JP2014075238A - 非水電解質二次電池用負極活物質及びその製造方法並びに非水電解質二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガス発生することなく、優れたサイクル安定性を発現する非水電解質二次電池を提供する。
【解決手段】負極、正極、セパレータ、及び非水電解質を備える非水電解質二次電池であって、前記負極を構成している負極活物質の表面の少なくとも一部に、芳香族アルコールが吸着している。負極活物質には、芳香族アルコールが、負極活物質100重量部に対して、0.001重量部以上1.0重量部以下含まれていることが好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】負極、正極、セパレータ、及び非水電解質を備える非水電解質二次電池であって、前記負極を構成している負極活物質の表面の少なくとも一部に、芳香族アルコールが吸着している。負極活物質には、芳香族アルコールが、負極活物質100重量部に対して、0.001重量部以上1.0重量部以下含まれていることが好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は、非水電解質二次電池用負極活物質及びその製造方法、それを含む負極、並びに該負極を用いて製造した非水電解質二次電池に関するものである。
近年、携帯機器、ハイブリット自動車、電気自動車、家庭用蓄電用途に非水電解質二次電池の研究開発が盛んに行われている。これらの分野に用いられる非水電解質二次電池は、サイクル寿命性能の向上が求められており、その要求を満たすため、例えば特許文献1のようなフェノールやカテコールを添加剤として電解質に添加する技術が開発されている。しかしながら特許文献1は、正極の対極として金属リチウムを用いたいわゆる半電池を開示しているが、負極若しくは負極活物質に対する改質の記載はない。
特許文献2には、リチウムイオン二次電池において、黒鉛性炭素物質を負極とし、非水溶媒にカテコールを添加剤として任意の割合で添加してもよいことが記載されている(段落[0029])。
特許文献3には、リチウムイオン二次電池において、黒鉛性炭素物質を負極とし、非水溶媒にカテコールカーボネートを添加することが記載されている。これにより、充放電過程でカテコールがリチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物の表面と反応して正極上で酸化皮膜を作り、この皮膜が正極、電解液との間を行き来するリチウムイオンの移動をよりスムーズにすることが記載されている(段落[0010])。
特許文献3には、リチウムイオン二次電池において、黒鉛性炭素物質を負極とし、非水溶媒にカテコールカーボネートを添加することが記載されている。これにより、充放電過程でカテコールがリチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物の表面と反応して正極上で酸化皮膜を作り、この皮膜が正極、電解液との間を行き来するリチウムイオンの移動をよりスムーズにすることが記載されている(段落[0010])。
特許文献4は炭素材料を含む負極を用いたリチウムイオン二次電池の電解質に、水酸基を有する化合物、例えばアルコールやフェノールを混ぜて、過充電状態において負極にリチウム金属が析出することを抑制できることが記載されている(段落[0034])。
以上に掲げた先行技術文献は、いずれも非水電解質にアルコールを添加し、非水電解質を通して炭素系の負極に働きかけて負極を改質する非水電解質二次電池を開示している。
しかしながら、従来の負極活物質に炭素系材料を使った非水電解質二次電池では、充放電サイクルを繰り返すとリチウムの挿入・脱離に伴う体積変化により負極が劣化し、電池の容量が低下するという問題がある。この問題点を解決するために、負極活物質として、チタン酸リチウムのようなリチウムイオンの脱離及び挿入が0.3V(vs.Li+/Li)以上、2.0V(vs.Li+/Li)以下で進行する物質を用いることが提案されている。
しかしながら、従来の負極活物質に炭素系材料を使った非水電解質二次電池では、充放電サイクルを繰り返すとリチウムの挿入・脱離に伴う体積変化により負極が劣化し、電池の容量が低下するという問題がある。この問題点を解決するために、負極活物質として、チタン酸リチウムのようなリチウムイオンの脱離及び挿入が0.3V(vs.Li+/Li)以上、2.0V(vs.Li+/Li)以下で進行する物質を用いることが提案されている。
このような種類の負極活物質を用いた場合に、非水電解質にアルコールを添加しても、添加剤と負極活物質とが反応せず、長寿命化、すなわちサイクル特性向上の効果が得られないことが分かった。
本発明の課題は、優れたサイクル安定性を発現する非水電解質二次電池を製造するための負極活物質及びその製造方法、並びに非水電解質二次電池を提供することである。
本発明の課題は、優れたサイクル安定性を発現する非水電解質二次電池を製造するための負極活物質及びその製造方法、並びに非水電解質二次電池を提供することである。
前記事情に鑑み、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、あらかじめ、負極活物質表面の少なくとも一部に、芳香族アルコールを吸着させることによって、サイクル特性が向上すること、さらに、負極活物質と電解液との反応性が低下し、ガス発生が抑制されることも見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の非水電解質二次電池用負極活物質は、リチウムイオンの脱離及び挿入が0.3V(vs.Li+/Li)以上、2.0V(vs.Li+/Li)以下で進行する負極活物質であって、前記負極活物質の表面の少なくとも一部に芳香族アルコールが吸着しているものである。
すなわち本発明の非水電解質二次電池用負極活物質は、リチウムイオンの脱離及び挿入が0.3V(vs.Li+/Li)以上、2.0V(vs.Li+/Li)以下で進行する負極活物質であって、前記負極活物質の表面の少なくとも一部に芳香族アルコールが吸着しているものである。
前記負極活物質100重量部に対して、芳香族アルコールが、0.001重量部以上、1.0重量部以下で吸着していることが好ましい。
前記負極活物質が、チタン含有複合酸化物であってもよく、前記芳香族アルコールはカテコールであってもよい。
非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法は、前記負極活物質を製造する方法である。本発明の非水電解質二次電池用負極は、前記負極活物質を含むようにして製造した負極である。また本発明の 非水電解質二次電池は、前記負極を用いたものである。
前記負極活物質が、チタン含有複合酸化物であってもよく、前記芳香族アルコールはカテコールであってもよい。
非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法は、前記負極活物質を製造する方法である。本発明の非水電解質二次電池用負極は、前記負極活物質を含むようにして製造した負極である。また本発明の 非水電解質二次電池は、前記負極を用いたものである。
本発明の負極活物質を含む負極を用いた非水電解質二次電池は、サイクル安定性に優れている。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図されている。
<1.負極活物質>
本発明の非水二次電池に用いる負極活物質は、正極よりも低い電位で、リチウムイオンの挿入・脱離反応が進行すればよく、前記電位は、0.3V(vs.Li+/Li)以上2.0V(vs.Li+/Li)以下である。前記電位の範囲内であれば、負極へのリチウム金属の析出がなく、且つ、実用的な電池電圧を発現できる。
<1.負極活物質>
本発明の非水二次電池に用いる負極活物質は、正極よりも低い電位で、リチウムイオンの挿入・脱離反応が進行すればよく、前記電位は、0.3V(vs.Li+/Li)以上2.0V(vs.Li+/Li)以下である。前記電位の範囲内であれば、負極へのリチウム金属の析出がなく、且つ、実用的な電池電圧を発現できる。
