JP2014080516A - 動物皮の鞣し方法及び皮革 - Google Patents
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Abstract
【課題】原皮の厚みが0.2〜1.5mm程度の薄い動物皮であっても、厚みを持たせることにより、その廃棄部分を極力少なくすることのできる動物皮の鞣し方法及び皮革を提供する。
【解決手段】この動物皮の鞣し方法は、厚みが0.2〜1.5mm程度の範囲内にある動物皮に前処理を施して皮に変える前処理工程(ステップS1)と、この皮にピックリング処理を施した上で鞣し剤を加えることにより革に変える前鞣し工程(ステップS2)と、この革に再鞣し(ステップS3)、そして仕上げ処理を施して最終の革に変える仕上げ工程(ステップS4)とを備え、前鞣し工程(ステップS2)で、皮にピックリング処理を施す前に(ステップS22)、この皮にシュリンク加工を施す(ステップS21)ものである。
【選択図】図1
【解決手段】この動物皮の鞣し方法は、厚みが0.2〜1.5mm程度の範囲内にある動物皮に前処理を施して皮に変える前処理工程(ステップS1)と、この皮にピックリング処理を施した上で鞣し剤を加えることにより革に変える前鞣し工程(ステップS2)と、この革に再鞣し(ステップS3)、そして仕上げ処理を施して最終の革に変える仕上げ工程(ステップS4)とを備え、前鞣し工程(ステップS2)で、皮にピックリング処理を施す前に(ステップS22)、この皮にシュリンク加工を施す(ステップS21)ものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、動物皮の鞣し方法及び皮革に関し、この皮革は特に革製品一般の素材として好適なものである。
従来、動物皮の厚みを膨らませて製品化された革として、タンニンを使用した鞣しの方法で得られた、ヌメ革・シュリンク革等がある。
ヌメ革とは、タンニン鞣しを施しただけの、染色・塗装がされていない革のことをいう。革そのものの風合い、味わいが魅力となっている。広義にはタンニン鞣しで作られた牛革全般をヌメ革ということもある。このヌメ革は、高い強度と長く使うほどなじんでくるという革製品の魅力を併せ持っている。このヌメ革は、タンニン鞣しにより得られた革であるが、生産効率及び品質(重い・硬い・熱に弱い)上、一部の特殊な製品および製品パーツの素材にしか使用されていないことが多い。
シュリンク革とは、例えばタンニンを用いた鞣し方法で得られた革(一度仕上がった革)を、加湿して揉み加工後乾燥させ、皮革を収縮させることにより、銀面(表面)のシボ(しわ)をより一層協調させたもので、革表面の表情を作ることを目的としたものである(特許文献1,2参照)。また、スクリーン印刷により革にシュリンク加工を施したものもある(特許文献3参照)。
さらに、鞣し加工の途中に特殊な薬品を使って銀面を縮ませることによりシボを際立たせる加工法も知られている(非特許文献1参照)。ここでは、革を濃度の高いタンニン液につけると、銀面層と皮下層とは繊維組織が異なることから、銀面層だけが収縮し、シボができる。こうしてつけられたシボは容易に伸びないので、鞣し加工完了後に揉みこむ、いわゆる「もみ革」などよりも、シボが強調された独自の風合いをかもし出すことができると記載されている。
ところで、図2は動物皮を背中で折り返した状態を示す説明図であるが、同図に示すように、動物皮1は、大略、頭側2と、前足3と、前脇部4と、尻側5と、後足6と、後脇部7と、腹部8とに分けることができる。このうち、頭側2と、前足3と、尻側5と、後足6と、腹部8との皮厚に比べて、前脇部4と、後脇部7との皮厚は、脂肪がつきやすいため、非常に薄くなっており、具体的には0.2mm〜1.5mm程度の厚みしかないから、そのままでは利用価値がなかった。
しかし、従来技術によりえられたヌメ革・シュリンク革の両製品革は、原皮が薄いものに、厚みを持たせることを目的としたものではない。したがって、従来技術では、原皮の厚みが0.2mm〜1.5mm程度の薄い皮は利用価値がなく、その皮の廃棄部分が多量に出るという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、原皮の厚みが0.2mm〜1.5mm程度の薄い皮であっても、厚みを持たせることにより、その廃棄部分を極力少なくすることのできる動物皮の鞣し方法及び皮革を提供することを目的とする。
