JP2014077599A - 空調システム - Google Patents
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Abstract
【課題】粉塵が発生する時点と空気清浄の開始時点または空気清浄の能力増大時点との間のタイムラグを短縮することができる空調システムを提供する。
【解決手段】空調システム1は、空気調和機10と空気清浄機20とを備えている。空気調和機10は、人または動物の動きを検知する動体検知センサ14と、動体検知センサ14による人または動物の動きの検知に基づいて動体検知信号SMを送信する送信装置16とを備える。空気清浄機20は、動体検知信号SMを受信する受信装置26を有し、動体検知信号SMの受信に基づいて空気清浄能力を大きくする。
【選択図】図2
【解決手段】空調システム1は、空気調和機10と空気清浄機20とを備えている。空気調和機10は、人または動物の動きを検知する動体検知センサ14と、動体検知センサ14による人または動物の動きの検知に基づいて動体検知信号SMを送信する送信装置16とを備える。空気清浄機20は、動体検知信号SMを受信する受信装置26を有し、動体検知信号SMの受信に基づいて空気清浄能力を大きくする。
【選択図】図2
Description
本発明は、空気調和機と空気清浄機とを連動させて室内空気を清浄する空調システムに関する。
この種の空調システムとして、特許文献1または2に記載の技術が知られている。
特許文献1に係る空調システムでは、空気調和機と空気清浄機とを連動するための連動制御手段を備えている。この連動制御手段では、所定条件下において、空気調和機と空気清浄機とのいずれか一方を優先運転し、かつ他方を抑制運転する。特許文献2に係る空調システムでは、空気清浄機から送信される各種信号に基づいて空気調和機を制御する。
特許文献1に係る空調システムでは、空気調和機と空気清浄機とを連動するための連動制御手段を備えている。この連動制御手段では、所定条件下において、空気調和機と空気清浄機とのいずれか一方を優先運転し、かつ他方を抑制運転する。特許文献2に係る空調システムでは、空気清浄機から送信される各種信号に基づいて空気調和機を制御する。
空気清浄機には、吸入空気の粉塵濃度に基づいて能力を調整する能力調整機能を有するものがある。例えば、特許文献2の技術では、空気清浄機の運転状態を、空気清浄機の粉塵センサにより検出される粉塵濃度、または空気調和機の粉塵センサにより検出される粉塵濃度に基づいて制御する。
ところで、室内空気の粉塵濃度は、様々な要因によって変化する。
例えば、室内に人やペットが入ってきたとき、ドアの開閉とともに床に溜まっている粉塵が巻き上げられて室内空気の粉塵濃度が急に高くなる。また、室内で人が運動を始めたり、ペットが動き回ったりすると、壁の振動や空気の乱れにより床や机の上に溜まっている粉塵が巻き上げられる。また、日常生活においては、衣服の脱衣または着衣、洗濯物の畳み作業や収納作業において、衣服等から粉塵が発生する。このように、室内空気の粉塵濃度は人や動物の動きによって変化する。
例えば、室内に人やペットが入ってきたとき、ドアの開閉とともに床に溜まっている粉塵が巻き上げられて室内空気の粉塵濃度が急に高くなる。また、室内で人が運動を始めたり、ペットが動き回ったりすると、壁の振動や空気の乱れにより床や机の上に溜まっている粉塵が巻き上げられる。また、日常生活においては、衣服の脱衣または着衣、洗濯物の畳み作業や収納作業において、衣服等から粉塵が発生する。このように、室内空気の粉塵濃度は人や動物の動きによって変化する。
ところが、従来の空気清浄機は、空気清浄機内に入ってきた吸入空気の粉塵濃度に基づいてその運転状態を変化させるため、粉塵の発生により粉塵濃度が高くなった室内空気が空気清浄機に到達するまでは、空気清浄機の空気清浄能力を大きくすることはない。このようなことから、粉塵が発生しても、粉塵発生の時点から粉塵が空気清浄機に到達するまでの暫くの期間は、室内空気の粉塵濃度が高くなったままで維持される。すなわち、粉塵が発生する時点と空気清浄が運転開始する時点との間、または粉塵が発生する時点と空気清浄の能力が増大する時点との間にはタイムラグがある。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、粉塵が発生する時点と空気清浄の開始時点または空気清浄の能力増大時点との間のタイムラグを短縮することができる空調システムを提供することにある。
空調システムは、人または動物の動きを検知する動体検知センサと、前記動体検知センサによる人または動物の動きの検知に基づいて動体検知信号を送信する送信装置とを備える空気調和機と、前記動体検知信号を受信する受信装置を有し、前記動体検知信号の受信に基づいて空気清浄能力を大きくする空気清浄機とを含む。
人や動物の動きは粉塵を発生させる。そこで、本空調システムでは、人や動物の動きを検出し、検出の有無に基づいて空気清浄機を動作させる。具体的には、空気調和機は、人または動物の動きを動体検知センサにより検知し、この検知に基づいて動体検知信号を送信する。一方、空気清浄機は、動体検知信号の受信に基づいて空気清浄能力を大きくする。すなわち、本空調システムでは、人や動物の動きを検出した時点で空気清浄機の清浄能力を大きくする。このため、粉塵が発生する時点と空気清浄を開始する時点または空気清浄能力を大きくする時点との間のタイムラグを短縮することができる。
上記構成の空調システムにおいて、前記空気清浄機は、システム全体としての空気清浄能力を大きくするための支援を要請する支援信号を送信する送信装置を更に備え、前記空気調和機は、吸入空気を清浄する空気清浄運転を実行する機能を備え、前記支援信号を受信するときは、前記空気調和機の前記空気清浄運転を開始し、または前記空気清浄運転の能力を大きくする。
室内空気の粉塵濃度が高いとき、空気清浄機の空気清浄能力では十分に短い時間で室内空気を清浄することができない場合がある。この点、上記構成では、十分に短い時間で室内空気を清浄することができない場合を想定して、空気清浄機は、空気清浄能力の支援を要請する機能を備えている。一方、空気調和機は、その要請に応じて、空気清浄運転を開始または空気清浄能力を大きくする機能を備える。すなわち、本空調システムでは、空気調和機に空気清浄の一部を担わせることができるため、室内空気を迅速に清浄することができる。
上記構成の空調システムにおいて、前記空気清浄機は、前記動体検知信号に基づいて空気清浄能力を大きくする時点から設定時間の経過後、吸入空気の粉塵濃度が設定値よりも高く、前記吸入空気の粉塵濃度が増大傾向にあり、かつ前記空気清浄機の空気清浄能力が最大に設定されているとき、前記空気調和機に対して前記支援信号を送信する。
