JP2014078024A - 液晶パネル及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】横電界表示型の液晶パネルでは、リバースツイスト現象を自然に消失することが
できない。
【解決手段】画素電極は、複数の電極枝及び複数の電極枝の両端を連結する連結部から構成され、複数の電極枝は、直線部分において互いに平行に配置されるとともに、各電極枝が第1の屈曲点、第2の屈曲点、第3の屈曲点、第4の屈曲点及び第5の屈曲点、を有し、複数の電極枝の連結部と第1の屈曲点との間に形成されるスリットの延設方向と配向方向との交差角をα1、第1の屈曲点と第4の屈曲点との間に形成されるスリットの延設方向と配向方向との交差角をα2、第4の屈曲点と第3の屈曲点との間に形成されるスリットの延設方向と配向方向との交差角をα3、としたとき、7(度)<α1≦15(度)、7(度)≦α2、7(度)<α3≦15(度)、α2<α1、α2<α3、を満足する液晶パネル。
【選択図】図21

Description

この明細書で説明する発明は、画素電極と対向電極との間に発生される横方向電界により液晶分子の配列を基板面と平行に回転制御する駆動方式の液晶パネルに関する。なお、この明細書で提案する発明は、当該液晶パネルを搭載した電子機器としての側面を有する。
現在、液晶パネルのパネル構造には、パネル面に対して垂直方向に電界を発生する縦電界表示型に加え、様々なパネル構造が提案されている。例えばパネル面に対して水平方向に電界を発生する横電界表示型のパネル構造が提案されている。
この横電界表示型の液晶パネルは、液晶分子の回転方向が基板面と平行である。すなわち、横電界表示型の液晶パネルでは、液晶分子の基板面に対する垂直方向への回転が少ない。このため、光学特性(コントラスト、輝度、色調)の変化が比較的少ないという特性が知られている。すなわち、横電界表示型の液晶パネルは、縦電界表示型の液晶パネルよりも視野角が大きい特徴がある。
図1に、横電界表示型の液晶パネルを構成する画素領域の断面構造例を示し、図2に対応する平面構造例を示す。
液晶パネル1は、2枚のガラス基板3及び5と、これらによって挟み込まれるように封入された液晶層7とで構成される。各基板のうち外側表面には偏光板9が配置され、内側表面には配向膜11が配置される。なお、配向膜11は、液晶層7の液晶分子群を一定方向に配列させるために使用される膜である。一般に、ポリイミド膜が使用される。
また、ガラス基板5には、透明導電膜で形成された画素電極13と対向電極15が形成される。このうち、画素電極13は、櫛歯状に加工された5本の電極枝13Aの両端を連結部13Bで連結した構造を有している。一方、対向電極15は、電極枝13Aの下層側(ガラス基板5側)に画素領域の全体を覆うように形成されている。この電極構造により、電極枝13Aと対向電極15の間に放物線状の電界が発生する。図1では、この電界を破線の矢印にて示している。
なお、画素領域は、図2に示す信号線21と走査線23とで囲まれた領域が対応する。因みに、各画素領域には、画素電極13に対する信号電位の印加を制御する薄膜トランジスタが配置される。この薄膜トランジスタのゲート電極は走査線23と接続されており、走査線23の電位によってオン・オフ動作が切替制御されるようになっている。
また、薄膜トランジスタの一方の主電極は信号線21と不図示の配線パターンを通じて接続され、他方の主電極は画素電極のコンタクト25と接続されている。従って、薄膜トランジスタがオン動作した場合には、信号線21と画素電極13が接続状態に制御され、信号電位が画素電極13に印加される。
また、図2に示すように、この明細書においては、電極枝13A間の隙間をスリット31と呼ぶ。図2の場合、スリット31の延設方向は、信号線21の延設方向と同じである。
参考までに、図3(A)及び(B)に、コンタクト25付近の断面構造を示す。
特開平10−123482号公報 特開平11−202356号公報
横電界表示型の液晶パネルでは、図4に示すように、スリット31の両端部分(電極枝13Aが連結部13Bで連結される部分の近く)で、電圧印加時の液晶分子の配向が乱れ易いことが知られている。この現象は、ディスクリネーションと呼ばれる。図4では、ディスクリネーションの発生によって、液晶分子の配列が乱れる領域41を網掛けにより示している。図4の場合、計10個の領域41で液晶分子の配向の乱れが発生する。
ところで、このディスクリネーションに外部圧力(指押し等)が加わると、液晶分子の配列の乱れは、電極枝13Aの延設方向に沿って広り、さらに画素の上部、下部のそれぞれから広がるディスクリネーションが画素中央で結合し、形状が保持されてしまう特性がある。なお、このディスクリネーション内における液晶分子は、電界方向から決定される方向とは逆方向に回転してしまっている。以下この現象を、リバースツイスト現象と呼ぶことにする。
図5に、リバースツイスト現象の発生例を示す。図5では、この液晶分子の配列の乱れた領域43を、電極枝13Aの延設方向に沿って延びる網掛け表示として表している。
現在用いられている液晶パネルでは、リバースツイスト現象が発生すると、自然放置によって元に戻せない問題があった。画素の上部と下部のそれぞれから広がるディスクリネーションが画素中央部で結合することにより安定化状態を形成し、領域43に位置する液晶分子の配向方向を元に戻せないためである。結果的に、リバースツイスト現象の発生した領域43は、画残り(すなわち、表示ムラ)として視認される問題があった。以下、この画残りを、リバースツイストラインという。
