JP5755709B2 - 液晶パネル及び電子機器 - Google Patents
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Description
液晶パネル1は、2枚のガラス基板3及び5と、これらによって挟み込まれるように封入された液晶層7とで構成される。各基板のうち外側表面には偏光板9が配置され、内側表面には配向膜11が配置される。なお、配向膜11は、液晶層7の液晶分子群を一定方向に配列させるために使用される膜である。一般に、ポリイミド膜が使用される。
また、図2に示すように、この明細書においては、電極枝13A間の隙間をスリット31と呼ぶ。図2の場合、スリット31の延設方向は、信号線21の延設方向と同じである。
参考までに、図3(A)及び(B)に、コンタクト25付近の断面構造を示す。
図5に、リバースツイスト現象の発生例を示す。図5では、この液晶分子の配列の乱れた領域43を、電極枝13Aの延設方向に沿って延びる網掛け表示として表している。
また、屈曲点を境に画素上部とは反対側に形成されるスリットの延設方向は、液晶層の配向方向と7°以上の角度で交差するように形成されることが望ましい。この構成により、リバースツイストラインの成長が屈曲領域を越えて画面中央側まで進んだ場合にも、速やかに配向乱れを消失させることができる。
なお、画素電極パターンと前記対向電極パターンは、同じ階層面に形成されても良いし、異なる階層面に形成されても良い。すなわち、横電界表示型の液晶パネルであり、画素電極にスリットを有するものであれば、画素領域の断面構造に関係なく応用できる。
また例えば屈曲点を3つ設ける場合、3つ目の屈曲点は、画素領域の中央付近に設けることが望ましい。3つ目の屈曲点を設けることで画素領域を2つの領域に分割でき、視野角を広げることができる。
この画素構造を採用したことにより、スリット端部における配向安定性を重点的に高めることができる。
(A)液晶パネルモジュールの外観例及びパネル構造
(B)スリットの延設方向と液晶層の配向方向との間に発見された特性
(C)画素構造例1(屈曲点が1つのシングルドメイン構造例の参考例)
(D)画素構造例2(屈曲点が1つのシングルドメイン構造例の参考例)
(E)画素構造例3(屈曲点が2つのシングルドメイン構造例の参考例)
(F)画素構造例4(屈曲点が3つのシングルドメイン構造例)
(G)画素構造例5(屈曲点が3つのデュアルドメイン構造例の参考例)
(H)画素構造例6(屈曲点が5つのシングルドメイン構造例)
(I)画素構造例7(屈曲点が5つのデュアルドメイン構造例の参考例)
(J)画素構造例8(変形例)
(K)画素構造例9(変形例)
(L)画素構造例10(変形例)
(M)他の形態例
図6に、液晶パネルモジュール51の外観例を示す。液晶パネルモジュール51は、支持基板53に対向基板55を貼り合わせた構造を有している。支持基板53は、ガラス、プラスチックその他の基材で構成される。対向基板55も、ガラス、プラスチックその他の透明部材を基材とする。対向基板55は、封止材料を挟んで支持基板53の表面を封止する部材である。
この他、液晶パネルモジュール51には、外部信号や駆動電源を入力するためのFPC(フレキシブルプリントサーキット)57が必要に応じて配置される。
ゲート線ドライバ67は、信号電位Vsig の書き込みタイミングを与える制御パルスをスキャン線WLに印加するのに用いられる。この形態例の場合、スキャン線WLは、図中X方向に延びるように配線される。
タイミングコントローラ69は、信号線ドライバ65及びゲート線ドライバ67に駆動パルスを供給する回路デバイスである。
前述したように、既存の画素構造には、指押し等により液晶分子の配向乱れ(リバースツイスト現象)が発生すると、いつまでも表示ムラとして視認される問題があった。
そこで、発明者らは、画素電極13の電極枝13Aによって形成されるスリット31の延設方向と液晶層7の配向方向との交差角度を可変することにより、液晶分子の配向乱れが自然に軽減されるかについて実験を行った。なお、液晶層7の配向方向とは(なお、「液晶の配向方向」ともいう。)、液晶がもつ誘電率異方性の向きで定義され、誘電率が大きい方向をいうものとする。
