JP2014077922A - 感光性着色組成物及びカラーフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】BM線幅の細線化に伴う透明電極層のクラック発生を抑止しながら、高さ制御や形状の悪化などを引き起こすことなく、積層構造のPSを形成できる感光性着色組成物と、それを用いて形成されるカラーフィルタ基板を提供することと、実際の硬化膜における、クラック発生を抑止するための、良好な耐擦傷性、耐溶剤性を有する、架橋密度の指標の提示。
【解決手段】スタイラス径15μmのダイヤモンド圧子を用いたスクラッチ試験機で、前記感光性着色組成物により硬化形成された硬化膜表面を、ロードレート69.69mN/mm、ステージ速度3μm/sで走査した際のスクラッチ痕であって、荷重20mNに相当する地点で計測されるスクラッチ痕のキズ深さが0.30μm以下である物性を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、カラー液晶表示装置等に用いられるカラーフィルタの製造に使用されるカラーフィルタ用感光性着色組成物、及びこれを用いて形成されるカラーフィルタに関する。
液晶表示装置は、小型、薄型、軽量及び低消費電力という特徴を有するため、様々な表示装置に広範に使用されている。このような液晶表示装置の一例としては、カラーフィルタは、ブラックマトリクス(BM)を設けた透明基板上に複数の色(通常、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色)からなる着色層が配置され、その上に液晶表示装置の電極となる透明導電膜(透明電極)を積層して提供され、カラーフィルタ基板と薄膜トランジスタ(TFT)基板との間に液晶層の所定の厚み(セルギャップ)を保持するためのスペーサーが配設されている。
このセルギャップを正確に保持しないと、液晶層の厚みに差異が出て、液晶の旋光特性差による着色、あるいは部分的な色むらが生じて、表示品質に悪影響を及ぼすことから、スペーサーの配設は、フォトリソグラフィー法により所望の位置、例えば、画素間の境界にある格子パターン状のBM上など、に柱状の樹脂製スペーサーを形成する方法が主流となってきている。このようなスペーサーを以下、フォトスペーサー(PS)と呼ぶ(特許文献1〜4)。
近年では、PSを複数の着色層を二次元的に形成する際に、同時に三次元的に積層させて形成する方法も提案されており、この方法では、PS配設のための工程を追加する必要がないため、カラーフィルタを廉価に製造することができる(特許文献5〜7)。
また、低消費電力という観点、高精細化を目的として、BM線幅の細線化が進んでいる。従来、BM上にオーバーラップする着色層は、隣り合う異なる色の着色層と重なるまで延出することは少なく、BMの線幅内で隣の着色層とギャップを隔てて配置されることが多かったが、細線化に伴い、BM上で異なる着色層が重なることを許容する設計がなされるようになり、この重なり部を起点としたクラックが発生し、パネルの表示品質に影響を及ぼしている。
従来、クラック発生の改善法としては架橋密度の向上が挙げられ、組成物中の重合性化合物や架橋性化合物の比率を増やすことが一般的に行われており、ウレタン結合を含有するモノマーや樹脂を用いる方法が開示されているが、高色再現性要求が高まる中で着色剤高濃度化傾向にある感光性着色組成物においては、効果が十分であるとは言えなかった(特許文献8)。
さらには、着色層形成と同時に形成した積層構造のPSについては、上記方法ではPSの密着性低下や、乗り上げ量の低下に伴う積層高さの制御が困難であること、PSのカケ発生などの問題がある。
また、同様の重なり部を有するカラーフィルタにおけるクラック発生を抑制する手段として、重なり部を含む一部領域において透明電極を設けない方法の提示があるが、この手法では配向膜塗布などの後工程での耐性においては不十分である。以上のことから、色重なり部でのクラック発生を抑制しながら、良好な積層PSを形成することは困難であった(特許文献9)。
特開平9‐258192号公報 特開平11‐248921号公報 特開2001‐201750号公報 特開2001‐108813号公報 特開平4‐93924号公報 特開平4‐184423号公報 特開2007‐212826号公報 特開2006‐163084号公報 特開2011‐107379号公報
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたもので、BM線幅の細線化に伴うような、BM上で異なる着色層が重なった設計であっても、着色画素のテーパー部分が重なり合う領域を起点にして発生する透明電極層のクラック発生を抑止しながら、高さ制御や形状の悪化などを引き起こすことなく、積層構造のPSを形成できる感光性着色組成物と、それを用いて形成されるカラーフィルタ基板を提供することと、実際の硬化膜における、クラック発生を抑止するための、良好な耐擦傷性、耐溶剤性を有する、架橋密度の指標の提示を課題とする。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、硬化膜を形成するための、着色剤(a)、透明樹脂(b)、光重合性モノマー(c)、光重合開始剤(d)、溶剤(e)を含有する感光性着色組成物であって、
