JP2014076818A - カーボンラベリングされた表層を備える樹脂製多層容器及び樹脂積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)低密度ポリエチレン99.5〜60質量%と(B)密度885〜910kg/m3であるプロピレン・α−オレフィン共重合体0.5〜40質量%を含有する樹脂成分に対し、(C)不飽和cis構造炭素二重結合を有する脂肪酸アミド100〜4000ppmを含有し、モダン炭素比率(ASTM D6866-12)が0〜8pMCである樹脂組成物の層を表層に備える、カーボンラベリングされた表層を備える樹脂製多層容器並びに樹脂積層体;(C)は、好ましくは(C1)H2N-CO-(-CH2-)n-CH=CH-(-CH2-)n-CH3;(C2)H2N-CO-(-CH2-)m-2-CH=CH-(-CH2-)m-CH3;または(C3)H2N-CO-(-CH2-)k+4-CH=CH-(-CH2-)k-CH3(n、m、k:6〜10)。
【選択図】なし
Description
これら各種容器は、容積比で家庭ゴミの過半を占めることや、循環型社会構築の世論の高まりにより、リサイクルや分別処理が進んでいる。容器包装リサイクル法や資源有効利用促進法の制定も相まって、アルミニウム容器やPETボトル等のリサイクル率は向上し、資源の再利用率も向上しているが、最終的に燃焼処理されることも少なくない。
有機物であるポリオレフィン等の合成樹脂や、該合成樹脂材料製の容器やキャップ等の成形品を燃焼させると、二酸化炭素が発生する。二酸化炭素は、地球環境を温暖化するガス、すなわち温室効果ガス(「グリーンハウスガス」ともいう。)の一つであり、人による産業活動とともに増え続け、特に産業革命以後、急増し続けている。人の生存が持続可能な地球環境を維持するために、二酸化炭素については、地球の海や大気に循環する二酸化炭素の総量を現在以上に増やさない理念が共有されている。
近年、環境保全や環境負荷の低減に寄与することを目的として、環境ラベリング制度が普及し始め、例えば、国際基準であるISO14000として、環境マネジメントの運用が行われるようになっている。温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)についても、様々な製品やサービスの製造及び使用段階で、原材料調達から廃棄及びリサイクルに至るライフサイクル全体を通して、CO2排出量の「見える化」の試みが進んでおり、カーボンラベリングや、カーボンフットプリント表示と称されている。カーボンラベリングまたはカーボンフットプリント表示が普及すれば、事業者は、製品ライフサイクルにおける環境負荷を低減するための製品設計や製造工程管理改善の指標として利用することが期待され、また、消費者は、商品選択材料の一つとして利用することができ、これにより製造事業者や供給事業者における環境負荷低減の努力を促す手段の一つとなることが期待されている。さらに、カーボンラベリングは、カーボンオフセットに使用するクレジットの確保や信頼性・透明性の保証として有効であり、特に、今後、環境会計の普及が予測される中で、重要性を増している。
(C1)H2N−CO−(−CH2−)n−CH=CH−(−CH2−)n−CH3(ただし、nは、6≦n≦10の範囲の整数);
(C2)H2N−CO−(−CH2−)m−2−CH=CH−(−CH2−)m−CH3(ただし、mは、6≦m≦10の範囲の整数);及び
(C3)H2N−CO−(−CH2−)k+4−CH=CH−(−CH2−)k−CH3(ただし、kは、6≦k≦10の範囲の整数);
からなる群より選ばれる式で表される少なくとも1種の脂肪酸アミドを含有する前記のカーボンラベリングされた表層を備える樹脂製多層容器。
(C11)H2N−CO−(−CH2−)j−CH=CH−(−CH2−)j−CH3(ただし、jは、6≦j≦10の範囲の整数であり、j≠n);
の式で表される脂肪酸アミドとの混合物である前記のカーボンラベリングされた表層を備える樹脂製多層容器。
本発明の樹脂製多層容器は、(A)低密度ポリエチレン(以下、単に「(A)」ということがある。)99.5〜60質量%及び(B)密度885〜910kg/m3であるプロピレン・α−オレフィン共重合体(以下、単に「(B)」ということがある。)0.5〜40質量%を含有する樹脂成分に対して、(C)不飽和cis構造炭素二重結合を有する脂肪酸アミド(以下、単に「(C)」ということがある。)100〜4000ppmを含有する樹脂組成物からなる層を表層として備える樹脂製多層容器であって、前記の樹脂組成物は、ASTM D6866−12に規定されるモダン炭素比率が0〜8pMCである、カーボンラベリングされた表層を備える樹脂製多層容器である点に特徴を有する。
本発明の樹脂製多層容器が備える表層に含有される(A)低密度ポリエチレンは、LDPEと通称される低密度ポリエチレンを意味し、一般に、密度が910〜930kg/m3のポリエチレンであり、好ましくは912〜928kg/m3である。
本発明の樹脂製多層容器は、前記の(A)、(B)及び(C)を含有する樹脂組成物からなる層を表層として備える樹脂製多層容器であって、前記の樹脂組成物は、モダン炭素比率が0〜8pMCである、カーボンラベリングされた表層を備える樹脂製多層容器である。
