JP2014077336A - 座屈拘束ブレース - Google Patents

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Abstract

【課題】 建物に大変形が生じた場合に、躯体に対する接合部の強度が確保でき、かつ干渉によって接合部が損傷することのない座屈拘束ブレースを提供する。大変形に対して座屈せずに耐えて安定した履歴性能が得られるようにする。
【解決手段】 板状の芯材1と、その両面に沿って対向配置した一対の拘束材2,2とを有し、前記芯材2が両端に建物の躯体に対する接合部3を有する座屈拘束ブレースにおいて、次の構成とする。芯材1の接合部3を、この芯材1の他の部分1bよりも幅方向に張り出した部分3aを有する形状として前記拘束材2よりも幅広とする。この幅広とした接合部3における幅方向の両端に補強リブ4を設ける。拘束材2は、芯材1の接合部3の一部の長さ範囲を挟み込む長さに形成する。一対の拘束材2,2に渡って幅方向補剛材6を設ける。芯材1における接合部3の付近に強軸方向の無補剛区間Wを設ける。
【選択図】 図1

Description

この発明は、制振建物とする低層の鉄骨系の事務所建物、集合住宅、戸建て工業化住宅等に採用される角パイプ使用の座屈拘束ブレースに関する。
座屈拘束ブレースは、地震等で作用する水平力に対して建物の変形を効果的に防止する部材として壁等に用いられている。座屈拘束ブレースは、板状の芯材と、この芯材の両面に沿って対向配置した一対の拘束材とを有し、前記拘束材は、一般的には溝形等の鋼材とその中に充填されたモルタルやコンクリート等で構成されている。しかし、モルタルやコンクリート等を充填したものは、重くて施工性が悪く、軽量化等のために鋼材を組合わせたものが提案されている(例えば、特許文献1〜3)。
特許第4533359号公報 特許第4448528号公報 特開2011−169042号公報
制振建物とする場合、大きな層間変形、例えば1/30を超える大変形まで、座屈せずに安定した履歴性能を有する座屈拘束ブレースが望まれる。工業化住宅では、さらに大きな、最大、1/15の変形まで耐えることが要求されている。従来の座屈拘束ブレースでは、このような大変形まで耐えることが困難である場合が多い。
大変形に耐える座屈拘束ブレースとするには、単に座屈せずに変形するだけでなく、躯体との接合部についても、大変形が生じた場合に構成部材の干渉や強度不測によって損傷しない構造とすることが必要である。
この発明の目的は、建物に大変形が生じた場合に、躯体に対する接合部の強度が確保でき、かつ干渉によって接合部が損傷することのない座屈拘束ブレースを提供することである。
この発明の他の目的は、大変形に対して座屈せずに耐えて安定した履歴性能が得られる座屈拘束ブレースとすることである。
この発明の座屈拘束ブレースは、板状の芯材と、この芯材の両面に沿って対向配置した一対の拘束材とを有し、前記芯材は両端に、建物の躯体と接合される接合部が設けられた座屈拘束ブレースにおいて、前記芯材の前記接合部を、この芯材の他の部分よりも幅方向に張り出した部分を有する形状として前記拘束材よりも幅広とし、この幅広とした前記接合部における幅方向の両端に補強リブを設けたことを特徴とする。
この構成によると、前記芯材の前記接合部における幅方向の両端に補強リブを設けたため、前記接合部の強度が確保され、大変形が生じるような荷重が前記接合部に作用しても、損傷が防止される。また、前記芯材の前記接合部が拘束材よりも幅広とされており、この張り出した部分に前記補強リブが設けられているため、張り出した部分で生じた補強リブと拘束材との間の隙間のため、芯材に大変形が生じても、その変形によって前記補強リブが拘束材と接触することがなく、前記接合部が接触による干渉によって損傷することが防止される。
