JP2014080399A - パラフィンの製造方法および製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高濃度のオレフィンを水素で還元してパラフィンを製造するに際し、実質的に完全にパラフィン化する。
【解決手段】 気相状態にあるオレフィンおよび水素から還元触媒の存在下にて進行する還元反応によりパラフィンを製造する方法であって、各々が上記還元触媒を充填した複数の触媒槽3,4が、水素が流れる主流ライン21,24,26に沿って直列に設けられており、各触媒槽3,4への導入ガスG1,G3における水素量がオレフィン量よりも多くなるように主流ライン21,24に対して上記オレフィンを分割して添加する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エチレンやプロピレンなどのオレフィンからエタンおよびプロパンなどのパラフィンを製造する方法および装置に関する。
パラフィン(飽和鎖式炭化水素)のうちエタンやプロパンは石油を分留することで得られるが、需要分野として、エタンはエチレンやクロロエチレンの原料や、極低温の冷却材として使用されている。また、プロパンはLPGとしてガス燃料としての需要が多いが、最近では半導体などの電子材料分野でも使用されるようになり、かかる用途については、特に高純度なプロパンが要求されるようになっている。例えば、高純度プロパン中の各不純物の濃度については、1ppm未満であることが求められる。
高純度なエタンやプロパンなどのパラフィンを製造することは原油をクラッキングし、分留をおこなう段階で精密な蒸留をおこなえば可能ではあるが、精密な蒸留条件の設定が必要であり、コストの高騰化を招く。一方、エタンはエチレンやクロロエチレンなどの石油製品の原料として、プロパンはガス燃料として主に使用されており、このような用途では高純度なエタンやプロパンは必要とされない。したがって、需要量が少ない高純度パラフィンのために、工業製品として精油所でそのような採算性のない精製は行われていない。
高純度化の原料として用いるプロパンを主成分とする原料ガスには、不純物として例えばメタン、エタン、プロピレン、イソブタンやノルマルブタンなどが含まれるが、これら不純物を除去することで高純度化を図る方法が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特許文献1には分子篩や活性炭を吸着剤として、エタン、プロピレン、イソブタンやノルマルブタンなどをプロパンより優先して吸着除去させ低純度プロパンから高純度プロパンを回収する技術が提案されている。特許文献2では炭素数2から6のパラフィン(プロパンを含む)および炭素数2から6のオレフィン(プロピレンを含む)を含む原料からパラフィン(プロパンを含む)を精製するための方法が提案され、銀イオン吸収液にオレフィンを優先的に吸収させつつ、当該吸収液に吸収されなかったパラフィンを回収して精製する技術が提案されている。特許文献1,2の方法では、いずれも吸着操作や吸収操作をおこなうことでプロパン以外の不純物を除去しており、不純物と一緒にプロパンの一部が失われるため、プロパンを高い回収率で回収することはできていない。
一方、特許文献3では液相のプロピレンに水素を添加して反応操作でプロパンを製造する技術が提案されており回収率の低下は起こらない。しかし、発熱反応により温度が上昇するため、高濃度のプロピレンでは反応操作ができず25%濃度が限界となっている。また、ニッケル触媒を充填した触媒槽が2槽用いられているが、そのうち1槽は触媒交換用かもしくは再生用の予備器であり、プロピレンのプロパン化反応は実質的に触媒槽1槽で実施されている。
特開2012−25729号公報 再表WO2010/074019号公報 US3509226A明細書
本発明は、このような事情の下で考え出されたものであり、高濃度のオレフィンを水素で還元してパラフィンを製造するに際し、実質的に完全にパラフィン化することが可能な方法および装置を提供することを課題とする。
本発明の第1の側面によって提供されるパラフィンの製造方法は、気相状態にあるオレフィンおよび水素から還元触媒の存在下にて進行する還元反応によりパラフィンを製造する方法であって、各々が上記還元触媒を充填した複数の触媒槽が、水素が流れる主流ラインに沿って直列に設けられており、上記各触媒槽への導入ガスにおける水素量がオレフィン量よりも多くなるように上記主流ラインに対して上記オレフィンを分割して添加することを特徴としている。
オレフィンを水素で還元反応を行うと発熱反応であるため温度上昇がおこる。例えばエチレンの場合とプロピレンの場合、その反応は発熱反応で次のようになる。
24+H2=C26+ΔH ΔH=−136.27kJ/モル
36+H2=C38+ΔH ΔH=−124.7kJ/モル
したがって、液相の純オレフィンでこの反応をおこなうとするとオレフィンの分子同士が接近しているため、オレフィンの単位体積あたりの発熱量が大きくなり、発熱反応が速い速度でおこり冷却速度が追い付かなくなる。その結果、従来技術では特許文献3のように原料である液相オレフィンとしては25%濃度が限界であった。この問題を解決するため、本発明では気相で反応させることにより分子間距離をあけさせて、オレフィンの単位体積あたりの反応量を減らし、発熱量を減らした。例えばプロピレンの1モルあたりの質量は分子量から42.08gであり、分子数はアボガドロ数で6×1023個となる。液体の比重は0.6139g/cm3であるので液相での分子1個が占める空間は11.42×10-23cm3となる。これに対して気相の場合1気圧、0℃で1モルが占める体積は22.4Lであるから分子1個が占める空間は3.733×10-20cm3である。したがって液相から気相となると分子間距離は分子1個が占める空間が約330倍の大きさとなっているので分子間距離は6.9倍長くなっていると言える。したがって、プロピレンの還元反応は発熱反応であり、分子間距離が長い方が熱の放散や伝熱による除熱が容易になるため、当該還元反応は気相でおこなう方がよい。
本方法では、更に、触媒槽を少なくとも2槽以上に直列に分割設置して、水素を主流としてそれぞれの触媒槽にオレフィンを分割して添加している。オレフィンの水素による還元反応は、水素を理論当量より多く添加することでより進みやすくなる。したがって、触媒槽を直列に2槽以上に分割して、水素を主流としてオレフィン(エチレンやプロピレン)を分割して添加していくことで各触媒槽における水素量/オレフィン量(モル比)をより大きくすることができ、還元反応を促進させることができる。さらに、オレフィン(エチレンやプロピレン)を2分割以上にして添加するので、各触媒槽あたりの反応温度の上昇を小さくすることができる。ここで主流の水素純度は99〜99.99999モル%であり、好ましくは99.999モル%以上である。
好ましい実施の形態においては、上記各触媒槽への導入ガスにおける水素量とオレフィン量の割合は、水素量/オレフィン量(モル比)が1.1以上である。
好ましい実施の形態においては、上記複数の触媒槽それぞれへの導入ガスにおけるオレフィン量は、均等である。