スタイラス径15μmのダイヤモンド圧子を用いたスクラッチ試験機で、前記感光性着色組成物により硬化形成された硬化膜表面を、ロードレート69.69mN/mm、ステージ速度3μm/sで走査した際のスクラッチ痕であって、荷重20mNに相当する地点で計測されるスクラッチ痕のキズ深さが0.30μm以下である物性を備えていることを特徴とする感光性着色組成物である。
また、請求項2に記載の発明は、前記感光性着色組成物の全固形分に占める前記着色剤(a)の濃度が30〜45%であって、
且つ透明樹脂(b)に含まれるエポキシ化合物が、前記感光性着色組成物の全固形分中に対して3〜10%であり、
且つエポキシ化合物が、二官能以上で、エポキシ当量(g/eq:エポキシ基1個当たりの分子量=分子量÷エポキシ基数)が200未満であり、
且つ前記光重合性モノマー(c)が、その二重結合当量(g/mol:二重結合1個当たりの分子量=分子量÷二重結合)が150以下であることを特徴とする請求項1の感光性着色組成物である。
また、請求項3に記載の発明は、透明な基板と、該基板上に設けられ、開口部を有するブラックマトリクスと、該開口部の各々に配置された着色画素を構成し、感光性着色組成物の硬化膜で形成された複数の着色層と、前記ブラックマトリクス上に位置し、前記複数の着色層と同じ感光性着色組成物を1色以上積層して形成された積層フォトスペーサーとを有するカラーフィルタであって、
前記感光性着色組成物として、請求項1又は2に記載の感光性着色組成物を使用したことを特徴とするカラーフィルタである。
本発明の感光性着色組成物によれば、画素および積層フォトスペーサーを形成している感光性着色組成物が、全固形分中の着色剤の濃度が高い場合においても、架橋密度の高いモノマー、透明樹脂の含有、および光重合性モノマーと透明樹脂とを特定の比率にすることにより、クラック抑制の効果を得ながら高さ低下やカケ発生を引き起こすことなく、積層構造のPSを形成することが可能となる。すなわち、本発明の感光性着色組成物を用いて形成されるカラーフィルタ基板においては、透明電極層のクラック発生が抑制され、液晶表示装置の画質が向上する。
積層フォトスペーサーを形成した一例のカラーフィルタ基板を示す模式図。 積層フォトスペーサー部を部分断面で示す模式図。 本発明に係るカラーフィルタ基板において、隣り合う着色層がブラックマトリクス表面上に延出して互いに重なり合う重なり部を断面で示す説明図。
以下本発明を実施するための形態について詳細に説明する。従来、膜の架橋性、硬化度を示す指標としては、ビッカース硬さなどの膜硬度が用いられているが、下地や着色層の膜厚の影響を強く受け、物性値として得るには、膜厚の1/10程度の厚さ領域で評価する必要があり、1〜3μm程度が一般的であるカラーフィルタの着色層においては、試験力などの条件も限られ、バラつきなく序列が判断できる指標として得ることは困難である。さらには、膜硬度が高すぎることで発生してしまうクラックなど、脆さなどについての情報を得ることも困難である。
一方、本発明で適用されるスクラッチ痕のキズ深さについては、膜の硬化度と復元力、いずれも架橋密度に関連する指標を総合した数値として得ることが可能である。ここで、着色組成物の硬化膜のスクラッチ痕のキズ深さとは、スタイラス径15μmのダイヤモンド圧子を用いたスクラッチ試験機(例えば、超薄膜スクラッチ試験機 CSR‐02(レスカ社製))で、着色層表面を、ロードレート69.69mN/mm、ステージ速度3μm/sで走査した際のスクラッチ痕において、荷重20mNに相当する地点にて計測される深さにて定義する。
ここで、硬化膜のスクラッチ痕のキズ深さが、0.30μm以下であれば、膜表面の硬化密度が高い膜であり、NMPなどの耐溶剤性が高く膨潤が抑制され、またクラックなどの発生もない。0.30μmよりも大きくなると、膜の硬化度としては架橋密度が低く、色重なり部などの架橋密度がより低くなりやすい領域において、膨潤やクラックの発生を引き起こしてしまう。
以上のように、本発明においては、着色層をスクラッチ試験機にて傷をつけた際の特定荷重におけるキズ深さを規定することにより、膜表面の脆弱性がない、クラック発生のない着色層として、生産時の不良発生のトラブルを未然に回避することが可能である。
本発明に係る感光性着色組成物は、少なくとも、着色剤、透明樹脂、光重合性モノマー、光重合開始剤からなる感光性着色組成物である。
本発明に係る感光性着色組成物においては、感光性着色組成物の全固形分に対して30〜45質量%、好ましくは35〜40質量%の着色顔料を含有する。感光性着色組成物の全固形分中に含まれる着色顔料量が30質量%未満では組成中の着色成分が少ないために、高色再現性を達成するような設計においては、色膜厚が厚くなってしまう。45質量%を超えると、全固形分中に含まれる成分の大半が着色剤由来の成分となり、光重合性モノマー、光重合開始剤を十分量含有することができず、パターン形成ができなくなってしまう。
本発明に係る感光性着色組成物においては、透明樹脂として、二官能以上であり、エポキシ当量が200未満のエポキシ樹脂を含有することを特徴としている。本発明においては、エポキシ化合物は光重合性モノマー、その他の透明樹脂等と熱的に反応し、架橋することにより架橋密度を向上させる働きをする。
エポキシ当量とは、エポキシ基1つあたりの分子量を示したものであり、これが小さいほどエポキシ基の架橋による架橋密度向上の効果が高いことを示している。エポキシ基が一つのみの場合、上記の架橋の働きとしては得られず、架橋性の向上効果は見られない。エポキシ当量が200以上の場合、エポキシ基による架橋形成による密度向上の効果が小さくなってしまう。