そこで、発明者らは、互いに一定の距離を挟んで対向配置される第1及び第2の基板と、第1及び第2の基板間に封止される液晶層と、配向膜と、第1の基板側に形成される対向電極パターンと、第1の基板側に形成される画素電極パターンであって、画素領域の中央よりも画素上部寄りに設けられた1つの屈曲点を境に延設方向が屈折する複数本の電極枝を、少なくとも画素上部の終端部において連結した画素電極パターンとを有する液晶パネルを提案する。
ここで、画素電極パターンに形成されるスリットのうち、屈曲点を境に画素上部寄りに形成されるスリットの延設方向は、液晶層の配向方向と7°以上の角度で交差するように形成されることが望ましい。この構成により、画素上部近辺に発生する配向乱れを規制する効果を高めることができる。
また、屈曲点を境に画素上部とは反対側に形成されるスリットの延設方向は、液晶層の配向方向と7°以上の角度で交差するように形成されることが望ましい。この構成により、リバースツイストラインの成長が屈曲領域を越えて画面中央側まで進んだ場合にも、速やかに配向乱れを消失させることができる。
因みに、スリットの延設方向と液晶層の配向方向の交差角は、7°以上15度以下であることが望ましい。交差角が大きいほど電圧印加時の配向安定性が強まる一方で、交差角が大きいほど透過率が低下するためである。
なお、画素電極パターンと前記対向電極パターンは、同じ階層面に形成されても良いし、異なる階層面に形成されても良い。すなわち、横電界表示型の液晶パネルであり、画素電極にスリットを有するものであれば、画素領域の断面構造に関係なく応用できる。
また、画素電極パターンには、複数の屈曲点を設けることもできる。例えば屈曲点を2つ設ける場合、2つ目の屈曲点は、画素下部に位置する連結部付近に設けることが望ましい。画素下部の終端部にもディスクリネーションが発生するためである。
また例えば屈曲点を3つ設ける場合、3つ目の屈曲点は、画素領域の中央付近に設けることが望ましい。3つ目の屈曲点を設けることで画素領域を2つの領域に分割でき、視野角を広げることができる。
また例えば屈曲点を5つ設ける場合、4つ目と5つ目の屈曲点は、3つ目の屈曲点の両側近傍に設けることが望ましい。このとき、3つ目の屈曲点を中心としてその両側に位置する4つ目と5つ目の屈曲点の間に形成されるスリットの延設方向と液晶層の配向方向との交差角を7°より大きくすることで、画素領域の中央付近における電圧印加時の配向安定性を高めることができる。
発明者らは、ディスクリネーションが発生するスリット端部に着目し、この領域付近のスリット延設方向と液晶層の配向方向との交差角が7°以上になるように、画素電極パターンや配向膜を形成する。
この画素構造を採用したことにより、スリット端部における配向安定性を重点的に高めることができる。
横電界表示型の液晶パネルの断面構造例を説明する図である。 横電界表示型の液晶パネルの平面構造例を説明する図である。 コンタクト付近の断面構造例を示す図である。 ディスクリネーションを説明する図である。 リバースツイスト現象を説明する図である。 液晶パネルモジュールの外観例を示す図である。 液晶パネルモジュールのシステム構成例を示す図である。 スリットの延設方向と液晶層の配向方向との交差角を説明する図である。 交差角の大きさと表示ムラの消失時間の関係を説明する図である。 交差角の大きさと表示ムラのレベルの関係を説明する図である。 交差角の大きさと相対透過率の関係を説明する図である。 画素領域の一部に屈曲領域を設ける場合におけるスリットの延設方向と液晶層の配向方向との交差角を説明する図である。 画素領域の一部に屈曲領域を設ける場合におけるスリットの延設方向と液晶層の配向方向との交差角を説明する図である。 屈曲領域の面積比率と相対透過率の関係を交差角の大きさ別に説明する図である。 屈曲領域の面積比が100%の場合の画素構造例を示す図である。 1つ目の画素構造例を示す図である(平面構造)。 2つ目の画素構造例を示す図である(平面構造)。 3つ目の画素構造例を示す図である(平面構造)。 4つ目の画素構造例を示す図である(平面構造)。 5つ目の画素構造例を示す図である(平面構造)。 6つ目の画素構造例を示す図である(平面構造)。 7つ目の画素構造例を示す図である(平面構造)。 8つ目の画素構造例を示す図である(平面構造)。 9つ目の画素構造例を示す図である(断面構造)。 電子機器のシステム構成を説明する図である。 電子機器の外観例を示す図である。 電子機器の外観例を示す図である。 電子機器の外観例を示す図である。 電子機器の外観例を示す図である。 電子機器の外観例を示す図である。
以下では、発明の最良の形態例を、以下に示す順番で説明する。
(A)液晶パネルモジュールの外観例及びパネル構造
(B)スリットの延設方向と液晶層の配向方向との間に発見された特性
(C)画素構造例1(屈曲点が1つのシングルドメイン構造例の参考例)
(D)画素構造例2(屈曲点が1つのシングルドメイン構造例の参考例)
(E)画素構造例3(屈曲点が2つのシングルドメイン構造例の参考例)
(F)画素構造例4(屈曲点が3つのシングルドメイン構造例)
(G)画素構造例5(屈曲点が3つのデュアルドメイン構造例の参考例)
(H)画素構造例6(屈曲点が5つのシングルドメイン構造例)
(I)画素構造例7(屈曲点が5つのデュアルドメイン構造例の参考例)
(J)画素構造例8(変形例)
(K)画素構造例9(変形例)
(L)画素構造例10(変形例)
(M)他の形態例
なお、本明細書で特に図示又は記載されない部分には、当該技術分野の周知又は公知技術を適用する。また以下に説明する形態例は、発明の一つの形態例であって、これらに限定されるものではない。
(A)液晶パネルモジュールの外観例及びパネル構造
図6に、液晶パネルモジュール51の外観例を示す。液晶パネルモジュール51は、支持基板53に対向基板55を貼り合わせた構造を有している。支持基板53は、ガラス、プラスチックその他の基材で構成される。対向基板55も、ガラス、プラスチックその他の透明部材を基材とする。対向基板55は、封止材料を挟んで支持基板53の表面を封止する部材である。