本発明に係る動物皮の鞣し方法は、厚みが0.2〜1.5mm程度の範囲内にある動物皮に前処理を施して第一素材に変える前処理工程と、この第一素材にピックリング処理を施した上で鞣し剤を加えることにより第二素材に変える鞣し工程と、この第二素材に仕上げ処理を施して第三素材に変える仕上げ工程とを備えたものであって、鞣し工程で、第一素材にピックリング処理を施す前に、この第一素材にシュリンク加工を施すことを特徴とする。
本発明に係る動物皮の鞣し方法によれば、前処理工程で厚みが0.2〜1.5mm程度の範囲内にある動物皮に前処理が施されて第一素材に変えられ、鞣し工程でこの第一素材にピックリング処理が施される前にこの第一素材にシュリンク加工が施された上で鞣し剤が加えられることにより、第一素材が第二素材に変えられ、仕上げ工程でこの第二素材に仕上げ処理が施されて第三素材に変えられるので、従来のように、ピックリング処理を施した革をタンニン液につけただけの場合に比べて、その革につけられたシボはさらに伸びにくくなるとともに、このシボは革全体にほぼ均一につくことになる。
したがって、革の面積は若干小さくなるものの、その革の厚みは大きくなる。その結果、原皮の厚みが0.2mm〜1.5mm程度の薄い皮であっても利用できるようになるから、その廃棄部分を極力少なくすることができ、その歩留まりを大きくとることができる。
また、シュリンク加工では、第一素材に、少なくともアルカリ中和剤と、多価のアルデヒドとを加えるが好ましい。なお、多価のアルデヒドとは、CHO基を複数個有するアルデヒドをいい、CHO基を1個だけ有するホルマリンを含まない。
この場合、シュリンク加工では、第一素材に、少なくともアルカリ中和剤と、多価のアルデヒドとが加えられるので、つけられたシボはさらに容易に伸びないものとなる。
また、アルカリ中和剤は、ソーダ灰であることが好ましい。
この場合、アルカリ中和剤は、ソーダ灰であるので、特殊な薬品を使用することなく、安価なシュリンク革が得られる。
また、多価のアルデヒドは、グルタルアルデヒドであることが好ましい。
この場合、多価のアルデヒドは、グルタルアルデヒドであるので、特殊な薬品を使用することなく、安価なシュリンク革が得られる。
本発明に係る皮革は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の動物皮の鞣し方法により作られた第三素材であることを特徴とする。
本発明に係る皮革によれば、請求項1〜4のいずれか1項に記載の動物皮の鞣し方法により作られた第三素材であるので、本発明に係る動物皮の鞣し方法での作用効果を奏するものとなる。また、近年の高齢化傾向に伴い、より軽い皮革製品が望まれていたところ、本発明に係る皮革は、従来のものに比べて軽量となるから、その皮革の使用先も広がってくるものと考えられる。
本発明に係る動物皮の鞣し方法によれば、前処理工程で厚みが0.2〜1.5mm程度の範囲内にある動物皮に前処理が施されて第一素材に変えられ、鞣し工程でこの第一素材にピックリング処理が施される前にこの第一素材にシュリンク加工が施された上で鞣し剤が加えられることにより、第一素材が第二素材に変えられ、仕上げ工程でこの第二素材に仕上げ処理が施されることにより、第二素材が第三素材に変えられるので、従来のように、ピックリング処理を施した革をタンニン液につけただけの場合に比べて、その革につけられたシボはさらに伸びにくくなるとともに、このシボは革全体にほぼ均一につくことになる。
したがって、革の面積は若干小さくなるものの、その革の厚みは大きくなる。その結果、原皮の厚みが0.2〜1.5mm程度の薄い皮であっても利用できるようになるから、その廃棄部分を極力少なくすることができ、その歩留まりを大きくとることができる。
また、本発明に係る皮革によれば、請求項1〜4のいずれか1項に記載の動物皮の鞣し方法により作られた第三素材であるので、本発明に係る動物皮の鞣し方法での作用効果を奏するものとなる。また、近年の高齢化傾向に伴い、より軽い皮革製品が望まれていたところ、本発明に係る皮革は、従来のものに比べて軽量となるから、その皮革の使用先も広がってくるものと考えられる。
