JP2014078444A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Abstract

【課題】信頼性の高い有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する。
【解決手段】有機エレクトロルミネッセンス素子は、基板1の表面に、第1電極2と有機発光層3と第2電極4とを有する有機発光体8が形成され、有機発光体8は、有機発光体8を収納する収納凹部5を有し基板1に接着される対向基板6によって覆われて封止されている。対向基板6には、平面視において収納凹部5の底面6aが形成されている位置に、有機発光体8を不良化させる不良化荷重以上の荷重が加わった際に破壊される荷重破壊構造7が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
近年、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」ともいう)が照明パネルなどの用途に応用されている。有機EL素子は、透光性の第1電極(陽極)と、有機発光層を含む複数の層により構成される有機発光体と、第2電極(陰極)とが、この順で透光性の基板の表面に積層形成されたものが知られている。有機EL素子では、陽極と陰極の間に電圧を印加することによって、有機発光体で発した光が透光性の電極及び基板を通して外部に取り出される。
国際公開第2008/120314号
図10(a)は、従来の有機EL素子の一例を示す断面図である。この有機EL素子は、基板1の表面に、第1電極2と有機発光層3と第2電極4とを有する有機発光体8が形成されたものである。有機発光体8は、基板1に接着される対向基板6によって覆われて封止されている。対向基板6は、有機発光体8を収納する収納凹部5を有している。有機発光体8は収納凹部5に収納され封止されている。封止された収納凹部5は、空洞となった中空構造となっており、有機EL素子は中空封止構造を備えている。
対向基板6が基板1に接着された後の有機EL素子は、回路や筐体を取り付けたり、輸送や梱包、据え付けたりされて使用される。回路や筐体の取り付け、輸送、梱包、据付等の工程では、対向基板6に素子の外側から荷重が印加されることがある。図10(a)のような中空封止構造を備える有機EL素子では、対向基板6に素子の外側から荷重が加わると、対向基板6が基板1側に撓むことがある。そして、図10(b)に示すように、対向基板6が撓んで有機発光体8に接触すると、有機発光体8が変形したり破壊されたりするおそれがある。近年の有機EL素子は薄く大面積化しており、有機EL素子が大きくなればなるほど、対向基板6の中心部は撓みやすく有機発光体8に接触しやすくなる。図10(c)は有機発光体8が凹んで変形した後、対向基板6への荷重がなくなった状態の一例である。
有機発光体8が破壊されてしまうと、その部分で発光が生じなくなり発光不良になるおそれがある。また、有機発光体8が凹んで変形すると、第1電極2と第2電極4とが直接接触してしまったりして、短絡が生じショート不良が発生するおそれがある。また、有機発光体8の変形により電極間距離が小さくなった部分では、通電の際に激しい発熱が生じて、熱に弱い有機発光体8が劣化し、発光性能が低下するおそれがある。このように、中空封止構造を備える有機EL素子では、対向基板6に荷重が加わった際に、対向基板6が撓んで有機発光体8が変形したり破壊されたりして、発光性能の低下やショート不良等の発光不良が発生するおそれがある。また、対向基板6には収納凹部5の底面6a(基板1側の表面)に、素子に浸入した水分を吸湿する乾燥材が設けられることがある。この場合、対向基板6が変形した際に乾燥材が有機発光体8に接触しやすくなり、さらに、発光性能の低下やショート不良等の発光不良を招いてしまうおそれがある。
そこで、発光不良のおそれのある有機EL素子が市場に流出しないよう、対向基板6に有機発光体8が変形してしまうような荷重以上の荷重が加えられた有機EL素子をそれ以外の有機EL素子と区別することが求められている。ところが、図10(c)に示すように、対向基板6の撓みが解消された後では、たとえ有機発光体8が素子の内部で凹んで変形していたとしても、対向基板6に荷重が加えられた痕跡を外観から見出すことは難しい。そのため、発光不良が生じるおそれのある有機EL素子と正常な有機EL素子とを見分けることは難しくなり、発光不良が発生しやすい有機EL素子が市場に流出するおそれがある。
これまでにも、発光不良が生じ得る有機EL素子と正常な素子とを区別する方法が開発されている。例えば、特許文献1には、紫外線を照射して発光不良を発生させる欠陥を有する有機電解発光素子を検出する方法が開示されている。しかしながら、この方法では、装置を用いて検査を行わなければ発光不良が生じる可能性を判断することができず効率が悪い。
本発明の目的とするところは、発光不良の生じるおそれのある素子を目視で簡単に確認することができ、不良品を市場に流出することを抑制することができる信頼性の高い有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることにある。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、基板の表面に、第1電極と有機発光層と第2電極とを有する有機発光体が形成され、前記有機発光体は、前記有機発光体を収納する収納凹部を有し前記基板に接着される対向基板によって覆われて封止されている有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記対向基板には、平面視において前記収納凹部の底面が形成されている位置に、前記有機発光体を不良化させる荷重以上の荷重が加わった際に破壊される荷重破壊構造が形成されていることを特徴とするものである。
前記荷重破壊構造は、前記対向基板の前記基板側の表面に設けられた溝部により形成されていることが好ましい。
前記荷重破壊構造は、前記対向基板の前記基板と反対側の表面に設けられた溝部により形成されていることが好ましい。
前記荷重破壊構造は、前記対向基板の板厚を一部薄くすることで形成されていることが好ましい。
