JP2014079984A - インクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】湿度60%RH以上のような高湿度環境下において、乾燥性および耐擦性に優れた画像や文字を記録することが可能なインクジェット記録方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るインクジェット記録方法は、色材と、ラクトンと、非水溶性溶剤と、を含有するインク組成物を用いて、湿度60%RH以上の環境下で印刷を行うことを特徴とする。前記非水溶性溶剤のHLB値は、10以下であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット記録方法、特に高湿度環境下において乾燥性および耐擦性に優れた画像や文字を記録することが可能なインクジェット記録方法に関する。
従来、記録用ヘッドのノズルから吐出させた微小なインク滴によって、紙等の吸収性記録媒体上に画像や文字を記録するインクジェット記録方法が知られている。このようなインクジェット記録方法に用いられるインクとしては、水を主溶媒とする水系インクが広く普及している。
その一方で、インクジェット記録方法は、多様な分野において種々の記録媒体に対する記録に用いられるようになってきた。特に低吸収性記録媒体を対象とした印刷方式に対応する観点から、従来の水系インクに代えて、溶媒として実質的に水を含まない非水系インクが開発された。
たとえば特許文献1には、着色剤と、バインダー樹脂としての塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体と、有機溶剤と、を含有する油性インクジェットインクが開示されている。かかる油性インクジェットインクによれば、塩化ビニル系樹脂の表面に強固に定着させると共に、耐水性、耐光性、耐摩擦性に優れた画像や文字を印刷することができる。
また、特許文献2には、顔料、高分子化合物および有機溶媒を含む油性顔料インク組成物が開示されている。かかる油性顔料インク組成物によれば、安全性や臭気に優れると共に、塩化ビニル等の記録媒体に対して印字可能であり、しかも屋外の使用環境に堪えうる画像や文字を印刷することができる。
特開2008−208171号公報 特許第3692365号公報
しかしながら、上述したような非水系インクを湿度60%RH以上のような高湿度環境下で使用した場合、記録媒体上に付着させた非水系インクが空気中から水分を吸収してしまうため、インクの乾燥性や定着性が非常に悪化するという問題があった。インクの乾燥性が悪いと、印刷された記録媒体を巻き取って回収するような場合に記録媒体の裏面に画像や文字が写り、印刷された画像や文字が乱れ、酷い場合には貼り付いてしまうことがある。また、インクの定着性が悪いと、記録媒体上に形成された画像や文字の耐擦性が損なわれてしまう。
そこで、本発明に係る幾つかの態様は、上述の課題の少なくとも一部を解決することで、湿度60%RH以上のような高湿度環境下において、乾燥性および耐擦性に優れた画像や文字を記録することが可能なインクジェット記録方法を提供する。
本発明は、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明に係るインクジェット記録方法の一態様は、
色材と、ラクトンと、非水溶性溶剤と、を含有するインク組成物を用いて、
湿度60%RH以上の環境下で印刷を行うことを特徴とする。
適用例1に記載の態様によれば、色材、ラクトンおよび非水溶性溶剤を含有するインク組成物を用いて印刷を行うことで、湿度60%RH以上のような高湿度環境下においても乾燥性および耐擦性に優れた画像や文字を記録することが可能となる。
[適用例2]
適用例1のインクジェット記録方法において、
前記非水溶性溶剤のHLB値が10以下であることができる。
[適用例3]
適用例1または適用例2のインクジェット記録方法において、
前記非水溶性溶剤が、プロピレングリコール誘導体、カルボン酸エステル、脂肪酸エステル、環状ケトンおよび無極性溶剤からなる群より選択される少なくとも1種であることができる。
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれか一例のインクジェット記録方法において、
前記ラクトンの炭素数が2〜9であることができる。
[適用例5]
適用例1ないし適用例4のいずれか一例のインクジェット記録方法において、
前記インク組成物中の前記ラクトンの含有量が5質量%以上50質量%以下であることができる。
[適用例6]
適用例1ないし適用例5のいずれか一例のインクジェット記録方法において、
前記インク組成物中の前記非水溶性溶剤の含有量が20質量%以上85質量%以下であることができる。
[適用例7]
適用例1ないし適用例6のいずれか一例のインクジェット記録方法において、
記録ヘッドから前記インク組成物の液滴を吐出して加熱された記録媒体上に付着させる工程(a)を備え、前記記録媒体の加熱温度が35℃以上60℃以下であることができる。
[適用例8]
適用例7のインクジェット記録方法において、
前記工程(a)において、前記記録ヘッドと前記記録媒体との相対的な位置を主走査方向に変化させながら前記記録ヘッドからインク滴を前記記録媒体に吐出する主走査と、前記記録ヘッドと前記記録媒体との相対的な位置を主走査方向と交差する副走査方向に変化させる副走査と、により行われ、記録解像度で規定される最小記録単位領域を画素とし、主走査方向に画素が並ぶ列を画素列としたときに、ある主走査でドット形成対象とする画素列の副走査方向の間に他の主走査でドット形成対象とする画素列があり、副走査方向に並ぶ複数の画素列に少なくとも、ある主走査でドット形成対象とする画素と、ある主走査ではドット形成対象とはせず他の主走査でドット形成対象とする画素とからなる画素列がある、いわゆるオーバーラップ印刷を適用することができる。
[適用例9]
適用例7または適用例8のインクジェット記録方法において、
