JP2013174303A - 電食防止用絶縁転がり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】外周面及び軸方向両端面に絶縁層7bを形成した外輪3bを軸方向両側から挟持する構造で、しかも締め付け力の大きさが制限される様な場合でも、十分に大きなクリープ防止効果を得られる構造を実現する。
【解決手段】前記絶縁層7bのうちで前記外輪3bの軸方向両端面に存在する部分に、周方向に亙る凹溝12、12を形成する。そして、これら両凹溝12、12の開口面積分、前記両端面と、前記外輪3bを軸方向両側から挟持する段差面14及び抑え面16との当接面積を低減し、当接部分の面圧を高くする。これにより、前記締め付け力を特に大きくしなくても、前記各面同士の当接部で、微少な突部が相手面に食い込む機械的係合状態を発生させて、前記クリープ防止効果を高める。
【選択図】図2

Description

この発明は、汎用或いは鉄道車両用の電動モータの回転軸、発電機或いはCTスキャナ等の医療用機器の回転軸の様に、電流が流れる可能性がある回転支持部に組み込む電食防止用絶縁転がり軸受の改良に関する。
電動モータや発電機等、各種電気機器等の回転軸を支承する為の転がり軸受の場合、対策を講じないと、転がり軸受自体に、帰路電流、モータ軸電流等の電流が流れてしまう。転がり軸受に電流が流れた場合、電流の通路となる部分の腐食が進む、所謂電食が発生して、転がり軸受の寿命を著しく短縮してしまう。この様な電食の発生を防止する為、転がり軸受を構成する外輪や内輪の表面に絶縁層を形成する事で、転がり軸受に電流が流れない様にする電食防止用絶縁転がり軸受が、例えば特許文献1〜8に記載されている様に、従来から知られている。
前記特許文献1〜8に記載される等により従来から知られている電食防止用絶縁転がり軸受は、転がり軸受を構成する軌道輪のうちで、相手部材に嵌合支持する部分に、セラミックス、合成樹脂等の絶縁層を形成して成るもので、例えば図6に示す様に構成されている。転がり軸受は、内輪1の外周面に形成した内輪軌道2と外輪3の内周面に形成した外輪軌道4との間に複数の転動体5を配置する事で、前記内輪1と外輪3との相対的回転を自在としている。これら各転動体5は、環状の保持器6により、円周方向等間隔に配置した状態で、転動自在に保持している。そして、前記外輪3の外周面及び軸方向両端面に、セラミックス溶射層や合成樹脂の射出成形層である、絶縁層7を形成している。この様な電食防止用絶縁転がり軸受の場合、前記外輪3を金属製のハウジングに内嵌支持した状態では、前記絶縁層7が、これら外輪3とハウジングとを絶縁する。この結果、これら外輪3とハウジングとの間に電流が流れなくなり、前記転がり軸受の構成各部材1、3、5に、上述した様な電食が発生しなくなる。尚、絶縁層7を形成する軌道輪を、図示の様な外輪3に代えて、内輪1とする構造も、例えば特許文献4に記載される等により従来から知られている。
又、電食防止とクリープ防止とを図れる電食防止用絶縁転がり軸受として、図7に示す様な、外周面に1対の凹溝8、8を形成した外輪3aの表面を、絶縁層7aにより覆うと共に、これら両凹溝8、8に弾性リング9、9を装着した構造も、従来から知られている。この様な構造の電食防止用絶縁転がり軸受によれば、前記絶縁層7aにより電食防止を図れると共に、前記両弾性リング9、9が、前記凹溝8、8の底面と、前記外輪3aを内嵌した、ハウジング等の相手部材の内周面との間で弾性的に押し潰される事で、この外輪3aのクリープ防止を図れる。
上述の図7に示した様な従来構造の場合、前記両凹溝8、8の底面の直径と、前記ハウジングの内径と、前記両弾性リング9、9の自由状態での断面高さ(断面の直径)と、これら両弾性リング9、9の弾性係数との関係を適正に規制できれば、前記ハウジングに対する前記外輪3aのクリープ防止を有効に図れる。又、前記両弾性リング9、9の圧縮量を適正にして、これら両弾性リング9、9の耐久性を確保できる。但し、前記各寸法は、後から調節できないので、これら両弾性リング9、9の耐久性を確保しつつ、前記クリープ防止効果を十分に発揮させる為には、前記各寸法を精度良く仕上げる必要があり、各部の製造コストが嵩む事が避けられない。