前記荷重破壊構造は、平面視における前記収納凹部の底面の略中心の位置に少なくとも形成されていることが好ましい。
前記対向基板の前記収納凹部の底面に乾燥材が設けられており、前記荷重破壊構造は、前記対向基板の平面視において前記乾燥材が設けられている位置に少なくとも形成されていることが好ましい。
前記荷重破壊構造は、前記対向基板の平面視において前記収納凹部の底面が形成されている全域に形成されていることが好ましい。
本発明によれば、荷重破壊構造が形成されていることにより、発光不良の生じるおそれのある素子を対向基板の破壊により簡単に見分けて市場への流出を抑制することができるので、信頼性の高い有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることができる。
有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す断面図であり、(a)は荷重が加わる前の状態を示しており、(b)は荷重が加わった後の状態を示している。 対向基板の形態の一例を示す底面図である。 (a)は有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す断面図であり、(b)は(a)で用いた対向基板の平面図である。 (a)は有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す断面図であり、(b)は(a)で用いた対向基板の平面図である。 (a)は有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す断面図であり、(b)は(a)で用いた対向基板の平面図である。 (a)は有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す断面図であり、(b)は(a)で用いた対向基板の底面図である。 (a)は有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す断面図であり、(b)は(a)で用いた対向基板の平面図である。 (a)は有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す断面図であり、(b)は(a)で用いた対向基板の平面図である。 (a)は有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す断面図であり、(b)は(a)で用いた対向基板の平面図である。 従来の有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図であり、(a)は荷重が加わる前の状態、(b)は荷重が加わっている状態、(c)は荷重が加わった後の状態を示している。
図1(a)は、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」ともいう)の実施形態の一例を示す断面図である。図2は、図1(a)の有機EL素子に用いた対向基板6の底面図であり、対向基板6を基板1側から見た様子を示している。
図1(a)に示すように、有機EL素子は、基板1の表面に、第1電極2と有機発光層3と第2電極4とを有する有機発光体8が形成されたものである。有機発光体8は、基板1に接着される対向基板6によって覆われて封止されている。対向基板6は、有機発光体8を収納する収納凹部5を有している。本形態では、収納凹部5が空洞となって封止されており、有機EL素子は中空の内部に有機発光体8が封止された中空封止構造を備えている。本形態では、対向基板6には、荷重破壊構造7が形成されている。
基板1は、光透過性を有する透明な基板1であることが好ましく、ガラス基板や透明樹脂基板などを用いることができる。基板1をガラス基板で構成した場合、ガラスは水分の透過性が低いので、封止領域の内部に水分が浸入することを抑制することができる。基板1の表面における第1電極2との界面には、光取り出し層が設けられていてもよい。光取り出し層が設けられることにより、光取り出し性を高めることができる。光取り出し層は、ガラスよりも屈折率の高い樹脂層や、光散乱粒子を含む樹脂層や、高屈折率ガラスなどによって形成することができる。本形態では、基板1は、矩形状のものが用いられている。
有機発光体8は、第1電極2、有機発光層3及び第2電極4の積層体である。第1電極2、有機発光層3、第2電極4はこの順で基板1の表面に形成されている。有機発光体8の設けられる領域は、平面視(基板表面に垂直な方向から見た場合)において、基板1の中央部の領域である。有機EL素子では、平面視における有機発光体8が設けられた領域が発光領域となる。
第1電極2及び第2電極4は、互いに対となる電極であり、一方が陽極を構成し、他方が陰極を構成する。本形態では、第1電極2により陽極を構成し、第2電極4により陰極を構成することができるが、その逆であってもよい。第1電極2は光透過性を有する電極として構成することができ、その場合第1電極2は光取り出し側の電極にすることができる。第1電極2は、透明な導電層によって形成することができる。導電層の材料としては、ITO,IZOなどが例示される。また、第2電極4は光反射性を有していてもよい。その場合、第2電極4側に向かって発せられる有機発光層3からの光を第2電極4で反射させて基板1側から取り出すことができる。第2電極4は、例えば、AlやAgなどにより形成することができる、第1電極2及び第2電極4の膜厚は、特に限定されるものではないが、例えば、10〜300nm程度にすることができる。
有機発光層3は、発光を生じさせる機能を有する層であり、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、中間層などから適宜選ばれる複数の機能層によって構成されるものである。本形態では、基板1側の電極である第1電極2を陽極として、第1電極2に対向する電極である第2電極4を陰極として設けることができる。この場合、発光層を挟んで第1電極2に近いプラス側に正孔輸送層を設け、第2電極4に近いマイナス側に電子輸送層を設けることができる。発光層は、発光材料を含有する層である。有機発光層3の各層は、有機分子で構成することができる。有機EL素子が有機発光層3を有することにより、低電圧、低電流で駆動することが可能となる。これにより、有機EL素子を供給電力に対して発光輝度が大きく、発光効率がよい光源として得ることができる。有機発光層3の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、60〜300nm程度にすることができる。
