回路部として、交流電力を入力するインレット25、スイッチング電源部26、双方向DC/DCコンバータ28、電池モジュール30、DC/ACインバータ32、交流電力を出力するアウトレット34、リレー36と常開リレー接点38を備えたバイパス開閉部35を備える。また、蓄電装置12は、制御系回路部として、電池制御部40.制御手段として機能する制御部42、操作部44、報知部45、アンテナ47を接続した無線通信部46を備える。また、蓄電装置12に設けた電池モジュール30に対しては、発煙消火装置48を設けている。
(電力系回路部の構成)
スイッチング電源部26はインレット25から入力した交流電力を所定電圧の直流電力に変換して双方向DC/DCコンバータ28に出力する。スイッチング電源部26はスイッチングレギュレータとして知られており、入力した交流電力を整流した後にスイッチングにより電力変換し、整流平滑回路により所定電圧に定電圧制御した直流電力を出力する。なお、スイッチング電源部26の代わりに、交流電力を直流電力に変換する整流平滑回路を設けても良い。
双方向DC/DCコンバータ28は、電池モジュール30を充電する場合、スイッチング電源部26から入力した直流電力の直流電圧を所定電圧に例えば降圧して電池モジュール30に出力して充電させる。また、双方向DC/DCコンバータ28は、電池モジュール30を放電する場合、電池モジュール30から出力した直流電力の直流電圧を、所定電圧に例えば昇圧してDC/ACインバータ32へ出力し、電池モジュール30に蓄えた直流電力を放電させる。
DC−ACインバータ32は、双方向DC/DCコンバータ28の放電変換で出力した直流電力を交流電力に変換し、アウトレット34から外部の負荷に交流電力を出力する。
バイパス開閉部35は、インレット25に商用交流電源が入力している平常時に、リレー36の作動により常開リレー接点38を閉じ、スイッチング電源部26及びDC/ACインバータ32をバイパスしてインレット25とアウトレット34の間を直接結ぶ電路を形成し、入力した交流電力をそのままアウトレット34を介して例えば図1に示した重要負荷20に供給して動作させている。
電池モジュール30は複数のリチウムイオン電池を収納している。電池モジュール30に収納するリチウムイオン電池は非水電解質二次電池であり、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金で形成された扁平な矩形箱状又は円筒状の外装容器に、非水電解液と共に電極体を備えている。リチウムイオン電池の電極体は、例えば、正極板及び負極板をその間にセパレータを介在させて渦巻き状に捲回し、さらに、径方向に圧縮することにより、扁平な矩形状又は円筒状に形成している。また、リチウムイオン電池としては、ラミネート型の単電池(フィルム外装電池)を収納容器内に複数配置しても良い。
電池モジュール30には例えば18個のリチウムイオン電池を配列して直列接続しており、更に2組の電池モジュール30を並列接続している。ここで、リチウムイオン電池の平均セル電圧を例えば3.6ボルトとすると、電池モジュールひとつの電圧は約65ボルトとなり、2組の電池モジュール30を並列接続することで、電池モジュール30の出力端子の直流電圧は同じく約65ボルトとなる。
電池モジュール30に対しては、複数のリチウムイオン電池を制御する電池制御部40を設けている。
電池制御部40は、セル制御機能と電池制御機能を備える。セル制御機能は、電池制御機能からの指令によって複数のリチウムイオン電池(セル電池)の状態の管理及び制御を行う電池毎に設けた複数の集積回路によって構成する。複数のリチウムイオン電池の状態の管理及び制御には、各リチウムイオン電池の電圧の計測,各リチウムイオン電池の蓄電量の調整などがある。
電池制御機能は、電池モジュール30の状態を管理及び制御すると共に、上位の制御部42に電池モジュール30の状態や許容充放電電力などの充放電制御指令を通知する。電池制御機能による電池モジュール30の状態の管理及び制御には、バッテリー電圧及び電流の計測、蓄電状態及び劣化状態などの演算、電池モジュール30の温度の計測、リチウムイオン電池のセル電圧を計測するための指令、セル蓄電量を調整するための指令などの出力などがある。
(制御系回路部の構成)
制御部42に対し設けた操作部44は、充電スイッチ、放電スイッチを備え、手動操作により電池モジュール30の充電と放電を可能とする。
報知部45には、交流入力を示す電源灯、充電表示灯、放電表示灯、表示パネルなどを用いた充電率表示部、火災表示灯、発煙消火作動灯などを設けている。また、報知部45は、音響警報音の出力機能も備える。
無線通信部46は、発煙消火装置48を起動した場合に出力される消火起動信号を、制御部42の指示に基づき、例えば図1に示した住警器24へ送信し、蓄電装置12の火災と発煙消火装置48の消火起動を、音声メッセージの出力と警報表示LEDの表示で報知させる。
(発煙消火装置の概略)
電池モジュール30に配置した発煙消火装置48は、電池モジュール30の収納容器に収納しているリチウムイオン電池の火災を検出した場合に、固形消火剤に点火して燃焼させることで消火用エアロゾルを発生し、発生した消火用エアロゾルを収納容器内に噴出して消火する。
発煙消火装置48による火災検出は、収納容器内に熱感知ケーブルを布設し、火災による熱を受けた場合の熱感知ケーブルの絶縁被覆の溶融により一対の信号線を短絡状態に接触させ、この熱感知ケーブルの短絡を検出した場合に、ヒータの通電加熱により固形消火剤に点火して燃焼させて、消火用エアロゾルを収納容器内に噴出する。
発煙消火装置48は、更に、収納容器の外部となる装置筐体内に、第2の火災検出部として機能する熱感知ケーブルを布設し、リチウムイオン電池の火災に繋がる可能性の高い装置筐体内の火災を検知した場合にも、ヒータの通電加熱により固形消火剤に点火して燃焼させて、消火用エアロゾルを収納容器内に噴出する。発煙消火装置48の詳細は、図5〜図31を参照して、後の説明で明らかにする。
[蓄電装置の構造]
図3は蓄電装置12の構造の概略を示した説明図である。図3に示すように、蓄電装置12は、箱形に形成した筐体15の内部を、仕切板55により、電池収納区画56、電力系収納区画57及び制御系収納区画58に分割している。電池収納区画56は例えば2つに分けられ、それぞれ電池モジュール30を収納している。筐体15にはストッパ付きの車輪59を設けている。
電池収納区画56を囲む仕切板55は、火炎の暴露による内部温度の上昇を抑えるために例えば厚さ1.6ミリメートル以上の鋼鈑により作られた密閉構造としている。電力系収納区画57には、電力系回路ユニット27が設けられ、ここに図2に示したスイッチング電源部26、双方向DC/DCコンバータ28、DC/ACインバータ32、バイパス開閉部35の回路ボードを配置し、更に筐体15の側面にインレット25とアウトレット34を配置している。
また、制御系格納区画58には、図2に示した制御部42、操作部44、報知部45、アンテナ47を接続した無線通信部46を配置している。
電池収納区画56に収納した電池モジュール30の例えば収納容器内に発煙消火装置48を配置している。発煙消火装置48は、収納容器内のリチウムイオン電池の火災、又は収納容器外の筐体15内の火災を検出した場合、固形消火剤に点火して燃焼させることで消火用エアロゾルを発生し、発生した消火用エアロゾルを収納容器内に噴出する。
[蓄電装置の制御]
(蓄電装置の充放電運転制御)
図2に示すように、制御部42の蓄電運転制御は、例えば一日24時間単位に充電時間と放電時間を設定したタイムスケジュールを利用者の操作に基づいて作成し、このタイムスケジュールに従って電池モジュール30の充電制御と放電制御を行う。例えば電気料金の安い深夜料金の時間帯を充電時間帯に設定し、また、昼間の電力ピーク時間帯を放電時間帯に設定する。
制御部42は、深夜料金となる充電時間帯では、スイッチング電源部26を動作し、双方向DC/DCコンバータ28を充電変換に動作し、また、DC/ACコンバータ32は停止し、この制御により、インレット25から入力した交流電力をスイッチング電源部26で直流電力に変換し、双方向DC/DCコンバータ28の降圧により充電変換し、電池モジュール30を充電する。
なお、アウトレット34には重要負荷を接続していることから、制御部42はバイパス開閉部35のリレー36を作動して常開リレー接点38を閉じ、インレット25から入力した交流電力を、バイパス開閉部35及びアウトレット34を介して重要負荷へ供給している。
また、制御部42は、この充電制御中に、リチウムイオン電池の充電率が100%となる満充電を検出すると、充電制御を停止する。制御部42による充電制御の停止は、スイッチング電源部26と双方向DC/DCコンバータ28の動作を停止する。
また、制御部34は、放電時間帯になると、双方向DC/DCコンバータ28を放電変換に動作し、DC/ACインバータ32を動作し、バイパス開閉部35はリレー36を非作動として常開リレー接点38を開き、更に、電池制御部42に放電を指示する制御を行い、この制御により、電池モジュール30からの直流電力を双方向DC/DCコンバータ28で昇圧してDC/ACインバータ32に入力し、DC/ACインバータ32で交流電力に変換し、アウトレット34から外部の重要負荷に供給し、電池モジュール30に蓄電した直流電力を放電して利用する。この場合、制御部42は電池モジュール30の充電率を監視しており、所定値の充電率、例えば75%以下になることを検出すると、放電制御停止する。
また、制御部42は、インレット25に対する交流電力が経たれる交流系統の停電を検出した場合は、放電制御の場合と同様に制御するが、電池モジュール38の充電率が0%になるまで、放電制御を維持する点で相違する。