なお、基板の透明性は光の射出側だけ確保されていれば良く、他方の基板側は不透性の基板でも良い。
この他、液晶パネルモジュール51には、外部信号や駆動電源を入力するためのFPC(フレキシブルプリントサーキット)57が必要に応じて配置される。
図7に、液晶パネルモジュール51のシステム構成例を示す。液晶パネルモジュール51は、下部ガラス基板61(図1のガラス基板5に対応する。)上に、画素アレイ部63と、信号線ドライバ65と、ゲート線ドライバ67と、タイミングコントローラ69を配置した構成を有している。この形態例の場合、画素アレイ部63の駆動回路は、1個又は複数個の半導体集積回路として形成され、ガラス基板上に実装される。
因みに、画素アレイ部63は、表示上の1画素を構成するホワイトユニットがM行×N列に配置されたマトリクス構造を有している。なお、この明細書において、行とは、図中X方向に配列される3×N個のサブ画素71で構成される画素列をいう。また、列とは、図中Y方向に配列されるM個のサブ画素71で構成される画素列をいう。勿論、MとNの値は、垂直方向の表示解像度と水平方向の表示解像度に応じて定まる。
また、信号線ドライバ65は、画素階調に対応する信号電位Vsig を信号線DLに印加するのに用いられる。この形態例の場合、信号線DLは、図中Y方向に延びるように配線されている。
ゲート線ドライバ67は、信号電位Vsig の書き込みタイミングを与える制御パルスをスキャン線WLに印加するのに用いられる。この形態例の場合、スキャン線WLは、図中X方向に延びるように配線される。
ここで、サブ画素71には、不図示の薄膜トランジスタが形成されている。なお、薄膜トランジスタのゲート電極はスキャン線WLに接続され、主電極の一方は信号線DLに接続され、主電極の他方は画素電極13(コンタクト25)に接続されている。
タイミングコントローラ69は、信号線ドライバ65及びゲート線ドライバ67に駆動パルスを供給する回路デバイスである。
(B)スリットの延設方向と液晶層の配向方向との間に発見された特性
前述したように、既存の画素構造には、指押し等により液晶分子の配向乱れ(リバースツイスト現象)が発生すると、いつまでも表示ムラとして視認される問題があった。
そこで、発明者らは、画素電極13の電極枝13Aによって形成されるスリット31の延設方向と液晶層7の配向方向との交差角度を可変することにより、液晶分子の配向乱れが自然に軽減されるかについて実験を行った。なお、液晶層7の配向方向とは(なお、「液晶の配向方向」ともいう。)、液晶がもつ誘電率異方性の向きで定義され、誘電率が大きい方向をいうものとする。
以下、実験によって明らかになった特性を説明する。
まず、図8を用いてスリット31と液晶層7の配向方向との関係を説明する。図8は、サブ画素71の平面構造を表した図である。なお、図8においては、スリット31の延設方向と液晶層7の配向方向との関係に着目するため、薄膜トランジスタ等の表示は省いている。
図8に示す平面構造は、図2で説明した平面構造と同じであり、対応部分には同一符号を付して表している。すなわち、サブ画素71は、Y方向に延設された信号線21とX方向に延設された走査線23とで囲まれた矩形領域内に形成される。また、画素電極13は、5本の電極枝13Aとその両端を連結する連結部13Bとで構成される。図8の場合、電極枝13A同士の間や電極枝13Aと図中右側の信号線21との間に形成されるスリット31は、Y方向に延設されている。
すなわち、スリット31の延設方向は、信号線21に平行であり、走査線23に垂直であるように形成されている。
また、図8では、液晶層7の配向方向を矢印線で示す。図8の場合、紙面斜め右上方向が液晶層7の配向方向である。図8では、液晶層7の液晶層7とスリット31の延設方向との交差角をαとして示している。
発明者らは、この交差角αに着目し、様々な交差角αについて表示ムラが消失するまでに要する時間を測定した。
図9に、測定結果を示す。図9の横軸は、スリット31の延設方向と液晶層7の配向方向との交差角αであり、図9の縦軸は、表示ムラが消失するまでに要した時間である。
図9に示す実験結果より、交差角αが7°未満の場合には、リバースツイスト現象による表示ムラが自然に消失しないことが確認された。
一方、交差角αが7°以上の場合には、リバースツイストラインが自然に消失することが確認された。因みに、交差角αが7°の場合、表示ムラの消失に要した時間は 3.5[秒]であった。また、実験の結果、交差角αが大きいほど、表示ムラが消失するまでの時間が短縮されることが確認された。例えば交差角αが10°の場合には、3[秒]で表示ムラが消失することが確認された。また例えば交差角αが15°の場合には、 2.5[秒]で表示ムラが消失することが確認された。また例えば交差角αが20°の場合には、 1.5[秒]で表示ムラが消失することが確認された。
以上の結果、発明者らは、スリット31の延設方向と液晶層7の配向方向と交差角αを7°以上に設定することで、横電界表示型の液晶パネルにおける液晶分子の配向安定性を高めることできることを発見した。すなわち、指押し等によりリバースツイストラインが発生しても、配向の乱れを自然に消失できることを発見した。
図10に、交差角αと表示ムラのレベルとの間に観察された結果を示す。図10の横軸は、スリット31の延設方向と液晶層7の配向方向との交差角αであり、図10の縦軸は、表示ムラの視認レベルである。
図10に示すように、交差角αが10°以上であれば、表示画面をいずれの角度から見ても表示ムラが見えないことが確認された。また、交差角αが5°の場合には、表示画面を斜め方向から見た場合に、表示ムラが微かに見えることが確認された。なお、交差角αが5°以上10°未満の範囲では、図10に示すように視認性が少しずつ変化することが確認された。
