JP2014078787A - 画像出力装置、プログラム及び情報記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】タイル毎の用紙の地合の良し悪しに応じてトナーセーブ度合を調節して、文字を判読可能としつつ、トナーセーブ効率の良好な出力画像を低コストで得る。
【解決手段】前景、マスク、背景の組からなる構造化文書の符号を復号部110,111,112で復号し、合成処理部113でマスクに従って前景と背景を合成することにより文書画像データを再生する。用紙を透過した光束を用いて得られる透過画像をタイル分割し、タイル単位で用紙の地合を測定することができる地合測定手段136を有する。また、前景復号部110及び背景復号部111内に前景及び背景を明るく淡い画像へ補正するためのトナーセーブ処理手段101を有する。
【選択図】図7

Description

本発明は、プリンタや複写機等において色材(トナー、インク等)の消費を節約した印刷(トナーセーブ印刷と総称する)を実現するための技術に係り、より詳しくは、前景、マスク及び背景の組からなる構造化文書の符号からトナーセーブ印刷用の文書画像データを再生する技術に関する。
近年、複写機やプリンタなどの画像出力装置において、低コストで印刷する要求が益々高まっている。また、用紙に再生紙を使うことで、コストダウンと環境保護を図ることが多くなってきている。
例えば特許文献1は、画像出力装置におけるトナーセーブ印刷のための技術を開示している。この技術によれば、前景、マスク、背景の組からなる構造化文書の復号において、トナーセーブ処理手段によって背景のみを明るく淡い画像へ補正することにより、絵柄を薄く印刷することできるため、トナーを節約することができる。
しかしながら、地合の悪い(地肌の濃い)用紙に印刷する際にトナーセーブしすぎると、文字が薄くなって判読できなくなってしまうことがある。さらに、最近の再生紙は全面均一の質を有するものは少なく、地肌の濃い部分と地肌の薄い部分が混在しているものが多い。
そこで、本発明は、タイル毎の用紙の地合の良し悪しに応じてトナーセーブ度合を調節して、文字を判読可能としつつ、トナーセーブ効率の良好な出力画像を低コストで得ることを目的とする。
ここで、本発明に係わる構造化文書について説明する。文字・線画と写真等の絵柄が混在した文書の圧縮手法として米国Xerox社のMRC(Mixed Raster Contents)と呼ばれる手法がある。MRCでは、図1に模式的に示すように、文書画像1を、通常、文字の色情報を表す前景2、画素単位の文字領域を表すマスク3、写真等の絵柄の画像情報を表す背景4の3レイヤーに分け(構造化し)、レイヤー毎に符号化が行われる。図1の例では、前景2、マスク3、背景4はそれぞれJPEGにより符号化されているが、これは例示にすぎない。また、例ではマスクは2値データであるが、後述のように多値データとすることも可能である。
また、MRCモデルの前景、マスク、背景の符号化方式としてJPEG2000の選択を可能としたJPM(JPEG2000 Multi Layer)が標準化された(IS 15444-6)。
MRCやJPMの構造化文書の符号から文書画像データを再生する方法は以下の通りである。まず、前景、マスク及び背景が復号される。次に、マスクに従って前景と背景を合成する。この合成においては、マスクが白黒2値の場合、マスク値が1(黒)の画素位置では合成画素値=前景画素値、マスク値が0(白)の画素位置では合成画素値=背景画素値とする。言い換えれば、マスク値が1の画素位置では不透明度を1、マスク値が0の画素位置では不透明度を0(透明度を1)として、背景に前景を重ね合わせる。この場合、マスクは前景と背景を選択する機能を持つわけである。
マスクを多値にすることもできる。例えばマスクの各画素が8ビットの正値(0を含む)をとる場合には、各画素について
合成画像値=(255−マスク値)/255)×背景値+(マスク値/255)×前景値
により前景値と背景値の加重平均をとった値が合成画像値となる。この場合、マスクは前景と背景の表示割合(不透明度もしくは透明度)を制御する機能を持つわけである。
後述する本発明の実施形態においては、構造化文書の前景、マスク及び背景符号はJPEG2000の符号であるので、ここでJPEG2000の概要を説明する。ただし、後述するように、背景の符号としてJPEG2000以外の符号が用いられる場合にも、本発明を適用可能である。
図2はJPEG2000の符号化アルゴリズムを説明するためのブロック図である。カラー画像はコンポーネント毎に重複しない矩形ブロックであるタイルに分割される(タイル分割数≧1)。圧縮・伸長は、コンポーネント毎かつタイル毎に独立に行なわれる。
まず、各コンポーネントの各タイルのデータが処理ブロック11で例えばRGB空間からYCbCr空間へ変換される。元のデータがRGBデータのように正の整数値をとる形式である場合には、ダイナミックレンジの半分を減算するためのDCレベルシフトも行われる。変換後のY,Cb,Cr各コンポーネントのデータは、処理ブロック12でタイル毎に2次元ウェーブレット変換(順変換)を適用されてサブバンド(周波数帯)に空間分割される。
図3に、デコンポジションレベル数が3の場合のサブバンド分割の様子を示す。図3(a)に示す各タイルのY,Cb,Cr各コンポーネントに対して2次元ウェーブレット変換を施すことにより、図3(b)に示すサブバンド(1LL, 1HL, 1LH, 1HH)に分割する。このデコンポジションレベル1(最高階層)の低周波サブバンドである1LLサブバンドの係数に対して2次元ウェーブレット変換を施すことにより、図3(c)に示すサブバンド(2LL, 2HL, 2LH, 2HH)に分割する。このデコンポジションレベル2の低周波サブバンドである2LLサブバンドの係数に対し2次元ウェーブレット変換を施し、図3(d)に示すデコンポジションレベル3(この例では最低階層)のサブバンド(3LL, 3HL, 3LH, 3HH)に分割する。
図2に戻る。JPEG2000では、9×7変換と呼ばれる非可逆ウェーブレット変換と5×3変換と呼ばれる可逆ウェーブレット変換が規定されている。9×7変換が用いられる場合には、処理ブロック13で、各コンポーネントのウェーブレット係数はサブバンド毎に線形量子化(サブバンドゲイン等の補正のための正規化を含む)が施される。そして、処理ブロック14において、指定された符号化の順番で符号化のターゲットビットを定め、ターゲットビットの周辺のビットからコンテキストを生成し、このコンテキストとターゲットビットから確率推定によりウェーブレット係数をエントロピー符号化する。
より詳しくは、図4に示すように、各サブバンドはプレシンクトと呼ばれる重複しない矩形領域に分割される。同じデコンポジションレベルのLH,HL,HHサブバンドの空間的に一致した3つの矩形領域が1つのプレシンクトとして扱われる。ただし、LLサブバンドは1つの矩形領域が1つのプレシンクトとして扱われる。プレシンクトは大まかには画像中の位置を表すものである。プレシンクトをさらに矩形に分割したものがコードブロックであり、エントロピー符号化の単位である。JPEG2000では、ウェーブレット係数に対し、コードブロック毎に、かつ、ビットプレーン順に、MQ符号化と呼ばれるビットプレーン符号化を行う。