(発煙消火装置の消火起動報知制御)
制御部42は、電池モジュール30に設けた発煙消火装置48が火災を検出して、ヒータの通電加熱により固形消火剤に点火して燃焼させ、消火用エアロゾルを収納容器内に噴出して消火を開始した場合に消火起動信号を出力することから、この消火起動信号を受信した場合に、報知部45の火災表示灯及び消火起動灯を点灯又は点滅すると共に警報音を出力し、更に、無線通信部46に指示して、消火起動信号を図1に示した住警器24へ送信させる制御を行い、この消火起動信号を受信した住警器24で、蓄電装置12の火災と発煙消火装置48の消火起動を、音声メッセージの出力と警報表示LEDの表示で報知させる。
[住警器の構成]
図4は無線連動型の住警器24の機能構成の概略を示したブロック図である。
図4において、住警器24は、警報制御部60、センサ部62、アンテナ65を接続した通信部64、報知部66、操作部68を備え、図示しない電池電源により動作する。
警報制御部60は、例えばプログラムの実行により実現される機能である。ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。
センサ部62は温度検出部または検煙部である。センサ部62として温度検出部を設けた場合、温度検出素子として例えばサーミスタを使用し、この場合、温度による抵抗値の変化に対応した電圧検出信号を警報制御部60へ出力する。またセンサ部62として検煙部を設けた場合、公知の散乱光式検煙構造をもち、警報制御部60の指示により、所定周期で赤外LEDを用いた発光部を間欠的に発光駆動し、フォトダイオードなどの受光部で受光した散乱光の受光信号を増幅し、煙濃度検出信号を警報制御部60へ出力する。
無線通信部64は、他の住警器との間で所定の通信プロトコルに従って火災連動信号を送受信する。この通信プロトコルは、日本国内の場合には、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD−30(小電力セキュリティシステム無線局の無線設備標準規格)又はSTD−T67(特定小電力無線局テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備の標準規格)に準拠する。この火災連動信号は、送信元を示す送信元符号、グループ符号、事象符号、制御コマンド等を含む形式とする。
報知部66は、スピーカ、警報表示LED及びそれぞれの駆動回路を備え、必要に応じ警報制御部60の指示によりスピーカから警報音を出力すると共に警報表示LEDにより警報表示を行う。操作部68は警報音及び又は警報表示を停止するための操作を受け付ける警報停止スイッチなどの各種スイッチを備える。
警報制御部60は、次の火災警報制御、火災復旧制御、及び警報停止制御等を行う。
(火災警報制御)
警報制御部60は、センサ部62から出力した温度又は煙濃度の検出信号をAD変換により読み込み、所定の閾値以上の場合に火災を検出し、報知部66から連動元を示す火災警報を出力させる制御を行う。この場合の火災警報として例えば「ピー ピー ピー 火事です 火事です」といった音声メッセージをスピーカから繰り返し出力すると共に警報表示LEDを例えば点灯して行う。
また、警報制御部60は、報知部66から火災警報を出力させた場合、火災連動信号を生成し、無線通信部64に指示し、他の住警器へ火災連動信号を送信させる制御を行い、当該火災連動信号を受信した他の住警器で連動先を示す火災警報を出力させる。
この場合の連動先を示す火災警報としては例えば「ピー ピー ピー 別の警報器が作動しました 確認してください」といった音声メッセージをスピーカから繰り返し出力すると共に警報表示LEDを例えば点滅して行う。
連動先を示す住警器において、警報制御部60は、無線通信部64を介して他の住警器が送信した火災連動信号の有効受信を検出した場合、報知部66からの連動先を示す火災警報を出力させる制御を行う。この場合の連動先を示す火災警報も例えば「ピー ピー ピー 別の警報器が作動しました 確認してください」といった音声メッセージをスピーカから繰り返し出力すると共に警報表示LEDを例えば点滅して行う。
(火災復旧制御)
警報制御部60は、センサ部62の検出信号に基づき温度又は煙濃度が閾値を下回る状態が例えば所定時間継続した場合或いは例えば所定回数連続した場合、火災の復旧(火災検出状態が解消したこと)を検出し、報知部66からの連動元を示す火災警報出力を停止させると共に、火災復旧連動信号を生成し、無線通信部64に指示し、当該火災復旧連動信号を他の住警器へ送信させる制御を行い、これを受信した他の住警器に、連動先を示す火災警報出力を停止させる。
また警報制御部60は、無線通信部64を介して他の住警器が送信した火災復旧連動信号の有効受信を検出した場合に、報知部66からの連動先を示す火災警報出力を停止させる制御を行う。
(警報停止制御)
警報制御部60は、連動元として火災警報の出力中に操作部68の警報停止スイッチで受け付けた警報停止操作を検出した場合、報知部66からの連動元を示す火災警報出力を停止させると共に、警報停止連動信号を生成し、無線通信部64に指示し、当該警報停止連動信号を他の住警器へ送信させる制御を行い、これを受信した他の住警器に、連動先を示す火災警報出力を停止させる。
また警報制御部60は、無線通信部64を介して他の住警器が送信した警報停止連動信号の有効受信を検出した場合に、報知部66からの連動先を示す火災警報出力を停止させる制御を行う。
(発煙消火装置の消火起動報知制御)
警報制御部60は、蓄電装置12に設けた発煙消火装置48が火災を検出して、ヒータの通電加熱により固形消火剤に点火して燃焼させ、消火用エアロゾルを収納容器内に噴出して消火を開始した場合に送信された消火起動信号を、無線通信部64を介して受信すると、報知部66から蓄電装置の火災と発煙消火装置48による消火起動を示す警報を出力させる制御を行う。この場合の警報は例えば「ピー ピー ピー 蓄電装置の火災を検出し、消火装置を作動しました 確認してください」といった音声メッセージをスピーカから繰り返し出力すると共に警報表示LEDを例えば点滅して行う。
[発煙消火装置を備えた電池モジュールの第1実施形態]
図5は蓄電装置に収納する電池モジュールの第1実施形態の外観を示した斜視図、図6は電池モジュールの内部構造を示した断面図、図7は収納容器本体内を示した平面図、図8は収納容器蓋の内側を示した説明図である。
(電池モジュールの概要)
図5、図6、図7及び図8に示すように、電池モジュール30は、上部に開口した箱型の収納容器本体111と、収納容器本体111の開口に装着してボルト113で固定した収納容器蓋112を備え、収納容器本体111と収納容器蓋112で電池モジュール30の収納容器を構成する。収納容器本体111の長手方向の一端に位置する手前側の側壁には、電池モジュール30の正極出力端子114aと負極出力端子114bを取付けている。
収納容器本体111の内部には、2組の組電池125を収納している。組電池125の各々には、複数のリチウムイオン電池126を配列している。
電池モジュール30に収納するリチウムイオン電池126は非水電解質二次電池であり、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金で形成された扁平な矩形箱状又は円筒状の外装容器に、非水電解液と共に電極体を備えている。リチウムイオン電池126の電極体は、例えば、正極板及び負極板をその間にセパレータを介在させて渦巻き状に捲回し、さらに、径方向に圧縮することにより、扁平な矩形状又は円筒状に形成している。また、リチウムイオン電池としては、ラミネート型のリチウムイオン電池(フィルム外装電池)を収納容器内に複数配置しても良い。
電池モジュール30には、例えば18個のリチウムイオン電池126を配列して直列接続した電池ブロックを、2つ収納して並列接続している。ここで、リチウムイオン電池126の平均セル電圧を例えば3.6ボルトとすると、電池モジュール30の出力端子の直流電圧は約65ボルトとなる。また、図3に示したように、蓄電装置18に2台の電池モジュール30を設けた場合、2台の電池モジュール30は並列接続している。
(発煙消火装置の概要)
図5、図6及び図8に示すように、電池モジュール30における収納容器蓋112の内側には、発煙消火手段として機能する発煙消火装置48を取付けている。発煙消火装置48は、収納容器内に収納したリチウムイオン電池126の異常に伴う火災を検出した場合に、固形消火剤の燃焼により発生した消火用エアロゾルを収納容器内に噴出して消火する。なお、本実施形態では、発煙消火装置48を収納容器蓋112の内側に取付けているが、収納容器本体111の内側に取付けるようにしても良い。
発煙消火装置48は、扁平箱状の形状であり、収納容器蓋112の内側に取付けた状態で、コネクタ130を配置した端面に形成した噴出口から消火用エアロゾルを収納容器内に噴出可能としている。また、発煙消火装置48のコネクタ130に対しプラグ152の装着をすることで、電池火災検出部として機能する熱感知ケーブル132と、信号線133、134を発煙消火装置48に接続している。
熱感知ケーブル132は、ビニールなどの樹脂で絶縁被覆した2本の撚られた信号線であり、2本の信号線の間に発煙消火装置48から電圧を印加しており、火災による熱を受けた場合の絶縁被覆の溶融により一対の信号線が短絡状態に接触し、感知電流が流れることで火災を検出する。