有機発光体8の構造は、上述した構造に限るものではなく、さらなる機能層を含んでもよいし、中間層を含まなくともよく、適宜の構造であってよい。
有機EL素子では、第1電極2と第2電極4とに電圧を印加し、有機発光層3(発光材料含有層)において正孔と電子を結合させて発光を生じさせる。そのため、第1電極2及び第2電極4のそれぞれと導通する電極を基板端部に引き出して設ける必要がある。引き出された電極は、外部電極と電気的に接続するための端子となるものである。本形態では、対向基板6を平面視において基板1よりも小さくして、基板1の表面端部に、第1電極2及び第2電極4と導通する電極引き出し部12を設け、有機発光層8に電圧を印加できるようにしている。電極引き出し部12は、第1電極2と導通する第1電極引き出し部12aと、第2電極4と導通する第2電極引き出し部12bとによって構成されている。なお、図1(a)の断面図では、素子構成がわかりやすいように、右側に第1電極引き出し部12aの端部を記載し、左側に第2電極引き出し部12bの端部を記載している。電極引き出し部12は、第1電極2を構成する導電層によって形成されるものであってよい。
また、第2電極4上に防湿膜(保護膜)を施してもよい。それにより、有機EL素子の耐湿性、耐圧性を高め、信頼性を向上することができる。すなわち、防湿膜により、有機発光層3に水分が浸入するのを抑制することができる。また、防湿膜は、対向基板6がもし撓んだとしても有機発光体8が変形しないように保護する層として機能することができる。防湿膜としては、無機物(Siなど)やその酸化物、窒化物などの材料を用いてもよいし、樹脂材料を用いてもよい。防湿膜は、例えば、蒸着、CVD、スパッタ、イオンビーム援用蒸着、ALDなどで成膜することができる。この場合、第2電極4の成膜から真空で一貫して簡単に防湿膜を形成することができる。このときの防湿膜の厚みは、20〜300nm程度にすることができる。また、防湿膜は、樹脂材料を用いた場合、スリットコート、ディスペンス、スクリーン印刷、メタルマスク等などで成膜することができる。このときの防湿膜の厚みは、10〜50μm程度にすることができる。
対向基板6は、有機発光体8を封止して、有機EL素子の電気化学的、機械的耐久性を向上させるものである。
対向基板6は、ガラスや樹脂などの透明部材や、金属材料を用いて形成することができる。ガラスとしては、ソーダーガラス、無アルカリガラス等を挙げることができ、金属材料としては、ステンレス、アルミ等を挙げることができる。これらの中で、対向基板6はガラスを用いたガラス基板で構成されることが好ましい。ガラス基板を用いることにより、水分が浸入することを高く抑制することができると共に、対向基板6に簡単に加工を施して荷重破壊構造7を設けることができる。
対向基板6としては、有機発光体8を収納する収納凹部5が表面に設けられた対向基板6を用いることができる。いわゆるキャップ状の対向基板6である。収納凹部5を設けた対向基板6を用いることにより、有機発光体8を密封性よく封止することができる。対向基板6には収納凹部5が設けられるとともに、有機発光体8の外周を側方で取り囲むための側壁部6bが設けられている。側壁部6bは下面で基板1に接触することができるものであり、側壁部6bの下面は樹脂等を塗布することができる平面となっている。本形態では、対向基板6は、平面視において矩形状のものが用いられている。
対向基板6は、基板1に接着されている。対向基板6を基板1に接着するには、接着材料を用いてよい。接着材料としては、樹脂性の接着材料を用いることができる。接着材料は防湿性を有しているものが好ましい。たとえば、接着材料は無機フィラーを含有することが好ましい。接着材料が無機フィラーを含有することで、水分の透過率を低くすることができ、接着材料の防湿性を高めることができる。また、接着材料は、防湿性を高めるために乾燥材を含有することも好ましい。樹脂性の接着材料としては、光硬化型接着性樹脂や、熱硬化型接着性樹脂、2液硬化型接着性樹脂、熱可塑性接着性樹脂等を用いることができる。光硬化型接着性樹脂としては、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂などを挙げることができる。また、熱可塑性接着性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの酸変性物などを挙げることができる。また、接着材料としてフリット材料を用いることができる。フリット材料としては適宜のフリット材を用いることができる。対向基板6と基板1とをフリット材料で接着することにより、有機EL素子の気密性を高めて水分の浸入を抑制し、有機発光体8の水分による劣化を抑制して素子を高寿命化することができる。接着材料は、その粘度や接着させた際に求められる膜厚に応じて、適宜の方法で接着面に塗布することができる。接着材料の塗布部位は、基板1及び対向基板6の一方か、あるいはその両方であってよい。接着材料を塗布する方法は、具体的には、ロールコート、スピンコート、スクリーン印刷、スプレーコート、スリットコート、スキージ塗布等の印刷法や、ディスペンスによる描画塗布等の方法を用いることができる。
対向基板6は、有機発光体8の外周を取り囲む領域で基板1に接着することができる。それにより、基板1と対向基板6とを外周に亘って接着し、有機発光体8を密封性高く封止して外部から遮断することができる。有機発光体8の封止によって、収納凹部5の空間には封止空間が設けられる。本形態の有機EL素子では、この封止空間は充填剤などの固体材料が充填されておらず、空洞となった中空構造となっていて、有機EL素子は中空封止構造を備えるものとなっている。封止空間には、不活性ガスを充填することが好ましい。不活性ガスを充填することにより有機発光体8の劣化を抑制することができる。不活性ガスとしては窒素や希ガス(ヘリウム、アルゴンなど)を挙げることができる。