これに対して、外輪等、絶縁層を形成した絶縁軌道輪を、軸方向両側から挟持する構造が考えられる。この絶縁軌道輪は、軌道面を形成していない周面であって相手部材に嵌合支持する嵌合側周面及び軸方向両端面に絶縁層を、これら嵌合側周面及び軸方向両端面の絶縁層を互いに連続させた状態で形成して成るものとする。この様な絶縁軌道輪を、前記相手部材に設けた段差面と、この相手部材に結合固定される抑え部材の軸方向片面である抑え面との間で軸方向両側から挟持すれば、これら相手部材と抑え部材とを結合固定する、ボルト等の結合部材の締め付け力を変える事により、前記絶縁軌道輪を抑え付ける力を調節できる。この絶縁軌道輪と前記相手部材との嵌合部は、径方向のがたつきを抑えられる程度であれば良く、締め代の許容幅を比較的広くできるので、各部の寸法精度を極端に高くする必要がなく、製造コストを低減する面から有利になる。
但し、単に前記絶縁軌道輪を軸方向両側から挟持しただけでは、必ずしも十分なクリープ防止効果を得られない可能性がある。即ち、前記相手部材と前記抑え部材とのうちの一方又は双方が、アルミニウム系合金の如き軽合金等の、比較的軟質な金属の場合には、前記相手部材と前記抑え部材とを結合固定するボルト等の結合部材の締め付け力を十分に大きくできない可能性がある。この様な場合には、前記絶縁軌道輪を軸方向両端面と前記段差面及び前記抑え面との当接部の面圧を十分に高くできず、上記クリープ防止効果を十分に得られない可能性がある。鉄系合金製のスリーブを軽合金製のハウジングに包埋してねじ孔を形成する事も考えられるが、コストが嵩む。
特開平7−238939号公報 特開平10−159841号公報 特開2006−250347号公報 特開2007−292094号公報 特開2007−333172号公報 特開2009−287658号公報 特開2010−112490号公報 実公昭52−8896号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、絶縁軌道輪を軸方向両側から挟持する構造で、しかもボルト等の結合部材による締め付け力の大きさが制限される様な場合でも、十分に大きなクリープ防止効果を得られる電食防止用絶縁転がり軸受を実現すべく発明したものである。
本発明の電食防止用絶縁転がり軸受は、外周面に内輪軌道を有する内輪と、内周面に外輪軌道を有する外輪と、これら内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体とを備える。
又、前記外輪と前記内輪とのうちの少なくとも一方である絶縁軌道輪の表面のうちで、軌道を形成していない周面であって相手部材に嵌合支持する嵌合側周面及び軸方向両端面に絶縁層を、これら嵌合側周面及び軸方向両端面の絶縁層が互いに連続する状態で形成している。
そして、前記絶縁軌道輪を前記相手部材に嵌合支持すると共に、この絶縁軌道輪を、この相手部材に設けた段差面と、この相手部材に結合固定される抑え部材の軸方向片面である抑え面との間で、軸方向両側から挟持した状態で使用される。
特に、本発明の電食防止用絶縁転がり軸受に於いては、前記絶縁層のうちで前記両端面に存在する部分に周方向に亙る凹溝を形成する事により、これら両端面と前記段差面及び前記抑え面との当接面積を低減し、当接部分の面圧を高くしている。
この様な本発明の電食防止用絶縁転がり軸受を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した発明の様に、前記絶縁層を合成樹脂製とする。
或いは、請求項3に記載した発明の様に、前記両端面の凹溝にグリースを充填した状態で使用する。
或いは、請求項4に記載した発明の様に、前記両端面の凹溝を、それぞれ全周に亙って連続する環状凹溝として、これら両環状凹溝に、弾性変形してない自由状態での軸方向に関する厚さ寸法が、これら両環状凹溝の軸方向に関する深さ寸法よりも大きな弾性リングを装着する。そして、これら両弾性リングを、これら両環状凹溝の底面と前記段差面及び前記抑え面との間で弾性的に圧縮した状態で使用する。
上述の様に構成する本発明の電食防止用絶縁転がり軸受によれば、ボルト等の結合部材による締め付け力の大きさが制限される様な場合でも、十分に大きなクリープ防止効果を得られる。この理由は、次の通りである。
先ず、絶縁層のうちで、絶縁軌道輪の軸方向両端面を被覆した部分に凹溝が形成されている分、この部分の絶縁層と、段差面及び抑え面との当接部の面積が狭くなり、これら各当接部の面圧が高くなる。これら段差面及び抑え面には微小な凹凸が存在しており、それぞれが金属製である、相手部材及び抑え部材の表面硬さは、例えば請求項2に記載した様な合成樹脂製である絶縁層の表面硬さよりも高い。この為、前記段差面及び抑え面の表面に存在する微小な突部が前記絶縁層の表面に食い込んで、互いに当接する面同士が機械的に係合する。この結果、前記クリープ防止効果が大きくなる。