前記工程(a)の後、前記記録媒体をさらに加熱する後加熱工程(b)を備え、前記後加熱工程(b)における前記記録媒体の加熱温度が35℃以上60℃以下であることができる。
[適用例10]
適用例7ないし適用例9のいずれか一例のインクジェット記録方法において、
前記記録媒体が塩化ビニル系樹脂を含む被記録面を有することができる。
[適用例11]
適用例1ないし適用例10のいずれか一例のインクジェット記録方法において、
印刷を行う環境温度が25℃以上であることができる。
[適用例12]
適用例1ないし適用例11のいずれか一例のインクジェット記録方法において、
記録解像度が600dpi以上×600dpi以上であることができる。
本実施の形態で使用可能なインクジェットプリンターの構成を示す斜視図。
以下に本発明の好適な実施の形態について説明する。以下に説明する実施の形態は、本発明の一例を説明するものである。また、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含む。
本実施の形態に係るインクジェット記録方法は、色材と、ラクトンと、非水溶性溶剤と、を含有するインク組成物(以下、「特定インク組成物」ともいう。)を用いて、湿度60%RH以上の環境下(以下、「高湿度環境下」ともいう。)で印刷を行うことを特徴とする。特定インク組成物を用いて印刷を行うことで、湿度60%RH以上のような高湿度環境下においても乾燥性および耐擦性に優れた画像や文字を記録することが可能となる。以下、特定インク組成物、インクジェット記録方法の順に説明する。
1.特定インク組成物
本実施の形態に係るインクジェット記録方法に用いられる特定インク組成物は、色材と、ラクトンと、非水溶性溶剤と、を含有する。
1.1.ラクトン
特定インク組成物がラクトンを含有することにより、被記録面(好ましくは塩化ビニル系樹脂を含む被記録面)の一部を溶解して記録媒体の内部に特定インク組成物を浸透させることができる。このように記録媒体の内部に特定インク組成物が浸透することで、高湿度環境下であっても記録媒体上に記録した画像や文字の耐擦性を向上させることができる。
本発明において「ラクトン」とは、環内にエステル基(−CO−O−)を有する環状化合物の総称をいう。ラクトンとしては、上記定義に含まれるものであれば特に制限されないが、炭素数2〜9のラクトンであることが好ましい。このようなラクトンの具体例としては、α−エチルラクトン、α−アセトラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、ζ−エナンチオラクトン、η−カプ
リロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ヘプタラクトン、γ−ノナラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、2−ブチル−2−エチルプロピオラクトン、α,α−ジエチルプロピオラクトン等が挙げられるが、これらの中でもγ−ブチロラクトンが特に好ましい。上記例示したラクトンは、一種単独で用いてもよく、二種以上混合して用いてもよい。
特定インク組成物中におけるラクトンの含有量は、5質量%以上50質量%以下であることが好ましく、10質量%以上40質量%以下であることがより好ましい。ラクトンの含有量が上記範囲にあることにより、高湿度環境下において記録媒体上に記録した画像や文字の耐擦性向上と乾燥性向上との両立が図りやすくなる。
1.2.非水溶性溶剤
特定インク組成物が非水溶性溶剤を含有することにより、高湿度環境下であっても記録媒体上に吐出されたインク滴が空気中の水分を吸収することを低減できる。これにより、記録媒体上に記録された画像や文字の乾燥性を向上させることができる。
なお、本発明において「非水溶性溶剤」とは、1気圧下、温度20℃において、溶剤を同容量の純水と穏やかにかき混ぜた場合に、流動が収まった後に当該混合液が均一な外観を維持しないものをいう。一方、「水溶性溶剤」とは、上記の場合に、流動が収まった後に当該混合液が均一な外観を維持するものをいう。また、非水溶性溶剤としては、デービス法により算出されたHLB値が10以下である溶剤が好ましく、水溶性溶剤としては、デービス法により算出されたHLB値が10を超える溶剤が好ましい。
ここで、HLB値とは、デービスらが提唱した化合物の親水性を評価する値であり、例えば文献「J.T.Davies and E.K.Rideal, “Interface Phenomena”2nd ed. Academic Press, New York 1963」中で定義されているデービス法により求められる数値で、下記式(1)によって算出される値をいう。
HLB値=7+Σ[1]+Σ[2] ・・・・・(1)
(式(1)中、[1]は親水基の基数を表し、[2]は疎水基の基数を表す。)
このような非水溶性溶剤の具体例としては、特に限られるものではないが、プロピレングリコール誘導体、カルボン酸モノエステルやカルボン酸ジエステルなどのカルボン酸エステル、脂肪酸エステル、環状ケトン、無極性溶剤などがあげられる。その具体例としては、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のプロピレングリコール誘導体;3−メトキシブチルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のカルボン酸モノエステル;コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、メチルグルタル酸ジメチル、エチルコハク酸ジメチル、アジピン酸ジメチル等のカルボン酸ジエステル;カプリル酸メチル、カプリン酸メチル、カプリル酸エチル、カプリン酸エチル等の脂肪酸エステル;シクロヘキサン、シクロオクタン等の無極性溶剤;シクロペンタノン、シクロヘキサノン等の環状ケトン等が挙げられるが、これらに限定されない。上記例示した非水溶性溶剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上混合して用いてもよい。