本発明の樹脂製多層容器が備える表層に含有される(B)密度885〜910kg/m3であるプロピレン・α−オレフィン共重合体(以下、「(B)のプロピレン共重合体」ということがある。)とは、密度885〜910kg/m3である、プロピレンと炭素数2〜8のプロピレン以外のα−オレフィンとのブロック共重合体またはランダム共重合体を意味し、好ましくはランダム共重合体である。(B)のプロピレン共重合体は、炭素数2〜8のプロピレン以外のα−オレフィンの含量が、通常3モル%以下、好ましくは0.1〜3モル%、より好ましくは0.2〜2.8モル%、更に好ましくは0.3〜2.7モル%、特に好ましくは0.4〜2.6モル%である、プロピレン系共重合体である。α−オレフィンの含量が上記範囲内にあることにより、実用上良好な剛性を保つことができる。α−オレフィンの含量が3モル%を超える共重合体は、機械的特性が低下することがある。炭素数2〜8のプロピレン以外のα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等が挙げられ、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。好ましい炭素数2〜8のプロピレン以外のα−オレフィンは、エチレンである。したがって、最も好ましい密度885〜910kg/m3であるプロピレン・α−オレフィン共重合体は、エチレンを3モル%以下共重合したプロピレン・エチレンランダム共重合体であり、透明で、靭性に優れたポリマーとしてそれ自体公知のプロピレン系重合体である。
本発明の樹脂製多層容器は、前記の(A)、(B)及び(C)を含有する樹脂組成物からなる層を表層として備える樹脂製多層容器であって、前記の樹脂組成物は、モダン炭素比率が0〜8pMCである、カーボンラベリングされた表層を備える樹脂製多層容器である。
本発明の樹脂製多層容器が備える表層に含有される樹脂組成物において、(A)低密度ポリエチレン及び(B)のプロピレン共重合体を含有する樹脂成分は、上記の(A)及び(B)のほかに、所望により、更にその他の樹脂を含有することができる。その他の樹脂としては、チーグラー・ナッタ触媒を用いて得られたプロピレンホモ重合体またはプロピレンランダム共重合体、メタロセン触媒を用いて得られたエチレン系ポリオレフィン、メタロセン触媒を用いて得られたプロピレンホモ重合体、プロピレンランダム共重合体またはブロック共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、無水マレイン酸変性ポリオレフィンなどの樹脂成分が挙げられる。これらの、その他の樹脂の含有量は、上記の(A)及び(B)を含有する樹脂成分の合計質量を100質量%としたときに、通常20質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。なお、その他の樹脂としては、通常、入手が容易で供給が安定している化石燃料由来の樹脂を使用すればよい。
本発明の樹脂製多層容器は、(A)低密度ポリエチレン99.5〜60質量%及び(B)のプロピレン共重合体0.5〜40質量%を含有する樹脂成分に対して、(C)不飽和cis構造炭素二重結合を有する脂肪酸アミド100〜4000ppmを含有する樹脂組成物からなる層を表層として備える樹脂製多層容器である。(C)不飽和cis構造炭素二重結合を有する脂肪酸アミド(以下、「(C)の不飽和脂肪酸アミド」ということがあり、先に述べたとおり、単に「(C)」ということもある。)は、滑り性及び耐突刺し性の改善剤として機能するものである。(C)の不飽和脂肪酸アミドとは、脂肪酸アミドの分子構造中に少なくとも1結合の不飽和cis構造の炭素二重結合を有する不飽和脂肪酸アミドである。該脂肪酸アミドの分子構造中に複数の炭素二重結合を有する不飽和脂肪酸アミドである場合は、該炭素二重結合のすべてが、不飽和cis構造の炭素二重結合である不飽和脂肪族アミドである。不飽和脂肪酸アミドが、trans構造の炭素二重結合を有するものであると、樹脂材料の均一配合が不十分となったり、該trans構造の炭素二重結合を有する不飽和脂肪酸アミドが、樹脂製多層容器の表面に析出したりすることがあり、滑り性が悪化するとともに、突刺強度が低下する場合がある。
(C1)H2N−CO−(−CH2−)n−CH=CH−(−CH2−)n−CH3(ただし、nは、6≦n≦10の範囲の整数);
(C2)H2N−CO−(−CH2−)m−2−CH=CH−(−CH2−)m−CH3(ただし、mは、6≦m≦10の範囲の整数);及び
(C3)H2N−CO−(−CH2−)k+4−CH=CH−(−CH2−)k−CH3(ただし、kは、6≦k≦10の範囲の整数);
からなる群より選ばれる式で表される少なくとも1種の脂肪酸アミド化合物が挙げられる。(以下、(C1)の式で表される脂肪酸アミドを、「式(C1)の脂肪酸アミド」ということがあり、更に単に「式(C1)」ということがある。(C2)または(C3)の式で表される脂肪酸アミドについても同様である。)
cis−8,9−hexadecenoamide〔H2N−CO−(−CH2−)6−CH=CH−(−CH2−)6−CH3〕(n=6に相当)