リチウムイオンの挿入・脱離反応が0.3V(vs.Li+/Li)以上2.0V(vs.Li+/Li)以下で進行するとは、負極活物質へのリチウムイオン挿入が2.0V(vs.Li+/Li)以下で開始し、0.3V(vs.Li+/Li)以上で終了することである。一方、リチウムイオンの脱離反応が0.3V(vs.Li+/Li)以上、2.0V(vs.Li+/Li)以下で進行するとは、負極活物質からのリチウムイオン脱離が0.3V(vs.Li+/Li)以上で開始し、2.0V(vs.Li+/Li)以下で終了することである。
リチウムイオン挿入・脱離反応の電圧値(vs.Li+/Li)は、例えば、負極活物質を用いた動作極、リチウム金属を対極とした半電池の充放電特性を測定し、プラトー開始時、及び終了時の電圧値を読み取ることによって求めることができる。プラトーが2箇所以上あった場合は、もっとも低い電圧値のプラトーが0.3V(vs.Li+/Li)以上であればよく、もっとも高い電圧値のプラトーが2.0V(vs.Li+/Li)以下であればよい。前記半電池に用いる動作極、電解液、セパレータは後述のものと同様のものを用いることができる。
リチウムイオンの挿入・脱離反応が0.3V(vs.Li+/Li)以上2.0V(vs.Li+/Li)以下で進行する負極活物質は、チタン酸リチウム、二酸化チタン、H2Ti12O25に代表されるチタン含有複合酸化物や、五酸化ニオブ及び二酸化モリブデンなどの金属酸化物が好ましく、負極活物質の安定性が高い点から、チタン酸リチウム、二酸化チタン、H2Ti12O25がより好ましい。また、これら負極活物質には導電性、あるいは安定性の向上のため、例えばNbなどのリチウム、チタン以外の元素が微量含まれていてもよい。
本発明に用いるチタン酸リチウムは、スピネル構造、ラムズデライト型であることが好ましく、リチウムイオンの挿入・脱離の反応における活物質の膨張収縮が小さいことから、特に好ましくは、スピネル構造であり、分子式としてLi4Ti5O12で表される。
本発明に用いる二酸化チタンは、アナタース型、ブロンズ型であることが好ましい。
これら負極活物質は1種類でもよいし、2種類以上用いてもよい。
本発明に用いる二酸化チタンは、アナタース型、ブロンズ型であることが好ましい。
これら負極活物質は1種類でもよいし、2種類以上用いてもよい。
本発明のリチウムイオンの挿入・脱離反応が0.3V(vs.Li+/Li)以上2.0V(vs.Li+/Li)以下で進行する負極活物質は、少なくとも表面の一部に芳香族アルコールが吸着する。
前記芳香族アルコールは、芳香族化合物に水酸基がついていればよく、例えば、フェノール、o−フルオロフェノール、m−フルオロフェノール、p−フルオロフェノール、o−ブロモフェノール、m−ブロモフェノール、p−ブロモフェノール、カテコール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クロロクレゾール、m−クロロクレゾール、p−クロロクレゾール、1−ナフトール、2−ナフトール、3−ナフトール等が例示される。サイクル特性向上及びガス発生抑制の効果が大きいことから、フェノール、カテコール、1−ナフトール、2−ナフトール、及び3−ナフトールが好ましい。これらの中でカテコールは、特に効果が大きいので好ましい。
前記芳香族アルコールは、芳香族化合物に水酸基がついていればよく、例えば、フェノール、o−フルオロフェノール、m−フルオロフェノール、p−フルオロフェノール、o−ブロモフェノール、m−ブロモフェノール、p−ブロモフェノール、カテコール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クロロクレゾール、m−クロロクレゾール、p−クロロクレゾール、1−ナフトール、2−ナフトール、3−ナフトール等が例示される。サイクル特性向上及びガス発生抑制の効果が大きいことから、フェノール、カテコール、1−ナフトール、2−ナフトール、及び3−ナフトールが好ましい。これらの中でカテコールは、特に効果が大きいので好ましい。
本発明の負極活物質の表面に少なくとも一部に吸着している芳香族アルコールの存在は、例えば、拡散反射法によるFT−IRの測定によって、例えば芳香族化合物のC−H伸縮振動、C−H変角振動、O−H伸縮振動、O−H変角振動のピークなどで確認することができる。
本発明の負極活物質の表面に少なくとも一部に吸着している芳香族アルコールの量は、GC−MSで確認することができる。GC−MSの測定は、サンプルを300℃以上で過熱した際に、分解または遊離した芳香族アルコールを測定することによっておこなわれる。
本発明の負極活物質の表面に少なくとも一部に吸着している芳香族アルコールの量は、GC−MSで確認することができる。GC−MSの測定は、サンプルを300℃以上で過熱した際に、分解または遊離した芳香族アルコールを測定することによっておこなわれる。
前記負極活物質に存在する芳香族アルコールの量は、負極活物質100重量部に対して、0.001重量部以上、1.0重量部以下で存在するのが好ましい。0.001重量部未満では、サイクル特性向上の効果が小さく、1.0重量部より多い場合はリチウムイオンの挿入・脱離が阻害され、電池性能が低下する恐れがある。
リチウムイオンの挿入・脱離反応が0.3V(vs.Li+/Li)以上2.0V(vs.Li+/Li)以下で進行する負極活物質の表面の一部に、芳香族アルコールを吸着させるには、芳香族アルコールを含む溶液で処理する方法が例示される。
リチウムイオンの挿入・脱離反応が0.3V(vs.Li+/Li)以上2.0V(vs.Li+/Li)以下で進行する負極活物質の表面の一部に、芳香族アルコールを吸着させるには、芳香族アルコールを含む溶液で処理する方法が例示される。
芳香族アルコールを含む溶液で処理する方法は、芳香族アルコールが含まれる溶液に、所定の温度、所定の時間で負極活物質を浸漬、あるいは攪拌することによっておこなうことができる。
芳香族アルコールが含まれる溶液とは、芳香族アルコールを水系溶媒、あるいは非水溶媒に溶解させたものが例示されるが、取り扱いが容易な水系溶媒が好ましい。
芳香族アルコールが含まれる溶液とは、芳香族アルコールを水系溶媒、あるいは非水溶媒に溶解させたものが例示されるが、取り扱いが容易な水系溶媒が好ましい。
溶液に含まれる芳香族アルコールの濃度は、投入する前記負極活物質に吸着させる量以上含まれていればよいが、効率よく吸着させるには、1×10−5mol/L以上、10.0mol/L以下が好ましい。
芳香族アルコールが含まれる溶液で処理するときの温度は、溶媒の凝固点より高く、沸点未満であることが好ましい。反応性を低下させず、且つ光熱費の影響が小さいことから、5℃以上、40℃未満であることが好ましい。5℃未満では、反応の進行が遅く、一方、40℃より高い場合は、芳香族アルコールが揮発する恐れがある。
芳香族アルコールが含まれる溶液で処理するときの温度は、溶媒の凝固点より高く、沸点未満であることが好ましい。反応性を低下させず、且つ光熱費の影響が小さいことから、5℃以上、40℃未満であることが好ましい。5℃未満では、反応の進行が遅く、一方、40℃より高い場合は、芳香族アルコールが揮発する恐れがある。
芳香族アルコールを含む化合物が含まれる溶液で処理するときの時間は、1分以上、100時間以下であることが好ましい。反応性を低下させず、且つ光熱費の影響が小さいことから、1時間以上、24時間以下であることが好ましい。1分よりより短い場合は負極活物質の表面に芳香族アルコールが吸着しない可能性がある。また、100時間より長い場合は光熱費がかかるため、コストが上昇する。
本発明の負極活物質の粒子径は、0.1μm以上50μm以下であることが好ましく、1μm以上30μm以下であることは取り扱いの観点からさらに好ましい。前記粒子径はSEM、TEM像から各粒子の大きさを測定し、平均粒子径を算出した値である。