特定インク組成物中における非水溶性溶剤の含有量は、20質量%以上85質量%以下であることが好ましく、50質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。非水溶性溶剤の含有割合が上記範囲にあることにより、高湿度環境下において記録媒体上に記録した画像や文字の耐擦性向上と乾燥性向上との両立が図りやすくなる。
特定インク組成物は、本願発明の効果を損なわない範囲で、非水溶性溶剤と共に水溶性溶剤(前記ラクトンを除く)を含有してもよい。水溶性溶剤としては、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル;乳酸エチル等のエステル溶剤;3−メトキシブタノール等のアルコール等が挙げられるがこれらに限定されない。特定インク組成物中の水溶性溶剤の含有量は、乾燥性や耐擦性の点で、50質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
1.3.色材
特定インク組成物は、色材を含有する。色材としては、染料または顔料が挙げられるが、耐水性、耐ガス性、耐光性等を有する観点から顔料であることが好ましい。
このような顔料としては、公知の無機顔料、有機顔料のいずれも用いることができ、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料;フタロシアニン顔料、ペリレンおよびペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料;塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等の染料レーキ;ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料;カーボンブラック等の無機顔料等が挙げられる。これらの顔料は、一種単独で用いてもよいし、二種以上混合して用いてもよい。顔料粒子の平均粒径は、特に限定されるものではないが、好ましくは50nm以上500nm以下である。
特定インク組成物中における色材の含有量は、用途や印刷特性によって適宜選択することができるが、0.5質量%以上20質量%以下であることが好ましく、1質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
なお、特定インク組成物には、顔料の分散安定性を向上させる観点から、通常用いられる任意の分散剤を用いることができる。このような分散剤の具体例としては、ヒノアクトKF1−M、T−6000、T−7000、T−8000、T−8350P、T−8000E(いずれも武生ファインケミカル株式会社製)等のポリエステル系高分子化合物、Solsperse20000、24000、32000、32500、33500、34000、35200、37500(いずれもLUBRIZOL社製)、Disperbyk−161、162、163、164、166、180、190、191、192(いずれもビックケミー・ジャパン社製)、フローレンDOPA−17、22、33、G−700(いずれも共栄社化学株式会社製)、アジスパーPB821、PB711(いずれも味の素株式会社製)、LP4010、LP4050、LP4055、POLYMER400、401、402、403、450、451、453(いずれもEFKAケミカルズ社製)等が挙げられる。
特定インク組成物における分散剤の含有割合は、分散すべき顔料によって適宜選択することができるが、特定インク組成物中の顔料の含有量100質量部に対して、好ましくは5質量部以上200質量部以下、より好ましくは30質量部以上120質量部以下である。
1.4.その他の添加剤
特定インク組成物には、さらに上記成分以外の添加剤を添加してもよい。このような添加剤としては、界面活性剤、バインダー樹脂、酸化防止剤や紫外線吸収剤等の安定剤が挙げられる。
<界面活性剤>
特定インク組成物には、表面張力を低下させて記録媒体との濡れ性を向上させる観点から、シリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、または非イオン性界面活性剤であるポリオキシエチレン誘導体を添加してもよい。
シリコン系界面活性剤としては、ポリエステル変性シリコンやポリエーテル変性シリコンを用いることが好ましい。具体例としては、BYK−347、348(いずれもビックケミー・ジャパン社製)が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、フッ素変性ポリマーを用いることが好ましく、具体例としては、BYK−340(ビックケミー・ジャパン社製)が挙げられる。
また、ポリオキシエチレン誘導体としては、アセチレングリコール系界面活性剤を用いることが好ましい。具体例としては、サーフィノール82、104、465、485、TG(いずれもエアープロダクツジャパン社製)、オルフィンSTG、E1010(いずれも日信化学株式会社製)、ニッサンノニオンA−10R、A−13R(いずれも日油株式会社製)、フローレンTG−740W、D−90(共栄社化学株式会社製)、ノイゲンCX−100(第一工業製薬株式会社製)等が挙げられる。
特定インク組成物中における界面活性剤の含有量は、好ましくは0.1質量%以上8質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上5質量%以下である。
<バインダー樹脂>
特定インク組成物には、インクの粘度を調整する目的でバインダー樹脂を添加してもよい。バインダー樹脂としては、例えばアクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、ロジン変性樹脂、フェノール樹脂、テルペン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、セルロースアセテートブチレート等の繊維系樹脂、ビニルトルエン−α−メチルスチレン共重合体樹脂等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、一種単独で用いてもよく、二種以上混合して用いてもよい。