なお、前記接合部における幅方向の両端の補強リブの間に渡って、前記一対の拘束材を挟み込むように補強プレートを設けても良い。これにより、拘束材の端部が面外方向に開いて座屈拘束ブレースの端部が損傷することが防止される。
この発明において、前記拘束材は、前記芯材の前記幅広となった接合部の一部の長さ範囲を挟み込む長さに形成されていても良い。すなわち、拘束材は、前記接合部による接合に影響しない範囲で、芯材を最大限の長さ範囲まで挟み込む長さとすることが良い。
これにより、芯材の弱軸方向への変形は、挟み込んだ拘束材が抑制し、座屈阻止の作用が高く得られる。なお、前記「芯材の弱軸方向」は、平板状の芯材の板厚方向を言い、芯材の幅方向を「芯材の強軸方向」と称する。
この発明において、前記芯材の前記接合部の前記張り出した部分における、芯材長手方向の中央側の端縁の形状を、前記他の部分から次第に広がる円弧状の形状とすることが好ましい。このように張り出した部分の端縁の形状を円弧状とすることで、破断を和らげることができる。
この発明において、前記一対の拘束材に渡って、前記芯材の幅方向の変形を拘束する幅方向補剛材を設け、この幅方向補剛材は、前記芯材における前記接合部の付近の部分を、前記幅方向に拘束せずに無補剛区間としても良い。
このように拘束材に幅方向補剛材を設け、芯材における前記接合部の付近に、前記幅方向によって補剛されない強軸方向の無補剛区間を設けることで、すなわち芯材の塑性化部分の端部に強軸方向の無補剛区間を設けることで、大変形時に座屈拘束ブレースに曲げヒンジが形成され、これにより、拘束材に曲げや軸力が入って拘束材が損傷することが防止される。
特に、前記のように、拘束材を、芯材の接合部の一部の長さ範囲を挟み込む長さとし、かつ芯材における前記接合部の付近の部分を前記無補剛区間とした場合は、大変形時において、弱軸方向への変形は、芯材を挟み込んだ拘束材が抑制し、強軸方向へは無補剛区間で曲げヒンジの役割し、前記接合部の付近で層間変形させることによって、大きな変形、例えば1/15以上の変形に耐えるという条件を満たすことが可能になる。
前記のように無補剛区間を設けた場合に、前記幅方向の両端の補強リブ間に渡り、前記一対の拘束材を挟み込む両側位置に補強プレートをそれぞれ設け、前記幅方向補剛材の長手方向の端を、前記補強プレートの芯材長手方向幅の中間位置とし、前記幅方向補剛材に前記芯材の前記接合部が嵌まり込む端部スリットを前記無補剛区間まで設けても良い。
このように幅方向補剛材の長手方向の端を補強プレートの中間までの位置とし、前記幅方向補剛材に端部スリットを設けることで無補剛区間における芯材幅方向の拘束を行わないようにする。これにより、層間変形1/15に対応しつつ、芯材弱軸方向の局部座屈を防止することができる。
前記のように補強プレートを設けた場合に、この補強プレートの長手方向幅および位置を、前記無補剛区間の全体が収まる幅および位置としても良い。
このように補強プレートを、無補剛区間の全体を覆うように設けることにより、補強の効果が高まり、かつ外観が美しくなる。
この発明において、前記各拘束材は、鋼材で構成されていても良く、例えば1本の角パイプであっても良い。角パイプであると、その断面形状や鋼材である材質によって高い補剛効果が得られ、モルタル等を充填した拘束材に比べ、必要とされる補剛効果の割合にして軽量化が図れる。この軽量化は、現場での施工性の向上につながる。
この発明の座屈拘束ブレースは、板状の芯材と、この芯材の両面に沿って対向配置した一対の拘束材とを有し、前記芯材は両端に、建物の躯体と接合される接合部が設けられた座屈拘束ブレースにおいて、前記芯材の前記接合部を、この芯材の他の部分よりも幅方向に張り出した部分を有する形状として前記拘束材よりも幅広とし、前記芯材の前記接合部における幅方向の両端に補強リブを設けたため、建物に大変形が生じた場合に、躯体に対する接合部の強度が確保でき、かつ干渉によって接合部が損傷することがない。
