JP2014077041A - インシュレーションの製造方法 - Google Patents

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【課題】アラミド繊維を増量しても、アラミド繊維の分散性、物性、耐熱性が良く、低密度で軽量なインシュレーションの製造方法を提供することにある。
【解決手段】固形ゴムと液状ゴムと強化繊維と、を含むインシュレーション12の製造方法であって、固形ゴムは、加硫可能な固形のゴムであり、液状ゴムは、常温で液体状もしくは水あめ状のゴムであり、(S2a)予備練り工程で固形ゴムと強化繊維と液状ゴムとを混練して第1混練りゴムを生成し、(S2b)本練り工程で固形ゴムと第1混練りゴムとを混練して第2混練りゴムを生成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、インシュレーションの製造方法に関し、特に固体ロケットモータのモータケース内面に設けられるインシュレーションの製造方法に関する。
固体ロケットモータは、固体燃料(固体推進薬ともいう)によって推進力を発生するロケットエンジンであって、防衛用ロケット弾、ミサイル、人工衛星打ち上げ用ロケットの推進機関、観測用ロケット、あるいは姿勢制御用ロケット等として広く利用されている。
図1は、一般的な固体ロケットモータ2の説明図である。
固体ロケットモータ2は、ロケット弾の推進機関であり、モータケース4、固体推進薬6、ノズル8、点火器10、およびインシュレーション12から構成される。そして、固体ロケットモータ2は、モータケース4の内部に備える固体推進薬6を、点火器10で点火して燃焼させ、発生した高温、高圧、高速の燃焼ガスをノズル8から流出させることにより推進力を発生させる。
インシュレーション12とは、固体推進薬6の燃焼時に、モータケース4を高温、高圧、高速の燃焼ガスから熱的に保護する目的で、モータケース4の内面に施行される、主に高分子物質からなる難燃性の断熱層である。燃焼ガスの流速の増大に伴い、インシュレーション12も推進薬と同様に侵食を受けるため、インシュレーション12は侵食に対して高い耐性を有することが要求される。
また、固体ロケットモータ2の固体推進薬6のグレインに発生する応力や歪みを緩和するために、インシュレーション12の特性として、高い強度と伸びが必要である。
また、インシュレーション12は固体ロケットモータ2の推進力の発生に直接寄与するものではないことから、固体ロケットモータ2の高性能化を図るためには、極限までインシュレーション12を軽量化、すなわち低密度化する必要がある。
さらに、インシュレーション12は、モータケース4への熱伝達を防止し、モータケース4を許容温度以下に保つ必要があるため、耐熱性がよく、熱伝導性が低く、アブレーションの開始温度が高く、モータケース4を高熱から保護するのに十分な板厚が確保されていることが要求される。なお、アブレーションとは、燃焼ガスに晒されたインシュレーション12が熱分解され、気化する際に、その潜熱放出により冷却することである。
従来、耐熱性とアブレーション特性を高め、補強効果を得るために、耐熱性、耐摩耗性補強性の面で優れた無機質繊維であり、ブレーキライニングやパッキングシート等にも使用されてきたアスベスト(石綿;クリソタイル MgSi(OH))繊維とゴムとを混練したものをモータケース4の内面に層状に設けて、固体ロケットモータ2用のインシュレーション12として使用していた。
しかし、アスベスト繊維を使用すると、チョップ状のアスベスト繊維とゴムとを混練し、それをモータケース4の内面に層状に設ける作業に時間が長くかかる問題があった。また、アスベスト繊維は約600℃で結晶水が飛散し、MgOSi粉となるため、固体ロケットモータ2の燃焼ガスによって大気汚染を引き起こすことはないものの、作業時には、アスベスト繊維が飛散し、作業環境を悪化させるおそれがあった。
