JP2014075419A - 太陽電池モジュール及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】薄型化、軽量化を実現可能な、太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】本発明の太陽電池モジュールは、フレーム部材が、長尺状の板材が長さ方向から見て略コの字状に折り曲げられて構成されるとともに、積層体の角部に対応する部位で、折り曲げ可能になされた折り曲げ部と、長さ方向の一方の端部に設けられた第一係合部と、他方の端部に設けられた第二係合部とを有し、積層体の外周に沿って、折り曲げ部で折り曲げられることにより、積層体の側面、保護基板の面の一部、及び光電変換体の他方の面の一部を被覆するとともに、第一係合部と第二係合部とが係止されることにより固定されていること、を特徴とする。
【選択図】図13

Description

本発明は、更なる薄型化、軽量化を実現可能な、太陽電池モジュール及びその製造方法に関する。
エネルギーの効率的な利用の観点から、近年、太陽電池はますます広く一般に利用されつつある。例えば、アモルファス(非結晶)シリコン薄膜を利用した太陽電池が、低コストの太陽電池として普及している。
アモルファスシリコン太陽電池は、光を受けると電子とホール(正孔)を発生するi型のアモルファスシリコン膜を、p型およびn型のシリコン膜で挟んだpin接合と呼ばれる層構造の半導体膜が用いられ、この半導体膜の両面にそれぞれ電極を形成したものである。
太陽光によって発生した電子とホールは、p型・n型半導体の電位差によって所定の方向に移動し、これが連続的に繰り返されることで画面の電極に電位差が生じる。
こうしたアモルファスシリコン太陽電池の具体的な構成としては、例えば、受光面側となるガラス基板にTCO(透明導電性酸化物)などの透明電極を下部電極として成膜し、この上にアモルファスシリコンからなる半導体膜と、上部電極となるAg薄膜などを形成してなる。このような上下電極と半導体膜からなる光電変換体を備えたアモルファスシリコン太陽電池は、基板上に広い面積で均一に各層を成膜しただけでは電位差が小さく、また抵抗値の間題もあるため、例えば、光電変換体を所定のサイズごとに電気的に区画した区画素子を形成し、互いに隣接する区画素子同士を電気的に接続してなる。
ところで、図14に示すように、太陽電池には、通常、その種類によらず、電子を効率よく集めるための集電電極120、及び電気を外部に取り出すための取り出し電極121が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
さらに、太陽電池は、光電変換体112を少なくとも被覆するように配された封止材130と、前記封止材130上に配された保護基板140とを有している。取り出し電極121は、封止材130、保護基板140を通じて外部に導出されている。
このような太陽電池モジュールにおいて、太陽電池110、封止材130及び保護基板140は、該太陽電池110、封止材130及び保護基板140の側面、保護基板140の面140aの一部、及び基板111の他方の面111bの一部を覆うよう配されたフレーム部材150内に収容されている。
太陽電池110、封止材130及び保護基板140をフレーム部材150内に収容することで、側面部から外部の大気中の水蒸気などが入り込むことを防止することができ、その影響による光電変換体12の劣化・腐食を防止することができる。これにより太陽電池10の出力低下や寿命減少などの性能低下を抑制することか可能である。
しかしながら、従来のフレーム部材は、アルミニウム等からなり、フレーム同士をビス止めすることにより、太陽電池の外周部に固定していた。フレーム部材をビス止めするためには、フレーム部材にはある程度の肉厚が必要であり、モジュールの軽量化、薄型化の妨げになっていた。また、ビス止めするための作業も必要であり、製造工程を煩雑化させる一因となっていた。
特開2002−314104号公報
本発明は、このような従来の実情に鑑みて考案されたものであり、更なる薄型化、軽量化を実現可能な、太陽電池モジュールを提供することを第一の目的とする。