ただし、交差角αが大きすぎると、透過率が低下する特性があることが確認された。図11に、確認された透過特性を示す。なお、図11の横軸は、スリット31の延設方向と液晶層7の配向方向との交差角αであり、図11の縦軸は、相対透過率である。因みに、図11における相対透過率は、交差角αが5°の場合の透過率を100%として表している。
図11の場合、交差角αが5°の場合に透過率が最大になり、交差角αが45°の場合に透過率が最小になる。なお、交差角αが45°の場合における相対的な透過率は約64%になる。
図11に示すように、交差角αと相対透過率との間にはおおよそ線形の関係が認められる。この透過率の観点からすると、交差角αは、小さいほど表示輝度の点で有利になることが分かる。
ところで、図9〜図11に示す特性は、図8に示すように画素領域の全域について、画素電極13のスリット31と液晶層7の配向方向とが一定の交差角αで交差する場合を前提とする。この場合、表示ムラの消失時間の短縮を優先して交差角αを設定すると相対的な透過率は小さくなり、相対的な透過率を優先して交差角αを設定すると表示ムラの消失時間が長くなる。
そこで、発明者らは、交差角αを7°以上15°以下の範囲に定めることを推奨する。交差角αが、これらの角度を満たせば、表示ムラの消失時間と相対的な透過率の両方をおおよそ良好な範囲に収めることができると考えられるためである。
更に、発明者らは、これらの交差角αの条件を画素領域の一部分のみ適用することの効果を実験により確認した。以下、実験結果について説明する。
図12及び図13に、実験で使用したサブ画素71の平面構造例を示す。
図12や図13に示す平面構造は、図8で説明した平面構造と同じであり、対応部分には同一符号を付して表している。すなわち、サブ画素71は、Y方向に延設された信号線21とX方向に延設された走査線23とで囲まれた矩形領域内に形成される。また、図12や図13の場合も、画素電極13は、5本の電極枝13Aとその両端を連結する連結部13Bとで構成される。
図8との違いは、電極枝13Aのうちコンタクト25の近傍、すなわち画素上部に屈曲点を1つ設け、この屈曲点を境に矩形形状の電極枝13Aの電極パターンを屈曲させる点である。
図12や図13の場合、屈曲点よりも画素領域の中央側に位置する電極枝13Aは信号線21に対して平行に形成され、屈曲点よりもコンタクト25側に位置する電極枝13Aは信号線21に対して図中右方向に傾いた電極パターンを考える。
図12及び図13では、画素領域全体の面積に占める屈曲部分の面積(屈曲点よりもコンタクト25側の面積)をA%として示している。従って、屈曲部分以外の面積は(100−A)%で与えられる。
図12と図13においては、屈曲点よりもコンタクト25側に位置する電極枝13Aによって形成されるスリット31の延設方向と液晶層7の配向方向との交差角をα1とする。また、信号線21と平行に形成されるスリット31の延設方向と液晶層7の配向方向との交差角をα2とする。図12は、配向方向が図中右上方向であり、スリット延設方向と液晶層7の配向方向との間に、α2>α1の関係が成立する場合の例である。図13は、配向方向が図中左上方向であり、スリット延設方向と液晶層7の配向方向との間に、α1>α2の関係が成立する場合の例である。
図14に、実験結果を示す。図14は、屈曲部分の面積比率A(%)の違いによる相対透過率の変化を交差角別に測定した結果を表している。図14の横軸は、画素領域全体に占める屈曲部分の面積比である。一方、図14の縦軸は、相対透過率の関係を示している。なお、図中に示す直線は、交差角α1が10°、15°、20°、25°、30°、35°、40°、45°の各場合について測定された特性を表している。
図14に示すように、屈曲部分の面積比率Aが0%の場合、交差角α1の大きさに関わらず、相対透過率は100%になる。ここで、屈曲部分の面積比率Aが0%の場合とは、図8の画素構造を意味する。
そして、屈曲部分の面積比率Aが大きくなると、交差角α1の大きさに関わらず、相対透過率が低下する特性が確認される。
因みに、屈曲部分の面積比率Aが100%の場合の画素構造例の一例が図15である。この図15に示す画素構造について得られる相対透過率の特性が前述した図11に対応する。
なお、交差角α1が小さいほど相対透過率は高く、交差角α1が大きくなるほど相対透過率が低くなることは、図11の特性と同じである。
さて、図14からは、次のことが分かる。すなわち、画素電極13の電極枝13Aを屈曲させる領域部分を画素領域の一部分だけに限定すれば、画素領域の全体を屈曲部分とする画素構造(図15)よりも画素領域の相対透過率を高くできることが分かる。
この際、面積比率Aの上限は、採用する画素電極13のパターン構造や液晶層7の配向方向との交差角α1によっても異なるが、ある程度の透過性が得られることが求められる。例えば相対透過率の目安として80%を考える。図14の場合であれば、屈曲部分の面積比率Aを画素領域の面積の50%以下に定めれば、交差角α1の大きさに関わらず透過率の条件を満たすことができる。
一方、面積比率Aの下限は、製造工程における解像度限界を考慮して面積比率Aを設定する。一般に、面積比率Aが小さいほど、交差角α1の大きさに関わらず、相対透過率が高くなる。従って、交差角α1を大きく定めた状態で面積比率Aを小さくすることが実用上は好ましいと考えられる。
(C)画素構造例1
図16に示す画素構造は、図12や図13で説明した画素構造と同じFFS(Fringe Field Switching)型の液晶パネルを前提とする。
従って、画素領域の断面構造は、図1に示す構造となる。すなわち、対向電極15は、画素電極13よりも下層側に画素領域の全域を覆うように配置される。
