JP2014074607A - タイヤ用ダイナミックバランス測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】タイヤ用ダイナミックバランス測定装置において、機械特性の変化によって測定誤差が許容範囲を満たさなくなったときに、それを精度よく検出できるようにする。
【解決手段】荷重センサから出力される荷重信号に含まれる2次以上の高調波成分信号の振幅の変化量に基づく判定値と、予め求めた正常状態における2次以上の高調波成分信号の振幅のばらつき量に基づく基準値とに基づいて、測定異常を検出するようにしている。
【選択図】図4
【解決手段】荷重センサから出力される荷重信号に含まれる2次以上の高調波成分信号の振幅の変化量に基づく判定値と、予め求めた正常状態における2次以上の高調波成分信号の振幅のばらつき量に基づく基準値とに基づいて、測定異常を検出するようにしている。
【選択図】図4
Description
本発明は、タイヤのダイナミックバランスを測定するタイヤ用ダイナミックバランス測定装置に関する。
タイヤ用ダイナミックバランス測定装置(以下「タイヤバランサ」ともいう)は、一般に、軸受を介して鉛直に支持されて回転駆動される回転軸に設けた下部リムと、該下部リムに対向して昇降可能かつ回転自在に設けられた上部リムとによって、被検タイヤを保持して回転させると共に、タイヤのアンバランスよって発生する遠心力を荷重センサで検出し、その検出結果からダイナミックバランスを算出するよう構成されている(例えば、特許文献1参照)。
かかるタイヤバランサでは、荷重センサからの荷重信号には、タイヤのアンバランス量を要因とする、回転周波数と同じ周波数の1次成分信号以外に、タイヤのアンバランス量に関係しない回転軸の回転摩擦ムラや回転動力を伝達するベルトの張力等の機械荷重による2次以上の高調波成分が含まれている。また、これらの機械荷重の大きさは、機械が正常な状態でも動作に伴ってばらつくので、2次以上の高調波成分の振幅は、機械が正常であっても或る大きさのばらつきを有している。
多数の被検タイヤのアンバランス量を測定する稼働運転中に機械特性の変化、例えば、軸受けなどの故障や回転動力を伝達するベルトの張力の変化等が発生すると、タイヤのアンバランス量に関係しない2次以上の高調波成分が大きくなると共に、1次成分信号も大きくなって正しい測定値が得られなくなる。
このため、従来では、定期的にアンバランス量の測定精度を確認するために、アンバランス量が既知のマスタータイヤのアンバランス量を測定してその測定誤差を求め、予め定めた許容誤差の範囲内であるか否かを点検するようにしている。定期点検の結果、前記許容誤差の範囲内であるときには、被検タイヤのアンバランス量を測定する稼働運転を再開し、前記許容誤差の範囲内でないときには、原因を調査してタイヤバランサの整備、調整を行うようにしている。
このような定期的な点検と点検との間の稼働運転期間中には、多数の被検タイヤのアンバランス量を測定するのであるが、この稼働運転期間中に、上述の機械特性が変化して測定誤差が大きくなって許容誤差の範囲内を超えた場合には、次の定期点検までそのことは不明であるので、次の定期点検までの期間に亘って誤ったアンバランス量の測定を継続してしまうことになる。
このため、特許文献2では、荷重センサからの荷重信号を周波数成分に分解し、その周波数成分中の2次以上の高調波成分の変化を逐次監視しておき、2次以上の高調波成分の変化が所定値以上となったときには、機械特性が変化して測定に影響を与える外乱が発生したとして測定を中止し、タイヤバランサの整備や調整を行うことが記載されている。
上記特許文献2では、2次以上の高調波成分の変化が所定値以上であるか否かを判定する、具体的には、通常時の2次の高調波成分の振幅の大きさを基準として判定している。
しかしながら、この通常時の2次の高調波成分の振幅は、タイヤバランサを調整した後の初期における2次の高調波成分の振幅であるから、タイヤバランサの調整の状態によって異なるものであり、また、初期に存在する2次の高調波成分の振幅が、所定の大きさとなるように、タイヤバランサを調整するのも困難である。また、初期に存在する2次の高調波成分の振幅の大きさと、その後の運転継続中に2次の高調波成分の振幅に生じる変化量の大きさとは直接の関係はない。