cis−9,10−octadecenoamide〔H2N−CO−(−CH2−)7−CH=CH−(−CH2−)7−CH3〕(n=7に相当)
cis−10, 11−eicosenoamide〔H2N−CO−(−CH2−)8−CH=CH−(−CH2−)8−CH3〕(n=8に相当)
cis−11, 12− ethaeicosenoamide〔H2N−CO−(−CH2−)9−CH=CH−(−CH2−)9−CH3〕(n=9に相当)
cis−12, 13− tetraeicosenoamide〔H2N−CO−(−CH2−)10−CH=CH−(−CH2−)10−CH3〕(n=10に相当)
cis−6,7−tetradecenoamide〔H2N−CO−(−CH2−)4−CH=CH−(−CH2−)6−CH3〕(m=6に相当)
cis−7,8−hexadecenoamide〔H2N−CO−(−CH2−)5−CH=CH−(−CH2−)7−CH3〕(m=7に相当)
cis−8,9−octadecenoamide〔H2N−CO−(−CH2−)6−CH=CH−(−CH2−)8−CH3〕(m=8に相当)
cis−9,10−eicosenoamide〔H2N−CO−(−CH2−)7−CH=CH−(−CH2−)9−CH3〕(m=9に相当)
cis−10, 11− ethaeicosenoamide〔H2N−CO−(−CH2−)8−CH=CH−(−CH2−)10−CH3〕(m=10に相当)
cis−12,13− eicosenoamide〔H2N−CO−(−CH2−)10−CH=CH−(−CH2−)6−CH3〕(k=6に相当)
cis−13,14−docosenoamide〔H2N−CO−(−CH2−)11−CH=CH−(−CH2−)7−CH3〕(k=7に相当)
cis−14,15− tetracosenoamide〔H2N−CO−(−CH2−)12−CH=CH−(−CH2−)8−CH3〕(k=8に相当)
cis−15,16−hexacosenoamide〔H2N−CO−(−CH2−)13−CH=CH−(−CH2−)9−CH3〕(k=9に相当)
cis−16,17− octacosenoamide〔H2N−CO−(−CH2−)14−CH=CH−(−CH2−)10−CH3〕(k=10に相当)
cis−5,6−8,9−11,12−14,15−arachidonic acid amide〔H2N−CO−(−CH2−)3−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(−CH2−)4−CH3〕
本発明における樹脂組成物に含有される(C)の不飽和脂肪酸アミドは、市販品を使用してもよいし、市販品が混合物であったり、不純物を含有する場合は、所望の不飽和脂肪酸アミドを、抽出等により分離して得てもよい。しかし、例えば、前記の式(C2)の脂肪酸アミド、すなわち、(C2)H2N−CO−(−CH2−)m−2−CH=CH−(−CH2−)m−CH3(ただし、mは、6≦m≦10の範囲の整数)は、以下の方法により製造することができる。
(式a)CH3O−CO−(−CH2−)m−1−OH
で表される化合物を出発原料とする。((式a)では、水酸基末端を有する化合物を例示している。)
(式b)[CH3O−CO−(−CH2−)m−1−PPh3]++Br−
で表されるイオン性中間体を得る。
(式c)CH3O−CO−(−CH2−)m−2−CH=CH−(−CH2−)m−CH3
で表されるα,ω構造化合物とする。
(式d)H2N−CO−(−CH2−)m−2−CH=CH−(−CH2−)m−CH3
で表される不飽和cis構造炭素二重結合を有する脂肪酸アミドを合成する。
本発明の樹脂製多層容器が備える表層に含有される樹脂組成物においては、必要に応じて、その他の配合剤として、更に無機フィラー、熱安定剤、光安定剤、撥水剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、離型剤、カップリング剤、酸素吸収剤などの各種配合剤を含有することができる。これら各種の配合剤の含有量は、樹脂組成物中に、通常10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは2質量%以下であり、特に、CO2排出量の「見える化」に寄与するためには、その他の配合剤の含有量は、5000ppm以下、望ましくは2000ppm以下とすることが望まれることがある。
本発明の樹脂製多層容器は、(A)低密度ポリエチレン99.5〜60質量%及び(B)のプロピレン共重合体0.5〜40質量%を含有する樹脂成分に対して、(C)不飽和cis構造炭素二重結合を有する脂肪酸アミド100〜4000ppmを含有する樹脂組成物からなる層を表層として備える樹脂製多層容器であって、前記の(A)、(B)及び(C)を含有する樹脂組成物は、ASTM D6866−12に規定されるモダン炭素比率が0〜8pMCである、カーボンラベリングされた表層を備える樹脂製多層容器である。前記の樹脂組成物のモダン炭素比率は、好ましくは0〜6pMC、より好ましくは0〜4pMC、更に好ましくは0〜2pMCであり、特に好ましくはモダン炭素比率が実質的に0pMCである。
