JP2014074641A - 物理量検出装置 - Google Patents

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Kentaro Yutani
健太郎 湯谷
Takumi Kataoka
拓実 片岡
Muneo Yorinaga
宗男 頼永
Yoshiaki Sabao
佳昭 佐羽尾
Katsuichi Miyasaka
克一 宮坂
Genichi Murakami
元一 村上
Kenichi Harada
健一 原田
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Abstract

【課題】物理量検出装置において、より高い圧力下で物理量の検出を可能とする。
【解決手段】軸受22に設けられ物理量を検出する感応層12を備える物理量検出装置1において、感応層12上に、該感応層12側から順に酸化膜13とシリコン窒化膜14とを備える。シリコン窒化膜14は、酸化膜13よりも硬いため、シリコン窒化膜14を外部の部材と接する側に配置することにより、傷が付き難くなる。シリコン窒化膜14と感応層12との間に酸化膜13を配置すると、シリコン窒化膜14よりも酸化膜13のほうが膜応力が低いために、感応層12へ伝わる力を低減することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、物理量検出装置に関する。
すべり軸受の外周面にセンサを設け、摺動面上を摺動する回転軸とすべり軸受との摺動部分の物理量を検出する技術が知られている。このセンサは、感応層、絶縁層、保護層を含んで構成され、保護層には酸化膜(SiO、Al)が用いられている。(例えば、特許文献1参照。)。また、摺動面側にセンサを設け、感応層を耐摩耗性の高い被覆層で覆う技術が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
しかし、物理量検出装置にかかる圧力が高い場合には、保護層による保護が不十分となり感応層が破損する虞がある。このため、高圧条件下での物理量の検出が困難となる虞がある。
特開2010−180982号公報 特表2005−502848号公報
本発明は、物理量検出装置において、より高い圧力下で物理量の検出を可能とすることを目的とする。
上記課題を達成するために本発明は、
軸受に設けられ物理量を検出する感応層を備える物理量検出装置において、
前記感応層上に、該感応層側から順に酸化膜とシリコン窒化膜とを備える。
物理量は、例えば、圧力または温度、音とすることができるが、これらに限らない。物理量検出装置は、軸受けの内周面側に設けられていてもよく、外周面側に設けられていてもよい。軸受は、例えば、すべり軸受であってもよく、転がり軸受であってもよい。また、軸受と感応層との間に、電気を絶縁する絶縁層を設けてもよい。感応層上に酸化膜及びシリコン窒化膜を備えているため、物理量検出装置が露出していたとしても、感応層が他の部材に接することがない。そして、感応層上の感応層に近い側に酸化膜を配置し、感応層から遠い側にシリコン窒化膜を配置している。すなわち、軸受側に配置された感応層から遠ざかるにしたがって、酸化膜と、シリコン窒化膜と、を順に配置されている。これは、軸受(軸受の外輪としてもよい。)から遠ざかるにしたがって、感応層、酸化膜、シリコン窒化膜を配置しているともいえる。そして、酸化膜及びシリコン窒化膜は、感応層を覆っている。
ここで、酸化膜及びシリコン窒化膜を設けることにより、感応層が外部の部材と接することが抑制される。また、外部からの荷重が酸化膜及びシリコン窒化膜により分散されるため、感応層へかかる荷重を低減することができる。このため、物理量検出装置の耐久性を向上させることができる。すなわち、酸化膜及びシリコン窒化膜は、感応層を保護する保護層として働く。そして、シリコン窒化膜は、酸化膜よりも硬いため、シリコン窒化膜を外部の部材と接する側に配置することにより、傷が付き難くなる。しかし、仮に、シリ