空気清浄機が動体検知信号に基づいて空気清浄能力を大きくする時点から設定時間が経過したとき、吸入空気の粉塵濃度が設定値よりも高く、吸入空気の粉塵濃度が増大傾向にあり、かつ空気清浄機の空気清浄能力が最大に設定されている場合は、空気清浄機の空気清浄能力が不足していることを示す。そこで、このような場合に空気清浄機は空気調和機に対して支援信号を送信する。これにより、室内空気の粉塵濃度を迅速に低下させることが可能となる。
上記構成の空調システムにおいて、前記空気調和機は、吸入空気を清浄する空気清浄運転を実行する機能を備え、前記空気調和機は、前記動体検知信号を送信するとき、前記空気調和機の空気清浄運転を開始し、または前記空気調和機の空気清浄能力を大きくする。
この構成によれば、空調システムは、空気調和機が送信する動体検知信号に基づいて空気清浄機の空気清浄能力を大きくし、かつ空気調和機自体も、空気調和機の空気清浄機能を動作開始し、またはその空気清浄能力を大きくする。すなわち、本空調システムは、人または動物の動きを検出したとき、空気清浄機と空気調和機とをともに動作させる。このため、空気調和機の空気清浄能力を増大させないで空気清浄機を動作させる場合に比べて、室内空気を迅速に清浄することができる。
上記構成の空調システムにおいて、前記空気清浄機は、室内の下方に配置されるものであり、吸入空気の温度を測定する温度センサを備え、前記空気清浄機の送信装置は、前記温度センサにより取得された値を下方温度信号として外部に送信する機能を更に備え、前記空気調和機は、前記下方温度信号を受信するとき、前記下方温度信号に基づいて空調制御する。
本空調システムの空気調和機は室内において上方に設置されることが多い。従って、空気調和機は、上方の空気を吸い込み、その空気の温度を測定して、空調制御する。しかし、室内の上方の空気温度と室内の中間層あたりの空気温度とは異なるため、空気調和機内にある温度センサの値を用いて空調制御しても、室内の中間層あたりの空気温度が目標温度に近づかないといった場合がある。そこで、本空調システムでは、空気清浄機内にある温度センサにより取得された値である下方温度信号に基づいて空調制御する。これにより、従来の空調制御に比べて、室内の中間層の空気を設定温度に近づけることができる。
本発明によれば、粉塵が発生する時点と空気清浄の開始時点または空気清浄の能力増大時点との間のタイムラグを短縮することができる空調システムを提供することができる。
図1を参照して、空調システム1の一例を説明する。
空調システム1は、室内温度及び室内湿度のうちの少なくとも一方を調節する空気調和機10と、室内空気を清浄にする空気清浄機20とを備えている。
空調システム1は、室内温度及び室内湿度のうちの少なくとも一方を調節する空気調和機10と、室内空気を清浄にする空気清浄機20とを備えている。
空調システム1は、壁や天井で仕切られた閉空間や、一部において外部と繋がっている一部開放空間に設置される。例えば、壁、天井、扉等で仕切られた部屋や、出入り口が常時開放された部屋に設置される。全方向が開放された空間に空調システム1を設置することも可能であるが、空調システム1の清浄能力を十分に発揮させるためには、全方向において壁、天井、扉、窓等で仕切られた部屋に空気調和機10を設置することが好ましい。
空調システム1の空気調和機10は、室内に設置される。具体的には、空気調和機10は、室内の上方に配置される。
空調システム1の空気清浄機20は、室内の下方に設置される。具体的には、空気清浄機20は、室内の床に配置される。
空調システム1の空気清浄機20は、室内の下方に設置される。具体的には、空気清浄機20は、室内の床に配置される。
図2を参照して、空調システム1の構成を説明する。
空気調和機10は、冷媒回路11と、室外空気を吸入する室外ファン12と、室内空気を吸入する室内ファン13とを備えている。
空気調和機10は、冷媒回路11と、室外空気を吸入する室外ファン12と、室内空気を吸入する室内ファン13とを備えている。
空気調和機10は、これらの装置11,12,13に加えて、人または動物を検知する動体検知センサ14と、室内空気の温度を検出する温度センサ15と、各種信号を送信する送信装置16と、各種信号を受信する受信装置17と、目標温度TAを設定するための設定装置18と、各装置を制御する制御装置19とを備えている。
冷媒回路11は、冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒を膨張させる電子膨張弁、冷媒と室外空気との間で熱交換する室外熱交換器と、冷媒と室内空気との間で熱交換する室内熱交換器とを備えている。冷媒回路11には、冷媒圧力PCを検出する冷媒圧力センサ11Aや冷媒温度TCを検出する冷媒温度センサ11Bが取り付けられている。冷媒圧力センサ11Aは、冷媒圧力PCに応じた値の冷媒圧力信号SPを出力する。冷媒温度センサ11Bは、冷媒温度TCに応じた値の冷媒温度信号STを出力する。
動体検知センサ14は、焦電素子、画像素子、または受発光素子を用いて構成される。
焦電素子を含む動体検知センサ14は、人や動物から発生する赤外線量の変化を検出し、人または動物の動きを検出する。画像素子を含む動体検知センサ14は、画像処理により人または動物の動きを検出する。受発光素子を含む動体検知センサ14は、所定の箇所に赤外光を投射し、この赤外線の反射光の変化を検出することにより人または動物の動きを検出する。
焦電素子を含む動体検知センサ14は、人や動物から発生する赤外線量の変化を検出し、人または動物の動きを検出する。画像素子を含む動体検知センサ14は、画像処理により人または動物の動きを検出する。受発光素子を含む動体検知センサ14は、所定の箇所に赤外光を投射し、この赤外線の反射光の変化を検出することにより人または動物の動きを検出する。
動体検知センサ14は、人や動物の動きを検出するとき、動体を検知した旨を示す検知信号SMxを制御装置19に出力する。
すなわち、動体検知センサ14が検知信号SMxを出力するときは、動体検知センサ14の感応領域内で人または動物の動きがあることを示す。動体検知センサ14が検知信号SMxを出力しないときは、動体検知センサ14の感応領域内で人または動物が存在しないこと、または人または動物の動きがない状態を示す。
すなわち、動体検知センサ14が検知信号SMxを出力するときは、動体検知センサ14の感応領域内で人または動物の動きがあることを示す。動体検知センサ14が検知信号SMxを出力しないときは、動体検知センサ14の感応領域内で人または動物が存在しないこと、または人または動物の動きがない状態を示す。
温度センサ15は、空気調和機10の吸気口に取り付けられている。この温度センサ15は、吸気口付近の空気の温度に応じた空気温度信号SRを出力する。温度センサ15としては、例えば、抵抗型温度センサや熱電対型の温度センサが採用される。
制御装置19は、リモートコントローラ等の設定装置18を介して入力される目標温度TAと、冷媒圧力信号SPに基づいて得られる冷媒圧力PCと、冷媒温度信号STに基づいて得られる冷媒温度TCと、推定室内温度TRとに基づいて、電子膨張弁及び圧縮機を制御する。例えば、電子膨張弁の開度を調節して、冷媒量を調節する。圧縮機の回転速度を調節して、空気調和機10の冷暖房能力を調節する。