図16に示す画素構造は、図12や図13と同じく、屈曲点を1つ有する画素構造である。画素構造例1は、参考例である。なお、屈曲点は、コンタクト25の近傍に設けている。もっとも、図16の場合には、屈曲点からコンタクト25の方向に延びるスリット31の延設方向が分かり易いように、屈曲領域の面積が大きくなるように表している。
図16の場合、屈曲点から画素領域の中央方向に形成されるスリット31の延設方向は、信号線21と平行になるように形成する。一方、屈曲点からコンタクト25の方向に形成されるスリット31の延設方向は、液晶層7の配向方向に対して交差角α1が7°以上になるように形成する。すなわち、図16の場合、コンタクト25の近傍領域についてのみ、スリット31と配向方向とが7°以上で交差し、その他の画素領域についてはスリット31と配向方向が7°未満になる画素構造を表している。
ところで、リバースツイストラインの多くは、主にコンタクト25の近傍付近に位置するスリット31の終端部分に発生するディスクリネーションが、外部圧力の印加時にスリット31に沿って成長することで発生する。
しかし、図16に示す画素構造の場合には、コンタクト25の近傍付近に屈曲領域を設けているので、この領域部分の配向安定性を高めることができる。結果的に、ディスクリネーションの成長を抑制することができる。
勿論、ディスクリネーションの成長が抑制されれば、リバースツイストラインの発生も抑制することができる。また、仮にリバースツイストラインが発生しても、速やかに消去することができる。また、屈曲領域以外の画素領域におけるスリット延設方向と配向方向との交差角α2は7°未満となるので、相対透過率が100%近くになる。
これにより、従来技術に比して画面輝度が高くかつリバースツイストライン(画像残り)の少ない液晶パネルを実現することができる。
しかも、屈曲領域の面積比率Aを極力小さく設定すれば、図14に示したように、配向安定性の効果を高めながら、画素領域全体としての透過率を更に高めることができる。なお、配向規制力と透過率とのバランスを考慮すると、交差角α1は7°〜15°程度が望ましい。
(D)画素構造例2
図17に、2つ目の画素構造例を示す。画素構造例2は、参考例である。この画素構造も、FFS(Fringe Field Switching)型の液晶パネルを前提とする構造である。
図17の場合、屈曲領域以外の画素領域に形成されるスリット31の延設方向と液晶層7の配向方向との交差角α2が7°以上の条件を満たすことを特徴とする。また、屈曲領域に形成されるスリット31の延設方向と液晶層7の配向方向との交差角α1は、前述した交差角α2以上の条件を満たすことを特徴とする。
この画素構造の場合、屈曲領域に対応するスリット31の延設方向と液晶層7の配向方向の交差角α1を7°以上に設定できることにより、画素構造例1の場合と同様、配向安定性を高めてディスクリネーションの成長を抑制することができる。
また、この画素構造の場合、屈曲領域を除く画素領域(画素領域の中央部分)において、スリット31の延設方向と液晶層7の配向方向とは7°以上の角度α2で交差する。このため、この領域部分までリバースツイストラインが仮に成長したとしても、短時間のうちに自然に消失させることができる。
以上のように、この画素構造の場合には、画素領域の全域について電圧印加時の配向安定性を強めることができ、仮にリバースツイストラインが生じても、これを自然に消失できる液晶パネルを実現できる。すなわち、画素構造例1よりも表示品質の高い液晶パネルを実現できる。
(E)画素構造例3
図18に、3つ目の画素構造例を示す。この画素構造も、FFS型の液晶パネルを前提とする構造である。画素構造例3は、参考例である。
この画素構造も、前述した2つの画素構造と同じく、シングルドメイン構造の画素構造例に対応する。この画素構造例の特徴は、屈曲点(屈曲領域)を2つとする点である。具体的には、2つ目の屈曲点を、コンタクト25とは反対側の連結部13Bの近傍に設ける点である。
これは、電極枝13Aの両端付近の配向規制力を強めてリバースツイストラインの消失に要する時間を短縮するためである。勿論、この画素構造の場合には、電極枝13Aのうちコンタクト25と反対側に位置する終端部分に発生するディスクリネーションも抑制することができる。
なお、図18に示す画素構造例の場合、屈曲点の位置及び屈曲方向は、画素領域の中心に対して鏡面対称に設定しているが、実際にはこれに限られるものではなく、点対称もしくは非対称としても良い。
勿論、画素領域全体に占める屈曲領域の面積比率が大きくなると透過率が低下するので、屈曲領域はできるだけ小さいことが望ましい。また、屈曲領域についても、配向規制力と透過率とのバランスを考慮すると、交差角α1は7°〜15°程度が望ましい。
(F)画素構造例4
図19に、4つ目の画素構造例を示す。この画素構造も、FFS型の液晶パネルを前提とする構造である。画素構造例4は、実施例である。
図19に示す画素構造例の場合には、3つ目の屈曲点を、画素領域の中央付近に配置する。図19に示す画素構造は、この3つ目の屈曲点よりX軸方向に延びる仮想線を境界として上下鏡面構造になっているが実際にはこれに限られるものではない。
ここで、図19に示す画素構造例では、画素領域の両端部分に位置する2つの屈曲領域において、液晶層7の配向方向とスリット31の延設方向とが7°以上で交差するように形成されている。
図19は、画素電極13がX軸方向に延びる仮想線を境界として上下鏡面構造になることに着目し、液晶層7の配向方向をY軸方向と平行になるように設定している。
なお、屈曲点3を含む画素領域中央の屈曲領域において、液晶層7の配向方向とスリット31の延設方向との交差角α2は任意であるものとする。画素領域中央に形成する屈曲点3は、視野角依存性を改善することを第1の目的として形成されているのにすぎないためである。