また、本発明は、フレーム部材の取り付け工程を簡単にすることができ、更なる薄型化、軽量化を実現できる太陽電池モジュールを簡便に製造することが可能な太陽電池モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の太陽電池モジュールは、平板状の光電変換体からなる太陽電池と、前記光電変換体の少なくとも一方の面を被覆するように配された封止材と、前記封止材上に配された保護基板と、が順に積層されてなる積層体を備え、前記積層体は、該積層体の側面、前記保護基板の面の一部、及び前記光電変換体の他方の面の一部を覆うように配されたフレーム部材内に収容されてなる太陽電池モジュールであって、前記フレーム部材は、長尺状の板材が長さ方向から見て略コの字状に折り曲げられて構成されるとともに、前記積層体の角部に対応する部位で、折り曲げ可能になされた折り曲げ部と、長さ方向の一方の端部に設けられた第一係合部と、他方の端部に設けられた第二係合部とを有し、前記積層体の外周に沿って、前記折り曲げ部で折り曲げられることにより、前記積層体の側面、前記保護基板の面の一部、及び前記光電変換体の他方の面の一部を被覆するとともに、前記第一係合部と前記第二係合部とが係止されることにより固定されていること、を特徴とする。
本発明の請求項2に記載の太陽電池モジュールは、請求項1において、前記積層体と、フレーム部材との間の少なくとも一部に、緩衝材が配されていることを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の太陽電池モジュールの製造方法は、平板状の光電変換体からなる太陽電池と、前記光電変換体の少なくとも一方の面を被覆するように配された封止材と、前記封止材上に配された保護基板と、が順に積層されてなる積層体を備え、前記積層体は、該積層体の側面、前記保護基板の面の一部、及び前記光電変換体の他方の面の一部を覆うように配されたフレーム部材内に収容されてなる太陽電池モジュールの製造方法であって、前記フレーム部材として、長尺状の板材が長さ方向から見て略コの字状に折り曲げられて構成されるとともに、前記積層体の角部に対応する部位で、折り曲げ可能になされた折り曲げ部と、長さ方向の一方の端部に設けられた第一係合部と、他方の端部に設けられた第二係合部とを有するものを用い、前記積層体の外周に沿って、前記折り曲げ部で折り曲げることにより、前記積層体の側面、前記保護基板の面の一部、及び前記光電変換体の他方の面の一部を被覆するステップと、前記第一係合部と前記第二係合部とを係止することにより固定するステップと、を順に備えること、を特徴とする。
本発明の太陽電池モジュールでは、フレーム部材が、前記積層体の外周に沿って、前記折り曲げ部で折り曲げられることにより、前記積層体の側面、前記保護基板の面の一部、及び前記光電変換体の他方の面の一部を被覆するとともに、前記第一係合部と前記第二係合部とが係止されることにより固定されている。従来のようにビス止めされていないので、フレーム部材をより薄肉のものとすることができる。これにより本発明では、更なる薄型化、軽量化を実現可能な、太陽電池モジュールを提供することができる。
また、本発明の太陽電池モジュールの製造方法では、フレーム部材を前記積層体の外周に沿って、前記折り曲げ部で折り曲げることにより、前記積層体の側面、前記保護基板の面の一部、及び前記光電変換体の他方の面の一部を被覆するステップと、前記第一係合部と前記第二係合部とを係止することにより固定するステップと、を順に備えている。従来のようにビス止めする必要がないので、フレーム部材の取り付け工程を簡単にすることができる。その結果本発明では、更なる薄型化、軽量化を実現できる太陽電池モジュールを簡便に製造することが可能な太陽電池モジュールの製造方法を提供することができる。
本発明に係る太陽電池モジュールの構成例を模式的に示す斜視図。 図1中X1−X2線における断面図。 フレーム部材の一構成例を示す上面図。 図3に示すフレーム部材の側面図。 図3に示すフレーム部材の図3中Y1−Y2線における断面図。 フレーム部材が折り曲げ部で折り曲げられた状態を示す斜視図。 折り曲げ部を拡大して示す斜視図。 フレーム部材の第一係合部と第二係合部とを係止する様子を示す斜視図。 図1及び図2に示した太陽電池モジュールの製造方法を説明する斜視図。 図9の次工程を説明する斜視図。 図10の次工程を説明する斜視図。 図11の次工程を説明する斜視図。 図12の次工程を説明する斜視図。 従来の太陽電池モジュールの一構成例を模式的に示す断面図。 フレーム部材の角部にリベット止めを用いた状態を示す断面図。 フレーム部材の直線部にリベット止めを用いた状態を示す断面図。