<酸化防止剤>
酸化防止剤としては、例えばBHA(2,3−ブチル−4−オキシアニソール)、BHT(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール)等が挙げられる。
<紫外線吸収剤>
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物等が挙げられる。
1.5.特定インク組成物の製造方法
特定インク組成物は、公知の慣用方法によって製造することができる。たとえば最初に、色材、分散剤および有機溶剤(一部分)を混合した後、ボールミル、ビーズミル、超音波、またはジェットミル等で顔料分散液を調製し、所望のインク特性を有するように調整する。続いて、有機溶剤(残量)およびその他の添加剤(例えば、界面活性剤やバインダー樹脂)を撹拌下に加えて十分に攪拌することで特定インク組成物を得ることができる。
1.6.物性
特定インク組成物は、記録品質とインクジェット用インク組成物としての信頼性とのバランスの観点から、20℃における表面張力が20mN/m以上50mN/mであることが好ましく、25mN/m以上40mN/m以下であることがより好ましい。なお、表面張力の測定は、自動表面張力計CBVP−Z(協和界面科学社製)を用いて、20℃の環境下で白金プレートをインクで濡らしたときの表面張力を確認することにより測定するこ
とができる。
また、同様の観点から、特定インク組成物の20℃における粘度は、2mPa・s以上15mPa・s以下であることが好ましく、2mPa・s以上10mPa・s以下であることがより好ましい。なお、粘度の測定は、粘弾性試験機MCR−300(Pysica社製)を用いて、20℃の環境下で、Shear Rateを10〜1000に上げていき、Shear Rate200時の粘度を読み取ることにより測定することができる。
2.インクジェット記録方法
本実施の形態に係るインクジェット記録方法は、上述の特定インク組成物を用いて、高湿度環境下で印刷を行うことを特徴とする。本実施の形態に係るインクジェット記録方法は、高湿度環境下で印刷を行う観点から、以下に説明する工程を備えることが好ましい。
本実施の形態に係るインクジェット記録方法は、記録ヘッドから上述の特定インク組成物の液滴を吐出して加熱された記録媒体上に付着させる工程(a)を備えることが好ましい。加熱された記録媒体上に上述の特定インク組成物の液滴を付着させることで、高湿度環境下においてインクの乾燥性を向上させることができる。
また、本実施の形態に係るインクジェット記録方法は、前記工程(a)の後、前記記録媒体をさらに加熱する後加熱(アフターヒート)工程(b)を備えることがより好ましい。後加熱工程(b)をさらに備えることで、高湿度環境下においてインクの乾燥性をより一層向上させることができる。
なお、本実施の形態に係るインクジェット記録方法は、記録時における相対湿度が60%RH以上である。このような記録方法は、例えば高温高湿な地域、気候ないし天候下において、かつ空調が不十分な環境下においても記録を行うことを可能とする。かかる環境湿度は70%RH以上であることがより好ましい。環境湿度の上限としては、100%RH以下であることが好ましく、90%RH以下であることがより好ましい。また、環境温度は25℃以上であることが好ましく、25〜40℃であることがより好ましい。ここで、環境温度や環境湿度は、例えばインクジェット記録装置の筐体の内部または筐体の外側に取り付けられた温湿度センサーによって測定することができる。但し、温湿度センサーの設置箇所は、環境温度や環境湿度を正確に測定する必要があるため、後述する記録媒体を加熱するための加熱機構など記録装置自身の発熱の影響を受けない箇所に設置する必要がある。
上述したような工程を備えることができるインクジェット記録装置としては、記録ヘッドの微細なノズルより上述した特定インク組成物を液滴として吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて、記録媒体を加熱することができる装置であれば、いかなる装置も使用することができる。以下、本実施の形態で使用可能なインクジェット記録装置の一例について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態で使用可能なインクジェットプリンター(以下、単に「プリンター」という。)の構成を示す斜視図である。図1に示すプリンター1は、いわゆるシリアルプリンターと呼ばれているものである。シリアルプリンターとは、所定の方向に移動するキャリッジに記録ヘッドが搭載されており、キャリッジの移動に伴って記録ヘッドが移動することにより記録媒体上に液滴を吐出するプリンターのことをいう。
図1に示すように、プリンター1は、記録ヘッド2を搭載すると共にインクカートリッジ3を着脱可能に装着するキャリッジ4と、記録ヘッド2の下方に配設され記録媒体Pが搬送されるプラテン5と、記録媒体を加熱するための加熱機構6と、キャリッジ4を記録
媒体Pの媒体幅方向に移動させるキャリッジ移動機構7と、記録媒体Pを媒体送り方向に搬送する媒体送り機構8と、を有するものである。また、プリンター1は、当該プリンター1全体の動作を制御する制御装置CONTを有している。なお、上記媒体幅方向とは、主走査方向(ヘッド走査方向)である。上記媒体送り方向とは、副走査方向(主走査方向に直交する方向)である。
インクカートリッジ3は、独立した4つのカートリッジからなる。4つのカートリッジのそれぞれに、上述した特定インク組成物が充填される。なお、図1の例では、カートリッジの数が4つであるが、これに限定されず、所望の数のカートリッジを搭載することができる。
インクカートリッジ3は、図1に示すようなキャリッジ4に装着するものに限らず、これに替えて例えば、プリンター1の筐体側に装着しインク供給チューブを介してヘッド2に供給するタイプのものであってもよい。