本発明の負極活物質の比表面積は、0.1m2/g以上50m2/g以下であることは所望の出力密度を得やすいことから好ましい。前記比表面積は、水銀ポロシメータ、BET法での測定により算出するのがよい。
本発明の負極活物質の比表面積は、0.1m2/g以上50m2/g以下であることは所望の出力密度を得やすいことから好ましい。前記比表面積は、水銀ポロシメータ、BET法での測定により算出するのがよい。
<2.負極>
本発明の負極には、少なくとも前記負極活物質が含まれる。
本発明の負極には、さらに導電助材を含有してもよく、導電助材としては、特に限定されないが、金属材料、炭素材料が好ましい。金属材料の場合は、銅、及びニッケルなど、炭素材料の場合は天然黒鉛、人造黒鉛、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、及びファーネスブラックなどが挙げられる。これら導電助材は1種類でもよいし、2種類以上用いてもよい。
本発明の負極には、少なくとも前記負極活物質が含まれる。
本発明の負極には、さらに導電助材を含有してもよく、導電助材としては、特に限定されないが、金属材料、炭素材料が好ましい。金属材料の場合は、銅、及びニッケルなど、炭素材料の場合は天然黒鉛、人造黒鉛、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、及びファーネスブラックなどが挙げられる。これら導電助材は1種類でもよいし、2種類以上用いてもよい。
本発明において、負極に含まれる導電助材の量は、負極活物質100重量部に対して、好ましくは1重量部以上、30重量部以下、より好ましくは2重量部以上、15重量部以下である。前記範囲であれば、負極の導電性が確保される。また、後述のバインダーとの接着性が維持され、集電体との接着性が十分に得ることができる。
本発明において負極には、活物質を集電体に結着させるため、バインダーを使用してよく、バインダーとしては、特に限定されないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイミド、アクリル樹脂及びそれらの誘導体からなる群からえらばれる少なくとも1種を用いることができる。バインダーは負極の作製しやすさから、非水溶媒または水に、溶解または分散されていることが好ましい。非水溶媒は、特に限定されないが、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、及びテトラヒドロフランなどを挙げることができる。これらに分散剤、増粘剤を加えてもよい。
本発明において負極には、活物質を集電体に結着させるため、バインダーを使用してよく、バインダーとしては、特に限定されないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイミド、アクリル樹脂及びそれらの誘導体からなる群からえらばれる少なくとも1種を用いることができる。バインダーは負極の作製しやすさから、非水溶媒または水に、溶解または分散されていることが好ましい。非水溶媒は、特に限定されないが、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、及びテトラヒドロフランなどを挙げることができる。これらに分散剤、増粘剤を加えてもよい。
本発明において、負極に含まれるバインダーの量は、負極活物質100重量部に対して、好ましくは1重量部以上30重量部以下、より好ましくは2重量部以上15重量部以下である。前記範囲であれば、負極活物質と導電助材との接着性が維持され、集電体との接着性が十分に得ることができる。
本発明において好ましい負極の一形態としては、負極活物質、導電助材、及びバインダーの混合物を集電体上に形成することによって作製されるが、作製方法の容易さから、前記混合物及び溶媒でスラリーを作製し、得られたスラリーを集電体上に塗工した後に、溶媒を除去することによって負極を作製する方法が好ましい。
本発明において好ましい負極の一形態としては、負極活物質、導電助材、及びバインダーの混合物を集電体上に形成することによって作製されるが、作製方法の容易さから、前記混合物及び溶媒でスラリーを作製し、得られたスラリーを集電体上に塗工した後に、溶媒を除去することによって負極を作製する方法が好ましい。
本発明の負極に用いることのできる集電体は、銅、SUS、ニッケル、チタン、アルミニウム及びそれらの合金が好ましい。
なお、集電体は、金属材料(銅、SUS、ニッケル、チタン、及びそれらの合金)の表面に負極の電位で反応しない金属を被覆したものも用いることもできる。
スラリーの作製は、特に限定されないが、負極活物質、導電助材、バインダー、及び溶媒を均一に混合できることから、ボールミル、プラネタリミキサ、ジェットミル、薄膜旋回型ミキサーを用いることが好ましい。スラリーの作製は、特に限定されないが、負極活物質、導電助材、及びバインダーを混合した後に溶媒を加えて作製してもよいし、負極活物質、導電助材、バインダー、及び溶媒を一緒に混合して作製してもよい。
なお、集電体は、金属材料(銅、SUS、ニッケル、チタン、及びそれらの合金)の表面に負極の電位で反応しない金属を被覆したものも用いることもできる。
スラリーの作製は、特に限定されないが、負極活物質、導電助材、バインダー、及び溶媒を均一に混合できることから、ボールミル、プラネタリミキサ、ジェットミル、薄膜旋回型ミキサーを用いることが好ましい。スラリーの作製は、特に限定されないが、負極活物質、導電助材、及びバインダーを混合した後に溶媒を加えて作製してもよいし、負極活物質、導電助材、バインダー、及び溶媒を一緒に混合して作製してもよい。
スラリーの固形分濃度は、30wt%以上80wt%以下であることが好ましい。30wt%未満の場合、スラリーの粘度が低すぎる傾向があり、一方、80wt%より高い場合は、スラリーの粘度が高すぎる傾向があるため、後述の電極の形成が困難となる場合がある。
スラリーに用いる溶媒は、非水溶媒、あるいは水であることが好ましい。非水溶媒は、特に限定されないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、及びテトラヒドロフランなどを挙げることができる。また、これらに分散剤、増粘剤を加えてもよい。
スラリーに用いる溶媒は、非水溶媒、あるいは水であることが好ましい。非水溶媒は、特に限定されないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、及びテトラヒドロフランなどを挙げることができる。また、これらに分散剤、増粘剤を加えてもよい。
集電体上への負極の形成は、特に限定されないが、例えば前記スラリーをドクターブレード、ダイコータ、コンマコータ等により塗布した後に、溶剤を除去する方法、あるいはスプレーにより塗布した後に溶剤を除去する方法が好ましい。溶媒を除去する方法は、オーブンや真空オーブンを用いた乾燥が簡単であり好ましい。雰囲気としては室温、あるいは高温とした空気、不活性ガス、真空状態などが挙げられる。負極の形成は、前述の正極を形成する前でも、後でもよい。また、負極作製後、ロールプレス機などを用いて負極を圧縮させてもよい。前記電極の圧縮は、前述の正極を形成する前でも、後でもよい。
本発明において、負極の厚みは、10μm以上200μm以下であることが好ましい。10μm以下では、所望の容量を得ることが難しい場合があり、200μmより厚い場合は、所望の出力密度を得ることが難しい場合がある。
本発明において、負極の密度は、1.0g/cm3以上4.0g/cm3以下であることが好ましい。1.0g/cm3未満であれば、負極活物質、導電助材との接触が不十分となり電子伝導性が低下する場合がある。4.0g/cm3より大きい場合は、後述の電解液が負極内に浸透しにくくなり、リチウム伝導性が低下する場合がある。負極は、所望の厚み、密度まで圧縮させてもよい。圧縮は、特に限定されないが、例えば、ロールプレス、油圧プレス等を用いておこなうことができる。電極の圧縮は、前述の正極を形成する前でも、後でもよい。