次に、処理ブロック15で、不要なエントロピー符号を破棄し、必要なエントロピー符号をまとめてパケットを生成する。そして、処理ブロック16でパケットを所定の順序で並べるとともに必要なヘッダなどを付加することにより1本のコードストリーム(符号)を形成する。ここで、パケットとは、プレシンクトに含まれる全てのコードブロックの符号の一部を集めたもの(例えば全てのコードブロックのMSBから3枚目までのビットプレーンの符号を集めたもの)に、パケットヘッダを付けたものである。
一方、復号(伸長)処理は符号化処理と丁度逆の処理により、各コンポーネントの各タイルのコードストリームから画像データを生成する。図5は復号アルゴリズムを説明するためのブロック図である。
処理ブロック21で、入力コードストリームに付加されたヘッダ情報を解釈し、各コンポーネントの各タイルのコードストリームに分解し、さらにパケットに分解する。次に処理ブロック22でパケットをコードブロック毎の符号に分割し、処理ブロック23でコードブロック毎に符号をビットプレーン復号化する。このビットプレーン復号化では、指定された順番(ヘッダ情報から分かる)でターゲットビット位置を定め、その周辺ビット(復号済み)からコンテキストを生成し、このコンテキストとコードストリームから確率推定によって復号化(MQ復号化)を行ってターゲットビットを生成し、それをターゲットビットの位置に書き込む。このようにして復号化されたウェーブレット係数は、9×7変換が用いられた符号の場合には、処理ブロック24で逆量子化(逆正規化を含む)を施される。次に、処理ブロック25で2次元逆ウェーブレット変換を施されることにより、Y,Cb,Cr各コンポーネントのタイル画像が復元される。復元されたYCbCrデータは、処理ブロック26でDC逆レベルシフト及び逆色変換を施されることにより元のRGB表色系のデータに戻される。
この課題を解決するため、本発明は、前景、マスク及び背景の組からなる構造化文書の符号から、前景、マスク及び背景を復号し、復号されたマスクに従って復号された前景と背景を合成することにより文書画像データを再生する文書画像再生処理手段と、前記文書画像再生処理手段により再生された文書画像データを色材を用いて媒体に印刷する画像出力手段と、前記媒体を透過した光束を用いて得られる透過画像をタイル分割し、タイル単位で前記媒体の地合を測定することができる地合測定手段とを有し、前記文書画像再生処理手段は、構造化文書の符号から再生される文書画像データを前記画像出力手段により色材の消費を抑えて印刷可能なものにするためのトナーセーブ処理を、該構造化文書の前景及び背景に対し施すトナーセーブ処理手段を含み、前記トナーセーブ処理手段は、1つの媒体中においてもタイル単位で前記媒体の地合に応じて色材の消費を抑えるトナーセーブ度合を制御し、地合粗悪タイルでは地合良好タイルに比べて前記トナーセーブ度合を小さくすることを特徴とする画像出力装置を提案する。
用紙をタイルに分割し、タイル毎に用紙の地合を判定することにより、地合の悪いタイルではトナーセーブ度合を小さくし、地合の良いタイルではトナーセーブ度合を大きくすることにより、用紙のムラによらず、文字を判読可能としつつ高精度なトナーセーブ画像を生成することができる。
構造化文書とその符号の例を示す模式図である。 JPEG2000符号化アルゴリズムを説明するためのブロック図である。 2次元ウェーブレット変換によるサブバンド分割例を示す図である。 タイル、サブバンド、プレシンクト、コードブロックの説明図である。 JPEG2000復号アルゴリズムを説明するためのブロック図である。 本発明の実施形態を説明するためのブロック図である。 文書画像再生処理部のブロック図である。 画像出力部102の説明図である。 CPUでの用紙の地合判定部のブロック図である。 地合良好タイルと地合粗悪タイルの輝度分布図である。 タイル単位の地合判定の処理内容を表すフローチャートである。 用紙の地合が良好な場合の、構造化文書の例とトナーセーブモードの結果を示す図である。 用紙の地合が粗悪な場合の、構造化文書の例とトナーセーブモードの結果を示す図である。 前景復号部、背景復号部及びトナーセーブ処理手段の構成を示すブロック図である。 輝度補正部の処理フローを示す図である。 地合良好タイルの場合の輝度補正部の処理フローを示す図である。 地合粗悪タイルの場合の輝度補正部の処理フローを示す図である。 輝度用係数補正テーブルを説明するためのグラフである。 トナーセーブ処理の効果を説明するためのグラフである。 ウェーブレット係数の意味を説明するための図である。 2HH係数の絶対値の係数分布図である。 タイル単位の地合判定の処理内容を表すフローチャートである。 タイル単位の地合判定の処理内容を表すフローチャートである。 前景復号部、背景復号部及びトナーセーブ処理手段の構成を示すブロック図である。 係数補正部の処理フローを示す図である。 地合良好タイルの場合の係数補正部の処理フローを示す図である。 地合粗悪タイルの場合の係数補正部の処理フローを示す図である。 輝度用係数補正テーブルを説明するためのグラフである。 色差用係数補正テーブルを説明するためのグラフである。 LLサブバンド係数の全係数(総画素数)に対する割合を説明するための図である。 前景復号部、背景復号部及びトナーセーブ処理手段の構成を示すブロック図である。 処理ブロック24の処理フローを示す図である。 地合良好タイル用の逆正規化の処理フローを示す図である。 地合粗悪タイル用の逆正規化の処理フローを示す図である。 輝度用正規化分母補正テーブルを説明するためのグラフである。 色差用正規化分母補正テーブルを説明するためのグラフである。 本発明に係る複写機の構成例を示す図である。 操作部の説明図である。 ユーザーが操作部でトナーセーブモードを指定する場合の説明図である。 プログラム(ソフトウェア)の説明図である。
図6は、本発明の実施形態を説明するためのブロック図である。図1において、文書画像再生処理部100は、入力される構造化文書の符号から文書画像データを再生する手段である。ここでは、再生される文書画像データはRGBデータであるものとする。この文書画像再生処理部100には、モード指定信号により、トナーセーブを行うモード(トナーセーブモード)が指定された場合に、再生される文書画像データをトナーセーブ印刷が可能なものにするための処理(トナーセーブ処理と呼ぶ)を、構造化文書の前景と背景に対し施すトナーセーブ処理手段101を含む。
文書画像再生処理部100により再生された文書画像データは画像出力部102に入力される。画像出力部102は、画像処理部103と作像部104からなる。作像部104は、色材を用いて用紙等の媒体上に画像を印刷する手段である。画像処理部103は、入力文書画像データ(ここではRGBデータ)を作像部104に適したプリント信号に変換するものである。
ここでは、作像部104は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の色材を用いる電子写真方式の作像エンジンやインクジェット方式の作像エンジンを用いて画像を印刷するものとする。この場合、画像処理部103は、例えば、RGB信号をCMYK信号に変換する色変換処理部105と、このCMYK信号に対しガンマ補正を施すガンマ補正部106と、ガンマ補正後のCMYK信号にディザ処理や誤差拡散等の中間調処理を施す中間調処理部107とから構成される。ただし、これは例示であって、画像処理部103に、平滑化やエッジ強調等のためのフィルタ処理、その他の画質向上処理などの手段が含まれていてもよい。画像処理部103より出力されるプリント信号が作像部104に入力されることにより、文書画像再生処理部100により再生された文書画像データが作像部104により印刷される。