以下、本発明の太陽電池モジュール及びその製造方法について、図面を引用しながら詳しく説明する。なお、以下の説明で使用する図面は、本発明の特徴を判り易くするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。
図1及び図2は、本発明に係る太陽電池モジュール1の一構成例を模式的に示す図であり、図1は分解斜視図、図2は、図1中X1−X2線における断面図である。
本発明の太陽電池モジュール1は、平板状の光電変換体12からなる太陽電池10と、前記光電変換体12の少なくとも一方の面を被覆するように配された封止材30と、前記封止材30上に配された保護基板40と、が順に積層されてなる積層体50を備え、前記積層体50は、該積層体50の側面、前記保護基板40の面の一部、及び前記光電変換体12の他方の面の一部を覆うように配されたフレーム部材60内に収容されてなる。
この太陽電池モジュール1では、基板11の一面11aに、少なくとも第一電極層13、半導体層14及び第二電極層15が、この順に重ねられた光電変換体12が形成されてなる太陽電池10と、前記太陽電池10を構成する前記第二電極層15上に配された集電電極20と、前記集電電極20に一端が電気的に接続され且つ前記太陽電池10を構成する前記第二電極層15上に配された取り出し電極21と、前記基板11の一面11aに、前記光電変換体12を少なくとも被覆するように配された封止材30と、前記封止材30上に配された保護基板40と、を備える。
太陽電池10は、公知のもので良く、例えば、アモルファス型、ナノクリスタル型等が例示でき、さらに、薄膜型、タンデム型等が例示できるが、これらに限定されない。
ここに示す太陽電池10は、図2に示すように、基板11の一面11aに、少なくとも第一電極(下部電極)層13、半導体層14、第二電極層(上部電極)層15がこの順に積層されてなる光電変換体12を備える。
基板11は、例えば、ガラスや透明樹脂等、太陽光の透適性に優れ、かつ耐久性を有する絶縁材料で形成されていれば良い。このような基板11の他面11b側から太陽光を入射させることで、太陽電池10を発電させることかできる。
第一電極層13は、透明な導電材料、例えば、TCO、ITOなどの光透過性の金属酸化物で形成されていれば良い。
また、第二電極層15は、銀(Ag)、銅(Cu)等の導電性の金属腹で形成されていれば良い。
例えば、太陽電池10が薄膜シリコン太陽電池である場合、半導体層14は、図2の上部に示すように、p型シリコン膜17とn型シリコン膜18との間にi型シリコン膜16を挟んだpin接合構造を成す。そして、この半導体層14に太陽光が入射すると、電子とホールか生じて、p型シリコン膜17とn型シリコン膜18との電位差によって活発に移動し、これが連続的に繰り返されることで第一電極層13と第二電極層15との間に電位差か生じる(光電変換)。なお、シリコン膜は、アモルファス型、ナノクリスクル型等、いずれでも良い。
光電変換体12は、後掲する図9に示すように、通常、スクライブ腺19によって、例えば、外形が短冊状の多数の区画素子12aに分割される。この区画素子12aは、互いに電気的に区画されるとともに、互いに隣接する区画素子同士の間で、例えば、電気的に直列に接続される。これにより、光電変換体12は、多数の区画素子を全て電気的に直列に繋いだ形態となり、高い電位差の電流を取り出すことができる。スクライブ線19は、例えば、基板11の一面11aに均一に光電変換体12を形成した後、レーザー等によって光電変換体12に所定の間隔で溝を形成することにより形成すれば良い。
また、ここでは、半導体層14としてpin接合構造が一層であるものを例示しているが、これに限定されず、pin接合構造が二層又は三層等、複数層であるタンデム型でも良い。かかるタンデム型の半導体層14の場合、照射する光の波長により、光電変換を行う層を調節するようにできる。
ここに示す太陽電池モジュール1においては、太陽電池10の光電変換体12上に二つのリボン状の集電電極20が設けられている。