本発明において、負極の密度は、1.0g/cm3以上4.0g/cm3以下であることが好ましい。1.0g/cm3未満であれば、負極活物質、導電助材との接触が不十分となり電子伝導性が低下する場合がある。4.0g/cm3より大きい場合は、後述の電解液が負極内に浸透しにくくなり、リチウム伝導性が低下する場合がある。負極は、所望の厚み、密度まで圧縮させてもよい。圧縮は、特に限定されないが、例えば、ロールプレス、油圧プレス等を用いておこなうことができる。電極の圧縮は、前述の正極を形成する前でも、後でもよい。
本発明において、負極の1cm2あたりの電気容量は、0.5mAh以上6.0mAh以下であることが好ましい。0.5mAh未満である場合は所望する容量の電池の大きさが大きくなる場合があり、一方、6.0mAhより多い場合は所望の出力密度を得ることが難しい場合がある。負極の1cm2あたりの電気容量の算出は、負極作製後、リチウム金属を対極とした半電池を作製した後に、充放電特性を測定することによって算出できる。負極の負極1cm2あたりの電気容量は、特に限定されないが、集電体単位面積あたりに形成させる負極の重量で制御する方法、例えば、前述の負極塗工時の塗工厚みで制御することができる。
<3.正極>
本発明の非水電解質二次電池に用いる正極に含まれる正極活物質は、特に限定されないが、リチウム遷移金属化合物であればよく、リチウムコバルト化合物、リチウムニッケル化合物、リチウムマンガン化合物、リチウム鉄化合物などが例示される。また、遷移金属は1種類に限定されず、2種類以上であってもよく、例えば、リチウムコバルトニッケルマンガン化合物、リチウムニッケルマンガン化合物などが例示される。また、リチウム遷移金属化合物の安定性を向上する効果が高いことから、例えばアルミニウム、マグネシウム、チタンなどの元素が微量含まれていてもよい。
本発明の非水電解質二次電池に用いる正極に含まれる正極活物質は、特に限定されないが、リチウム遷移金属化合物であればよく、リチウムコバルト化合物、リチウムニッケル化合物、リチウムマンガン化合物、リチウム鉄化合物などが例示される。また、遷移金属は1種類に限定されず、2種類以上であってもよく、例えば、リチウムコバルトニッケルマンガン化合物、リチウムニッケルマンガン化合物などが例示される。また、リチウム遷移金属化合物の安定性を向上する効果が高いことから、例えばアルミニウム、マグネシウム、チタンなどの元素が微量含まれていてもよい。
リチウムマンガン化合物としては、中でも、正極活物質の安定性が高いことから、Li1+xMyMn2―x―yO4(0≦x≦0.2、0<y≦0.6、Mは2〜13族でかつ第3〜4周期に属する元素からなる群から選ばれる少なくとも1種)で表されるリチウムマンガン化合物であることが特に好ましい。x<0の場合は、正極活物質の容量が減少する傾向がある。また、x>0.2の場合は炭酸リチウムなどの不純物が多く含まれるようになる傾向がある。y=0の場合は、正極活物質の安定性が低くなる傾向がある。また、y>0.6の場合はMの酸化物などの不純物が多く含まれるようになる傾向がある。
本発明の正極活物質の表面には、導電性向上、あるいは安定性向上のため、炭素材料、金属酸化物、あるいは高分子等で覆われてもよい。
本発明の正極には導電助材を含有させてもよい。導電助材としては、特に限定されないが、炭素材料が好ましい。例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、及びファーネスブラックなどが挙げられる。これら炭素材料は1種類でもよいし、2種類以上用いてもよい。
本発明の正極には導電助材を含有させてもよい。導電助材としては、特に限定されないが、炭素材料が好ましい。例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、及びファーネスブラックなどが挙げられる。これら炭素材料は1種類でもよいし、2種類以上用いてもよい。
本発明の正極に含まれる導電助材の量は、正極活物質100重量部に対して、好ましくは1重量部以上30重量部以下、より好ましくは2重量部以上15重量部以下である。前記範囲であれば、正極の導電性が確保される。また、後述のバインダーとの接着性が維持され、集電体との接着性が十分に得ることができる。
本発明の正極にはバインダーを含有させてよい。バインダーは、特に限定されないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイミド、アクリル系樹脂及びそれらの誘導体からなる群からえらばれる少なくとも1種を用いることができる。バインダーは正極の作製しやすさから、非水溶媒または水に溶解または分散されていることが好ましい。非水溶媒は、特に限定されないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、及びテトラヒドロフランなどを挙げることができる。これらに分散剤、増粘剤を加えてもよい。
本発明の正極にはバインダーを含有させてよい。バインダーは、特に限定されないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイミド、アクリル系樹脂及びそれらの誘導体からなる群からえらばれる少なくとも1種を用いることができる。バインダーは正極の作製しやすさから、非水溶媒または水に溶解または分散されていることが好ましい。非水溶媒は、特に限定されないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、及びテトラヒドロフランなどを挙げることができる。これらに分散剤、増粘剤を加えてもよい。
本発明の正極に含まれるバインダーの量は、正極活物質100重量部に対して、好ましくは1重量部以上30重量部以下、より好ましくは2重量部以上15重量部以下である。前記範囲であれば、正極活物質と導電助材との接着性が維持され、集電体との接着性が十分に得ることができる。
本発明の正極の作製方法としては、正極活物質、導電助材、及びバインダーの混合物を集電体上に塗工することによって作製する方法が挙げられるが、作製方法の容易さから、前記混合物及び溶媒でスラリーを作製し、得られたスラリーを集電体上に塗工した後に、溶媒を除去することによって正極を作製する方法が好ましい。
本発明の正極の作製方法としては、正極活物質、導電助材、及びバインダーの混合物を集電体上に塗工することによって作製する方法が挙げられるが、作製方法の容易さから、前記混合物及び溶媒でスラリーを作製し、得られたスラリーを集電体上に塗工した後に、溶媒を除去することによって正極を作製する方法が好ましい。
本発明の正極に用いる集電体は、アルミニウム及びその合金であることが好ましい。前記アルミニウムは、正極反応雰囲気下で安定であることから、特に限定されないが、JIS規格1030、1050、1085、1N90、1N99等に代表される高純度アルミニウムであることが好ましい。
なお、集電体は、アルミニウム以外の金属(銅、SUS、ニッケル、チタン、及びそれらの合金)の表面にアルミニウムを被覆したものも用いることもできる。
なお、集電体は、アルミニウム以外の金属(銅、SUS、ニッケル、チタン、及びそれらの合金)の表面にアルミニウムを被覆したものも用いることもできる。
スラリーの作製は、特に限定されないが、正極活物質、導電助材、バインダー、及び溶媒を均一に混合できることから、ボールミル、プラネタリミキサ、ジェットミル、薄膜旋回型ミキサーを用いることが好ましい。スラリーの作製は、特に限定されないが、正極活物質、導電助材、及びバインダーを混合した後に溶媒を加えて作製してもよいし、正極活物質、導電助材、バインダー、及び溶媒を一緒に混合して作製してもよい。
スラリーの固形分濃度は、30wt%以上80wt%以下であることが好ましい。30wt%未満の場合スラリーの粘度が低すぎる傾向があるため、一方、80wt%より高い場合はスラリーの粘度が高すぎる傾向があるため、後述の電極の形成が困難となる場合がある。
スラリーに用いる溶媒は、非水溶媒、あるいは水であることが好ましい。非水溶媒は、特に限定されないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、及びテトラヒドロフランなどを挙げることができる。また、これらに分散剤、増粘剤を加えてもよい。