画像処理部103における処理内容は、モード指示信号によってトナーセーブモードが指定された場合も、トナーセーブを行わないノーマルモードが指定された場合も同一である。
このような画像出力システムは、文書画像再生処理部100と画像出力部102をプリンタや複写機等の1つの装置にまとめられる形態、又は、文書画像再生処理部100と画像出力部102を物理的に分離した装置とされる形態をとることができる。後者の形態の一例を挙げれば、画像出力部102はプリンタもしくは複合機(MFP;Multi Function Printer)であり、文書画像再生処理装置100はパソコンなどのコンピュータにプログラムとして(例えばプリンタドライバ)として実装される。また、このようなプログラムが記録された磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体記憶素子等のコンピュータが読み取り可能な情報記録媒体が利用可能である。以上のシステム形態の具体例は後述する。
図7は、文書画像再生処理部100の好ましい内部構成を示すブロック図である。図示のように、文書画像再生処理部100は、構造化文書の前景の符号、マスクの符号、背景の符号の復号処理を実行する前景復号部110、マスク復号部111、背景復号部112と、これら各復号部により復号された前景、マスク、背景から前述したような方法によって文書画像データを合成する合成処理部113から構成される。
トナーセーブ処理手段101は、構造化文書の前景及び背景に対しトナーセーブ処理を施すものであるので、前景復号部110及び背景復号部112の後段に設けることも可能であるが、好ましくは図示のように前景復号部110及び背景復号部112の内部に設けられる。
なお、図1に示した例のように、前景、マスク、背景の解像度もしくは画像サイズが異なる場合には、解像度を一致させるための解像度変換が合成処理部113で行われる。
以下、タイル毎に用紙の地合を測定する地合測定手段、前景復号部110、背景復号部112及びトナーセーブ手段101に関し、いくつかの実施例について詳細に説明する。なお、後記各実施例では、構造化文書の前景及び背景がJPEG2000により符号化されている場合を想定している。
<実施例1>
図8は、図6,37における画像出力部102の説明図である。
用紙に画像を印刷するために、ユーザーが用紙トレイ130を選択し又は地合測定手段としてのCPU136により用紙サイズなどから自動的に用紙トレイの用紙が選択された場合、用紙は搬送路131を通って矢印の方向に搬送される。装置内部には用紙を裏面から照射する照明源132が配置されており、照明源の前の搬送路は照明光が用紙に届くように透明なガラス133で構成されている。ガラス133を挟んだ照明源132の対向部には、ガラスと用紙を通過した照明光を読み取る用紙読取部135が配置されている。照明源からの照明光を漏らさずに用紙読取り部135に届かせるため、光漏れ防止具134が用紙読取部135を取り囲んでいる。
用紙読取部135は例えばCCDカメラであり、CCDカメラからの照明を切った状態で用紙の透過画像の読み取りを行う。用紙読取部で読み取られた用紙の画像データ(透過画像)から、CPU136で用紙の地合の良し悪しを判定する。判定された情報はCPUによりの制御部820(図37参照)に送られる。次に、ローラ137,138により従来通りに印刷され、搬送路139を矢印方向に進み、ソータ140に排紙され、印刷が完了する。
図9は、CPU136での用紙の地合判定部のブロック図である。
制御部(図37参照)からタイル毎の地合判定の命令が来たら、用紙読取部では図8のCCDカメラ135を用いて用紙の画像データ(透過画像)を読み取る。次いで、タイル分割部は、画像保存部(図37参照)のタイルサイズと同じサイズで、読み取られた透過画像を分割する。タイル単位の地合判定部では、CPU136によりタイル単位で用紙の地合を算出する。判定されたタイル単位の地合の情報は制御部に送信される。
図10は、地合良好タイルと地合粗悪タイルの輝度分布図である。
図10(a)に示すように、地合良好タイルの輝度値分布はばらつきが少ないのに対し、図10(b)に示すように、地合粗悪タイルの輝度値分布はばらつきが大きい。ばらつき度合を表す指標として標準偏差が用いた場合、地合良好タイルの場合には輝度値の標準偏差が小さく、地合粗悪タイルの場合には輝度値の標準偏差が大きいという特性がある。
図11は、本実施例におけるタイル単位の地合判定の処理内容を表すフローチャートである。
先ず、CPU136によりタイル内の全画素の読取値の標準偏差を算出する(S1)。次いで、標準偏差が閾値th1より大きいかどうか判定する(S2)。標準偏差が閾値th1より大きい場合には(S3)、地合粗悪タイルと判定し、閾値th1以下の場合には(S4)、地合良好タイルと判定する。
図12は、用紙の地合が良好な場合の、構造化文書の例とトナーセーブモードの結果を示す図である。
図中の上段に示すような前景、マスク、背景からなる構造化文書の符号の場合、ノーマルモード時には上段右端に示すような絵柄部分の濃い文書画像データが再生される。
一方、トナーセーブモード時には、前景と背景に対し上に述べたような輝度補正が施される結果、下段に示すように背景は明るく淡い画像とされ、したがって、下段右端に示すような絵柄部分が明るく淡い文書画像データが再生される。このような文書画像データは、ノーマルモード時の文書画像データに比べ、印刷時に作像部104の色材消費量が少なくて済む。このとき、印刷された文書画像中の文字が不鮮明になることも文字色が不自然になることもない。また、絵柄部分は明るく淡い画像となるが内容を識別可能である。
図13は、用紙の地合が粗悪な場合の、構造化文書の例とトナーセーブモードの結果を示す図である。
用紙の地合が粗悪な場合に前景と背景を薄くしすぎると、絵柄部や文字部で紙の地合によるムラが目立ってしまうため、復号時の補正により、用紙の地合が良好な場合に比べて文字と絵柄を薄くする度合(トナーセーブ度合)を小さくした復号画像にする。結局、得られる画像は地合良好時よりも濃くなるが、ノーマルモード時よりも薄くなり、トナーがセーブされる。
本実施例では、図12と図13におけるトナーセーブ度合の切り替えをタイル単位で行う。
図14は、本実施例に係る前景復号部110、背景復号部112及びトナーセーブ処理手段101の構成を示すブロック図である。図14において、21,22,23,24,25,26は図5中の同じ番号の処理ブロックである。輝度補正部201と輝度補正テーブル202はトナーセーブ処理手段101を構成するものである。輝度補正部201は、トナーセーブモードが指定された場合に、処理ブロック25の逆ウェーブレット変換により復元された輝度コンポーネントの画素値をタイル毎に補正する手段である。この処理は前景と背景に対して行なう。ノーマルモードが指定された場合、輝度補正部201では何ら補正を行わない。
