JP2014077007A - ノルモルフィナン塩を調製するためのプロセス - Google Patents

ノルモルフィナン塩を調製するためのプロセス Download PDF

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    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
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    • C07D489/06Heterocyclic compounds containing 4aH-8, 9 c- Iminoethano-phenanthro [4, 5-b, c, d] furan ring systems, e.g. derivatives of [4, 5-epoxy]-morphinan of the formula: with a hetero atom directly attached in position 14
    • C07D489/08Oxygen atom
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Abstract

【課題】粗製オピオイド基質からの純粋なノルモルフィナン塩の製造プロセスの提供。
【解決手段】下記の反応プロセスを包含する製造方法。
Figure 2014077007

<式中の各Rは水素、ヒドロカルビルなどである。>
【選択図】なし

Description

関連出願への相互参照
この出願は、2007年12月17日に出願された仮出願第61/014,105号(これは、その全体が参考として本明細書に援用される)からの優先権を主張する。
発明の分野
本発明は、一般には、粗製オピオイド基質からの純粋なノルモルフィナン塩の製造プロセスに関する。
発明の背景
ノルオキシモルホンは、ナルトレキソン、ナロキソン、ナルメフェン及びナルブフィンを含めて、一連の生物学的に重要な「nal」化合物の製造に有用であるモルフィナン中間体である。これらのAPI(医薬品有効成分)に対する要求が増加するにつれ、より効率的かつより高い純度で製造されるノルオキシモルホンの必要性がより大きくなってきた。
ノルオキシモルホンは、歴史的に、dec−ノルオキシモルホン水溶液を30〜40%硫酸を用いて95から110℃で30から40時間加水分解することによって得られてきた。例えば、”Noroxymorphone from morphine.”Wallace,Rebecca A.(Mallinckrodt,Inc.,USA).特許文献1(1985)を参照されたい。以下を含めて、このプロセスに関連した幾つかの問題がある:(a)出発材料(すなわち、dec−ノルオキシモルホン)は溶解性が極めて低い、(b)加水分解速度が極めて低い(反応が完結するのに30から40時間かかる)、(c)加水分解剤(すなわち、硫酸)の酸化的性質、及び加水分解が起こるのに必要な長時間加熱は、ノルオキシモルホン生成物の分解をもたらす、(d)反応全体がノルオキシモルホンを低収率及び高不純物でもたらす。したがって、鎮痛薬及び拮抗物質の製造に有用である重要なモルフィナン化合物にオピオイド誘導体を転化するプロセスが求められている。
欧州特許出願公開第0158476号明細書
本発明の一態様は、以下の反応に従って化合物1から化合物2を調製するプロセスを包含する。
Figure 2014077007
式中、
は、水素、ヒドロカルビル及び置換ヒドロカルビルからなる群より選択され、
1aは酸素保護基であり、
は、ヒドロカルビル及び置換ヒドロカルビルからなる群より選択され、
、R、R及びRは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、メトキシ、{−}OR、ヒドロカルビル及び置換ヒドロカルビルからなる群より独立に選択され、
は、ヒドロカルビル及び置換ヒドロカルビルからなる群より選択され、
Xは、Cl及びBrからなる群より選択されるハロゲンである。
本発明の別の一態様は、以下の反応に従って化合物2から化合物3を調製するプロセスを提供する。
Figure 2014077007
式中、
は、水素、ヒドロカルビル及び置換ヒドロカルビルからなる群より選択され、
1aは酸素保護基であり、
は、ヒドロカルビル及び置換ヒドロカルビルからなる群より選択され、
、R、R及びRは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、{−}OR、ヒドロカルビル及び置換ヒドロカルビルからなる群より独立に選択され、
は、約0未満のpKaを有するプロトン供与体からなる群より選択され、
は、ヒドロカルビル及び置換ヒドロカルビルからなる群より選択され、
Xは、Cl及びBrからなる群より選択されるハロゲンである。
本発明の追加の一繰り返し(iteration)は、化合物3を調製する二工程プロセスを提供する。このプロセスは、化合物1をプロトンアクセプター及びXCOと接触させて化合物2を形成することを含む第1の反応を含む。第2の反応においては、以下の反応スキームに従って、化合物2をプロトン供与体と接触させて化合物3を形成する。
Figure 2014077007
式中、
は、水素、ヒドロカルビル及び置換ヒドロカルビルからなる群より選択され、
1aは酸素保護基であり、
は、ヒドロカルビル及び置換ヒドロカルビルからなる群より選択され、
、R、R及びRは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、{−}OR、ヒドロカルビル及び置換ヒドロカルビルからなる群より独立に選択され、
は、約0未満のpKaを有するプロトン供与体からなる群より選択され、
は、ヒドロカルビル及び置換ヒドロカルビルからなる群より選択され、
Xは、Cl及びBrからなる群より選択されるハロゲンである。
本発明の他の態様及び繰り返しをより詳細に以下に記述する。
したがって、本発明は、以下の項目を提供する:
(項目1)
以下の反応:
Figure 2014077007
に従って化合物1から化合物2を調製するためのプロセスであって、式中、
は、水素、ヒドロカルビル及び置換ヒドロカルビルからなる群より選択され、
1aは酸素保護基であり、
は、ヒドロカルビル及び置換ヒドロカルビルからなる群より選択され、
、R、R及びRは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、メトキシ、{−}OR、ヒドロカルビル及び置換ヒドロカルビルからなる群より独立に選択され、
は、ヒドロカルビル及び置換ヒドロカルビルからなる群より選択され、
Xは、Cl及びBrからなる群より選択されるハロゲンである、
プロセス。
(項目2)
項目1に記載のプロセスであって、
が、水素、アシル、アルキル、アルケニル、アリール、置換アルキル、置換アルケニル、置換アリール及びアルコキシカルボニルからなる群より選択され、
が、アルキル、アルケニル、アリール、置換アルキル、置換アルケニル及び置換アリールからなる群より選択され、
、R、R及びRが、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アシル、アルキル、アルケニル、アリール、置換アルキル、置換アルケニル、置換アリール、アルコキシカルボニル及びカルボニルからなる群より独立に選択され、
Xが塩化物である、
プロセス。
(項目3)
項目1又は2のいずれかに記載のプロセスであって、前記プロトンアクセプターが約7を超えるpKaを有し、前記反応が非プロトン溶媒の存在下で実施され、化合物1 対