スラリーに用いる溶媒は、非水溶媒、あるいは水であることが好ましい。非水溶媒は、特に限定されないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、及びテトラヒドロフランなどを挙げることができる。また、これらに分散剤、増粘剤を加えてもよい。
集電体上への正極の形成は、特に限定されないが、例えば前記スラリーをドクターブレード、ダイコータ、コンマコータ等により塗布した後に、溶剤を除去する方法、あるいはスプレーにより塗布した後に溶剤を除去する方法が好ましい。溶媒を除去する方法は、オーブンや真空オーブンを用いた乾燥が簡単であり好ましい。溶媒を除去する雰囲気としては、空気、不活性ガス、真空状態などが挙げられる。また、溶媒を除去する温度は、特に限定されないが、60℃以上250℃以下であることが好ましい。60℃未満では溶媒の除去に時間を要する場合があり、250℃より高いと、バインダーが劣化する場合がある。なお、正極の形成は、後述の負極を形成する前でも、後でもよい。
本発明の正極の厚みは、10μm以上200μm以下であることが好ましい。10μm未満では所望の容量を得ることが難しい場合があり、一方、200μmより厚い場合は所望の出力密度を得ることが難しい場合がある。
本発明の正極の密度は、1.0g/cm3以上4.0g/cm3以下であることが好ましい。1.0g/cm3未満であると、正極活物質、導電助材との接触が不十分となり電子伝導性が低下する場合がある。一方、4.0g/cm3より大きいと、電解液が正極内に浸透しにくくなり、リチウム伝導性が低下する場合がある。
本発明の正極の密度は、1.0g/cm3以上4.0g/cm3以下であることが好ましい。1.0g/cm3未満であると、正極活物質、導電助材との接触が不十分となり電子伝導性が低下する場合がある。一方、4.0g/cm3より大きいと、電解液が正極内に浸透しにくくなり、リチウム伝導性が低下する場合がある。
本発明の正極は、所望の厚み、密度まで圧縮させてもよい。圧縮は、特に限定されないが、例えば、ロールプレス、油圧プレス等を用いておこなうことができる。電極の圧縮は、後述の負極を形成する前でも、後でもよい。
本発明の正極は、正極1cm2あたりの電気容量が0.5mAh以上5.0mAh以下であることが好ましい。0.5mAh未満である場合は所望する容量の電池の大きさが大きくなる傾向があり、5.0mAhより多い場合は所望の出力密度を得ることが難しくなる傾向がある。正極1cm2あたりの電気容量の算出は、正極作製後、リチウム金属を対極とした半電池を作製した後に、充放電特性を測定することによって算出してもよい。
本発明の正極は、正極1cm2あたりの電気容量が0.5mAh以上5.0mAh以下であることが好ましい。0.5mAh未満である場合は所望する容量の電池の大きさが大きくなる傾向があり、5.0mAhより多い場合は所望の出力密度を得ることが難しくなる傾向がある。正極1cm2あたりの電気容量の算出は、正極作製後、リチウム金属を対極とした半電池を作製した後に、充放電特性を測定することによって算出してもよい。
前記正極の正極1cm2あたりの電気容量は、特に限定されないが、集電体単位面積あたりに形成させる正極の重量で制御する方法、例えば、前述のスラリー塗工時の塗工厚みで制御することができる。
<4.セパレータ>
本発明の非水電解質二次電池に用いるセパレータは、前述の正極と負極との間に設置され、電子伝導性がなくかつリチウムイオン伝導性を有する物質であればよく、例えば、ナイロン、セルロース、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリポロピレン、ポリブテン、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミド、及びそれらを2種類以上複合したものの織布、不織布、微多孔膜などが挙げられる。セパレータには、各種可塑剤、酸化防止剤、難燃剤が含まれてもよいし、金属酸化物等が被覆されていてもよい。
<4.セパレータ>
本発明の非水電解質二次電池に用いるセパレータは、前述の正極と負極との間に設置され、電子伝導性がなくかつリチウムイオン伝導性を有する物質であればよく、例えば、ナイロン、セルロース、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリポロピレン、ポリブテン、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミド、及びそれらを2種類以上複合したものの織布、不織布、微多孔膜などが挙げられる。セパレータには、各種可塑剤、酸化防止剤、難燃剤が含まれてもよいし、金属酸化物等が被覆されていてもよい。
セパレータの厚みは、10μm以上100μm以下であることが好ましい。10μm未満の場合、正極と負極との接触する場合があり、100μmより厚い場合は電池の抵抗が高くなる場合がある。経済性、取り扱いの観点から、15μm以上50μm以下であることがさらに好ましい。
<5.非水電解質>
本発明の非水電解質二次電池に用いる非水電解質は、特に限定されないが、非水溶媒に溶質を溶解させた電解液、非水溶媒に溶質を溶解させた電解液を高分子に含浸させたゲル電解質などを用いることができる。
<5.非水電解質>
本発明の非水電解質二次電池に用いる非水電解質は、特に限定されないが、非水溶媒に溶質を溶解させた電解液、非水溶媒に溶質を溶解させた電解液を高分子に含浸させたゲル電解質などを用いることができる。
非水溶媒としては、環状の非プロトン性溶媒及び/又は鎖状の非プロトン性溶媒を含むことが好ましい。環状の非プロトン性溶媒としては、環状カーボネート、環状エステル、環状スルホン及び環状エーテルなどが例示される。鎖状の非プロトン性溶媒としては、鎖状カーボネート、鎖状カルボン酸エステル及び鎖状エーテルなどが例示される。また、前記に加えアセトニトリルなどの一般的に非水電解質の溶媒として用いられる溶媒を用いても良い。より具体的には、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチルラクトン、1、2−ジメトキシエタン、スルホラン、ジオキソラン、プロピオン酸メチルなどを用いることができる。これら溶媒は1種類で用いてもよいし、2種類以上混合しても用いてもよいが、後述の溶質を溶解させやすさ、リチウムイオンの伝導性の高さから、2種類以上混合した溶媒を用いることが好ましい。また、高分子に電解液をしみこませたゲル状電解質も用いることができる。
溶質は、特に限定されないが、例えば、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAsF6、LiCF3SO3、LiBOB(Lithium Bis (Oxalato) Borate)、LiN(SO2CF3)2などは溶媒に溶解しやすいことから好ましい。電解液に含まれる溶質の濃度は、0.5mol/L以上2.0mol/L以下であることが好ましい。0.5mol/L未満では所望のリチウムイオン伝導性が発現しない場合があり、一方、2.0mol/Lより高いと、溶質がそれ以上溶解しない場合がある。非水電解質には、難燃剤、安定化剤などの添加剤が微量含まれてもよい。
<6.非水電解質二次電池>
本発明の非水電解質二次電池の正極及び負極は、集電体の両面に同じ電極を形成させた形態であってもよく、集電体の片面に正極、一方の面に負極を形成させた形態、すなわち、バイポーラ電極であってもよい。
本発明の非水電解質二次電池は、正極側と負極側との間にセパレータを配置したものを倦回したものであってもよいし、積層したものであってもよい。正極、負極、及びセパレータには、リチウムイオン伝導を担う非水電解質が含まれている。
本発明の非水電解質二次電池の正極及び負極は、集電体の両面に同じ電極を形成させた形態であってもよく、集電体の片面に正極、一方の面に負極を形成させた形態、すなわち、バイポーラ電極であってもよい。