まず、図8を用いてスリット31と液晶層7の配向方向との関係を説明する。図8は、サブ画素71の平面構造を表した図である。なお、図8においては、スリット31の延設方向と液晶層7の配向方向との関係に着目するため、薄膜トランジスタ等の表示は省いている。
また、図8では、液晶層7の配向方向を矢印線で示す。図8の場合、紙面斜め右上方向が液晶層7の配向方向である。図8では、液晶層7の液晶層7とスリット31の延設方向との交差角をαとして示している。
図9に、測定結果を示す。図9の横軸は、スリット31の延設方向と液晶層7の配向方向との交差角αであり、図9の縦軸は、表示ムラが消失するまでに要した時間である。
図9に示す実験結果より、交差角αが7°未満の場合には、リバースツイスト現象による表示ムラが自然に消失しないことが確認された。
図10に、交差角αと表示ムラのレベルとの間に観察された結果を示す。図10の横軸は、スリット31の延設方向と液晶層7の配向方向との交差角αであり、図10の縦軸は、表示ムラの視認レベルである。
図11に示すように、交差角αと相対透過率との間にはおおよそ線形の関係が認められる。この透過率の観点からすると、交差角αは、小さいほど表示輝度の点で有利になることが分かる。
更に、発明者らは、これらの交差角αの条件を画素領域の一部分のみ適用することの効果を実験により確認した。以下、実験結果について説明する。
図12や図13に示す平面構造は、図8で説明した平面構造と同じであり、対応部分には同一符号を付して表している。すなわち、サブ画素71は、Y方向に延設された信号線21とX方向に延設された走査線23とで囲まれた矩形領域内に形成される。また、図12や図13の場合も、画素電極13は、5本の電極枝13Aとその両端を連結する連結部13Bとで構成される。
図12や図13の場合、屈曲点よりも画素領域の中央側に位置する電極枝13Aは信号線21に対して平行に形成され、屈曲点よりもコンタクト25側に位置する電極枝13Aは信号線21に対して図中右方向に傾いた電極パターンを考える。
図12及び図13では、画素領域全体の面積に占める屈曲部分の面積(屈曲点よりもコンタクト25側の面積)をA%として示している。従って、屈曲部分以外の面積は(100−A)%で与えられる。
そして、屈曲部分の面積比率Aが大きくなると、交差角α1の大きさに関わらず、相対透過率が低下する特性が確認される。
なお、交差角α1が小さいほど相対透過率は高く、交差角α1が大きくなるほど相対透過率が低くなることは、図11の特性と同じである。
図16に示す画素構造は、図12や図13で説明した画素構造と同じFFS(Fringe Field Switching)型の液晶パネルを前提とする。
従って、画素領域の断面構造は、図1に示す構造となる。すなわち、対向電極15は、画素電極13よりも下層側に画素領域の全域を覆うように配置される。
しかし、図16に示す画素構造の場合には、コンタクト25の近傍付近に屈曲領域を設けているので、この領域部分の配向安定性を高めることができる。結果的に、ディスクリネーションの成長を抑制することができる。
これにより、従来技術に比して画面輝度が高くかつリバースツイストライン(画像残り)の少ない液晶パネルを実現することができる。
図17に、2つ目の画素構造例を示す。画素構造例2は、参考例である。この画素構造も、FFS(Fringe Field Switching)型の液晶パネルを前提とする構造である。
また、この画素構造の場合、屈曲領域を除く画素領域(画素領域の中央部分)において、スリット31の延設方向と液晶層7の配向方向とは7°以上の角度α2で交差する。このため、この領域部分までリバースツイストラインが仮に成長したとしても、短時間のうちに自然に消失させることができる。
図18に、3つ目の画素構造例を示す。この画素構造も、FFS型の液晶パネルを前提とする構造である。画素構造例3は、参考例である。