また、制御装置19は、後述の支援信号SAに基づいて空気清浄運転を実行する。
空気清浄運転では、清浄モードで室内ファン13の回転速度ωrを制御する。清浄モードとは、室内ファン13の回転速度ωrを設定値ωxよりも大きくする制御を示す。この設定値ωxは、室内ファン13の回転能力において「大」の領域に設定されている。清浄モードでは、送風量を大きくすることにより、室内空気を空気調和機10内のフィルタ22に通過させる空気量を増大させる。これにより、空気調和機10のフィルタ22により室内空気を清浄にする。
空気清浄運転では、清浄モードで室内ファン13の回転速度ωrを制御する。清浄モードとは、室内ファン13の回転速度ωrを設定値ωxよりも大きくする制御を示す。この設定値ωxは、室内ファン13の回転能力において「大」の領域に設定されている。清浄モードでは、送風量を大きくすることにより、室内空気を空気調和機10内のフィルタ22に通過させる空気量を増大させる。これにより、空気調和機10のフィルタ22により室内空気を清浄にする。
一方、支援信号SAがないときは、制御装置19は、通常モードで室内ファン13の回転速度ωrを制御する。ここで、通常モードとは、リモートコントローラ等の設定装置18を介して入力される目標送風量に基づいて室内ファン13の回転速度ωrを制御することを示す。
また、制御装置19は、動体検知センサ14から出力される検知信号SMxを受信したとき、検知信号SMxの有無に応じて動体検知信号SMを送信するように送信装置16に対して指示する。すなわち、制御装置19は、人または動物の動きを検知したことを送信装置16を介して空気清浄機20に伝える。
また、制御装置19は、空気清浄機20の下方温度信号TDに基づいて導き出される室内下方の空気温度と、温度センサ15の空気温度信号SRから導き出される室内上方の空気温度とに基づいて、室内温度を推定する。例えば、暖房運転及び冷房運転のときには、室内上方の空気温度は、室内下方の空気温度よりも高くなる傾向にあるため、室内下方の空気温度と室内上方の空気温度との平均値を推定室内温度TRに設定する。
送信装置16は、動体検知信号SMを空気清浄機20に送信する。
受信装置17は、空気清浄機20から送信される下方温度信号TD(後述)と、空気清浄機20から送信される支援信号SA(後述)とを受信する。
受信装置17は、空気清浄機20から送信される下方温度信号TD(後述)と、空気清浄機20から送信される支援信号SA(後述)とを受信する。
次に、空気清浄機20について説明する。
空気清浄機20は、粉塵を除去するフィルタ22と、室内空気を吸入する吸気ファン21と、吸入空気に含まれる粉塵の濃度(以下「粉塵濃度CD」)を検出する粉塵センサ23と、吸入空気の温度を検出する温度センサ24と、各種信号を送信する送信装置25と、各種信号を受信する受信装置26と、各装置を制御する制御装置28とを備えている。
空気清浄機20は、粉塵を除去するフィルタ22と、室内空気を吸入する吸気ファン21と、吸入空気に含まれる粉塵の濃度(以下「粉塵濃度CD」)を検出する粉塵センサ23と、吸入空気の温度を検出する温度センサ24と、各種信号を送信する送信装置25と、各種信号を受信する受信装置26と、各装置を制御する制御装置28とを備えている。
温度センサ24は、空気清浄機20の吸気口に取り付けられている。
温度センサ24は、吸気口付近の空気の温度に応じた値を示す空気温度信号SUを出力する。なお、この空気温度信号SUに基づいて送信用に形成される信号を「下方温度信号TD」という。
温度センサ24は、吸気口付近の空気の温度に応じた値を示す空気温度信号SUを出力する。なお、この空気温度信号SUに基づいて送信用に形成される信号を「下方温度信号TD」という。
制御装置28は、設定装置27を介して入力されている設定に基づいて空気清浄能力を増減する。空気清浄能力の増減とは、具体的には、吸気ファン21の回転速度ωiの増減を示す。
設定装置27を介して行われる設定とは、空気清浄能力の設定である。空気清浄能力は、「強」〜「弱」の間で設定される。「強」設定では、吸気ファン21の回転速度ωiが「大」にされる。「弱」設定では、吸気ファン21の回転速度ωiが「小」にされる。「強」〜「弱」の間の中間値(以下、「中」)では、吸気ファン21の回転速度ωiが「大」〜「小」の中間値(すなわち、「大」と「小」の平均値)に設定される。
また、制御装置28は、空気調和機10から送信される動体検知信号SMの受信に基づいて空気清浄能力を増減する。なお、以降の説明では、「動体検知信号SMの受信に基づいて空気清浄能力を増減する」という動作を「連動運転」といい、「連動運転」を開始することを「連動開始」という。
制御装置28は、動体検知信号SMの最初の受信(人または動物の一連の動きについての最初の動きに対応する動体検知信号SMを受信すること)においては、次のように、空気清浄能力を設定する。なお、以降の説明では、連動開始時における設定を「連動開始設定」という。
例えば、動体検知信号SMの受信があるとき、空気清浄機20が運転中であるときは、空気清浄能力を増強する。例えば、動体検知信号SMの受信があるときに空気清浄機20が「弱」で運転しているときは、動体検知信号SMの受信に基づいて、空気清浄能力を「中」に設定する。
更に、制御装置28は、動体検知信号SMに基づいて空気清浄能力を大きくする時点から設定時間Txの経過後、次の判断をする。すなわち、制御装置28は、第1に、吸入空気の粉塵濃度CDが設定値Cxよりも高いこと、第2に、吸入空気の粉塵濃度CDが増大傾向にあること、第3に、空気清浄機20の空気清浄能力が最大に設定されていること、の夫々を独立して判定する。そして、第1〜第3の全てが成立するときは、支援信号SAを形成する(図7のステップS540、S550、S560、S600参照)。支援信号SAは、室内空気を清浄にするための支援を要求するための信号である。すなわち、支援信号SAの形成は、空気清浄機20の空気清浄能力が不足していることを示す。
送信装置25は、下方温度信号TD及び支援信号SAを空気調和機10に送信する。
受信装置26は、空気調和機10から送信される動体検知信号SMを受信し、動体検知信号SMを受信した旨を制御装置28に出力する。
受信装置26は、空気調和機10から送信される動体検知信号SMを受信し、動体検知信号SMを受信した旨を制御装置28に出力する。
次に、空調システム1の動作について説明する。
まず、空気調和機10の制御装置19の動作を説明する。
空気調和機10は、次の4個の処理を、それぞれ独立に実行する。
・第1に、人または動物の動きを空気清浄機20に知らせるための「動体検知処理」を実行する。
・第2に、空気清浄機20から送信される温度情報(下方温度信号TD)を空調制御に反映させるための「室内温度更新処理」を実行する。