エポキシ化合物としては、上記範囲内であれば特に指定なく種々化合物を使用でき、具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリカルボン酸グリシジルエステル、ポリオールポリグリシジルエステル、脂肪族又は脂環式エポキシ樹脂、アミンエポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂などが挙げられる。
エポキシ化合物の着色組成物中の添加量としては、組成物中の全固形分に対して3〜10重量%が好ましく、より好ましくは5〜8重量%である。3%より少ないと上記の架橋密度向上の効果が十分得られず、10%より多いと、導入するエポキシ化合物に由来する、現像性の低下や耐性の低下が発生してしまう。
<着色剤(a)>
本発明に係る感光性着色組成物に含有される着色剤としては、一般に市販されている有機顔料を用いることができる。また、染料、天然色素、無機顔料を併用してもよい。有機顔料としては、発色性が高く、かつ耐熱性、特に耐熱分解性の高いものが好適に用いられる。有機顔料は、1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。また、有機顔料は、ソルトミリング、アシッドペースティング等により微細化したものであってもよい。
以下に、本発明に係る感光性着色組成物に使用可能な有機顔料の具体例を、カラーインデックス(C.I.)番号で示す。赤色画素には、例えば、色材として、C.I.Pigment Red 7、14、41、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、81:4、146、168、177、178、179、184、185、187、200、202、208、210、246、254、255、264、270、272、279等の赤色顔料を用いることができ、黄色顔料や橙色顔料を併用することもできる。
黄色顔料としては、C.I.Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、187、188、193、194、199、198、213、214等が挙げられる。橙色顔料としては、C.I.Pigment Orange 36、43、51、55、59、61、71、73等が挙げられる。
緑色画素には、例えば、C.I.Pigment Green 7、10、36、37、58等の緑色顔料を用いることができ、黄色顔料を併用することもできる。黄色顔料としては、赤色画素に用いる顔料として挙げたものと同様のものが使用可能である。
青色画素には、例えば、C.I.Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64等の青色顔料を用いることができ、紫色顔料を併用することもできる。紫色顔料としては、C.I.Pigment
Violet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等が挙げられる。
これらの顔料は、単独で、あるいは、混合して使用しても良く、その添加量は、本発明に係わるカラーフィルタ用感光性着色組成物の全固形分100重量%に対して、30〜45重量%で用いられる。
顔料の分散剤としては界面活性剤、顔料の誘導体、ゼネカ(株)製:「ソルスパース」などの広範囲のものが使用される。これらの分散剤の添加量は、顔料100重量%に対して1〜30重量%程度で用いられる。
<透明樹脂(b)>
本発明の感光性樹脂組成物の透明樹脂として、エポキシ化合物以外にアルカリ可溶性樹脂を含有することができる。アルカリ可溶性樹脂としては、線状有機高分子重合体で、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の透明樹脂であり、分子中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基(例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基など)を有する樹脂の中から適宜選択することができる。このうち、さらに好ましくは、有機溶剤に可溶で弱アルカリ水溶液により現像可能なものである。
このようなアルカリ可溶型の非感光性樹脂として具体的には、酸性官能基を有するアクリル樹脂、α‐オレフィン‐(無水)マレイン酸共重体、スチレン‐(無水)マレイン酸共重合体、スチレン‐スチレンスルホン酸共重合体、エチレン‐(メタ)アクリル酸共重合体、イソブチレン‐(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。なかでも、酸性官能基を有するアクリル樹脂、α‐オレフィン‐(無水)マレイン酸共重合体、スチレン‐(無水)マレイン酸共重合体およびスチレン‐スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂が好適に用いられる。
硬化膜の架橋性向上という観点から、本発明の感光性樹脂組成物の透明樹脂として、反応性官能基を有する線状高分子に、この反応性官能基と反応可能な置換基を有する(メタ)アクリル化合物、ケイヒ酸等を反応させて、エチレン不飽和二重結合を該線状高分子に導入した樹脂が好適に用いられる。前記反応性官能基としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等が例示でき、この反応性官能基と反応可能な置換基としては、イソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等が例示できる。