コネクタ130及びプラグ152を介して収納容器内に引き出された熱感知ケーブル132は、図8に示すように、収納容器蓋112の内側に沿って布設し、熱感知ケーブル132は、その下に位置する図7に示す収納容器本体111に配列している複数のリチウムイオン電池126の直上を通過するように布設し、リチウムイオン電池126の各々の異常に伴う火災による熱を検出可能としている。
また、コネクタ130及びプラグ152を介して引き出した信号線133、134は、収納容器本体111の長手方向の一端の側面に設けたコネクタ124に接続している。
信号線133は、図5及び図6に示すように、コネクタ124に接続するプラグ131から引き出した第2の電池火災検出手段として機能する熱感知ケーブル135に接続される。熱感知ケーブル135は電池モジュール30の収納容器の外側となる蓄電装置筐体内に布設し、蓄電装置筐体内の火災による熱を受けた場合の絶縁被覆の溶融により一対の信号線が短絡状態に接触し、感知電流が流れることで火災を検出する。
信号線134aは、発煙消火装置48で固形消火剤に点火して燃焼させた場合に消火起動信号を出力する。このためプラグ131によりコネクタ124に制御部42からの信号ケーブル134aを接続しておくことで、制御部42の指示により無線通信部45から消火起動信号を図1に示した住警器24へ送信し、これを受信した住警器24から蓄電装置10の火災と発煙消火装置48の消火起動を報知することを可能とする。
(発煙消火装置の構造)
図9は発煙消火装置の外観を示した斜視図、図10は発煙消火装置の縦断面を示した断面図、及び図11は発煙消火装置の横断面を示した断面図である。
図9、図10及び図11に示すように、本実施形態の発煙消火装置48は、長手方向の一端に開口した扁平箱状の筐体本体118と、筐体本体118の開口に装着する蓋部材120で構成し、筐体本体118の開口に蓋部材120を装着し、ビス135により固定している。
筐体本体118の収納容器蓋内側への装着面となる図示の上面側の4箇所には、通し穴を開口した取付リブ158を溶接などにより固定し、噴出口128の先端を外部に突出している。蓋部材120の中央にはコネクタ130を外側に露出して取付け、コネクタ130の取付位置の両側には、複数のスリット開口として形成した噴出口128を設け、消火用エアロゾルを噴出口128から外部に噴出可能としている。
発煙消火装置48の内部には消火剤収納ケース136を組み込んでいる。消火剤収納ケース136は、噴出口128を設けた蓋部材120の方向を前方とすると、後方に開口した箱型のケース部材であり、ケース先端側に支持片148を溶接などで固定し、筐体本体118の内側に溶接などで固着した支持片150に、支持片148をねじ151により取り付け、これにより筐体本体118及び蓋部材120の内部に浮いた状態となるように消火剤収納ケース136を位置決め支持している。
また消火剤収納ケース136の後部については、上方向及び下方向に屈曲した一対の支持片146、及び側面を後方に延在した一対の延在片156を形成し、筐体本体118内に浮いた状態となるように消火剤収納ケース136を位置決め支持している。
この消火剤収納ケース136の支持構造は、筐体本体118及び蓋部材120に対する接触を最小限に抑え、固形消火剤138の燃焼による熱が外側の筐体本体118及び蓋部材120に伝わり難い空気層を介在した断熱構造としている。
ここで、筐体本体118、蓋部材120、消火剤収納ケース136、支持片146,148,150、及び取付リブ158は、固形消火剤138の燃焼により消火用エアロゾルを発生することから、固形消火剤138の燃焼による熱に耐える構造とするため金属材料で作られている。
消火剤収納ケース126の内部には固形消火剤138を収納し、固形消火剤138に対してはヒータ140を取り付けている。
また筐体本体118の内部には電池電源(一次電池)を内蔵した点火回路部142を設けている。点火回路部142に対しては、コネクタ130側より、プラグ152を介して熱感知ケーブル132、モジュール30の外側に布設する熱感知ケーブル135を接続する信号線133、及び消火起動信号を出力する信号線134を接続するための信号線を接続し、またヒータ140に対する信号線も接続している。
点火回路部142は、リチウムイオン電池の異常に伴う火災を熱感知ケーブル132の短絡により検出した場合に、ヒータ140に通電して加熱することにより固形消火剤38に点火して燃焼させる。また、信号線133を介して電池モジュール30の収納容器外側の装置筐体内の火災を熱感知ケーブル135の短絡により検出した場合にも、ヒータ140に通電して加熱することにより固形消火剤138に点火して燃焼させる。
本実施形態で使用する固形消火剤138は、燃焼により消火用エアロゾルを発生する。消火用エアロゾルは、2μm程度の超微粒子であり、その主成分は、例えば金属の酸化物、炭酸塩あるいは燐酸塩あるいはその混合物等を含有している。
具体的な一例としては、塩化カリウム、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウムなどを主成分とし、これに窒素、二酸化炭素、水蒸気などが含まれている。このような主成分を持つ消火用エアロゾルにあっては、消火用エアロゾルそのものに毒性がなく、環境に優しい発生ガスということができる。なお、固形消火剤138の成分は、上記に限定されず、リチウムイオン電池火災の消火抑制に有効な適宜の成分を含有した固形消火剤とすることができる。
固形消火剤138の燃焼により発生した消火用エアロゾルによる消火作用は、電池モジュールの収納容器内を消火用エアロゾルで満たすことで、火災の発生により燃焼している燃焼の活性中心を消滅、抑制する作用により消火を行うものであり、水系消火剤を使用することのできない電気火災に好適な消火作用が得られる。
また固形消火剤138の量は電池モジュールの収納容器内の容積に応じて決まる。閉鎖空間となる消火対象エリア1立方メートル当たりを消火するに必要な消火用エアロゾルを発生するための固形消火剤138の重量は、80グラム〜200グラム程度であり、これに基づき、消火対象とする電池モジュールの収納容器内の容積に応じた量の固形消火剤138を消火剤収納ケース36に収納している。
本実施形態の発煙消火装置48が消火対象とする住宅向けの蓄電装置18に収納する電池モジュール30の収納容器内容積は、例えば0.1立方メートル〜0.25立方メートル程度であり、これに複数のリチウムイオン電池で構成した組電池を収納することから、実際の空きスペースの容積は更に小さなものとなる。例えば電池モジュールの収納容器内容積を0.1立方メートルとした場合に必要な固形消火剤の重量は8グラム〜20グラムとなり、また0.25立方メートルとした場合に必要な固形消火剤の重量は20グラム〜50グラムとなる。
発煙消火装置48の大きさは、必要とする固形消火剤38の重量で決まり、最大でも50グラム以下で済むことから、この程度の重量の固形消火剤38を収納する筐体本体18は例えばリチウムイオン電池の外容器サイズ程度まで小型化が可能となる。
固形消火剤138を収納した発煙消火装置48の内部には、消火剤収納ケース136の背後からその周囲を通って前方の噴出口128へ至る煙道145を形成している。このように背後から前方に回りこむ煙道145の形成は、固形消火剤138と噴出口128との距離を離し、且つ炎の出る向きと噴出口128が同一方向とならないよう煙道145を屈曲させた構成とし、固形消火剤138の燃焼による炎が噴出口128から電池モジュール30の収納容器内に吹き出さないようにしている。
また固形消火剤138による炎の噴出を更に効果的に防止するためには、必要に応じて煙道145の途中に、金網などのエアロゾルだけを通過するような火炎噴出防止部材154を配置することが望ましい。本実施形態では、消火剤収納ケース136の後部開口144から延在した延在片156の内側に火炎噴出防止部材154を配置している。
火炎噴出防止部材154の具体例としては、ガラスや磁器などの細径パイプを複数並べて炎の噴出しを抑制する構造、複数の金網を分離配置して炎の噴出しを抑制する構造、ガラスや磁器などのボールを複数配置して炎の噴出しを抑制する構造、更には複数の金網の間にガラスや磁器などのボールを複数配置して炎の噴出しを抑制する構造などがある。
(点火回路部の構成)
図12は、図9の筐体内部に配置した点火回路部142の実施形態を示した回路図である。図12に示すように、点火回路部142は、プラグ152及びコネクタ130を介して電池モジュール30の収納容器内に布線した熱感知ケーブル132、収納容器外側の装置筐体内に布線した図5及び図6に示す熱感知ケーブル135を接続した信号線133、及び消火起動信号を出力する信号線134を接続している。
点火回路部132には、トランジスタ168、リレー170、抵抗162,164,166を備えたヒータ駆動回路及び電池電源160を設ける。電池電源160は釦電池などの一次電池であり、外部からの電源供給を不要としている。
トランジスタ168は、抵抗162,164の分圧電圧を、抵抗166を介してベースに印加しており、熱感知ケーブル132には抵抗162,164を介して電池電源160からの電源電圧を常時、印加している。信号線133を介して接続している図5及び図6に示した熱感知ケーブル135も同様である。ここで、通常監視状態でトランジスタ168はオフであり、また熱感知ケーブル132,135の一方の信号線には電源電圧のみが印加されるだけで電流は流れておらず、点火回路部142の消費電量は漏れ電流などに起因した極く僅かな消費電流だけであり、電池電源160として一次電池を使用しても、必要にして十分な電池寿命を確保可能である。