図15は、トナーセーブモードが指定された場合の輝度補正部201の処理フローを示す図である。先ず、図11に示した方法で地合良好タイルかを判定する(S1)。地合良好タイルの場合(S2)は図16に示すAの処理を行い、地合良好タイルでない場合(S3)は図17に示すBの処理を行う。次に、最後のタイルかを判定し(S4)、最後のタイルでなければ(S5)、次のタイルへ移動し、最後のタイルであれば、処理を終了する。
図16は、地合良好タイルの場合の輝度補正部201の処理フローを示す図である。先ず、輝度成分かを判定し(S1)、輝度成分ならば、輝度コンポーネントの注目画素の輝度値xに対応する補正値yを、地合良好タイル用の輝度補正テーブル202’から読み込み(S2)、注目画素の輝度値xを補正値yに置き換える(S3)。一方、輝度成分でなく色差成分ならば、補正しない。注目画素を順次移動しながら(S5)、同様の輝度コンポーネントの画素値補正を繰り返し、最後の画素まで処理済みとなると(S4,Yes)、処理を終わる。
図17は、地合粗悪タイルの場合の輝度補正部201の処理フローを示す図である。先ず、輝度成分かを判定し(S1)、輝度成分であるならば、輝度コンポーネントの注目画素の輝度値xに対応する補正値yを、地合粗悪タイル用の輝度補正テーブル202’’から読み込み(S2)、注目画素の輝度値xを補正値yに置き換える(S3)。一方、輝度成分でなく色差成分ならば、補正しない。注目画素を順次移動しながら(S5)、同様の輝度コンポーネントの画素値補正を繰り返し、最後の画素まで処理済みとなると(S4,Yes)、処理を終わる。
このようにして補正された後の輝度コンポーネント及び補正されなかった色差Cb,Crコンポーネントのデータに対し、処理ブロック26でDC逆レベルシフト及び逆色変換が施されることにより、元のRGB表色系の前景、背景データ(画素値)が再生される。
図18は、輝度補正テーブル202に格納されている補正前画素値と補正後画素値(補正値)の関係を表すグラフである。図18(a)は、地合良好タイル用の輝度補正テーブルの具体例である。補正前画素値の全域において補正後の画素値を高輝度側へ補正するが、補正前の小さい画素値aに対する補正度合αの方が、補正前の大きい画素値bに対する補正度合βより大きい、つまりα>βの関係の補正特性となっている。このような補正特性の輝度補正テーブル202を用いて輝度コンポーネントの画素値を補正することにより、処理ブロック26によりDC逆レベルシフト及び色逆変換を施した後の前景、背景データは、図19に示すように全体的に高輝度となり、また輝度の振幅も小さくなるため、明るく淡い(薄い)画像となる。よって、合成された文書画像データの絵柄部分は明るく淡い画像となる。このような画像は印刷時の色材の消費量が少なくて済む。
図18(b)は、地合粗悪タイル用の輝度補正テーブルの具体例である。同様に、小さい画素値aに対する補正度合α’の方が、補正前の大きい画素値bに対する補正度合β’より大きい、つまりα’>β’の関係の補正特性となっている。
図18(a),(b)の輝度補正テーブルは、トナーセーブモードにより文字が読めなくなったり、前景や背景の内容が分からなくなったりしないようなテーブルを実験により求めたものである。よって、機種によってテーブルの形は変わり得る。
図18(c)は、地合粗悪タイルと地合良好タイルの補正前の画素値と補正後の画素値の関係を表すグラフである。補正前の輝度が同じ値ならば、地合良好タイルの場合の方が、地合粗悪タイルの場合よりも補正の度合が大きくなっている。つまりα>α’、β>β’の関係が成立している。
図19に示すように、本実施例では、復号後の画像の輝度値はどの色成分であっても、同じ画素位置であれば、
ノーマルモード時の輝度値 < 地合粗悪タイルの場合の輝度値 < 地合良好タイルの場合の輝度値
の関係になる。
以上のように、本実施例では補正後の画素値を高輝度側へ補正して画像を生成することにより、トナーセーブ又はインクセーブ効果が奏される。また、地合良好タイルの場合の方が、地合粗悪タイルの場合よりも補正の度合い(トナーセーブ度合)を大きくすることにより、地合粗悪タイルの場合に生じ得るムラを抑制することができる。
<実施例2>
本実施例では、タイル単位の地合判定部にウェーブレット係数を用いる。用紙の画像データのタイルの地合をウェーブレット係数の平均値により算出することで、より高精度にトナーセーブ画像が生成される。本実施例は、図11のフローチャート以外は実施例1と同じである。
先ず、図20を用いてウェーブレット係数の意味を説明する。
これは2階層でウェーブレット変換された例であり、階層数が大きくなるほど周波数が低くなる。よって、1HH係数よりも2HH係数の方が低周波帯域にある。また、HLは縦方向のエッジ量、LHは横方向のエッジ量、HHは斜め方向のエッジ量を表す。例えば、1LHは高周波帯域の横方向のエッジ量、2HHは低周波帯域の斜め方向のエッジ量を表す。2LLは、原画像を縦横4分の1にした元画像のサムネイルを表す。
図21は、2HH係数の絶対値の係数分布図である。
用紙の地合(汚れやスジ)は、斜め方向に現れるものが多く目視でも確認できるので、低周波帯域の斜め方向のエッジ量と高い相関を有する。2HH係数は、図21(a)に示すように地合良好タイルでは低めとなり、図21(b)に示すように地合粗悪タイルでは高めとなる。よって、本実施例では、タイルの地合判定に2HH係数の平均値を用いる。
図22は、本実施例におけるタイル単位の地合判定の処理内容を表すフローチャートである。
先ず、CPU136はタイル内の全画素をウェーブレット変換する(S1)。本実施例では2階層でウェーブレット変換しているが、階層数は2以上の任意の値でもよい。前述のように低周波帯域の斜め成分の係数と用紙の地合には高い相関があるので、本実施例では2HH係数を用いる。次いで、CPU136はタイル内の2HH係数の絶対値の平均値ave2HHを算出し(S2)、ave2HHが閾値th2より大きい場合には(S3,Yes)、地合粗悪タイルと判定し(S4)、ave2HHが閾値th2以下の場合には(S3,No)、地合良好タイルと判定する(S5)。地合良好タイルと地合粗悪タイルの判定後は、実施例1と同様にしてトナーセーブ処理を行う。
<実施例3>
本実施例では、タイル単位の地合判定部にウェーブレット係数を用いる。用紙の画像データのタイルの地合をウェーブレット係数の中央値により算出することで、より高精度にトナーセーブ画像が生成される。本実施例は、図11の説明以外は実施例1と同じである。
前述のように、用紙の地合(汚れやスジ)は斜め方向に現れるものが多く目視でも確認できるので、低周波帯域の斜め方向のエッジ量と高い相関がある。よって、本実施例では、タイルの地合判定に2HH係数の中央値を用いる。平均値の場合は孤立点があるとそれに影響されるが、中央値の場合は平均値に比べて孤立点の影響が小さい。
図23は、本実施例におけるタイル単位の地合判定の処理内容を表すフローチャートである。
先ず、CPU136はタイル内の全画素をウェーブレット変換する(S1)。本実施例では2階層でウェーブレット変換しているが、階層数は2以上の任意の値でもよい。前述のように低周波帯域の斜め成分の係数と用紙の地合には高い相関があるので、本実施例では2HH係数を用いる。次いで、CPU136はタイル内の2HH係数の絶対値の中央値mid2HHを算出し(S2)、mid2HHが閾値th3より大きい場合には(S3,Yes)、地合粗悪タイルと判定し(S4)、mid2HHが閾値th3以下の場合には(S3,No)、地合良好タイルと判定する(S5)。地合良好タイルと地合粗悪タイルの判定後は、実施例1と同様にしてトナーセーブ処理を行う。