XCO 対 プロトンアクセプターのモル比が約1:3:1から約1:20:20であり、該反応が約50℃から約80℃の範囲の温度で実施され、化合物2が、ノルオキシモルホン誘導体及びノルオキシコドン誘導体からなる群より選択される化合物の混合物を含む、プロセス。
(項目4)
項目1から3のいずれかに記載のプロセスであって、該プロセスが、式2を有さない副生化合物の形成をもたらし、前記反応混合物をプロトン溶媒でクエンチした後に該反応混合物が有機層と水層に分離し、該副生化合物が洗浄工程によって該反応混合物から除去され、該洗浄工程が該有機層を約0.8から約2.0のpHを有するプロトン溶媒と接触させ、続いて該水層を該反応混合物から分離することを含む、プロセス。
(項目5)
項目4に記載のプロセスであって、前記非プロトン溶媒が、3から8個の炭素原子を有するアルコール及び2から8個の炭素原子を有するプロトン供与体からなる群より選択される第2の溶媒で置き換えられる、プロセス。
(項目6)
以下の反応:
Figure 2014077007
に従って化合物2から化合物3を調製するプロセスであって、式中、
は、水素、ヒドロカルビル及び置換ヒドロカルビルからなる群より選択され、
1aは酸素保護基であり、
は、ヒドロカルビル及び置換ヒドロカルビルからなる群より選択され、
、R、R及びRは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、{−}OR、ヒドロカルビル及び置換ヒドロカルビルからなる群より独立に選択され、
は、約0未満のpKaを有するプロトン供与体からなる群より選択され、
は、ヒドロカルビル及び置換ヒドロカルビルからなる群より選択され、
Xは、Cl及びBrからなる群より選択されるハロゲンである、
プロセス。
(項目7)
項目6に記載のプロセスであって、
が、水素、アシル、アルキル、アルケニル、アリール、置換アルキル、置換アルケニル、置換アリール及びアルコキシカルボニルからなる群より選択され、
が、アルキル、アルケニル、アリール、置換アルキル、置換アルケニル及び置換アリールからなる群より選択され、
、R、R及びRが、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アシル、アルキル、アルケニル、アリール、置換アルキル、置換アルケニル、置換アリール、アルコキシカルボニル、カルボニルからなる群より独立に選択され、
が、硫酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、リン酸、塩酸及び臭化水素酸からなる群より選択され、
Xが塩化物である、
プロセス。
(項目8)
項目6又は7のいずれかに記載のプロセスであって、前記プロトン供与体が0未満のpKa及び臭化水素酸を有し、前記反応が少なくとも1種類のプロトン溶媒の存在下で実施され、プロトン溶媒 対 化合物2の量が約2:1(g/g)であり、化合物2 対 プロトン供与体のモル比が約1:1.5から約1:10(g/g)であり、該反応が約90℃から約115℃の範囲の温度で実施される、プロセス。
(項目9)
化合物3を調製するためのプロセスであって、該プロセスが、以下の反応スキーム:
Figure 2014077007
に従って、化合物1をプロトンアクセプター及びXCOと接触させて化合物2を形成することを含む第1の反応と、化合物2をプロトン供与体と接触させて化合物3を形成することを含む第2の反応とを含み、式中、
は、水素、ヒドロカルビル及び置換ヒドロカルビルからなる群より選択され、
1aは酸素保護基であり、
は、ヒドロカルビル及び置換ヒドロカルビルからなる群より選択され、
、R、R及びRは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、{−}OR、ヒドロカルビル及び置換ヒドロカルビルからなる群より独立に選択され、
は、約0未満のpKaを有するプロトン供与体からなる群より選択され、
は、ヒドロカルビル及び置換ヒドロカルビルからなる群より選択され、
Xは、Cl及びBrからなる群より選択されるハロゲンである、
プロセス。
(項目10)
項目9に記載のプロセスであって、
が、水素、アシル、アルキル、アルケニル、アリール、置換アルキル、置換アルケニル、置換アリール及びアルコキシカルボニルからなる群より選択され、
が、アルキル、アルケニル、アリール、置換アルキル、置換アルケニル及び置換アリールからなる群より選択され、
、R、R及びRが、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アシル、アルキル、アルケニル、アリール、置換アルキル、置換アルケニル、置換アリール、アルコキシカルボニル、カルボニルからなる群より独立に選択され、
が、硫酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、リン酸、塩酸及び臭化水素酸からなる群より選択され、
Xが塩化物である、
プロセス。
(項目11)
項目9又は10のいずれかに記載のプロセスであって、前記プロトンアクセプターが約7を超えるpKaを有し、前記第1の反応が非プロトン溶媒の存在下で実施され、化合物1 対 XCO 対 プロトンアクセプターのモル比が約1:3:1から約1:20:20であり、該第1の反応が約50℃から約80℃の範囲の温度で実施され、化合物2がノルオキシモルホン誘導体及びノルオキシコドン誘導体からなる群より選択される化合物の混合物を含み、前記プロトン供与体が0未満のpKaを有し、前記第2の反応が少なくとも1種類のプロトン溶媒の存在下で実施され、プロトン溶媒 対 化合物2の量が約2:1(g/g)であり、化合物2 対 プロトン供与体のモル比が約1:1.5から約1:10(g/g)であり、該第2の反応が約90℃から約115℃の範囲の温度で実施される、プロセス。
(項目12)
項目9から11のいずれかに記載のプロセスであって、該プロセスが、式2を有さない副生化合物の形成をもたらし、前記反応混合物をプロトン溶媒でクエンチした後に該反応混合物が有機層と水層に分離し、該副生化合物が洗浄工程によって該反応混合物から除去され、該洗浄工程が該有機層を約0.8から約2.0のpHを有するプロトン溶媒と接触させ、続いて該水層を該反応混合物から分離することを含む、プロセス。
(項目13)
項目12に記載のプロセスであって、前記非プロトン溶媒が、3から8個の炭素原子を有するアルコール及び2から8個の炭素原子を有するプロトン供与体からなる群より選択される第2の溶媒で置き換えられる、プロセス。
(項目14)
項目9から13のいずれかに記載のプロセスであって、化合物3が結晶として形成され、化合物3の収率が約65%から約85%(mol/mol)であり、化合物3の純度がクロマトグラフィーで測定して少なくとも95%である、プロセス。
(項目15)
項目9から14のいずれかに記載のプロセスであって、化合物1、2又は3の光学活性が(−)鏡像異性体、(+)鏡像異性体及びその組合せからなる群より選択され、化合物1、2又は3の炭素5、13、14及び9それぞれの配置がRRRS、RRSS、SRRS、SRSS、RSRR、RSSR、SSRR及びSSSRからなる群より選択される、プロセス。
「nal」化合物鎮痛薬及び拮抗物質の製造に有用であるノルモルフィナン化合物にオピオイド誘導体を転化するプロセスを発見した。特に、このプロセスは粗製オピオイド基質からの純粋なノルモルフィナン塩の製造に使用することができる。
プロセスは、二工程反応スキームを包含する。プロセスの工程Aにおいては、オピオイド誘導体をノルモルフィナン中間体に転化する。溶媒置換システムを使用することによって、有利なことに、反応スキーム1に示した合成経路全体を通してノルモルフィナン中間体を固体として単離する必要がない。プロセスの工程Bにおいては、ノルモルフィナン中間体を加水分解に供して、結晶性ノルモルフィナン塩を生成する。説明のために、反応スキーム1は、本発明の一態様に従う化合物1(すなわち、オピオイド誘導体)からの化合物3(すなわち、ノルモルフィナン塩)の生成を示す。