又、請求項3に記載した様に、前記凹溝にグリースを充填すれば、特許文献8に記載された様なsqueeze効果によるクリープ防止効果を、上述した機械的係合に基づくクリープ防止効果に足し合わせて得られる。特に、前記絶縁層と、前記段差面及び前記抑え面との当接部の面積が狭く、これら各当接部の面圧が高い分、前記squeeze効果によるクリープ防止効果も大きくなる。又、前記絶縁層と前記段差面及び前記抑え面との当接部、更には、この絶縁層の周面と相手部材の周面との当接部で、微小な滑りに基づく摩耗粉が発生しても、この摩耗粉のうちの多くの部分が前記凹溝内のグリースに捕集される。この結果、この摩耗粉が、内輪軌道及び外輪軌道と各転動体の転動面との転がり接触部に入り込む事を防止して、電食防止用絶縁転がり軸受の運転時に発生する振動を抑えられる。
更に、請求項4に記載した発明によれば、両弾性リングの軸方向両側縁と、両環状凹溝の底面及び前記段差面及び前記抑え面との当接部に作用する大きな摩擦力により、前記クリープ防止効果を、より一層向上させられる。
本発明の実施の形態の第1例を示す部分断面図。 同じく組み付け状態で示す部分断面図。 本発明の実施の形態の第2例を示す部分断面図。 同第3例を示す部分断面図。 同第4例を示す部分断面図。 従来構造の第1例を示す半部断面図。 同第2例を示す半部断面図。
[実施の形態の第1例]
図1〜2は、請求項1〜3に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例の電食防止用絶縁転がり軸受は、単列深溝型の玉軸受である転がり軸受10を構成する外輪3bの表面の一部に、絶縁層7bを形成している。この転がり軸受10自体の構造及び作用に関しては、前述の図6〜7に示した従来構造の電食防止用絶縁転がり軸受に組み込まれている転がり軸受を含めて、従来から広く知られている転がり軸受と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分である、前記絶縁層7bの構造及びその作用を中心に説明する。
絶縁軌道輪である前記外輪3bは、内周面の軸方向中央部に深溝型の外輪軌道4を、外周面の軸方向に離隔した2箇所位置と軸方向両端面とに係止凹溝11a、11bを、それぞれ全周に亙って形成している。そして、嵌合側周面である前記外輪3bの外周面と、この外輪3bの軸方向両端面とを、合成樹脂製の前記絶縁層7bにより被覆している。この絶縁層7bは、軸方向一端面から他端面まで、切れ目なく連続している。この様な絶縁層7bは、特許文献1に記載される等により従来から知られている様に、前記外輪3bを射出成形型内にセットした状態で、この外輪3bの外面と金型の内面との間に画成されるキャビティ内に、ポリフェニレンサルファイド樹脂等の、高絶縁性の合成樹脂を射出成形する事により形成する。この合成樹脂の一部は、前記各係止凹溝11a、11b内に進入して固化するので、前記絶縁層7bと前記外輪3bとが、合成樹脂の粘着力による接着だけでなく、機械的にも強固に結合固定される。
特に、本例の電食防止用絶縁転がり軸受の場合には、前記絶縁層7bのうちで前記軸方向両端面に存在する部分に、断面形状が部分円弧状である凹溝12、12を、これら両軸方向両端面の径方向中間部に、それぞれ全周に亙って形成している。前記電食防止用絶縁転がり軸受の使用状態で前記外輪3bは、次述する様に、ハウジング13の内面に形成した段差面14と、このハウジング13に結合固定した抑え板15の抑え面16との間で軸方向に挟持する。この状態で、前記絶縁層7bのうちで前記外輪3bの軸方向両面を被覆した部分と、前記段差面14及び前記抑え面16との当接面積は、前記両凹溝12、12の開口面積分だけ狭くなる。そして、当接部分の面圧が、この当接面積が狭くなった分だけ高くなる。
上述の様な本例の電食防止用絶縁転がり軸受は、図2に示す様に、前記外輪3bを、相手部材である、例えばアルミニウム系合金の如き軽合金製の前記ハウジング13の保持孔17に内嵌支持すると共に、前記絶縁層7bのうちで前記外輪3bの軸方向一端面(図2の右端面)を被覆した部分を、この保持孔17の奥部に設けた前記段差面14に突き当てる。前記ハウジング13の外面からこの段差面14迄の距離(前記保持孔17の深さ)Lは、前記絶縁層7bを含む前記外輪3bの軸方向寸法Wよりも僅かに短い(L<W)。従って、前記軸方向一端面を被覆した前記絶縁層7bを前記段差面14に突き当てた状態で、この絶縁層7bのうちで前記外輪3bの軸方向他端面(図2の左端面)を被覆した部分は、前記ハウジング13の外面から僅かに突出する。