この発明の座屈拘束ブレースにおいて、前記拘束材が、前記芯材の前記幅広となった接合部の一部の長さ範囲を挟み込む長さに形成され、前記一対の拘束材に渡って、前記芯材の幅方向の変形を拘束する幅方向補剛材が設けられ、この幅方向補剛材が、前記芯材における前記接合部の付近の部分を前記幅方向に補剛せずに拘束せずに無補剛区間とする場合は、大変形に対して座屈せずに耐えて安定した履歴性能が得られる。
(A)はこの発明の第1の実施形態に係る座屈拘束ブレースの平面図、(B)は同側面図、(C)は拡大横断面図である。 (A)は同座屈拘束ブレースを破断平面図、(B)は同破断側面図である。 図1(B)のIII 部の拡大図である。 (A)はこの発明の他の実施形態に係る座屈拘束ブレースの平面図、(B)は同側面図である。 (A)は同座屈拘束ブレースの破断平面図、(B)は同破断側面図である。 (A)は図4(A)におけるVIa−VIa矢視拡大断面図、(B)は図4(A)におけるVIb−VIb矢視拡大断面図、(C)は図4(A)におけるVI c−VIc矢視拡大断面図である。 図4(B)のVII 部の拡大図である。 (A)はこの発明のさらに他の実施形態に係る座屈拘束ブレースの平面図、(B)は同側面図である。 図8のIX部の拡大図である。
この発明の第1の実施形態を、図1ないし図3と共に説明する。この座屈拘束ブレースは、板状の芯材1と、この芯材1の両面に沿って対向配置した一対の拘束材2,2とを有し、前記芯材1は両端に、建物の躯体(図示せず)と接合される接合部3が、拘束材2,2から長手方向に突出して設けられている。芯材1は、帯状の平鋼板であり、SN材(建築構造用圧延鋼材)またはLYP材(低降伏点鋼材)等の鉄鋼材料からなる。拘束材2は、角パイプ等からなる。
この座屈拘束ブレースは、上記構成の角パイプ使用の座屈拘束ブレースにおいて、芯材1の前記両端の接合部3を、この芯材1の他の部分よりも幅方向に両側に張り出した部分3a,3aを有する形状として拘束材2よりも幅広とし、この幅広とした接合部3における幅方向の両端に補強リブ4を設けている。芯材1は、詳しくは、前記接合部3以外の部分である中間部分1bが一定幅であり、両端の接合部3が、前記中間部分1bよりも両側に広がった一定幅の形状とされている。この芯材1の前記張り出した部分3aにおける、芯材長手方向の中央側の端縁3aaの形状は、芯材1の前記他の部分である前記中間部分1bから次第に広がる円弧状の形状とされている。各接合部3には、前記躯体と接合するボルト(図示せず)を挿通する複数のボルト挿通孔11が設けられている。
前記補強リブ4は、例えば短冊状の平板の鋼板からなり、その幅方向の中央に沿って芯材1の接合部3の幅方向の端面を付き合わせ、接合部3と溶接される。これら一対の補強リブ4と接合部3とで、断面H形の形状を成す。補強リブ4を設ける長さ範囲は、芯材1の中央側は前記接合部3の端縁まで、芯材1の端部側は前記接合部3の端縁に少し達しない位置までとされている。
前記拘束材2の長さは、芯材1の前記幅広となった接合部3の一部の長さ範囲を挟み込む長さに形成されている。拘束材2は、前記接合部3による接合に影響しない範囲で、芯材2を最大限の長さ範囲まで挟み込む長さとすることが良い。図示の例では、前記接合部3の1/3以上で1/2以下の長さ範囲を拘束材2で挟み込む長さとされている。
前記一対の拘束材2,2の両側の幅面には、図1(C)のように、これら拘束材2,2に渡る幅方向補剛材6が溶接部12で接合され、両側の幅方向補剛材6,6間に芯材1が介在する。幅方向補剛材6は、両拘束材2,2を合わせた幅よりも若干狭い幅であって、拘束材2の長手方向に延びる帯板状である。幅方向補剛材6の長さは、拘束材2よりも若干短く、両端が拘束材2の端縁に達しない長さとされ、芯材1における接合部3の付近の区間Wが(図1,3にハッチングを付した区間)が、幅方向補剛材6で補剛されない無補剛区間Wとされている。