図1は本発明の一実施形態に係る動物皮の鞣し方法を示す工程図である。
図1に示すように、この動物皮の鞣し方法は、前処理工程(ステップS1)と、鞣し工程としての前鞣し工程(ステップS2)と、本鞣し工程(ステップS3)と、仕上げ工程(ステップS4)を備えたものであって、前鞣し工程(ステップS2)において、第二段階(ステップS22)のピックリング処理に入る前に、第一段階(ステップS21)のシュリンク加工を行うようになっていることを特徴とするものである。
ここで、前処理工程(ステップS1)は、厚みが0.2〜1.5mm程度の範囲内にある動物皮に前処理を施して、動物の原皮についている不要な組織や成分を分離除去して皮(第一素材に相当する。)に変えるものである。この前処理工程(ステップS1)では、原皮を水戻し(ステップS11)、脱毛・石灰づけし(ステップS12)、再石灰づけし(ステップS13)、分割し(ステップS14)、脱灰・ベーティングを行う(ステップS15)。
前鞣し工程(ステップS2)は、この皮にシュリンク加工を施すことにより厚みを大きくしてから、ピックリング処理して鞣し剤を加えることにより、耐熱性、腐食防止及び柔軟性を付与して革(第二素材に相当する。)に変えるものである。
この前鞣し工程(ステップS2)における第一段階(ステップS21)は、皮の重量に対して、塩、アルカリ中和剤としてのソーダ灰、加脂剤、多価のアルデヒドとしてのグルタルアルデヒドを加えて回転ドラム内で鞣しし、皮厚みを膨らませ、且つ、収縮させて、形状保持させる。この第一段階(ステップS21)で、回転ドラム(水中)内で皮の銀面のシボはシュリンク革の表情を形成する、シュリンク加工を行う。
また、第二段階(ステップS22)は、ピックリング処理(蟻酸、硫酸、塩からなる酸性溶液に浸酸処理すること。)により、鞣し剤の吸収に適する状態にするものであって、そのピックリング処理として、皮の重量に対して蟻酸・硫酸を加え、その混合液のPH調整・所定温度に保持して鞣しする。
さらに、第三段階(ステップS23)は、鞣し剤、ポリマー剤(柔軟剤)、合成タンニン、中和剤、防カビ剤を加え、該混合液のPH調整・所定温度に保持して前鞣しをする。
本鞣し工程(ステップS3)は、この革に再鞣し剤を加えて再鞣しを行うとともに、必要に応じて再々鞣しを行うものである。この本鞣し工程(ステップS3)では、前鞣し皮を水洗い後、中和し、再鞣し剤及び染料を加えて再鞣しを行い(ステップS31)、必要に応じて再々鞣しを行う(ステップS32)。
ここで、鞣し剤は皮組織中に浸透し、適切な範囲でコラーゲンの分子間に架橋結合を導入するために用いる。架橋が少なすぎると、革の耐熱性は向上せず、多すぎると革の繊維の動きは制限され、耐熱性が向上しても革は硬くなり、割れやすくなる。
再鞣し剤には、前記鞣しとしての作用に加えて、微細な間隔を増大させ、革としてのふくらみ感をまし、暖かい接触感覚を与えることが要求される。再鞣し剤による処理の後に、鞣し剤による作用により得られた微細な間隙に加脂剤が作用し、革繊維中の水が油剤で置換することとなり、乾燥しても組織を硬直させず、また繊維間の滑りがよくなり、革に柔軟性を与えることとなる。
このように、鞣し剤と再鞣し剤とでは、その作用及び役割において共通する点と相違する点とがあるため、両者は同じものを用いてもよいが、異なるものを用いることとしてもよい(特許文献4,5参照)。
仕上げ工程(ステップS4)は、この再鞣し又は再々鞣し後の革に仕上げ処理を施して最終の革(第三素材に相当する。)に変えるものである。この仕上げ工程(ステップS4)では、染色(ステップS41)、加脂(ステップ42)、水絞り(ステップS43)、乾燥仕上げをする(ステップS44)。
この動物皮の鞣し方法によれば、従来の原皮の厚みが0.2〜1.5mm程度の薄い皮(国産和牛皮、馬皮等または、その他の動物皮)を常法の鞣しで行った場合では得られない、皮の厚み・強度・裁断効率(歩留まり)が向上し、また銀面の傷が目立ちにくくなる皮革が得られる。また、原皮の厚みが0.2〜1.5mm程度の薄い皮の動物皮であれば、各工程の処理時間、浸漬液等を原皮の性質に応じて調整して適用することができる。