光電変換体12は、表面が略四角形状となっており、表面の対内する二つの周縁部に沿って、集電電極20が配置されている。そして、集電電極20上には、取り出し電極21の一方の端部が配置されており、取り出し電極21及び集電電極20が電気的に接続されている。取り出し電極21の他方の端部側は、電気を容易に取り出せるように、光電変換体12の表面から立ち上がるように曲げられている。
前記集電電極20及び取り出し電極21は、リボン状の銅箔とその周囲に設けられたメッキ層からなる。
銅箔の厚みとしては特に限定されるものではないが、例えば30〜300[pm]とし、その幅は特に限定されるものではないが、例えば0.1〜10[mm]とする。
また、メッキ層は、例えばAg(銀)、Sn(錫)、Cu(銅)等の材料からなり、その厚みは特に限定されるものではないが、例えば1〜100[μm]とする。
保護基板40は、封止材30を介して太陽電池10、集電電極20及び取り出し電極21を覆うように重ねて配されている。また、保護基板40には開口部41が設けられており、この開口部41を介して取り出し電極21の他端21bが外部に引き出されている。
保護基板40は、例えば、ガラスや透明樹脂等、耐久性を有する絶縁材料で形成されていれば良い。
封止材30を構成する材料としては、例えば、塩化ビニル樹脂;ポリエチレン;、ポリプロピレン;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)等のポリエステル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC);エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)等を用いることができる。
そして、太陽電池モジュール1において、積層体50は、該積層体50の側面、保護基板40の面40aの一部、及び基板11の他方の面11bの一部を覆うフレーム部材60内に収容されている。
積層体50を、フレーム部材60内に収容することで、側面部から外部の大気中の水蒸気などが入り込むことを防止することができ、その影響による光電変換体12の劣化・腐食を防止することができる。これにより太陽電池10の出力低下や寿命減少などの性能低下を抑制することか可能である。
フレーム部材60を形成する材料としては特に限定されないが、例えば各種金属、セラミックス、各種合成樹脂などが用いられる。
図3は、本発明の太陽電池モジュール1において、フレーム部材60の一例を示す上面図である。また、図4はフレーム部材の側面図であり、図5は、図3Y1−Y2線における断面図である。
特に、本発明の太陽電池モジュール1において、前記フレーム部材60は、長尺状の板材が長さ方向から見て略コの字状に折り曲げられて構成されるとともに、前記積層体50の角部に対応する部位で、それぞれ折り曲げ可能になされた折り曲げ部61と、長さ方向の一方の端部に設けられた第一係合部62と、他方の端部に設けられた第二係合部63とを有する。
そして、このようなフレーム部材60は、前記積層体50の外周に沿って、前記折り曲げ部61で折り曲げられることにより、前記積層体50の側面、前記保護基板40の面の一部、及び前記光電変換体12の他方の面の一部を被覆するとともに、前記第一係合部62と前記第二係合部63とが係止されることにより固定されていること、を特徴とする。
本発明の太陽電池モジュール1では、フレーム部材60が、長尺状の板材が長さ方向から見て略コの字状に折り曲げられて構成されるとともに、前記積層体50の外周に沿って、折り曲げ部61で折り曲げられることにより、前記積層体50の側面、前記保護基板40の面の一部、及び前記基板11の他方の面11bの一部を被覆するとともに、前記第一係合部62と前記第二係合部63とが係止されることにより固定されている。本発明の太陽電池モジュール1では、フレーム部材60が、従来のようにビス止めされていないので、フレーム部材60をより薄肉のものとすることができる。これにより本発明の太陽電池モジュール1は、更なる薄型化、軽量化が実現可能である。
フレーム部材60を形成する材料としては特に限定されないが、例えばアルミニウム等の各種金属、セラミックス、各種合成樹脂などが用いられる。
フレーム部材60は、図3〜図5に示すように長尺状の板材が長さ方向から見て略コの字状に折り曲げられて構成される。これにより、前記積層体50の側面、前記保護基板40の面の一部、及び前記光電変換体12の他方の面の一部をそれぞれ被覆することができる。