・第3に、室内空気の空調を行うための「空調制御処理」を実行する。
・第4に、空気清浄機20を支援するための「支援信号の受信処理]を実行する。
まず、空気調和機10の制御装置19の動作を説明する。
空気調和機10は、次の4個の処理を、それぞれ独立に実行する。
・第1に、人または動物の動きを空気清浄機20に知らせるための「動体検知処理」を実行する。
・第2に、空気清浄機20から送信される温度情報(下方温度信号TD)を空調制御に反映させるための「室内温度更新処理」を実行する。
・第3に、室内空気の空調を行うための「空調制御処理」を実行する。
・第4に、空気清浄機20を支援するための「支援信号の受信処理]を実行する。
図3を参照して、「動体検知処理」について説明する。
空気調和機10の制御装置19は、所定周期で「動体検知処理」を繰り返し実行する。
ステップS100において、動体(人または動物の動き)を検知したか否かを判定する。具体的には、動体検知センサ14の検知信号SMxの出力に基づいて人または動物の動きの有無を判定する。動体検知センサ14の検知信号SMxの出力があるとき(ステップS100の「YES」判定)、ステップS110に移行し、動体検知信号SMを送信する。一方、動体検知センサ14の検知信号SMxの出力がないときは(ステップS100の「NO」判定)、「動体検知処理」を一旦終了する。
空気調和機10の制御装置19は、所定周期で「動体検知処理」を繰り返し実行する。
ステップS100において、動体(人または動物の動き)を検知したか否かを判定する。具体的には、動体検知センサ14の検知信号SMxの出力に基づいて人または動物の動きの有無を判定する。動体検知センサ14の検知信号SMxの出力があるとき(ステップS100の「YES」判定)、ステップS110に移行し、動体検知信号SMを送信する。一方、動体検知センサ14の検知信号SMxの出力がないときは(ステップS100の「NO」判定)、「動体検知処理」を一旦終了する。
図4を参照して、「室内温度更新処理」について説明する。
空気調和機10の制御装置19は、所定周期で「室内温度更新処理」を繰り返し実行する。「推定室内温度TR」は、空調制御処理において、室内温度を示すパラメータとして用いられる。
空気調和機10の制御装置19は、所定周期で「室内温度更新処理」を繰り返し実行する。「推定室内温度TR」は、空調制御処理において、室内温度を示すパラメータとして用いられる。
ステップS200では、下方温度信号TDを受信しているか否かを判定する。具体的には、受信装置17が受信する下方温度信号TDの有無に基づいて、下方温度信号TDを受信しているか否かを判定する。下方温度信号TDの受信があるときは、ステップS210に移行し、推定室内温度TRを更新する。一方、下方温度信号TDの受信がないときは、室内温度更新処理を一旦終了する。
推定室内温度TRの更新は次のように行われる。空気清浄機20の下方温度信号TDに基づいて導き出される室内下方の空気温度と、空気調和機10の温度センサ15の信号から導き出される室内上方の空気温度とに基づいて、室内温度を推定し、この値を推定室内温度TRとして記憶する。
すなわち、空気調和機10は、空気清浄機20において検出された温度情報(すなわち、下方温度信号TD)に基づいて、室内温度を推定する。
これは次の理由による。空気調和機10は、室内の上方に設置されることが多い。室内の上方に設置された空気調和機10は、室内の上方の空気を吸入し、その空気の温度を内蔵の温度センサ15により検出する。従って、温度センサ15は、室内上方の室内空気の温度を測定する。一方、人または動物の活動は室内中間または室内下方で行われている。すなわち、従来の空気調和機10は、人または動物の活動領域の空気ではなく、その上方の空気の温度を推定室内温度TRとして取り扱って空調制御する。このため、実際の室内温度と、人が要求する室内温度とが乖離したり、または実際の室内温度が、人が要求する室内温度に収束しないといった問題がある。
これは次の理由による。空気調和機10は、室内の上方に設置されることが多い。室内の上方に設置された空気調和機10は、室内の上方の空気を吸入し、その空気の温度を内蔵の温度センサ15により検出する。従って、温度センサ15は、室内上方の室内空気の温度を測定する。一方、人または動物の活動は室内中間または室内下方で行われている。すなわち、従来の空気調和機10は、人または動物の活動領域の空気ではなく、その上方の空気の温度を推定室内温度TRとして取り扱って空調制御する。このため、実際の室内温度と、人が要求する室内温度とが乖離したり、または実際の室内温度が、人が要求する室内温度に収束しないといった問題がある。
このような問題を改善するため、リモートコントローラに温度センサを設けて、この温度センサにより検知される温度に基づいて空調制御を行うことが提案されている。しかし、リモートコントローラに内蔵される温度センサは室内の一箇所の温度を測定する。このため、リモートコントローラが置かれたところが室内の日陰部分であったり日当たりがよい部分であったりすると、温度センサが検出する温度は実際の室内温度から乖離する。
そこで、本実施形態では、空気清浄機20に温度センサ24を設けて、この温度センサ24により吸入空気の温度を測定する。空気清浄機20は、室内の下方の空気を吸い込むため、人または動物の活動領域に近いところの空気温度を測定する。このため、温度センサ24が検出する温度が、実際の室内温度から大きく乖離するといったことは抑制される。また、この構成では、連続して空気清浄機20に取り込まれる空気を温度センサ24の測定の対象とする。すなわち、温度測定の対象は、室内空気の一部に限定されない。このため、温度センサ24が検出する温度が実際の室内温度から大きく乖離するといったことが抑制される。このようなことから、空気清浄機20の温度センサ24により検出される値(下方温度信号TD)を考慮することにより、室内温度の推定精度が向上する。
図5を参照して、空気調和機10の制御装置19が実行する「空調制御処理」について説明する。空気調和機10の制御装置19は、所定周期で「空調制御処理」を繰り返し実行する。
ステップS300において、推定室内温度TRを取得する。
ステップS310において、目標温度TAを取得する。目標温度TAは、設定装置18に入力されている設定温度である。ステップS320において、冷媒温度信号STに基づいて導き出された冷媒温度TCを取得する。ステップS330において、冷媒圧力信号SPに基づいて導き出された冷媒圧力PCを取得する。
ステップS310において、目標温度TAを取得する。目標温度TAは、設定装置18に入力されている設定温度である。ステップS320において、冷媒温度信号STに基づいて導き出された冷媒温度TCを取得する。ステップS330において、冷媒圧力信号SPに基づいて導き出された冷媒圧力PCを取得する。