そこで、アスベスト繊維の代替品として、有機質繊維であってアブレーション特性に優れた芳香族ポリアミド繊維や芳香族ポリアミド系パルプ状繊維(以下、アラミド繊維)を使用したインシュレーション12が開発されている(特許文献1、特許文献2)。
特開平03−021596号公報 特許第4587767号公報
図2は、インシュレーション12の従来の製造方法の説明図である。
インシュレーション12の製造において、アブレーション特性を向上させるためには、大量のアラミド繊維をゴム中へ混入する必要がある。しかし、芳香族ポリアミド繊維は、剛性が大きい上に固形ゴムへの混練性が悪いため、ゴム中に大量に入れることが難しかった(特許文献1)。また、団塊状のアラミド繊維を固形ゴム、液状ゴム、及びその他の添加剤と同時に本練りするという工程をとった図2に示す従来のインシュレーション12の製造方法では、混合した際に、芳香族ポリアミド繊維がゴム全体に分散せず、団塊状のままになるおそれがあった。
そのため、団塊状の芳香族ポリアミド繊維内には、ゴム成分が浸透しづらいことから、芳香族ポリアミド繊維の団塊が、ゴム中に気泡や亀裂を発生させる原因となるおそれがあった。
また、ゴム成分が浸透していない団塊状の芳香族ポリアミド繊維があることにより、シートの板厚方向に通気性が生じてしまい、気密性が損なわれるおそれがあった。
図3は、インシュレーション12の別の従来の製造方法の説明図である。
図3に示すように、アラミド繊維(特許文献2では、主に、芳香族ポリアミド系パルプ状繊維を使用)を予め液状ゴムと予備練りし、その後、固形ゴムや添加剤と本練りすることにより、ゴム中に投入できるアラミド繊維を増量する技術が開発された(特許文献2)。
具体的に特許文献2では、アラミド繊維の分散性を改良するために、次の(A1)から(A4)の工程でインシュレーション12を製造している。
(A1)配合工程として、原料ゴムを選択し、各種添加剤や強化繊維の種類および量を決定する。
(A2a)予備練り工程として、液状ゴムにアラミド繊維を予め加えてバンバリー型混合機で混和する。
(A2b)本練り工程として(A2a)に固形ゴム(EPDM及びIR)を加えバンバリー型混合機で混和する。
(A3)加硫練工程として、固形の添加剤及び加硫剤を(A2b)に加えて、オープンロールを用いて混練する。
(A4)成形工程として(A3)で得られたゴム生成物をカレンダーロール機に通してシート状に圧延する。
特許文献2のインシュレーション12の製造方法では、ミキサーの刃で液状ゴムを攪拌し、その攪拌による液状ゴムの流動によってアラミド繊維の団塊を解きほぐしている。
しかし、液状ゴムは粘性が低くミキサーの刃がほとんど抵抗を受けずに回転することとなるため、液状ゴムの流動の力だけでアラミド繊維の団塊を解きほぐすことは難しかった。そのため、より高い分散性を得られるインシュレーション12の製造方法の開発が求められていた。
また、より多くのアラミド繊維を入れるためには液状ゴムをより多く混ぜざるをえないのだが、液状ゴムは粘性と耐熱性が低いため、液状ゴムの配合が多いほど出来上がったインシュレーション12の物性と耐熱性が低下するという問題点があった。
また、液状ゴムの量が多いことによるインシュレーション12の物性の低下は、加硫剤や加硫促進剤を増量することにより改善できる。しかし加硫剤や加硫促進剤を増量すると、ゴム表面にブルーム(析出物)が発生し、他の材料との接着力が低下するという問題が生じる。そのため、加硫剤や加硫促進剤の増量によりインシュレーション12の物性の向上を図ることは出来なかった。
本発明は上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち本発明の目的は、アラミド繊維を増量しても、アラミド繊維の分散性、物性、耐熱性が良く、低密度で軽量なインシュレーションの製造方法を提供することにある。
本発明によれば、固形ゴムと液状ゴムと強化繊維と、を含むインシュレーションの製造方法であって、
固形ゴムは、加硫可能な固形のゴムであり、
液状ゴムは、常温で液体状もしくは水あめ状のゴムであり、