キャリッジ4は、主走査方向に架設された支持部材であるガイドロッド9に支持された状態で取り付けられたものである。また、キャリッジ4は、キャリッジ移動機構7によりガイドロッド9に沿って主走査方向に移動するものである。なお、図1の例では、キャリッジ4が主走査方向に移動するものを示したが、これに限定されず、主走査方向の移動に加えて、副走査方向に移動するものであってもよい。
加熱機構6は、記録媒体Pを加熱できる位置に設けられていれば、その設置位置は特に限定されるものではない。図1の例では、加熱機構6は、プラテン5上であって、ヘッド2と対向する位置に設置されている。このように、加熱機構6がヘッド2と対向する位置に設置されていると、記録媒体Pにおける液滴の付着位置を確実に加熱できるので、記録媒体Pに付着した液滴を効率的に乾燥できる。
加熱機構6には、例えば、記録媒体Pを熱源に接触させて加熱するプリントヒーター機構や、赤外線やマイクロウェーブ(2,450MHz程度に極大波長をもつ電磁波)などを照射する機構や、温風を吹き付けたりするドライヤー機構などを用いることができる。
加熱機構6による記録媒体Pの加熱は、ノズル孔(図示せず)から吐出された液滴が記録媒体Pに付着する前または付着する時に行われる。このようにすれば、記録媒体Pに付着した液滴を迅速に乾燥できる。なお、加熱の諸条件の制御(例えば、加熱実施のタイミング、加熱温度、加熱時間等)は、制御装置CONTによって行われる。
加熱機構6による記録媒体Pの加熱は、インクの乾燥性の向上および記録媒体の変形を防止する観点から、記録媒体Pが35℃以上60℃以下の温度範囲を保持するように行われることが好ましい。なお、本願発明において記録媒体を加熱する温度とは、特定インク組成物と接触する記録媒体表面の温度を意味する。
プリンター1は、加熱機構6の他に、さらに、図示しない第2の加熱機構を有していてもよい。プリンター1が第2の加熱機構を備えることで、上述の後加熱工程(b)をプリンター1で行うことができる。第2の加熱機構は、加熱機構6よりも記録媒体Pの搬送方向の下流側に設置される。第2の加熱機構は、加熱機構6によって記録媒体Pを加熱した後、つまり、ノズル孔(図示せず)から吐出された液滴が記録媒体Pに付着した後に、当該記録媒体Pの加熱を行うものである。これにより、記録媒体Pに付着した特定インク組成物の液滴の乾燥性をより一層向上できる。第2の加熱機構には、加熱機構6で説明したいずれかの機構(例えば、ドライヤー機構等)を用いることができる。
第2の加熱機構による記録媒体Pの加熱は、上記加熱機構6と同様の理由により、記録媒体Pが35℃以上60℃以下の温度範囲を保持するように行われることが好ましい。記録媒体Pの温度が60℃を超える場合、記録媒体Pの種類によっては変形が生じたり、記録媒体Pの加熱冷却の際に記録画像の収縮等の不具合が起こる場合がある。また、加熱に使用されるヒーターの消費電力の増大や、加熱機構によってプリンターからの排熱が増大する等の問題があり、これらを踏まえて、記録媒体の温度の上限は60℃であることが好ましい。
リニアエンコーダ10は、キャリッジ4の主走査方向上における位置を信号で検出するものである。この検出された信号は、位置情報として制御装置CONTに送信されるようになっている。制御装置CONTは、このリニアエンコーダ10からの位置情報に基づいて記録ヘッド2の走査位置を認識し、記録ヘッド2による記録動作(吐出動作)などを制御するようになっている。また、制御装置CONTは、キャリッジ4の移動速度を可変制御可能な構成となっている。
記録媒体Pとしては、特に限定されないが、本実施の形態に係るインクジェット記録方法によれば、低吸収性記録媒体を使用した場合であっても記録された画像や文字の耐擦性や乾燥性が良好となる。ここで「低吸収性記録媒体」とは、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m以下である記録媒体のことをいい、少なくとも被記録面がこの性質を備えていればよい。この定義によれば、本発明における「低吸収性記録媒体」には、水を全く吸収しない非吸収性記録媒体も含まれる。このブリストー法は、短時間での液体吸収量の測定方法として最も普及している方法であり、日本紙パルプ技術協会(JAPAN TAPPI)でも採用されている。試験方法の詳細は「JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法2000年版」の規格No.51「紙及び板紙−液体吸収性試験方法−ブリストー法」に述べられている。
低吸収性記録媒体としては、具体的には、低吸収性の材料を含むシート、フィルム、繊維製品等が挙げられる。また、低吸収性記録媒体は、基材(例えば、紙、繊維、皮革、プラスチック、ガラス、セラミックス、金属等)の表面に、低吸収性の材料を含む層(以下、「低吸収性層」ともいう)を備えたものであってもよい。低吸収性の材料としては、特に限定されないが、オレフィン系樹脂、エステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、低吸収性記録媒体としては、塩化ビニル系樹脂を含む被記録面を有するものを好ましく用いることができる。上述の特定インク組成物にはラクトンが含まれており、このラクトンが塩化ビニル系樹脂を含む被記録面を溶解することで記録媒体の内部に特定インク組成物を浸透させることができる。これにより、高湿度環境下であっても塩化ビニル系樹脂を含む被記録面に記録した画像や文字の耐擦性を向上させることができる。塩化ビニル系樹脂の具体例としては、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−ビニルエーテル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−(メタ)アクリル酸共重合体、塩化ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−ウレタン共重合体等が挙げられる。なお、低吸収性記録媒体の厚み、形状、色、軟化温度、硬さ等の諸特性については特に制限されない。