この画素構造も、前述した2つの画素構造と同じく、シングルドメイン構造の画素構造例に対応する。この画素構造例の特徴は、屈曲点(屈曲領域)を2つとする点である。具体的には、2つ目の屈曲点を、コンタクト25とは反対側の連結部13Bの近傍に設ける点である。
勿論、画素領域全体に占める屈曲領域の面積比率が大きくなると透過率が低下するので、屈曲領域はできるだけ小さいことが望ましい。また、屈曲領域についても、配向規制力と透過率とのバランスを考慮すると、交差角α1は7°〜15°程度が望ましい。
図19に、4つ目の画素構造例を示す。この画素構造も、FFS型の液晶パネルを前提とする構造である。画素構造例4は、実施例である。
図19は、画素電極13がX軸方向に延びる仮想線を境界として上下鏡面構造になることに着目し、液晶層7の配向方向をY軸方向と平行になるように設定している。
図20に、5つ目の画素構造例を示す。この画素構造は、図19に示したデュアルドメイン構造の変形例に対応する。画素構造例5は、参考例である。
相違点は、3つ目の屈曲点において、電極枝13Aを相互に接続する連結枝13Cを追加的に配置する点である。
図21に、6つ目の画素構造例を示す。なお、図21に示す画素構造は、図19に示し
た画素構造の変形例に対応する。画素構造例6は、実施例である。
前述した5つ目の画素構造(図20)の場合には、2つのドメインを完全に分離し、ド
メイン境界部分の配向乱れを抑制する手法を採用した。
勿論、図22に示す画素構造は、3つ目の屈曲点よりX軸方向に延びる仮想線を境界として上下鏡面構造になる点は、図19に示した4つ目の画素構造と同じである。
図22に、7つ目の画素構造例を示す。なお、図22に示す画素構造は、図20に示した画素構造の変形例に対応する。画素構造例7は、参考例である。
5つ目の画素構造の場合には、2つのドメインを完全に分離することにより、配向乱れを抑制する手法を採用した。ただし、この画素構造の場合には、どうしても連結枝13Cの近傍領域にディスクリネーションが発生してしまう。
勿論、図22に示す画素構造は、3つ目の屈曲点よりX軸方向に延びる仮想線を境界として上下鏡面構造になる点は、図20に示した5つ目の画素構造と同じである。
一方、1つ目の屈曲点と4つ目の屈曲点の間のスリット延設方向は、透過率が大きくなるように選択された交差角α2で液晶層7の配向方向と交差する。勿論、2つ目の屈曲点と5つ目の屈曲点の間のスリット延設方向についても、透過率が大きくなるように選択された交差角α2で液晶層7の配向方向と交差する。
前述した7つの画素構造例の場合には、櫛歯状に加工された画素電極13の下層に、画素領域の全体を覆うように対向電極15を配置した画素構造を有する液晶パネルについて説明した。
前述した各画素構造例の場合には、いずれも画素電極13と対向電極15が層違いに形成される画素構造を前提に説明した。
しかしながら、発明者らの提案する技術は、画素電極13と対向電極15が同一層に形成される横電界表示型の液晶パネルにも適用できる。
すなわち、液晶パネル91は、2枚のガラス基板3及び5と、これらによって挟み込まれるように封入された液晶層7とで構成される。各基板のうち外側表面には偏光板9が配置され、内側表面には配向膜11が配置される。
前述した5つの画素構造例においては、いずれも画素電極13の電極枝13Aによって形成されるスリット31の延設方向が信号線21と平行又は信号線21に対して斜めに交差する場合について説明した。
しかしながら、画素電極13の電極枝13Aによって形成されるスリット31の延設方向は、走査線23と平行又は走査線23に対して斜めに交差しても良い。
(M−1)基板材料
前述の形態例に係る説明では、基板をガラス基板としたが、プラスチック基板その他の基板を用いても良い。
前述の説明では、横電界を発生し得る様々な画素構造について説明した。ここでは、これら形態例に係る画素構造を有する液晶パネル(駆動回路を実装しない状態)や液晶パネルモジュール(駆動回路を実装した状態)を実装した電子機器について説明する。
図26に、その他の電子機器がテレビジョン受像機の場合の外観例を示す。テレビジョン受像機111の筐体正面には、フロントパネル113及びフィルターガラス115等で構成される表示画面117が配置される。表示画面117の部分が、形態例で説明した液晶パネルに対応する。