芯材1の前記接合部3における幅方向の両端の補強リブ4,4間には、前記一対の拘束材2,2を挟み込むようにして、鋼板からなる一対の補強プレート5が設けられている。これにより、拘束材2の端部が面外方向に開いて座屈拘束ブレースの端部が損傷することが防止される。
図2(B)に示すように、芯材1の長手方向の中央で、かつ幅方向の中央に、芯材1の両面に突出するピン状のずれ止め突起9が設けられ、このずれ止め突起9は、図1(C)のように角パイプからなる拘束材2の内側の壁面に設けられた孔10に、この座屈拘束ブレースの組み立て時に挿入される。前記ずれ止め突起9は、鋼棒等の鋼材からなり、芯材1に設けられた孔(図示せず)内に挿入して、または芯材1の表面に突き合わせて接合される。
また、図2(B)に示すように、芯材1の拘束材2,2で挟まれる部分には、前記ずれ止め突起9に対する芯材1の長さ方向の両側に位置して、2本の耐力調整用の中間スリット7がそれぞれ設けられている。各中間スリット7内には、スペーサとなる鋼材等からなる内部変形防止材8が中間スリット7に対して長手方向に相対移動に可能に挿入されている。内部変形防止材8は、一対の拘束材2,2の間に介在し、中間スリット7の深さ方向に対しては拘束材2,2により位置規制される。
上記構成の座屈拘束ブレースによると、芯材1の接合部3における幅方向の両端に補強リブ4,4を設けたため、接合部3の強度が確保され、大変形が生じるような荷重が前記接合部3に作用しても、損傷が防止される。また、前記接合部3を、芯材1の他の部分よりも幅方向に張り出した部分3aを有する形状として前記拘束材2よりも幅広としており、この張り出した部分3aに前記補強リブ4を設けたため、その張り出した部分3aで生じた補強リブ4と拘束材2との間の隙間d(図3)のため、芯材1に大変形が生じても、その変形によって補強リブ4が拘束材2と接触することがなく、接合部3が干渉によって損傷することが防止される。
芯材1の接合部3の前記張り出した部分3aは、中央側の端縁3aaの形状を次第に広がる円弧状の形状としているため、局部的に張り出した形状でありながら、破断を和らげることができる。
前記拘束材2は、前記芯材1の前記幅広となった接合部3の一部の長さ範囲を挟み込む長さに形成しており、接合部3による接合に影響しない範囲で、芯材1を最大限の長さ範囲まで挟み込む長さとしているため、芯材1の弱軸方向への変形は、挟み込んだ拘束材2,2が抑制し、座屈阻止の作用が高く得られる。なお、前述のように「芯材1の弱軸方向」は、平板状の芯材1の板厚方向を言い、芯材1の幅方向を「芯材1の強軸方向」と称する。
また、拘束材2に幅方向補剛材6を設けているが、この幅方向補剛材6は芯材1における接合部3の付近の部分を補剛せず、芯材1の両端付近に強軸方向に対する無補剛区間Wを形成している。そのため、大変形時に座屈拘束ブレースに強軸方向の無補剛区間Wで曲げヒンジが形成され、これにより、拘束材2に曲げや軸力が入って拘束材2が損傷することが防止される。
特に、前記のように、拘束材2を、芯材1の接合部3の一部の長さ範囲を挟み込む長さとして、接合部3による接合に影響しない範囲で、芯材1を最大限の長さ範囲まで挟み込む長さとし、かつ芯材1における前記接合部3の付近の部分を前記無補剛区間Wとしたため、大変形時において、弱軸方向への変形は、芯材1を挟み込んだ拘束材2が抑制し、強軸方向へは無補剛区間Wで曲げヒンジの役割し、前記接合部3の付近で層間変形させることによって、大きな変形、例えば1/15以上の変形に耐えるという条件を満たすことが可能になる。これにより、工業化住宅に要求されている1/15の変形に耐える性能が得られる。