<光重合性モノマー(c)>
本発明に係る感光性着色組成物においては、含有する光重合性モノマーの二重結合当量が150より小さい範囲にあることを特徴としている。二重結合当量とは、二重結合基1つあたりの分子量を示したものであり、小さいほど硬化膜の架橋密度が大きくなるといえ
る。ここで、二重結合当量が150よりも大きい場合、着色剤濃度の高い組成物中においては、組成中に占められる比率に対して、硬化膜の架橋密度を十分高めることはできず、溶剤浸漬時の膨潤やクラック発生などを引き起こしてしまう。上記の範囲にあると、架橋性の高い塗膜を少量の含有量で形成することが可能となる。
前記のような光重合性モノマーとして、好ましくはエチレン性不飽和基を3つ以上含有するモノマーが好適に用いられる。具体的には、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートである。
また、前記の二重結合当量の範囲内であれば、水酸基を有する(メタ)アクリレートに多官能イソシアネートを反応させて得られる(メタ)アクリロイル基を有する多官能ウレタンアクリレートも好適に用いることができる。水酸基を有する(メタ)アクリレートと多官能イソシアネートとの組合せは任意であり、特に限定されるものではない。また、1種の多官能ウレタンアクリレートを単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
ここで、水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、2‐ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4‐ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールプロピレンオキサイド変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールカプロカラクトン変性ペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールアクリレートメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、2‐ヒドロキシ‐3‐アクリロイルプロピルメタクリレート、エポキシ基含有化合物とカルボキシ(メタ)アクリレートの反応物、水酸基含有ポリオールポリアクリレート等が挙げられる。また、多官能イソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ポリイソシアネート等が挙げられる。
<光重合開始剤(d)>
光重合開始剤(としては、オキシムエステル系重合開始剤が好適に使用できる。例えば、1,2‐オクタンジオン,1‐〔4‐(フェニルチオ)‐,2‐(O‐ベンゾイルオキシム)〕、O‐(アセチル)‐N‐(1‐フェニル‐2‐オキソ‐2‐(4'‐メトキシ‐ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン、エタノン,1‐〔9‐エチル‐6‐(2‐メチルベンゾイル)‐9H‐カルバゾール‐3‐イル〕‐,1‐(O‐アセチルオキシム)である。
他の重合開始剤を併用することもできる。このような重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサンソン系化合物、トリアジン系化合物、ホスフィン系化合物、キノン系化合物、ボレート系化合物、カルバゾール系化合物、イミダゾール系化合物、チタノセン系化合物等が挙げられる。
アセトフェノン系化合物としては、4‐フェノキシジクロロアセトフェノン、4‐t‐ブチル‐ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1‐(4‐イソプロピルフェニル)‐2‐ヒドロキシ‐2‐メチルプロパン‐1‐オン、1‐ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2‐メチル‐1‐[4‐(メチルチオ)フェニル]‐2‐モルフ
ォリノプロパン‐1‐オン等が例示できる。
また、ベンゾイン系化合物としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等が例示できる。ベンゾフェノン系化合物としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4‐フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4‐ベンゾイル‐4'‐メチルジフェニルサルファイド等が例示できる。