勿論、屈曲点3と屈曲点1の間に形成されるスリット31と液晶層7の配向方向との交差角α2が7°以上であれば配向安定性が強まるため、リバースツイストラインが仮に発生しても確実に消去することができる。同様の理由により、屈曲点3と屈曲点2の間に形成されるスリット31と液晶層7の配向方向との交差角α2が7°以上あることが望ましい。
さて、この画素構造を有する画素構造の場合、画素領域の上半分と下半分で液晶分子の回転方向が逆向きになる。すなわち、画素領域の図中上半分では電界の印加によって液晶分子が反時計回りに回転するのに対し、画素領域の図中下半分では電界の印加によって液晶分子が時計回りに回転する。
このように、液晶分子の回転方向が逆方向になることにより、斜め方向での視野角特性を補償し合うため、視野角依存性を改善することが可能になる。
(G)画素構造例5
図20に、5つ目の画素構造例を示す。この画素構造は、図19に示したデュアルドメイン構造の変形例に対応する。画素構造例5は、参考例である。
相違点は、3つ目の屈曲点において、電極枝13Aを相互に接続する連結枝13Cを追加的に配置する点である。
図19に示す画素構造の場合、上下2つのドメインの境界部分で液晶分子の回転方向が逆向きとなり、配向の乱れが生じてしまう。このため、リバースツイストラインが発生した場合に、リバースツイストラインの消失に少なからず影響が発生する。
一方、図20に示す画素構造の場合には、連結枝13Cによって2つのドメインが完全に分離される。これにより、配列の乱れを無くすことができる。結果的に、図20に示す画素構造は、リバースツイストラインの消失に要する時間を、図19に示す画素構造よりも短くでき、その分、表示品質を高めることができる。
(H)画素構造例6
図21に、6つ目の画素構造例を示す。なお、図21に示す画素構造は、図19に示し
た画素構造の変形例に対応する。画素構造例6は、実施例である。
前述した5つ目の画素構造(図20)の場合には、2つのドメインを完全に分離し、ド
メイン境界部分の配向乱れを抑制する手法を採用した。
一方、この画素構造例の場合には、3つ目の屈曲点の両側近傍に4つ目と5つ目の屈曲点を形成する構造を採用する。このとき、3つ目の屈曲点と4つ目の屈曲点の間に形成されるスリット31の延設方向と液晶層7の配向方向との交差角α3が7°以上になるように、画素パターンを形成する。同様に、3つ目の屈曲点と5つ目の屈曲点の間に形成されるスリット31の延設方向と液晶層7の配向方向との交差角α3が7°以上になるように、画素パターンを形成する。
すなわち、この7つ目の画素構造例では、3つ目の屈曲点の近傍領域における配向安定性を強めることにより、ドメイン境界部分の配向乱れを抑制する手法を採用する。
勿論、図22に示す画素構造は、3つ目の屈曲点よりX軸方向に延びる仮想線を境界として上下鏡面構造になる点は、図19に示した4つ目の画素構造と同じである。
すなわち、画素領域の両端付近に形成される屈曲領域のスリット延設方向は、7°以上の交差角で液晶層7の配向方向と交差するように形成される。この構造により、画素領域の両端部分の配向安定性が強めることができ、ディスクリネーションを効果的に抑制することができる。
一方、1つ目の屈曲点と4つ目の屈曲点の間に位置する領域では、対応するスリット31の延設方向と液晶層7の配向方向との交差角α2が、透過率が大きくなるように選択される。2つ目の屈曲点と5つ目の屈曲点の間に位置する領域についても同様である。
以上の画素構造により、画素領域の上下両端部分に発生するディスクリネーションとドメイン境界部分に発生するディスクリネーションの消失に要する時間を短縮することができる。また、外部圧力に伴って、リバースツイストラインがこれらの領域に発生した場合でも、速やかに消去することができる。
(I)画素構造例7
図22に、7つ目の画素構造例を示す。なお、図22に示す画素構造は、図20に示した画素構造の変形例に対応する。画素構造例7は、参考例である。
5つ目の画素構造の場合には、2つのドメインを完全に分離することにより、配向乱れを抑制する手法を採用した。ただし、この画素構造の場合には、どうしても連結枝13Cの近傍領域にディスクリネーションが発生してしまう。
そこで、この画素構造例の場合には、3つ目の屈曲点の両側近傍に4つ目と5つ目の屈曲点を新たに形成し、連結枝13Cの近傍領域の配向安定性を強化する構造を採用する。このとき、3つ目の屈曲点と4つ目の屈曲点の間に形成されるスリット31の延設方向と液晶層7の配向方向との交差角α3が7°以上になるように、画素パターンを形成する。同様に、3つ目の屈曲点と5つ目の屈曲点の間に形成されるスリット31の延設方向と液晶層7の配向方向との交差角α3が7°以上になるように、画素パターンを形成する。
すなわち、この7つ目の画素構造例では、3つ目の屈曲点の近傍領域の配向安定性を強めることにより、配向乱れを抑制する手法を採用する。
勿論、図22に示す画素構造は、3つ目の屈曲点よりX軸方向に延びる仮想線を境界として上下鏡面構造になる点は、図20に示した5つ目の画素構造と同じである。
すなわち、画素領域の両端付近に形成される屈曲領域のスリット延設方向は、7°以上の交差角で液晶層7の配向方向と交差するように形成される。この領域では、配向安定性が強められている。
一方、1つ目の屈曲点と4つ目の屈曲点の間のスリット延設方向は、透過率が大きくなるように選択された交差角α2で液晶層7の配向方向と交差する。勿論、2つ目の屈曲点と5つ目の屈曲点の間のスリット延設方向についても、透過率が大きくなるように選択された交差角α2で液晶層7の配向方向と交差する。
以上の構成の採用により、画素領域の両端部分に発生するディスクリネーションとドメイン境界部分に発生するディスクリネーションの消失に要する時間を短縮することができる。また、画素領域の中央部分に発生するリバースツイストラインの消失に要する時間も短縮することができる。