主流である水素に対して添加されるオレフィンの量をモル比にして水素量/オレフィン量が1.1以上となるようにし、触媒槽の分割数を増加させていくと、各触媒槽での水素/オレフィンのモル比をより高くすることができ、総混合モル比を限りなく1.0に近づかせることができる。水素/オレフィンのモル比が小さくなるとオレフィンの還元反応が進みにくくなるので、水素/オレフィンのモル比がいずれのポイントでも1.1以上となるようにしながら、還元反応が進みやすいようにすることが好ましい。そして、還元反応が終了して製造されたパラフィン中の残留水素量を如何に少なくできるかは、触媒槽の設置数をどれだけ多くするかで決まる。
好ましい実施の形態においては、上記還元反応は、内部温度が100℃以下のもとで行う。
還元反応を行う際に反応温度が高すぎたり、添加する水素量が少ないと、オレフィンの分解が起こりメタンやエタンが不純物として生成するので反応温度は100℃以下、好ましくは50℃以下で行う。このために、例えば触媒槽を外部からチラー水などを用いて強制的に冷却する。温度が低すぎると、オレフィンが液化して還元反応が進みにくくなるので、操作圧力が0.3MPaGのときではエチレンでは−76.3℃以上、プロピレンでは−12.0℃以上にする必要がある。還元反応時の圧力は通常0.0〜0.5MPaGであり、圧力を高くすると還元反応は促進される方向にはなるが、反応熱により反応温度が上昇する。また、還元反応の際に圧力を高くすることは、オレフィンが液化して液相反応となるので、好ましくない。
好ましい実施の形態においては、上記触媒槽内に充填された上記還元触媒は、触媒活性を有する触媒活性物質が触媒活性を有しない希釈媒体によって希釈されたものを含んでおり、上記希釈媒体の混合比率は、上記触媒槽の上流側から下流側に向かって段階的に低下させられている。
このような構成によれば、還元反応で発生した熱が希釈媒体に伝達され、分散して外部から除熱されやすい。その一方、希釈媒体の混合比率が触媒槽の上流側から下流側に向かって低下させられているため、触媒の活性点の数が下流側に向かって増加している。このため、触媒槽内を通流するオレフィンが未反応のまますり抜けることは防止され、純度の高いパラフィンが得られる。
また、還元反応をおこなわせるとき、単位断面積当りの処理ガス量が多いほど発熱量が増加して、不純物であるメタンやエタンへの分解反応が進みやすくなり、不純物の濃度が高まることになる。このため、ガス流速や空間速度は、小さくなる程好ましい結果が得られる。例えば標準状態基準での空間速度SVは希釈媒体を含めて1000/h以下であり、好ましくは500/h以下である。一方、空間速度が大きすぎるとオレフィンが十分にパラフィンに反応変化しなくなり未反応のオレフィンが残るようになる。
好ましい実施の形態においては、上記希釈媒体は、上記触媒活性物質を担持する担体を含む。
好ましい実施の形態においては、上記触媒活性物質は、パラジウム、ロジウム、白金、ルテニウム、およびニッケルから選択される少なくとも1種を含む金属からなる。
好ましい実施の形態においては、上記希釈媒体は、無機物充填材を含む。
好ましい実施の形態においては、上記オレフィンの炭素数が2〜4であり、上記パラフィンの炭素数が2〜4である。
本発明の第2の側面によって提供されるパラフィンの製造装置は、気相状態にあるオレフィンおよび水素から還元触媒の存在下にて進行する還元反応によりパラフィンを製造するための装置であって、水素を流すための主流ラインと、上記主流ラインに沿って直列に設けられ、各々がガス導入部およびガス導出部を有し、かつ上記還元触媒を収容した複数の触媒槽と、上記主流ラインに水素を供給するための水素供給手段と、上記各触媒槽の上記ガス導入部の上流側にて上記主流ラインに接続する複数の分岐ラインを有し、当該複数の分岐ラインを介して上記オレフィンを添加するためのオレフィン添加手段と、を備えることを特徴としている。
好ましい実施の形態においては、上記触媒槽の設置数は2〜5の範囲である。
好ましい実施の形態においては、上記触媒槽の内部温度を調整する温度調整手段を備える。
好ましい実施の形態においては、上記触媒槽内に充填された上記還元触媒は、触媒活性を有する触媒活性物質が触媒活性を有しない希釈媒体によって希釈され、上記希釈媒体の混合比率が互いに異なる複数の触媒領域を含んで構成されており、上記複数の触媒領域における上記希釈媒体の混合比率は、上記触媒槽における上流側から下流側に向かって段階的に低下させられている。
好ましい実施の形態においては、上記触媒領域の配置数は2〜5の範囲である。
好ましい実施の形態においては、上記希釈媒体は、上記触媒活性物質を担持する担体を含む。
好ましい実施の形態においては、上記触媒活性物質は、パラジウム、ロジウム、白金、ルテニウム、およびニッケルから選択される少なくとも1種を含む金属からなる。
好ましい実施の形態においては、上記希釈媒体は、無機物充填材を含む。
好ましい実施の形態においては、上記主流ラインにおける上記複数の触媒槽の下流側には、水素を除去するために水素除去手段が設けられている。
好ましい実施の形態においては、上記水素除去手段は、圧力変動吸着式ガス分離装置を含んで構成される。
好ましい実施の形態においては、上記水素除去手段は、分縮装置を含んで構成される。
このような構成のパラフィンの製造装置によると、本発明の第1の側面のパラフィンの製造方法を適切に行うことができる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
本発明の第1実施形態に係るパラフィンの製造装置を示す概略構成図である。 本発明の第2実施形態に係るパラフィンの製造装置を示す概略構成図である。 触媒槽の設置数を異ならせた場合のプロパンの製造例を示す表である。
以下、本発明の好ましい実施の形態として、オレフィンおよび水素から還元反応によりパラフィンを製造する方法について、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るパラフィンの製造装置を示す概略構成図である。本実施形態のパラフィン製造装置X1は、気相状態にあるオレフィンおよび水素から本発明に係るパラフィンの製造方法によってパラフィンを製造可能に構成されたものであり、水素シリンダー1と、オレフィンシリンダー2と、主流ライン21,24,26と、複数の触媒槽3,4と、オレフィンライン22と、分岐ライン23,25と、を備えている。なお、本実施形態では、オレフィンがプロピレンであり、製造されるパラフィンがプロパンである場合を例示して説明する。
水素シリンダー1は、主流ライン21に水素を供給するためのものであり、高圧条件で高純度水素ガスが封入されている。
主流ライン21,24,26は、水素シリンダー1から供給される水素、後述の分岐ライン23,25を介して添加されるプロピレン、および後述の触媒槽3,4において還元反応によって生成されるプロパンを流すラインであり、直列に繋がっている。主流ライン21には、減圧弁11、流量計12、および弁13が設けられている。
触媒槽3,4は、オレフィン(プロピレン)および水素から還元触媒の存在下にて進行する還元反応によりパラフィン(プロパン)を生成するためのものであり、主流ライン21,24,26に沿って直列に設けられている。