予備練り工程で固形ゴムと強化繊維と液状ゴムとを混練して第1混練りゴムを生成し、
本練り工程で固形ゴムと第1混練りゴムとを混練して第2混練りゴムを生成する、ことを特徴とするインシュレーションの製造方法が提供される。
また、強化繊維は芳香族ポリアミド系パルプ状繊維又は芳香族ポリアミド繊維を含む。
また、第1混練りゴムに、カーボンブラックを混練する。
また、予備練り工程では、アラミド繊維の質量を100とした場合に固形ゴムの質量を25〜150の範囲で加え、液状ゴムの質量を0〜50の範囲で加える。
強化繊維の分散性を向上させるためには、第1混練りゴムを生成するとき(以下、予備練り工程)のミキサーのせん弾力を適度に大きくする必要があるところ、上述した本発明のインシュレーションの製造方法によれば、予備練り工程で、硬い固形ゴムを加えて練り込むので、ミキサーにかかるせん断力が増し、力をかけて練ることができる。それにより、張力やせん弾力など様々な力で強化繊維の団塊を解きほぐすことができるため、液状ゴムと強化繊維だけで混和するよりも、さらに強化繊維の分散性を増すことができる。
また、予備練り工程に使用する固形ゴムと液状ゴムとを合わせたゴムの量は、強化繊維の量によって決められる。そのため、予備練り工程で固形ゴムを加える分、液状ゴムの量を減らすことができるので、インシュレーションにおける液状ゴムの割合を減らすことができる。それにより、粘性と耐熱性が低い液状ゴムの割合を減らすことができるため、インシュレーションの物性と耐熱性とを向上させることができる。
一般的な固体ロケットモータの説明図である。 インシュレーションの従来の製造方法の説明図である。 インシュレーションの別の従来の製造方法の説明図である。 本発明の第1実施形態のインシュレーションの製造方法の説明図である。 本発明の第2実施形態のインシュレーションの製造方法の説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
本発明のインシュレーション12は、固形ゴムと液状ゴムと強化繊維とを含む。
また、本発明のインシュレーション12は、添加剤を含んでいても良い。さらに、固形ゴムと液状ゴムを加硫させるために使用される加硫剤と加硫促進剤を含む。
固形ゴムは、加硫可能な固形のゴムであり、エチレンとプロピレンの共重合体(EPM)に、5‐エチリデン‐2‐ノルボルネン、1,4‐ヘキサジエン、もしくはジシクロペンタジエンなどの第三成分を添加して側鎖として結合させたエチレン‐プロピレン系のゴムが使用される。特に、エチレン‐プロピレン‐ジエンゴム(EPDM)が好ましい。
しかし、固形ゴムは、これに限らず、ポリイソプレン構造をもつ天然ゴム(以下、NR)やイソプレンゴム(以下、IR)、アクリロニトリルとブタジエンの共重合体であるアクリロニトリルブタジエンゴム(以下、NBR)であってもよい。
また、本発明の固形ゴムは、これらの複数の種類を組み合わせて使用してもよく、また、単独で使用してもよい。
液状ゴムは、常温で流動性のある液体状もしくは水あめ状のゴムのことであり、液状ブタジエンゴム(以下、BR)(1,2‐BR、1,4‐BR)、液状IR(1,4‐IR)、液状NBRゴム、液状ブタジエンスチレンゴム(以下、SBR)、液状ポリブテン、液状ウレタンゴムであることが好ましい。
また、本発明の液状ゴムは、これらのうち複数の種類を組み合わせて使用してもよく、また、単独で使用してもよい。
強化繊維は液状ゴムに混和可能な繊維である。また、強化繊維は、耐熱性を有すること、高速のガス流に対して保持可能な強度を有すること、ゴムとの相性が良好であること、軽量で、低密度であること、およびアブレーションの開始温度が高く、アブレーション特性が良好であることという特性を有している必要がある。
そのため、本発明の強化繊維は芳香族ポリアミド系パルプ状繊維又は芳香族ポリアミド繊維を含む。以下、芳香族ポリアミド繊維と芳香族ポリアミド系パルプ状繊維を総称してアラミド繊維とする。
アラミド繊維は低い熱伝導、高い遮熱性、耐熱性、難燃性、および強度をもつポリアミド系の有機繊維である。