有機EL素子においては、封止空間に乾燥材11を設けることができる。これにより、封止空間に水分が浸入したとしても乾燥材11により浸入した水分を吸収することができる。乾燥材11は、封止空間内の適宜の場所に設けられてよいが、収納凹部5の底面6aに設けられることが簡単で好ましい。乾燥材11は、底面6aの外周部に設けられることが好ましい。これにより、乾燥材11で対向基板6が撓んだとしても、凹み幅の大きい中央部ではなく凹み幅の小さい外周部に乾燥材11を設けることにより、乾燥材11、あるいは対向基板6が有機発光体8に接触して有機発光体8を不良化することを抑制することができる。また、乾燥材11は、矩形状の底面6aの隅部に設けることがさらに好ましい。それにより、乾燥材11の接触をより抑えることができる。図2では、乾燥材11は隅部に設けられており、乾燥材11が設けられる位置を二点鎖線で囲まれる領域で示している。乾燥材11としては、CaO、ゼオライト等の吸湿材料が練りこまれた部材を用いてもよく、樹脂に乾燥剤や吸湿材料等を混合したものを用いてもよい。このとき、樹脂は、エポキシ樹脂等の適宜の樹脂を用いることができる。乾燥材11は、使用する材料や乾燥材11の厚みに応じて貼り付けたり塗付したりして対向基板6の底面6aに設けることができる。なお、図1では、乾燥材11を図示していないが、図1の形態に乾燥材11を設けてももちろんよい。また、後述の各形態においても乾燥材11を設けてももちろんよい。
対向基板6の収納凹部5の深さ(側壁部6bの下面から収納凹部5の底面6aまでの距離)は、有機発光体8の厚みよりも厚いことが好ましい。それにより、対向基板6を有機発光体8に接触させずに封止を行うことができる。収納凹部5の深さは、対向基板6の材質や厚みに応じて適宜設定することができ、例えば0.1〜1mmにすることができ、0.5mm程度であってよい。
図1(a)に示すように、本形態の有機EL素子では、対向基板6は、平面視において収納凹部5の底面6aが形成されている位置に、有機発光体8を不良化させる荷重以上の荷重が加わった際に破壊される荷重破壊構造7が形成されている。そして、図1(a)に示すような荷重が加えられる前の素子に、有機発光体8を不良化する荷重以上の荷重が加えられると、図1(b)に示すように、荷重が印加された部分を中心に荷重破壊構造7が破壊される。これにより、発光不良が発生するおそれのある有機EL素子を目視で簡単に選別することができ、特別な装置を用いずとも不良品が市場へ流出することを抑制して、有機EL素子の信頼性を容易に高めることができる。ここで、有機発光体8を不良化させる荷重(不良化荷重)とは、その荷重が印加されたことにより対向基板6が撓んで有機発光体8を変形させたり破壊したりする最低限の荷重を意味する。対向基板6は不良化荷重未満の荷重で破壊されないよう、対向基板6の材質や厚み、乾燥材11の厚みや乾燥材11が設けられる位置、底面6aの面積等に応じて強度計算等が行われ、許容荷重が設定される。許容荷重とは、印加しても対向基板6が破壊されない荷重のうちできるだけ大きい荷重であり、つまり、不良化荷重未満の範囲でできるだけ大きい荷重である。
図1及び図2で示すように、荷重破壊構造7は、対向基板6の基板1側の表面に設けられた溝部10により形成されていることが好ましい一形態である。これにより、対向基板6に荷重破壊構造7を簡単に設けて、信頼性の高い有機EL素子を容易に得ることができる。また、荷重破壊構造7を素子の内部に設けることにより、不良化荷重以上の荷重が印加された際に荷重破壊構造7を容易に破壊することができると共に、有機EL素子の表面に凹凸を減らして、有機EL素子の利便性や取り扱い性を高めることができる。また、溝部10が対向基板6の内側に設けられるので、溝部10を対向基板6の外側に設ける場合よりも外観を向上することができる。
溝部10は、対向基板6の表面が溝状に切り込まれて形成されている。それにより、対向基板6は溝部10の位置で壊れやすくなり、対向基板6に荷重破壊構造7を設けることができる。溝部10は、一つ又は複数の線状の溝10aで設けられるものであってよい。本形態では、複数の溝10aにより溝部10が構成されている。それにより、荷重破壊構造7の感度を高くすることができる。溝10aはスリット状のものであってよい。
溝10aは、直線状であってもよいし、曲線状であってもよいが、直線状であることが好ましい。これにより、対向基板6に簡単に溝10aを形成して、容易に荷重破壊構造7を設けることができる。溝10aの深さや幅は、強度計算等によって設定された許容荷重に応じて適宜設定することができる。例えば、溝10aの深さは底面6aにおける対向基板6の板厚みの半分以下であってよく、又は1/3以下であってよく、もしくは1/4以下であってよい。また、溝10aの幅は溝10aの深さより小さく形成されてよく、例えば、幅は深さの1倍以下であってよく、又は1/2以下であってよく、もしくは1/5以下であってよい。溝10aの断面形状は、適宜設定してよく、三角形状であってもよいし、矩形状であってもよいし、台形状でもあってもよいし、半円状であってもよい。また、溝10aは、先細りした切り込み状に設けられて、奥に向かって幅細となる適宜の断面形状であってよい。溝10aは、延伸する方向に略同一の断面形状で対向基板6に設けられることが好ましい。つまり、略一定の深さ及び略一定の幅を有する溝10aで設けられることが好ましい。これにより、簡単に溝10aを形成して荷重破壊構造7を設けることができるとともに、不用意に対向基板6が破壊されることを抑制し、信頼性のより高い有機EL素子を得ることができる。
溝部10は、複数の溝10aで設けられていることが好ましい。これにより、不良化荷重が印加されたことを感度高く感知して荷重破壊構造7が破壊され、信頼性のより高い有機EL素子を得ることができる。溝部10は、同じ形状の複数の溝10aで設けられていることが好ましい。これにより、荷重破壊構造7を対向基板6に同じ形状の溝10aで簡単に設けることができ、信頼性が高い有機EL素子を簡単に得ることができる。溝部10は、複数の溝10aが等間隔に形成されて設けられていることが好ましい。これにより、荷重破壊構造7を対向基板6により均一に設けることができ、不良化荷重に対して壊れやすくすることができるとともに、許容荷重を高めることができ、信頼性の高い有機EL素子を得ることができる。