トランジスタ168はPNPトランジスタであり、コレクタ側に負荷としてリレー170を接続しており、通常監視状態にあっては、熱感知ケーブル132,135は2本の信号線のビニールなどによる絶縁被覆で開放状態にあることから、電池電源160から電流は流れず、トランジスタ168はエミッタ,ベース間の電圧が0ボルトであることからオフ状態となっている。
リレー170は、その常開リレー接点174を介してヒータ140を接続している。また、リレー172の常開リレー接点172をトランジスタ168のエミッタ・コレクタ間に接続し、ラッチ回路を形成している。更に、コネクタ130の端子に消火起動信号を出力するためのリレー接点176を接続している。
電池モジュールに収納したリチウムイオン電池の異常発熱に伴う火災の熱を受けて熱感知ケーブル132の絶縁被覆であるビニールが溶け、2本の信号線が接触状態になると、抵抗162、164を介して熱感知ケーブル132に電流が流れる。このため、抵抗162に生ずる電圧によりトランジスタ168のエミッタ・ベース間にバイアス電圧が加わり、これによってトランジスタ168がオンしてリレー170を作動する。
リレー170が作動すると常開リレー接点174が閉じ、ヒータ140に通電し、ヒータ140の通電による加熱で固形消火剤138に点火し、固形消火剤138の燃焼により消火用エアロゾルを発生して、噴出口128から電池モジュールの収納容器内に消火用エアロゾルを噴出させる。
またリレー170の作動によりリレー接点172が閉じることで、リレー170を作動状態にラッチし、これによって、熱感知ケーブル132の短絡状態の変動による誤動作を防ぐようにしている。
更に、リレー接点176が閉じることで、信号線134を介して外部に対し消火動作が行われたことを示す消火起動信号を出力する。本実施形態の発煙消火装置48からの消火起動信号は図2に示した制御部42で検出され、制御部42は報知部45に指示して火災発生と発煙消火装置48の消火起動を報知すると共に、無線通信部45に指示して消火起動信号を住警器24へ送信し、これを受信した住警器24から蓄電装置10の火災検出と発煙消火装置48の消火起動を示す警報を出力させる。
一方、建物の火災により蓄電装置が火炎に曝され、蓄電装置筐体の回路ボートなどが発火し、その熱を受けて信号線133に接続している図5及び図6に示した熱感知ケーブル135の絶縁被覆であるビニールが溶け、2本の信号線が接触状態になると、熱感知ケーブル132の場合と同様に、ヒータ140の通電による加熱で固形消火剤138に点火し、固形消火剤138の燃焼により消火用エアロゾルを発生して、噴出口128から電池モジュールの収納容器内に消火用エアロゾルを噴出させる。
この場合にも、制御部42は、報知部45に指示して火災発生と発煙消火装置48の消火起動を報知すると共に、無線通信部45に指示して消火起動信号を住警器24へ送信し、これを受信した住警器24から蓄電装置10の火災検出と発煙消火装置48の消火起動を示す警報を出力させる。
(発煙消火装置の動作)
図13は発煙消火装置の動作を示した説明図である。図13において、発煙消火装置48は、収納容器蓋112の内側に取付固定している。発煙消火装置48に収納した点火回路部142が電池モジュールの収納容器内に布設した熱感知ケーブル132の火災による短絡状態を検出した場合、又は信号線133を介して図5に示した電池モジュール30の外部に配置した熱感知ケーブル135の火災による短絡状態を検出した場合、ヒータ140に通電加熱して固形消火剤138に点火し、固形消火剤138が燃焼して消火用エアロゾルを発生する。
固形消火剤138の燃焼により発生した消火用エアロゾルは、消火剤収納ケース136の後方開口から火炎噴出防止部材154を介して噴き出した後、周囲の空洞である煙道145を通って前方に移動し、蓋部材120に形成した噴出口128から電池モジュールの収納容器内となる収納容器蓋111の内側の空間に消火用エアロゾル178を噴出し、収納容器内を消火用エアロゾル178で満たし、リチウムイオン電池の異常による電気火災を消火抑制する。
この場合、固形消火剤138による燃焼の炎は後方に噴き出し、また、火炎噴出防止部材154が炎の吹き出しを抑制し、炎が前方に折り返している煙道145を迂回して電池モジュールの収納容器内に噴き出すようなことはない。また固形消火剤138の燃焼により消火剤収納ケース136が加熱されるが、筐体本体118に対する接触は支持片146,148,150によりほぼ浮動状態に支持して接触部分が少ない断熱構造としているため、熱伝導による外側の筐体本体118及び蓋部材120の温度上昇を抑制し、発煙消火装置48の過熱が火災の要因となることを防止している。
[発煙消火装置を備えた電池モジュールの第2実施形態]
図14は発煙消火装置を外付けした電池モジュールの第2実施形態を示した説明図及び図15は電池モジュールの内部構造を示した断面図である。
(電池モジュールの概要)
図14及び図15に示すように、電池モジュール30は、上部に開口した箱型の収納容器本体211と、収納容器本体211の開口に装着してボルト213で固定した収納容器蓋212を備え、収納容器本体211と収納容器蓋212で電池モジュール30の収納容器を構成する。
収納容器本体211の長手方向の一端に位置する手前側の側壁には、電池モジュール30の正極出力端子214aと負極出力端子214bを取付けている。
電池モジュール30には、例えば18個のリチウムイオン電池226を配列して直列接続した電池ブロックを、2つ収納して並列接続している。ここで、リチウムイオン電池226の平均セル電圧を例えば3.6ボルトとすると、電池モジュール30の出力端子の直流電圧は約65ボルトとなる。
(発煙消火装置の概要)
図14及び図15に示すように、電池モジュール30における収納容器蓋212の外側には、発煙消火装置48を取付けている。発煙消火装置48は、収納容器内に収納したリチウムイオン電池226の異常に伴う火災を検出した場合に、固形消火剤の燃焼により発生した消火用エアロゾルを収納容器内に噴出して消火する。なお、本実施形態では、発煙消火装置48を収納容器蓋212の外側に取付けているが、収納容器本体211の側面の外側に取り付けるようにしても良い。
発煙消火装置48は、収納容器蓋212に対する装着面にノズル228とコネクタ230を設けており、収納容器蓋212に取付けた状態で、ノズル228の先端のノズル開口を収納容器蓋212の内側の内部空間に位置し、消火用エアロゾルを収納容器内に噴出可能としている。また、発煙消火装置48のコネクタ230も収納容器蓋212に取付けた状態で、ノズル228を収納容器蓋212の内側の内部空間に位置し、コネクタ230に対しプラグ252の装着することで、火災検出部として機能する熱感知ケーブル232と、信号線233、234を発煙消火装置46に接続している。
熱感知ケーブル232は、ビニールなどの樹脂で絶縁被覆した2本の撚られた信号線であり、発煙消火装置48から収納容器内に引き込まれて布設され、2本の信号線の間に発煙消火装置48から電圧を印加しており、火災による熱を受けた場合の絶縁被覆の溶融により一対の信号線が短絡状態に接触し、感知電流が流れることで火災を検出する。
コネクタ230及びプラグ252により収納容器内に引き出された熱感知ケーブル232は、収納容器蓋212の内側に沿って布設し、熱感知ケーブル232は、その下に位置する収納容器本体211に配列している複数のリチウムイオン電池226の直上を通過するように布設し、リチウムイオン電池226の各々の異常に伴う火災による熱を検出可能としている。
また、コネクタ230及びプラグ252を介して引き出した信号線233、234は、収納容器本体211の長手方向の一端の側面に設けたコネクタ224に接続している。
信号線233は、コネクタ224に接続するプラグ231から引き出した第2の火災検出部として機能する熱感知ケーブル235に接続される。熱感知ケーブル235は電池モジュール30の収納容器の外側となる蓄電装置筐体内に布設し、蓄電装置筐体内の火災による熱を受けた場合の絶縁被覆の溶融により一対の信号線が短絡状態に接触し、感知電流が流れることで火災を検出する。
信号線234は、発煙消火装置48で固形消火剤に点火して燃焼させた場合に消火起動信号を出力する。このためプラグ231によりコネクタ224に制御部42からの信号ケーブル234aを接続しておくことで、制御部42の指示により無線通信部46から消火起動信号を図1に示した住警器24へ送信し、これを受信した住警器24から蓄電装置10の火災と発煙消火装置48の消火起動を報知することを可能とする。
(発煙消火装置の構成)
図16は、図14に示した発煙消火装置の内部断面構造を示した説明図である。図16に示すように、本実施形態の発煙消火装置48は、一端に開口した箱形の筐体本体218と蓋部材220で構成し、筐体本体218の開口にシールパッキン(図示せず)を介して蓋部材220を装着し、ビス235により固定している。筐体218の収納容器装着面となる図示の底面には、ノズル228を溶接などにより取り付け、ノズル228の先端を外部に突出している。また筐体本体218の収納容器装着面となる図示の底面にはコネクタ230を外側に露出して取付けている。
発煙消火装置48の内部には消火剤収納ケース236を組み込んでいる。消火剤収納ケース236は、ノズル228を設けた方向を前方とすると、後方に開口した箱型のケース部材であり、前部を蓋部材220に固定した支持片250に溶接などで固着し、蓋部材220の筐体本体218に対する組付けで、筐体本体218及び蓋部材220の内部に浮いた状態となるように消火剤収納ケース236を位置決め支持している。