Figure 2014077007
式中、
は、水素、ヒドロカルビル及び置換ヒドロカルビルからなる群より選択され、
1aは酸素保護基であり、
は、ヒドロカルビル及び置換ヒドロカルビルからなる群より選択され、
、R、R及びRは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、メトキシ、{−}OR、ヒドロカルビル及び置換ヒドロカルビルからなる群より独立に選択され、
は、約0未満のpKaを有するプロトン供与体からなる群より選択され、
は、ヒドロカルビル及び置換ヒドロカルビルからなる群より選択され、
Xは、Cl及びBrからなる群より選択されるハロゲンである。
例示的一実施形態においては、反応スキーム1の置換基は、以下を含む。
は、水素、アシル、アルキル、アルケニル、アリール、置換アルキル、置換アルケニル、置換アリール及びアルコキシカルボニルからなる群より選択され、
は、アルキル、アルケニル、アリール、置換アルキル、置換アルケニル及び置換アリールからなる群より選択され、
、R、R及びRは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アシル、アルキル、アルケニル、アリール、置換アルキル、置換アルケニル、置換アリール、アルコキシカルボニル、カルボニルからなる群より独立に選択され、
は、硫酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、リン酸、塩酸及び臭化水素酸からなる群より選択され、
Xは塩化物である。
(I)工程A:化合物1から化合物2への転化
プロセスの工程Aは、プロトンアクセプターの存在下でオピオイド誘導体(化合物1)をXCOと接触させて、1種類以上のノルモルフィナン中間体(化合物2)を形成することを含む。次いで、反応混合物をプロトン溶媒でクエンチし、副生物を洗浄工程によって反応混合物から除去する。次いで、反応混合物を溶媒置換工程に供する。
(a)反応パラメータ
一般に、化合物2の調製用基質は、反応スキーム1に示した化合物1に対応する。例示的一実施形態においては、化合物1は、オキシモルホン、オキシコドン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン及びこれらの化合物の各々の誘導体からなる群より選択される。化合物1がオキシモルホンを含むときには、Rは水素であり、R、R及びRは各々水素であり、Rはヒドロキシルである。あるいは、化合物1がオキシコドンを含むときには、Rはメチルであり、R、R及びRは各々水素であり、Rはヒドロキシルである。化合物1がヒドロコドンを含むときには、Rはメチルであり、R、R及びRは各々水素であり、Rは水素である。あるいは、化合物1がヒドロモルホンを含むときには、Rは水素であり、R、R及びRは各々水素であり、Rは水素である。
プロセスの工程Aにおいては、化合物1をXCOと接触させる。Rを構成する例示的なヒドロカルビル又は置換ヒドロカルビル基としては、アルキル、アルケニル、アリール、置換アルキル、置換アルケニル及び置換アリールが挙げられる。Rを構成するより好ましいヒドロカルビル又は置換ヒドロカルビル基の一部としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第三級ブチル、ペンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、メチルフェニル又はベンジルが挙げられる。上記実施形態の各々では、Xは塩化物又は臭化物とすることができる。例示的一実施形態においては、Xは塩化物であり、Rはエチルである。
プロセスの工程Aは、典型的には、プロトンアクセプターの存在下で実施される。一般に、プロトンアクセプターは、約7から約13、好ましくは約8から約10のpKaを有する。使用することができる代表的プロトンアクセプターとしては、(例えば、NaBOなどの)ホウ酸塩、(例えば、NaHPO及びNaPOなどの)二塩基性及び三塩基性リン酸塩、(例えば、NaHCO、KHCO、その混合物などの)炭酸水素塩、(例えば、NaOH、KOH、その混合物などの)水酸化物塩、(例えば、NaCO、KCO、その混合物などの)炭酸塩、(例えば、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアミノピリジン、その混合物などの)有機プロトンアクセプター、(例えば、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、N−(2−アセトアミド)−イミノ二酢酸(ADA)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(BICINE)、3−(シクロヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸(CAPS)、2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸(CHES)、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンプロパンスルホン酸(EPPS)、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−エタンスルホン酸(HEPES)、2−(4−モルホリニル)エタンスルホン酸(MES)、4−モルホリンプロパンスルホン酸(MOPS)、1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸(PIPES)、[(2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)アミノ]−1−プロパンスルホン酸(TAPS)、2−[(2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)アミノ]エタンスルホン酸(TES)、その塩及び/又は混合物などの)有機緩衝剤、及びその組合せが挙げられるが、それだけに限定されない。一実施形態においては、プロトンアクセプターは、NaHCO、KHCO、LiHCO、KHCO、LiHCO、KCO、NaOH、KOH、NaHPO/NaPO、KHPO/KPO及びその混合物からなる群より選択される。好ましい一実施形態においては、プロトンアクセプターはNaHCO、KHCO又はその組合せである。
プロセスの工程Aに使用される反応物の量は、本発明の範囲から逸脱することなく変動し得るものであり、変動する。一般に、化合物1 対 XCO 対 プロトンアクセプターのモル比は約1:2:1から約1:20:20である。より典型的には、化合物1 対 XCO 対 プロトンアクセプターのモル比は約1:6:3から約1:12:5である。