コン窒化膜のみを配置し、酸化膜を配置しないと、保護層の全体が硬くなるため、外部からの力が感応層に伝わり易くなる。このため、感応層の耐久性が低下する。一方、シリコン窒化膜と感応層との間に酸化膜を配置すると、シリコン窒化膜よりも酸化膜のほうが膜応力が低いために、感応層へ伝わる力を低減することができる。したがって、物理量検出装置を例えば軸受の内周面(転がり軸受の軌道面を含んでもよい。)又は外周面に配置しても、感応層の耐久性を向上させることができる。以上より、より高圧下での物理量の検出が可能となる。なお、物理量検出装置は、軸受の表面に形成される薄膜センサとしてもよい。
本発明においては、前記シリコン窒化膜を所定の厚さとしてもよい。ここで、シリコン窒化膜の厚さが小さすぎると、他の部材と接したときの耐久性が低下する。一方、シリコン窒化膜の厚さが大きすぎると、成膜硬化時の自身の膜応力による破損を招く。したがって、シリコン窒化膜の厚さは、小さすぎても、又は、大きすぎても良くない。これに対し、例えば、シリコン窒化膜の厚さを、他の部材と接したときの耐久性を向上させるのに要する厚さ以上とし、且つ、成膜硬化時の破損を抑制できる厚さ以下とすればよい。この範囲の厚さを所定の厚さとして設定することにより、物理量検出装置の耐久性を向上させることができる。これにより、高圧下での物理量の検出が可能となる。
また、前記シリコン窒化膜の所定の厚さを、0.05μm以上で且つ0.5μm以下としてもよい。すなわち、シリコン窒化膜の厚さが0.05μm未満となるとシリコン窒化膜の耐久性が低下し、シリコン窒化膜の厚さが0.5μmを超えると成膜硬化時に破損する虞がある。したがって、シリコン窒化膜の厚さを、0.05μm以上で且つ0.5μm以下とすれば、物理量検出装置の耐久性をより向上させることができる。これにより、高圧下での物理量の検出が可能となる。
本発明においては、前記酸化膜を所定の厚さとしてもよい。ここで、酸化膜の厚さが小さすぎると、感応層へ伝わる力の低減が十分でなくなり、耐久性が低下する。一方、酸化膜の厚さが大きすぎると、酸化膜自体の強度低下を招く。したがって、酸化膜の厚さは、小さすぎても、又は、大きすぎても良くない。これに対し、例えば、酸化膜の厚さを、感応層の耐久性を向上させるのに要する厚さ以上とし、且つ、酸化膜が十分な強度を維持できる厚さ以下とすればよい。この範囲の厚さを所定の厚さとして設定することにより、物理量検出装置の耐久性を向上させることができる。これにより、高圧下での物理量の検出が可能となる。
また、前記酸化膜の所定の厚さを、1μm以上で且つ10μm以下としてもよい。すなわち、酸化膜の厚さが1μm未満となると感応層の耐久性が低下し、酸化膜の厚さが10μmを超えると酸化膜の耐久性が低下するため、酸化膜の厚さを、1μm以上で且つ10μm以下とすれば、物理量検出装置の耐久性をより向上させることができる。これにより、高圧下での物理量の検出が可能となる。
本発明においては、前記シリコン窒化膜と、前記酸化膜と、の厚さの合計を、2μm以上としてもよい。そうすると、感応層を十分に保護することができる。なお、これらの厚さの合計を大きくし過ぎると、荷重が分散しすぎて物理量を検出し難くなるため、これらの厚さの合計は、物理量検出装置に要求される精度又は耐久性に応じて決定してもよい。
本発明においては、前記物理量検出装置をすべり軸受の摺動面に配置することができる。このようにしても、酸化膜及びシリコン窒化膜により感応層が保護されるため、より高い圧力下で物理量の検出が可能となる。
本発明においては、前記物理量検出装置をすべり軸受の外周面に配置することができる
。このようにすることで、感応層が受ける荷重をより小さくすることができるため、より高い圧力下で物理量の検出が可能となる。
本発明においては、前記物理量検出装置を転がり軸受の軌道面に配置することができる。このような場合には、すべり軸受よりも物理量検出装置に大きな荷重がかかるが、酸化膜及びシリコン窒化膜により荷重を分散させることができるため、より高い圧力下で物理量の検出が可能となる。
本発明によれば、物理量検出装置において、より高い圧力下で物理量の検出が可能となる。