ステップS340において、ステップS300〜ステップS330で取得されたパラメータに基づいて、電子膨張弁の目標開度及び圧縮機の目標回転速度を補正する。例えば、目標温度TAと推定室内温度TRとの間の差分に基づいて、電子膨張弁の目標開度及び圧縮機の目標回転速度を算出する。そして、ステップS340の処理時の電子膨張弁の開度と新たに設定した目標開度との差分に基づいて、電子膨張弁の開度を調節する。また、ステップS340の処理時の圧縮機の回転速度と新たに設定した目標回転速度との差分に基づいて、圧縮機の回転速度を調節する。
図6を参照して、空気調和機10の制御装置19が実行する「支援信号の受信処理」について説明する。空気調和機10の制御装置19は、所定周期で「支援信号の受信処理」を繰り返し実行する。
ステップS400において、空気清浄機20から送信される支援信号SAを受信しているか否かについて判定する。ステップS400において「NO」判定されるときは、一旦この「支援信号の受信処理」を終了する。一方、ステップS400において「YES」判定されるときはステップS410に移行する。
ステップS410、すなわち支援信号SAを受信しているときは、上記説明した清浄モードで室内ファン13を駆動する。すなわち、空気清浄機20から支援信号SAを受けるときは、空気清浄機20単体では室内空気の清浄を迅速に行うことができないと判定して、空気調和機10を清浄モードで運転する。
なお、支援信号SAを受信していないときは、上記説明した通常モードで室内ファン13を駆動する。具体的には、制御装置19は、リモートコントローラ等の設定装置18で設定された条件(例えば、目標送風量の大きさ)に基づいて室内ファン13を駆動する。
次に、空気清浄機20の制御装置28の動作を説明する。
空気清浄機20は、通常運転の他に、次の2個の処理を、それぞれ独立に実行する。
・第1に、温度情報(下方温度信号TD)を空気調和機10に送信するための「温度情報の送信処理」を実行する。
・第2に、動体検知信号SMの受信時において「動体検知信号の受信処理」を実行する。
空気清浄機20は、通常運転の他に、次の2個の処理を、それぞれ独立に実行する。
・第1に、温度情報(下方温度信号TD)を空気調和機10に送信するための「温度情報の送信処理」を実行する。
・第2に、動体検知信号SMの受信時において「動体検知信号の受信処理」を実行する。
なお、通常運転とは、リモートコントローラ等の設定装置27に基づいて駆動する運転を示す。例えば、設定装置27において空気清浄能力が「強」の設定されているとき、吸気ファン21の回転速度ωiを「大」にして、吸気量を大きくする。空気清浄能力が「中」の設定されているとき、吸気ファン21の回転速度ωiを「中」にして、吸気量を中にする。空気清浄能力が「弱」の設定されているとき、吸気ファン21の回転速度ωiを「小」にして、吸気量を小さくする。
図7を参照して、空気清浄機20の制御装置28が実行する「動体検知信号の受信処理」について説明する。空気清浄機20の制御装置28は、所定周期で「動体検知信号の受信処理」を繰り返し実行する。
ステップS500において、空気清浄機20が連動運転中であるか否かを判定する。連動運転中ではないときは、ステップS510に移行する。
ステップS510において、空気調和機10からの動体検知信号SMを受信しているか否かを判定する。動体検知信号SMを受信していないとき、すなわちステップS510の「NO」判定のときは「動体検知信号の受信処理」を一旦終了する。一方、動体検知信号SMを受信しているとき、すなわちステップS510の「YES」判定のときは、ステップS520に移行して連動運転を開始する。連動運転の開始時には、上記した「連動開始設定」により、空気清浄機20の空気清浄能力が設定される。
ステップS510において、空気調和機10からの動体検知信号SMを受信しているか否かを判定する。動体検知信号SMを受信していないとき、すなわちステップS510の「NO」判定のときは「動体検知信号の受信処理」を一旦終了する。一方、動体検知信号SMを受信しているとき、すなわちステップS510の「YES」判定のときは、ステップS520に移行して連動運転を開始する。連動運転の開始時には、上記した「連動開始設定」により、空気清浄機20の空気清浄能力が設定される。
なお、連動運転中に動体検知信号SMを受信することもあるが、図7のフローチャートに示すように、この受信による新たな制御は行われない。動体検知信号SMは、連動運転を開始させた動体検知信号SMと互いに関連する一連の人または動物の動きに起因すると考えられるためである。従って、連動運転中に設定された吸気ファン21の回転速度ωiが維持される。
次に、ステップS500において、連動運転中であると判定されたとき(「YES」判定)の処理を説明する。このとき、ステップS530に移行する。
ステップS530において、連動開始からの経過時間(以下、「連動運転時間ta」)が設定時間Txよりも大きいか否かについて判定する。連動運転時間taが設定時間Txよりも大きいときは、ステップS540〜ステップS600の処理を行う。
ステップS530において、連動開始からの経過時間(以下、「連動運転時間ta」)が設定時間Txよりも大きいか否かについて判定する。連動運転時間taが設定時間Txよりも大きいときは、ステップS540〜ステップS600の処理を行う。
一方、連動運転時間taが設定時間Tx以下のときは、当該処理を一旦終了する。すなわち、連動開始時から設定時間Txが経過する時までの期間は、連動開始時に設定した吸気ファン21の回転速度ωiを維持する(以下、この処理を「初期処理」という。)。この制御は次の理由による。すなわち、連動開始時から所定時間が経過する時点までの期間は、人または動物の動きに起因する粉塵が空気清浄機20に到達せず、空気清浄機20内に吸入される吸入空気の粉塵濃度CDは低い状態に維持される。このため、仮にこの期間において粉塵濃度CDに基づいて空気清浄機20の空気清浄能力を設定すると、人または動物の動きに起因する粉塵を引き寄せる作用が低下し、結果的に、室内空気を迅速に清浄にするという効果が低下する。このようなことから、上記初期処理を実行する。
ステップS530において、連動運転時間taが設定時間Txよりも大きいときは、ステップS540に移行する。
ステップS540において、粉塵濃度CDが設定値Cxよりも大きいか否かを判定する。設定値Cxは、十分に低い値に設定されている。
ステップS540において、粉塵濃度CDが設定値Cxよりも大きいか否かを判定する。設定値Cxは、十分に低い値に設定されている。
ステップS540において、粉塵濃度CDが設定値Cx以下のとき、粉塵濃度CDが十分に低くなったと判断して、連動運転を停止する(ステップS570)。
一方、ステップS540において、粉塵濃度CDが設定値Cxよりも大きい旨を判定するとき、粉塵濃度CDが未だ十分に低くなっていないと判断し、ステップS550に移行する。
一方、ステップS540において、粉塵濃度CDが設定値Cxよりも大きい旨を判定するとき、粉塵濃度CDが未だ十分に低くなっていないと判断し、ステップS550に移行する。