本発明の非水電解質二次電池は、正極側と負極側との間にセパレータを配置したものを倦回したものであってもよいし、積層したものであってもよい。正極、負極、及びセパレータには、リチウムイオン伝導を担う非水電解質が含まれている。
本発明の非水電解質二次電池における正極の電気容量と負極の電気容量との比は、下記式(1)を満たすことが好ましい。
1≦B/A≦1.2 (1)
ただし、前記式(1)中、Aは正極1cm2あたりの電気容量を示し、Bは負極1cm2あたりの電気容量を示す。
1≦B/A≦1.2 (1)
ただし、前記式(1)中、Aは正極1cm2あたりの電気容量を示し、Bは負極1cm2あたりの電気容量を示す。
B/Aが1未満である場合は、過充電時に負極の電位がリチウムの析出電位になる場合があり、一方、B/Aが1.2より大きい場合は電池反応に関与しない負極活物質多いために副反応が起こる場合がある。
本発明の非水電解質二次電池における正極と負極との面積比は、特に限定されないが、下記式(2)を満たすことが好ましい。
本発明の非水電解質二次電池における正極と負極との面積比は、特に限定されないが、下記式(2)を満たすことが好ましい。
1≦D/C≦1.2 (2)
(ただし、Cは正極の面積、Dは負極の面積を示す。)
D/Cが1未満である場合は、例えば先述のB/A=1の場合、負極の容量が正極よりも小さくなるため、過充電時に負極の電位がリチウムの析出電位になる恐れがある。一方、D/Cが1.2より大きい場合は、正極と接していない部分の負極が大きいため、電池反応に関与しない負極活物質が副反応を起こす場合がある。正極及び負極の面積の制御は特に限定されないが、例えば、スラリー塗工の際、塗工幅を制御することによって行うことができる。
(ただし、Cは正極の面積、Dは負極の面積を示す。)
D/Cが1未満である場合は、例えば先述のB/A=1の場合、負極の容量が正極よりも小さくなるため、過充電時に負極の電位がリチウムの析出電位になる恐れがある。一方、D/Cが1.2より大きい場合は、正極と接していない部分の負極が大きいため、電池反応に関与しない負極活物質が副反応を起こす場合がある。正極及び負極の面積の制御は特に限定されないが、例えば、スラリー塗工の際、塗工幅を制御することによって行うことができる。
本発明の非水電解質二次電池に用いるセパレータと負極との面積比は特に限定されないが、下記式(3)を満たすことが好ましい。
1≦F/E≦1.5 (3)
(ただし、Eは負極の面積、Fはセパレータの面積を示す。)
F/Eが1未満である場合は、正極と負極とが接触し、1.5より大きい場合は外装に要する体積が大きくなり、電池の出力密度が低下する場合がある。
1≦F/E≦1.5 (3)
(ただし、Eは負極の面積、Fはセパレータの面積を示す。)
F/Eが1未満である場合は、正極と負極とが接触し、1.5より大きい場合は外装に要する体積が大きくなり、電池の出力密度が低下する場合がある。
本発明の非水電解質二次電池に用いる非水電解質の量は、特に限定されないが、電池容量1Ahあたり、0.1mL以上であることが好ましい。0.1mL未満の場合、電極反応に伴うリチウムイオンの伝導が追いつかず、所望の電池性能が発現しない場合がある。
非水電解質は、あらかじめ正極、負極及びセパレータに含ませてもよいし、正極側と負極側との間にセパレータを配置したものを倦回、あるいは積層した後に添加してもよい。
非水電解質は、あらかじめ正極、負極及びセパレータに含ませてもよいし、正極側と負極側との間にセパレータを配置したものを倦回、あるいは積層した後に添加してもよい。
本発明の非水電解質二次電池は、前記積層体を倦回、あるいは複数積層した後にラミネートフィルムで外装してもよいし、角形、楕円形、円筒形、コイン形、ボタン形、シート形の金属缶で外装してもよい。外装には発生したガスを放出するための機構が備わっていてもよい。積層体の積層数は、所望の電圧値、電池容量を発現するまで積層させることができる。
本発明の非水電解質二次電池は、複数接続することによって組電池とすることができる。本発明の組電池は、所望の大きさ、容量、電圧によって適宜直列、並列に接続することによって作製することができる。また、各電池の充電状態の確認、安全性向上のため、前記組電池に制御回路が付属されていることが好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更可能である。
<チタン酸リチウムの合成>
負極活物質のLi4Ti5O12を、文献("Zero-Strain Insertion Material of Li [Li1/3Ti5/3] O4 for Rechargeable Lithium Cells" J. Electrochem. Soc., Volume 142, Issue 5, pp. 1431-1435 (1995))に記載されている方法で作製した。
<チタン酸リチウムの合成>
負極活物質のLi4Ti5O12を、文献("Zero-Strain Insertion Material of Li [Li1/3Ti5/3] O4 for Rechargeable Lithium Cells" J. Electrochem. Soc., Volume 142, Issue 5, pp. 1431-1435 (1995))に記載されている方法で作製した。
すなわち、まず二酸化チタンと水酸化リチウムを、チタンとリチウムとのモル比を5:4となるように混合し、次にこの混合物を窒素雰囲気下800℃で12時間加熱することによって実施例及び比較例に用いる負極活物質を作製した。
この負極活物質に対して、下記に記載したとおり、芳香族アルコールに浸漬して、表面に芳香族アルコールを吸着させる処理を施した(合成例1〜6)。
この負極活物質に対して、下記に記載したとおり、芳香族アルコールに浸漬して、表面に芳香族アルコールを吸着させる処理を施した(合成例1〜6)。
(合成例1)
芳香族アルコールとしてカテコールを用いて、6.0×10-5mol/L水溶液1Lを調製した。この水溶液に100gの粉末状の前記負極活物質を落として、室温下、1時間攪拌した。つぎに、上澄み液を除去した後に、脱イオン水(1L)で5回洗浄した。最後に、105℃で12時間真空乾燥させることによって表面に芳香族アルコールを吸着させたチタン酸リチウムを調製した。この負極活物質に存在する芳香族アルコールの存在は、拡散反射法FT−IRによって確認した。また、定量は、GC−MASSで測定することによって算出した。これらの結果から、前記負極活物質に吸着しているカテコールは、負極活物質100重量部に対して、0.0012重量部であった。
芳香族アルコールとしてカテコールを用いて、6.0×10-5mol/L水溶液1Lを調製した。この水溶液に100gの粉末状の前記負極活物質を落として、室温下、1時間攪拌した。つぎに、上澄み液を除去した後に、脱イオン水(1L)で5回洗浄した。最後に、105℃で12時間真空乾燥させることによって表面に芳香族アルコールを吸着させたチタン酸リチウムを調製した。この負極活物質に存在する芳香族アルコールの存在は、拡散反射法FT−IRによって確認した。また、定量は、GC−MASSで測定することによって算出した。これらの結果から、前記負極活物質に吸着しているカテコールは、負極活物質100重量部に対して、0.0012重量部であった。
(合成例2)
6.0×10-4mol/Lカテコール水溶液用いたこと以外は合成例1と同様にして合成例2のチタン酸リチウムを調製した。これらの結果から、前記負極活物質に存在するカテコールは、GC−MASで測定した結果、負極活物質100重量部に対して、0.017重量部であった。
6.0×10-4mol/Lカテコール水溶液用いたこと以外は合成例1と同様にして合成例2のチタン酸リチウムを調製した。これらの結果から、前記負極活物質に存在するカテコールは、GC−MASで測定した結果、負極活物質100重量部に対して、0.017重量部であった。
(合成例3)