拘束材2は、この実施形態では角パイプとしているが、そのため、そのパイプ状の断面形状や鋼材である材質によって高い補剛効果が得られ、モルタル等を充填した拘束材に比べ、必要とされる補剛効果の割合にして軽量化が図れる。この軽量化は、現場での施工性の向上につながる。
さらにこの実施形態では、芯材1に前記中間スリット7を設けたため、この中間スリット7によって座屈拘束ブレースの耐力と剛性を調整する機能を持たせることができる。例えば、中間スリット7の幅の設計により耐力を調整し、中間スリット7の長さの設計により剛性を調整することができる。なお、従来の座屈拘束ブレースでは、芯材の中央部にドッグボーン状の切欠き設けるものが多いが、これでは座屈の拘束材に局部破壊を生じて機能を喪失することが多い。これに対して、中央に中間スリット7を設けた場合は、芯材1の座屈によって生じる面外方向の力を拘束材2に効率的に伝え、拘束材の局部破壊を防止するためにも効果的に機能する。この実施形態では、上記のように、中間スリット7は、芯材1の中央部に設けられたずれ止め突起9を中心に、長手方向の両側に2本設けているため、芯材1の座屈によって生じる面外方向の力を拘束材2に効率的に伝え、拘束材2の局部破壊を防止することができる。
なお、中間スリット7は、芯材1が強軸方向の外向きに変形するのを防止するために、1部を互いに繋げて2本以上となる複数本に分割した形にしても良い。芯材1が強軸方向の内向きに変形することは、中間スリット7内に挿入した内部変形防止材8によって防止される。
図4〜図7は、この発明の他の実施形態を示す。前記第1の実施形態では、端部の無補剛区間Wが最終段階での破壊点となるが、この実施形態は、この端部のディテールを改善することで、更なる耐震性向上を図るものである。この実施形態において、特に説明する事項の他は、第1の実施と同様である。
この実施形態は、幅方向補剛材6の長手方向の端Eを、補強プレート5の芯材長手方向幅の中間位置、例えば中央位置とし、幅方向補剛材6に、芯材1の前記接合部3が嵌まり込む端部スリット13を前記無補剛区間Wの端まで設けたものである。なお、ここで言う「中間位置」は、中央ではなく、補強プレート5の幅内の位置であることを言う。
この実施形態の場合、幅方向補剛材6の端部スリット13が設けられた長さのうち接合部3以外の範囲は、幅方向補剛材6による芯材1の強軸方向(芯材幅方向)の座屈は拘束されていない無補剛区間Wとなる。しかし、このスリット13がある無補剛区間Wでは、拘束材2の弱軸方向の補強がなされる。
このように、無補剛区間Wにおける強軸方向(芯材幅方向)の拘束を行わないことで、層間変形1/15に対応しつつ、芯材弱軸方向の局部座屈を防止することができる。
この実施形態における効果につき、纏め直して以下に示す。
・端部のディテールを工夫したことで、1/30を超える大変形まで、座屈せずに安定した耐震性能が得られる。
・芯材1の座屈を拘束材2が防止し、拘束材2の端部の局部変形が、芯材1の端部に設けた補強プレート5によって防止される。すなわち、芯材1と拘束材2が互いに相手の変形を防止する構成になっている。
・芯材1の端部に無補剛区間Wを設けて、大変形時に曲げヒンジを形成可能にする。これにより、拘束材2に曲げや軸力が入って拘束材2を破壊するのを防ぐ。
・芯材2の中央に中間スリット7を設けて、耐力と剛性を調整する機能を持たせる。中間スリット7の幅は耐力、長さは剛性を調節する機能がある。
・中央に中間スリット7を設けることで、芯材1の座屈によって生じる面外の力を拘束材2に効率的に伝え、拘束材2の局部破壊を防止するためにも有効に機能する。
・拘束材2,2同士を接合するプレートからなる幅方向補剛材6を端部の補強プレート5の位置まで延長することで、芯材端部の無補剛区間Wが補強される。
・スペーサである内部変形防止材8は、1枚あるいは複数枚の板で、厚みを芯材1よりも厚くすることで、芯材1と拘束材2の隙間を確保する。これにより、従来必要とされていたブチルゴム等のアンボンド材を省略することができる。