本発明の樹脂製多層容器は、前記のカーボンラベリングされた表層を備える樹脂組成物からなる層を表層に備える樹脂製多層容器である。したがって、本発明の樹脂製多層容器は、前記の樹脂組成物からなる層を、表層として備える2層、3層、4層、5層またはそれ以上の多層構成の樹脂製多層容器である。樹脂製多層容器は、表層のほか、更にバリア層または回収層の一方または両方を備えることが好ましく、更に加えて、これらの層の間の所望の箇所に接着層を備えることが好ましい。
先に説明したとおり、本発明の樹脂製多層容器において、「表層」とは、樹脂製多層容器の外表面及び/または内表面に露出している層をいう。すなわち、本発明の樹脂製多層容器は、外表面に露出している最外層及び/または内表面に露出している最内層として、前記のカーボンラベリングされた表層を備える樹脂組成物からなる層を備える樹脂製多層容器である。
本発明のカーボンラベリングされた表層を備える樹脂製多層容器は、内容物の保存性を高めるために、更にバリア層を備えることができる。該バリア層は、酸素バリア性、炭酸ガスバリア性等のガスバリア性や、水または水蒸気に対するバリア性を有するものを使用することができる。バリア層は、特に限定されず、容器の種類により、金属または無機酸化物を蒸着した樹脂フィルムの層、金属箔やバリア性樹脂の層などを使用することもできる。
本発明のカーボンラベリングされた表層を備える樹脂製多層容器は、層間剥離強度を高める目的で、各層間に接着層を介在させることができる。接着層としては、押出加工が可能で、かつ、各樹脂層に良好な接着性を示すものであることが好ましい。樹脂製多層容器が、例えば、後述するブロー成形によって容器に形成されるような場合には、耐熱性や成形加工性の観点から、接着層を介在させなくてもよい場合もあるが、機械的特性や耐衝撃性などが要望される用途には、接着層を介在させることが好ましい。
本発明のカーボンラベリングされた表層を備える樹脂製多層容器は、樹脂製多層容器の強度を高め、また、資源のリサイクル性を高めるために、回収層を備えるものとすることができる。
したがって、本発明のカーボンラベリングされた表層を備える樹脂製多層容器は、表層の外に、更にバリア層を備える樹脂製多層容器、及び/または更に回収層を備える樹脂製多層容器であることが好ましく、表層、バリア層、接着層及び回収層を備える樹脂製多層容器がより好ましく、最外層/バリア層/接着層/回収層/最内層の層構成、または、最外層/接着層/バリア層/接着層/回収層/最内層の層構成を有する樹脂製多層容器が更に好ましい。また、本発明のカーボンラベリングされた表層を備える樹脂製多層容器は、必要に応じて、他の層、例えば、樹脂フィルムから形成される強度補強層や印刷層等を備えてもよい。
〔滑り摩擦〕
本発明の樹脂製多層容器は、前記の(A)、(B)及び(C)を含有する樹脂組成物からなる層をカーボンラベリングされた表層として備えることにより、滑り性に優れた多層容器である。該表層が、最外層または最内層の一方または両方であることにより、樹脂製多層容器の外表面及び/または内表面の滑り性を優れたものとすることができる。樹脂製多層容器の滑り性は、JIS K7125に準じる方法で測定した表面滑り摩擦係数によって評価することができる。具体的には、多層容器に温度23℃の水を満充填した後、2層構成(アルミニウム/LDPE)のシール材を用いて、シール材のLDPE側を多層容器の口部に載せて、加熱溶着して、多層容器の口部を密封する。この多層容器の口部は、該口部の外周部に蓋を螺着するための螺条を備えている。多層容器を引っ張るためのワイヤを蓋に固着し、次いで、蓋を多層容器の口部に螺着する。該多層容器を、ステンレス鋼の平板上に水平に横置きし、引張圧縮試験機を使用して、多層容器の口部に取り付けたワイヤを速度86mm/分で約2cm水平に引っ張ったときの最大引張荷重値を求め、該荷重値を多層容器の総質量で割り算して、多層容器の表面滑り摩擦係数(以下、「滑り摩擦」ということがある。)とする。滑り摩擦が0.40以下であれば、滑り性が良好であるといえ、好ましくは0.39以下、より好ましくは0.38以下である。
本発明の樹脂製多層容器は、前記の(A)、(B)及び(C)を含有する樹脂組成物からなる層をカーボンラベリングされた表層として備える樹脂製多層容器であることにより、優れた耐突刺し性を有する多層容器である。樹脂製多層容器の耐突刺し性は、JIS T8051に準じる方法で、突刺強度を測定することによって評価することができる。具体的には、多層容器の底部から90〜130mm上方の範囲の胴部を輪切りし、その輪を切断したシートを試料とする。テンシロン万能試験機(圧縮試験機)を使用して、温度23℃の空調雰囲気において、先端直径1.0mm・先端形状半径0.5mmである半円形状の突刺し治具を、試料の表面に突刺し速度50mm/分で直角に突き刺して貫通させたときの最大突刺荷重(単位N)を測定して、試料厚み390μmに換算した値を多層容器の突刺強度とすることによって評価することができる。突刺強度が10N以上であれば、耐突刺し性に優れているといえ、好ましくは11N以上である。
本発明の樹脂製多層容器は、前記の(A)、(B)及び(C)を含有する樹脂組成物からなる層をカーボンラベリングされた表層として備えることにより、樹脂製多層容器表面のヘーズが小さく、多層容器としての外観に優れている。樹脂製多層容器のヘーズは、JIS K7361に準拠して、濁り度計(ヘーズメーター)を使用して、温度23℃で測定する(単位%)。多層容器表面のヘーズが40%以下であれば、外観に優れた多層容器であるといえ、ヘーズは好ましくは39%以下である。