実施例1に係る物理量検出装置を設けたすべり軸受を示す図である。 すべり軸受を内燃機関に取り付けたときの該すべり軸受の周辺の断面図である。 物理量検出装置の断面図である。 クランクシャフト側から物理量検出装置を見た図である。 内燃機関を4000rpm、全負荷の状態で30分運転した後の物理量検出装置の生存率を、保護層の厚さ毎に示した図である。 シリコン窒化膜の厚さと生存率との関係を示した図である。 酸化膜の厚さと生存率との関係を示した図である。 厚さ2μmの酸化膜のみを備えた場合と、厚さ0.5μmのシリコン窒化膜及び2μmの酸化膜の両方を備えた場合と、の検出可能な圧力の限界値(検出圧力限界値)を示した図である。 実施例2に係る物理量検出装置を示す図である。 物理量検出装置の断面図である。 すべり軸受の外周の周方向の長さと、物理量検出装置の出力との関係を示した図である。 内燃機関を4000rpm、全負荷の状態で30分運転した後の、物理量検出装置の生存率を示した図である。 転がり軸受を内燃機関に取り付けたときの該転がり軸受の周辺の断面図である。 物理量検出装置の断面図である。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
図1は、本実施例に係る物理量検出装置1を設けたすべり軸受2を示す図である。物理量検出装置1は、すべり軸受2の内周面に設けられている。物理量検出装置1は、薄膜のセンサである。
図2は、すべり軸受2を内燃機関50に取り付けたときの該すべり軸受2の周辺の断面図である。内燃機関50は、出力軸となるクランクシャフト51を有しており、該クランクシャフト51は、複数のすべり軸受2を介してシリンダブロック52に回転可能に支持されている。
クランクシャフト51は、シリンダブロック52の下側にボルト53で結合されるクランクキャップ54との間に挟まれた状態で回転自在に支持されている。
そして、クランクシャフト51の外周面と、シリンダブロック52の下側と、の間、及び、クランクシャフト51の外周面と、クランクキャップ54と、の間には、すべり軸受2が配置される。なお、すべり軸受2は、シリンダブロック52側と、クランクキャップ54側と、で2分割されており、以下、シリンダブロック52側のすべり軸受2を上側すべり軸受21と称し、クランクキャップ54側のすべり軸受2を下側すべり軸受22と称する。
上側すべり軸受21は、シリンダブロック52の下側に形成される嵌め合い面52Aに嵌合装着され、下側すべり軸受22は、クランクキャップ54の嵌め合い面54Aに嵌合装着される。すべり軸受2は、例えば、Al系合金、Cu系合金などによって形成される。
上側すべり軸受21には、内周面の軸方向中間領域に一定深さの油溝23が設けられている。そして、上側すべり軸受21の外周面から油溝23に向かって上側すべり軸受21を貫通する油孔24が設けられている。
シリンダブロック52には、油孔24に通じる油路52Bが形成されている。シリンダブロック52の油路52Bや、上側すべり軸受21の油孔24および油溝23を経てエンジンオイル(潤滑油)が供給される。なお、クランクシャフト51の内部にも、エンジンオイルを供給するための通路を設けていてもよい。
図3は、物理量検出装置1の断面図である。本実施例に係る物理量検出装置1は、圧力センサである。物理量検出装置1は、下側すべり軸受22の内周面に配置されている。すなわち、物理量検出装置1は、下側すべり軸受22とクランクシャフト51との摺動部分の圧力を検出する。なお、物理量検出装置1を上側すべり軸受21の内周面に配置してもよい。物理量検出装置1は、絶縁層11、感応層12、酸化膜13、シリコン窒化膜14を備えて構成される。絶縁層11、酸化膜13、シリコン窒化膜14は、すべり軸受2の内周面側から順に層状に形成されており、絶縁層11と、酸化膜13と、の間に感応層12が配置される。
感応層12は、例えば、Cu−Mn−Ni系合金(マンガニン)、Cr−Al系合金等のような圧力に対して電気抵抗が変化する特性を有する材質で形成されている。絶縁層11は、例えば、SiO、Al等のような絶縁性を有する材質で形成されている。シリコン窒化膜14の材質はSiNである。酸化膜13は、例えば、SiO、Al等のような絶縁性を有する材質で形成されている。絶縁層11と酸化膜13とは、同じ材質としてもよい。なお、これらの材質は一例であって、同様の特性を有する材質であれば上記以外の材質を用いてもよい。