チオキサンソン系化合物としては、チオキサンソン、2‐クロルチオキサンソン、2‐メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4‐ジイソプロピルチオキサンソン等が例示できる。トリアジン系化合物としては、2,4,6‐トリクロロ‐s‐トリアジン、2‐フェニル‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐s‐トリアジン、2‐(p‐メトキシフェニル)‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐s‐トリアジン、2‐(p‐トリル)‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐s‐トリアジン、2‐ピペニル‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐s‐トリアジン、2,4‐ビス(トリクロロメチル)‐6‐スチリルs‐トリアジン、2‐(ナフト‐1‐イル)‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐s‐トリアジン、2‐(4‐メトキシ‐ナフト‐1‐イル)‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐s‐トリアジン、2,4‐トリクロロメチル‐(ピペロニル)‐6‐トリアジン、2,4‐トリクロロメチル(4'‐メトキシスチリル)‐6‐トリアジン等が例示できる。
ホスフィン系化合物としては、ビス(2,4,6‐トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6‐トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が例示できる。また、キノン系化合物としては、9,10‐フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等を例示できる。光重合開始剤の使用量は、光重合性モノマーの5〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%とすることが望ましい。
さらに、着色組成物には、連鎖移動剤としての働きをする多官能チオールを含有させることができる。多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4‐ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4‐ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3‐メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2‐ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4‐ジメチルメルカプトベンゼン、2,4,6‐トリメルカプト‐s‐トリアジン等が挙げられる。
<溶剤(e)>
また、本発明に係る感光性着色組成物には、基板上への均一な塗布を可能とするために、有機溶剤等の溶剤が配合される。また、顔料を均一に分散させる機能も有する。用いて好適な有機溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1‐メトキシ‐2‐プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル‐nアミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルトルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤等が挙げられ、これらを単独で、若しくは混合して用いる。
また、本発明の感光性着色組成物には、さらに必要に応じて添加剤を含有しても良い。このような添加剤としては、具体的には界面活性剤、溶解促進剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、増感剤などが挙げられる。
本発明の感光性着色組成物は、各成分を混合し、シェーカー、デスパー、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、アトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散することにより製造することができる。本発明の感光性着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
本発明のカラーフィルタ基板は、透明基板上にブラックマトリクス(1)、複数色の着色画素(2)、ブラックマトリクス上に着色画素を構成する感光性着色組成物を1色以上積層して形成された積層フォトスペーサー(3)を有している(図1に例示)。一般的なカラーフィルタ基板において、ブラックマトリクス層の厚さは0.5〜3μm、幅は3〜30μmの範囲である。
また、赤色画素、緑色画素、青色画素のそれぞれの膜厚は0.5〜3μmである。この膜厚は、感光性着色組成物の組成や塗布方法で大きく左右されるが、従来の感光性着色組成物を用いて各画素の膜厚をおよそ2μmで形成した場合には、例えば、図2に示すように、ブラックマトリクス(1)上に乗り上げ・形成する赤色層(3R)の厚さは1.2μm程度、その上に乗り上げ・形成する緑色層(3G)の厚さは1.1μm程度、さらにその上に乗り上げ・形成する青色層(3B)の厚さは0.9μm程度と薄く形成される傾向にある。
また、画素の狭ピッチ化・BM線幅の細線化として、BM上で異なる着色層が重なったカラーフィルタ基板の模式図を図3に示すが、BM上で比較的大きな凹凸を伴う断面形状を呈しており、架橋性もパターン中央部に比べ、端部においては低いため、この領域にて膨潤の発生や、クラック発生の起点となりやすい。
以下に、本発明に係わる実施例を、図2を参照して説明する。なお、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例中、「部」および「%」とは「質量部」及び「質量%」をそれぞれ意味する。