プロセスの工程Aは、典型的には、非プロトン溶媒の存在下でも実施される。プロトンアクセプター及びXCO試薬は、好ましくは、非プロトン溶媒中の化合物1及び/又は化合物2の溶解性を増加させるように選択される。非プロトン溶媒の非限定的例としては、エーテル溶媒、アセトニトリル、ベンゼン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルプロピオンアミド、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、1,2−ジメトキシエタン(DME)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N−メチルピロリジノン(NMP)、酢酸エチル、ギ酸エチル、エチルメチルケトン、イソブチルメチルケトン、ホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、酢酸メチル、N−メチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、塩化メチレン、ニトロベンゼン、ニトロメタン、プロピオニトリル、スルホラン、テトラメチル尿素、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、トリクロロメタンが挙げられる。好ましい非プロトン溶媒は、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トルエン、クロロベンゼン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、THF、アセトニトリル及びその混合物を含み得る。例示的一実施形態においては、非プロトン溶媒はクロロホルムである。典型的には、非プロトン溶媒と化合物1の量は約2:1(g/g)である。
反応混合物を形成するために、典型的には、XCO及びプロトンアクセプターの添加前に化合物1を溶媒(単数又は複数)と混合する。しかしながら、代わりに、溶媒(単数又は複数)、XCO及びプロトンアクセプターを混合し、その後、化合物1を含む反応器に添加することができる。
プロセスの工程Aの反応混合物温度は、典型的には、約50℃から約80℃の範囲内である。より典型的には、反応は約55℃から約65℃の温度で実施される。反応は、周囲圧力下でも、不活性雰囲気(例えば、窒素又はアルゴン)中でも実施することができる。
典型的には、反応は、クロマトグラフィー(例えば、HPLC)で測定して反応が完結するまで十分な時間進められる。本明細書において「完結した反応」は、一般に、反応混合物が、反応の最初に存在した各々の量と比較してかなり少量の反応物及びかなり多量の生成物を含むことを意味する。一般に、反応は、約1時間から約48時間、より典型的には約9時間から約15時間進行する。
反応が完結した後、反応混合物を典型的にはプロトン溶媒でクエンチする。例示的なプロトン溶媒は水である。反応混合物は、この時点で、一般に2層、すなわち有機層と水層に分離する。
(b)副生物及び残留出発材料の除去
当業者には認識されるように、1種類以上の望ましくない副生物が典型的には工程Aで生成する。本明細書において「望ましくない副生物」という用語は、式2ではない化合物を含む。副生物は、基質(すなわち、化合物1)及び他の反応物の化学組成に応じて変動し得るものであり、変動する。例として、化合物1がオキシモルホンを含むときには、主要な副生物としては、3−O−エトシカルボニルキソイモルホン(ethocycarbonylxoymorphone)及び3−O−、14−O−ジエトキシカルボニルオキシモルホン並びにその混合物を挙げることができる。あるいは、化合物1がオキシコドンを含むときには、主要な副生物としては、14−O−エトキシカルボニルオキシコドンを挙げることができる。あるいは、化合物1がヒドロモルホンを含むときには、主要な副生物としては、3−O−エトキシカルボニルヒドロモルホンを挙げることができる。
最終生成物収率、及び化合物2、最終的には化合物3の純度を増加させるためには、副生物は、一般に、反応混合物から実質的に除去される。例示的一実施形態においては、副生物を反応混合物から洗浄工程によって除去することができる。洗浄工程は、一般には、反応混合物の((Ia)において上述した)有機層を7未満のpHを有する酸性プロトン溶媒と接触させることを含む。例示的一実施形態においては、酸性プロトン溶媒は、約0.1から約2.0のpHを有する酸性水である。有機層を酸性プロトン溶媒で洗浄した後、相当量の副生物を含む水層を物理的に除去し、廃棄してもよい。洗浄工程は、約2から約10回、より好ましくは約3から約6回繰り返すことができる。
典型的には、洗浄工程(単数又は複数)後に有機層中に残留する副生物は、有機層の約0.01%から約2%面積/面積を構成し、例示的一実施形態においては、有機層中に残留する副生物は、有機層の約0.5%面積/面積未満を構成し得る。一般に、洗浄工程(単数又は複数)後に有機層中に残留する化合物2の量は、有機層の約80%から約99%面積/面積を構成する。例示的実施形態においては、洗浄工程(単数又は複数)後に有機層中に残留する化合物2の量は、有機層の少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%面積/面積であり、又は99%面積/面積を超える。
(c)溶媒置換
反応混合物は、一溶媒を別の溶媒に置き換える溶媒置換プロセスに供することができる。本明細書においては、第2の溶媒を反応混合物に添加することができ、反応混合物中に存在する溶媒を溶媒置換法(例えば、蒸留、直接置換又は塩析)によって除去することができる。この溶媒置換プロセスを使用することによって、反応スキーム1に示した合成経路全体を通してノルモルフィナン中間体(すなわち、化合物2)を固体として単離する必要がない。(Ia)に詳述したプロセスの最後に反応混合物に対して溶媒置換を実施することができるが、例示的一実施形態においては、溶媒置換前に、(Ib)に詳述した洗浄手順に反応混合物を供する。
一般に、溶媒置換を反応混合物に適用して、(Ia)において利用した(この段落では「第1の溶媒」と称する)非プロトン溶媒を減少させ、又は第2の溶媒で置換することができる。例示的一実施形態においては、溶媒置換法は蒸留であり、好ましくは減圧蒸留である。第2の溶媒は、典型的には、第1の溶媒よりも高い沸点を有する。第2の溶媒は第1の溶媒よりも高い沸点を有するので、第1の溶媒を蒸留によって置換することができる。適切な第2の溶媒としては、3から8個の炭素原子を有するアルコール、及び2から8個の炭素原子を有するプロトン供与体が挙げられる。例示的な溶媒対は、例えば、第1の溶媒としてクロロホルム及び第2の溶媒としてプロピオン酸を含むことができる。例示的一実施形態においては、減圧蒸留を約85℃の温度で実施する。蒸留プロセスは、好ましくは蒸留乾固を必要とせず、したがって、一般に固体は形成されない。
(II)工程B:化合物3を形成する化合物2の加水分解
プロセスの工程Bにおいては、化合物2を加水分解に供して、化合物3を形成する。化合物3はノルモルフィナン塩である。例示的一実施形態においては、ノルモルフィナン塩は、ノルオキシモルホン塩、ノルオキシコドン塩、ノルヒドロコドン塩及びノルヒドロモルホン塩からなる群より選択される。
工程Bの例示的一実施形態においては、加水分解試薬は、加水分解反応の初期段階において反応物のすべてを実質的に溶解させるように選択される。この状況においては、好ましくは、反応物の少なくとも約90%が加水分解反応開始後3時間以内に溶解する。加水分解反応物のほぼすべてが加水分解反応の初期に溶解するので、反応速度が最大になり、生成物(すなわち、化合物3)と出発試薬の相互汚染がかなり減少する。
工程Bの加水分解反応は、溶媒系の存在下で化合物2をプロトン供与体と接触させることを含む。プロトン供与体は、典型的には、0未満のpKaを有する。この特性を有する適切なプロトンとしては、MeSOH、ポリHPO、HPO、HSO、HCl、HBr、HClO、HI、HNO、CFSOH、p−メチルトルエンスルホン酸、HClO、HBrO、HIO及びHIOが挙げられるが、それだけに限定されない。
化合物2 対 プロトン供与体のモル比は、約1:1.5から約1:10であり得る。より典型的には、化合物2 対 プロトン供与体のモル比は、約1:3から約1:5であり得る。