図4は、クランクシャフト51側から物理量検出装置1を見た図である。物理量検出装置1は、その一部分の幅が他の部分の幅よりも狭くなるように形成される。すなわち、物理量検出装置1の中央部15の幅がその両側の部分16,17の幅に比べて小さくなっている。物理量検出装置1の中央部15の幅は、この中央部15の電気抵抗に比べると、他の部分(両側の部分16,17)の電気抵抗が無視できるほど小さくなるような幅に設定されている。これにより、物理量検出装置1の両端間の電気抵抗は、中央部15の電気抵抗と実質的に同じになる。そして、物理量検出装置1の中央部15に作用する圧力の変化、言い換えれば、上記摺動部分の圧力の変化を、物理量検出装置1の両端間の電気抵抗の
変化として検出する。なお、前記物理量検出装置1の形状は一例であり、少なくとも一部分に上述のような幅の狭い部分が設けられていれば、どのような形状であってもよい。
物理量検出装置1は、両端にそれぞれ接続された電線を介して例えばECU(電子制御装置)に接続されており、物理量検出装置1の検出信号がECUに入力される。ECUは、物理量検出装置1からの信号を利用して、例えば内燃機関50を制御する。
このように構成された物理量検出装置1では、酸化膜13及びシリコン窒化膜14を設けることにより、感応層12がクランクシャフト51と接することが抑制される。また、潤滑油中に含まれる異物により感応層12に傷がつくことを抑制できる。さらに、クランクシャフト51からの荷重が酸化膜13及びシリコン窒化膜14により分散されるため、感応層12かかる荷重を低減することができる。このため、感応層12が摩耗または破損することを抑制できるので、物理量検出装置1の耐久性を向上させることができる。すなわち、酸化膜13及びシリコン窒化膜14は、感応層12を保護する保護層として利用される。なお、以下では、感応層12を覆っている膜を保護層とも称する。そして、シリコン窒化膜14は、酸化膜13よりも硬いため、シリコン窒化膜14を外側、即ちクランクシャフト51側に配置することにより、潤滑油中の異物により傷がつくことを抑制できる。
なお、仮に、シリコン窒化膜14のみを配置し、酸化膜13を配置しないと、感応層12を保護する保護層全体が硬くなるため、クランクシャフト51からの荷重が感応層12に伝わり易くなる。このため、感応層12の耐久性が低下する虞がある。一方、シリコン窒化膜14と感応層12との間に酸化膜13を配置すると、シリコン窒化膜14よりも酸化膜13のほうが膜応力が低いために、感応層12にかかる荷重を低減することができる。これにより、感応層12の耐久性を向上させることができる。このようにして、高圧下での耐久性を向上させることができるため、高圧下での圧力の検出が可能となる。
なお、シリコン窒化膜14の厚さを0.05μm以上で且つ0.5μm以下とし、酸化膜13の厚さを1μm以上で且つ10μm以下とするとよい。
図5は、内燃機関を4000rpm、全負荷の状態で30分運転した後の物理量検出装置1の生存率を、保護層の厚さ毎に示した図である。なお、生存率とは、実験に用いた複数の物理量検出装置1の中で、実験終了まで圧力を検出可能であった物理量検出装置1の割合をいう。例えば、「SiN:0.05μm+SiO:2μm」は、保護層が、厚さ0.05μmのシリコン窒化膜14と、厚さ2μmの酸化膜13とからなることを示している。比較のために、酸化膜13のみの場合(SiO:2μm、SiO:10μm)、及び、シリコン窒化膜14のみの場合(SiN:0.5μm)も示している。
また、図6は、シリコン窒化膜14の厚さと生存率との関係を示した図である。図7は、酸化膜13の厚さと生存率との関係を示した図である。図6,7の実験条件は、図5と同じである。図6,7において、複合膜とは、シリコン窒化膜14と酸化膜13との両方を備えている場合を示し、単体膜とは、シリコン窒化膜14または酸化膜13の何れか一方のみを備えている場合を示している。