図2で示すように、溝部10は、複数の直線状の溝10aが縦横に等間隔に配置されて格子状に設けられて形成されることが好ましい一形態である。これにより、対向基板6に不良化荷重以上の荷重が印加された際、荷重印加点を中心に荷重破壊構造7が破壊されやすくなり、発光不良のおそれのある有機EL素子を見分けやすくして、有機EL素子の信頼性を高めることができる。また、荷重破壊構造7は溝部10が対称な模様を形成して設けられていることが好ましい。これにより、荷重破壊構造7を面内に均一に設けて不良化荷重に対して破壊されやすくすると共に、許容荷重を高めることができ、より信頼性の高い有機EL素子を得ることができる。
本形態で示すように、荷重破壊構造7は、対向基板6の平面視において収納凹部5の底面6aが形成されている全域に形成されていることが好ましい一形態である。これにより、荷重破壊構造7は対向基板6の略中心や乾燥材11の位置を含んで設けられることになる。この場合、対向基板6が撓んで有機発光体8に接触しやすい底面6aの略中心や乾燥材11が設けられた広い範囲に荷重破壊構造7を設けることができるので、信頼性のより高い有機EL素子を得ることができる。
溝10aは、対向基板6を成形した後、腐食加工や切削加工等の溝加工が対向基板6に施されて設けられてもよいし、対向基板6の成形と同時に形成されてもよい。対向基板6に施す溝加工は、エッチングやレーザーなどによる描画であってもよいし、スクライブ等による切削であってもよい。また、対向基板6の形成と同時に溝部10を設ける場合は、対向基板6を形成する型に溝部10に対応する突条を設けて溝部10を設けることができる。例えば、対向基板6をプレスガラスで構成すると、溝部10を備えた対向基板6を金型で簡単に形成することができる。これらの中で、溝部10は、対向基板6を成形した後に溝加工を施して設けることが好ましい、これにより、簡単に溝部10が設けられた対向基板6を作製して、信頼性の高い有機EL素子を簡単に得ることができる。また、収納凹部5を削り加工で作製する場合、収納凹部5の形成と連続して溝部10を設けることも好ましい、これにより、効率よく収納凹部5と溝部10とを形成することができる。
図1(a)に示す有機EL素子は、対向基板6が基板1に取り付けられた後、回路や筐体の取り付けや、輸送や梱包、据付等の工程を経て使用される。これらの工程においては、素子の外側から対向基板6に荷重が印加されることがある。図1(a)では、荷重が加えられる前の状態の有機EL素子を示している。対向基板6に素子の外側から荷重が加えられると、対向基板6が撓んで対向基板6や乾燥材11が有機発光体8に接触して有機発光体8を変形させたり破壊したりして有機発光体8を不良化させるおそれがある。有機発光体8の不良化は有機EL素子の発光不良を招いたりする。しかしながら、本形態では、対向基板6に荷重破壊構造7が設けられているので、有機発光体8を不良化させる荷重以上の荷重が荷重破壊構造7に印加されると、図1(b)に示すように、対向基板6が撓んだ際に、荷重破壊構造7が破壊される。対向基板6がガラスで形成されている場合、ガラスが割れることにより荷重破壊構造7は破壊される。このとき、荷重破壊構造7は、溝10aの部分に沿って割れて破壊されるものであってよい。ここで、荷重破壊構造7は、荷重破壊構造7に不良化荷重が印加されて対向基板6が撓み、有機発光体8を変形させたり破壊したりして不良化した後、破壊されてもよい。また、荷重破壊構造7は、荷重破壊構造7に不良化荷重以上の荷重が印加された後、対向基板6や乾燥材11が有機発光体8に接触する前に、破壊されてもよい。いずれの場合であっても、不良化荷重以上の荷重が印加されることにより、発光不良のおそれがある有機EL素子の荷重破壊構造7は破壊されることになる。荷重破壊構造7が破壊された対向基板6は、ひびが入るものでもよいし、破壊された部分が折れ曲がるものであってもよいし、脱落して分解するものであってもよい。そして、荷重破壊構造7の破壊により、対向基板6が壊れて有機EL素子が正常に作動しないことが明瞭になるため、発光不良のおそれがある有機EL素子を目視でも簡単に視認することができる。そのため、不良品が市場に流出することを抑制することができ、信頼性の高い有機EL素子を得ることができる。
図3(a)は、有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す断面図である。図3(b)は図3(a)の形態で用いた対向基板6の平面図であり、対向基板6を基板1側と反対側から見た様子を示している。図3(b)では、側壁部6bの内縁を破線で示している。図1、2の形態と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略するものとする。
図3の形態で示すように、荷重破壊構造7は、対向基板6の基板1と反対側の表面に設けられた溝部10により形成されていることが好ましい一形態である。これにより、対向基板6の側壁部6bが設けられていない側の広い外部側の表面に溝部10を設けて荷重破壊構造7を対向基板6の広い範囲に容易に設けることができ、広い範囲で荷重を感知する信頼性のより高い有機EL素子を得ることができる。また、側壁部6bなどの凸部が設けられていない表面には、簡単に溝加工を施すことができるので、信頼性の高い有機EL素子を容易に得ることができる。また、溝部10が、荷重が印加される対向基板6の外側の表面に設けられることにより、対向基板6の許容荷重を高めることができ、有機EL素子の信頼性を高めるとともに強度を高めることができる。図3の形態における溝部10は、対向基板6の外部側に形成されていること以外は、図1及び図2の形態の溝部10と同じ形状であってよい。図3の形態では、溝部10は、複数の直線状の溝10aが縦横に等間隔に配置されて格子状に設けられて形成されている。
本形態でも、対向基板6に荷重破壊構造7が設けられているので、有機発光体8を不良化させる荷重以上の荷重が荷重破壊構造7に印加されると、対向基板6が撓んだ際に、荷重破壊構造7が破壊される。このとき、本形態では、対向基板6の外部表面に設けられた溝部10に沿って対向基板6が破壊されるものであってよい。