印刷時における記録解像度は、600dpi以上×600dpi以上であることが好ましくい。上記の記録解像度であれば、ドットサイズが大きくなりすぎず適度な大きさとなるため、記録媒体Pに付着した液滴を効率的に乾燥させることができる。記録解像度の上限は限られるものではないが4000dpi以下×4000dpi以下であることが、記録速度を速くできる点で好ましい。
また、本実施の形態に係るインクジェット記録方法は、いわゆるオーバーラップ印刷により行うことが好ましい。以下、オーバーラップ印刷について説明する。
上記オーバーラップ印刷は、以下の態様を含むものである。ここで、「ラスタライン」とは、主走査方向に画素が1列に並んでなる列(ドット列)を意味する。「画素」とは、記録解像度に対応したドットを形成する最小記録単位領域である。
まず、1回の主走査において、1つのラスタラインに対してドットを形成対象とする画素及びドットを形成対象としない画素があり、複数回の主走査を行うことで1つのラスタラインを形成するラスタラインが存在するものである。そして、この態様によれば、複数回の主走査を通じて当該1つのラスタラインを形成することができる。この態様は「オーバーラップラスタライン」ということができる。つまり、当該オーバーラップラスタラインには、1回の主走査でドット形成対象とされる画素と、当該1回の主走査ではドット形成されず別の回の主走査でドット形成対象とされる画素と、が存在する。
さらに、1回の主走査においてドットの形成対象とするラスタラインの副走査方向の間に、別の回の主走査でドットの形成対象とするラスタラインが存在するというものである。つまり、1回の主走査でドット形成対象とされるラスタラインの間に、当該1回の主走査ではドット形成されず別の回の主走査でドット形成対象とされるラスタラインがある。
上記のオーバーラップラスタラインにおいて、ドットを形成対象とするパス数は少なくとも2であり、3以上であってもよい。加えて、1ラスタライン中の全画素数のうち、1のパスでドット形成対象とされる画素がお互いに隣接していない画素が、50%以上存在することが好ましく、70%以上存在することがより好ましい。また、ドット形成対象とされる全てのラスタラインのうち、オーバーラップラスタラインが40%以上存在することが好ましく、50%以上存在することがより好ましく、70%以上存在することがさらに好ましい。
上記の態様を備えるオーバーラップ印刷を行うと、1回の主走査で形成対象とする画素を主走査方向及び副走査方向に分散させることができる。
上記の1回の主走査でドット形成対象とする画素は、仮に画像の全ての画素にドットを形成するとした場合に、各主走査に分けて各画素のドット形成する場合に各画素をどの主走査でドットを形成するかを割り当てたもののうち、当該1回の主走査でドット形成する画素のことである。実際に当該画素にドットを形成するか否かは、当該画素に対応する印刷データの濃度や色などにより決まるため、ドット形成対象画素であっても、実際にはドットが形成されない画素も存在するが、ベタ画像のようなほとんど全ての画素にドットを形成する画像の領域の画素であれば、ドットを形成する可能性が高い。
このように、オーバーラップ印刷によれば、乾燥性および耐擦性に優れたインクジェット記録方法を提供することができる。
3.実施例
以下、本発明を実施例および比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
3.1.特定インク組成物の調製
容器に、表1または表2に記載の濃度に相当する量の有機溶剤をそれぞれのインク毎に投入し、マグネティックスターラーを用いて30分間混合攪拌して混合溶剤を得た。
得られた混合溶剤の一部を取り分けて、そこにSolsperse37500(LUBRIZOL社製、商品名)およびカーボンブラック(三菱化学株式会社製、商品名「CARBON BLACK #970」)を所定量添加して、ホモジナイザーを用いて粉砕処理した。その後、直径0.3mmのジルコニアビーズを充填したビーズミルで分散処理を行うことにより、平均粒径150nmの顔料分散体を得た。
得られた顔料分散体に、有機溶剤の残部およびBYK−340(ビックケミー・ジャパン株式会社製、フッ素系界面活性剤)、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(商品名「ソルバインCL」、日信化学工業株式会社製)を添加してさらに1時間混合撹拌してから、5μmのPTFE製メンブランフィルターを用いて濾過することで、表1及び表2に記載のブラックインク組成物をそれぞれ得た。なお、表中の数値は、質量%を表す。
なお、表1及び表2中で使用した材料は、以下の通りである。
・カーボンブラック(三菱化学株式会社製、商品名「CARBON BLACK #970」)
・γ−ブチロラクトン(関東化学株式会社製、HLB値15、塩ビ膨潤剤)
・δ−バレロラクトン(関東化学株式会社製、HLB値12、塩ビ膨潤剤)
・2−ピロリドン(三菱化学株式会社製、HLB値26.3、塩ビ膨潤剤)
・アミド系溶剤(商品名「エクアミドM100」、出光興産株式会社製、HLB値18.3、塩ビ膨潤剤)
・ジプロピレングリコールジメチルエーテル(日本乳化剤株式会社製、HLB値2.5、非水溶性溶剤)
・カプリル酸メチル(商品名「パステルM−8」、ライオン株式会社製、HLB値3.3、非水溶性溶剤)
・シクロオクタン(ダイセル・エボニック株式会社製、HLB値1>、非水溶性溶剤)
・コハク酸ジメチル(関東化学株式会社製、HLB値6.5、非水溶性溶剤)
・グルタル酸ジメチル(純正化学株式会社製、HLB値7.2、非水溶性溶剤)
・3−メトキシブチルアセテート(昭和化学株式会社製、HLB値5.8、非水溶性溶剤)
・ジエチレングリコールモノメチルエーテル(関東化学株式会社製、HLB値25、水溶性溶剤)
・テトラエチレングリコールジメチルエーテル(日本乳化剤株式会社製、HLB値15、水溶性溶剤)