また消火剤収納ケース236の後部については、下方向に屈曲した支持片246、上方向に屈曲して蓋部材220に溶接などで固着した支持片248、及び側面を後方に延在した一対の延在片256を形成し、蓋部材220の筐体本体218に対する組付けで、同様に、筐体本体218内に浮いた状態となるように消火剤収納ケース236を位置決め支持している。
この消火剤収納ケース236の支持構造は、筐体本体218及び蓋部材220に対する接触を最小限に抑え、固形消火剤238の燃焼による熱が外側の筐体本体218及び蓋部材220に伝わり難い空気層を介在した断熱構造としている。
ここで、筐体本体218、蓋部材220、消火剤収納ケース236、支持片246,248,250は、固形消火剤238の燃焼により消火用エアロゾルを発生することから、燃焼による熱に耐える構造とするため金属材料で作られている。
消火剤収納ケース236の内部に固形消火剤238を収納し、固形消火剤238に対してはヒータ240を取り付けている。
また筐体本体218の内部には電池電源(一次電池)を内蔵した点火回路部242を設けている。点火回路部242に対しては、コネクタ230側より、プラグ252を介して熱感知ケーブル232、図14に示す電池モジュール30の外側に布設する熱感知ケーブル235を接続する信号線233、及び消火起動信号を出力する信号線234を接続するための信号線を接続し、またヒータ240に対する信号線も接続している。
点火回路部242は、単電池の異常に伴う火災を熱感知ケーブル232の短絡により検出した場合に、ヒータ240に通電して加熱することにより固形消火剤238に点火して燃焼させる。また、信号線233を介して外部から点火制御信号を入力した場合にも、ヒータ240に通電して加熱することにより固形消火剤238に点火して燃焼させる。点火回路部242の詳細は、図13に示した第1実施形態の場合と同様であることから、説明を省略する。
固形消火剤238を収納した発煙消火装置48の内部には、消火剤収納ケース236の背後からその周囲を通って前方のノズル228へ至る煙道245を形成している。このように背後から前方に回りこむ煙道245の形成は、固形消火剤238とノズル228との距離を離し、且つ炎の出る向きと噴出口が同一方向とならないよう煙道45を屈曲させた構成としたことで、固形消火剤238の燃焼による炎がノズル228から電池モジュールの収納容器内に吹き出さないようにしている。
また固形消火剤238による炎の噴出を更に効果的に防止するためには、必要に応じて煙道245の途中に、金網などのエアロゾルだけを通過するような火炎噴出防止部材254を配置している。
(発煙消火装置の動作)
図17は発煙消火装置の動作を示した説明図である。図17において、発煙消火装置48は、収納容器蓋212の外側に、シールパッキン275を介して取付固定している。発煙消火装置48に収納した点火回路部242が電池モジュールの収納容器内に布設した熱感知ケーブル232の火災による短絡状態を検出した場合、又は外部から点火制御信号が入力した場合、ヒータ240に通電加熱して固形消火剤238に点火し、固形消火剤238が燃焼して消火用エアロゾルを発生する。
固形消火剤238の燃焼により発生した消火用エアロゾルは、消火剤収納ケース236の後方開口から火炎噴出防止部材254を介して噴き出した後、周囲の空洞である煙道245を通って前方に移動し、ノズル228から電池モジュールの収納容器内となる収納容器蓋211の内側の空間に消火用エアロゾル278を噴出し、収納容器内を消火用エアロゾル278で満たし、リチウムイオン電池の異常による電気火災を消火抑制する。
[発煙消火装置を備えた電池モジュールの第3実施形態]
図18は円筒形電池と同じ発煙消火装置を備えた電池モジュールの第3実施形態を示した分解組立図、図19は収納容器本体内を示した平面図である。
(電池モジュールの概要)
図18及び図19に示すように、電池モジュール30は、上部に開口した箱型の収納容器本体311と、収納容器本体311の開口に装着して固定した収納容器蓋312を備え、収納容器本体311と収納容器蓋312で電池モジュール30の収納容器を構成する。
収納容器本体311の長手方向の一端に位置する手前側の側壁には、電池モジュール30の正極出力端子314aと負極出力端子314bを取付けている。
収納容器本体311は、複数の電池収納区画315aを備え、電池収納区画315aに円筒形状を持つ複数のリチウムイオン電池326を配列している。リチウムイオン電池326の外装容器の上端は正極端子となり、下端は負極端子となる。
ここで、リチウムイオン電池326のサイズは、例えば(直径R=80mm〜120mm)×(高さH=80mm〜120mm)程度となる。
組電池325は、例えば24区画に分けた電池収納箱315の内の23区画を電池収納区画315aに使用し、23個のリチウムイオン電池326を配列して直列及び並列接続している。例えば、23個のリチウムイオン電池326は、そのうちの18個を直列接続し、残り5個は直列接続した18個の内の5個のそれぞれに並列接続している。ここで、リチウムイオン電池126の平均セル電圧を例えば3.6ボルトとすると、電池モジュール30の出力端子の直流電圧は約65ボルトとなる。
(発煙消火装置の概要)
図19及び図20に示すように、電池モジュール30における収納容器本体311側には、リチウムイオン電池326と同じ円筒形状、即ちリチウムイオン電池326と同じ直径R及び高さHを持った円筒形状の発煙消火装置48を、組電池325を構成する複数のリチウムイオン電池326と共に電池収納箱315に収納している。
即ち、電池収納箱315は、24区画の内の23区画を電池収納区画315aとして23個のリチウムイオン電池326を収納し、残り1区画を消火装置収納区画315bに割り当て、そこに発煙消火装置48を収納している。
なお、本実施形態では、電池収納箱315の奥左隅となるコーナー区画を消火装置収納区画315bとして発煙消火装置48を収納しているが、24区画の中の任意の1区画を消火装置収納区画315bとして発煙消火装置48を収納してもよい。例えば、収納容器内部に効率良く消火用エアロゾルを噴出して拡散させるため、収納容器の略中央に位置する区画を消火装置収納区画315bに割り当てて発煙消火装置48を収納する。
発煙消火装置48は、リチウムイオン電池326と同じサイズの円筒形状であり、電池収納箱315の消火装置収納区画315bに収納し、電池収納箱315を本体収納容器311の電池収納部311aに組み込んだ状態で、コネクタ330を設けた上端面に形成した噴出口328から消火用エアロゾルを収納容器内に噴出可能としている。また、発煙消火装置48のコネクタ330に対しプラグ352を装着することで、火災検出部として機能する熱感知ケーブル332と、信号線333、334を発煙消火装置48に接続している。
コネクタ330及びプラグ352を介して収納容器内に引き出された熱感知ケーブル332は、収納容器本体311内に収納している全てのリチウムイオン電池326の直上を通過するように布設し、リチウムイオン電池326の各々の異常に伴う火災による熱を検出可能としている。
また、コネクタ330及びプラグ352を介して引き出した信号線333は、図18に示すように、コネクタ324に接続するプラグ331から引き出した第2の火災検出部として機能する熱感知ケーブル335に接続され、電池モジュール30の収納容器の外側となる装置筐体内に布設し、蓄電装置筐体内の火災による熱を検出可能としている。
信号線334は、発煙消火装置48で固形消火剤に点火して燃焼させた場合に消火起動信号を出力する。このためプラグ331によりコネクタ324に制御部42からの信号ケーブル334aを接続しておくことで、制御部42の指示により、報知部45で火災と発煙消火装置48の消火起動を報知すると共に、無線通信部46から消火起動信号を図1に示した住警器24へ送信し、これを受信した住警器24から蓄電装置10の火災と発煙消火装置48の消火起動を報知することを可能とする。
(発煙消火装置の構成)
図20は発煙消火装置の軸方向の断面を示した断面図、及び図21は発煙消火装置の上部端面を示した説明図である。
図20及び図21に示すように、本実施形態の発煙消火装置48は、上部に開口したリチウムイオン電池と同じサイズの円筒形状を備えた筐体本体318と、筐体本体318の上部開口に嵌合固定する蓋部材320で構成する。
蓋部材320の中央にはコネクタ330を取り付け、その周囲に放射状に噴出口328を形成し、消火用エアロゾルを噴出口328から外部に噴出可能としている。コネクタ330に対しては、熱感知ケーブル332及び信号線333,334を引き出したプラグ352を接続可能としている。
発煙消火装置48の内部には消火剤収納ケース336を組み込んでいる。消火剤収納ケース336は、下方に開口した円筒形状のケース部材であり、ケース上部に支持部材350を溶接などで固定し、支持部材350の両側を筐体本体318内の所定位置に溶接などで固定した支持部材348に当接し、ねじ351により固定し、筐体本体318の内部に浮いた状態となるように消火剤収納ケース336を位置決め支持している。
また消火剤収納ケース336の下部については、下方開口344の左右方向に屈曲した一対の支持片346、及び側面を下方に延在した一対の延在片356を形成し、筐体本体318内に収納した状態で、筐体本体318の内部に浮いた状態となるように消火剤収納ケース336を位置決め支持している。
この消火剤収納ケース336の支持構造は、筐体本体318に対する接触を最小限に抑え、固形消火剤338の燃焼による熱が外側の筐体本体318側に伝わり難い空気層を介在した断熱構造としている。
ここで、筐体本体318、蓋部材320、消火剤収納ケース336及び支持部材348、350は、固形消火剤38の燃焼による熱に耐える構造とするため、金属材料で作られている。