本発明の樹脂積層体は、前記の樹脂製多層容器に適する樹脂積層体である。したがって、本発明の樹脂積層体は、(A)低密度ポリエチレン99.5〜60質量%及び(B)密度885〜910kg/m3であるプロピレン・α−オレフィン共重合体0.5〜40質量%を含有する樹脂成分に対して、(C)不飽和cis構造炭素二重結合を有する脂肪酸アミド100〜4000ppmを含有する樹脂組成物からなる層を表層として備える樹脂積層体であって、
前記の樹脂組成物は、モダン炭素比率が0〜8pMCである
カーボンラベリングされた表層を備える樹脂積層体である。本発明の樹脂積層体は、前記の樹脂組成物からなる層を、表層として備える2層、3層、4層、5層またはそれ以上の多層構成の樹脂積層体であり、該表層のほか、更にバリア層または回収層の一方または両方を備えることが好ましく、更に加えて、これらの層の間の所望の箇所に接着層を備えることが好ましい。該表層、バリア層、回収層、及び接着層の組成や特性、及び、これらの層構成は、既に述べたとおりである。
本発明のカーボンラベリングされた表層を備える樹脂製多層容器及び樹脂積層体の製造方法は特に限定されない。樹脂製多層容器は、ブロー成形(延伸ブロー成形を含む。)、射出成形、フィルムまたはシートの折り曲げ及び接着、シートの真空成形及び/または圧空成形など、公知の成形方法によって様々な形状の樹脂製多層容器を一体成形して製造することができる。例えば、あらかじめ製造した多層のシートまたはフィルムの三方または四方をシールして、樹脂製多層容器を製造することができる。また、あらかじめ製造した多層のシートまたはフィルムを、シート成形法(真空成形及び/または圧空成形)により、所要形状の一体に成形された樹脂製多層容器を製造することができる。
所定の多層構成を有する樹脂積層体である多層パリソンを共押出によって製造する方法としては、管状ダイを用いた共押出法、Tダイを用いた共押出法、インフレーション成形による共押出法などの方法が挙げられるが、いわゆるボトル形状の容器をブロー成形によって製造する場合は、管状ダイを用いた共押出法により樹脂積層体である筒状(パイプ状)の多層パリソンを製造することが好ましい。管状ダイを用いた共押出法で多層パリソンを製造する場合は、樹脂の種類に対応する数の押出機を使用し、各層に対応する樹脂をそれぞれ管状に展開しながら、ダイ通路内で溶融樹脂を積層体の順序となるように合流させる。表層である最内層と最外層が同種の樹脂からなる場合には、更に分岐チャンネルを経て、他の層を形成する樹脂原料等を挟み込むように分岐させ、その後、押出ダイ内で合流させ、管状形状のダイヘッドから所定の層構成に整列積層した状態で樹脂を押し出す。ダイヘッドの温度は通常120〜240℃であり、好ましくは130〜230℃、より好ましくは140〜220℃の範囲の温度を採用することができる。ダイオリフィスの形状としては、円形のほか偏平形状のものも使用可能である。管状ダイを用いた共押出法によれば、多層パリソンの肉厚の変更制御を比較的容易に行うことができる。
ブロー成形によって前記の多層パリソンを容器に成形するためには、前記の方法で共押出した筒状のパリソンを、割金型で挟んで、下端を必要に応じて融着して塞ぐとともに、上端を切断した後、開口した上端から加圧流体を吹き込んで容器形状に成形した後、不要となる容器口部の上部(頭部または袋部)を切除して、ブロー成形によって製造される樹脂製多層容器を得る。該ブロー成形によって一体成形した容器の底部には、筒状のパリソンを、割金型で挟んで下端を融着して塞いだ痕跡として、ピンチオフ部がパーティングラインの一部として形成される。なお、射出成形によってパリソンを成形する場合には、樹脂製多層容器の底部にゲート痕が形成される。
密度及びMFRは、JIS K6922−1、6921−2等に従って測定した。多分散度(Mw/Mn)は、JIS K7252に従って測定した。
樹脂の結晶融点は、JIS K7121に従って測定した。
樹脂製多層容器の表面滑り摩擦係数は、JIS K7125に準じる方法で測定した。具体的には、多層容器に温度23℃の水を満充填した後、2層構成(アルミニウム/LDPE)のシール材を用いて、シール材のLDPE側を多層容器の口部に載せて、加熱溶着して、多層容器の口部を密封した。この多層容器の口部は、該口部の外周部に蓋を螺着するための螺条を備えている。多層容器を引っ張るためのワイヤを蓋に固着し、次いで、蓋を多層容器の口部に螺着した後、該多層容器を、ステンレス鋼の平板上に水平に横置きした。株式会社今田製作所製引張圧縮試験機、製品名SV50を使用して、多層容器の口部に取り付けたワイヤを、速度86mm/分で約2cm水平に引っ張ったときの最大引張荷重値を求め、多層容器の総重量で割り算して、多層容器の表面滑り摩擦係数(滑り摩擦)とした(n=3の平均値)。