触媒槽3,4は、密閉管状構造とされており、一端部にはガス導入口3a,4aが設けられ、他端部にはガス導出口3b,4bが設けられている。触媒槽3,4の内部には、還元触媒が充填されている。この還元触媒は、オレフィンの水素による還元反応を促進するためのものである。
還元触媒は、触媒活性を有する触媒活性物質が希釈媒体によって希釈されたものを含んで構成されている。当該触媒活性物質は、パラジウム、ロジウム、白金、ルテニウム、およびニッケルから選択される少なくとも1種を含む金属からなり、例えばパラジウムからなる。本実施形態において、触媒活性物質は、担体によって担持されて粒子状(触媒粒子)とされており、この触媒粒子が、例えばアルミナボールなどの無機物充填材によって希釈されている。上記触媒粒子におけるパラジウム(触媒活性物質)の含有比率は、例えば0.1〜1.0wt%である。ここで、触媒活性物質を担持する担体、および無機物充填材は、本発明でいう希釈媒体に相当する。
触媒槽3内に充填された還元触媒は、複数(本実施形態では2つ)の触媒領域301,302を含んで構成されている。本実施形態では、触媒領域301,302における希釈媒体(無機物充填材)の混合比率は、互いに異なっており、触媒槽3におけるガスの流れの上流側から下流側に向けて段階的に低下させられている。例えば、上流側に位置する触媒領域301については、無機物充填材の混合比率が90〜99体積%とされており、下流側に位置する触媒領域302については、無機物充填材の混合比率が80〜90体積%とされている。
触媒槽4内に充填された還元触媒は、複数(本実施形態では3つ)の触媒領域401,402,403を含んで構成されている。触媒領域401,402,403における無機物充填材の混合比率は、互いに異なっており、触媒槽4における上流側から下流側に向けて段階的に低下させられている。例えば、最も上流側に位置する触媒領域401については、無機物充填材の混合比率が90〜99体積%とされており、中間に位置する触媒領域402については、無機物充填材の混合比率が80〜90体積%とされており、最も下流側に位置する触媒領域403については、無機物充填材を含有しておらず(即ち、無機物充填材の混合比率が0体積%)、上記触媒粒子のみからなる。
触媒槽3,4の外部には、ジャケット32,42が設けられている。ジャケット32,42は、触媒槽3,4の内部温度を調整するためのものであり、触媒槽3,4の外周を取り巻くように構成されている。ジャケット32,42には、ライン33,43を通じて温度調整媒体(冷却媒体)としてのチラー水が供給される。
オレフィンシリンダー2は、オレフィンライン22に原料オレフィンガスを供給するためのものであり、高圧条件で原料オレフィンガスが封入されている。オレフィンライン22には、減圧弁14が設けられている。
分岐ライン23,25は、原料オレフィンガスを主流ライン21,24に添加するためのものであり、それぞれの一端がオレフィンライン22に連通している。分岐ライン23の他端は、主流ライン21に接続されており、分岐ライン25の他端は、主流ライン24に接続されている。分岐ライン23には、流量計15、および弁16が設けられている。分岐ライン25には、流量計17、および弁18が設けられている。
主流ライン26には、触媒槽3,4の下流側において圧力変動吸着式ガス分離装置(PSAガス分離装置)Y1が設けられている。PSAガス分離装置Y1は、パラフィン(プロパン)を優先的に吸着する吸着剤60が充填された吸着槽6A,6Bと、吸着槽6A,6Bに通じるライン61a〜61fと、これらラインに設けられた切換弁62a〜62fと、を備えており、切換弁62a〜62fを用いてガス流れを適宜切り換えることにより、圧力変動吸着式ガス分離法(PSA法)によるガス分離操作を実行可能に構成されたものである。吸着槽6A,6Bに充填される吸着剤60については、例えばゼオライトや活性炭を採用することができる。
PSAガス分離装置Y1におけるガス分離では、単一の吸着槽6A(6B)において、例えば吸着工程および脱着工程を含む1サイクルが繰り返される。吸着工程は、触媒槽4を経たガスをライン61a(61b)を介して吸着槽6A(6B)に導入して当該ガス中のプロパンを吸着剤60に吸着させ、当該吸着槽から水素が濃縮された非吸着ガスを導出するための工程である。脱着工程は、吸着槽内を減圧して吸着剤60からプロパンを脱着させ、プロパンが濃縮された脱着ガスを塔外に導出するための工程である。
ライン61e,61fには、非吸着ガスを流すためのライン30が接続されている。ライン30には、圧縮機8、クーラ9、およびバッファタンク10が設けられている。また、ライン30には弁31が設けられ、ライン30の端部は、オレフィンライン22に接続されている。ライン61c,61dには、脱着ガスを流すためのライン29が接続されており、当該ライン29の端部には、製品タンク7が設けられている。
〔触媒槽が2槽の場合のプロパンの製造例〕
次に、上記構成のパラフィン製造装置X1を用いて、オレフィン(プロピレン)および水素からパラフィン(プロパン)を製造する方法の具体例について説明する。
まず、水素シリンダー1内の水素ガス(住友精化(株)製,EGグレード)が、例えば標準状態量にて104.3NL/hの流量で主流ライン21に供給される。主流ライン21中の水素ガスは、減圧弁11にて0.3MPaGまで減圧調整されたのち流量計12で監視されながら弁13を通過し、ガス導入口3aを介して触媒槽3に導入される。
一方、オレフィンシリンダー2から原料オレフィンガスとしてのプロピレンガス(三井化学(株)製)がオレフィンライン22に供給される。当該プロピレンガスは、プロピレンが99.5モル%で不純物としてのプロパンを0.5モル%含有しており、標準状態にて99.4NL/hの流量で供給される。オレフィンライン22中のプロピレンガスは、減圧弁14にて0.3MPaGまで減圧調整されたのち、全流量99.4NL/hのうち1/2に相当する49.7NL/hが分岐ライン23に入り、流量計15で監視されながら弁16を通過し、主流ライン21に添加される。主流ライン21において合流したプロピレンガスは、ガス導入口3aを介して触媒槽3に導入される。
触媒槽3は、内径が30.7mmであり、触媒領域301,302の全充填高さが800mmである。触媒領域301においては、0.5wt%のパラジウムが担体であるアルミナ(Al23)に担持された粒径3mmの触媒粒子(日揮触媒化成(株)製,N1182AZ)が0.003Lと粒径3mmのアルミナボール(住友化学(株)製,HD−2)が0.293L混合され、合計0.296Lが充填されており、その充填高さは400mmである。また、触媒領域302においては、触媒領域301と同じ触媒粒子が0.030Lとアルミナボール0.266Lが混合され、合計0.296Lが充填されており、その充填高さは400mmである。