すなわち、この動物皮の鞣し方法によれば、従来のように、ピックリング処理を施した革をタンニン液につけただけの場合に比べて、その革につけられたシボはさらに伸びにくくなるとともに、このシボは革全体にほぼ均一につくことになる。
したがって、革の面積は若干小さくなるものの、その革の厚みは大きくなる。その結果、原皮の厚みが0.2〜1.5mm程度の薄い皮であっても利用できるようになるから、その廃棄部分を極力少なくすることができ、その歩留まりを大きくとることができる。
また、近年の高齢化傾向に伴い、より軽い皮革製品が望まれていたところ、この動物の皮の鞣し方法により作られた皮革は、従来のものに比べて軽量となるから、その皮革の使用先も広がってくるものと考えられる。
前処理工程(ステップS1)では、まず動物皮の一例としての国産和牛の原皮を水戻しするが(ステップS11)、ここでは、前記国産和牛の原皮をドラム内の多量の水に浸漬して、脱脂と水洗いを行う。
ついで、脱毛・石灰づけ(ステップS12)では、脱毛助剤・脱脂助剤の水溶液に浸漬し脱毛作業+真皮のコラーゲン繊維間に存在する糖タンパク質を除去するため、石灰水硫化ソーダで石灰づけ作業を行う。
ついで、再石灰づけ(ステップS13)では、皮組織の間隙度合いの調整のため、石灰で再石灰処理を行う。
ついで、分割(ステップS14)では、機械を通過させて皮組織の厚み方向の断面をカットして、皮の厚さを粗調整する(約1.0mmの厚さになる)。
そして、脱灰・ベーティング(ステップS15)では、皮の組織に残留する水酸化カルシウムイオンを除去する脱灰と組織の間隙に存在する蛋白質を分解するため、酵素を添加し、酵素分解を行う。
前鞣し工程(ステップS2)では、第一段階(ステップS21)として、皮の重量に対して塩、ソーダ灰0.3〜1.0%、加脂剤、グルタルアルデヒド2.5〜5.0%を施して鞣しをする。
ついで、第二段階(ステップS22)として、皮の重量に対して蟻酸0.2〜0.8%・硫酸1.0〜3.0%を加え(ピックリング)、且つ、その混合液のPH調整(PH3〜8)・所定温度(10〜50℃)に保持して鞣しをする。
さらに、第三段階(ステップS23)として、鞣し剤としてのグルタルアルデヒド、ポリマー剤、合成タンニン、中和剤、防カビ剤を加え、且つ、該混合液のPH調整(PH3〜8)・所定温度(10〜50℃)に保持して前鞣しする。
本鞣し工程(ステップS3)では、前鞣し皮を水洗い後、中和し、本実施例1では再鞣し剤としての2種類の合成タンニン、2種類の天然タンニン、及び染料を加えて再鞣しを行い(ステップS31)、必要に応じて再々鞣しを行う(ステップS32)。ここでの再鞣し剤については、鞣す皮の性質・用途等により、クロムなどを選択することもできる。ただし、クロムは廃液処理に伴う環境問題が生じやすいことから、それ以外のものが好ましいといえる。
最後に、仕上げ工程(ステップS4)では、まず染色するが(ステップS41)、ここでは、常法により染色を行う。
ついで、加脂(ステップS42)では、水洗いした染色革に加脂柔軟剤を用途により増減し添加して、染色〜加脂工程を約6時間〜12時間回転ドラムで回転して皮革内に浸透させ安定化させる。
ついで、水絞り(ステップS43)と、乾燥仕上げ(ステップS44)とでは、その後水を絞り風乾し仕上げる。
このようにして得られた国産和牛皮革は、従来の国産和牛皮を常法の鞣しで行った場合と比較して、当初の皮厚みより厚みを増し(約1.0mm→約1.2〜1.5mm)、そのことにより、強度も増し、腹部分のたるみはほぼなくなり、銀面のシボ(しわ)は、シュリンク革に仕上がり、銀面の傷も目立ちにくく皮革製品にする際の裁断効率(歩留まり)も従来の70〜80%からほぼ98%にまで向上した皮革が得られた。この皮革は、従来のものに比べて軽量となっている。
図3は本方法による鞣し革(シュリンクレザー)の表面写真、図4は従来方法による鞣し革(比較革)の表面写真である。以下、第三者機関による試験結果を示す。すなわち、シュリンクレザーの銀面には、図3に示すように、平均径がφ1.5mm〜φ2.0mm程度のほぼ均一なシボ(しわ)がその全体にわたりくっきりと映っており、比較革の銀面には、図4に示すように、シボ(しわ)がまったく映っていない。なお、両図の中央付近は、写真撮影に使用した光源の反射光で光っている。
