JP2014077458A - 除振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、除振装置の使用環境温度が変化しても、バネ特性及び減衰特性の温度中変化が抑制され、所望する安定した除振性能を有する簡単な構成の除振装置を提供する。
【解決手段】 固定板11と可動板12との間であって、コイルバネ13の近傍には、ダンパー部20設けられる。ダンパー部20は、保持材21、揺動部材24、壁部23等から構成される。保持材21は可動板12の下面に対して略垂直に下方に向けて設けられる。保持材21の先端には、ボール磁石22が固着される。壁部23は、固定板11の上面に対して略垂直に、上方に向けて配置される。壁部23のそれぞれの対向面側には、粘弾性部材26を介して揺動部材24が接合される。揺動部材24の他方の端部は、保持材21と対向するように配置される。保持材21は、ボール磁石22の磁力によって、軟質樹脂板25を挟んで保持材対向部24aに吸着する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば顕微鏡や天秤等の振動の影響を受けやすい種々の精密機器を作業台等に対して弾性的に支持し、作業台等の振動が精密機器に伝播することを抑制するための除振装置に関するものである。
従来、このような除振装置として、例えば特許文献1には、弾性部材とダンパー部を組み合わせた除振装置が開示されている。図7は特許文献1に記載された除振装置30の概略図である。
除振装置30には、作業台上などに水平に固定配置された固定板31が設けられる。また、固定板31の上方には、少なくとも三本の弾性部材32が設けられる。さらに、弾性部材32の上方には可動板33が設けられる。すなわち、可動板33は、弾性部材32を介して、固定板31に対して相対的に移動可能に支持される。
固定板31および可動板33の間には、各弾性部材32に隣接して、ダンパー部34が配置される。ダンパー部34は、主に、受け部材35、ダンパー材36、支軸37から構成される。受け部材35は、可動板33に固定される。受け部材35内には、受け部材35と同軸に且つ摺動可能に、略円板状のダンパー材36が設けられる。ダンパー材36の中央付近には、支軸37の一端が連結される。支軸37の他端は、揺動手段38を介して固定板31に対して揺動可能に固定される。
可動板33上には精密機器などが載置される。弾性部材32は、精密機器等の荷重に応じて変形して、精密機器等の荷重を受ける。この状態で、固定板31側が振動すると、ダンパー部34において、粘弾性体から成る円板状のダンパー材36が受け部材35内で摺動する。また、ダンパー材36を支持する支軸37が揺動手段38によって揺動する。この際に、受け部材35内部でダンパー材36が変形することによって、鉛直方向および水平方向にばね性を発揮するとともに、振動に対して減衰性を発現する。
このような構成の除振装置30によれば、簡単な構成により、荷重が変化しても、振動に対する減衰特性およびバネ特性の変化が抑制され、除振性能の劣化が低減される。
特開2012―141027号公報
除振装置30の除振特性は、弾性部材32のばね性とダンパー部34のばね性の合成ばね定数、およびダンパー材36の減衰性の双方に依存する。一方、ダンパー材36に使用する低反発ゴムのばね性、つまり硬度、および減衰性は温度によって変化が大きいという特性を有する。すなわち、除振装置30の除振性能は、温度依存性が高い。このため、種々の環境温度において使用した場合、除振特性の変化が大きくなり、所望する安定した除振性能を得られないという問題がある。
本発明は、以上の点に鑑み、簡単な構成で、除振装置の使用環境温度が変化しても、バネ特性および減衰特性の変化が抑制され、所望する安定した除振性能を有する除振装置を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するために、本発明は、固定板と、前記固定板の上方に配置された弾性部材と、前記固定板に対して前記弾性部材を介して相対的に移動可能に支持された可動板と、前記固定板および前記可動板の間に配置されたダンパー部と、を具備し、前記ダンパー部は、前記固定板または前記可動板の一方に設けられた壁部と、前記壁部に設けられた粘弾性材と、前記壁部に対して前記粘弾性材を介して接合されている揺動部材と、前記固定板または前記可動板の他方に設けられ、前記固定板および前記可動板の対向面に対して略垂直方向に固定された保持材と、前記保持材に固定された磁石と、を具備し、前記磁石と前記揺動部材が磁気吸着していることを特徴とする除振装置である。