触媒槽3に導入されるガスG1(水素ガスおよびプロピレンガス)について、水素とプロピレンの混合比率(モル比)は、水素ガス/プロピレンガスが104.3/49.7=2.1であり、プロピレンに対して水素が過剰となっている。触媒槽3への導入ガスG1は、触媒領域301,302を通過してガス導出口3bに導かれる。ここで、触媒領域301,302を通過する水素ガスおよびプロピレンガスの空間速度SVは、標準状態基準で(104.3+49.7)/(0.296×2)=260/hとなる。
触媒領域301,302においては、還元触媒の作用により、発熱反応である還元反応が進行する。即ち、プロピレンの水素による還元反応により、プロパンが生成する。当該還元反応においては、段落0010に記載された化学式から理解されるように、消費されるプロピレンのモル数、消費される水素のモル数、および生成するプロパンのモル数は等しい。ここで、ジャケット32には、ライン33を通じて10℃のチラー水が供給され、触媒槽3を外部から冷却しており、触媒領域301,302における反応温度が100℃以下の所定温度(約20℃)となるように調整されている。
触媒領域301,302でのプロピレン(オレフィン)の水素による還元反応において、触媒活性物質が希釈媒体によって希釈されているため、還元反応に伴う発熱による局部的な過度の温度上昇は防止される。また、ジャケット32への冷却媒体の通流により、触媒槽3の内部温度の調整をより正確に行うことができる。このことは、高温状態にて起こるオレフィンの分解による不純物の生成を防止し、還元反応を促進するのに資する。そして、触媒領域301,302では導入ガスG1中のプロピレンのすべてが還元反応によりプロパンとなる。
触媒領域301,302における還元反応の結果、ガス導出口3bから導出されるガスG2は、水素ガス量が54.6NL/h(104.3−49.7=54.6)、プロパンガス量が49.7NL/h、合計で104.3NL/hとなる。当該ガスG2は、主流ライン24を通じて次の触媒槽4に向かって流れ、ガス導入口4aを介して触媒槽4に導入される。
一方、オレフィンライン22中のプロピレンガス(全流量99.4NL/h)のうち、1/2に相当する49.7NL/hが分岐ライン25に入り、流量計17で監視されながら弁18を通過し、主流ライン24に添加される。主流ライン24において合流したプロピレンガスは、ガス導入口4aを介して触媒槽4に導入される。
触媒槽4は、触媒槽3と同様に内径が30.7mmである一方、触媒領域401,402,403の全充填高さが900mmである。触媒領域401においては、0.5wt%のパラジウムが担体であるアルミナに担持された粒径3mmの触媒粒子(触媒槽3の触媒領域301と同じ)が0.003Lと粒径3mmのアルミナボール(触媒槽3の触媒領域301と同じ)が0.293L混合され、合計0.296Lが充填されており、その充填高さは400mmである。触媒領域402においては、触媒領域401と同じ触媒粒子が0.030Lと粒径3mmのアルミナボール0.266Lが混合され、合計0.296Lが充填されており、その充填高さは400mmである。触媒領域403においては、触媒領域401と同じ触媒粒子のみが0.074L充填されており、その充填高さは100mmである。
触媒槽4に導入されるガスG3について、水素とプロピレンの混合比率(モル比)は、水素ガス/プロピレンガスが54.6/49.7=1.1であり、プロピレンに対して水素が過剰となっている。触媒槽4への導入ガスG3は、触媒領域401,402,403を通過してガス導出口4bに導かれる。ここで、触媒領域401,402,403を通過する水素ガスおよびプロピレンガスの空間速度SVは、標準状態基準で(54.6+49.7)/(0.296×2+0.074)=157/hとなる。
触媒領域401,402,403においては、還元触媒の作用により、発熱反応である還元反応が進行する。即ち、プロピレンの水素による還元反応により、プロパンが生成する。ここで、ジャケット42には、ライン43を通じて10℃のチラー水が供給され、触媒槽4を外部から冷却しており、触媒領域401,402,403における反応温度が所定温度(約20℃)となるように調整されている。そして、触媒領域401,402,403では導入ガスG3中のプロピレンのすべてが還元反応によりプロパンとなる。
触媒領域401,402,403における還元反応の結果、ガス導出口4bから導出されるガスG4は、水素ガス量が4.9NL/h(54.6−49.7=4.9)、プロパンガス量が99.4NL/h(49.7+49.7=99.4)、合計で104.3NL/hとなる。当該ガスG4は、主流ライン26を通じてPSAガス分離装置Y1に向かって流れる。
主流ライン26を流れるガスG4(以下、適宜「製造ガス」という)における残留プロピレン濃度について、ガスクロマトグラフィーにより分析したところ1ppm未満であり、検出限界未満であった。そして、触媒槽3,4の2槽全体での還元反応において、水素/プロピレンの総混合モル比は104.3/99.4=1.05となり、水素は製造ガス中に4.7モル%残っている。
そして、主流ライン26中の製造ガスは、PSAガス分離装置Y1に送り出され、上述したガス分離操作を行うことにより、非吸着ガスとしての水素が吸着槽6A,6Bから導出され、ライン30に流入する。ライン30に流入した水素は、圧縮機8にて圧縮されたのちクーラ9で冷却され、バッファタンク10に回収される。回収された水素は、バッファタンク10から弁31を通過してオレフィンライン22に流入し、原料系にリサイクルされる。一方、PSAガス分離装置Y1におけるガス分離操作では、水素が取り除かれたプロパンが吸着槽6A,6Bから脱着ガスとなって導出され、ライン29を通過した後、製品タンク7に高純度プロパン(製品ガス)として蓄えられる。
本実施形態のパラフィン(プロパン)の製造においては、気相状態にあるオレフィンおよび水素から還元反応を行うことにより、オレフィン(プロピレン)の単位体積あたりの反応量を減らし、還元反応にともなう発熱量を減少させることができる。オレフィン(プロピレン)の還元反応を行う際に反応温度が高すぎると、オレフィンの分解が起こりメタンやエタンなどの不純物が生成するところ、原料としてオレフィンガスを用いることにより、高濃度の原料オレフィンガスを反応させても、極端な温度上昇が回避され、当該原料オレフィンガスを実質的に完全にパラフィン化することが可能となる。
本製造例では、複数の触媒槽3,4を直列に分離して設置し、水素を主流としてそれぞれの触媒槽3,4にオレフィン(プロピレン)を分割して添加している。オレフィン(プロピレン)の水素による還元反応は、水素を理論当量より多く添加することでより進みやすくなる。したがって、2槽の触媒槽3,4を直列に分割して、水素を主流としてオレフィン(プロピレン)を分割して添加していくことで各触媒槽3,4における水素量/オレフィン量(モル比)をより大きくすることができ、還元反応を促進させることができる。さらに、オレフィン(プロピレン)を分割して添加するので各触媒槽3,4あたりの反応温度の上昇を抑制することができる。
触媒槽3,4は、外部に設けられたジャケット32,42に通流されるチラー水により内部温度が100℃以下の所定温度になるように調整されている。これにより、触媒槽3,4内での還元反応により発生した熱を外部に効率よく逃がすことができ、適切な反応温度のもとで還元反応を行わせることができる。