なお、図1及び図2の形態、並びに図3の形態では、荷重破壊構造7が対向基板6のどちらか一方の表面にのみ設けられた溝部10で形成された形態について説明したが、溝部10を設ける位置はこれに限定されるものではない。荷重破壊構造7においては、溝部10が対向基板6の基板1側の表面(底面6a)及び基板1と反対側の表面の両面に形成されて構成されていてもよい。
図4(a)は有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の他の一例を示す断面図であり、図4(b)は図4(a)で用いた対向基板6の平面図である。図1、2の形態と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略するものとする。本形態では、荷重破壊構造7は溝部10が対向基板6の基板1と反対側の表面に設けられて形成されているが、溝部10の形状が図3の形状とは異なっている。荷重破壊構造7は、図1〜3の形態のように溝部10が対向基板6の表面に格子状の模様を形成するように設けられなくともよい。荷重破壊構造7は、荷重破壊構造7を構成する溝部10が不良化荷重以上の荷重を受けた際に破壊されるパターン形状であれば、対向基板6に溝部10が適宜の模様を形成して設けられていてよい。
図4の形態では、荷重破壊構造7は、溝部10が、対向基板6の平面視における中心付近に矩形の模様を形成して配置される溝10aと、この矩形の各頂点から対向基板6の平面視における各頂点に向かって延びる溝10aとで構成されて設けられている。これにより、不良化荷重以上の荷重が印加された際に、対向基板6が有機発光体8に接触しやすい中心部付近が破壊され脱落しやすくなり、発光不良のおそれのある素子を容易に見分けることができ、信頼性のより高い有機EL素子を得ることができる。また、荷重破壊構造7を少ない溝加工で設けることができるので、信頼性の高い有機EL素子を容易に得ることができる。また、荷重破壊構造7が破壊された際に、対向基板6が粉々に破壊され飛散することを抑制することができ、有機EL素子の安全性を高めることができる。なお、溝部10を構成する矩形の溝10aの頂点は、乾燥材11が設けられた場合、乾燥材11と平面視において重複するように設けられていてもよい。
本形態でも、対向基板6に荷重破壊構造7が設けられているので、有機発光体8を不良化させる荷重以上の荷重が荷重破壊構造7に印加されると、対向基板6が撓んだ際に、荷重破壊構造7が破壊される。このとき、本形態では、対向基板6の外部表面に設けられた溝部10に沿って対向基板6が破壊されるものであってよい。例えば、矩形の溝10aに沿って対向基板6の中心付近が矩形に凹んだり脱落したりすることで破壊されるものであってよい。
図5(a)は有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す断面図であり、図5(b)は図5(a)で用いた対向基板6の平面図である。図1、2の形態と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略するものとする。本形態では、荷重破壊構造7は、溝部10が、対向基板6の平面視における中心付近に、円形の模様を形成する溝10aで構成されて設けられている。これにより、荷重破壊構造7を円形の簡単な溝加工で得ることができる。また、不良化荷重以上の荷重が印加された際に、対向基板6が有機発光体8に接触しやすい中心部付近が脱落しやすくなって、対向基板6が粉々に破壊され飛散することを抑制することができ、有機EL素子の安全性を高めることができる。また、本形態では溝10aが一本のため、溝加工を容易に行うことができる。溝部10は、乾燥材11が設けられた場合、平面視において乾燥材11と重複するように設けられていてもよい。このとき、溝10aが乾燥材11の領域を横切ってもよい。なお、本形態では、溝部10は円形の模様を形成する一本の溝10aにより設けられているが、溝部10は、円形の模様を形成する複数の溝10aにより設けられていてもよい。例えば、二本又は三本もしくはそれ以上の直径の異なる円形の溝10aが対向基板6の中心を円の中心として同心円状に配置されて溝部10が形成されていてもよい。溝部10を複数の円形の溝10aで形成する場合、荷重破壊構造7が破壊される荷重を容易に調整することができる。
溝10aで形成される円の大きさは、特に限定されるものではないが、例えば底面6aが矩形であるときに、円の直径は底面6aの一辺(底面6aが長方形の場合は短辺)の1/5倍〜4/5倍の範囲であってよい。
本形態でも、対向基板6に荷重破壊構造7が設けられているので、有機発光体8を不良化させる荷重以上の荷重が荷重破壊構造7に印加されると、対向基板6が撓んだ際に、荷重破壊構造7が破壊される。このとき、本形態では、対向基板6の外部表面に設けられた溝部10に沿って対向基板6が破壊されるものであってよい。つまり、円形の溝10aに沿って対向基板6の中心付近が円形に脱落したりして破壊されるものであってよい。
図4及び図5の形態で示すように、荷重破壊構造7を構成する溝部10は、対向基板6が不良化荷重以上の荷重を印加された際に破壊されるものであれば、直線や曲線の溝10aで表される適宜の模様で対向基板6上に形成して設けられていてよい。
図6(a)は有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す断面図であり、図6(b)は図6(a)で用いた対向基板6の底面図である。図1、2の形態と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略するものとする。本形態では、荷重破壊構造7は、対向基板6が対向基板6の中心付近で板厚が薄くなった部分を矩形状に有することで構成されている。このように、荷重破壊構造7は、対向基板6の板厚を一部薄くすることで形成されていることが好ましい一形態である。これにより、対向基板6に荷重破壊構造7を簡単に設けることができ、信頼性の高い有機EL素子を容易に得ることができる。また、荷重破壊構造7が破壊された際に、対向基板6が粉々に破壊されて飛散することを抑制することができ、有機EL素子の安全性を高めることができる。