0.7mm厚のガラス基板上にブラックマトリクス、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色の着色画素を設けた。なお、以下の実施例および比較例では、本発明の効果を明確にするために、緑色着色組成物について本発明を適用し、ブラックマトリクス上に緑色着色組成物を積層したフォトスペーサーを有するカラーフィルタを作製した。
まず、実施例および比較例で用いた、感光性着色組成物の調製について具体的に説明する。本発明は、これら実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施可能である。
顔料の分散剤としては界面活性剤、顔料の誘導体、ゼネカ(株)製:「ソルスパース」などの広範囲のものが使用される。これらの分散剤の添加量は、顔料100重量%に対して1〜30重量%程度で用いられる。
<顔料分散樹脂溶液の調製>
反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート370部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度でメタクリル酸20.0部、メチルメタクリレート5.0部、n‐ブチルメタクリレート60.0部、2‐ヒドロキシエチルメタクリレート15.0部、2,2'‐アゾビスイソブチロニトリル4.0部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させて、重量平均分子量が40000のアクリル樹脂溶液を得た。
室温まで冷却した後、アクリル樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成したアクリル樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加し顔料分散樹脂溶液を調整した。
<透明樹脂溶液の調整>
まず、反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート370部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度でメタクリル酸(MAA)48部、2‐ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)17部、メタクリル酸メチル(MMA)16部、ベンジルメタクリレート(BzMA)17部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社社製「アロニックスM110」)9部、および2,2'‐アゾビスイソブチロニトリル12.0部の混合物を1時間かけて滴下し、重合反応を行った。
滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル3.0部をシクロヘキサノン50部に溶解させた溶液を加え、さらに80℃で1時間反応を続けて、共重合体を得た。得られた共重合体に、グリシジルメタクリレート(GMA)21部と、ベンジルジメチルアミン0.5部を加え、100℃で20時間反応させて、重量平均分子量が18000のアクリル樹脂を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加し、透明樹脂溶液を調製した。
<樹脂型分散剤溶液の調製>
市販の樹脂型分散剤(BASF社製EFKA4300)とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとを用いて不揮発分40重量%溶液に調整し、樹脂型分散剤溶液として使用した。
<顔料分散体の調製>
<赤色顔料分散体PR>
下記組成の混合物を均一に攪拌混合した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM‐250 MKII」)で5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し、赤色顔料分散体PRを作製した。
赤色顔料 :C.I.Pigment Red 254(固形分100%) 7.5部
(チバ・ジャパン社製「イルガフォーレッド B‐CF」)
赤色顔料 :C.I.Pigment Red 177(固形分100%) 1.2部
(チバ・ジャパン社製「クロモフタールレッド A2B」)
黄色顔料1:C.I.Pigment Yellow150(固形分100%)1.0部
(ランクセス社製「E4GN」)
ジケトピロロピロール系顔料誘導体(固形分100%) 2.3部樹脂型分散剤溶液(固形分40%) 3.0部顔料分散樹脂溶液 34.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 51.0部である。
<緑色顔料分散体PG>
下記組成の混合物を使用し、赤色顔料分散体と同様にして、緑色顔料分散体PGを作製した。
緑色顔料1:C.I.Pigment Green36(固形分100%) 7.8部
(トーヨーケム社製「リオノールグリーン6YK」)
黄色顔料2:C.I.Pigment Yellow139(固形分100%)4.2部
(BASF社製「パリオトールイエロー D1819」)
樹脂型分散剤溶液 3.0部顔料分散樹脂溶液 34.0部プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 51.0部である。
<青色顔料分散体PB>