(J)画素構造例8
前述した7つの画素構造例の場合には、櫛歯状に加工された画素電極13の下層に、画素領域の全体を覆うように対向電極15を配置した画素構造を有する液晶パネルについて説明した。
しかし、図23に示すように、対向電極15についても櫛歯状に加工した液晶パネルを採用しても良い。なお図23の場合、対向電極15の電極枝15Aは、画素電極13の電極枝13Aの隙間(スリット31)を埋めるように配置される。すなわち、対向電極15の電極枝15Aは、画素領域内で、画素電極13の電極枝13Aと重ならないように配置される。
(K)画素構造例9
前述した各画素構造例の場合には、いずれも画素電極13と対向電極15が層違いに形成される画素構造を前提に説明した。
しかしながら、発明者らの提案する技術は、画素電極13と対向電極15が同一層に形成される横電界表示型の液晶パネルにも適用できる。
図24に、9個目の画素構造例に対応する断面構造例を示す。なお、画素電極13と対向電極15以外の構造は、基本的に図1及び図2で説明した画素構造と同じである。
すなわち、液晶パネル91は、2枚のガラス基板3及び5と、これらによって挟み込まれるように封入された液晶層7とで構成される。各基板のうち外側表面には偏光板9が配置され、内側表面には配向膜11が配置される。
図24の場合も、画素電極13と対向電極15はガラス基板5に形成される。このうち、画素電極13は、櫛歯状に加工された4本の電極枝13Aの一端を連結部13Bで連結した構造を有している。一方、対向電極15は、櫛歯状に加工された3本の電極枝15Aの一端を共通電極線33に接続した構造を有している。ここで、対向電極15の電極枝15Aは、画素電極13の電極枝13Aの隙間に嵌め込まれるように配置される。なお、共通電極線33は、信号線21と走査線23に沿うように格子状に形成する。
この電極構造のため、図24に示すように、画素電極13の電極枝13Aと対向電極15の電極枝15Aが同一層に交互に配置される。この電極構造により、画素電極13の電極枝13Aと対向電極15の電極枝15Aの間に放物線状の電界が発生する。図24には、この電界を破線にて示す。
この画素構造により、指押し等によるリバースツイスト現象によって液晶分子の配列が乱れたとしても、数秒以内に自然に消去することができる液晶パネルを実現することができる。勿論、横電界による広視野角も実現することができる。
(L)画素構造例10
前述した5つの画素構造例においては、いずれも画素電極13の電極枝13Aによって形成されるスリット31の延設方向が信号線21と平行又は信号線21に対して斜めに交差する場合について説明した。
しかしながら、画素電極13の電極枝13Aによって形成されるスリット31の延設方向は、走査線23と平行又は走査線23に対して斜めに交差しても良い。
(M)他の形態例
(M−1)基板材料
前述の形態例に係る説明では、基板をガラス基板としたが、プラスチック基板その他の基板を用いても良い。
(M−2)製品例
前述の説明では、横電界を発生し得る様々な画素構造について説明した。ここでは、これら形態例に係る画素構造を有する液晶パネル(駆動回路を実装しない状態)や液晶パネルモジュール(駆動回路を実装した状態)を実装した電子機器について説明する。
図25に、電子機器101の概念構成例を示す。電子機器101は、前述した画素構造を有する液晶パネル103、システム制御部105及び操作入力部107で構成される。システム制御部105で実行される処理内容は、電子機器101の商品形態により異なる。
また、操作入力部107の構成も商品形態により異なり、例えばGUI(グラフィックユーザーインターフェース)、スイッチ、ボタン、ポインティングデバイスその他の操作子で構成される。
なお、電子機器101は、機器内で生成される又は外部から入力される画像や映像を表示する機能を搭載していれば、特定の分野の機器には限定されない。
図26に、その他の電子機器がテレビジョン受像機の場合の外観例を示す。テレビジョン受像機111の筐体正面には、フロントパネル113及びフィルターガラス115等で構成される表示画面117が配置される。表示画面117の部分が、形態例で説明した液晶パネルに対応する。
また、この種の電子機器101には、例えばデジタルカメラが想定される。図27に、デジタルカメラ121の外観例を示す。図27(A)が正面側(被写体側)の外観例であり、図27(B)が背面側(撮影者側)の外観例である。
デジタルカメラ121は、保護カバー123、撮像レンズ部125、表示画面127、コントロールスイッチ129及びシャッターボタン131で構成される。このうち、表示画面127の部分が、形態例で説明した液晶パネルに対応する。
また、この種の電子機器101には、例えばビデオカメラが想定される。図28に、ビデオカメラ141の外観例を示す。
ビデオカメラ141は、本体143の前方に被写体を撮像する撮像レンズ145、撮影のスタート/ストップスイッチ147及び表示画面149で構成される。このうち、表示画面149の部分が、形態例で説明した液晶パネルに対応する。
また、この種の電子機器101には、例えば携帯端末装置が想定される。図29に、携帯端末装置としての携帯電話機151の外観例を示す。図29に示す携帯電話機151は折りたたみ式であり、図29(A)が筐体を開いた状態の外観例であり、図29(B)が筐体を折りたたんだ状態の外観例である。
携帯電話機151は、上側筐体153、下側筐体155、連結部(この例ではヒンジ部)157、表示画面159、補助表示画面161、ピクチャーライト163及び撮像レンズ165で構成される。このうち、表示画面159及び補助表示画面161の部分が、形態例で説明した液晶パネルに対応する。
また、この種の電子機器101には、例えばコンピュータが想定される。図30に、ノート型コンピュータ171の外観例を示す。