また、フレーム部材60において、前記積層体50の角部に対応する部位に切り欠き部61aが設けられており、これにより、図6及び図7に示すように、フレーム部材60を折り曲げ可能となされている(折り曲げ部61)。
また、フレーム部材60の長さ方向の一方の端部には第一係合部62と、他方の端部には第一係合部62とがそれぞれ設けられている。
本実施形態では、例えば第一係合部62は舌部62aを有し、第一係合部62は2つの爪部63aを有している。そして図8(a)〜(c)に示すように、舌部62aと2つの爪部63aとを噛みあわせ、爪部63aを折り曲げることにより、第一係合部62と前記第二係合部63とを係止することができる。このように第一係合部62と前記第二係合部63とを係止することにより、従来のようにビス止めすることなくフレーム部材60を積層体50の外周縁部に固定することができる。
このように本発明では、フレーム部材60が、従来のようにビス止めされていないので、フレーム部材60をより薄肉のものとすることができる。これにより、太陽電池モジュール1を、更なる薄型化、軽量化することができる。
また、本実施形態の太陽電池モジュール1では、図2に示すように、前記積層体50と、フレーム部材60との間の少なくとも一部に、緩衝材70が配されていてもよい。緩衝材を配することにより、側面部から外部の大気中の水蒸気などが入り込むことをより確実に防止することができ、その影響による光電変換体12の劣化・腐食を防止することができる。
緩衝材70を形成する材料としては特に限定されないが、例えばエポキシ樹脂、紫外線硬化型樹脂、オレフィン系樹脂などの樹脂が用いられる。
さらに、本実施形態の太陽電池モジュール1では。保護基板40上に、取り出し電極21の端部21bを保護するための保護ボックス(図示略)が配されていてもよい。
次に、このような太陽電池モジュール1の製造方法について説明する。
図9〜図13は、本発明の太陽電池モジュール1の製造方法を説明する斜視図である。
太陽電池10は公知の方法に従って製造できる。例えば、基板11の一面11a上に第一電極層13、半導体層14及び第二電極層15をこの順に積層して光電変換体12を形成する。なお、各層の厚さは従来の太陽電池と同様である。
光電変換体12は、図9に示すように、通常、スクライブ線19によって、例えば、外形が短冊状の多数の区画素子12aに分割される。この区画素子12aは、互いに電気的に区画されるとともに、互いに隣接する区画素子12a同士の間で、例えば、電気的に直列に接続される。これにより、光電変換体12は、多数の区画素子12aを全て電気的に直列に繋いだ形態となり、高い電位差の電気を取り出すことができる。スクライブ線19は、例えば、基板11の一面11aに均一に光電変換体12を形成した後、レーザー等によって光電変換体12に所定の間隔で溝を形成することにより形成すれば良い。また、必要に応じて、第二電極層15上に保護層を積層しても良い。
次に、光電変換体12を構成する第二電極層15上に集電電極20を配する。
図10に示すように、多数の区画素子12aのうち、両端に位置する区画素子12aの第二電極層15上に、例えば半田(図示せず)を介して一対の集電電極20を電気的に接続する。接続には一般的な半田ごてが用いられる。集電電極20はリボン状の銅箔とその周囲に設けられたメッキ層からなり、区画素子12aの延在方向に平行して配される。
次に、図11に示すように、光電変換体12を構成する第二電極層15上に取り出し電極21を配する。
取り出し電極21は、集電電極20と同様に、リボン状の銀箔とその周囲に設けられたメッキ層からなる。
また、取り出し電極21の一端21aを、集電電極20に電気的に接続する。この接続には半田を用いても良いし、超音波半田ごて等を用いて集電電極20及び取り出し電極21のメッキ層を溶融させることで接続しても良い。一方、取り出し電極21の他端21bは、光電変換体12から立ち上がるように折り曲げておく。
次に、封止材30を、太陽電池10を被覆するように重ねて形成する。
次に、図12に示すように、封止材30上に、前記保護基板40を設ける。なお、このとき、取り出し電極21の他端21bを、封止材30、及び保護基板40に設けられた開口部41を通じて、保護基板40の外側に延出させる。
最後に、積層体50をフレーム部材60内に収容することで、太陽電池モジュール1の製造が完了する。