このハウジング13の外面で前記保持孔17の開口部を囲む部分には、例えば鋼板若しくは軽合金板により円輪状に形成した、抑え部材である前記抑え板15を、複数本のボルト20により結合固定している。この為に、前記ハウジング13の一部で前記保持孔17を囲む部分の周方向複数箇所にねじ孔21を、前記抑え板15のうちでこれら各ねじ孔21に整合する部分に通孔22を、それぞれ形成している。そして、これら各通孔22を挿通して前記各ねじ孔21に螺合し更に締め付けた前記各ボルト20により、前記抑え板15を前記ハウジング13に対し結合固定している。そして、この状態で、前記外輪3bを、前記段差面14と、前記抑え板15の軸方向片面である抑え面23との間で軸方向両側から挟持している。
上述の様に本例の電食防止用絶縁転がり軸受の場合には、前記絶縁層7bのうちで前記外輪3bの軸方向両端面を被覆した部分に、それぞれ前記凹溝12、12を形成している。この為、これら両凹溝12、12の開口面積分、前記両端面部分の絶縁層7bと、前記段差面14及び前記抑え面23との当接部の面積が狭くなり、これら各当接部の面圧が高くなる。これら段差面14及び抑え面23には、特に研削加工等の平滑面とする為の仕上げ加工を施していないので、これら各面18、23には微小な凹凸が存在する。一方、これら各面18、23を備えた、前記ハウジング13及び前記抑え板15と、前記絶縁層7とは材質が相違し、それに伴って、前記両端面を覆う絶縁層7bの表面硬さと、前記段差面14及び前記抑え面23の表面硬さとが相違する。
例えば本例の場合には、前記絶縁層7bを合成樹脂製としている為、前記ハウジング13及び前記抑え板15が軽合金製であれ、鋼製であれ、前記両端面を覆う絶縁層7bの表面硬さが、前記段差面14及び前記抑え面23の表面硬さよりも低くなる。この為、前記各当接部の面圧が十分に高くなると、これら段差面14及び抑え面23の表面に存在する微小な突部が前記絶縁層7bの表面に食い込んで、互いに当接する面同士が機械的に係合する。逆に、絶縁層がセラミック層の如き硬質材製の場合、この絶縁層の表面に存在する微小な突部が、軽合金製の段差面及び抑え面に食い込んで、互いに当接する面同士が機械的に係合する。前記距離Lと前記軸方向寸法Wとの関係さえ、前述した様に規制すれば(L<Wの関係さえ満たせば)、前記面圧は、前記各ボルト20の締め付け力を変える事により任意に調節できる。従って、各部の寸法精度を特に厳密に規制しなくても、前記面圧を適正値にできる。
何れの場合でも、上述した当接面同士の機械的係合により、前記外輪3bが前記ハウジング13に対して回転する現象である、クリープを防止する効果が大きくなる。例えば、このハウジング3bが軽合金等の、比較的軟質の金属製である場合、このハウジング3bに形成した前記各ねじ孔21に螺合した前記各ボルト20を締め付ける力に制限を受け、前記両面14、23同士の間で前記外輪3bを挟持する力を十分に大きくできない可能性がある。本例の構造によれば、この様な場合でも、前記互いに当接する面同士を機械的に係合させる事ができて、十分に大きなクリープ防止効果を得られる。
又、図示は省略するが、前記両凹溝12、12にグリースを充填すれば、前記クリープ防止効果を、より向上させると共に、電食防止用絶縁転がり軸受の運転時に発生する振動を抑える事ができる。先ず、クリープ防止効果の向上は、前記両凹溝12、12から、前記両端面部分の絶縁層7bと、前記段差面14及び前記抑え面23との当接部に染み込んだグリースによるsqueeze効果により図れる。このsqueeze効果によるクリープ防止効果は、上述した機械的係合に基づくクリープ防止効果に足し合わせて得られるし、前記各当接部の面圧が高い程、前記squeeze効果によるクリープ防止効果も大きくなる。従って、前記両凹溝12、12にグリースを充填する事により、前記ハウジング13に対する前記外輪3bのクリープ防止効果を十分に大きくできる。
又、前記絶縁層7bと前記段差面14及び前記抑え面23との当接部、更にはこの絶縁層7bの外周面と前記ハウジング13に設けた前記保持孔17の内周面との当接部で、微小な滑りに基づく摩耗粉が発生しても、この摩耗粉のうちの多くの部分が前記両凹溝12、12内のグリースに捕集される。この結果、この摩耗粉が、内輪軌道2及び外輪軌道4と各転動体5の転動面との転がり接触部に入り込む事を防止して、電食防止用絶縁転がり軸受の運転時に発生する振動を抑えられる。
[実施の形態の第2例]
図3も、請求項1〜3に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、絶縁層7bのうちで外輪3bの軸方向両端面に存在する部分に形成した凹溝12a、12aの断面形状を矩形としている。
その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
[実施の形態の第3例]