<実施例4>
本実施例では、ウェーブレット係数の低周波成分のみ補正することにより、用紙の地合によらずトナーセーブ画像を高速に生成する。以下で用いる「LL」という用語は、前述したウェーブレット変換時のLL係数であって、ウェーブレット変換したときの縦横ともに最も低周波の領域の係数のことである。
図24は、本実施例に係る前景復号部110、背景復号部112及びトナーセーブ処理手段101の構成を示すブロック図である。図24において、21,22,23,24,25,26は図5中の同じ番号の処理ブロックである。係数補正部211と輝度用係数補正テーブル212及び色差用係数補正テーブル213はトナーセーブ処理手段101を構成するものである。係数補正部211は、トナーセーブモードが指定された場合に、処理ブロック24によって逆量子化(逆正規化を含む)後の輝度Y及び色差Cb,Crの各コンポーネントの低周波サブバンドであるLLサブバンドの係数に対し補正を行う手段である。この処理は、前景と背景に対して行なう。ノーマルモード時には、係数補正部211は何らの補正も行わない。
図25は、トナーセーブモードが指定された場合の係数補正部211の処理フローを示す図である。先ず、図11、図22又は図23に示した方法により、地合良好タイルかを判定する(S1)。地合良好タイルの場合(S2)は図26に示すCの処理を行い、地合良好タイルでない場合(S3)は図27に示すDの処理を行う。次に、最後のタイルかを判定し(S4)、最後のタイルでなければ(S5)、次のタイルを判定する。最後のタイルであれば、処理を終了する。
図26は、地合良好タイルの場合の係数補正部211の処理フローを示す図である。先ず、注目係数がLLサブバンド係数であるならば(S1,Yes)、注目係数の値xに対応した補正値yを、当該注目係数が輝度コンポーネントならば地合良好タイル用の輝度用係数補正テーブル212’より、当該注目係数が色差コンポーネントならば地合良好タイル用の色差用係数補正テーブル213’より読み込み(S2)、注目係数値xを補正値yに置き換える(S3)。注目係数を次の係数へ移動させ(S5)、S1に戻る。注目係数を順次移動しながら各コンポーネントのLLサブバンドの係数の補正を繰り返す。残りの係数が無くなると(S4,Yes)、処理を終わる。
図27は、地合粗悪タイルの場合の係数補正部211の処理フローを示す図である。図26と異なり、注目係数がLLサブバンド係数であるならば(S1,Yes)、注目係数の値xに対応した補正値yを、当該注目係数が輝度コンポーネントならば地合粗悪タイル用の輝度用係数補正テーブル212’’より、当該注目係数が色差コンポーネントならば地合粗悪タイル用の色差用係数補正テーブル213’’より読み込み(S2)、注目係数値xを補正値yに置き換える(S3)。注目係数を次の係数へ移動させ(S5)、S1に戻る。注目係数を順次移動しながら各コンポーネントのLLサブバンドの係数の補正を繰り返す。残りの係数が無くなると(S4,Yes)、処理を終わる。
このようにしてLLサブバンド係数が補正された後の各コンポーネントの係数に対し処理ブロック25でタイル毎に逆ウェーブレット変換が実行され、次に処理ブロック26でDC逆レベルシフト及び逆色変換が施されることにより元のRGB表色系の前景、背景データが再生される。
図28は、図24の輝度用係数補正テーブル212に格納されている補正前係数値と補正後係数値(補正値)の関係を表すグラフである。図28(a)は、地合良好タイル用の輝度用係数補正テーブル212’の具体例である。係数値の全域で高輝度側へ補正するが、小さな係数値cに対する補正度合Cの方が大きな係数値dに対する補正度合Dより大きい、つまりC>Dの関係の補正特性となっている。
このような補正特性の輝度用係数補正テーブル212を用いて上述の輝度コンポーネントのLLサブバンドの係数値補正を行うため、処理ブロック25により逆ウェーブレット変換し、処理ブロック26でDC逆レベルシフト及び色逆変換を行って再生される前景、背景は、全体的に明るく淡い(薄い)画像となる。よって、合成される文書画像データの絵柄部分は明るく淡い画像となるため、前記実施例1で述べたように印刷時の色材の消費が節減される。前景、背景のLLサブバンド係数以外のサブバンドの係数は補正されないため、文書画像の絵柄中の輪郭などはかなり保存され、絵柄部分の内容は十分に判読可能である。
図28(b)は、地合粗悪タイル用の輝度用係数補正テーブル212’’の具体例である。同様に、補正前の小さい係数値cに対する補正度合C’の方が、補正前の大きい係数値dに対する補正度合D’より大きい、つまりC’>D’の関係の補正特性となっている。
図28(a),(b)の輝度用係数補正テーブルは、トナーセーブにより文字が読めなくなったり、前景や背景の内容が分からなくなったりしないようなテーブルを実験により求めたものである。よって、機種によってテーブルの形は変わり得る。
図28(c)は、地合良好タイルと地合粗悪タイルの係数補正(輝度成分)の補正前の係数値と補正後の係数値の関係を表すグラフである。補正前の係数が同じ値ならば、地合良好タイルの場合の方が、地合粗悪タイルの場合よりも補正の度合が大きい。つまりC>C’、D>D’の関係が成立している。
図29は、図24の色差用係数補正テーブル213に格納されている補正前係数値と補正後係数値(補正値)の関係を表すグラフである。図29(a)は、地合良好タイル用の色差用係数補正テーブル213’の具体例である。図示のように、係数値の全域で色差を圧縮させるように補正するが、絶対値の小さい係数値eに対する補正度合Eよりも補正前の絶対値の大きい係数値fに対する補正度合Fが大きい、つまりF>Eの関係の補正特性となっている。このような補正特性の係数補正テーブル213を用いて上述の色差コンポーネントのLLサブバンド係数の補正を行うため、逆ウェーブレット変換後の色差コンポーネントは色差が圧縮された色味の少ない画像となる。
よって、合成される文書画像データの絵柄部分は全体が明るく色味の弱い淡い画像となるため、前記実施例1に述べたように印刷時の色材の消費が節減される。
図29(b)は、地合粗悪タイル用の色差用係数補正テーブル213’’の具体例である。同様に、補正前の小さい係数値eに対する補正度合E’よりも、補正前の大きい係数値fに対する補正度合F’が大きい、つまりF’>E’の関係の補正特性となっている。
図29(c)は、地合粗悪タイルと地合良好タイルの係数補正(色差成分)の補正前の係数値と補正後の係数値の関係を表すグラフである。補正前の係数が同じ値ならば、地合良好タイルの場合の方が、地合粗悪タイルの場合よりも補正の度合が大きい。つまりE>E’、F>F’の関係が成立するような補正グラフとしている。
図30に示すように、ウェーブレット変換のデコンポジションレベル数(階層数)=2の場合、LL(2LL)サブバンド係数の個数は全係数(総画素数)の16分の1と少ないため、輝度と色差の全コンポーネントを補正対象としても、前記実施例1のように逆ウェーブレット変換後の輝度コンポーネントの全画素を補正する場合に比べ、補正のための処理量が大幅に減少し処理の高速化に有利である。この利点はデコンポジションレベル数が大きいほど顕著である。すなわち、デコンポジションレベル数をNとすると、LLサブバンド係数の個数は、全係数の2の2N乗分の1である。例えばN=3の場合、LLサブバンド係数の個数は全係数の64分の1となるので、さらに補正処理を高速化可能である。