ステップS550において、粉塵濃度CDが増大しているか否かを判定する。粉塵濃度CDの増大についての判定は、前回処理周期において取得された粉塵濃度CDと、この処理周期において取得された粉塵濃度CDとの差分Δdに基づいて判定される(図10参照)。この判定により、当該処理時における空気清浄機20の空気清浄能力が適切に設定されているか否かを判断する。すなわち、粉塵濃度CDが増大しているときは、空気清浄機20の空気清浄能力が足りていないことを示す。粉塵濃度CDが変化していないか、若しくは粉塵濃度CDが低下しているときは、空気清浄機20の空気清浄能力が足りていることを示す。
従って、ステップS550において、粉塵濃度CDが変化していないか若しくは粉塵濃度CDが低下しているとき、すなわち、ステップS550で「NO」判定のときは、ステップS580において、その粉塵濃度CDに応じて吸気ファン21の回転速度ωiを再設定する。
一方、ステップS550において、粉塵濃度CDが増大しているときは、すなわち、ステップS550で「YES」判定のときは、ステップS560に移行する。
ステップS560において、吸気ファン21の回転速度ωiが最大値ωmaxであるか否かを判定する。この判定において、吸気ファン21の回転速度ωiが最大値ωmaxよりも小さい値に設定されているときは、ステップS560において「NO」判定をする。この場合、ステップS590において、吸気ファン21の回転速度ωiを増大する。
ステップS560において、吸気ファン21の回転速度ωiが最大値ωmaxであるか否かを判定する。この判定において、吸気ファン21の回転速度ωiが最大値ωmaxよりも小さい値に設定されているときは、ステップS560において「NO」判定をする。この場合、ステップS590において、吸気ファン21の回転速度ωiを増大する。
一方、吸気ファン21の回転速度ωiが最大値ωmaxに設定されているときは、ステップS560において「YES」判定をする。そして、ステップS600において、制御装置28は、送信装置25を介して支援信号SAを送信する。すなわち、吸気ファン21の回転速度ωiが最大値ωmaxのときは、これ以上、吸気ファン21の回転速度ωiを増大することができないため、空気調和機10に空気清浄のための支援を要求する。
図8を参照して、空気清浄機20の制御装置28が実行する「温度情報の送信処理」について説明する。空気清浄機20の制御装置28は、所定周期で「温度情報の送信処理」を繰り返し実行する。
ステップS700において、制御装置28は、温度センサ24から吸入空気の温度を取得する。具体的には、制御信号は、温度センサ24が出力する信号(空気温度信号SU)を取得する。そして、この信号(空気温度信号SU)に基づいて送信用の信号(すなわち、下方温度信号TD)に形成する。そして、ステップS710において、制御装置28は、送信装置25を介して下方温度信号TDを送信する。
次に、本実施形態に係る空調システム1の動作を従来の空気清浄機20の動作と比較して説明する。
特に、人または動物の動きに対する各装置の動作を説明する。
特に、人または動物の動きに対する各装置の動作を説明する。
図9に、従来の空気清浄機20の動作を説明する。
従来の空気清浄機20は、吸入空気の粉塵濃度CDを周期的に検出する。粉塵濃度CDが設定値Cxよりも大きくなったとき、空気清浄能力を大きくする。
従来の空気清浄機20は、吸入空気の粉塵濃度CDを周期的に検出する。粉塵濃度CDが設定値Cxよりも大きくなったとき、空気清浄能力を大きくする。
人または動物の動きがないときは、空気清浄機20が検出する粉塵濃度CDは、設定値Cxよりも小さい。すなわち、このとき、室内空気は汚れていない状態にある。
時間t0のとき、人または動物が室内に入った状態を示す。すなわち、時間t0から、人または動物の動きにより空気が乱される。このため、人または動物の動きにより、粉塵が発生すると考えられる。
時間t0のとき、人または動物が室内に入った状態を示す。すなわち、時間t0から、人または動物の動きにより空気が乱される。このため、人または動物の動きにより、粉塵が発生すると考えられる。
しかし、人または動物の動きがない初期状態から人または動物の動きがある空気撹乱状態に切り替わる時点(すなわち時間t0)を起点として、所定時間(タイムラグTlag)が経過するまでの期間は、空気清浄機20の空気清浄能力を一定のまま維持される。これは、人または動物の動きにより発生した粉塵が空気清浄機20まで到達するまでに時間がかかるためである。
時間t10のとき、すなわち、空気清浄機20が検出する粉塵濃度CDが設定値Cxよりも大きくなったとき、その粉塵濃度CDに応じて吸気ファン21の回転速度ωiが設定される。人または動物の動きによる粉塵は室内空気に発生する気流で徐々に室内全体に拡散するため、空気清浄機20に到達する粉塵量は徐々に増大する。このため、空気清浄機20の空気清浄能力も時間の経過とともに徐々に大きくなる。
このように、従来の空気調和機10においては、人または動物の動きの発生時点から空気清浄機20が空気清浄能力を大きくする時点までの間にはタイムラグTlagが存在する。このため、人または動物の動きの発生時点から空気清浄機20が空気清浄能力を大きくする時点までの期間すなわち時間t0から時間t10までの期間は、粉塵が発生しているにも拘わらず、空気清浄が行われない状態が維持される。
また、空気清浄機20内に吸入される吸入空気の粉塵濃度CDに基づいて空気清浄機20の空気清浄能力が設定されるため、室内空気の粉塵濃度CDの変化に対し遅れて空気清浄機20が動作する。このため、室内空気の粉塵濃度CDが設定値Cx以下になるまでには、相当の時間を要することになる。
図10を参照して、本実施形態に係る空調システム1の動作を説明する。
本実施形態に係る空調システム1では、動体検知信号SMに基づいて空気清浄機20の空気清浄能力を大きくする。
本実施形態に係る空調システム1では、動体検知信号SMに基づいて空気清浄機20の空気清浄能力を大きくする。
時間t0において、動体検知信号SMを受信するとき、吸気ファン21の回転速度ωiが設定値ωy(例えば、「中」)に設定される。そして、時間t0を起点として設定時間Txが経過する時点までの所定の期間は、吸気ファン21の回転速度ωiは最初に設置された設定値ωyに維持される。このため、この期間の間に、室内空気が清浄にされる。
その後、設定時間Txが経過したとき、すなわち時間t1のとき、上記「動体検知信号の受信処理」の処理が行われる。この時点では、粉塵濃度CDが設定値Cxよりも大きく、粉塵濃度CDが増大し、かつ吸気ファン21の回転速度ωiが最大値ωmaxではないため、吸気ファン21の回転速度ωiが更に大きい値に設定される。
その後、時間t1から設定時間Ty(設定時間Txよりも短い時間)を経た時間t2において、再度、「動体検知信号の受信処理」の処理が行われる。時間t2における判定は、時間t1における判定結果と同じであるため、時間t1と同じ処理が行われる。