図4は、請求項1〜4に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、絶縁層7bのうちで外輪3bの軸方向両端面に存在する部分に全周に亙って形成した環状の凹溝12a、12aに、それぞれが弾性リングであり、断面形状が円形である、Oリング24、24を設置している。ゴムの如きエラストマー製の、これら両Oリング24、24は、弾性変形してない自由状態での軸方向に関する厚さ寸法tが、前記両凹溝12a、12aの軸方向に関する深さ寸法dよりも大きい(t>d)。
上述の様な両Oリング24、24を組み付けた、本例の電食防止用絶縁転がり軸受も、前述した実施の形態の第1例の場合と同様、図2に示す様に、前記外輪3bをハウジング13の保持孔17に内嵌すると共に、この保持孔17の奥部に設けた段差面14と、このハウジング13の外面で前記保持孔17の開口部を囲む部分に結合固定した抑え板15の抑え面23との間で挟持する。この状態で前記両Oリング24、24は、前記両凹溝12a、12aの底面と前記段差面18及び前記抑え面23との間で弾性的に圧縮された状態となる。この結果、前記両Oリング24、24の軸方向両端面と、前記両凹溝12a、12aの底面、前記段差面14及び前記抑え面23との当接部に大きな摩擦力が作用する状態となり、前記ハウジング13に対する前記外輪7bのクリープを防止できる。
その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第2例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
[実施の形態の第4例]
図5も、請求項1〜4に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合には、絶縁層7bのうちで外輪3bの軸方向両端面に存在する部分に全周に亙って形成した環状の凹溝12a、12aに、それぞれが合成樹脂製で断面形状が矩形である、弾性リング25、25を装着している。
その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第3例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
1 内輪
2 内輪軌道
3、3a、3b 外輪
4 外輪軌道
5 転動体
6 保持器
7、7a、7b 絶縁層
8 凹溝
9 弾性リング
10 転がり軸受
11a、11b 係止凹溝
12、12a 凹溝
13 ハウジング
14 段差面
15 抑え板
16 抑え面
17 保持孔
20 ボルト
21 ねじ孔
22 通孔
23 抑え面
24 Oリング
25 弾性リング

Claims (4)

  1. 外周面に内輪軌道を有する内輪と、内周面に外輪軌道を有する外輪と、これら内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体とを備え、これら外輪と内輪とのうちの少なくとも一方である絶縁軌道輪の表面のうちで、軌道を形成していない周面であって相手部材に嵌合支持する嵌合側周面及び軸方向両端面に絶縁層を、これら嵌合側周面及び軸方向両端面の絶縁層が互いに連続する状態で形成して成り、前記絶縁軌道輪を前記相手部材に嵌合支持すると共に、この絶縁軌道輪をこの相手部材に設けた段差面とこの相手部材に結合固定される抑え部材の軸方向片面である抑え面との間で軸方向両側から挟持した状態で使用される電食防止用絶縁転がり軸受に於いて、前記絶縁層のうちで前記両端面に存在する部分に周方向に亙る凹溝を形成する事により、これら両端面と前記段差面及び前記抑え面との当接面積を低減し、当接部分の面圧を高くした事を特徴とする電食防止用絶縁転がり軸受。
  2. 絶縁層が合成樹脂製である、請求項1に記載した電食防止用絶縁転がり軸受。
  3. 前記両端面の凹溝にグリースを充填した状態で使用する、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した電食防止用絶縁転がり軸受。
  4. 前記両端面の凹溝が、それぞれ全周に亙って連続する環状凹溝であり、これら両環状凹溝に、弾性変形してない自由状態での軸方向に関する厚さ寸法が、これら両環状凹溝の軸方向に関する深さ寸法よりも大きな弾性リングを装着し、これら両弾性リングを、これら両環状凹溝の底面と前記段差面及び前記抑え面との間で弾性的に圧縮した状態で使用する、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載した電食防止用絶縁転がり軸受。
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