3.0×10-3mol/Lカテコール水溶液用いたこと以外は合成例1と同様にして合成例3のチタン酸リチウムを調製した。これらの結果から、前記負極活物質に存在するカテコールは、GC−MASで測定した結果、負極活物質100重量部に対して、0.062重量部であった。
3.0×10-3mol/Lカテコール水溶液用いたこと以外は合成例1と同様にして合成例3のチタン酸リチウムを調製した。これらの結果から、前記負極活物質に存在するカテコールは、GC−MASで測定した結果、負極活物質100重量部に対して、0.062重量部であった。
(合成例4)
7.5×10-3mol/Lカテコール水溶液用いたこと以外は合成例1と同様にして合成例4のチタン酸リチウムを調製した。これらの結果から、前記負極活物質に存在するカテコールは、GC−MASで測定した結果、負極活物質100重量部に対して、0.15重量部であった。
7.5×10-3mol/Lカテコール水溶液用いたこと以外は合成例1と同様にして合成例4のチタン酸リチウムを調製した。これらの結果から、前記負極活物質に存在するカテコールは、GC−MASで測定した結果、負極活物質100重量部に対して、0.15重量部であった。
(合成例5)
2.5×10-2mol/Lカテコール水溶液用いたこと以外は合成例1と同様にして合成例5のチタン酸リチウムを調製した。これらの結果から、前記負極活物質に存在するカテコールは、GC−MASで測定した結果、負極活物質100重量部に対して、0.52重量部であった。
2.5×10-2mol/Lカテコール水溶液用いたこと以外は合成例1と同様にして合成例5のチタン酸リチウムを調製した。これらの結果から、前記負極活物質に存在するカテコールは、GC−MASで測定した結果、負極活物質100重量部に対して、0.52重量部であった。
(合成例6)
5.0×10-2mol/Lカテコール水溶液用いたこと以外は合成例1と同様にして合成例6のチタン酸リチウムを調製した。これらの結果から、前記負極活物質に存在するカテコールは、GC−MASで測定した結果、負極活物質100重量部に対して、1.0重量部であった。
5.0×10-2mol/Lカテコール水溶液用いたこと以外は合成例1と同様にして合成例6のチタン酸リチウムを調製した。これらの結果から、前記負極活物質に存在するカテコールは、GC−MASで測定した結果、負極活物質100重量部に対して、1.0重量部であった。
<実施例1>
(負極の製造)
合成例1の負極活物質を100重量部、導電助材(アセチレンブラック)を6.8重量部、及びバインダー(固形分濃度12wt%、NMP溶液)を固形分6.8重量部混合してスラリーを作製した。このスラリーをアルミニウム箔(20μm)に塗工した後に、170℃で真空乾燥することによって負極(50cm2)を作製した。
(負極の製造)
合成例1の負極活物質を100重量部、導電助材(アセチレンブラック)を6.8重量部、及びバインダー(固形分濃度12wt%、NMP溶液)を固形分6.8重量部混合してスラリーを作製した。このスラリーをアルミニウム箔(20μm)に塗工した後に、170℃で真空乾燥することによって負極(50cm2)を作製した。
負極の容量は次の充放電試験で測定した。
前述と同様の条件でアルミニウム箔の片面に電極を塗工し、16mmΦに打ち抜き動作極を作製した。Li金属を16mmΦに打ち抜き対極とした。これらの電極を用いて、動作極(片面塗工)/セパレータ/対極(Li金属)の順に試験セル(HSセル、宝泉社製)内に積層し、非水電解質(エチレンカーボネート/ジメチルカーボネート=3/7vol%、LiPF6 1mol/L)を0.15mL入れ、半電池を作製した。この半電池を25℃で一日放置した後、充放電試験装置(HJ1005SD8、北斗電工社製)に接続した。この半電池を25℃、0.4mAで定電流放電(終止電圧:1.0V)及び定電流充電(終止電圧:2.0V)を5回繰り返し、5回目の結果を負極の容量とした。その結果、負極の容量は、1.2mAh/cm2であった。
(正極の製造)
正極活物質のLi1.1Al0.1Mn1.8O4は、文献("Lithium Aluminum Manganese Oxide Having Spinel-Framework Structure for Long-Life Lithium-Ion Batteries" Electrochemical and Solid-State Letters Volume9, Issue12, Pages A557 (2006))に記載されている方法で作製した。
前述と同様の条件でアルミニウム箔の片面に電極を塗工し、16mmΦに打ち抜き動作極を作製した。Li金属を16mmΦに打ち抜き対極とした。これらの電極を用いて、動作極(片面塗工)/セパレータ/対極(Li金属)の順に試験セル(HSセル、宝泉社製)内に積層し、非水電解質(エチレンカーボネート/ジメチルカーボネート=3/7vol%、LiPF6 1mol/L)を0.15mL入れ、半電池を作製した。この半電池を25℃で一日放置した後、充放電試験装置(HJ1005SD8、北斗電工社製)に接続した。この半電池を25℃、0.4mAで定電流放電(終止電圧:1.0V)及び定電流充電(終止電圧:2.0V)を5回繰り返し、5回目の結果を負極の容量とした。その結果、負極の容量は、1.2mAh/cm2であった。
(正極の製造)
正極活物質のLi1.1Al0.1Mn1.8O4は、文献("Lithium Aluminum Manganese Oxide Having Spinel-Framework Structure for Long-Life Lithium-Ion Batteries" Electrochemical and Solid-State Letters Volume9, Issue12, Pages A557 (2006))に記載されている方法で作製した。
すなわち、二酸化マンガン、炭酸リチウム、水酸化アルミニウム、及びホウ酸の水分散液を調製し、スプレードライ法で混合粉末を作製した。このとき、二酸化マンガン、炭酸リチウム及び水酸化アルミニウムの各量は、リチウム、アルミニウム及びマンガンのモル比が1.1:0.1:1.8となるように調製した。次に、この混合粉末を空気雰囲気下900℃で12時間加熱した後、再度650℃で24時間加熱した。最後に、この粉末を95℃の水で洗浄後、乾燥させることによって実施例1に用いる正極活物質を作製した。
この正極活物質を100重量部、導電助材(アセチレンブラック)を6.8重量部、及びバインダー(固形分濃度12wt%、NMP溶液)を6.8重量部混合してスラリーを作製した。このスラリーをアルミニウム箔(20μm)に塗工した後に、170℃で真空乾燥することによって正極(50cm2)を作製した。
正極の容量は次の充放電試験で測定した。
正極の容量は次の充放電試験で測定した。
前述と同様にアルミニウム箔の片面に塗工した電極を16mmΦに打ち抜き動作極、Li金属を16mmΦに打ち抜き対極とした。これらの電極を用いて、動作極(片面塗工)/セパレータ/対極(Li金属)の順に試験セル(HSセル、宝泉社製)内に積層し、非水電解質(エチレンカーボネート/ジメチルカーボネート=3/7vol%、LiPF6 1mol/L)を0.15mL入れ、半電池を作製した。この半電池を25℃で一日放置した後、充放電試験装置(HJ1005SD8、北斗電工社製)に接続した。この半電池を25℃、0.4mAで定電流充電(終止電圧:4.5V)及び定電流放電(終止電圧:3.5V)を5回繰り返し、5回目の結果を正極の容量とした。その結果、正極の容量は、1.0mAh/cm2であった。
(非水電解質二次電池の製造)
実施例1の非水電解質二次電池を次のとおりに作製した。
電極は、アルミニウム箔の片面に正極、あるいは負極のみを片面塗工した電極を用いた。セパレータは、セルロース不職布(25μm、55cm2)を用いた。最初に、前記作製した正極(片面塗工)、負極(片面塗工)、及びセパレータを、正極(片面塗工)/セパレータ/負極(片面塗工)の順に積層した。次に、両端の正極及び負極にアルミニウムタブを振動溶着させたものを、袋状のアルミラミネートシートに入れた。非水電解質(プロピレンカーボネート/メチルエチルカーボネート=3/7vol%、LiPF6 1mol/L)を2mL入れた後に、減圧しながら封止することによってエージング処理前の非水電解質二次電池を作製した。