下記組成の混合物を使用し、赤色顔料分散体と同様にして、青色顔料分散体PBを作製した。
青色顔料1:C.I.Pigment Blue15:6(固形分100%)12.0部
( BASF製「ヘリオゲンブルーL‐6700F」)
樹脂型分散剤溶液 3.0部
顔料分散樹脂溶液・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート・・・・・・・・・・51.0部である。
<光重合性モノマーの調製>
内容量が1リットルの5つ口反応容器に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(東亞合成社製)623g、ヘキサメチレンジイソシアネート44gを仕込み、60℃で8時間反応させ、光重合性モノマー1を得た。なお、IR分析により反応生成物中にイソシアネート基が存在しないことを確認した。
<感光性着色組成物の製造>
<赤色感光性着色組成物>
下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して赤色感光性着色組成物を得た。
赤色顔料分散体PR(固形分20%) 30.0部透明樹脂溶液(固形分20%) 2.5部光重合性モノマー(東亜合成社製「アロニックスM402」固形分100%) 4.0部光開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュアー 379」固形分100%) 0.8部増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB‐F」固形分100%) 0.4部増感剤(チバ・ジャパン社製「DAROCUR TPO」固形分100%) 0.3部界面活性剤
:(ビックケミー社製「BYK330」)2%シクロヘキサノン溶液 1.0部シクロヘキサノン 28.0部プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 35.0部である。
<青色感光性着色組成物>
下記組成の混合物を使用し、赤色感光性着色組成物と同様にして、青色感光性着色組成物
を作製した。
青色顔料分散体PB(固形分20%) 30.0部透明樹脂溶液(固形分20%) 2.5部光重合性モノマー(東亜合成社製「アロニックスM402」) 4.0部光開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュアー 379」) 0.8部増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB‐F」) 0.4部増感剤(チバ・ジャパン社製「DAROCUR TPO」) 0.3部界面活性剤
:(ビックケミー社製「BYK330」)2%シクロヘキサノン溶液 1.0部シクロヘキサノン 28.0部プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 35.0部である。
<緑色感光性着色組成物>
表1に示す組成(質量比)の混合物を、均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、実施例1〜5、比較例1〜4の緑色感光性着色組成物をそれぞれ調整した。
Figure 2014077922
表1の組成の具体的内容を以下に示す。
顔料分散体 : 先に調整した顔料分散体PG(固形分20%)
エポキシ樹脂: ナガセケムテックス製「EX611」(固形分100%)
: ナガセケムテックス製「EX810」(固形分100%)
: ナガセケムテックス製「EX111」(固形分100%)
: ナガセケムテックス製「EX252」(固形分100%)
透明樹脂 : 先に調整した透明樹脂溶液(固形分20%)
重合性モノマー
: 東亜合成社製「アロニックスM402」(固形分100%)
: 先に調整した光重合性モノマー1(固形分80%)
: 大阪有機化学製「PET3A」(固形分100%)
: 大阪有機化学製「V#1000」(固形分100%)
光開始剤 : チバ・ジャパン社製「イルガキュアーOXE‐02(固形分100%)連鎖移動剤 : 昭和電工製「TPMB」(固形分100%)
界面活性剤 : ビックケミー社製「BYK330」2%シクロヘキサノン溶液
有機溶剤 : プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc)
有機溶剤 : シクロヘキサノン
である。
<着色画素、スペーサー形成>
得られた感光性着色組成物を用いて着色画素層を形成した。あらかじめ1.8μm膜厚で積層部のみ部分的に幅広としたストライプ状の樹脂ブラックマトリクスが形成してあるガラス基板に、赤色着色組成物をスピンレスコートにより仕上り膜厚が2μmとなるように塗布した。90℃で5分間乾燥の後、赤色画素形成用のストライプ状フォトマスクを介して、高圧水銀灯の光を30mJ/cm照射し、アルカリ現像液にて60秒間現像して、ストライプ形状の赤色の着色画素を得た。その後、230℃で20分処理して硬膜した。
次に、緑色着色組成物も同様にスピンレスコートにより仕上り膜厚が2μmとなるように塗布した。90℃で5分間乾燥した後、前述の赤色画素と隣接した位置にパターンが形成されるようにフォトマスクを通して露光し現像することで、緑色画素とブラックマトリクス上の直径30μmのドット状積層部を得た。その後、230℃で20分処理して硬膜
した。