図8および図9は、さらに他の実施形態を示す。この実施形態は、図4〜図7に示す実施形態において、前記補強プレート5を芯材中央側へ延ばし、この補強プレート5の芯材長手方向幅を、無補剛区間Wの全体を覆う幅としたものである。すなわち、補強プレート5の芯材長手方向の中央側の端5aを、前記無補剛区間Wに対しても、芯材中央側の位置としている。前記芯材1の接合部3が嵌まり込む端部スリット13は、そのスリット長さの全体の範囲を補強プレート5の長さ範囲に入り込ませる。ただし、この例では、端部スリット13の長さは、図4〜図7の例よりも短くしている。
この実施形態の場合、前記補強プレート5を芯材中央側へ延ばし、この補強プレート5の芯材長手方向幅を、無補剛区間Wの全体が収まる幅としたため、補剛補強の効果が高まり、かつ無補剛区間Wの全体が補強プレート5に隠れることにより、座屈拘束ブレースの外観が美しくなる。この実施形態におけるその他の構成は、図4〜図7に示した実施形態と同様である。
なお、上記各実施形態では、拘束材2を1本の角パイプで構成したが、各拘束材2は、複数の角パイプを接合したものや、角パイプ,形鋼等を複数本接合した鋼材であっても、また鋼材とモルタルまたはコンクリートとを併用したものであっても良い。
1…芯材
2…拘束材
3…接合部
3a…張り出した部分
3aa…端縁
3b…中間部分
4…補強リブ
5…補強プレート
6…幅方向補剛材
7…中間スリット
9…ずれ止め突起
8…内部変形防止材
13…端部スリット
d…隙間
E…端
W…強軸方向の無補剛区間

Claims (7)

  1. 板状の芯材と、この芯材の両面に沿って対向配置した一対の拘束材とを有し、前記芯材は両端に、建物の躯体と接合される接合部が設けられた座屈拘束ブレースにおいて、
    前記芯材の前記接合部を、この芯材の他の部分よりも幅方向に張り出した部分を有する形状として前記拘束材よりも幅広とし、この幅広とした前記接合部における幅方向の両端に補強リブを設けたことを特徴とする座屈拘束ブレース。
  2. 請求項1に記載の座屈拘束ブレースにおいて、前記拘束材は、前記芯材の前記幅広となった接合部の一部の長さ範囲を挟み込む長さに形成した座屈拘束ブレース。
  3. 請求項1または請求項2に記載の座屈拘束ブレースにおいて、前記芯材の前記接合部の前記張り出した部分における、芯材長手方向の中央側の端縁の形状を、前記他の部分から次第に広がる円弧状の形状とした座屈拘束ブレース。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の座屈拘束ブレースにおいて、前記一対の拘束材に渡って、前記芯材の幅方向の変形を拘束する幅方向補剛材を設け、この幅方向補剛材は、前記芯材における前記接合部の付近の部分を前記幅方向に拘束せずに無補剛区間とする座屈拘束ブレース。
  5. 請求項4に記載の座屈拘束ブレースにおいて、前記幅方向の両端の補強リブ間に渡り、前記一対の拘束材を挟み込む両側位置に補強プレートをそれぞれ設け、前記幅方向補剛材の長手方向の端を、前記補強プレートの芯材長手方向幅の中間位置とし、前記幅方向補剛材に前記芯材の前記接合部が嵌まり込む端部スリットを前記無補剛区間まで設けた座屈拘束ブレース。
  6. 請求項5に記載の座屈拘束ブレースにおいて、前記補強プレートの芯材長手方向幅および位置を、前記無補剛区間の全体が収まる幅および位置とした座屈拘束ブレース。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の座屈拘束ブレースにおいて、前記拘束材が角パイプからなる座屈拘束ブレース。
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