消火剤収納ケース336の内部には固形消火剤338を収納し、固形消火剤338に対してはヒータ340を取り付けている。
また消火剤収納ケース336の上部には支持部材350を介して点火回路部342を筐体本体318の内部に浮いた状態となるように支持している。点火回路部342は電池電源(一次電池)を内蔵しており、コネクタ330との間に、プラグ352を介して熱感知ケーブル332、図18に示す電池モジュール30の外側に布設する熱感知ケーブル335を接続する信号線333、及び消火起動信号を出力する信号線334を接続するための信号線を接続し、またヒータ340に対する信号線も接続している。
点火回路部342は、リチウムイオン電池の異常に伴う火災を熱感知ケーブル332の短絡により検出した場合に、ヒータ340に通電して加熱することにより固形消火剤338に点火して燃焼させる。また、信号線333を介して電池モジュール30の外側に布設した熱感知ケーブル335の火災による短絡により検出した場合にも、ヒータ340に通電して加熱することにより固形消火剤338に点火して燃焼させる。なお、点火回路部342の詳細は、図12に示した第1実施形態の場合と同様であることから、説明を省略する。
(発煙消火装置の動作)
図22は、図20に示した発煙消火装置の動作を示した説明図である。図22において、発煙消火装置48は、収納容器本体311に組み込んだ電池収納箱315の消火装置収納区画315bに収納しており、隣接した電池収納区画315aの各々にはリチウムイオン電池326を収納している。発煙消火装置48に収納した点火回路部342が電池モジュールの収納容器内に布設した熱感知ケーブル332の火災による短絡状態を検出した場合、又は信号線333を介して電池モジュール30の外側に布設した熱感知ケーブル335の火災による短絡により検出した場合、ヒータ340に通電加熱して固形消火剤338に点火し、固形消火剤338が燃焼して消火用エアロゾルを発生する。
固形消火剤338の燃焼により発生した消火用エアロゾルは、消火剤収納ケース336の下方開口から火炎噴出防止部材354を介して噴き出した後、周囲の空洞である煙道345を通って上方に移動し、蓋部材320に形成した噴出口328から収納容器内の空間に消火用エアロゾル378を噴出し、収納容器内を消火用エアロゾル78で満たし、リチウムイオン電池326の異常による電気火災を消火抑制する。
[発煙消火装置を備えた電池モジュールの第4実施形態]
図23は扁平箱形電池と同じ発煙消火装置を備えた電池モジュールの第4実施形態を示した分解組立図、図24は収納容器本体内を示した平面図である。
(電池モジュールの概要)
図23及び図24に示すように、電池モジュール30は、上部に開口した箱型の収納容器本体411と、収納容器本体411の開口に装着して固定した収納容器蓋412を備え、収納容器本体411と収納容器蓋412で電池モジュール30の収納容器を構成する。
収納容器本体411の長手方向の一端に位置する手前側の側壁には、電池モジュール30の正極出力端子414aと負極出力端子414bを取付けている。
収納容器本体411の内部には、扁平箱形状を持つ複数のリチウムイオン電池426を配列している。リチウムイオン電池426の外装容器の上端には、正極端子426a及び負極端子426bを設けている。
ここで、リチウムイオン電池426のサイズは、例えば(横幅L=100mm〜120mm)×(縦幅W=20mm)×(高さH=90mm〜100mm)程度となる。
本実施形態では18個のリチウムイオン電池426を直列接続して収納しており、リチウムイオン電池126の平均セル電圧を例えば3.6ボルトとすると、電池モジュール30の出力端子の直流電圧は約65ボルトとなる。
(発煙消火装置の概要)
図23及び図24に示すように、電池モジュール30における収納容器本体411側には、リチウムイオン電池426と同じ扁平箱形状、即ちリチウムイオン電池426と同じ横幅L、縦幅W及び高さHを持った発煙消火装置48を、組電池425を構成する複数のリチウムイオン電池426と共に収納している。
収納容器本体411は、収納容器内に、2列に分けて、それぞれ9区画に仕切った電池収納区画415aを形成し、その奥行き方向の端部に、2列1区画に仕切った2箇所の消火装置収納区画415bを形成している。電池収納区画415aにはリチウムイオン電池426を収納して、接続部材により直列接続している。また、2箇所の消火装置収納区画415bの一方には、発煙消火装置48を収納している。なお、消火装置収納区画415bの空きスペースには、リチウムイオン電池を収納し、これを電池収納区画415aに収納している18個のリチウムイオン電池426の何れかに並列接続しても良い。
発煙消火装置48は、収納容器内に収納したリチウムイオン電池426の異常に伴う火災を検出した場合に、固形消火剤の燃焼により発生した消火用エアロゾルを電池モジュール30の収納容器内に噴出して消火する。
発煙消火装置48は、リチウムイオン電池426と同じサイズの扁平箱形状であり、収納容器本体411の消火装置収納区画415bに収納した状態で、コネクタ430を設けた上端面に形成した噴出口428から消火用エアロゾルを収納容器内に噴出可能としている。また、発煙消火装置48のコネクタ430に対しプラグ452を装着することで、火災検出部として機能する熱感知ケーブル432と、信号線433、434を発煙消火装置48に接続している。
コネクタ430及びプラグ452を介して収納容器内に引き出された熱感知ケーブル432は、収納容器本体411に収納している全てのリチウムイオン電池426の直上を通過するように布設し、リチウムイオン電池426の各々の異常に伴う火災による熱を検出可能としている。
また、コネクタ430及びプラグ452を介して引き出した信号線433、434は、収納容器本体411の長手方向の一端の側面に設けたコネクタ424に接続している。信号線433は、電池モジュール30の外側に布設した熱感知ケーブル435を接続している。信号線434は、発煙消火装置48で固形消火剤に点火して燃焼させた場合に消火起動信号を出力する。
(発煙消火装置の構造)
図25は発煙消火装置の外観を示した斜視図、図26は発煙消火装置の縦幅方向の断面を示した断面図である。
図25及び図26に示すように、本実施形態の発煙消火装置48は、底部側に開口したリチウムイオン電池と同じサイズの扁平箱形状の筐体本体418と、筐体本体418の底部開口に装着する蓋部材420で構成している。
筐体本体418の上部側の端面中央にはコネクタ430を取り付け、その両側に噴出口428を形成し、消火用エアロゾルを噴出口428から外部に噴出可能としている。コネクタ430に対しては、熱感知ケーブル432及び信号線433,434を引き出したプラグ452を接続可能としている。
信号線433は、図23に示すように、コネクタ424に接続するプラグ431から引き出した第2の火災検出部として機能する熱感知ケーブル435に接続され、熱感知ケーブル435は電池モジュール30の収納容器の外側となる蓄電装置筐体内に布設し、装置筐体内の火災による熱を検出可能としている。
信号線434は、発煙消火装置48で固形消火剤に点火して燃焼させた場合に消火起動信号を出力する。このためプラグ431によりコネクタ424に制御部42からの信号ケーブル434aを接続しておくことで、制御部42の指示により無線通信部46から消火起動信号を図1に示した住警器24へ送信し、これを受信した住警器24から蓄電装置10の火災と発煙消火装置48の消火起動を報知することを可能とする。
発煙消火装置48の内部には消火剤収納ケース436を組み込んでいる。消火剤収納ケース436は、噴出口428を設けた方向を上方とすると、蓋部材420の方向である下方に開口した箱型のケース部材であり、ケース上端側に溶接などで固定し、消火剤収納ケース436を筐体本体418内に下方から収納した状態で、消火剤収納ケース436の上部を筐体本体418の内部に浮いた状態となるように位置決め支持している。
また消火剤収納ケース436の下部については、下方開口444の左右方向に屈曲した一対の支持片446、及び側面を下方に延在した一対の延在片456を形成し、筐体本体418内に下方から収納して蓋部材420を嵌合固定した状態で、筐体本体418及び蓋部材420の内部に浮いた状態となるように消火剤収納ケース436を位置決め支持している。
この消火剤収納ケース436の支持構造は、筐体本体418及び蓋部材420に対する接触を最小限に抑え、固形消火剤438の燃焼による熱が外側の筐体本体418及び蓋部材420に伝わり難い空気層を介在した断熱構造としている。
ここで、筐体本体418、蓋部材420、消火剤収納ケース436は、固形消火剤438の燃焼による熱に耐える構造とするため金属材料で作られている。
消火剤収納ケース436の内部には固形消火剤438を収納し、固形消火剤438に対してはヒータ440を取り付けている。
また筐体本体418の内部には電池電源(一次電池)を内蔵した点火回路部442を設けている。点火回路部442に対しては、コネクタ430側より、プラグ452を介して熱感知ケーブル432、点火制御信号を入力する信号線433、及び消火起動信号を出力する信号線434を接続するための信号線を接続し、またヒータ440に対する信号線も接続している。
点火回路部442は、リチウムイオン電池の異常に伴う火災を熱感知ケーブル432の短絡により検出した場合に、ヒータ440に通電して加熱することにより固形消火剤438に点火して燃焼させる。また、信号線433を介して電池モジュール30の外部に布線している熱感知ケーブル435の火災による短絡を検出した場合にも、ヒータ440に通電して加熱することにより固形消火剤438に点火して燃焼させる。なお、点火回路部442の詳細は、図12に示した第1実施形態の場合と同様であることから、説明を省略する。