前記揺動部材には、前記磁石との間に軟質樹脂板が配置されていることが望ましい。また、前記ダンパー部における前記軟質樹脂板の厚さが0.5mm以下であることが望ましい。
前記壁部は、互いに対向するように1対設けられ、前記揺動部材の端部は分岐して、前記揺動部材のそれぞれの前記端部は、前記粘弾性材を介してそれぞれの前記壁部に接合されていてもよい。
本発明によれば、磁石と揺動部材の摩擦力により発生した動摩擦力と、温度依存性が小さい粘弾性材により振動を減衰させるため、温度による性能変化を抑制することができる。したがって、温度依存性の小さい除振装置を提供できる。
また、軟質樹脂板の厚みや材質を適切に選択し、揺動部材表面に軟質樹脂板を配置することにより、軟質樹脂板の動摩擦力が最適となるように設計することができる。また、磁石の球面で軟質樹脂板表面に窪みを生じさせることができるため、微小振動における磁石と軟質樹脂板の接点の滑りを防止させることができる。また、互いに対向する1対の壁部を設け、揺動部材の端部を2つに分岐させることにより、水平の微小振動に対して、均等に減衰力を与えることができる。また、水平方向の振動成分に対しても、粘弾性体にせん断変形させることで、減衰力を得ることができる。
本発明によれば、除振装置の使用環境温度が変化しても、バネ特性および減衰特性の温度中変化が抑制され、所望する安定した除振性能を有する簡単な構成の除振装置を提供することができる。
本発明による除振装置10の使用状態における構成を示す概略側面図。 除振装置10におけるダンパー部20の構成を示す拡大断面図。 ダンパー部20の構成を示す斜視図。 ダンパー部20が鉛直方向に揺動した際の状態を示す図。 ダンパー部20が鉛直方向に微小振動した際の状態を示す図。 ダンパー部20が水平方向に微小振動した際の状態を示す図。 従来の除振装置30の概略図。
以下、この発明の好適な実施形態を図1から図6を参照しながら、詳細に説明する。尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1は、本発明による除振装置10の実施形態の使用状態における構成を示す概略側面図である。除振装置10は、固定板11、可動板12、コイルバネ13およびダンパー部20等から構成されている。固定板11は、作業台14などの上に水平に固定配置される。例えば、固定板11は、四隅の底面に設けられたゴム足11aを介して作業台14上に載置されている。
固定板11上には、弾性部材であるコイルバネ13が複数個設けられる。各コイルバネ13は、それぞれ固定板11および可動板12の四隅付近において、固定板11に対して垂直に延びるように配置される。各コイルバネ13は、それぞれコイルバネ下端13aが固定板11に対して固定される。また、コイルバネ上端13bには、可動板12が固定される。したがって、可動板12は、固定板11の上方に所定間隔をあけて水平に配置される。なお、固定板11および可動板12は例えば金属等の板状部材から構成される。
可動板12の上面には、顕微鏡や天秤等の精密機器15が設置される。ここで、各コイルバネ13は、可動板12上に載置された精密機器15および可動板12の重量による荷重を受けて、そのバネ定数で決まる撓み量だけ弾性変形する。
固定板11と可動板12との間であって、コイルバネ13の近傍には、ダンパー部20が設けられる。図2はダンパー部20の構成を示す拡大断面図であり、図3は、ダンパー部20の斜視図である。ダンパー部20は、保持材21、揺動部材24、壁部23等から構成される。保持材21は可動板12の下面に対して略垂直に下方に向けて設けられる。保持材21の先端には、ボール磁石22が固着される。保持材21は鋼材等の磁性材である。ボール磁石22はその磁化軸が水平方向になるように、かつ、磁極が保持材21に対向するように配置される。なお、保持材21は、可動板12の中心からほぼ等距離の位置に複数配置される。
壁部23は、固定板11の上面に対して略垂直に、上方に向けて配置される。壁部23は、互いに対向するように1対設けられる。壁部23のそれぞれの対向面側には、粘弾性材26を介して揺動部材24が接合される。なお、粘弾性材26の材質は、温度依存性の低い材料であることが望ましく、例えばウレタンゲル等が適している。
揺動部材24は、正面視において略逆Y字形の形状であり、揺動部材24の一方の端部(下端側)は複数の壁部対向部24bに分岐する。すなわち、分岐したそれぞれ壁部対向部24bが、壁部23と対向して配置され、粘弾性材26を介して接合される。なお、図3に示すように、本実施形態では、正面視において壁部対向部24bは二つに分岐するとともに、平面視においてそれぞれの壁部23に対して2か所で接合される。すなわち、壁部23と壁部対向部24bとは、それぞれ粘弾性材26を介して4か所で接合される。