反応スキーム1に示したプロセスは連続して実施されるので(すなわち、加水分解反応は典型的には(Ic)の溶媒置換プロセス後に実施される。)、加水分解反応に利用される溶媒系は、典型的には、蒸留後に残留する溶媒(単数又は複数)を含む。この状況においては、溶媒系は、典型的には、蒸留後に残留するある量のプロトン溶媒を含む。例示的一実施形態においては、プロトン溶媒は、プロピオン酸を含む。それとは別に、又はそれに加えて、溶媒系は、アルコールなどの別のプロトン溶媒又は別の水混和性溶媒を含むことができる。したがって、例えば、プロトン溶媒相は、水、水/アルコール混合物、又は水/水混和性溶媒混合物とすることができる。水/アルコール混合物の代表的アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール及びその組合せが挙げられる。水/水混和性溶媒混合物の他の水混和性溶媒としては、例えば、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトン、テトラヒドロフラン、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸及びその組合せが挙げられる。例示的一実施形態においては、溶媒系はプロピオン酸及び水を含み、プロトン供与体はMeSOHを含む。
場合によっては、化合物3の純度を向上させるために、酸化防止化合物を加水分解反応に添加することもできる。適切な酸化防止剤としては、アスコルビン酸及びその塩、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、アノクソマー、n−アセチルシステイン、イソチオシアン酸ベンジル、m−アミノ安息香酸、o−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸(paba)、ブチルヒドロキシアニソール(bha)、ブチルヒドロキシトルエン(bht)、コーヒー酸、カンタキサンチン、アルファ−カロテン、ベータ−カロテン、ベータ−カラオテン(caraotene)、ベータ−アポ−カロテン酸、カルノソール、カルバクロール、カテキン、没食子酸セチル、クロロゲン酸、クエン酸及びその塩、チョウジ抽出物、コーヒー豆抽出物、p−クマル酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、n,n’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(dppd)、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、没食子酸ドデシル、エデト酸、エラグ酸、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、エスクレチン、エスクリン、6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン、没食子酸エチル、エチルマルトール、エチレンジアミン四酢酸(edta)、ユーカリ抽出物、オイゲノール、フェルラ酸、フラボノイド(例えば、カテキン、エピカテキン、没食子酸エピカテキン、エピガロカテキン(egc)、没食子酸エピガロカテキン(egcg)、ポリフェノールエピガロカテキン−3−ガラート)、フラボン(例えば、アピゲニン、クリシン、ルテオリン)、フラボノール(例えば、ダチセチン、ミリセチン、ダエムフェロ(daemfero)、フラバノン、フラキセチン、フマル酸、没食子酸、ゲンチアナ抽出物、グルコン酸、グリシン、グアヤク脂、ヘスペレチン、アルファ−ヒドロキシベンジルホスフィン酸、ヒドロキシケイ皮酸(cinammic acid)、ヒドロキシグルタル酸、ヒドロキノン、n−ヒドロキシコハク酸、ヒドロキシトリロソール(tryrosol)、ヒドロキシ尿素、米糠抽出物、乳酸及びその塩、レシチン、レシチンシトラート;r−アルファ−リポ酸、ルテイン、リコペン、リンゴ酸、マルトール、5−メトキシトリプタミン、没食子酸メチル、クエン酸モノグリセリドシトラート;クエン酸モノイソプロピル;モリン、ベータ−ナフトフラボン、ノルジヒドログアヤレチック酸(ndga)、没食子酸オクチル、シュウ酸、パルミチルシトラート、フェノチアジン、ホスファチジルコリン、リン酸、ホスファート、フィチン酸、フィチルビクロメル(phytylubichromel)、ピメント抽出物、没食子酸プロピル、ポリホスファート、クェルセチン、トランス−レスベラトロール、ローズマリー抽出物、ロスマリン酸、セージ抽出物、セサモール、シリマリン、シナピン酸、コハク酸、クエン酸ステアリル、シリンギン酸、酒石酸、チモール、トコフェロール(すなわち、アルファ−、ベータ−、ガンマ−及びデルタ−トコフェロール)、トコトリエノール(すなわち、アルファ−、ベータ−、ガンマ−及びデルタ−トコトリエノール)、チロソール、バニリン酸、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール(すなわち、ionox100)、2,4−(トリス−3’,5’−ビ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−メシチレン(すなわち、ionox330)、2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン、ユビキノン、第三級ブチルヒドロキノン(tbhq)、チオジプロピオン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、トリプタミン、チラミン、尿酸、ビタミンk及び誘導体、ビタミンq10、コムギ胚種油、ゼアキサンチン又はその組合せが挙げられるが、それだけに限定されない。酸化防止剤の量は、反応混合物の約0.002から約0.02重量とすることができる。
反応は、約75℃から約150℃の温度で実施することができる。より好ましくは、反応は約90℃から約115℃の温度で実施することができる。別の一実施形態においては、反応は約95℃から約110℃の温度で実施することができる。反応は、好ましくは周囲圧力下で実施され、好ましくは不活性雰囲気(例えば、窒素又はアルゴン)中で実施される。
加水分解後、化合物3は、一般に、ろ過及び/又は遠心分離などの当分野で公知の方法によって反応混合物から単離することができる結晶性化合物として形成される。化合物3の純度は、典型的には、クロマトグラフィー(例えば、HPLC)で測定して少なくとも90%である。例示的実施形態においては、化合物3の純度は、クロマトグラフィーで測定して、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%であり、又は99.5%を超える。化合物1から調製される化合物3の全収率は、約65%から約85%(mol/mol)の範囲であり得る。
本明細書に記載のプロセスを使用して、偏光の回転に関して(−)又は(+)立体化学配置を有する化合物、すなわち、化合物2又は3を製造することができる。より具体的には、各キラル中心は、R又はS配置を有し得る。考察を容易にするために、本明細書で参照する核モルフィナン構造の環原子を以下:
Figure 2014077007
のように付番する。
核モルフィナン構造において説明したように、本発明のプロセスに利用される化合物(すなわち、化合物1、2又は3)のいずれかを構成する4個の不斉炭素、すなわち炭素5、13、14及び9が存在する。したがって、化合物1、2又は3の配置は、C5、C13、C14及びC9に関して、RRRS、SRRS、SRSS、RSRR、RSSR、SSRR又はSSSRであり得る。
(III)化合物3から調製される化合物
化合物3に対応する化合物は、それ自体が最終生成物でもよく、又は1つ以上の工程において更に誘導体化して更なるモルフィナン中間体若しくは最終生成物を生成することができる中間体でもよい。非限定的例として、化合物3に対応する1種類以上の化合物を複数のプロセスに使用して、ナルブフィン、ナルメフェン、ナロキソン、ナルトレキソン、ナルトレキソンメトブロミド、3−O−メチルナルトレキソン、ナルトレキソール、ナロキソール並びにその塩、中間体及び類似体からなる群より選択される化合物を生成することができる。かかる商業的に価値のあるモルフィナンを調製する一般反応スキームは、とりわけ、その開示全体を参照により本明細書に援用するRice、米国特許第4,368,326号に開示されている。