さらに、赤色、緑色と全く同様にして、青色着色組成物についても同様にスピンレスコートにより仕上り膜厚が2μmとなるように塗布した。90℃で5分間乾燥した後、赤色、緑色の着色画素と隣接した位置に着色画素、前述の赤色画素と隣接した位置にパターンが形成されるようにフォトマスクを通して露光し現像することで、青色画素を得た。これで、透明基板上に赤、緑、青3色のストライプ状の着色画素とブラックマトリクス上に緑色組成物からなる積層フォトスペーサーを有するカラーフィルタが得られた。
なお、アルカリ現像液は以下の組成からなる。
炭酸ナトリウム 1.5質量%炭酸水素ナトリウム 0.5質量%陰イオン系界面活性剤(花王・ペリレックスNBL) 8.0質量%水 90.0質量%である。
<評価>
実施例1〜5及び比較例1〜4の感光性緑色組成物について、下記の手順に従って評価を行った。
<乗り上げ量>
実施例1〜5及び比較例1〜4の感光性緑色組成物を用いて作製したカラーフィルタについて、ブラックマトリクス上のドット状積層部の膜厚=乗り上げ量を接触式膜厚計で測定した。
<積層パターン形状>
実施例1〜5及び比較例1〜4の感光性緑色組成物を用いて作製したカラーフィルタについて、ブラックマトリクス上のドット状積層部の形状、密着性について光学顕微鏡にて観察した。
<キズ深さ>
実施例1〜5及び比較例1〜4の感光性緑色組成物を用いて作製したカラーフィルタについて、着色部をスタイラス径15μmのダイヤモンド圧子を用いたスクラッチ試験機(超薄膜スクラッチ試験機 CSR‐02(レスカ社製))にて、ロードレート69.69mN/mm、ステージ速度3μm/sの条件で走査し、発生したスクラッチ痕の荷重20mNに相当する地点でのキズ深さを接触式膜厚計にて測定した。
<膨潤・クラック耐性>
実施例1〜5及び比較例1〜4の感光性緑色組成物を用いて作製したカラーフィルタについて、透明電極層としてITOを膜厚1400Å成膜したサンプルをNMPに15分浸漬し、パターン、色重なり部の状態を観察し、パターン表面の状態は変化が認められなかったものを○、微小な膨潤,クラックが認められたものを△、膨潤やクラックが認められたものを×として評価した。その結果を表1に示す。
<評価結果>
実施例1〜5のいずれについても、スクラッチ痕のキズ深さは0.30μm以下であり、色重なり部におけるクラック・膨潤の発生も認められず、乗り上げ量や積層形状といった積層特性についても問題ないことが確認できた。一方、比較例1では架橋性向上として光重合性モノマー量を多く含有しているが、エポキシ化合物が含有しておらず、キズ深さは0.32μmの値を示し、色重なり部でクラックの発生が確認された。また、光重合性モ
ノマー増量に伴い、積層部の乗り上げ量低下、形状の悪化も確認される結果であった。
また、比較例2、3では、エポキシ樹脂において単官能のEX111を用いた場合、エポキシ当量は範囲内でも架橋性向上の効果は見られないことが明らかであり、エポキシ当量が大きいEX252においても、同様に効果が不十分であることが分かる。比較例4においては、光重合性モノマーを二重結合当量の大きいV#1000に変更しているが、キズ深さの悪化が見られ、色重なり部のクラック耐性も不十分であった。
以上から、本発明の感光性着色組成物を用いて形成されたカラーフィルタでは、積層パターン形成に必要な特性を備えつつ、色重なり部における膨潤、クラックの発生を抑制することが明らかであり、そのような膨潤・クラック発生の指標としてスクラッチ痕のキズ深さが有用であることが明らかとなった。
1・・・ブラックマトリクス
2・・・画素
2R・・・赤色画素
2G・・・緑色画素
2B・・・青色画素
3・・・積層フォトスペーサー
4・・・ガラス基板
5・・・色重なり部(R‐G)
6・・・透明電極(ITO膜)

Claims (3)

  1. 硬化膜を形成するための、着色剤(a)、透明樹脂(b)、光重合性モノマー(c)、光重合開始剤(d)、溶剤(e)を含有する感光性着色組成物であって、
    スタイラス径15μmのダイヤモンド圧子を用いたスクラッチ試験機で、前記感光性着色組成物により硬化形成された硬化膜表面を、ロードレート69.69mN/mm、ステージ速度3μm/sで走査した際のスクラッチ痕であって、荷重20mNに相当する地点で計測されるスクラッチ痕のキズ深さが0.30μm以下である物性を備えていることを特徴とする感光性着色組成物。
  2. 前記感光性着色組成物の全固形分に占める前記着色剤(a)の濃度が30〜45%であって、
    且つ透明樹脂(b)に含まれるエポキシ化合物が、前記感光性着色組成物の全固形分中に対して3〜10%であり、
    且つエポキシ化合物が、二官能以上で、エポキシ当量(g/eq:エポキシ基1個当たりの分子量=分子量÷エポキシ基数)が200未満であり、
    且つ前記光重合性モノマー(c)が、その二重結合当量(g/mol:二重結合1個当たりの分子量=分子量÷二重結合)が150以下であることを特徴とする請求項1の感光性着色組成物。
  3. 透明な基板と、該基板上に設けられ、開口部を有するブラックマトリクスと、該開口部の各々に配置された着色画素を構成し、感光性着色組成物の硬化膜で形成された複数の着色層と、前記ブラックマトリクス上に位置し、前記複数の着色層と同じ感光性着色組成物を1色以上積層して形成された積層フォトスペーサーとを有するカラーフィルタであって、
    前記感光性着色組成物として、請求項1又は2に記載の感光性着色組成物を使用したことを特徴とするカラーフィルタ。
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