固形消火剤438を収納した発煙消火装置48の内部には、消火剤収納ケース436の下方からその周囲を通って上方の噴出口428へ至る煙道445を形成し、固形消火剤438の燃焼による炎が噴出口428から電池モジュールの収納容器内に吹き出さないようにしている。
また固形消火剤438による炎の噴出を更に効果的に防止するためには、必要に応じて煙道445の途中に、金網などの消火用エアロゾルだけを通過するような火炎噴出防止部材454を配置する。
(発煙消火装置の動作)
図27は、図25及び図26に示した発煙消火装置の動作を示した説明図である。図27において、発煙消火装置48は、収納容器本体411に設けた消火装置収納区画415bに収納しており、隣接した電池収納区画415aの各々にはリチウムイオン電池426を収納している。発煙消火装置48に収納した点火回路部442が電池モジュールの収納容器内に布設した熱感知ケーブル432の火災による短絡状態を検出した場合、又は信号線433を介して電池モジュール30の外部に布線している熱感知ケーブル435の火災による短絡を検出した場合、ヒータ440に通電加熱して固形消火剤438に点火し、固形消火剤438が燃焼して消火用エアロゾルを発生する。
固形消火剤438の燃焼により発生した消火用エアロゾルは、消火剤収納ケース436の下方開口から火炎噴出防止部材454を介して噴き出した後、周囲の空洞である煙道445を通って上方に移動し、発煙消火装置48の上方に形成した噴出口428から電池モジュールの収納容器内の空間に消火用エアロゾル478を噴出し、収納容器内を消火用エアロゾル478で満たし、リチウムイオン電池426の異常による電気火災を消火抑制する。
[発煙消火装置を備えた電池モジュールの第5実施形態]
図28は発煙消火部と火災検出部に分離した発煙消火装置を設けた電池モジュールの第5実施形態を示した説明図、図29は電池モジュールの分解組立図である。
(電池モジュールの概要)
図28及び図29に示すように、電池モジュール30は、上部に開口した箱型の収納容器本体511と、収納容器本体511の開口に装着してボルト513で固定した収納容器蓋512を備え、収納容器本体511と収納容器蓋512で電池モジュール30の収納容器を構成する。
収納容器本体511の長手方向の一端に位置する手前側の側壁には、電池モジュール30の正極出力端子514aと負極出力端子514bを取付けている。
収納容器本体511の内部には、2組の組電池525を収納している。組電池525の各々には、例えば扁平箱形状を持つ複数のリチウムイオン電池526を配列している。リチウムイオン電池526の外装容器の上端には、正極端子526a及び負極端子526bを設けている。
2組の組電池525の各々には例えば10個のリチウムイオン電池526を配列して直列接続しており、更に2組の組電池525を直列接続している。
(発煙消火装置の概要)
図28及び図29に示すように、本実施形態の発煙消火装置は、発煙消火部48a、火災検出部48b及び消火制御部48cで構成する。
発煙消火部48aは、電池モジュール30における例えば収納容器蓋512の側面外壁に形成した消火部取付穴512aを貫通して先端側を収納容器内に配置し、固形消火剤の燃焼により発生した消火用エアロゾルを収納容器内に噴出して消火する。なお、以下の説明では、発煙消火部48aを収納容器に配置した状態で、容器内側を前方又は先端といい、容器外側を後方または後端という。
火災検出部48bは、電池モジュール30における例えば収納容器蓋512の側面外壁に形成した検出部取付穴512bを貫通して配置し、収納容器内に検出素子部として機能する熱感知ケーブル532を引き出して布設している。また、火災検出部48bから収納容器内に引き出された熱感知ケーブル532は、収納容器本体511に収納している全てのリチウムイオン電池526の直上を通過するように布設し、リチウムイオン電池526の各々の異常に伴う火災による熱を検出可能としている。
消火制御部48cは、電池モジュール30の収納容器とは別に設けられ、収納容器蓋512に配置した発煙消火部48a及び火災検出部48bから引き出した信号線552,554をコネクタ接続しており、また別のコネクタから外部に消火起動信号を出力する信号線555を引き出している。また、消火制御部48cには、第2の火災検出部として機能する熱感知ケーブル535をコネクタ接続しており、熱感知ケーブル535は、電池モジュール30の収納容器の外側となる蓄電装置筐体内に布設し、蓄電装置筐体内の火災による熱を検出可能としている。
消火制御部48cは、火災検出部48bから収納容器内に布設した熱感知ケーブル532の火災の熱による短絡から火災を検出した場合、又は電池モジュール30の外側となる蓄電装置筐体内に布設した熱感知ケーブル535の火災の熱による短絡から火災を検出した場合、信号線552を介して発煙消火部48aの点火回路部に点火信号を出力し、ヒータの通電加熱により固形消火剤に点火して燃焼させ、消火用エアロゾルを収納容器内に噴出して消火する。
また、消火制御部48cは、発煙消火部48aで固形消火剤に点火して燃焼させた場合に、信号線555を介して消火起動信号を外部へ出力する。
(発煙消火部の構成)
図30は発煙消火部を一部軸方向の断面で示した説明図である。図30に示すように、本実施形態の発煙消火部48aは、消火部本体520、消火部筐体522、消火剤収納ケース536、固形消火剤538、点火部として機能するヒータ540、及び火炎防止部材546で構成している。
消火部本体520は、嵌合部520aに続いてねじ部520bを形成し、続いてボルトヘッド520cを形成し、その外側にねじ部520dを形成したコネクタ530を設けている。消火部本体520は、ねじ部520bを、図30に示したように、例えば収納容器蓋512の外壁に設けた消火部取付穴512aに、パッキンを介してねじ込むことで、発煙消火部48aを電池モジュール30の収納容器外壁を貫通して固定する。
消火部筐体522は、消火部本体520側となる後端に開口し、容器内となる先端側に閉じた円筒体で、内部に円筒空洞520aを形成しており、先端面の中央及びその周囲に複数の噴出口528を開口し、後端開口を消火部本体520の嵌合部520aに例えば圧入して固定する。
消火剤収納ケース536は、消火部本体520側となる後方に開口し、容器内となる先端側に閉じた円筒体であり、内部に円筒空洞を形成している。消火剤収納ケース536の消火部本体520側の後端部は、後方に延在してから外側に屈曲した一対の支持片535を形成し、消火部筐体522内に支持片535の先端を当接し、これにより消火部筐体522の内部に浮いた状態で消火剤収納ケース536を支持している。
消火剤収納ケース536の噴出口528を形成した先端側には、一対の支持部材534を溶接で固定して軸方向に延在し、消火部筐体522の先端内側に支持部材534の先端屈曲部を当接し、これにより消火部筐体522を内部に浮いた状態で消火剤収納ケース536を支持している。
このような消火剤収納ケース536の支持構造は、消火部筐体22に対する接触を最小限に抑え、固形消火剤538の燃焼による熱が外側の消火部筐体522及び消火部本体520に伝わり難い空気層を介在した断熱構造としている。
ここで、消火部本体520、消火部筐体522、消火剤収納ケース536及び支持部材534は、固形消火剤538の燃焼による熱に耐える構造とするため金属材料で作られている。
消火剤収納ケース536の内部には円柱形状の固形消火剤538を収納し、固形消火剤538に対しては点火部として機能するヒータ540を埋込み配置し、ヒータ540に通電して加熱することにより固形消火剤538に点火して燃焼させる。
固形消火剤538を収納した発煙消火部48aの内部には、消火剤収納ケース536の後端側面の矩形開口536bからその周囲を通って先端の噴出口528へ至る煙道544を形成し、固形消火剤538の燃焼による炎が噴出口528から収納容器内に吹き出さないようにしている。
また固形消火剤538による炎の噴出を更に効果的に防止するためには、必要に応じて煙道544の途中に、金網などの消火用エアロゾルだけを通過するような火炎噴出防止部材546を配置する。
(点火制御部の構成)
図28に示した消火制御部48cには、点火回路部を収納している。この点火回路部は、図12に示した第1実施形態の場合と同様と基本的に同様であるが、図12のヒータ140を取出し、図30のように発煙消火部48aに収納した固形消火剤538の中に設けて信号線接続している点で相違する。
(発煙消火装置の動作)
図31は発煙消火部の動作を示した説明図である。図31に示すように、発煙消火部48aは、消火部本体520を収納容器蓋512における側面外壁の消火部取付穴にねじ込み固定することで、先端の消火部筐体522を収納容器内に配置しており、外部のコネクタ530にはプラグ531により消火制御部48cからの信号線552を接続している。
図28に示したように、電池モジュール30の収納容器内に布設した熱感知ケーブル532の火災による短絡状態を検出した場合、又は電池モジュール30の外側の蓄電装置筐体内に布設した熱感知ケーブル535の火災による短絡状態を検出した場合、図28に示した消火制御部48cが信号線552に点火信号を出力し、ヒータ540を通電加熱して固形消火剤538に点火し、固形消火剤538が燃焼して消火用エアロゾルを発生する。