樹脂製多層容器の突刺強度は、表面滑り摩擦係数の測定に用いた多層容器について、JIS T8051に準じる方法で測定した。具体的には、多層容器の底部から90〜130mm上方の胴部を輪切りし、その輪に切断したシートを試料とした。オリエンテック株式会社製のテンシロン万能試験機RC−121OAを使用して、温度23℃の空調雰囲気において、先端直径1.0mm・先端形状半径0.5mmである半円形状の突刺し治具を、試料の表面に、速度50mm/分で直角に突き刺して貫通させたときの最大突刺荷重(単位N )を測定して、試料厚み390μmに換算した値を多層容器の突刺強度とした(n=3の平均値)。
樹脂製多層容器表面のヘーズは、JIS K7361に準拠して、濁り度計(NDH−5000,日本電色工業株式会社製)を使用して、温度23℃で測定した(n=3の平均値)。
複数の押出機と多層ダイを用いて、層構成が、最外層/接着層/バリア層/接着層/回収層/最内層の多層構成である筒状パリソンを押し出し、ロータリー式のダイレクトブロー成形機により、内容積が500cm3の多層構成の樹脂製多層容器(以下、「多層容器」という。)を成形した。押出成形及びブロー成形は、通常の成形条件を採用して行った。多層容器の質量(「目付量」ということもある。)は、17gであった。
(A)化石燃料由来の低密度ポリエチレン〔ブラスケム社製のブロー成形用チーグラー・ナッタ触媒重合銘柄名EG0921、密度921kg/m3、MFR(温度190℃、荷重21.18N)0.9g/10min、多分散度(Mw/Mn)2.4、結晶融点102℃、モダン炭素比率0pMC。以下、「化石燃料由来低密度ポリエチレン」ということがある。〕75質量%、及び
(B)化石燃料由来の密度885〜910kg/m3であるプロピレン・エチレン共重合体〔株式会社プライムポリマー製のプライムポリプロ(登録商標)、チーグラー・ナッタ触媒重合によるランダム重合体である銘柄名B221WA、密度910kg/m3、MFR(温度230℃、荷重21.18N)0.5g/10min、多分散度(Mw/Mn)5.2、結晶融点135℃、エチレン含量=2.5モル%、モダン炭素比率0pMC〕。以下、「化石燃料由来プロピレン・α−オレフィン共重合体」ということがある。〕25質量%からなる樹脂成分、
並びに、
(C)不飽和cis構造炭素二重結合を有する脂肪酸アミド:cis−9,10−octadecenoamide〔H2N−CO−(−CH2−)7−CH=CH−(−CH2−)7−CH3;式(C1)の不飽和脂肪酸アミド〕98質量%と、cis−5,6−8,9−11,12−14,15−arachidonic acid amide〔H2N−CO−(−CH2−)3−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(−CH2−)4−CH3〕2質量%との混合物 390ppm〔ただし、(C)の合計含有量(ppm)は、(A)及び(B)の合計質量に対する比率である。以下の実施例及び比較例においても同様である。〕
からなる樹脂組成物〔(A)、(B)及び(C)からなる樹脂組成物のモダン炭素比率は、0pMCであった。〕
(C)不飽和cis構造炭素二重結合を有する脂肪酸アミドを、cis−9,10−octadecenoamide〔式(C1)〕 99.8質量%と、cis−8,9−octadecenoamide 〔H2N−CO−(−CH2−)6−CH=CH−(−CH2−)8−CH3;式(C2)の不飽和脂肪酸アミド〕0.2質量%との混合物に変更し、合計含有量を400ppmに変更したことを除いて、実施例1と同様にして、多層容器を成形した。成形された多層容器の滑り摩擦、突刺強度及びヘーズを測定した結果を表1に示す。
(C)不飽和cis構造炭素二重結合を有する脂肪酸アミドを、cis− 9,10−octadecenoamide〔式(C1)〕 90質量%と、cis−8,9−octadecenoamide〔式(C2)〕 10質量%との混合物に変更し、合計含有量を3500ppmに変更したことを除いて、実施例1と同様にして、多層容器を成形した。成形された多層容器の滑り摩擦、突刺強度及びヘーズを測定した結果を表1に示す。
(C)不飽和cis構造炭素二重結合を有する脂肪酸アミドを、cis−9,10−octadecenoamide〔式(C1)〕 85質量%と、cis−6,7−tetradecenoamide 〔H2N−CO−(−CH2−)4−CH=CH−(−CH2−)6−CH3;式(C2)の不飽和脂肪酸アミド〕15質量%との混合物に変更し、合計含有量を350ppmに変更したことを除いて、実施例1と同様にして、多層容器を成形した。成形された多層容器の滑り摩擦、突刺強度及びヘーズを測定した結果を表1に示す。
(C)不飽和cis構造炭素二重結合を有する脂肪酸アミドを、cis−8,9−octadecenoamide〔式(C2)〕(単独使用)に変更し、含有量を400ppmに変更したことを除いて、実施例1と同様にして、多層容器を成形した。成形された多層容器の滑り摩擦、突刺強度及びヘーズを測定した結果を表1に示す。
(C)不飽和cis構造炭素二重結合を有する脂肪酸アミドを、cis− 9,10 −octadecenoamide〔式(C1)〕 98質量%と、cis−13,14−docosenoamide〔H2N−CO−(−CH2−)11−CH=CH−(−CH2−)7−CH3;式(C3)の不飽和脂肪酸アミド〕2質量%との混合物に変更し、合計含有量を1500ppmに変更したことを除いて、実施例1と同様にして、多層容器を成形した。成形された多層容器の滑り摩擦、突刺強度及びヘーズを測定した結果を表1に示す。