更に、その後、時間t2から設定時間Tyを経た時間t3において、再度、「動体検知信号の受信処理」の処理が行われる。この時点では、吸気ファン21の回転速度ωiが最大値ωmaxに達しているため、「動体検知信号の受信処理」のステップS600の処理が行われ、支援信号SAが送信される。このため、空気調和機10が清浄モードで駆動し、室内ファン13の回転速度ωrが増大する。更に時間が経過して、時間t4において粉塵濃度CDが設定値Cx以下になると、空気清浄機20の運転が停止する。
ここで、空調システム1の作用を説明する。
空調システム1は、図10に示すように、人または動物の動きを示す動体検知信号SMに基づいて空気清浄能力を大きくする。すなわち、人または動物の動きにより発生した時点から空気清浄を開始する。このため、人または動物の動きの発生時点から空気清浄機20が空気清浄能力を大きくする時点までの間のタイムラグTlagを略「0」にすることができる。
空調システム1は、図10に示すように、人または動物の動きを示す動体検知信号SMに基づいて空気清浄能力を大きくする。すなわち、人または動物の動きにより発生した時点から空気清浄を開始する。このため、人または動物の動きの発生時点から空気清浄機20が空気清浄能力を大きくする時点までの間のタイムラグTlagを略「0」にすることができる。
更に、人または動物の動きを示す動体検知信号SMに基づいて空気清浄能力を大きくするとき(連動開始時)、吸気ファン21の回転速度ωiを「中」に設定して、連動開示時から積極的に空気清浄を行う。その後、設定時間Txの経過後、吸入空気の粉塵濃度CDの変化に応じて吸気ファン21の回転速度ωiを設定する。すなわち、吸入空気の粉塵濃度CDが増大するときは、吸気ファン21の回転速度ωiを大きくする。このとき、吸気ファン21の回転速度ωiが最大値ωmaxに設定されているときは、空気調和機10に対して支援信号SAを送信して、空気調和機10を清浄モードで動作させる。このようにして、粉塵濃度CDの変化に応じて空気清浄機20の空気清浄能力を変化させる。このような処理により、室内空気の状態を、室内空気の粉塵濃度CDが増大する増大傾向状態から室内空気の粉塵濃度CDが減少する減少傾向状態に迅速に移行させることができる。
本実施形態の空調システム1によれば、以下の効果を奏する。
(1)空調システム1は、空気調和機10と、空気清浄機20とを備えている。
空気調和機10は、動体検知センサ14と、動体検知センサ14による人または動物の動きの検知に基づいて動体検知信号SMを送信する送信装置16とを備える。空気清浄機20は、動体検知信号SMを受信する受信装置26を有し、動体検知信号SMの受信に基づいて空気清浄能力を大きくする。
(1)空調システム1は、空気調和機10と、空気清浄機20とを備えている。
空気調和機10は、動体検知センサ14と、動体検知センサ14による人または動物の動きの検知に基づいて動体検知信号SMを送信する送信装置16とを備える。空気清浄機20は、動体検知信号SMを受信する受信装置26を有し、動体検知信号SMの受信に基づいて空気清浄能力を大きくする。
空気調和機10では、空気調和機10により人や動物の動きを検出し、検出の有無に基づいて空気清浄機20を動作させる。空気清浄機20は、動体検知信号SMの受信に基づいて空気清浄能力を大きくする。すなわち、本空調システム1では、人や動物の動きを検出した時点で空気清浄機20の清浄能力を大きくする。このため、粉塵が発生する時点と空気清浄を開始する時点または空気清浄能力を大きくする時点との間のタイムラグTlagを短縮することができる。なお、人や動物を検知し易くするために、空調システム1を室内の上方に設置することが好ましい。室内の上方に設置される空調システム1は、上方から人や動物を捉えるため、障害物により人や動物の検出が妨げられることが少なくなる。この結果、人または動物の動きについての誤検出の発生を抑制することができる。
(2)空調システム1の空気清浄機20は、システム全体としての空気清浄能力を大きくするための支援を要請する支援信号SAを送信する送信装置25を備えている。空気調和機10は、吸入空気を清浄する空気清浄運転を実行する機能を備え、支援信号SAを受信するときは、空気調和機10の空気清浄運転を開始し、または空気清浄運転の能力を大きくする。
室内空気の粉塵濃度CDが高いとき、空気清浄機20の空気清浄能力では十分に短い時間で室内空気を清浄することができない場合がある。この点、上記構成では、空気清浄機20単体では十分に短い時間で室内空気を清浄することができない場合を想定し、空気清浄機20に空気清浄能力の支援を要請する機能を設けている。一方、空気調和機10には、その要請に応じて、空気清浄運転を開始または空気清浄能力を大きくする機能を設けている。すなわち、本空調システム1では、空気調和機10に空気清浄の一部を担わせることができるため、室内空気を迅速に清浄することができる。
(3)空調システム1の空気清浄機20は、動体検知信号SMに基づいて空気清浄能力を大きくする時点から設定時間Txの経過したとき、次の処理を行う。すなわち、吸入空気の粉塵濃度CDが設定値Cxよりも高く、吸入空気の粉塵濃度CDが増大傾向にあり、かつ空気清浄機20の空気清浄能力が最大に設定されているとき、空気調和機10に対して支援信号SAを送信する。
空気清浄機20が動体検知信号SMに基づいて空気清浄能力を大きくする時点から設定時間Txの経過したとき、吸入空気の粉塵濃度CDが設定値Cxよりも高く、吸入空気の粉塵濃度CDが増大傾向にあり、かつ空気清浄機20の空気清浄能力が最大に設定されている場合は、空気清浄機20の空気清浄能力が不足していることを示す。そこで、このような場合に空気清浄機20は空気調和機10に対して支援信号SAを送信する。これにより、室内空気の粉塵濃度CDを迅速に低下させることが可能となる。
(4)空調システム1において、空気清浄機20は、室内の下方に配置されるものであり、吸入空気の温度を測定する温度センサ24を備えている。空気清浄機20の送信装置25は、温度センサ24により取得された値を下方温度信号TDとして外部に送信する。空気調和機10は、下方温度信号TDを受信するとき、下方温度信号TDに基づいて空調制御する。
空調システム1の空気調和機10は室内において上方に設置されることが多い。従って、空気調和機10は、上方の空気を吸い込み、その空気の温度を測定して、空調制御する。しかし、室内の上方の空気温度と室内の中間層あたりの空気温度とは異なるため、空気調和機10内にある温度センサ15の値を用いて空調制御しても、室内の中間層あたりの空気温度が目標温度TAに近づかないといった場合がある。そこで、空調システム1では、空気清浄機20内にある温度センサ24により取得された値である下方温度信号TDに基づいて空調制御する。これにより、従来の空調制御に比べて、室内の中間層の空気を設定温度に近づけることができる。
(変形例)