触媒槽3,4に充填された還元触媒(触媒領域301,302および触媒領域401,402,403)は、触媒活性物質(触媒粒子)が希釈媒体(無機物充填材)によって希釈されたものを含んでおり、無機物充填材の混合比率は、触媒槽3,4の上流側から下流側に向かって段階的に低下させられている。このような構成によれば、還元反応で発生した熱が無機物充填材に伝達され、分散して外部から除熱されやすい。その一方、無機物充填材の混合比率が触媒槽の上流側から下流側に向かって低下させられているため、触媒活性物質の活性点の数が下流側に向かって増加している。このため、触媒槽3,4内を通流するオレフィンが未反応のまますり抜けることは防止され、純度の高いパラフィンが得られる。
図2は、本発明の第2実施形態に係るパラフィンの製造装置を示す概略構成図である。本実施形態のパラフィン製造装置X2は、基本的構成については図1に示したパラフィン製造装置X1と同様であるが、触媒槽の数が3槽とされている点、および触媒槽の下流側に水素を除去するための分縮装置が設けられている点において、上記第1実施形態のパラフィン製造装置X1と相違する。なお、図2において、上記実施形態と同一または類似の要素には上記実施形態と同一の符号を付しており、適宜説明を省略する。
本実施形態のパラフィン製造装置X2は、水素シリンダー1と、オレフィンシリンダー2と、主流ライン21,24,26,28と、複数の触媒槽3,4,5と、オレフィンライン22と、分岐ライン23,25,27と、を備えている。なお、本実施形態では、オレフィンがプロピレンであり、製造されるパラフィンがプロパンである場合を例示して説明する。
本実施形態では、上記実施形態と比べて触媒槽5が追加されており、この触媒槽5の追加にともない、分岐ライン27、流量計19、弁20、および主流ライン28が追加されている。
触媒槽3は、触媒槽3,4と同様の構成であり、外部にはチラー水を流すためのジャケット52が設けられている。本実施形態では、触媒槽4に充填される還元触媒は、2つの触媒領域401,402を含んで構成されている。上流側に位置する触媒領域401については、無機物充填材の混合比率が90〜99体積%とされており、下流側に位置する触媒領域402については、無機物充填材の混合比率が80〜90体積%とされている。
一方、触媒槽5に充填される還元触媒は、3つの触媒領域501,502,503を含んで構成されている。最も上流側に位置する触媒領域501については、無機物充填材の混合比率が90〜99体積%とされており、中間に位置する触媒領域502については、無機物充填材の混合比率が80〜90体積%とされており、最も下流側に位置する触媒領域503については、無機物充填材を含有しておらず(即ち、無機物充填材の混合比率が0体積%)、上記触媒粒子のみからなる。
主流ライン28には、触媒槽3,4,5の下流側において分縮装置Y2が設けられている。分縮装置Y2は、主流ライン28からのガスを通すコンデンサ601と、コンデンサ601の外部において冷却用のチラー水を流すためのライン602と、コンデンサ601において液化したプロパンを流すためのU字管603とを備えている。コンデンサ601には、残留ガスを回収するためのライン30が接続されている。ライン30には、圧縮機8、クーラ9、およびバッファタンク10が設けられている。また、ライン30には弁31が設けられ、ライン30の端部は、オレフィンライン22に接続されている。U字管603には弁604が設けられており、U字管603の端部は、製品タンク7内において開放している。製品タンク7の上部には、気化したプロパンガスを主流ライン28に戻すためのライン605が設けられており、ライン605には弁606が設けられている。ライン602には、ライン607が分岐状に接続されており、当該ライン607には弁608が設けられている。製品タンク7の外部には、当該製品タンク7の外周を取り巻くようにジャケット72が設けられている。ライン607の端部はジャケット72に接続されており、ジャケット72にはライン607を介して冷却用のチラー水が供給される。
〔触媒槽が3槽の場合のプロパンの製造例〕
次に、上記構成のパラフィン製造装置X2を用いて、オレフィン(プロピレン)および水素からパラフィン(プロパン)を製造する方法の具体例について説明する。
まず、水素シリンダー1内の水素ガス(上記第1実施形態と同じ)が、例えば標準状態量にて104.3NL/hの流量で主流ライン21に供給される。主流ライン21中の水素ガスは、減圧弁11にて0.3MPaGまで減圧調整されたのち流量計12で監視されながら弁13を通過し、ガス導入口3aを介して触媒槽3に導入される。
一方、オレフィンシリンダー2から原料オレフィンガスとしてのプロピレンガス(三井化学(株)製)がオレフィンライン22に供給される。当該プロピレンガスは、プロピレンが99.99モル%で不純物としてのプロパンを0.01モル%含有しており、標準状態にて100.3NL/hの流量で供給される。オレフィンライン22中のプロピレンガスは、減圧弁14にて0.3MPaGまで減圧調整されたのち、全流量100.3NL/hのうち1/3に相当する33.4NL/hが分岐ライン23に入り、流量計15で監視されながら弁16を通過し、主流ライン21に添加される。主流ライン21において合流したプロピレンガスは、ガス導入口3aを介して触媒槽3に導入される。
触媒槽3は、内径が30.7mmであり、触媒領域301,302の全充填高さが800mmである。触媒領域301においては、0.5wt%のパラジウムが担体であるアルミナに担持された粒径3mmの触媒粒子(上記第1実施形態と同じ)が0.003Lと粒径3mmのアルミナボール(上記第1実施形態と同じ)が0.293L混合され、合計0.296Lが充填されており、その充填高さは400mmである。また、触媒領域302においては、触媒領域301と同じ触媒粒子が0.030Lと粒径3mmのアルミナボール0.266Lが混合され、合計0.296Lが充填されており、その充填高さは400mmである。
触媒槽3に導入されるガスG1(水素ガスおよびプロピレンガス)について、水素とプロピレンの混合比率(モル比)は、水素ガス/プロピレンガスが104.3/33.4=3.1であり、プロピレンに対して水素が過剰となっている。触媒槽3への導入ガスG1は、触媒領域301,302を通過してガス導出口3bに導かれる。ここで、触媒領域301,302を通過する水素ガスおよびプロピレンガスの空間速度SVは、標準状態基準で(104.3+33.4)/(0.296×2)=233/hとなる。
触媒領域301,302においては、還元触媒の作用により、発熱反応である還元反応が進行する。即ち、プロピレンの水素による還元反応により、プロパンが生成する。ここで、触媒槽3に流れるガスの水素ガス/プロピレンガスのモル比が3.1となっており、図1に示した触媒槽3に流れるガスの水素ガス/プロピレンガスのモル比(2.1)よりも水素過剰であるので、図1の触媒槽3の場合に比べて還元反応は進みやすくなる。ジャケット32には、ライン33を通じて10℃のチラー水が供給され、触媒槽3を外部から冷却しており、触媒領域301,302における反応温度が100℃以下の所定温度(約20℃)となるように調整されている。そして、触媒領域301,302では導入ガスG1中のプロピレンのすべてが還元反応によりプロパンとなる。