なお、本実施例では、LLサブバンドについて処理をするという構成にしたが、それに限らず所定のデコンポジションレベル以上の他の係数(LHサブバンド、HLサブバンド、HHサブバンド)につき補正をするという構成にしてもよい。
図19に示すように、本実施例でも、復号後の画像の輝度値はどの色成分であっても、同じ画素位置であれば、
ノーマルモード時の輝度値 < 地合粗悪タイルの場合の輝度値 < 地合良好タイルの場合の輝度値
の関係になる。
以上のように、本実施例では補正後の輝度コンポーネントの係数値を高輝度側へ補正し、色差コンポーネントの係数値を圧縮させて画像を生成することにより、トナーセーブ又はインクセーブ効果が奏される。また、地合良好タイルの場合の方が、地合粗悪タイルの場合よりも補正の度合(トナーセーブ度合)を大きくすることにより、地合粗悪タイルの場合に生じ得るムラを抑制することができる。さらに、輝度コンポーネントと色差コンポーネントのLL係数だけを補正することにより、処理時間が短縮される。
<実施例5>
本実施例では、正規化前の正規化分母を低周波成分のみ補正することにより、用紙の地合によらず高速にトナーセーブ画像を生成する。
図31は、本実施例に係る前景復号部110、背景復号部112及びトナーセーブ処理手段101の構成を示すブロック図である。図31において、21,22,23,24,25,26は図5中の同一番号を付けた処理ブロックである。ただし、トナーセーブモード時に処理ブロック24で逆正規化に用いられる正規化分母値が補正される。この処理は、前景と背景に対して行なう。
処理ブロック24における逆正規化処理に関連して標準正規化分母テーブル222の他に、輝度用正規化分母補正テーブル223と色差用正規化分母補正テーブル224を有する。標準正規化分母テーブル222には標準の(符号化時の正規化で用いられたものと同じ)正規化分母値が格納されている。輝度用正規化分母補正テーブル223には、輝度コンポーネントのLLサブバンド係数のための正規化分母補正値が格納されている。色差用正規化分母補正テーブル224には、色差Cb,CrコンポーネントのLLサブバンドの係数のための正規化分母補正値が格納されている。
トナーセーブモードが指定された場合には、輝度コンポーネントの低周波サブバンドであるLLサブバンドの係数に対する逆正規化に輝度用正規化分母補正テーブル223に格納されている正規化分母補正値を用い、色差コンポーネントの低周波サブバンドであるLLサブバンドの係数に対する逆正規化に色差用正規化分母補正テーブル224に格納されている正規化分母補正値を用いることにより、前景と背景に対しトナーセーブ処理が施される。すなわち、本実施例においては、処理ブロック24(その逆正規化機能)と輝度用正規化分母補正テーブル223及び色差用正規化分母補正テーブル224によって、トナーセーブ処理手段101が実現される。
図32は、トナーセーブモードが指定された場合の処理ブロック24の処理フローを示す図である。先ず、図11、図22又は図23に示した方法により、地合良好タイルかを判定する(S1)。地合良好タイルの場合(S2)は図33に示すEの処理を行い、地合良好タイルでない場合(S3)は図34に示すFの処理を行う。次に、最後のタイルかを判定し(S4)、最後のタイルでなければ(S5)、次のタイルを判定する。最後のタイルであれば、処理を終了する。
処理ブロック24では逆量子化と逆正規化の処理が行われるが、トナーセーブモードが指定された場合の逆正規化の処理フローを図33、図34に示す。逆正規化処理は全コンポーネントの全係数に対して行われる。なお、トナーセーブをしないノーマルモードが指定された場合には、図33、図34においてS1,S5,S6,S7からなる処理ループで逆正規化処理が行われる。
地合良好タイル用の逆正規化の処理フローを示す図33を参照する。注目係数に対応した標準の正規化分母値Qを標準正規化分母テーブル222より取得する(S1)。注目係数が輝度コンポーネントの低周波サブバンドであるLLサブバンドの係数でないならば(S2,No)、標準の正規化分母値Qを注目係数値xに乗算し、注目係数を逆正規化する(S5)。
注目係数がLLサブバンドの係数であるならば(S2,Yes)、注目係数が輝度コンポーネントならば地合良好タイル用の輝度用正規化分母補正テーブル223’より、注目係数が色差コンポーネントならば地合良好タイル用の色差用正規化分母補正テーブル224’より、注目係数値xに対応した正規化分母補正値Q’を読み込み(S3)、S1で取得した正規化分母値Qを正規化分母補正値Q’に置き換え(S4)、置き換え(補正)後の正規化分母値Qを注目係数値xに乗算することにより注目係数を逆正規化する(S5)。
注目係数を次の係数へ移動させ(S7)、S1に戻る。注目係数を順次移動しながら同様の逆正規化処理を繰り返し、全コンポーネントの全ての係数が処理済みとなると(S6,Yes)、処理を終わる。
処理ブロック24によって処理後の各コンポーネントの係数に対し処理ブロック25でタイル毎に逆ウェーブレット変換が実行され、次に処理ブロック26でDC逆レベルシフト及び逆色変換が施されることにより元のRGB表色系の前景、背景データが再生される。
図34は、地合粗悪タイル用の逆正規化の処理フローを示す図である。ここで、S1,S2,S4,S5,S6,S7は、図33における処理と同じである。ここでは、S3において、注目係数が輝度コンポーネントならば地合粗悪タイル用の輝度用正規化分母補正テーブル223’’より、注目係数が色差コンポーネントならば地合粗悪タイル用の色差用正規化分母補正テーブル224’’より、注目係数値xに対応した正規化分母補正値Q’を読み込む点のみ異なる。
図35は、輝度用正規化分母補正テーブル223に格納されている正規化分母補正値と輝度コンポーネントのLLサブバンド係数の値との関係を表すグラフである。図35(a)は、図35の地合良好タイル用の輝度用正規化分母補正テーブル223’の具体例である。図示のように、係数値の全域で正規化分母補正値は標準の正規化分母値(標準値)より大きくなるように補正されるが、小さい係数値cに対する補正度合Cの方が大きい係数値dに対する補正度合Dより大きい、つまりC>Dの関係の補正特性となっている。
このような補正特性の正規化分母補正値を、上述の輝度コンポーネントのLLサブバンド係数の逆正規化に用いるため、DC逆レベルシフト及び色逆変換後の前景と背景は、全体的に明るく淡い(薄い)画像となる。よって、合成される文書画像データの絵柄部分は明るく淡い画像となるため、印刷時の色材の消費が節減される。前景と背景のLLサブバンド以外のサブバンドの係数は補正されないため、文書画像の絵柄部分の輪郭などはかなり保存され、絵柄部分の内容は十分に識別可能である。
なお、前記実施例4に関連しても述べたが、図32に示すように、デコンポジションレベル数=2の場合、LLサブバンドの係数の個数は全係数(総画素数)の16分の1と少ないため、前記実施例1のように逆ウェーブレット変換後の輝度コンポーネントの全画素を補正する場合に比べ、補正のための処理量が大幅に減少し処理の高速化に有利である。この利点はデコンポジション数が大きいほど顕著である。例えばN=3の場合、LLサブバンド係数の個数は全係数の64分の1となるので、さらに補正処理は高速化される。