・乳酸エチル(東邦化学株式会社製、HLB値16、水溶性溶剤)
・3−メトキシブタノール(東京化成株式会社製、HLB値12)
・ジエチレングリコールジエチルエーテル(日本乳化剤株式会社製、HLB値10.7、水溶性溶剤)
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(商品名「ソルバインCL」、日信化学工業株式会社製)
・BYK−340(商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製、フッ素系界面活性剤)
3.2.評価試験
3.2.1.評価サンプルの作製
まず、空調設備や加湿器等を利用して表1または表2に記載の記録環境条件となるように環境試験室の温度や湿度を調整した。なお、表1〜2に記載の温度および湿度は、ヒーター等のインクジェットプリンター自身の発熱の影響を受けない筐体の上に設置した温湿度センサーによって測定した。
一方、インクジェットプリンター(セイコーエプソン株式会社、「PX−G5000」
)の一部を改造して、紙案内部に温度が可変できるヒーターを取り付けて、画像の記録時に記録媒体(ローランドDG社製、商品名「SV−G−1270G」、光沢ポリ塩化ビニルシート)の温度を加熱調整できるようにした。そして、上記で調製した特定インク組成物を上記プリンターの専用カートリッジに充填した。このプリンターを環境試験室内に設置した。
そして、上記プリンターの紙案内部に取り付けられたヒーターを用いて、記録媒体の表面温度を表1または表2に記載の温度まで加熱した。この記録媒体の表面温度は、非接触で測定した。次いで、この温度を保持させた状態、つまり印刷中の記録媒体(メディア)温度として、上記プリンターのノズルから表1または表2に記載の記録条件で特定インク組成物の液滴を吐出させて光沢ポリ塩化ビニルシート上に液滴を付着させる操作を行い、duty100%で光沢ポリ塩化ビニルシート上にベタパターン画像が記録された評価サンプルを得た。ここで、「duty値」とは、下式で算出される値である。
duty(%)=(実吐出ドット数/(縦解像度×横解像度))×100
(式中、「実吐出ドット数」は単位面積当たりの実吐出ドット数であり、「縦解像度」および「横解像度」はそれぞれ単位面積当たりの解像度である。)
さらに、プリンターの記録媒体搬送経路における、ノズルと対向し得る位置よりも記録媒体の搬送方向の下流側にも温度が可変できるヒーターを取り付けた。一部の例については、インクを付着させた記録媒体を表中の「アフターヒート条件」に記載の記録媒体(メディア)温度に1分間加熱した。
なお、表1および表2に記載の記録方法については、以下の通りである。なお、下記のパス数は「(主走査)×(副走査)パス」を表す。主走査のパス数は、1ラスタラインにドットを形成するのに要するパス数であり、副走査のパス数は、縦方向(副走査方向)の記録解像度÷ノズル密度である。
・記録方法1は、パス数:2×2パス、ノズル密度:360dpi、解像度:縦720dpi×横720dpiとした。
・記録方法2は、パス数:1×2パス、ノズル密度:360dpi、解像度:縦720dpi×横720dpiとした。
・記録方法3は、パス数:1×1パス、ノズル密度:360dpi、解像度:縦360dpi×横360dpiとした。
・記録方法4は、パス数:2×2パス、ノズル密度:180dpi、解像度:縦360dpi×横360dpiとした。
3.2.2.耐擦性の評価
上記のようにして得られた評価用サンプルを室温(25℃)に戻した後、JIS K5701(ISO 11628)に準じて、学振式摩擦堅牢度試験機(テスター産業株式会社製、商品名「AB−301」)を用いて耐擦性の評価を行った。すなわち、評価用サンプルの被記録面に金巾を載せ、荷重500gをかけて擦り、擦った後の評価サンプルの被記録面の剥離状態を目視にて観察した。その評価結果を表1および表2に併せて示す。なお、評価基準は以下の通りである。
○:金巾の汚れは認められなかった。被記録面の剥離や傷も認められなかった。
△:金巾の汚れが認められた。被記録面の剥離や傷は認められなかった。
×:金巾の汚れが認められた。被記録面の剥離や傷も認められた。
3.2.3.乾燥性の評価
上記のようにして評価サンプルを得た直後、評価サンプルの画像が記録された面と、画像が記録されていない同一の光沢ポリ塩化ビニルシートの被記録面と、を貼り合わせ、50gの荷重をかけて10分間放置した。その後、貼り合わせた光沢ポリ塩化ビニルシート
を剥がして、その光沢ポリ塩化ビニルシートに色移りが認められるか否かについて目視にて評価した。その評価結果を表1および表2に併せて示す。なお、評価基準は以下の通りである。
○:色移りがほとんど認められない。
△:25%程度の色移りが認められた。
×:50%以上の色移りが認められた。
3.2.4.間欠吐出安定性の評価
ピエゾ素子の振動数を5kHzとし、その駆動波形を最適化した状態で、各インクについて液滴吐出ヘッドの各ノズルから300秒間の液滴の連続吐出を行い、その後300秒間液滴の吐出を中断した(1シーケンス)。その後、同様に、液滴の連続吐出、および、吐出の中断の操作を10シーケンス繰り返し行った。10シーケンス終了時において、ノズル360個中の不吐出ノズル数をカウントすることにより間欠吐出安定性を評価した。ただし、記録方法4に用いたヘッドはノズル数が180個であるため、実際の不吐出ノズル数を2倍した。その評価結果を表1および表2に併せて示す。なお、評価基準は以下の通りである。
○:不吐出ノズル数が0〜1個。
△:不吐出ノズル数が2〜3個。
×:不吐出ノズル数が4個以上。
3.3.評価結果
表1および表2に、各実施例および各比較例で使用した特定インク組成物の組成、記録条件ならびに評価結果を示す。
Figure 2014079984
Figure 2014079984
実施例1〜19のインクジェット記録方法によれば、60%RH以上の高湿度環境下において、耐擦性および乾燥性に優れた記録物が得られることが判った。吐出安定性についても全く問題なく、70%RH以上とすると一層優れることが判った。