図5,6,7によれば、シリコン窒化膜14の厚さを0.05μm以上で且つ0.5μm以下とし、酸化膜13の厚さを1μm以上で且つ10μm以下とした複合膜において、生存率が高くなることが分かる。一方、これ以外の複合膜や、単体膜では、生存率が比較的低いことが分かる。なお、「SiN:1.0μm+SiO:2μm」の場合、及び、「SiO:10μm」の場合には、実験途中で破損したために圧力を検出することができなかった。
また、図8は、厚さ2μmの酸化膜13のみを備えた場合(SiO:2μm)と、厚さ0.5μmのシリコン窒化膜14及び2μmの酸化膜13の両方を備えた場合(SiN:0.5μm+SiO:2μm)と、の検出可能な圧力の限界値(検出圧力限界値)を示した図である。厚さ0.5μmのシリコン窒化膜14を追加するだけで、検出圧力限界値が大きくなることが分かる。
ここで、シリコン窒化膜14は厚さが大きくなると、成膜硬化時の自身の膜応力により破損しやすくなる。また、保護層に厚さが0.5μmのシリコン窒化膜14のみを設けたとしても、生存率は高くない。これは、厚さが0.5μmのシリコン窒化膜14が硬く薄いために、感応層12が受ける荷重が大きくなるためと考えられる。また、酸化膜13は、厚さが10μmを超えると強度が低下する。
以上より、シリコン窒化膜14の厚さを0.05μm以上で且つ0.5μm以下とし、酸化膜13の厚さを1μm以上で且つ10μm以下とすることで、物理量検出装置1をより高い圧力下で使用することができる。また、物理量検出装置1の耐久性を向上させることができる。
なお、シリコン窒化膜14と、酸化膜13と、の厚さの合計を、2μm以上にするとよい。そうすると、感応層12を十分に保護することができる。ただし、これらの厚さの合計を大きくし過ぎると、物理量を検出し難くなるため、これらの厚さの合計は、物理量検出装置に要求される精度又は耐久性に応じて決定してもよい。また、実験又はシミュレーションにより最適値を求めてもよい。
また、本実施例では、物理量検出装置1として圧力センサを例に挙げて説明したが、感応層12を酸化膜13及びシリコン窒化膜14で保護する形態の薄膜センサであれば他の物理量を検出するセンサにも適用することができる。例えば、温度を検出するセンサ、又は音を検出するセンサとしてもよい。
(実施例2)
図9は、本実施例に係る物理量検出装置1を示す図である。図9に示す物理量検出装置1は、上側すべり軸受21の外周面に配置されている。その他の装置等は実施例1と同じため、説明を省略する。なお、物理量検出装置1を下側すべり軸受22の外周面に配置してもよい。
図10は、物理量検出装置1の断面図である。物理量検出装置1は、絶縁層11、感応層12、酸化膜13、シリコン窒化膜14を備えて構成される。絶縁層11、酸化膜13、シリコン窒化膜14は、すべり軸受2の外周面側から順に層状に形成されており、絶縁層11と、酸化膜13と、の間に感応層12が配置される。
ここで、図11は、すべり軸受2の外周の周方向の長さと、物理量検出装置1の出力との関係を示した図である。実線は、すべり軸受2の内周面に物理量検出装置1を配置した場合を示し、破線は、すべり軸受2の外周面に物理量検出装置1を配置した場合を示している。このように、物理量検出装置1をすべり軸受2の外周面に配置しても、圧力を検出することはできる。また、物理量検出装置1が受ける荷重が低減されるので、より高圧下での圧力検出が可能となる。また、摺動部分に物理量検出装置1を配置しないことにより、物理量検出装置1の耐久性を向上させることができる。
なお、すべり軸受2の外周面に物理量検出装置1を取り付ける場合には、クランクシャフト51が物理量検出装置1上を摺動しないため、シリコン窒化膜14を樹脂に置き換え
ることができる。
図12は、内燃機関を4000rpm、全負荷の状態で30分運転した後の物理量検出装置1の生存率を、保護層の厚さ毎に示した図である。シリコン窒化膜14に代えて、ポリアミドイミドまたは樹脂フィルムを用いた場合と、酸化膜13のみを設けた場合(樹脂を設けない場合)と、を示している。
すべり軸受2の外周面側に物理量検出装置1を配置した場合には、ヤング率の低い樹脂であっても、大きな荷重が加わった際に、応力集中を緩和できるため、酸化膜13や感応層12の破損を抑制できる。なお、樹脂層が厚くなると、周方向に圧力分布が拡大するために感度が低下するので、樹脂層は比較的薄いほうが望ましい。この最適値は、実験またはシミュレーション等により求めることができる。