なお、実施態様は上記に示した態様に限られるものではなく、これを例えば以下に示すように変更して実施することもできる。また以下の各変形例は、上記各実施形態についてのみ適用されるものではなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
なお、実施態様は上記に示した態様に限られるものではなく、これを例えば以下に示すように変更して実施することもできる。また以下の各変形例は、上記各実施形態についてのみ適用されるものではなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
・上記実施形態の空調システム1では、空気調和機10が清浄モードで運転するとき、送風量を大きくする制御を行うが、これに加えて、若しくはこれに代えて、空気調和機10から出る送風の方向を空気清浄機20に空気が集まるように制御してもよい。例えば、送風方向を、天井側に向けて、空気が室内の壁に沿って循環するようにする。空気清浄機20は、壁際に置かれることが多いため、これにより、室内空気の循環経路に空気清浄機20が配置されることになる。この結果、室内空気が円滑に循環するようになるため、空気清浄機20に流れる吸入空気の流速が増大し、フィルタ22を通過する空気量が増大する。この結果、空気清浄能力が増大する。
・上記実施形態では、空気調和機10が動体検知信号SMを送信するとき、空気調和機10自体の制御装置19は空調制御処理を実行する。これに対して、動体検知するとき、連動開始時点から空調システム1の空気清浄能力を更に大きくするため、動体検知信号SMを送信して空気清浄機20を連動させると同時に、空気調和機10自体の清浄モードを実行するように構成してもよい。
すなわち、上記構成の空調システム1において、空気調和機10は、動体検知信号SMを送信するとき、空気調和機10の空気清浄運転(清浄モード)を開始し、または空気調和機10の空気清浄能力を大きくする。
この構成によれば、空調システム1は、空気調和機10が送信する動体検知信号SMに基づいて空気清浄機20の空気清浄能力を大きくし、かつ空気調和機10自体も、空気調和機10の空気清浄機20能を動作開始する。これにより、空調システム1全体としての空気清浄能力を大きくする。すなわち、空調システム1は、人または動物の動きを検出したとき、空気清浄機20と空気調和機10とをともに動作させる。このため、空気調和機10の空気清浄能力を増大させないで空気清浄機20を動作させる場合に比べて、室内空気を迅速に清浄することができる。
・上記実施形態に係る空調システム1では、人または動物を検出する動体検知センサ14を空気調和機10に設けているが、これを空気調和機10の本体から独立した部品とすることもできる。動体検知センサ14を空気調和機10の本体から離れた位置に配置することができる。この場合、動体検知センサ14は、空気調和機10を介して空気清浄機20に動体検知信号SMを送信する。なお、空気調和機10を介さずに空気清浄機20に動体検知信号SMを送信するように動体検知センサ14を構成してもよい。
・上記実施形態に係る空調システム1は、空気調和機10と空気清浄機20とにより構成されているが、空調システム1に更に別の空気調和機10や空気清浄機20を加えてもよい。この場合、各装置は、通信装置により互いに連動させることが好ましい。
・上記実施形態に係る空調システム1は、空気調和機10と空気清浄機20とにより構成されているが、空調システム1に更に別種の装置を加えてもよい。例えば、換気装置を連動駆動させることもできる。具体的には、動体検知センサ14の動体検知信号SMを換気装置に送信して、換気装置を連動運転させてもよい。
1…空調システム、10…空気調和機、11…冷媒回路、11A…冷媒圧力センサ、11B…冷媒温度センサ、12…室外ファン、13…室内ファン、14…動体検知センサ、15…温度センサ、16…送信装置、17…受信装置、18…設定装置、19…制御装置、20…空気清浄機、21…吸気ファン、22…フィルタ、23…粉塵センサ、24…温度センサ、25…送信装置、26…受信装置、27…設定装置、28…制御装置。
Claims (5)
- 人または動物の動きを検知する動体検知センサ(14)と、前記動体検知センサ(14)による人または動物の動きの検知に基づいて動体検知信号(SM)を送信する送信装置(16)とを備える空気調和機(10)と、
前記動体検知信号(SM)を受信する受信装置(26)を有し、前記動体検知信号(SM)の受信に基づいて空気清浄能力を大きくする空気清浄機(20)とを含む
ことを特徴とする空調システム。 - 請求項1に記載の空調システムにおいて、
前記空気清浄機(20)は、システム全体としての空気清浄能力を大きくするための支援を要請する支援信号(SA)を送信する送信装置(25)を更に備え、
前記空気調和機(10)は、吸入空気を清浄する空気清浄運転を実行する機能を備え、前記支援信号(SA)を受信するときは、前記空気調和機(10)の前記空気清浄運転を開始し、または前記空気清浄運転の能力を大きくする
ことを特徴とする空調システム。 - 請求項2に記載の空調システムにおいて、
前記空気清浄機(20)は、前記動体検知信号(SM)に基づいて空気清浄能力を大きくする時点から設定時間(Tx)の経過後、吸入空気の粉塵濃度(CD)が設定値(Cx)よりも高く、前記吸入空気の粉塵濃度(CD)が増大傾向にあり、かつ前記空気清浄機(20)の空気清浄能力が最大に設定されているとき、前記空気調和機(10)に対して前記支援信号(SA)を送信する
ことを特徴とする空調システム。 - 請求項1に記載の空調システムにおいて、
前記空気調和機(10)は、吸入空気を清浄する空気清浄運転を実行する機能を備え、
前記空気調和機(10)は、前記動体検知信号(SM)を送信するとき、前記空気調和機(10)の空気清浄運転を開始し、または前記空気調和機(10)の空気清浄能力を大きくする
ことを特徴とする空調システム。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の空調システムにおいて、
前記空気清浄機(20)は、室内の下方に配置されるものであり、吸入空気の温度を測定する温度センサ(24)を備え、前記空気清浄機(20)の送信装置(25)は、前記温度センサ(24)により取得された値を下方温度信号(TD)として外部に送信する機能を更に備え、
前記空気調和機(10)は、前記下方温度信号(TD)を受信するとき、前記下方温度信号(TD)に基づいて空調制御する
ことを特徴とする空調システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012226113A JP2014077599A (ja) | 2012-10-11 | 2012-10-11 | 空調システム |
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