実施例のうち実施例14では、上記記録方法2を採用している。記録方法2では、1画素列(ラスタライン)を1回の主走査で全てドット形成されるので、主走査方向のドットの重なりが形成されて乾燥性が低下し乾燥速度がやや低下した。
実施例15では、上記記録方法3を採用している。記録方法3では、ドットサイズが大きくなるため、インクの層が厚くなり乾燥速度がやや低下した。
実施例16では、上記記録方法4を採用している。記録方法4では、ドットサイズが大きくなるため、インクの層が厚くなり乾燥速度がやや低下した。
これに対して、比較例1では、ラクトンを含有しないインク組成物を用いているため、光沢ポリ塩化ビニルシートの表面を溶解させる能力に乏しく、耐擦性に優れない記録物が得られた。また、比較例2、15および比較例5〜8では、非水溶性溶剤を含有しないインク組成物を用いているため、乾燥性が著しく損なわれた。
比較例3〜4では、ラクトン以外の塩ビ膨潤溶剤を含有するインク組成物を用いているため、インクが水分を吸収しやすくなり乾燥性が著しく損なわれた。このことから、ラクトンは、乾燥性向上にも寄与していることが判った。
比較例9では、環境湿度が50%RHであるため、耐擦性や乾燥性の点では全く問題なかったが、吐出安定性がやや低下することが判った。一方、比較例11では、環境湿度が50%RHであるが、非水溶性溶剤を含有しないインク組成物を用いているため、乾燥性がやや低下すると共に、吐出安定性がやや低下することが判った。
比較例10では、非水溶性溶剤を含有しないインク組成物を用いており、環境湿度が95%RHと非常に高かったことから、耐擦性および乾燥性の双方が著しく損なわれた。
比較例12では、非水溶性溶剤を含有しないインク組成物を用いており、印刷中のメディア温度が35℃とやや低いことから、乾燥性が著しく損なわれた。
実施例17および18では、アフターヒートを行ったところ、アフターヒートを行わない実施例8および9と比較して乾燥性が若干向上したのに対し、比較例13および14では、アフターヒートを行っても、アフターヒートを行わない比較例3および5と比較して乾燥性の向上は認められなかった。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…プリンター、2…記録ヘッド、3…インクカートリッジ、4…キャリッジ、5…プラ
テン、6…加熱機構、7…キャリッジ移動機構、8…媒体送り機構、9…ガイドロット、10…リニアエンコーダ、P…記録媒体

Claims (12)

  1. 色材と、ラクトンと、非水溶性溶剤と、を含有するインク組成物を用いて、
    湿度60%RH以上の環境下で印刷を行う、インクジェット記録方法。
  2. 前記非水溶性溶剤のHLB値が10以下である、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記非水溶性溶剤が、プロピレングリコール誘導体、カルボン酸エステル、脂肪酸エステル、環状ケトンおよび無極性溶剤からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1または請求項2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記ラクトンの炭素数が2〜9である、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記インク組成物中の前記ラクトンの含有量が5質量%以上50質量%以下である、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記インク組成物中の前記非水溶性溶剤の含有量が20質量%以上85質量%以下である、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  7. 記録ヘッドから前記インク組成物の液滴を吐出して加熱された記録媒体上に付着させる工程(a)を備え、前記記録媒体の加熱温度が35℃以上60℃以下である、請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  8. 前記工程(a)において、前記記録ヘッドと前記記録媒体との相対的な位置を主走査方向に変化させながら前記記録ヘッドからインク滴を前記記録媒体に吐出する主走査と、前記記録ヘッドと前記記録媒体との相対的な位置を主走査方向と交差する副走査方向に変化させる副走査と、により行われ、記録解像度で規定される最小記録単位領域を画素とし、主走査方向に画素が並ぶ列を画素列としたときに、ある主走査でドット形成対象とする画素列の副走査方向の間に他の主走査でドット形成対象とする画素列があり、副走査方向に並ぶ複数の画素列に少なくとも、ある主走査でドット形成対象とする画素と、ある主走査ではドット形成対象とはせず他の主走査でドット形成対象とする画素とからなる画素列がある、請求項7に記載のインクジェット記録方法。
  9. 前記工程(a)の後、前記記録媒体をさらに加熱する後加熱工程(b)を備え、前記後加熱工程(b)における前記記録媒体の加熱温度が35℃以上60℃以下である、請求項7または請求項8に記載のインクジェット記録方法。
  10. 前記記録媒体が塩化ビニル系樹脂を含む被記録面を有する、請求項7ないし請求項9のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  11. 印刷を行う環境温度が25℃以上である、請求項1ないし請求項10のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  12. 記録解像度が600dpi以上×600dpi以上である、請求項1ないし請求項11のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
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