なお、強化繊維として、アラミド繊維が使用されていれば、他の繊維を併用してもよい。アラミド繊維以外に使用する繊維は、炭素繊維、ガラス繊維、アスベスト、粒状シリカなどがよい。これらは単独で使用しても、複数の種類の繊維を併用してもよい。
芳香族ポリアミド繊維は、主鎖中に芳香族環構造をもつポリアミドからなる繊維である。芳香族ポリアミド繊維として、NOMEX(登録商標)、KEVLAR(登録商標)、TWARON(登録商標)、テクノーラ(登録商標)、およびコーネックス(登録商標)が市販されているが、当然この他の芳香族ポリアミド繊維でもよい。
また、芳香族ポリアミド系パルプ状繊維は、非常に短くかつ高度にフィブリル化された繊維のことをいう。
芳香族ポリアミド系パルプ状繊維は、繊維が細かく開裂され極細繊維が集合した状態となっており、通常の繊維に比べ、表面積が飛躍的に増大し、芳香族ポリアミド系パルプ状繊維の触手状突起が、他の繊維やゴム成分を取り込むため、それらの結合力が高い。そのため、芳香族ポリアミド系パルプ状繊維を強化繊維として使用することにより、成形後のインシュレーション12の物性を向上させ、インシュレーション12のアブレーション特性を大幅に改善することができる。
なお、芳香族ポリアミド系パルプ状繊維は、例えば、KEVLAR(登録商標)のドライパルプやTWARON(登録商標)のパルプが市販されているが、当然、その他の芳香族ポリアミド系パルプ状の繊維でもよい。
添加剤は、カーボンブラックであることが好ましい。また、添加剤は、少なくともカーボンブラックが含まれていれば、その他のものを併用してもよい。
カーボンブラック以外に使用する添加剤として、軟化剤や可塑剤、老化防止剤、加工助剤や粘着付与剤を使用してもよい。
軟化剤や可塑剤は、ゴム製品の硬度を調整し混練性、加工性を改善するための添加剤であり、鉱物油系軟化剤(パラフィン系軟化剤、芳香族系軟化剤、もしくはナフテン系軟化剤等)や植物油系軟化剤(菜種油、パーム油、もしくはヤシ油等の脂肪油、ステアリン酸などの脂肪酸やその塩、パインオイル、ロジン、またはファクチス(サブ))が使用される。
老化防止剤は、ゴムの劣化を防止するために使用される薬剤であり、アミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、硫黄化合物、もしくはホスファイト類が使用される。
加工助剤や粘着付与剤は、ゴムの混練もしくは圧延時等の加工性を改善し、適切な粘着性を得るために使用される薬剤である。加工助剤として、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸の金属塩、ステアリルアミン、高融点ワックス、低分子量ポリエチレングリコールなどが使用される。粘着付与剤としては、クマロン樹脂、フェノール、テルペン系樹脂、石油系炭化水素樹脂、液状ポリブテン、ロジン誘導体などが使用される。
また、固形ゴムと液状ゴムの鎖状ゴム分子を三次元構造に形成させるため、加硫剤と加硫促進剤が使用される。加硫剤は主に硫黄である。加硫促進剤は、スルフェンアミド系等がよい。
次に、本発明の第1実施形態のインシュレーション12の製造方法を説明する。
図4は、本発明の第1実施形態のインシュレーション12の製造方法の説明図である。
本発明のインシュレーション12の製造方法において、その製造工程は、配合工程、加工工程、加硫練工程、成形工程の4つの工程に分けられる。
(S1)配合工程は、まず、原料ゴムを選択し、各種添加剤や強化繊維の種類および量を決定する工程である。
(S2)加工工程は、(S1)で決定した配合に基づいて原料ゴム、強化繊維、及び添加剤を混合もしくは混練することにより混練りゴムを作る工程である。
(S3)加硫練工程は、(S2)で生成した混練りゴムに熱を加え加硫する工程である。
(S4)成形工程は、加硫された混練りゴムを成形する工程である。
また、本発明の加工工程は、(S2a)強化繊維を原料ゴムの一部と混練し、ゴム中に分散させ第1混練りゴムを生成する予備練り工程と、(S2b)第1混練りゴムを残りの原料ゴムと合わせ、混練し、第2混練りゴムを生成する本練り工程とを有する。