(C)不飽和cis構造炭素二重結合を有する脂肪酸アミドを、cis−13,14−docosenoamide〔式(C3)〕 95質量%と、cis−9,10−octadecenoamide〔式(C1)〕 5質量%との混合物に変更し、含有量を250ppmに変更したことを除いて、実施例1と同様にして、多層容器を成形した。成形された多層容器の滑り摩擦、突刺強度及びヘーズを測定した結果を表1に示す。
(C)不飽和cis構造炭素二重結合を有する脂肪酸アミドを、cis−9,10−octadecenoamide〔式(C1)〕 95質量%と、cis−13,14−docosenoamide〔式(C3)〕 3質量%との混合物に変更し、更に飽和脂肪酸アミドであるbehenic acid amideを2質量%の割合で含有させ、これら脂肪酸アミドの合計の含有量を1000ppmに変更したことを除いて、実施例1と同様にして、多層容器を成形した。成形された多層容器の滑り摩擦、突刺強度及びヘーズを測定した結果を表1に示す。
(C)不飽和cis構造炭素二重結合を有する脂肪酸アミドを、cis−9,10−octadecenoamide〔式(C1)〕 92質量%と、cis−13,14−docosenoamide〔式(C3)〕 3質量%との混合物に変更し、更に飽和脂肪酸アミドであるstearic acid amideを5質量%の割合で含有させ、これら脂肪酸アミドの合計の含有量を1000ppmに変更したことを除いて、実施例1と同様にして、多層容器を成形した。成形された多層容器の滑り摩擦、突刺強度及びヘーズを測定した結果を表1に示す。
(C)不飽和cis構造炭素二重結合を有する脂肪酸アミドを、trans−9,10−octadecenoamide〔式(C1)の不飽和脂肪酸アミドのtrans形に相当する。〕 (単独使用)に変更したことを除いて、実施例5と同様にして、多層容器を成形した。成形された多層容器の滑り摩擦、突刺強度及びヘーズを測定した結果を表1に示す。
trans−9,10−octadecenoamide〔式(C1)の不飽和脂肪酸アミドのtrans形に相当する。〕 (単独使用)を、trans−9,10−octadecenoamide 98質量%と、飽和脂肪酸アミドであるstearic acid amide2質量%との混合物に変更したことを除いて、比較例1と同様にして、多層容器を成形した。成形された多層容器の滑り摩擦、突刺強度及びヘーズを測定した結果を表1に示す。
表層に含有される樹脂組成物の樹脂成分を、前記の(A)化石燃料由来低密度ポリエチレン86質量%及び前記の(B)化石燃料由来プロピレン・α−オレフィン共重合体14質量%に変更した樹脂成分の配合の変更、並びに、(C)不飽和cis構造炭素二重結合を有する脂肪酸アミドの合計含有量を3000ppmに変更したことを除いて、実施例3と同様にして、樹脂製多層容器を成形した。成形された多層容器の滑り摩擦、突刺強度及びヘーズを測定した結果を表2に示す。
表層に含有される樹脂組成物において、(C)不飽和cis構造炭素二重結合を有する脂肪酸アミドの合計含有量を3000ppmとした組成の変更を除いて、実施例3と同様にして、樹脂製多層容器を成形した。成形された多層容器の滑り摩擦、突刺強度及びヘーズを測定した結果を表2に示す。
(C)不飽和cis構造炭素二重結合を有する脂肪酸アミドを、cis−9,10−octadecenoamide〔式(C1)〕 95質量%と、cis−13,14−docosenoamide〔式(C3)〕 5質量%との混合物に変更したことを除いて、実施例11と同様にして、樹脂製多層容器を成形した。成形された多層容器の滑り摩擦、突刺強度及びヘーズを測定した結果を表2に示す。
表層に含有される樹脂組成物の樹脂成分を、前記の(A)化石燃料由来低密度ポリエチレン100質量%に変更した〔前記の(B)化石燃料由来プロピレン・α−オレフィン共重合体は使用しなかった。〕ことを除いて、実施例10と同様にして、樹脂製多層容器を成形した。成形された多層容器の滑り摩擦、突刺強度及びヘーズを測定した結果を表2に示す。
表層に含有される樹脂組成物の樹脂成分を、前記の(A)化石燃料由来低密度ポリエチレン55質量%、及び前記の(B)化石燃料由来プロピレン・α−オレフィン共重合体45質量%に変更したことを除いて、実施例10と同様にして、樹脂製多層容器を成形した。成形された多層容器の滑り摩擦、突刺強度及びヘーズを測定した結果を表2に示す。
Claims (21)
- (A)低密度ポリエチレン99.5〜60質量%及び(B)密度885〜910kg/m3であるプロピレン・α−オレフィン共重合体0.5〜40質量%を含有する樹脂成分に対して、(C)不飽和cis構造炭素二重結合を有する脂肪酸アミド100〜4000ppmを含有する樹脂組成物からなる層を表層として備える樹脂製多層容器であって、
前記の樹脂組成物は、ASTM D6866−12に規定されるモダン炭素比率が0〜8pMCである
カーボンラベリングされた表層を備える樹脂製多層容器。 - 前記の(C)不飽和cis構造炭素二重結合を有する脂肪酸アミドが、以下の(C1)、(C2)及び(C3):
(C1)H2N−CO−(−CH2−)n−CH=CH−(−CH2−)n−CH3(ただし、nは、6≦n≦10の範囲の整数);