さらに、一部の実施形態においては、化合物3のN−アルキル化を使用して、6−ケトンを6−α−OH、6−β−OH、6−α−NH又は6−β−NHに還元することができる化合物3のN−ヒドロカルビル誘導体を形成することができる。
定義
単独で又は別の基の一部として、本明細書では「アシル」という用語は、有機カルボン酸のCOOH基からヒドロキシ基を除去して形成される部分、例えばRC(O)−を意味する。式中、RはR、RO−、RN−又はRS−であり、Rはヒドロカルビル、ヘテロ置換ヒドロカルビル又はヘテロシクロであり、Rは水素、ヒドロカルビル又は置換ヒドロカルビルである。
単独で又は別の基の一部として、本明細書では「アシルオキシ」という用語は、酸素結合(O)を介して結合した上述のアシル基、例えば、RC(O)O−を意味する。式中、Rは、「アシル」という用語に関連して定義したとおりである。
本明細書では「アルキル」という用語は、好ましくは1から8個の炭素原子を主鎖中に含み最高20個の炭素原子を含む低級アルキルである、基を表す。それらは、直鎖でも分枝鎖でも環式でもよく、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ヘキシルなどが挙げられる。
本明細書では「アルカリール」又は「アルキルアリール」という用語は、好ましくはトルイル、エチルフェニル、又はメチルナフチルなどの低級アルキル置換基を有するアリール基である、基を表す。
本明細書では「アルケニル」という用語は、好ましくは2から8個の炭素原子を主鎖中に含み最高20個の炭素原子を含む低級アルケニルである、基を表す。それらは、直鎖でも分枝鎖でも環式でもよく、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ヘキセニルなどが挙げられる。
本明細書では「アルキニル」という用語は、好ましくは2から8個の炭素原子を主鎖中に含み最高20個の炭素原子を含む低級アルキニルである、基を表す。それらは、直鎖でも分枝鎖でもよく、エチニル、プロピニル、ブチニル、イソブチニル、ヘキシニルなどが挙げられる。
本明細書では「アラルキル」という用語は、ベンジル、フェニルエチル、又は2−ナフチルメチルなど、好ましくは1から8個の炭素原子を含みアリール置換基を有する低級アルキルである、基を表す。
単独で又は別の基の一部として、本明細書では「芳香族」という用語は、場合によっては置換されている単素又は複素環式芳香族基を意味する。これらの芳香族基は、好ましくは、6から14個の原子を環部分に含む単環式、二環式又は三環式基である。「芳香族」という用語は、以下に定義する「アリール」及び「ヘテロアリール」基を包含する。
単独で又は別の基の一部として、本明細書では「アリール」という用語は、フェニル、ビフェニル、ナフチル、置換フェニル、置換ビフェニル、又は置換ナフチルなど、場合によっては置換されている単素環式芳香族基、好ましくは6から12個の炭素を環部分に含む単環式又は二環式基を意味する。フェニル及び置換フェニルは、より好ましいアリールである。
本明細書では「充填する」という用語は、化合物又は試薬を容器に添加することを表す。
単独で又は別の基の一部として、本明細書では「ハロゲン」又は「ハロ」という用語は、塩素、臭素、フッ素及びヨウ素を指す。
「ヘテロ原子」という用語は、炭素及び水素以外の原子を意味するものとする。
単独で又は別の基の一部として、本明細書では「ヘテロシクロ」又は「複素環式」という用語は、少なくとも1個のヘテロ原子を少なくとも1個の環中に有し、好ましくは5又は6個の原子を各環中に有する、場合によっては置換されている完全飽和又は不飽和の単環式又は二環式芳香族又は非芳香族基を意味する。ヘテロシクロ基は、好ましくは、1若しくは2個の酸素原子及び/又は1から4個の窒素原子を環中に有し、分子の残部に炭素又はヘテロ原子を介して結合する。例示的なヘテロシクロ基としては、以下に示す複素環式芳香族が挙げられる。例示的な置換基としては、以下の基の1種類以上が挙げられる:ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヒドロキシ、保護されたヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、アルコキシ、アルケノキシ、アルキノキシ、アリールオキシ、ハロゲン、アミド、アミノ、シアノ、ケタール、アセタール、エステル及びエーテル。
単独で又は別の基の一部として、本明細書では「ヘテロアリール」という用語は、少なくとも1個のヘテロ原子を少なくとも1個の環中に有し、好ましくは5又は6個の原子を各環中に有する、場合によっては置換されている芳香族基を意味する。ヘテロアリール基は、好ましくは、1若しくは2個の酸素原子及び/又は1から4個の窒素原子を環中に有し、分子の残部に炭素を介して結合する。例示的なヘテロアリールとしては、フリル、ベンゾフリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンゾイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、テトラゾロピリダジニル、カルバゾリル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、イミダゾピリジルなどが挙げられる。例示的な置換基としては、以下の基の1種類以上が挙げられる:ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヒドロキシ、保護されたヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、アルコキシ、アルケノキシ、アルキノキシ、アリールオキシ、ハロゲン、アミド、アミノ、シアノ、ケタール、アセタール、エステル及びエーテル。
本明細書では「炭化水素」及び「ヒドロカルビル」という用語は、専ら元素炭素及び水素からなる有機化合物又は基を表す。これらの部分としては、アルキル、アルケニル、アルキニル及びアリール部分が挙げられる。これらの部分としては、アルカリール、アルケンアリール及びアルキンアリールなど、別の脂肪族又は環状炭化水素基で置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル及びアリール部分も挙げられる。別段の記載がない限り、これらの部分は、好ましくは、1から20個の炭素原子を含む。
本明細書に記載の「置換ヒドロカルビル」部分は、炭素鎖原子が窒素、酸素、ケイ素、リン(III)(phosphorous)、ホウ素、硫黄、又はハロゲン原子などのヘテロ原子で置換された部分を含めて、炭素以外の少なくとも1個の原子で置換されたヒドロカルビル部分である。これらの置換基としては、ハロゲン、ヘテロシクロ、アルコキシ、アルケノキシ、アリールオキシ、ヒドロキシ、保護されたヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、ニトロ、アミノ、アミド、ニトロ、シアノ、ケタール、アセタール、エステル及びエーテルが挙げられる。
本明細書では「ヒドロキシル保護基」という用語は、遊離ヒドロキシル基を保護することができ(「保護されたヒドロキシル」)、保護を使用する反応に続いて、分子の残部を乱さずに、除去することができる、基を意味する。