図35(b)は、図34の地合粗悪タイル用の輝度用正規化分母補正テーブル223’’の具体例である。同様に、補正前の小さい係数値cに対する補正度合C’の方が、補正前の大きい係数値dに対する補正度合D’より大きい、つまりC’>D’の関係の補正特性となっている。
図35(a),(b)の正規化分母補正テーブルは、トナーセーブにより文字が読めなくなったり、前景や背景の内容が分からなくなったりしないようなテーブルを実験により求めたものである。よって、機種によってテーブルの形は変わる。
図35(c)は、前景部と背景部における、正規化分母補正(輝度成分)の補正後の正規化分母の値の関係を表すグラフである。補正前の係数値が同じならば、地合良好タイルの場合の方が、地合粗悪タイルの場合よりも補正の度合が大きい。つまりC>C’、D>D’の関係が成立するような補正グラフとする。
図36は、色差用正規化分母補正テーブル224に格納されている係数値と正規化分母補正値の関係を示すグラフである。図36(a)は、図33の地合良好タイル用の色差用正規化分母補正テーブル224’の色差成分の具体例である。図示のように、係数値の全域で正規化分母補正値は標準の正規化分母値(標準値)より小さくなるよう補正されるが、絶対値の小さい係数値eに対する補正度合Eより絶対値の大きい係数値fに対する補正度合Fが大きい、つまりF>Eの関係の補正特性となっている。このような正規化分母補正値を、上述の色差コンポーネントのLLサブバンド係数の逆正規化に用いるため、色差が圧縮される。したがって、処理ブロック25により逆ウェーブレット変換した色差コンポーネントは色味の弱い画像となる。
図36(b)は、図34の地合粗悪タイル用の色差用正規化分母補正テーブル224’’の具体例である。同様に、補正前の小さい係数値eに対する補正度合E’より、補正前の大きい係数値fに対する補正度合F’が大きい、つまりF’>E’の関係が成立する補正グラフとする。
図36(c)は、前景部と背景部における、正規化分母補正(色差成分)の補正後の正規化分母の値の関係を表すグラフである。補正前の係数値が同じならば、地合良好タイルの場合の方が、地合粗悪タイルの場合よりも補正の度合が大きい。つまりE>E’、F>F’の関係が成立する補正グラフとなるようなテーブルにする。
以上から、処理ブロック26によりDC逆レベルシフト及び色逆変換後の前景と背景は、全体的に明るく色味の弱い淡い画像となる。よって、合成される文書画像データの絵柄部分は明るく色味の少ない淡い画像となるため、印刷時の色材の消費が節減される。前景と背景のLLサブバンド以外のサブバンドの係数は補正されないため、文書画像の絵柄中の輪郭などはかなり保存され、絵柄部分の内容は十分に識別可能である。
図30に関連して述べたように、補正のための処理量が大幅に減少し処理の高速化に有利である。
また、本実施例では、LL成分について処理をするという構成にしたが、それに限らず所定のデコンポジションレベル以上の他の係数(LHサブバンド、HLサブバンド、HHサブバンド)につき補正をするという構成にしてもよい。
また、図19に示すように、本実施例でも、復号後の画像の輝度値はどの色成分であっても、同じ位置の画素であれば、
ノーマルモード時の輝度値 < 地合粗悪タイルの場合の輝度値 < 地合良好タイルの場合の輝度値
の関係になる。
以上のように、本実施例では補正後の輝度コンポーネントの係数値を高輝度側へ補正し、色差コンポーネントの係数値を圧縮させて画像を生成することにより、トナーセーブ又はインクセーブ効果が奏される。また、地合良好タイルの場合の方が、地合粗悪タイルの場合よりも補正の度合(トナーセーブ度合)を大きくすることにより、地合粗悪タイルの場合に生じ得るムラを抑制することができる。さらに、輝度コンポーネントと色差コンポーネントのLL係数だけを補正することにより、処理時間が短縮される。
図37は、本発明に係る複写機のハードウェア構成の一例を示す。図37において、801はCPU、802は制御や処理のためのプログラムが格納されたROM、803はCPU801の作業記憶域や実行プログラムの記憶域等として利用されるRAMである。804は文書の原稿を光学的に読み取って文書画像データ(ラスターデータ)を入力する画像入力部、805は画像入力部804より入力された文書画像データから前景、マスク、背景からなる構造化文書の符号を生成する符号化部、806は構造化文書符号等を保存するためのハードディスク装置のような画像保存部である。807は復号部、808は画像出力部であり、これは図6中の画像処理部103に対応した画像処理部809と図6中の作像部104に対応した作像部910からなる。811(図38参照)はユーザーが各種の指示を入力するための操作部である。
復号部807は図7中の前景復号部110(トナーセーブ処理手段101を含む)、マスク復号部111、背景復号部112(トナーセーブ処理手段101を含む)からなるものである。図7の合成処理部113の機能は、CPU801のプログラム処理によって実現される。ただし、合成処理部113の機能を画像処理部809に含めることも可能であり、かかる態様も本実施形態に包含される。
ユーザーは、操作部811を利用し、画像保存部806に保存されている構造化文書符号を指定し、その印刷を指示することができる。この際に、ユーザーはトナーセーブモードとトナーセーブをしないノーマルモードの指定も行うことができる。
印刷指示が入力されると、CPU801からの命令により画像保存部806から指定された構造化文書符号がRAM803へ転送される。CPU801からの命令によりRAM803上の構造化文書符号が復号部807へ転送され、前景、マスク及び背景が復号される。トナーセーブモードが指定されている場合にはCPU801により前景復号部および背景復号部内のトナーセーブ処理手段が有効にされるため、前景および背景に対しトナーセーブ処理が施される。復号された前景、マスク、背景のデータはRAM803へ転送される。この前景、マスク、背景のデータから文書画像データを合成する処理がCPU801のプログラム処理によって実行され、RAM803上に文書画像データが再生される。この文書画像データは、CPU801からの命令により画像処理部809へ転送されて処理され、プリント信号が作像部810へ出力されることにより、構造化文書符号から再生された文書画像データが印刷される。トナーセーブモードが指定された場合には、前景、背景に対し前述のようなトナーセーブ処理が施されるため、作像部810の色材の消費が抑えられる。
<実施例6>
本実施例では、トナーセーブ画像を生成するにあたり、ユーザーが用紙の地合の度合を選択することができる。
図38は、画像出力装置の操作部811の一例である。
「コピー」ボタンを押せば通常のコピー動作を行う。一方、「印刷」ボタンを押すとトナーセーブモードとなり、画像入力部804から画像処理部809に画像データを渡すのを止めて、画像保存部806に保存されている画像のリストを出す。ユーザーは、印刷したい画像(ここでは、3の画像)を選択し、「決定」ボタンを押す。すると選択手段である操作部811の画面911は用紙の地合の選択を要求するので、ここでは「自動(タイル)」を選択し、「決定」ボタンを押す。すると制御部820は、画像保存部806からユーザーが選択した画像を復号部807に送る。また、制御部は画像出力部102から用紙のタイル毎の地合に関する情報を取得し、復号部807に送る。復号部807は、制御部から送られてきたパラメータを用いて、JPM形式の画像からRGBの画像に復号化する(図14参照)。復号化された画像は画像出力部102で印刷される。