触媒領域301,302における還元反応の結果、ガス導出口3bから導出されるガスG2は、水素ガス量が70.9NL/h、プロパンガス量が33.4NL/h、合計で104.3NL/hとなる。当該ガスG2は、主流ライン24を通じて次の触媒槽4に向かって流れ、ガス導入口4aを介して触媒槽4に導入される。
一方、オレフィンライン22中のプロピレンガス(全流量100.3NL/h)のうち、1/3に相当する33.4NL/hが分岐ライン25に入り、流量計17で監視されながら弁18を通過し、主流ライン24に添加される。主流ライン24において合流したプロピレンガスは、ガス導入口4aを介して触媒槽4に導入される。
触媒槽4は、触媒槽3と同様に内径が30.7mmであり、触媒領域401,402の全充填高さが800mmである。触媒領域401においては、0.5wt%のパラジウムが担体であるアルミナに担持された粒径3mmの触媒粒子(触媒槽3の触媒領域301と同じ)が0.003Lと粒径3mmのアルミナボール(触媒槽3の触媒領域301と同じ)が0.293L混合され、合計0.296Lが充填されており、その充填高さは400mmである。触媒領域402においては、触媒領域401と同じ触媒粒子が0.030Lと粒径3mmのアルミナボール0.263Lが混合され、合計0.296Lが充填されており、その充填高さは400mmである。
触媒槽4に導入されるガスG3について、水素とプロピレンの混合比率(モル比)は、水素ガス/プロピレンガスが70.9/33.4=2.1であり、プロピレンに対して水素が過剰となっている。触媒槽4への導入ガスG3は、触媒領域401,402を通過してガス導出口4bに導かれる。ここで、触媒領域401,402を通過する水素ガスおよびプロピレンガスの空間速度SVは、標準状態基準で(70.9+33.4)/(0.296×2)=176/hとなる。
触媒領域401,402においては、還元触媒の作用により、発熱反応である還元反応が進行する。即ち、プロピレンの水素による還元反応により、プロパンが生成する。ここで、ジャケット42には、ライン43を通じて10℃のチラー水が供給され、触媒槽4を外部から冷却しており、触媒領域401,402における反応温度が所定温度(約20℃)となるように調整されている。そして、触媒領域401,402では導入ガスG3中のプロピレンのすべてが還元反応によりプロパンとなる。
触媒領域401,402における還元反応の結果、ガス導出口4bから導出されるガスG4は、水素ガス量が37.4NL/h、プロパンガス量が66.9NL/h、合計で104.3NL/hとなる。当該ガスG4は、主流ライン26を通じて次の触媒槽5に向かって流れ、ガス導入口5aを介して触媒槽5に導入される。
一方、オレフィンライン22中のプロピレンガス(全流量100.3NL/h)のうち、1/3に相当する33.4NL/hが分岐ライン27に入り、流量計19で監視されながら弁20を通過し、主流ライン26に添加される。主流ライン26において合流したプロピレンガスは、ガス導入口5aを介して触媒槽5に導入される。
触媒槽5は、触媒槽3,4と同様に内径が30.7mmである一方、触媒領域501,502,503の全充填高さが900mmである。触媒領域501においては、0.5wt%のパラジウムが担体であるアルミナに担持された粒径3mmの触媒粒子(触媒槽3の触媒領域301と同じ)が0.003Lと粒径3mmのアルミナボール(触媒槽3の触媒領域301と同じ)が0.293L混合され、合計0.296Lが充填されており、その充填高さは400mmである。触媒領域502においては、触媒領域501と同じ触媒粒子が0.030Lと粒径3mmのアルミナボール0.263Lが混合され、合計0.296Lが充填されており、その充填高さは400mmである。触媒領域503においては、触媒領域501と同じ触媒粒子のみが0.074L充填されており、その充填高さは100mmである。
触媒槽5に導入されるガスG5について、水素とプロピレンの混合比率(モル比)は、水素ガス/プロピレンガスが37.4/33.4=1.1であり、プロピレンに対して水素が過剰となっている。触媒槽5への導入ガスG5は、触媒領域501,502,503を通過してガス導出口5bに導かれる。ここで、触媒領域501,502,503を通過する水素ガスおよびプロピレンガスの空間速度SVは、標準状態基準で(37.4+33.4)/(0.296×2+0.074)=106/hとなる。
触媒領域501,502,503においては、還元触媒の作用により、発熱反応である還元反応が進行する。即ち、プロピレンの水素による還元反応により、プロパンが生成する。ここで、ジャケット52には、ライン53を通じて10℃のチラー水が供給され、触媒槽5を外部から冷却しており、触媒領域501,502,503における反応温度が所定温度(約20℃)となるように調整されている。そして、触媒領域501,502,503では導入ガスG5中のプロピレンのすべてが還元反応によりプロパンとなる。
触媒領域501,502,503における還元反応の結果、ガス導出口5bから導出されるガスG6は、水素ガス量が4.0NL/h、プロパンガス量が100.3NL/h、合計で104.3NL/hとなる。当該ガスG6は、主流ライン28を通じて分縮装置Y2のコンデンサ601に導入される。
主流ライン28を流れるガスG6(製造ガス)における残留プロピレン濃度について、ガスクロマトグラフィーにより分析したところ1ppm未満であり、検出限界未満であった。そして、触媒槽3,4,5の3槽全体での還元反応において、水素/プロピレンの総混合モル比は104.3/100.3=1.04となり、水素は製造ガス中に3.8モル%残っている。
そして、主流ライン28中の製造ガスは、分縮装置Y2のコンデンサ601に導入される。コンデンサ601は外部からライン602を通じて−20〜−10℃のチラー水が送入されており、約0.3MPaG下でプロパンが冷却凝縮される。凝縮されなかった残留水素はライン30を通って圧縮機8にて圧縮されたのちクーラ9で冷却され、バッファタンク10に回収される。回収された水素は、バッファタンク10から弁31を通過してオレフィンライン22に流入し、原料系にリサイクルされる。一方、水素が取り除かれ、かつ液化したプロパンは、U字管603を通じて製品タンク7に高純度プロパンとして蓄えられる。
本製造例では、複数の触媒槽3,4,5を直列に分離して設置し、水素を主流としてそれぞれの触媒槽3,4,5にオレフィン(プロピレン)を分割して添加している。オレフィン(プロピレン)の水素による還元反応は、水素を理論当量より多く添加することでより進みやすくなる。したがって、3槽の触媒槽3,4,5を直列に分割して、水素を主流としてオレフィン(プロピレン)を分割して添加していくことで各触媒槽3,4,5における水素量/オレフィン量(モル比)をより大きくすることができ、還元反応を促進させることができる。さらに、オレフィン(プロピレン)を分割して添加するので各触媒槽3,4,5あたりの反応温度の上昇を抑制することができる。