本発明又はその好ましい実施形態(単数又は複数)の要素を持ち出すときに、冠詞「a」、「an」、「the」及び「said」は、1個以上の要素が存在することを意味するものとする。「含む」、「含めて」及び「有する」という用語は、包括的であることを意図し、列挙した要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味するものとする。
本発明の範囲から逸脱することなく、上記化合物、生成物及び方法に種々の変更を行うことができるので、上記記述及び下記実施例に含まれるすべての事柄は、説明のためのものであって、限定的なものではないと解釈すべきであることが意図される。
以下の実施例は、本発明の種々の繰り返しを記述するものである。
以下の実施例は、粗製オキシモルホンからの純粋なノルオキシモルホン塩の合成を詳述するものである。反応スキームを以下に示す。
Figure 2014077007
実験室規模の合成の場合、反応容器(反応器)は、三口フラスコ(すなわち、充填されたオキシモルホンが0.10kg規模の1.0Lフラスコ)であった。各容器は、撹拌器、冷却凝縮器、窒素吸入口、及び出口、並びに添加漏斗を備えた。
(実施例1)
粗製オキシモルホンからのノルオキシモルホン塩の初期試作品調製
粗製オキシモルホン(純オキシモルホンの実重量は、粗製オキシモルホン重量にそのwt/wt%を掛けることによって求められた。)及びクロロホルム(CHCl)(充填されたオキシモルホン1kg当たり3.36kg)を反応器に添加した。撹拌機を作動させて反応混合物を撹拌し、反応器に窒素を流した。次いで、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)(充填されたオキシモルホン1kg当たり1.4kg)及びクロロギ酸エチル(EtOCOCl)(充填されたオキシモルホン1kg当たり3.74kg)を反応器に添加した。温度が64±2℃に達するまで反応器を約0.5℃/分の速度で加熱し、次いでこの温度を最低9時間維持した。反応の進行をHPLC分析によってモニターした。反応生成物は、dec−ノルオキシモルホン(3−O−,17−N−ジエトキシカルボニルノルオキシモルホン)及びtec−ノルオキシモルホン(3−O−,14−O−,17−N−トリエトキシカルボニルノルオキシモルホン)を含んだ。
反応完結後、混合物を30℃未満の温度に冷却した。副生物及び残留出発材料を反応物から除去するために(すなわち、オキシモルホンのEtOCO誘導体及びオキシモルホン)、クロロホルム含有反応生成物を酸性水で洗浄した。この段階では、水(充填されたオキシモルホン1kg当たり3.6L)を反応器に添加し、混合物を約30〜45分間撹拌した。混合物のpHを、必要に応じて、70%メタンスルホン酸(MeSOH)又は50%NaOHを添加することによって約0.8〜2.0の値に調節した。撹拌機を停止し、混合物を静置して2相にした。下相のクロロホルム相を新しい反応器に移し、上相の水相を廃棄した。撹拌機が作動した状態で、水(充填されたオキシモルホン1kg当たり2.0L)を新しい反応器中のクロロホルム相に添加し、混合物のpHが約0.8〜2.0になるまで70%MeSOH又は50%NaOHを添加した。撹拌機を停止し、混合物を2相にさせ、下相のクロロホルム相を別の反応器に移した。有機相を基本的に上述したように酸性水でもう一度洗浄し、別の反応器に移した。
撹拌機が作動した状態で、プロピオン酸(EtCOOH)(充填されたオキシモルホン1kg当たり0.75L)を、洗浄したクロロホルム相を含む反応器に添加した。蒸留装置を組み立て、反応器を減圧し、反応混合物の温度を約80〜85℃に上昇させて溶媒を蒸留除去した。残留物の総体積が約1.8L(すなわち、充填されたオキシモルホン1kg当たり約1.6〜2.0L)になった後、真空ラインを停止し、反応器に窒素を再充填した。
反応器中の残留混合物に、EtCOOH(充填されたオキシモルホン1kg当たり1.0L)、水(充填されたオキシモルホン1kg当たり0.7L)、6%亜硫酸(HSO、充填されたオキシモルホン1kg当たり2.0L)及び70%MeSOH(充填されたオキシモルホン1kg当たり2.0L)を添加した。混合物を約107±3℃に加熱して、揮発した溶媒の一部を蒸留除去し、反応混合物をこの温度で約9〜12時間維持した。加水分解反応をHPLCによってモニターした。蒸留除去された溶媒の全質量は、充填されたオキシモルホン1kg当たり約0.5〜1.0Lであり、加熱3〜4時間後に結晶が混合物中に出現した。
加水分解反応の完結後、反応混合物を35℃未満に冷却し、イソプロパノール(IPA)3.0Lを添加した。次いで、混合物を約5〜10℃に冷却し、その温度で1〜2時間保持した。反応器中の生成懸濁液をガラスフィルターに通してろ過した。さらに、反応器を96%MeSOH:H2O:IPA(体積比3:7:30)(充填されたオキシモルホン1kg当たり0.5L)の冷(5〜10℃)溶液でリンスし、リンス液をガラスフィルターに移した。反応器を上述したように96%MeSOH:H2O:IPA溶液で再度リンスし、このリンス液もガラスフィルターに移した。フィルター上の固体をIPA(充填されたオキシモルホン1kg当たり0.5L)でリンスし、次いで固体を通して空気を真空ラインに吸入することによって室温で20時間乾燥させた。ノルオキシモルホン・MeSOHの収率は70〜80%mol/mol(充填されたオキシモルホン1kg当たり約1.0kg)であった。完全に乾燥していない場合、固体を80℃で20時間更に減圧乾燥させた。
(実施例2)
ノルオキシモルホン塩の調製−試行2
オキシモルホン200gを含む粗製オキシモルホン及びCHCl 460gを反応器に添加した。撹拌機を作動させ、容器に窒素を流した。反応器にNaHCO 232gを添加し、次いで反応混合物を55℃未満の温度に維持しながら、EtOCOCl 748gを反応器に15分間徐々に添加した。EtOCOCl全量を反応器に添加した後、反応混合物を更に30分間撹拌した。次いで、反応混合物を約60〜65℃の温度に加熱し、その温度範囲で9時間維持し、次いで反応完結後に35℃未満の温度に冷却した。
撹拌機が作動した状態で水400mLが添加された第2の反応器に冷却混合物を移した。最初の反応器を水200mLで洗浄し、残留反応混合物を含むこの水も第2の反応器に添加し、混合物全体を反応器中で更に30〜45分間撹拌した。すべての固体が溶解した後、撹拌機を停止し、反応混合物を静置して2相にした。下相のクロロホルム相を最初の反応器に戻し、撹拌機を作動させ、第2の反応器中の上相の水相を廃棄した。撹拌しながら、水300mLを反応混合物に添加し、続いて反応混合物のpHが1未満に低下するまで70%MeSOHを反応混合物に添加した。追加の水100mLを反応器に添加し、混合物を更に15分間撹拌し、次いで撹拌機を停止し、混合物を静置して2相にした。下相のクロロホルム相を第2の反応器に戻し、撹拌機を作動させ、上相の水相を廃棄した。
第2の反応器中の混合物を撹拌しながら、水400mLを添加し、続いて十分な量の70%MeSOH(MeSOH約4g)を添加して混合物のpHを1未満の値に低下させた。次いで、撹拌機を停止し、混合物を静置して2相にした。下相のクロロホルム相を最初の反応器に戻し、上相の水相を廃棄した。
撹拌機が作動した状態で、プロピオン酸(EtCOOH)100mLを、洗浄したクロロホルム相を含む反応器に添加した。蒸留装置を組み立て、100mmHgの減圧とし、混合物の温度を約50℃に上昇させて溶媒を蒸留除去した。混合物が温度約50℃に達した後、真空度を150mm未満の値に保持し、混合物の温度を約85℃に上昇させた。これらの条件を1時間保持した後、減圧を反応器から解除した。
反応器にEtCOOH200mL、水300mL、6%HSO 6.6mL及び99.5%MeSOH150mLを添加した。混合物を107±1℃に加熱し、この温度で12時間維持して、揮発した溶媒約80〜100mLを蒸留除去した。次いで、反応混合物を温度約0〜5℃に冷却した。