そして、引張試験によれば、シュリンクレザーの引張強度は10MPaであり、比較革の引張強度は12MPaであった。引裂試験によれば、シュリンクレザーの引裂強度は32N/mmであり、比較革の引裂強度は31N/mmであった。伸び試験によれば、シュリンクレザーの伸び率は40%であり、比較革の伸び率は53%であった。これより、シュリンクレザーは、比較革と同等の強度を有するものとなり、従来の機械的にシボを作ったものに比べて、型くずれしにくいものとなっている。
ここでは、動物皮の他の例としての馬の原皮を、実施例1の処理方法に従って、鞣した。得られた馬皮革は、従来の馬皮を常法の鞣しで行った場合と比較して、当初の皮厚みより厚みを増し(約1.0mm→約1.2〜1.5mm)、そのことにより、強度も増し、腹部分のたるみはほぼなくなり、銀面のシボ(しわ)は、シュリンク革に仕上がり、銀面の傷も目立ちにくく、皮革製品にする際の裁断効率(歩留まり)も従来の70〜80%からほぼ98%にまで向上した皮革が得られた。この皮革は、従来のものに比べて軽量となっている。この実施例2については、第三者機関による試験は未実施であるが、そもそも馬皮は国産和牛皮に比べて当初の皮厚みがあり、脂肪分が少ないことから、上記実施例1と同様かそれ以上に良好な結果が得られるものと推察される。
なお、上記実施形態、及び、実施例1,2では、いずれも多価のアルデヒドとして、CHO基を2個有するグルタルアルデヒドを用いているが、その他の多価のアルデヒド(例えばマロンジアルデヒド)を用いることとしてもよい。ただし、CHO基を1個だけ有するホルムアルデヒドは、革が硬くなり、また環境汚染防止の見地からも好ましくない。
1 動物皮
2 頭側
3 前足
4 前脇部
5 尻側
6 後足
7 後脇部
8 腹部
ステップS1 前処理工程
ステップS2 前鞣し工程(鞣し工程に相当する)
ステップS21 第一段階(シュリンク加工に相当する。)
ステップS22 第二段階(ピックリング処理に相当する。)
ステップS23 第三段階
ステップS3 本鞣し工程(鞣し工程に相当する。)
ステップS31 再鞣し工程
ステップS32 再々鞣し工程
ステップS4 仕上げ工程
2 頭側
3 前足
4 前脇部
5 尻側
6 後足
7 後脇部
8 腹部
ステップS1 前処理工程
ステップS2 前鞣し工程(鞣し工程に相当する)
ステップS21 第一段階(シュリンク加工に相当する。)
ステップS22 第二段階(ピックリング処理に相当する。)
ステップS23 第三段階
ステップS3 本鞣し工程(鞣し工程に相当する。)
ステップS31 再鞣し工程
ステップS32 再々鞣し工程
ステップS4 仕上げ工程
http;//www.leather−navi.com/kakou/shrink.html
Claims (5)
- 厚みが0.2〜1.5mm程度の範囲内にある動物皮に前処理を施して第一素材に変える前処理工程と、この第一素材にピックリング処理を施した上で鞣し剤を加えることにより第二素材に変える鞣し工程と、この第二素材に仕上げ処理を施して第三素材に変える仕上げ工程とを備えた動物皮の鞣し方法であって、
鞣し工程で、第一素材にピックリング処理を施す前に、この第一素材にシュリンク加工を施すことを特徴とする動物皮の鞣し方法。 - シュリンク加工では、第一素材に、少なくともアルカリ中和剤と、多価のアルデヒドとを加えることを特徴とする請求項1記載の動物皮の鞣し方法。
- アルカリ中和剤は、ソーダ灰であることを特徴とする請求項2記載の動物皮の鞣し方法。
- 多価のアルデヒドは、グルタルアルデヒドであることを特徴とする請求項2又は3記載の動物皮の鞣し方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の動物皮の鞣し方法により作られた第三素材であることを特徴とする皮革。
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