なお、壁部23と壁部対向部24bの間には、極軟質な粘弾性材26が圧縮された状態で挟持されている。粘弾性材26を圧縮して取付けることにより、粘弾性材26と壁部23および揺動部材24の接着をおこなう必要がなく、接着剤成分による粘弾性材26の変質の恐れがない。また、接着剤の剥離による部材の脱落や移動の可能性がなくなる。このため、減衰特性が安定し、除振装置10の除振性能が良好になる。
揺動部材24の他方の端部(上端側)は、保持材対向部24aであり、保持材21と対向するように配置される。保持材対向部24aには軟質樹脂板25が固着される。保持材21は、ボール磁石22の磁力によって、軟質樹脂板25を挟んで保持材対向部24aに吸着する。ここで、軟質樹脂板25の厚さは約0.5mm以下であることが望ましい。軟質樹脂板25が厚すぎると、ボール磁石22と保持材対向部24aとの吸着力が弱くなるためである。なお、揺動部材24の材質は鋼材等の磁性材である。また、軟質樹脂板25は軟質のポリオレフィンや塩化ビニル、ポリエチレン等が適している。
次に、除振装置10の動作について説明する。図4は、作業者が精密機器15(図1参照)を操作した際など、精密機器15が大きく揺動した際において、可動板12が固定板11に対して鉛直方向に揺動した際の状態を示す図である。図4(a)は、固定板11に対して可動板12が離れる方向に揺動した状態を示す図、図4(b)は、固定板11と可動板12とが近付く方向に揺動した状態を示す図である。
図4(a)に示すように、可動板12が固定板11から離れる方向に鉛直上方向(図中矢印Aa方向)に移動すると、ボール磁石22は軟質樹脂板25の表面を摺動して上方(図中矢印Aa方向)に移動する。このとき、ボール磁石22には、軟質樹脂板25との間に、保持材21の移動方向と逆向きである下方(図中矢印Bb方向)の動摩擦力が生じる。動摩擦力は摩擦減衰力として働き、可動板12側の揺動の運動エネルギーを熱エネルギーに変換して、精密機器15の揺動は素早く収束する。
また、揺動部材24は、ボール磁石22との摩擦によって上方に引っ張られる。したがって、揺動部材24は壁部23に対して上方に移動する。この際、粘弾性材26が上方向にせん断変形する。したがって、揺動部材24は、粘弾性材26によって、下方向(図中矢印Eb方向)に減衰力が働く。このように、可動板12が上方に移動する際には、ボール磁石22と軟質樹脂板25との動摩擦力と、粘弾性材26の減衰性によって、可動板12の運動エネルギーが吸収される。
一方、図4(b)に示すように、可動板12が固定板11に近付く方向に鉛直下方向(図中矢印Ab方向)に移動すると、ボール磁石22は軟質樹脂板25の表面を摺動して下方(図中矢印Ab方向)に移動する。このとき、ボール磁石22には、軟質樹脂板25との間に、保持材21の移動方向と逆向きである上方(図中矢印Ba方向)の動摩擦力が生じる。
また、揺動部材24は、ボール磁石22との摩擦によって下方に引っ張られ、壁部23に対して下方に移動する。この際、粘弾性材26が下方向にせん断変形する。したがって、揺動部材24は、粘弾性材26によって、上方向(図中矢印Ea方向)に減衰力が働く。このように、可動板12が下方に移動する際にも、ボール磁石22と軟質樹脂板25との動摩擦力と、粘弾性材26の減衰性によって、可動板12の運動エネルギーが吸収される。
以上のように図4(a)と図4(b)に示した動作を繰り返すことにより、振動は収束する。ここで、粘弾性材26は、圧縮方向と比べて、せん断方向に変形させることにより、より大きく変形し、より大きい減衰力が働く。その結果大きな振動エネルギーを吸収することができる。また、軟質樹脂板25に生じる動摩擦力は、軟質樹脂板25とボール磁石22の動摩擦係数、および、ボール磁石22と保持材対向部24aの吸着力の大きさに比例する。動摩擦係数と磁石吸着力の大きさは、常温域(0℃〜50℃)においては、ほぼ一定である。よって動摩擦力の大きさは使用環境温度範囲で変化しない。したがって、除振装置10は、使用環境温度範囲において、除振特性の変化がほとんどない。
次に、微小な床の振動が作業台14等を伝播して除振装置10に達した時の、ダンパー部20の動作について説明する。図5(a)は、固定板11に対して可動板12が鉛直方向に離れる方向揺動した状態を示す図、図5(b)は、固定板11と可動板12とが近付く方向に揺動した状態を示す図である。