反応混合物の温度が25℃未満に低下するとすぐにIPA600mLを添加した。反応混合物が温度約0〜5℃に達した後、この温度を約2時間保持した。生成した懸濁液をガラスフィルターに通してろ過し、温度約5〜10℃に前もって冷却されたMeSOH:HO:IPA溶液(体積比3:7:30)100mLで反応器を3回リンスして得られた懸濁液。ろ過した固体を温度約50〜60℃で18時間減圧乾燥すると、白色結晶が形成された。この実験の生成物収率は約75%であった。
(実施例3)
ノルオキシモルホン塩の調製−試行3
反応器にオキシモルホン30gを含む粗製オキシモルホン及びCHCl 69.1gを仕込んだ。撹拌機を作動させ、容器に窒素を流した。反応器にNaHCO 35gを添加し、次いで反応混合物を55℃未満の温度に維持しながら、EtOCOCl 112.6gを反応器に15分間徐々に添加した。クロロギ酸エチル全量を反応器に添加した後、反応混合物を更に30分間撹拌した。次いで、反応混合物を温度約60〜65℃に加熱し、その温度範囲で9時間維持した。反応完結後、混合物を35℃未満の温度に冷却した。
冷却混合物を水60mLが撹拌された第2の反応器に移した。最初の反応器を水60mLで洗浄し、残留反応混合物を含むこの水も第2の反応器に添加し、混合物全体を更に30〜45分間撹拌した。すべての固体が溶解した後、撹拌機を停止し、反応混合物を静置して2相にした。下相のクロロホルム相を最初の反応器に戻し、撹拌機を作動させ、第2の反応器からの上相の水相を廃棄した。撹拌しながら、水60mLを反応混合物に添加し、続いて反応混合物のpHが1未満に低下するまで70%MeSOHを反応混合物に添加した。次いで、撹拌機を停止し、混合物を静置して2相にした。下相のクロロホルム相を最初の反応器に戻し、撹拌機を作動させ、上相の水相を廃棄した。
反応器中の撹拌混合物に水60mLを添加し、続いて十分な量の70%MeSOHを添加して混合物のpHを1未満の値に低下させた。次いで、撹拌機を停止し、混合物を静置して2相にした。ジエトキシカルボニ(carbony)−ノルオキシモルホン及びトリエトキシカルボニ−ノルオキシモルホンを含む下相のクロロホルム相を別の反応器に移し、上相の水相を廃棄した。
反応器中のクロロホルム相にIPA30mL、水15mL、次いでMeSOH30gを添加し、次いで、生成した混合物を温度約90℃に加熱して、CHClを蒸留除去した。混合物を続いて温度約95〜100℃に加熱し、この温度で1時間以上保持した。混合物に水9mLを添加し、続いて温度約95〜105℃に6時間加熱して更に溶媒を蒸留除去した。更に水9mLを混合物に添加し、続いて95〜105℃で更に6時間更なる溶媒を蒸留除去した。混合物を75℃に冷却後、水15mL及びIPA5mLを添加し、次いで混合物を室温に1時間冷却した。生成した懸濁液をろ過し、ろ過した固体をMeSOH/HO1:2水溶液15mLで2回洗浄し、次いでアセトン15mLで4回洗浄した。生成した固体を温度55℃で減圧条件下で2日間乾燥させ、固体生成物30.6gを得た。
(実施例4)
ノルオキシモルホン塩の調製−試行3
実施例3に記載の手順によって調製されたジエトキシカルボニル−ノルオキシモルホン及びトリエトキシカルボニ−ノルオキシモルホンを含むクロロホルム相を反応器に移した。混合物にt−ブチルアルコール(t−BuOH)30mL、水15mL、次いでMeSOH21gを添加した。温度35℃未満で開始した溶液を温度約90℃に加熱して、クロロホルム(CHCl)を蒸留除去した。混合物を続いて温度約95〜100℃に加熱し、この温度で1時間以上保持した。混合物に水6mLを添加し、続いて温度約95〜105℃に6時間加熱した。更に水15mLを混合物に添加し、続いて95〜105℃で更に6時間。混合物を75℃に冷却後、水15mL及びIPA5mLを添加し、次いで混合物を室温に1時間冷却した。生成した懸濁液をろ過し、ろ過した固体をMeSOH/HO1:2水溶液15mLで2回洗浄し、次いでアセトン15mLで4回洗浄した。生成した固体を温度55℃で減圧条件下で2日間乾燥させ、固体生成物30.6gを得た。
(実施例5)
ノルオキシモルホン塩の調製−試行4
ジエトキシカルボニル−ノルオキシモルホン及びトリエトキシカルボニ−ノルオキシモルホンを含むクロロホルム相を実施例3に記載の手順によって調製し、反応器に移し、ポンプ吸引して乾燥させ、粘着性固体を得た。粘着性固体にヘキサン酸10mL及び水50mLを添加し、続いて濃硫酸(c−HSO)20mLを徐々に添加した。次いで、反応混合物を温度105℃に加熱し、この温度で2時間維持した。次いで、混合物を10℃に2時間冷却し、生成した懸濁液をろ過した。ろ過した固体をMeSOH/HO1:2水溶液15mLで2回洗浄し、次いでアセトン15mLで4回洗浄した。生成した固体を温度55℃で減圧条件下で2日間乾燥させ、固体生成物24.3gを得た。
(実施例6)
ノルオキシモルホン塩の改善された調製−試行5−より高収率で
反応器にオキシモルホン31gを含む粗製オキシモルホン及びCHCl 46gを充填した。撹拌機を作動させ、容器に窒素を流した。反応器にNaHCO 46gを添加し、次いで反応混合物を55℃未満の温度に維持しながら、クロロギ酸エチル75gを反応器に15分間徐々に添加した。クロロギ酸エチル全量を反応器に添加した後、反応混合物を更に30分間撹拌した。次いで、反応混合物を温度約60〜65℃に加熱し、その温度範囲で9時間維持した。反応完結後、混合物を35℃未満の温度に冷却した。
冷却混合物を水40mLが撹拌された第2の反応器に移した。最初の反応器を水40mLで洗浄し、残留反応混合物を含むこの水も第2の反応器に添加し、混合物全体を更に30〜45分間撹拌した。混合物中のすべての固体が溶解した後、撹拌機を停止し、反応混合物を静置して2相にした。下相のクロロホルム相を最初の反応器に戻し、撹拌機を作動させ、第2の反応器中の上相の水相を廃棄した。撹拌しながら、水40mLを反応混合物に添加し、続いて反応混合物のpHを1未満の値に低下させるのに十分な70%MeSOHを反応混合物に添加した。撹拌機を再度停止し、混合物を静置して2相にした。下相のクロロホルム相を第2の反応器に戻し、撹拌機を作動させ、上相の水相を廃棄した。水40mL及びMeSOHを添加して混合物のpHを1未満の値に低下させる工程と、それに続く下相のクロロホルム相の除去を繰り返した。クロロホルム相を最初の反応器に戻し、撹拌機を再作動させた。
撹拌機が作動した状態で、プロピオン酸(EtCOOH)10mLを、洗浄したクロロホルム相を含む反応器に添加した。蒸留装置を組み立て、100mmHgの減圧とし、反応混合物の温度を約50℃に上昇させた。50℃に到達後、15分間150mmHg未満の減圧にし、その間に混合物温度を85℃に上昇させた。混合物が温度85℃に達した後、混合物を120mmHgの減圧下でこの温度に維持した。
減圧を含めて蒸留装置を除去し、EtCOOH20mL、水30mL、HSO 6.8g及び99.5%MeSOH15mLを混合物に添加した。混合物を107±1℃に加熱し、この温度で12時間保持して、溶媒を蒸留除去した。次いで、混合物を温度0〜5℃に冷却した。混合物が25℃未満の温度に達した後、IPA60mLを添加し、混合物を温度0〜5℃で更に2時間維持した。
次いで、生成した懸濁液をガラスフィルターに通してろ過し、温度5〜10℃に前もって冷却された体積比3:7:30のMeSOH/HO/IPA10mLで反応器を3回リンスして得られた懸濁液もガラスフィルターに通してろ過した。ろ過した固体を減圧条件下で温度50〜60℃で20時間乾燥させて、白色結晶を得た。ノルオキシモルホン・MeSOHの収率は82%であった。

Claims (1)

  1. 明細書中に記載の発明。
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