(S1)本発明の第1実施形態のインシュレーション12の製造方法における配合工程では、原料ゴムとして固形ゴムの他に液体ゴムを選択し、アラミド繊維として芳香族ポリアミド繊維もしくは芳香族ポリアミド系パルプ状繊維を選択する。
(S2)本発明の第1実施形態のインシュレーション12の製造方法における加工工程では、原料ゴム、強化繊維、及びカーボンブラック以外の添加剤を混練りする。混練りとは、原料ゴムに強化繊維及び添加剤を混合し、機械的なせん弾力を加えてゴムに可塑性を与え、また同時に強化繊維と添加剤をゴム中に分散させることである。本発明の第1実施形態のインシュレーション12の製造方法における加工工程は、予備練り工程と本練り工程とを有する。なお、固形ゴムの可塑性や流動性を向上させるため、予備練り工程の前に、固形ゴムを素練りしてもよい。
予備練り工程では、固形ゴムと強化繊維と液状ゴムとを混練して第1混練りゴムを生成する(S2a)。
なお、予備練り工程の配合は、アラミド繊維の質量(以下、アラミド繊維量)を100とした場合、固形ゴムの質量(以下、固形ゴム量)を25〜150の範囲で加える。好ましくは固形ゴム量が50〜100の範囲である。固形ゴム量が25より少ないとゴムの量が不足しているためアラミド繊維の分散性が不十分である。固形ゴム量を150より多く入れると、アラミド繊維と固形ゴム間のせん断力が低下することによりアラミド繊維の分散性が悪くなる。
また、予備練り工程で液状ゴムの質量(以下、液状ゴム量)は5〜50の範囲で加える。好ましくは液状ゴム量を25で加えた時である。液状ゴム量が50より多いとゴムの耐熱性、物性が低下する。
混練する際には、バンバリー型混合機に代表される密閉型二軸混合機を使用することが好ましい。しかし、混練に使用する混合機はこれに限らず、例えば、オープンロール等のその他の混合機を使用してもよい。また、これらを併用してもよい。
本練り工程は、固形ゴムと、予備練り工程で生成された第1混練りゴムとを混練して第2混練りゴムを生成する(S2b)。本練り工程で混練する際にも、バンバリー型混合機に代表される密閉型二軸混合機を使用することが好ましい。しかし、混練に使用する混合機はこれに限らず、例えば、オープンロール等のその他の混合機を使用してもよい。また、これらを併用してもよい。
また、本練り工程では、添加剤も混合することが好ましい。
(S3)本発明の加硫練工程では、第2混練りゴムに、加硫剤と加硫促進剤を加え、混練し、第3混練りゴムを生成する。加硫練工程では、オープンロールを使用することが好ましい。しかし、加硫練工程で使用する加硫機はこれに限らず、その他の加硫機を使用してもよい。
なお、加硫練工程とは、加工工程を終えたゴムに熱を加え、加硫反応や接着反応を起こさせることにより、ゴム弾性を生じさせる工程のことである。
(S4)本発明の成形工程では、カレンダーロールで加硫された混練りゴムをシーティングすることにより、成形する。それにより、インシュレーション12を所定の厚さ、幅、長さのシート状に成形することができる。
図5は、本発明の第2実施形態のインシュレーション12の製造方法の説明図である。
図5に示すように、本発明の第2実施形態のインシュレーション12の製造方法では、予備練り工程において、第1混練りゴムに、添加剤としてカーボンブラックを混練する。
すなわち、(S2)本発明の第2実施形態のインシュレーション12の製造方法における加工工程では、原料ゴム、強化繊維、及びカーボンブラックを含めた添加剤を混練りする。
その他の点については、第1実施形態と同様である。
これにより、第1実施形態の予備練り工程が70〜110分かかるところを、第2実施形態の予備練り工程では40〜70分に短縮することができる。
また、予備練り工程でカーボンブラックを混練させることにより、カーボンブラックの分散性を向上させることができ、それによりインシュレーション12の物性を向上させることができる。