(C2)H2N−CO−(−CH2−)m−2−CH=CH−(−CH2−)m−CH3(ただし、mは、6≦m≦10の範囲の整数);及び
(C3)H2N−CO−(−CH2−)k+4−CH=CH−(−CH2−)k−CH3(ただし、kは、6≦k≦10の範囲の整数);
からなる群より選ばれる式で表される少なくとも1種の脂肪酸アミドを含有する請求項1記載のカーボンラベリングされた表層を備える樹脂製多層容器。 - 前記の(C)不飽和cis構造炭素二重結合を有する脂肪酸アミドが、前記の(C1)の式で表される脂肪酸アミドと、前記の(C2)または(C3)の式で表される少なくとも1種の脂肪酸アミドとの混合物である請求項2記載のカーボンラベリングされた表層を備える樹脂製多層容器。
- 前記の(C2)の式で表される脂肪酸アミドにおけるmが、m=n+1またはm=n−1である請求項3記載のカーボンラベリングされた表層を備える樹脂製多層容器。
- 前記の(C3)の式で表される脂肪酸アミドにおけるkが、k=nである請求項3記載のカーボンラベリングされた表層を備える樹脂製多層容器。
- 前記の(C)不飽和cis構造炭素二重結合を有する脂肪酸アミドが、前記の(C1)の式で表される脂肪酸アミドと、以下の(C11):
(C11)H2N−CO−(−CH2−)j−CH=CH−(−CH2−)j−CH3(ただし、jは、6≦j≦10の範囲の整数であり、j≠n);
の式で表される脂肪酸アミドとの混合物である請求項2記載のカーボンラベリングされた表層を備える樹脂製多層容器。 - 前記の(C)不飽和cis構造炭素二重結合を有する脂肪酸アミドが、分子構造中に不飽和cis構造の炭素二重結合を2結合〜4結合有する化合物を含有する請求項1乃至6のいずれか1項に記載のカーボンラベリングされた表層を備える樹脂製多層容器。
- 前記の樹脂組成物が、更に飽和脂肪酸アミドを含有する請求項1乃至7のいずれか1項に記載のカーボンラベリングされた表層を備える樹脂製多層容器。
- 前記の(A)低密度ポリエチレンは、分子量分布の指標である多分散度(Mw/Mn)が、1.5〜9である請求項1乃至8のいずれか1項に記載のカーボンラベリングされた表層を備える樹脂製多層容器。
- 前記の(A)低密度ポリエチレンは、チーグラー・ナッタ触媒を用いる高圧重合法低密度ポリエチレンである請求項1乃至9のいずれか1項に記載のカーボンラベリングされた表層を備える樹脂製多層容器。
- 前記の(B)密度885〜910kg/m3であるプロピレン・α−オレフィン共重合体は、分子量分布の指標である多分散度(Mw/Mn)が、2〜10である請求項1乃至10のいずれか1項に記載のカーボンラベリングされた表層を備える樹脂製多層容器。
- 前記の(B)密度885〜910kg/m3であるプロピレン・α−オレフィン共重合体は、チーグラー・ナッタ触媒を用いる低圧重合法プロピレン・α−オレフィン共重合体である請求項1乃至11のいずれか1項に記載のカーボンラベリングされた表層を備える樹脂製多層容器。
- 前記の(B)密度885〜910kg/m3であるプロピレン・α−オレフィン共重合体におけるα−オレフィンの含有量が、3モル%以下である請求項1乃至12のいずれか1項に記載のカーボンラベリングされた表層を備える樹脂製多層容器。
- 前記の(B)密度885〜910kg/m3であるプロピレン・α−オレフィン共重合体におけるα−オレフィンが、エチレンである請求項1乃至13のいずれか1項に記載のカーボンラベリングされた表層を備える樹脂製多層容器。
- 更にバリア層を備える請求項1乃至14のいずれか1項に記載のカーボンラベリングされた表層を備える樹脂製多層容器。
- 前記のバリア層が、エチレン・ビニルアルコール共重合体またはポリグリコール酸である請求項15記載のカーボンラベリングされた表層を備える樹脂製多層容器。
- 更に回収層を備える請求項1乃至16のいずれか1項に記載のカーボンラベリングされた表層を備える樹脂製多層容器。
- 表層、バリア層、接着層、及び、回収層を備えるものである請求項1乃至17のいずれか1項に記載のカーボンラベリングされた表層を備える樹脂製多層容器。
- 前記の(A)、(B)及び(C)を含有する樹脂組成物からなる層である表層が、樹脂製多層容器の最外層または最内層の一方または両方である請求項1乃至18のいずれか1項に記載のカーボンラベリングされた表層を備える樹脂製多層容器。
- 最外層/バリア層/接着層/回収層/最内層の層構成、または、最外層/接着層/バリア層/接着層/回収層/最内層の層構成を有する請求項19記載のカーボンラベリングされた表層を備える樹脂製多層容器。
- (A)低密度ポリエチレン99.5〜60質量%及び(B)密度885〜910kg/m3であるプロピレン・α−オレフィン共重合体0.5〜40質量%を含有する樹脂成分に対して、(C)不飽和cis構造炭素二重結合を有する脂肪酸アミド100〜4000ppmを含有する樹脂組成物からなる層を表層として備える樹脂積層体であって、
前記の樹脂組成物は、ASTM D6866−12に規定されるモダン炭素比率が0〜8pMCである
カーボンラベリングされた表層を備える樹脂積層体。
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