固形消火剤538の燃焼により発生した消火用エアロゾルは、消火剤収納ケース536の後方の切欠開口536bから火炎噴出防止部材546を介して噴き出した後、周囲の空洞である煙道544を通って前方に移動し、発煙消火部48aの先端に形成した噴出口528から電池モジュールの収納容器内の空間に消火用エアロゾル578を噴出し、収納容器内を消火用エアロゾル578で満たし、リチウムイオン電池526の異常による電気火災を消火抑制する。
[本発明の変形例]
(点火回路部の電源)
また、上記の実施形態にあっては、発煙消火装置に一次電池を用いた電池電源を内蔵して点火回路部を動作しているが、電池モジュールの収納容器内に収納しているリチウムイオン電池(二次電池)から電源を供給するようにしても良い。
(リチウムイオン電池の形状)
また、上記の実施形態にあっては、扁平な矩形箱状の外装容器のリチウムイオン電池を電池モジュールの収納容器内に複数配置しているが、円筒形の外装容器を使用したリチウムイオン電池や、ラミネート型のリチウムイオン電池(フィルム外装電池)を収納容器内に複数配置した蓄電装置についても、その収納容器内側に発煙消火装置を設けることで、同様に適用できる。
(点火回路部の変形)
また、点火回路部は、上記の実施形態に限定されず、火災による熱感知ケーブルの短絡を検出して固定消火剤に点火する回路機能、外部から点火制御信号を入力して固形消火剤に点火する回路機能、及び消火起動信号を外部に出力する回路機能を備えれば、適宜の回路とすることができる。
また、上記の実施形態で発煙消火装置に設けた点火回路部は、熱感知ケーブルによる火災検出で固形消火剤に点火して消火用エアロゾルを発生させているが、これに加え、蓄電装置の操作部に消火起動釦を設け、利用者の操作により点火制御信号を点火回路部に出力し、固形消火剤に点火して消火用エアロゾルを発生させるようにしても良い。
(発煙消火装置の設置台数)
また、上記の実施形態にあっては、電池モジュールの収納容器内に発煙消火装置を1台設けているが、必要に応じ、複数台の発煙消火装置を収納容器内に設けるようにしても良い。
(電池火災を検出する火災検出部)
また、上記の実施形態は、電池火災検出部として熱感知ケーブルを設けているが、これ以外に、熱電対、サーミスタ等の温度センサ、レーザパルス光を入射した場合の後方散乱光の強度から温度測定する光ファイバーセンサなどの適宜の火災検出部を設けても良い。
(リチウムイオン電池のガス排出弁)
また、本実施形態の蓄電装置に組み込むリチウムイオン電池は、電池容器内のガス圧異常により作動してガスを排出するガス排出弁を設けている場合があり、これに伴い検知モジュールの収納容器にリチウムイオン電池の異常に伴い噴出した一酸化炭素ガスなどの有毒ガスを排ガスする排ガス機構、例えば収納容器内圧が所定値以上の場合に外部開放する逆止弁を備えている場合があるが、発煙消火装置から電池モジュールの収納容器内に消火用エアロゾルを噴出しても、電池モジュールの収納容器内の内圧は排ガス機構を作動する圧力までは上昇せず、消火用エアロゾルが外部に漏れ出して消火効果が下がることはない。
(火災報知設備との連動)
上記の実施形態は、住宅に設けた住警器と連携して蓄電装置の火災と発煙消火装置の消火起動を報知する場合を例にとるが、蓄電装置を公共施設、オフィス、病院などの建物に配置する場合、これらの建物には自動火災報知設備が設けられていることから、火災報知設備の受信機に、外部からの信号を受信する通信アダプタを設け、蓄電装置の制御部は、リチウムイオン電池の火災を検知して固形消火剤に点火して燃焼させた場合に、通信部に指示し、火災起動信号を自動火災報知設備の受信機へ無線又は有線で送信して蓄電装置の火災と発煙消火装置の消火起動を報知させるようにしても良い。
(その他)
また、本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10:住宅
12:蓄電装置
14:電力メータ
15:筐体
16:分電盤
18:コンセント
20:重要負荷
24:住警器
25:インレット
26:スイッチング電源部
28:双方向DC/DCコンバータ
30:電池モジュール
32:DC/ACインバータ
34:アウトレット
35:バイパス開閉部
36:リレー
38:常開リレー接点
40:電池制御部
42:制御部
43:操作部
44:報知部
45:無線通信部
46:火災センサ部
50:急速放電部
52:スイッチ部
54:放電用抵抗
55:仕切板
111,211,311,411:収納容器本体
112,212,312,412:収納容器蓋
126,226,326,426,526:リチウムイオン電池
132,135,232,235,332,335,432,435,532,535:熱感知ケーブル
138,238,338,438,538:固形消火剤
140,240,340,440,540:ヒータ
142,242,342,442:点火回路部
160:電池電源
168:トランジスタ
170:リレー

Claims (11)

  1. 複数のリチウムイオン電池を収納した電池モジュールを備え、直流電力を前記電池モジュールに蓄電して利用する蓄電装置に於いて、
    前記電池モジュールに配置され、前記リチウムイオン電池の火災を検出した場合に、消火用エアロゾルを噴出して消火する発煙消火装置を設けたことを特徴とする蓄電装置。
  2. 請求項1記載の蓄電装置に於いて、前記発煙消火装置は、複数のリチウムイオン電池を収納した収納容器の内側又は外側に配置され、前記リチウムイオン電池の異常に伴う火災を検出した場合に、固形消火剤に点火して燃焼させることにより発生した消火用エアロゾルを前記収納容器内に噴出して消火することを特徴とする蓄電装置。
  3. 請求項1記載の蓄電装置に於いて、
    前記電池モジュールは、円筒形状を備えた複数のリチウムイオン電池を、収納容器内の電池収納部に配列して収納し、
    前記発煙消火装置は、前記リチウムイオン電池と同じ形状を備えると共に前記電池収納部の空き位置に配置し、前記リチウムイオン電池の異常に伴う火災を検知した場合に、固形消火剤に点火して燃焼させることにより発生した前記消火用エアロゾルを前記収納容器内に噴出して消火することを特徴とする蓄電装置。
  4. 請求項2又は3記載の蓄電装置に於いて、前記発煙消火装置は、
    前記収納容器内に消火用エアロゾルを噴出する噴出口を備えた筐体と、
    前記筐体に収納され、燃焼により前記消火用エアロゾルを発生する固形消火剤と、
    前記収納容器内に配置し、前記リチウムイオン電池の異常に伴う火災を検出する火災検出部と、
    前記火災検出部により前記収納容器内の火災を検出した場合に、ヒータの通電加熱により前記固形消火剤に点火して燃焼させる点火回路部と、
    前記点火回路部に電源を供給する電池電源と、
    を備えたことを特徴とする蓄電装置。
  5. 請求項4記載の蓄電装置に於いて、
    前記発煙消火装置は、更に、前記収納容器の外部に配置し、前記収納容器の外側となる筐体内の火災を検出する第2の火災検出部を備え、
    前記点火回路部は、前記第2の火災検出部により前記収納容器内の火災を検出した場合に、ヒータの通電加熱により前記固形消火剤に点火して燃焼させることを特徴とする蓄電装置。
  6. 請求項4又は5記載の蓄電装置に於いて、
    前記火災検出部は、火災による熱を受けた場合の絶縁被覆の溶融により一対の信号線を短絡状態に接触させる熱感知ケーブルであり、
    前記点火回路部は、前記熱感知ケーブルの短絡を検出した場合に、ヒータの通電加熱により前記固形消火剤に点火して燃焼させることを特徴とする蓄電装置。
  7. 請求項4記載の蓄電装置に於いて、更に、前記固形消火剤に点火して燃焼させた場合に、前記蓄電装置の火災と前記発煙消火装置の消火起動を報知させる報知部を設けたことを特徴とする蓄電装置。
  8. 請求項4記載の蓄電装置に於いて、更に、前記固形消火剤に点火して燃焼させた場合に、建物に設置した火災を検出した場合に連動元を示す火災警報を出力すると共に火災連動信号を他の火災警報器へ無線又は有線で送信して連動先を示す火災警報を出力させる火災警報器に、前記火災起動信号を無線又は有線で送信して、前記蓄電装置の火災と前記発煙消火装置の消火起動を報知させる通信部を設けたことを特徴とする蓄電装置。
  9. 請求項4記載の蓄電装置に於いて、更に、前記固形消火剤に点火して燃焼させた場合に、建物に設置した自動火災報知設備に、前記火災起動信号を無線又は有線で送信して、前記蓄電装置の火災と前記発煙消火装置の消火起動を報知させる通信部を設けたことを特徴とする蓄電装置。
  10. 請求項4記載の蓄電装置に於いて、
    前記発煙消火装置の筐体は、
    前記噴出口を設けた筐体本体と、
    前記筐体本体の内部に支持部材を介して浮いた状態に配置し、前記固形消火剤を収納した消火剤収納ケースと、
    前記消火剤収納ケースから噴出した前記消火用エアロゾルを前記噴出口に導く煙道を形成する煙道構造と、
    前記煙道に配置した火炎噴出防止部材と、
    を備えたことを特徴とする蓄電装置。
  11. 請求項1記載の蓄電装置に於いて、
    前記発煙消火装置は、
    前記電池モジュールの収納容器外壁を貫通して配置され、固形消火剤の燃焼により発生した消火用エアロゾルを前記収納容器内に噴出して消火する発煙消火部と、
    前記収納容器外壁を貫通して配置され、前記収納容器内に収納した前記リチウムイオン電池の異常に伴う火災を検出する火災検出部と、
    前記収納容器の外部に配置され、前記火災検出部により火災を検出した場合又は他の装置から点火制御信号を受信した場合に、前記発煙消火部の前記固形消火剤に点火して燃焼させる消火制御部と、
    を備えたことを特徴とする蓄電装置。
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