次に、本発明の製造方法によるインシュレーション12の加硫特性と従来の製造方法によるインシュレーション12の加硫特性とを比較した実験データを示す。
従来のインシュレーション12の製造方法では、より多くのアラミド繊維を入れるために液状ゴムを多く混ぜざるをえない。そのため、従来の製造方法によるインシュレーション12の液状ゴム量は50である。
それに対し、本発明のインシュレーション12の製造方法では液状ゴムの配合量を減らせるため、本発明の製造方法によるインシュレーション12の液状ゴム量を25に減らすことができた。
そこで本発明の製造方法によるインシュレーション12と従来の製造方法によるインシュレーション12との加硫特性値を測定し、それぞれの加硫曲線のトルク最大値M(以下、単にトルク最大値M)を比較した。
なお、トルク最大値Mは加硫の程度を示す値である。トルク最大値Mが低いということは、加硫が進んでおらず、加硫ゴムの強度が低下していることを示す。
測定の結果、それぞれのトルク最大値Mは、従来の製造方法によるインシュレーション12が9.0dNmであるのに対し、本発明の製造方法によるインシュレーション12は14.5dNmであった。
この結果は、従来の製造方法によるインシュレーション12では加硫が進んでおらず、加硫ゴムの強度が低いことを示している。反対に、この結果から本発明の製造方法で製造したインシュレーション12は、加硫が進み、従来の製造方法によるインシュレーション12よりも加硫ゴムの強度が向上していることが明らかになった。
強化繊維の分散性を向上させるためには、第1混練りゴムを生成するときのミキサーのせん弾力を適度に大きくする必要があるところ、上述した本発明のインシュレーション12の製造方法によれば、予備練り工程で、硬い固形ゴムを加えて練り込むので、ミキサーにかかるせん断力が増し、力をかけて練ることができる。それにより、張力やせん弾力など様々な力で強化繊維の団塊を解きほぐすことができるため、液状ゴムと強化繊維だけで混和するよりも、さらに強化繊維の分散性を増すことができる。
また、予備練り工程に使用する固形ゴムと液状ゴムとを合わせたゴムの量は、強化繊維の量によって決められる。そのため、予備練り工程で固形ゴムを加える分、液状ゴムの量を減らすことができるので、インシュレーション12における液状ゴムの割合を減らすことができる。それにより、粘性と耐熱性が低い液状ゴムの割合を減らすことができるため、インシュレーション12の物性と耐熱性とを向上させることができる。
なお本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。
2 固体ロケットモータ、4 モータケース、
6 固体推進薬、8 ノズル、10 点火器、
12 インシュレーション、M 加硫曲線のトルク最大値

Claims (4)

  1. 固形ゴムと液状ゴムと強化繊維と、を含むインシュレーションの製造方法であって、
    固形ゴムは、加硫可能な固形のゴムであり、
    液状ゴムは、常温で液体状もしくは水あめ状のゴムであり、
    予備練り工程で固形ゴムと強化繊維と液状ゴムとを混練して第1混練りゴムを生成し、
    本練り工程で固形ゴムと第1混練りゴムとを混練して第2混練りゴムを生成する、ことを特徴とするインシュレーションの製造方法。
  2. 強化繊維は芳香族ポリアミド系パルプ状繊維又は芳香族ポリアミド繊維を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のインシュレーションの製造方法。
  3. 第1混練りゴムに、カーボンブラックを混練する、ことを特徴とする請求項1に記載のインシュレーションの製造方法。
  4. 予備練り工程では、アラミド繊維の質量を100とした場合に固形ゴムの質量を25〜150の範囲で加え、液状ゴムの質量を0〜50の範囲で加える、ことを特徴とする請求項1に記載のインシュレーションの製造方法。
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