ここで、前述のように、ボール磁石22は軟質樹脂板25を介して保持材対向部24aと磁気吸着する。すなわち、軟質樹脂板25は、ボール磁石22によって押圧される。したがって、軟質樹脂板25の表面には、ボール磁石22の球面形状によって、その接触個所にわずかな窪みが生じる。すなわち、軟質樹脂板25の硬度は、ボール磁石22と保持材対向部24aとの磁気吸着力によって変形可能な程度であることが望ましい。このように、この窪みの影響と磁気吸着力により、ボール磁石22は、軟質樹脂板25に対して、静止力が作用する。なお、このように窪みを形成するためには、軟質樹脂板25の厚みは、0.1mm以上であることが望ましい。
図5(a)に示すように、可動板12が固定板11から離れる方向に鉛直上方向(図中矢印Aa方向)に微小移動すると、ボール磁石22と軟質樹脂板25の接触位置は変化せずに、壁部対向部24bと壁部23の位置が相対変化する。すなわち、微小振動の場合には、振幅による変位力より、軟質樹脂板25に対するボール磁石22の静止力のほうが大きい。このため、ボール磁石22と軟質樹脂板25の接触位置は変化せずに、壁部対向部24bと壁部23の位置が相対変化する。このとき壁部対向部24bと壁部23の間に圧縮挟持された粘弾性材26は、せん断方向上方向に引っ張られる。したがって、これと逆向きである下方(図中矢印Eb方向)に減衰力が働く。このため、可動板12の上方向への運動エネルギーが吸収される。
同様に、図5(b)に示すように、可動板12が固定板11に近づく方向に鉛直下方向(図中矢印Ab方向)に微小移動すると、ボール磁石22と軟質樹脂板25の接触位置は変化せずに、壁部対向部24bと壁部23の位置が相対変化する。このとき壁部対向部24bと壁部23の間に圧縮挟持された粘弾性材26は、せん断方向下方向に引っ張られる。したがって、これと逆向きである上方(図中矢印Ea方向)に減衰力が働く。このため、可動板12の下方向への運動エネルギーが吸収される。以上のように図5(a)と図5(b)に示した動作を繰り返し、振動を収束することができる。
図6は、固定板11に対して、可動板12が平行(水平方向)に揺動した状態を示す図である。図6(a)に示すように、可動板12が固定板11に対して、略平行に一方の方向(図中右側であって、図中Ca方向)に微小移動すると、揺動部材24は、ボール磁石22と軟質樹脂板25の接点を軸に回転して傾斜する。このとき、一対の壁部23に設けられる粘弾性材26は、それぞれ、壁部23と壁部対向部24bとの間でせん断変形する。このせん断変形の復元力により、揺動部材24には、傾斜方向の逆向きであるFa方向(図中左側)にそれぞれ減衰力が働く。
同様に、図6(b)に示すように、可動板12が固定板11に対して、略平行に他方の方向(図中左側であって、図中Cb方向)に微小移動すると、揺動部材24の傾斜によって、粘弾性材26は、壁部23と壁部対向部24bとの間でせん断変形する。このせん断変形の復元力により、揺動部材24には、傾斜方向の逆向きであるFb方向(図中右側)にそれぞれ減衰力が働く。
なお、前述したように、可動板12の水平方向への揺動の際に、粘弾性材26は、その厚さ方向に圧縮変形させるよりも、面内方向にせん断変形させるほうが柔らかい。したがって、圧縮変形をさせるよりも、せん断変形をさせた方がより大きく変形させることができる。本発明では、可動板12の水平方向への揺動時に、一対の壁部23の間で揺動部材24を傾けることで、粘弾性材26をせん断変形させることができる。したがって、より多くの振動エネルギーを吸収することができ、除振装置10の除振特性が向上する。以上のように図6(a)と図6(b)に示した動作を繰り返すことで、振動を収束することができる。
以上、本発明の除振装置10を用いれば、可動板12上に種々の質量の精密機器15が搭載されたとしても、コイルバネ13は、可動板12に対して下向きに作用する質量に応じた荷重に応じた撓み量を鉛直方向に生ずる。また、ボール磁石22が軟質樹脂板25上で摺動可能であることから、上述した撓み量の分だけ、保持材21が揺動部材24に対して鉛直方向に沿って移動可能となる。したがって、コイルバネ13の撓み量によって、ダンパー部20におけるボール磁石22と軟質樹脂板25の接触位置が鉛直方向に変化するものの、ボール磁石22と軟質樹脂板25の接触状態を一定にすることができる。
また、ボール磁石22と軟質樹脂板25の接触部には摩擦力が生じるため、保持材21が揺動部材24に対して移動する際の動摩擦力によって減衰力を得ることができる。このように、精密機器15の操作などにより、大きな揺動が生じると、動摩擦力の減衰作用によって、可動板12(精密機器15)の揺れが早く収束する。