図39は、ユーザーが操作部811でトナーセーブモードを指定する場合の説明図である。
ユーザーは、操作部811でフルカラー、モノクロ又はトナーセーブモードを指定することもできる。トナーセーブモードを指定すると、用紙の地合を選択する画面が現れる。自動(タイル)を指定すると、用紙のタイルの地合が判定され、実施例1,2,3,4又は5に示した方法が実施され、用紙のタイルの地合によらず良好なトナーセーブ画像が生成される。一方、自動(全面)を指定すると、画像全体の地合が判定される。
<実施例7>
図40は、本発明に係るプログラム(ソフトウェア)の説明図である。
本プログラム(ソフトウェア)によれば、ユーザーは、図39において用紙の地合の選択ボタンで「良好」、「粗悪」、「自動(全面)」、「自動(タイル)」のいずれかを選択した後、前景、背景又は前景と背景のボタンを押すことでトナーセーブする部分を選択することができる。次に、「印刷」ボタンを押すことで、用紙の地合が考慮されたトナーセーブ画像が出力される。
なお、前記実施例では、用紙の地合判定を良好・粗悪の2種類で判定したがこれに限らず、3種類以上に判定して、それに応じたトナーセーブ度合の制御をしてもよい。また、用紙の地合の程度を連続的な数値として捉えて判定し、それに応じた制御をしてもよい。また、用紙の地合が同じであれば、前景(文字色)より背景(絵柄部)のトナーセーブ度合を大きくしてもよい。また、用紙の地合が極端に悪ければ、前景をトナーセーブせずに、背景のみトナーセーブしてもよい。
100 文書画像再生処理手段
102 画像出力手段
136 CPU(地合測定手段)
101 トナーセーブ処理手段
特開2007−235679号公報

Claims (13)

  1. 前景、マスク及び背景の組からなる構造化文書の符号から、前景、マスク及び背景を復号し、復号されたマスクに従って復号された前景と背景を合成することにより文書画像データを再生する文書画像再生処理手段と、
    前記文書画像再生処理手段により再生された文書画像データを色材を用いて媒体に印刷する画像出力手段と、
    前記媒体を透過した光束を用いて得られる透過画像をタイル分割し、タイル単位で前記媒体の地合を測定することができる地合測定手段とを有し、
    前記文書画像再生処理手段は、構造化文書の符号から再生される文書画像データを前記画像出力手段により色材の消費を抑えて印刷可能なものにするためのトナーセーブ処理を、該構造化文書の前景及び背景に対し施すトナーセーブ処理手段を含み、
    前記トナーセーブ処理手段は、1つの媒体中においてもタイル単位で前記媒体の地合に応じて色材の消費を抑えるトナーセーブ度合を制御し、地合粗悪タイルでは地合良好タイルに比べて前記トナーセーブ度合を小さくすることを特徴とする画像出力装置。
  2. 前記地合測定手段は、タイルの輝度の標準偏差を算出し、該標準偏差が小さいタイルは前記地合良好タイルと判定し、該標準偏差が大きいタイルは前記地合粗悪タイルと判定することを特徴とする請求項1に記載の画像出力装置。
  3. 前記地合測定手段は、タイル毎に媒体をウェーブレット変換し、低周波帯域斜め方向のサブバンドのウェーブレット係数の平均値を算出し、該平均値が小さいタイルは前記地合良好タイルと判定し、該平均値が大きいタイルは前記地合粗悪タイルと判定することを特徴とする請求項1に記載の画像出力装置。
  4. 前記地合測定手段は、タイル毎に前記媒体をウェーブレット変換し、低周波帯域斜め方向のサブバンドのウェーブレット係数の中央値を算出し、該中央値が小さいタイルは前記地合良好タイルと判定し、該中央値が大きいタイルは前記地合粗悪タイルと判定することを特徴とする請求項1に記載の画像出力装置。
  5. 構造化文書の前景及び背景の符号は、輝度、色差の各コンポーネント別に符号化された符号であり、前記トナーセーブ処理手段は、前景及び背景の符号の復号過程において、輝度コンポーネント及び/又は色差コンポーネントに対し前記トナーセーブ処理を施すことを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の画像出力装置。
  6. 前記トナーセーブ処理は、前景及び背景の符号の復号過程において、輝度コンポーネントの画素値を増大させる側へ補正する処理であって、該補正する処理において小さい画素値に対する補正の度合が大きい画素値に対する補正の度合より大きいことを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の画像出力装置。
  7. 構造化文書の前景及び背景の符号は、輝度、色差の各コンポーネント別にサブバンド分割された符号であり、
    前記トナーセーブ処理は、前景及び背景の符号の復号過程において、輝度コンポーネントの低周波サブバンドの係数値を増大させる側へ補正する処理であって、該補正する処理において小さい係数値に対する補正の度合が大きい係数値に対する補正の度合より大きいことを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の画像出力装置。
  8. 構造化文書の前景及び背景の符号は、輝度、色差の各コンポーネント別に階層的にサブバンド分割された符号であり、
    前記トナーセーブ処理は、前景及び背景の符号の復号過程において、輝度コンポーネントの所定階層以上の階層のサブバンドの係数値を増大させる側へ補正する処理であって、該補正する処理において小さい係数値に対する補正の度合が大きい係数値に対する補正の度合より大きいことを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の画像出力装置。
  9. 構造化文書の前景及び背景の符号は、輝度、色差の各コンポーネント別にサブバンド分割され、各サブバンドの係数値に正規化が施された符号であり、
    前記トナーセーブ処理は、前景及び背景の符号の復号過程において、輝度コンポーネントの低周波サブバンドの係数値に対する逆正規化に用いる正規化分母値を標準値より増大させる側へ補正する処理であって、該補正する処理において小さい係数値に対する逆正規化に用いる正規化分母値の補正の度合が、大きい係数値に対する逆正規化に用いる正規化分母値の補正の度合より大きいことを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の画像出力装置。
  10. 前記媒体の地合判定を画像全体で行うか、タイルに分割してタイル毎に行うかを選択する選択手段を含むことを特徴とする請求項1〜9のうちのいずれか一項に画像出力装置。
  11. 前記地合粗悪タイルでは、前景に対してトナーセーブ処理を施さず、背景に対してだけトナーセーブ処理を施すことを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の画像出力装置。
  12. 請求項1〜11のうちのいずれか一項に記載の前記文書画像再生処理手段としてコンピュータを機能させるプログラム。
  13. 請求項1〜11のうちのいずれか一項に記載の前記文書画像再生処理手段としてコンピュータを機能させるプログラムが記録された、コンピュータが読み取り可能な情報記録媒体。
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