(実施例3)
本実施例では、前記実施例のすべり軸受2に代えて、転がり軸受40を備えている。なお、前記実施例と同じ部材については、同じ符号を付して説明を省略する。
図13は、転がり軸受40を内燃機関50に取り付けたときの該転がり軸受40の周辺の断面図である。内燃機関50においては、クランクシャフト51が複数の転がり軸受40を介してシリンダブロック52に回転可能に支持されている。物理量検出装置1は、転がり軸受40の外輪41の内周面に取り付けられている。なお、物理量検出装置1を転がり軸受40の外輪41の外周面に取り付けてもよい。
転がり軸受40は、外輪41の内周面に沿って等角度に配置される複数の転動体42、及び、転動体42を等角度に保持する保持器(図示せず)を備えて構成されている。転動体42は、円柱形であり、該転動体42の中心軸が転がり軸受40の中心軸及びクランクシャフト51の中心軸と平行になるように配置される。転動体42は、外輪41の内周面と、クランクシャフト51の外周面と、の間に配置されており、クランクシャフト51の回転に伴って外輪41の内周面及びクランクシャフト51の外周面上を夫々の周方向に回転移動する。
図14は、物理量検出装置1の断面図である。物理量検出装置1は、転がり軸受40の外輪41の内周面(軌道面)に配置されている。この外輪41の内周面上を転動体42が転がる。すなわち、物理量検出装置1は、外輪41と転動体42との接触部分の圧力を検出する。物理量検出装置1は、絶縁層11、感応層12、酸化膜13、シリコン窒化膜14を備えて構成される。絶縁層11、酸化膜13、シリコン窒化膜14は、外輪41の内周面側から順に層状に形成されており、絶縁層11と、酸化膜13と、の間に感応層12が配置される。
ここで、転がり軸受40では、外輪41と転動体42とが線接触するため、接触面積が前記実施例のすべり軸受2よりも小さくなる。このため、接触部分の圧力が大きくなり、物理量検出装置1が受ける荷重も大きくなる。これに対して、酸化膜13及びシリコン窒化膜14を設けることにより、感応層12が受ける荷重を低減することができる。これにより、高い圧力下で圧力の検出が可能となる。なお、本実施例に係る物理量検出装置1は、転がり軸受40の外輪41に発生する圧力を高回転まで検出可能であることを実験で確認した。
1 物理量検出装置
2 すべり軸受
11 絶縁層
12 感応層
13 酸化膜
14 シリコン窒化膜
21 上側すべり軸受
22 下側すべり軸受
23 油溝
24 油孔
50 内燃機関
51 クランクシャフト
52 シリンダブロック
52A 嵌め合い面
52B 油路
53 ボルト
54 クランクキャップ
54A 嵌め合い面

Claims (9)

  1. 軸受に設けられ物理量を検出する感応層を備える物理量検出装置において、
    前記感応層上に、該感応層側から順に酸化膜とシリコン窒化膜とを備える物理量検出装置。
  2. 前記シリコン窒化膜を所定の厚さとする請求項1に記載の物理量検出装置。
  3. 前記シリコン窒化膜の所定の厚さを、0.05μm以上で且つ0.5μm以下とする請求項2に記載の物理量検出装置。
  4. 前記酸化膜を所定の厚さとする請求項1から3の何れか1項に記載の物理量検出装置。
  5. 前記酸化膜の所定の厚さを、1μm以上で且つ10μm以下とする請求項4に記載の物理量検出装置。
  6. 前記シリコン窒化膜と、前記酸化膜と、の厚さの合計を、2μm以上とする請求項1から5の何れか1項に記載の物理量検出装置。
  7. 前記物理量検出装置をすべり軸受の摺動面に配置する請求項1から6の何れか1項に記載の物理量検出装置。
  8. 前記物理量検出装置をすべり軸受の外周面に配置する請求項1から6の何れか1項に記載の物理量検出装置。
  9. 前記物理量検出装置を転がり軸受の軌道面に配置する請求項1から6の何れか1項に記載の物理量検出装置。
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