ビデオカメラ141は、本体143の前方に被写体を撮像する撮像レンズ145、撮影のスタート/ストップスイッチ147及び表示画面149で構成される。このうち、表示画面149の部分が、形態例で説明した液晶パネルに対応する。
ノート型コンピュータ171は、下側筐体173、上側筐体175、キーボード177及び表示画面179で構成される。このうち、表示画面179の部分が、形態例で説明した液晶パネルに対応する。
前述した形態例には、発明の趣旨の範囲内で様々な変形例が考えられる。また、本明細書の記載に基づいて創作される又は組み合わせられる各種の変形例及び応用例も考えられる。
13 画素電極
13A 電極枝
13B 連結部
13C 連結枝
15 対向電極
15A 電極枝
31 スリット
Claims (3)
- 互いに一定の距離を挟んで対向して配置された第1の基板及び第2の基板、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に液晶分子を封止して成る液晶層、
前記液晶分子を一定の配向方向に配列させる配向膜、
前記第1の基板側に形成された対向電極、
前記第1の基板側に形成された画素電極、並びに、
前記画素電極に電気的に接続された薄膜トランジスタを有し、
前記画素電極は、複数の電極枝及び前記複数の電極枝の両端を連結する連結部から構成され、一方の連結部において画素電極コンタクト部を介して前記薄膜トランジスタと接続されており、
前記複数の電極枝は、直線部分において互いに平行に配置されるとともに、
各電極枝が相対的に、前記一方の連結部に最も近い位置に形成される第1の屈曲点、他方の連結部に最も近い位置に形成される第2の屈曲点、前記第1の屈曲点と前記第2の屈曲点との間に形成される第3の屈曲点、前記第3の屈曲点と前記第1の屈曲点との間に形成される第4の屈曲点、及び前記第3の屈曲点と前記第2の屈曲点との間に形成される第5の屈曲点、を有し、
前記第4の屈曲点は、前記第1の屈曲点と前記第3の屈曲点の中間点よりも前記第3の屈曲点に近い側に形成され、
前記第5の屈曲点は、前記第2の屈曲点と前記第3の屈曲点の中間点よりも前記第3の屈曲点に近い側に形成され、
前記第3の屈曲点は、前記一方の連結部と前記他方の連結部との間の中央付近に配置さ
れ、前記画素電極は、前記第3の屈曲点から前記一方の連結部と平行方向に延びる仮想線を境界として、上下鏡面構造を有し、
前記複数の電極枝は、前記第1の屈曲点から前記一方の連結部までの長さよりも、前記第3の屈曲点から前記第4の屈曲点までの長さが短く、かつ、前記第2の屈曲点から前記他方の連結部までの長さよりも、前記第3の屈曲点から前記第5の屈曲点までの長さが短く、
前記複数の電極枝の前記一方の連結部と前記第1の屈曲点との間に形成されるスリットの延設方向と前記配向方向との交差角をα1、前記他方の連結部と前記第2の屈曲点との間に形成されるスリットの延設方向と前記配向方向との交差角を−α1、前記第1の屈曲点と前記第4の屈曲点との間に形成されるスリットの延設方向と前記配向方向との交差角をα2、前記第2の屈曲点と前記第5の屈曲点との間に形成されるスリットの延設方向と前記配向方向との交差角を−α2、前記第4の屈曲点と前記第3の屈曲点との間に形成されるスリットの延設方向と前記配向方向との交差角をα3、前記第5の屈曲点と前記第3の屈曲点との間に形成されるスリットの延設方向と前記配向方向との交差角を−α3、としたとき、
7(度)<α1≦15(度)、
7(度)≦α2、
7(度)<α3≦15(度)、
α2<α1、
α2<α3、
を満足している
液晶パネル。 - 前記画素電極及び前記対向電極は異なる階層面に形成されている、
請求項1に記載の液晶パネル。 - 請求項1又は請求項2に記載の液晶パネル、
前記液晶パネルを駆動する駆動回路、
システム全体の動作を制御するシステム制御部、及び、
前記システム制御部に対する操作入力を受け付ける操作入力部、
を有する電子機器。
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