また、触媒槽3,4,5への導入ガスG1,G3,G5における水素量とオレフィン量の割合は、水素量/オレフィン量(モル比)が1.1以上であり、触媒槽3,4,5それぞれへの導入ガスG1,G3,G5におけるオレフィン量は、均等である。主流水素は、触媒槽3,4,5を順次通過してオレフィンとの還元反応に消費されて減少するので、最も下流側の触媒槽5において水素/オレフィンが1.1以上となるようにオレフィン量が設定される。これにより、触媒槽4(触媒槽5の1つ上流側)への導入ガスG3において、水素量については当該触媒槽4での還元反応で消費される分を加えた量となっており、水素量/オレフィン量が2.1以上となる。同様にして、触媒槽3(触媒槽4の1つ上流側)への導入ガスG1において、水素量については当該触媒槽4での還元反応で消費される分を加えた量となっており、水素量/オレフィン量が3.1以上となる。
そして、触媒槽を3槽直列とした場合には、上記のように水素/プロピレンの総混合モル比は1.04となり、製造ガス(104.3NL/h)中のプロパンガス量が100.3NL/h、水素ガス量が4.0NL/hであり、残留水素濃度が3.8モル%である。触媒槽を2槽直列にした図1の場合(製造ガス中のプロパンガス量が99.4NL/h、水素ガス量が4.9NL/h、残留水素濃度が4.7モル%)と比較すると、同じ水素量(104.3NL/h)を用いても、プロパンの製造量が1%増加し残留水素濃度が0.9モル%減少しているので、触媒槽を1槽追加して設けた効果が出ている。また、各触媒槽の反応熱による発熱量が30%以上減少するので、外部からの冷却や温度制御を行いやすくなる。
触媒槽を直列に分割し、その設置数を2〜5槽に順次増加させた場合のプロパンの製造例を1槽だけにした場合と比較して図3の表に示す。
各触媒槽においては、上流側に0.5wt%のパラジウムをアルミナ(Al23)に担持させた粒径3mmの触媒粒子と粒径3mmのアルミナボールを1:99の容量に混合充填した触媒領域と10:90に混合充填した触媒領域をそれぞれ400mmの充填高さで積層し、最終の触媒槽のみさらに触媒粒子だけを100mmの充填高さで充填した。各触媒槽はチラー水で冷却しながら反応温度を20℃に制御して操作した。
原料ガスとしての主流水素量を104.3NL/hとして、触媒槽を2槽とした場合、各触媒槽への導入ガスの水素ガス/プロピレンガスのモル比を1.1以上とすると原料ガスとしてのプロピレンガス量は99.4NL/hとなり、水素/プロピレンの総混合モル比は1.05となった。この結果、製造ガス中の未反応の残留プロピレン濃度や不純物であるメタン濃度やエタン濃度をガスクロマトグラフィー(FID)で測定するとそれぞれ1ppm未満の検出限界未満となり、プロピレンは実質的に完全にプロパンに還元された。しかし残留した過剰な水素量は4.9NL/hとなり製造ガス中に4.7モル%残った。
次に、各触媒槽への導入ガスの水素ガス/プロピレンガスのモル比を1.1以上としながら触媒槽の設置数を3槽、4槽、5槽と増加させると、水素/プロピレンの総混合モル比が小さくなり、残留水素量が減少し、製造プロパンガス量が増加し、各触媒槽の発熱量が減少していった。しかしながら、触媒槽への導入ガスにおける水素ガス/プロピレンガスのモル比を1.0にまで下げると、製造ガスとしてのプロパンガス量は増加したが、残留水素量が0となり、還元反応は完全には進まず、ガスクロマトグラフィー(FID)で測定すると、製造ガス中に残留プロピレン濃度が5ppm、不純物としてのメタン濃度が2ppm、エタン濃度が1ppm検出された。この結果から、各触媒槽内での還元反応を100%確実に行わせるためには、各触媒槽の導入ガスにおける水素ガス/プロピレンガスのモル比は1.1以上であることが必要である。
触媒槽を1槽だけとした場合、原料ガスとしての主流水素量を104.3NL/h流し、水素ガス/プロピレンガスのモル比が1.1以上となるように原料ガスとしてのプロピレンガス量を94.8NL/h流し、触媒槽へ導入した。製造ガス中の未反応の残留プロピレン濃度は検出限界未満となったが、不純物であるメタン濃度は4ppm、エタン濃度は3ppm検出された。プロピレンは完全にプロパンに還元されるが、残留する過剰な水素量は9.5NL/hと最も多くなった。ここで、メタンやエタンが検出される原因として、第1に、触媒槽が2槽以上の場合には反応熱が触媒槽ごとに分散して反応温度の上昇が抑制されるところ、そのような反応熱の分散による温度抑制効果が得られないことが考えられる。第2に、触媒槽が1槽だけで原料ガスの水素/プロピレンのモル比を1.1にすると、触媒槽が2槽以上の場合の触媒槽における水素/プロピレン比よりも相対的に小さくなる(例えば触媒槽が2槽の場合では1槽目の水素/プロピレン比が2.1であり、触媒槽が3槽の場合では1槽目の水素/プロピレン比が3.1、2槽目の水素/プロピレン比が2.1である)。このように触媒槽に導入される水素量の比率が小さいと、反応過程でプロピレンの分解が起こりやすくなり、メタンおよびエタンが生成すると考えられる。
〔触媒槽が2槽の場合のエタンの製造例〕
次に、オレフィンがエチレンの場合では、例えば図1に示したパラフィン製造装置X1を用いて、エチレンおよび水素からエタンを製造することができる。オレフィンシリンダー2から、エチレンが99.4モル%で不純物としてエタンが0.6モル%の粗エチレンガス(日本ファインガス(株)製)を標準状態にて99.4NL/hの流量でオレフィンライン22に供給し、触媒槽3,4に49.7NL/hずつ2等分に分割して流した。1槽目の触媒槽3の大きさは内径が30.7mmであり、上流側の触媒領域301に0.5wt%のロジウムがアルミナ(Al23)に担持された粒径3mmの触媒粒子(アルドリッチ社製)を0.003L、粒径3mmのアルミナボールを0.293L混合充填し、その充填高さは400mmであった。下流側の触媒領域302には触媒領域301と同じ触媒粒子が0.03L、アルミナボール0.266Lが混合され、合計0.296Lが充填されその充填高さは400mmであった。2槽目の触媒槽4は内径が30.7mmであり、最も上流側の触媒領域401には0.5wt%のロジウムがアルミナ(Al23)に担持された粒径3mmの触媒粒子0.003Lと、3mmのアルミナボール0.293Lとが混合充填され、中間の触媒領域402には触媒領域401と同じ触媒粒子が0.030L、触媒領域401と同じアルミナボールが0.266L混合され充填された。最も下流側の触媒領域403には触媒領域401と同じ触媒粒子のみが0.074L充填された。触媒領域401,402,403の充填高さは、触媒領域401が400mm、触媒領域402が400mm、触媒領域403が100mmとされ、合計900mmの充填高さで充填された。これら2槽の触媒槽3,4に直列に104.3NL/hの水素を主流として流しながら、それぞれの触媒槽3,4にエチレンを添加した。触媒槽3,4(触媒領域301,302,401,402,403)においてエチレンの水素による還元反応が進行し、外部よりジャケット32,42に10℃のチラー水を流しながら触媒槽3,4内が約20℃となるように冷却制御した。その結果、2槽目の触媒槽4のガス導出口4bから導出された製造ガスにおける残留エチレン濃度をガスクロマトグラフィー(FID)により分析したところ、検出限界未満の1ppm未満となり、実質的に全てエタンに還元されていた。