対向基板6の板厚を薄くした部分は、対向基板6のそれ以外の部分に比べ板厚が薄いため強度が弱くなっている。それにより、対向基板6は対向基板6の板厚が薄くなった部分で壊れやすくなり、対向基板6に荷重破壊構造7を設けることができる。
荷重破壊構造7を構成する対向基板6の板厚を薄くした部分は、対向基板6の平面視において収納凹部5の底面6aが形成されている全域に形成されていなくともよく、一部に形成されていてよく、対向基板6の略中心付近に設けられていることが好ましい。これにより、対向基板6が撓んで有機発光体8に接触しやすい中心付近に荷重破壊構造7を効率よく設けることができる。
対向基板6の板厚が薄くなった部分の厚みは、対向基板6の許容荷重に応じて適宜設けられてよく、限定されるものでないが、対向基板6の荷重破壊構造7が設けられた部分以外の底面6aの位置での厚みの0.9倍以下であってよく、0.8倍以下であってよい。荷重破壊構造7の板厚の下限は特に定められるものではないが、0.2倍以上であってよく、0.5倍以上であってよい。荷重破壊構造7の板厚をこの範囲に設定することで、荷重破壊構造7が不良化荷重以上の荷重で破壊されやすくなると共に、対向基板6の許容荷重を高く設定することができ、有機EL素子の信頼性を向上することができる。
荷重破壊構造7を構成する対向基板6の板厚が薄くなった部分は、本形態のように対向基板6に矩形状に設けられていてもよく、円形状に設けられていてもよく、適宜の形状で設けられていてよい。対向基板6の板厚が薄くなった部分が矩形状に設けられた場合、この矩形の一辺(長辺及び短辺)の長さは、特に限定されるものではないが、底面6aの長辺(底面6aが正方形の場合は一辺)の1/5倍〜4/5倍の長さであってよい。対向基板6の板厚が一部薄くなった部分の平面視における面積は、特に限定されるものではないが、底面6aの面積の0.8倍以下であってよく、0.6倍以下であってよい。下限は特に限定されるものではないが、0.2倍以上であってよい。また、対向基板6の板厚が薄くなった部分は一つ又は複数設けられて荷重破壊構造7を構成してもよい。対向基板6の板厚が薄くなった部分が複数設けられて荷重破壊構造7が形成されている場合は、対向基板6の板厚が薄くなった部分の平面視における総面積が、底面6aの面積の0.2倍以上、0.8倍以下であってよい。
対向基板6の板厚が薄くなった部分は、本形態のように、底面6aの一部が基板1と反対側に凹んだような形状で設けられていてもよく、底面6aの反対側の面の一部が基板1側に凹んだ形状で設けられてもよい。また、対向基板6の両面が一部凹んだ形状で設けられてもよい。この中で、荷重破壊構造7を構成する対向基板6の板厚が薄くなった部分は、底面6aの一部が基板1と反対側に凹んだ形状で設けられていることが好ましい。これにより、有機EL素子の表面に凹凸を減らすことができ、有機EL素子の信頼性や利便性、取り扱い性を高めることができる。また、外観のよい有機EL素子を得ることができる。
対向基板6の板厚を一部薄くして荷重破壊構造7を設けるには、対向基板6を成形後、切削加工等により板厚を一部薄くしてもよいし、対向基板6を成形すると同時に板厚を一部薄くした部分を形成してもよい。この中で、対向基板6を成形した後、対向基板6の板厚を一部薄くするようにすれば、切削加工により簡単に荷重破壊構造7を形成することができ、信頼性の高い有機EL素子を容易に得ることができる。また、収納凹部5を形成する際に一部を深く掘り込むようにすれば、効率よく底面6aの一部の板厚を薄くすることができる。
本形態では、対向基板6の板厚が一部薄くなることで荷重破壊構造7が設けられている。有機発光体8を不良化させる荷重以上の荷重が荷重破壊構造7に印加されると、対向基板6の板厚が薄くなっていることにより、この部分で対向基板6がより大きく撓んで、対向基板6がひずみ、荷重破壊構造7が破壊される。
また、図1〜5の形態では荷重破壊構造7を溝部10で設けた形態を説明し、図6では荷重破壊構造7を対向基板6の板厚を一部薄くして形成した形態を説明したが、荷重破壊構造7はこれに限定されるものではない。例えば、荷重破壊構造7は、溝部10と対向基板6の板厚を一部薄くした部分との両方を有して形成されていてもよい。これにより、不良化荷重以上の荷重を敏感に感知して精度の高い荷重破壊構造7を対向基板6に形成することができ、信頼性のより高い有機EL素子を得ることができる。
図7(a)は、有機EL素子の実施形態の一例を示す断面図である。図7(b)は、図7(a)の有機EL素子に用いた対向基板6の平面図である。図1、2の形態と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略するものとする。本形態では、荷重破壊構造7が格子状の溝部10で構成されており、この溝部10は、平面視における収納凹部5の底面6aの略中心の位置に形成されている。このように、荷重破壊構造7は対向基板6の平面視において収納凹部5の底面6aが形成されている全域に形成されていなくともよく、対向基板6の平面視における収納凹部5の底面6aの略中心の位置に少なくとも形成されていることが好ましい一形態である。これにより、対向基板6が撓んだ際に有機発光体8に接触しやすい対向基板6の略中心部の位置に荷重破壊構造7を設けることができ、効率よく荷重破壊構造7を設けることができる。また、このように、荷重破壊構造7が対向基板6の平面視において収納凹部5の底面6aが形成されている全域に形成されていない場合、有機発光体8に接触しにくい部分の対向基板6の強度を高くして、信頼性の高い有機EL素子の強度を高くすることができる。また、荷重破壊構造7を対向基板6の一部に簡単に形成することができ、信頼性の高い有機EL素子を効率よく得ることができる。本形態では、基板1とは反対側の面に溝部10が設けられて荷重破壊構造7が構成されているが、基板1側の面であってもよい。また、溝部10を構成する溝10aの形状は図1の形態と同様であってよい。