特に、本発明の太陽電池モジュール1の製造方法は、前記積層体50の外周に沿って、前記折り曲げ部61で折り曲げることにより、前記積層体50の側面、前記保護基板40の面40aの一部、及び前記基板11の他方の面11bの一部を被覆するステップと、前記第一係合部62と前記第二係合部63とを係止することにより固定するステップと、を順に備えること、を特徴とする。
まず、前記積層体50の外周に沿って、前記折り曲げ部61で折り曲げることにより、前記積層体50の側面、前記保護基板40の面40aの一部、及び前記基板11の他方の面11bの一部を被覆する。
図13に示すように、積層体50をフレーム部材60内に嵌めこむとともに、前記積層体50の角部に対応する部位に設けられた折り曲げ部61で折り曲げることにより、積層体50の外周縁部をフレーム部材60で囲み被覆する。
そして、フレーム部材60の両端部にそれぞれ設けられた第一係合部62と第二係合部63とを係止することにより固定する。
本実施形態では、図8(a)に示すように、第一係合部62は舌部62aを有し、第一係合部62は2つの爪部63aを有している。そして図8(b)に示すように、舌部62aと2つの爪部63aとを噛みあわせ、図8(c)に示すように、爪部63aを折り曲げることにより、第一係合部62と前記第二係合部63とを係止することができる。このように第一係合部62と前記第二係合部63とを係止することにより、従来のようにビス止めすることなくフレーム部材60を積層体50の外周縁部に固定することができる。
以上のようにして太陽電池モジュール1の製造が完了する。
このように、本発明では、フレーム部材60を前記積層体50の外周に沿って、前記折り曲げ部61で折り曲げることにより、前記積層体50の側面、前記保護基板40の面40aの一部、及び前記基板11の他方の面11bの一部を被覆し、前記第一係合部62と前記第二係合部63とを係止することにより固定している。従来のようにビス止めする必要がないので、フレーム部材60の取り付け工程を簡単にすることができる。その結果、本発明では、更なる薄型化、軽量化を実現できる太陽電池モジュール1を簡便に製造することができる。
上述した第一係合部62と第二係合部63を係止するために、図15又は図16に示すように、リベット70を用いる構成としてもよい。
図15(a)〜(c)は何れも、フレーム部材60の角部(コーナー部)において、フレーム部材60を積層体50の外周縁部に固定する構成例である。たとえば、第一係合部62の端部および該端部からさらに延設された薄肉部62aと、第二係合部63の端部および該端部からさらに延設された薄肉部63aとを接触させて、薄肉部62aと薄肉部63aを重ね合わせた領域内に両者を貫通する孔62b、63bを予め設けておき、該孔を用いてリベット70により両者を止める。これにより、フレーム部材60を積層体50の外周縁部に固定することができる。
図15(a)の場合は、薄肉部62aの根元にあたる第一係合部62の端部が凹部を、薄肉部63aの根元にあたる第二係合部63の端部が凸部を、それぞれ成しており、前記凹部に前記凸部が嵌合するように構成されている。また、薄肉部62aと薄肉部63aを重ね合わせ、リベット70により両者を止める部分は、第二係合部63の長手方向と同じ方向を成している。
図15(b)の場合は、薄肉部62aの根元にあたる第一係合部62の端部が傾斜部を、薄肉部63aの根元にあたる第二係合部63の端部も傾斜部を、それぞれ成しており、両方の傾斜部が接するように構成されている。また、薄肉部62aと薄肉部63aを重ね合わせ、リベット70により両者を止める部分は、第二係合部63の長手方向と同じ方向を成している。
図15(c)の場合は、薄肉部62aの根元にあたる第一係合部62の端部が傾斜部を、薄肉部63aの根元にあたる第二係合部63の端部も傾斜部を、それぞれ成しており、両方の傾斜部が接するように構成されている。また、薄肉部62aと薄肉部63aを重ね合わせ、リベット70により両者を止める部分は、第一係合部62の傾斜部と第二係合部63の傾斜部が接する面と同じ方向を成している。
図16(a)〜(c)は、フレーム部材60の直線部(ストレート部)において、フレーム部材60を積層体50の外周縁部に固定する構成例であり、(a)→(b)→(c)の手順により、リベット70を用いて固定を行う。