なお、動摩擦力は使用環境温度範囲でその大きさが変化しないので、除振装置10に搭載した精密機器15の揺動の収束もこの温度範囲で変化しない。また、動摩擦力の大きさはボール磁石22の保持材対向部24aを吸引する力および軟質樹脂板25の材料に依存する。したがって、ボール磁石22の吸引力つまり磁力と軟質樹脂板25の材質を適切に選択することにより、除振装置10の揺動収束特性を最適なものに決定することができる。
一方、床から作業台14を介して伝播する振動は、微小な振幅である。この場合には、振幅による変位力が、ボール磁石22の吸引力によって生じているボール磁石22と軟質樹脂板25との静止摩擦力を超えない。また、ボール磁石22の球面により軟質樹脂板25に生じた微小な窪みのために、ボール磁石22と軟質樹脂板25の滑りが抑制される。したがって、揺動部材24は保持材21によって押されて、粘弾性材26をせん断方向に変形させることができる。なお、ボール磁石22は、軟質樹脂板25との接触面が球状であるため、窪みを生じさせやすく、また、窪みが生じた場合でも、大きな揺動の際には容易に軟質樹脂板25に対して摺動しやすい。
揺動部材24と壁部23に挟持された粘弾性材26は、その厚み方向には変形しにくく、ばね性が大きいが、せん断方向には変形し易くばね性が小さい。したがって粘弾性材26のせん断変形により減衰作用が生じ、除振装置10の除振特性は共振周波数における共振ゲインピークが小さくなる。また、粘弾性材26は極軟質なゲル材であり、その硬度や減衰特性の温度依存性が小さいものであるため、除振装置10の除振特性の温度依存性を小さくすることができる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した除振装置10においては、可動板12は、固定板11に対して、四隅付近に配置された四個のコイルバネ13により支持され、可動板12の中心からほぼ等距離の位置に配置されているダンパー部20により除振された例について説明したが、本発明はこれに限られない。精密機器15が搭載される可動板12が固定板11に対してバランスよく支持されれば、少なくとも三個以上のコイルバネ13及びダンパー部20により支持されるようにしてもよいことは明らかである。その際、各コイルバネ13及びダンパー部20の配置場所は、これらの加重平均位置が精密機器15の重心と垂直方向に整列するように選定されればよい。
また、上述した実施形態においては、固定板11に対して可動板12を支持するために、コイルバネ13が使用されているが、これに限らず、他の種類の金属製弾性部材が使用されてもよいことは明らかである。
10………除振装置
11………固定板
11a……ゴム足
12………可動板
13………コイルバネ
13a……コイルバネ下端
13b……コイルバネ上端
14………作業台
15………精密機器
20………ダンパー部
21………保持材
22………ボール磁石
23………壁部
24………揺動部材
24a……保持材対向部
24b……壁部対向部
25………軟質樹脂板
26………粘弾性材
30………除振装置
31………固定板
32………弾性部材
33………可動板
34………ダンパー部
35………受け部材
36………ダンパー材
37………支軸
38………揺動手段

Claims (4)

  1. 固定板と、
    前記固定板の上方に配置された弾性部材と、
    前記固定板に対して前記弾性部材を介して相対的に移動可能に支持された可動板と、
    前記固定板および前記可動板の間に配置されたダンパー部と、を具備し、
    前記ダンパー部は、
    前記固定板または前記可動板の一方に設けられた壁部と、
    前記壁部に設けられた粘弾性材と、
    前記壁部に対して前記粘弾性材を介して接合されている揺動部材と、
    前記固定板または前記可動板の他方に設けられ、前記固定板および前記可動板の対向面に対して略垂直方向に固定された保持材と、
    前記保持材に固定された磁石と、
    を具備し、
    前記磁石と前記揺動部材が磁気吸着していることを特徴とする除振装置。
  2. 前記揺動部材には、前記磁石との間に軟質樹脂板が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の除振装置。
  3. 前記ダンパー部における前記軟質樹脂板の厚さが0.5mm以下であることを特徴とする請求項2に記載の除振装置。
  4. 前記壁部は、互いに対向するように1対設けられ、前記揺動部材の端部は分岐して、前記揺動部材のそれぞれの前記端部は、前記粘弾性材を介してそれぞれの前記壁部に接合されていることを特徴とする請求項1から請求項3いずれかに記載の除振装置。
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