図8(a)は、有機EL素子の実施形態の一例を示す断面図である。図8(b)は、図8(a)の有機EL素子に用いた対向基板6の平面図である。図1、2の形態と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略するものとする。本形態では、荷重破壊構造7が溝部10で構成されており、溝部10は対向基板6の基板1側と反対側の表面に外周部に沿って形成されている。また、図8では、乾燥材11を図示しており、乾燥材11は、対向基板6の底面6aの隅部に設けられている。本形態で示すように、収納凹部5の底面6aに乾燥材11が設けられている場合、荷重破壊構造7は、対向基板6の平面視において乾燥材11が設けられている位置に少なくとも形成されていることが好ましい。これにより、荷重が印加された際に、乾燥材11が有機発光体8に接触しやすい位置に効率よく荷重破壊構造7を設けることができ、信頼性の高い有機EL素子の強度を高くすることができる。
本形態では、溝部10は対向基板6の外周部に設けられている。溝部10が設けられる幅は、対向基板6の長辺(対向基板6が正方形の場合は、一辺であってよい)の1/10倍〜1/3倍であってよい。また、溝部10は、対向基板6の角隅(四隅)に設けられるものであってもよい。
なお、対向基板6が撓んだときに対向基板6が有機発光体8に接触する場合には、図7で示した形態のように、平面視における収納凹部5の底面6aの略中心の位置にも、荷重破壊構造7が設けられていることが好ましい。また、乾燥材11が乾燥剤を含む樹脂を塗布したもので構成されていて、底面6aの全域に形成されている場合、荷重破壊構造7は図1、2の形態で示したように、対向基板6の底面6aが形成されている全域に設けられていてよい。対向基板6に乾燥材11を設けた場合、対向基板6の許容荷重は、乾燥材11の強度や乾燥材11が設けられた範囲、乾燥材11の重量等も含んで計算されるものであってよい。
本形態では、荷重破壊構造7は、対向基板6の乾燥材11が設けられた底面6aと反対側の表面に設けられた溝部10によって形成されている。しかしながら、上述したように荷重破壊構造7は乾燥材11が設けられる面である底面6aに設けられていてよく、荷重破壊構造7と乾燥材11とが同じ面の同じ位置に設けられていてよい。この場合、乾燥材11は、対向基板6に荷重破壊構造7が形成された後に、対向基板6の荷重破壊構造7が形成された部分に貼り付けたり塗布したりして設けることができる。なお、乾燥材11を対向基板6に設けた後、荷重破壊構造7を設けてもよく、その場合、乾燥材11が切り込まれて荷重破壊構造7が設けられていてもよい。
図9(a)は、有機EL素子の実施形態の一例を示す断面図であり、図9(b)は、図9(a)の有機EL素子に用いた対向基板6の平面図である。本形態では、荷重破壊構造7は溝部10で形成され、溝部10は対向基板6の平面視における外周部に形成されているとともに、対向基板6の中心に溝部10が形成されない矩形部分が形成されて、対向基板6の表面にロの字状に溝部10が設けられている。つまり、この形態の有機EL素子では、荷重が印加されやすい対向基板6の平面視における外周部に溝部10が設けられて荷重破壊構造7が形成されている。このように、荷重破壊構造7は、対向基板6の平面視において、荷重が印加されやすい部分に設けられることが好ましい。これにより、荷重破壊構造7を効率的に設けて、信頼性の高い有機EL素子を簡単に得ることができる。上述したように、対向基板6が基板1に接着された後、有機EL素子は、回路や筐体の取り付けや、輸送や梱包、据付等がなされる。このとき、有機EL素子は、移動の際等に対向基板6の側端部6bの付近で挟まれたり支持されたりすることが多い。そのため、対向基板6における側端部6bの付近では、荷重が印加されやすく、この部分に荷重破壊構造7を設けることで、効率よく荷重破壊構造7を設けることができる。本形態では、輸送の際に有機EL素子を対向基板6の側端部6bで挟んで運搬することを想定して、荷重破壊構造7を側端部6bの位置にも設けている。また、有機EL素子を機器を用いて移動させたり取り付けたりする際に、対向基板6に加えられる荷重が所定量であると想定される場合は、対向基板6はその荷重以上の許容荷重を有するように構成される。
1 基板
2 第1電極
3 有機発光層
4 第2電極
5 収納凹部
6 対向基板
6a 収納凹部の底面
6b 側壁部
7 荷重破壊構造
8 有機発光体
10 溝部
10a 溝
11 乾燥材
12 電極引き出し部
12a 第1電極引き出し部
12b 第2電極引き出し部

Claims (7)

  1. 基板の表面に、第1電極と有機発光層と第2電極とを有する有機発光体が形成され、前記有機発光体は、前記有機発光体を収納する収納凹部を有し前記基板に接着される対向基板によって覆われて封止されている有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記対向基板には、平面視において前記収納凹部の底面が形成されている位置に、前記有機発光体を不良化させる荷重以上の荷重が加わった際に破壊される荷重破壊構造が形成されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記荷重破壊構造は、前記対向基板の前記基板側の表面に設けられた溝部により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記荷重破壊構造は、前記対向基板の前記基板と反対側の表面に設けられた溝部により形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記荷重破壊構造は、前記対向基板の板厚を一部薄くすることで形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記荷重破壊構造は、平面視における前記収納凹部の底面の略中心の位置に少なくとも形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記対向基板の前記収納凹部の底面に乾燥材が設けられており、前記荷重破壊構造は、前記対向基板の平面視において前記乾燥材が設けられている位置に少なくとも形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 前記荷重破壊構造は、前記対向基板の平面視において前記収納凹部の底面が形成されている全域に形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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