以上、本発明の具体的な実施形態を説明したが、本発明の範囲は上記した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るパラフィンの製造装置、および本発明に係るパラフィンの製造方法の具体的な構成は、発明の思想から逸脱しない範囲で種々に変更が可能である。
触媒活性物質を希釈媒体によって希釈する態様として、上記実施形態では、触媒活性物質(パラジウムやロジウム)を担体により担持した触媒粒子を、無機物充填材(アルミナボール)によって希釈し、当該無機物充填材の混合比率を段階的に異ならせる場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。触媒活性物質の希釈方法としては、例えば、無機物充填材を用いずに、担体に担持される触媒活性物質の比率を0.1wt%、0.2wt%、0.5wt%などと段階的に増加させてもよく、この方法でも無機物充填材を用いて希釈する方法と同様の効果が得られる。また、触媒活性物質としては、パラジウムやロジウムに代えて、白金、ルテニウム、およびニッケルから選ばれる少なくとも1種を含む金属を用いてもよい。触媒活性物質は、担体(Al23)により担持された態様に限定されず、単独で用いてもよい。無機物充填材としては、アルミナボールなどのセラミックス材料に限定されず、鉄やステンレスなどからなる金属ボールを用いてもよい。
原料ガスとしてのオレフィンは、上記したプロピレンやエチレンに限定されず、例えば常温(20℃前後)にて気相状態にあるブテンを用いてもよい。
X1,X2 パラフィン製造装置
Y1 PSAガス分離装置
Y2 分縮装置
1 水素シリンダー
2 プロピレンシリンダー
3,4,5 触媒槽
6A,6B 吸着槽
7 製品タンク
8 圧縮機
9 クーラ
10 バッファタンク
11,14 減圧弁
12,15,17,19 流量計
13,16,18,20,31 弁
21,24,26,28 主流ライン
22 オレフィンライン
23,25,27 分岐ライン
29,30, ライン
32,42,52,72 ジャケット
33,43,53 ライン
60 吸着剤
61a,61b,61c,61d,61e,61f ライン
62a,62b,62c,62d,62e,62f 切換弁
301,302,401,402,403,501,502,503 触媒領域
601 コンデンサ
602,605,607 ライン
603 U字管
604,606,608 弁

Claims (19)

  1. 気相状態にあるオレフィンおよび水素から還元触媒の存在下にて進行する還元反応によりパラフィンを製造する方法であって、
    各々が上記還元触媒を充填した複数の触媒槽が、水素が流れる主流ラインに沿って直列に設けられており、
    上記各触媒槽への導入ガスにおける水素量がオレフィン量よりも多くなるように上記主流ラインに対して上記オレフィンを分割して添加することを特徴とする、パラフィンの製造方法。
  2. 上記各触媒槽への導入ガスにおける水素量とオレフィン量の割合は、水素量/オレフィン量(モル比)が1.1以上である、請求項1に記載のパラフィンの製造方法。
  3. 上記複数の触媒槽それぞれへの導入ガスにおけるオレフィン量は、均等である、請求項1または2に記載のパラフィンの製造方法。
  4. 上記触媒槽内に充填された上記還元触媒は、触媒活性を有する触媒活性物質が触媒活性を有しない希釈媒体によって希釈されたものを含んでおり、
    上記希釈媒体の混合比率は、上記触媒槽の上流側から下流側に向かって段階的に低下させられている、請求項1ないし3のいずれかに記載のパラフィンの製造方法。
  5. 上記希釈媒体は、上記触媒活性物質を担持する担体を含む、請求項4に記載のパラフィンの製造方法。
  6. 上記触媒活性物質は、パラジウム、ロジウム、白金、ルテニウム、およびニッケルから選択される少なくとも1種を含む金属からなる、請求項4または5に記載のパラフィンの製造方法。
  7. 上記希釈媒体は、無機物充填材を含む、請求項4ないし6のいずれかに記載のパラフィンの製造方法。
  8. 上記オレフィンの炭素数が2〜4であり、上記パラフィンの炭素数が2〜4である、請求項1ないし7のいずれかに記載のパラフィンの製造方法。
  9. 気相状態にあるオレフィンおよび水素から還元触媒の存在下にて進行する還元反応によりパラフィンを製造するための装置であって、
    水素を流すための主流ラインと、
    上記主流ラインに沿って直列に設けられ、各々がガス導入部およびガス導出部を有し、かつ上記還元触媒を充填した複数の触媒槽と、
    上記主流ラインに水素を供給するための水素供給手段と、
    上記各触媒槽の上記ガス導入部の上流側にて上記主流ラインに接続する分岐ラインを有し、当該分岐ラインを介して上記オレフィンを添加するためのオレフィン添加手段と、を備えることを特徴とする、パラフィンの製造装置。
  10. 上記触媒槽の設置数は2〜5の範囲である、請求項9に記載のパラフィンの製造装置。
  11. 上記触媒槽の内部温度を調整する温度調整手段を備える、請求項9または10に記載のパラフィンの製造装置。
  12. 上記触媒槽内に充填された上記還元触媒は、触媒活性を有する触媒活性物質が触媒活性を有しない希釈媒体によって希釈され、上記希釈媒体の混合比率が互いに異なる複数の触媒領域を含んで構成されており、
    上記複数の触媒領域における上記希釈媒体の混合比率は、上記触媒槽における上流側から下流側に向かって段階的に低下させられている、請求項9ないし11のいずれかに記載のパラフィンの製造装置。
  13. 上記触媒領域の配置数は2〜5の範囲である、請求項12に記載のパラフィンの製造装置。
  14. 上記希釈媒体は、上記触媒活性物質を担持する担体を含む、請求項12または13に記載のパラフィンの製造装置。
  15. 上記触媒活性物質は、パラジウム、ロジウム、白金、ルテニウム、およびニッケルから選択される少なくとも1種を含む金属からなる、請求項12ないし14のいずれかに記載のパラフィンの製造装置。
  16. 上記希釈媒体は、無機物充填材を含む、請求項12ないし15のいずれかに記載のパラフィンの製造装置。
  17. 上記主流ラインにおける上記複数の触媒槽の下流側には、水素を除去するために水素除去手段が設けられている、請求項9ないし16のいずれかに記載のパラフィンの製造装置。
  18. 上記水素除去手段は、圧力変動吸着式ガス分離装置を含んで構成される、請求項17に記載のパラフィンの製造装置。
  19. 上記水素除去手段は、分縮装置を含んで構成される、請求項17に記載のパラフィンの製造装置。
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