ノート型コンピュータ171は、下側筐体173、上側筐体175、キーボード177及び表示画面179で構成される。このうち、表示画面179の部分が、形態例で説明した液晶パネルに対応する。
これらの他、電子機器101には、プロジェクター、オーディオ再生装置、ゲーム機、電子ブック、電子辞書等が想定される。
(M−3)その他
前述した形態例には、発明の趣旨の範囲内で様々な変形例が考えられる。また、本明細書の記載に基づいて創作される又は組み合わせられる各種の変形例及び応用例も考えられる。
11 配向膜
13 画素電極
13A 電極枝
13B 連結部
13C 連結枝
15 対向電極
15A 電極枝
31 スリット

Claims (6)

  1. 互いに一定の距離を挟んで対向して配置された第1の基板及び第2の基板、
    前記第1の基板と前記第2の基板との間に液晶分子を封止して成る液晶層、
    前記液晶分子を一定の配向方向に配列させる配向膜、
    前記第1の基板側に形成された対向電極、
    前記第1の基板側に形成された画素電極、並びに、
    前記画素電極に電気的に接続された薄膜トランジスタを有し、
    前記画素電極は、複数の電極枝及び前記複数の電極枝の両端を連結する連結部から構成され、一方の連結部において画素電極コンタクト部を介して前記薄膜トランジスタと接続されており、
    前記複数の電極枝は、直線部分において互いに平行に配置されるとともに、
    各電極枝が相対的に、前記一方の連結部に最も近い位置に形成される第1の屈曲点、他方の連結部に最も近い位置に形成される第2の屈曲点、前記第1の屈曲点と前記第2の屈曲点との間に形成される第3の屈曲点、前記第3の屈曲点と前記第1の屈曲点との間に形成される第4の屈曲点、及び前記第3の屈曲点と前記第2の屈曲点との間に形成される第5の屈曲点、を有し、
    前記複数の電極枝の前記一方の連結部と前記第1の屈曲点との間に形成されるスリットの延設方向と前記配向方向との交差角をα1、前記他方の連結部と前記第2の屈曲点との間に形成されるスリットの延設方向と前記配向方向との交差角を−α1、前記第1の屈曲点と前記第4の屈曲点との間に形成されるスリットの延設方向と前記配向方向との交差角をα2、前記第2の屈曲点と前記第5の屈曲点との間に形成されるスリットの延設方向と前記配向方向との交差角を−α2、前記第4の屈曲点と前記第3の屈曲点との間に形成されるスリットの延設方向と前記配向方向との交差角をα3、前記第5の屈曲点と前記第3の屈曲点との間に形成されるスリットの延設方向と前記配向方向との交差角を−α3、としたとき、
    7(度)<α1≦15(度)、
    7(度)≦α2、
    7(度)<α3≦15(度)、
    α2<α1、
    α2<α3、
    を満足している
    液晶パネル。
  2. 前記第4の屈曲点は、前記第1の屈曲点と前記第3の屈曲点の中間点よりも前記第3の屈曲点に近い側に形成され、
    前記第5の屈曲点は、前記第2の屈曲点と前記第3の屈曲点の中間点よりも前記第3の屈曲点に近い側に形成される、
    請求項1に記載の液晶パネル。
  3. 前記第3の屈曲点は、前記一方の連結部と前記他方の連結部との間の中央付近に配置さ
    れ、前記画素電極は、前記第3の屈曲点よりX軸方向に延びる仮想線を境界として、上下鏡面構造を有する、
    請求項1または請求項2に記載の液晶パネル。
  4. 互いに一定の距離を挟んで対向して配置された第1の基板及び第2の基板、
    前記第1の基板と前記第2の基板との間に液晶分子を封止して成る液晶層、
    前記液晶分子を一定の配向方向に配列させる配向膜、
    前記第1の基板側に形成された対向電極、
    前記第1の基板側に形成された画素電極、並びに、
    前記画素電極に電気的に接続された薄膜トランジスタ、を有し、
    前記画素電極は、複数の電極枝及び前記複数の電極枝の両端を連結する連結部から構成され、一方の連結部において画素電極コンタクト部を介して前記薄膜トランジスタと接続されており、
    前記複数の電極枝は、直線部分において、互いに平行に配置されるとともに、
    各電極枝が相対的に、前記一方の連結部に最も近い位置に形成される第1の屈曲点、他方の連結部に最も近い位置に形成される第2の屈曲点、及び前記第1の屈曲点と前記第2の屈曲点との間に形成される第3の屈曲点を、有し、
    前記複数の電極枝の前記一方の連結部と前記第1の屈曲点との間に形成されるスリットの延設方向と前記配向方向との交差角をα1、前記他方の連結部と前記第2の屈曲点との間に形成されるスリットの延設方向と前記配向方向との交差角を−α1、前記第1の屈曲点と前記第3の屈曲点との間に形成されるスリットの延設方向と前記配向方向との交差角をα2、前記第2の屈曲点と前記第3の屈曲点との間に形成されるスリットの延設方向と前記配向方向との交差角を−α2としたとき、
    7(度)<α1≦15(度)、
    7(度)≦α2、
    α2<α1、
    を満足している
    液晶パネル。
  5. 前記画素電極及び前記対向電極は異なる階層面に形成されている、
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の液晶パネル。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の液晶パネル、
    前記液晶パネルを駆動する駆動回路、
    システム全体の動作を制御するシステム制御部、及び、
    前記システム制御部に対する操作入力を受け付ける操作入力部、
    を有する電子機器。
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