実施例1の非水電解質二次電池を次のとおりに作製した。
電極は、アルミニウム箔の片面に正極、あるいは負極のみを片面塗工した電極を用いた。セパレータは、セルロース不職布(25μm、55cm2)を用いた。最初に、前記作製した正極(片面塗工)、負極(片面塗工)、及びセパレータを、正極(片面塗工)/セパレータ/負極(片面塗工)の順に積層した。次に、両端の正極及び負極にアルミニウムタブを振動溶着させたものを、袋状のアルミラミネートシートに入れた。非水電解質(プロピレンカーボネート/メチルエチルカーボネート=3/7vol%、LiPF6 1mol/L)を2mL入れた後に、減圧しながら封止することによってエージング処理前の非水電解質二次電池を作製した。
エージングは、エージング処理前の非水電解質二次電池を満充電(2.7V)にしたのちに、60℃で24時間放置した。その後、室温(25℃)まで徐冷したのちに、発生したガスを抜いた後に、再度減圧しながら封止することによっておこなった。以上の工程を経て、実施例1の非水電解質二次電池を得た。
<実施例2〜6>
実施例2、実施例3、実施例4、実施例5、及び実施例6の非水電解質二次電池は、合成例1の負極活物質の代わりに、それぞれ合成例2、合成例3、合成例4、合成例5、及び合成例6の負極活物質を用いたこと以外は実施例1と同様にして非水電解質二次電池を得た。
<実施例2〜6>
実施例2、実施例3、実施例4、実施例5、及び実施例6の非水電解質二次電池は、合成例1の負極活物質の代わりに、それぞれ合成例2、合成例3、合成例4、合成例5、及び合成例6の負極活物質を用いたこと以外は実施例1と同様にして非水電解質二次電池を得た。
<比較例>
比較例の非水電解質二次電池は、合成例1の負極活物質の代わりに芳香族アルコールを吸着させていない負極活物質(チタン酸リチウム)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして非水電解質二次電池を得た。
<サイクル特性の測定>
実施例1〜6、比較例の各非水電解質二次電池を、充放電装置(HJ1005SD8、北斗電工社製)に接続し、サイクル特性を評価した。
比較例の非水電解質二次電池は、合成例1の負極活物質の代わりに芳香族アルコールを吸着させていない負極活物質(チタン酸リチウム)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして非水電解質二次電池を得た。
<サイクル特性の測定>
実施例1〜6、比較例の各非水電解質二次電池を、充放電装置(HJ1005SD8、北斗電工社製)に接続し、サイクル特性を評価した。
サイクル特性は、60℃、25mA定電流充電、25mA定電流放電を500回繰り返した。このときの実施例1〜6と比較例との充電終止電圧及び放電終止電圧は、それぞれ2.7V及び2.0Vとした。1回目の放電容量を100としたときの、500回目の放電容量及びガス発生の有無を表1に示す。
また、表1の500回充放電後の容量維持率を縦軸に、カテコール吸着処理された負極活物質中のカテコールの重量割合を横軸(対数軸)にしてプロットしたグラフを図1に示す。実施例1〜6の負極活物質中のカテコールの重量割合は、ほぼ0.001〜1.0%の範囲である。
表1から明らかなとおり、本発明の実施例1〜6の非水電解質二次電池は、比較例の非水電解質二次電池と比べて、ガス発生がしない。
表1から明らかなとおり、本発明の実施例1〜6の非水電解質二次電池は、比較例の非水電解質二次電池と比べて、ガス発生がしない。
表1又は図1から、実施例1〜6は、500回充放電後の容量維持率が87%以上を示しており、比較例の75%と比べて、サイクル安定性が向上している。
特に実施例2〜4は、500回充放電後の容量維持率が90%以上を示している。図1のグラフから、容量維持率が90%以上となるのは、負極活物質中のカテコールの重量割合がほぼ0.003〜0.2%の範囲であり、この範囲の負極活物質を用いると、特に好ましいことも分かった。
特に実施例2〜4は、500回充放電後の容量維持率が90%以上を示している。図1のグラフから、容量維持率が90%以上となるのは、負極活物質中のカテコールの重量割合がほぼ0.003〜0.2%の範囲であり、この範囲の負極活物質を用いると、特に好ましいことも分かった。
Claims (8)
- リチウムイオンの脱離及び挿入が0.3V(vs.Li+/Li)以上、2.0V(vs.Li+/Li)以下で進行する負極活物質であって、
前記負極活物質の表面の少なくとも一部に芳香族アルコールが吸着している、非水電解質二次電池用負極活物質。 - 前記負極活物質100重量部に対して、芳香族アルコールが、0.001重量部以上、1.0重量部以下で吸着している、請求項1に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
- 前記負極活物質が、チタン含有複合酸化物である、請求項1〜請求項2のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
- 前記芳香族アルコールが、カテコールである、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
- 非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法であって、
リチウムイオンの挿入・脱離反応が0.3V(vs.Li+/Li)以上2.0V(vs.Li+/Li)以下で進行する負極活物質を、芳香族アルコールが含まれる溶液内に、所定の温度で、所定の時間浸漬することによって、前記負極活物質の表面の少なくとも一部に芳香族アルコールが吸着した負極活物質を製造する方法。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の負極活物質を含む、非水電解質二次電池用負極。
- 負極、正極、セパレータ、及び非水電解質を備える非水電解質二次電池であって、前記負極として、請求項6に記載の負極を用いた、非水電解質二次電池。
- 請求項7に記載の非水電解質二次電池を複数接続した、二次電池モジュール。
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JP2012221493A JP2014075238A (ja) | 2012-10-03 | 2012-10-03 | 非水電解質二次電池用負極活物質及びその製造方法並びに非水電解質二次電池 |
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JP2017530499A (ja) * | 2014-09-30 | 2017-10-12 | エルジー・ケム・リミテッド | リチウム二次電池用負極活物質、その製造方法、それを含むリチウム二次電池用負極、及びリチウム二次電池 |
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2012
- 2012-10-03 JP JP2012221493A patent/JP2014075238A/ja active Pending
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US10205169B2 (en) | 2014-09-30 | 2019-02-12 | Lg Chem, Ltd. | Anode active material for lithium secondary battery, manufacturing method there-for, anode for lithium secondary battery comprising same, and lithium secondary battery |
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