まず、第一係合部62の端部および該端部からさらに延設された薄肉部62aの先端と、第二係合部63の端部および該端部からさらに延設された薄肉部63aの先端とが、対向するように配置する[図16(a)]。
次に、薄肉部62aと薄肉部63aの内面(図16(a)において積層体50の外周縁部側に位置した面)どうしが接するように、薄肉部62aの根元にあたる第一係合部62の端部から薄肉部62aを矢印方向に曲げ加工を施す。同様に、薄肉部63aの根元にあたる第二係合部63の端部から薄肉部63aを矢印方向に曲げ加工を施す。
最後に、第一係合部62の端部及び薄肉部62aに対して、第二係合部63の端部及び薄肉部63aを接触させて、薄肉部62aと薄肉部63aを重ね合わせた領域内に両者を貫通する孔62b、63bを予め設けておき、該孔を用いてリベット70により両者を止める。これにより、フレーム部材60を積層体50の外周縁部に固定することができる。
以上、本発明の太陽電池モジュール及びその製造方法について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本発明の太陽電池モジュールは、図で例示したものに限定されず、本発明の効果を損なわない範囲内において、適宜構成の一部を変更しても良い。
本発明は、太陽電池モジュール及びその製造方法に広く適用可能である。
1 太陽電池モジュール、10太陽電池、11 基板、11a 一面、12光電変換体、13第一電極層、14 半導体層、15 第二電極層、20 集電電極、21 取り出し電極、21a 一端、21b 他端、30 封止材、31 切り欠き部、40 保護基板、50 積層体、60 フレーム部材、61 折り曲げ部、62 第一係合部、63 第二係合部、70 緩衝材。

Claims (3)

  1. 平板状の光電変換体からなる太陽電池と、
    前記光電変換体の少なくとも一方の面を被覆するように配された封止材と、
    前記封止材上に配された保護基板と、が順に積層されてなる積層体を備え、
    前記積層体は、該積層体の側面、前記保護基板の面の一部、及び前記光電変換体の他方の面の一部を覆うように配されたフレーム部材内に収容されてなる太陽電池モジュールであって、
    前記フレーム部材は、長尺状の板材が長さ方向から見て略コの字状に折り曲げられて構成されるとともに、
    前記積層体の角部に対応する部位で、折り曲げ可能になされた折り曲げ部と、
    長さ方向の一方の端部に設けられた第一係合部と、他方の端部に設けられた第二係合部とを有し、
    前記積層体の外周に沿って、前記折り曲げ部で折り曲げられることにより、前記積層体の側面、前記保護基板の面の一部、及び前記光電変換体の他方の面の一部を被覆するとともに、
    前記第一係合部と前記第二係合部とが係止されることにより固定されていること、を特徴とする太陽電池モジュール。
  2. 前記積層体と、フレーム部材との間の少なくとも一部に、緩衝材が配されていることを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 平板状の光電変換体からなる太陽電池と、
    前記光電変換体の少なくとも一方の面を被覆するように配された封止材と、
    前記封止材上に配された保護基板と、が順に積層されてなる積層体を備え、
    前記積層体は、該積層体の側面、前記保護基板の面の一部、及び前記光電変換体の他方の面の一部を覆うように配されたフレーム部材内に収容されてなる太陽電池モジュールの製造方法であって、
    前記フレーム部材として、長尺状の板材が長さ方向から見て略コの字状に折り曲げられて構成されるとともに、前記積層体の角部に対応する部位で、折り曲げ可能になされた折り曲げ部と、長さ方向の一方の端部に設けられた第一係合部と、他方の端部に設けられた第二係合部とを有するものを用い、
    前記積層体の外周に沿って、前記折り曲げ部で折り曲げることにより、前記積層体の側面、前記保護基板の面の一部、及び前記光電変換体の他方の面の一部を被覆するステップと、
    前記第一係合部と前記第二係合部とを係止することにより固定するステップと、を順に備えること、を特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
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