この特許文献2では、(2次の高調波成分の振幅の初期値からの変化量)/(2次の高調波成分の振幅の初期値)の値が、所定値を超えたときに、測定に影響を与える外乱が発生したとして機械的な異常を検出するものである。
したがって、タイヤバランサの調整によって、2次の高調波成分の振幅の初期値が、小さく調整されておれば、2次の高調波成分の振幅の変化量が、その初期値から僅かに大きく変化しても機械的な異常として検出される一方、タイヤバランサの調整によって、2次の高調波成分の振幅の初期値が、大きく調整されておれば、2次の高調波成分の振幅の変化量が、その初期値から大きく変化しなければ、機械的な異常として検出されないことになる。
このように特許文献2では、タイヤバランサの調整状態によって異なる2次以上の高調波成分の振幅の初期値を基準にして、運転時の2次以上の高調波成分の振幅の変化量と比較し、機械的な異常を検出しているが、初期値の大小によって比較値が大きく変化してしまう点と、双方の間に直接関係がないので、比較値に対する異常判定の許容値を一定の適切な値に定めることが難しいという問題がある。例えば、初期値の振幅の大きさ次第で、許容値を変更しなければならない。
本発明は、上述のような点に鑑みて為されたものであって、タイヤ用ダイナミックバランス測定装置において、機械特性の変化によって測定誤差が許容範囲を満たさなくなったときに、それを精度よく検出できるようにすること及び許容値の設定を容易にすることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、次のように構成している。
(1)本発明のタイヤ用ダイナミックバランス測定装置は、タイヤを回転させる回転軸と、前記タイヤの回転によって生じる荷重を検出する荷重センサと、前記回転軸の回転位置を検出する回転位置検出器とを備え、前記荷重センサからの荷重信号及び前記回転位置検出器からの検出出力に基づいて、タイヤのダイナミックバランスを測定するタイヤ用ダイナミックバランス測定装置であって、
前記荷重センサから出力される荷重信号に含まれる2次以上の高調波成分信号を抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出された前記2次以上の高調波成分信号の振幅の変化量に基づく判定値と、予め求めた正常状態における前記2次以上の高調波成分信号の振幅のばらつき量に基づく基準値とに基づいて、測定の異常を検出する異常検出手段を備える。
前記荷重センサから出力される荷重信号に含まれる2次以上の高調波成分信号を抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出された前記2次以上の高調波成分信号の振幅の変化量に基づく判定値と、予め求めた正常状態における前記2次以上の高調波成分信号の振幅のばらつき量に基づく基準値とに基づいて、測定の異常を検出する異常検出手段を備える。
前記抽出手段は、荷重信号に含まれる1次成分信号を除去して2次以上の高調波成分信号を抽出するノッチフィルタ、あるいは、2次以上の高調波成分信号を抽出するバンドパスフィルタなどであるのが好ましい。
2次以上の高調波成分信号は、次数毎の各高調波成分信号であってもよいし、複数の次数の高調波成分信号を含む合成高調波成分信号であってもよく、また、1種類のみ、例えば、2次の高調波成分信号のみであってもよいし、複数種類の高調波成分信号であってもよい。
前記基準値は、予め求めた正常状態における前記2次以上の高調波成分信号の振幅のばらつき量に基づくものである。
前記2次以上の高調波成分信号の振幅のばらつき量を予め求める前記正常状態は、当該タイヤ用ダイナミックバランス測定装置の調整が終了した初期の正常状態であるのが好ましい。
本発明のタイヤ用ダイナミックバランス測定装置によると、抽出手段で抽出された前記2次以上の高調波成分信号の振幅の変化量に基づく判定値と、予め求めた正常状態における2次以上の高調波成分信号の振幅のばらつき量に基づく基準値とに基づいて、測定異常を検出するので、稼働運転期間中に、荷重信号に含まれる2次以上の高調波成分信号の振幅が、正常状態における2次以上の高調波成分信号の振幅の標準的なばらつきの範囲を超えて変化したときには、機械特性の変化によって、測定誤差が大きくなって許容誤差の範囲内を超えた測定異常として検出することが可能となる。
しかも、正常状態における2次以上の高調波成分信号の振幅の変化を意味するばらつき量を、測定異常を検出するための基準値とし、運転中に2次以上の高調波成分の振幅の変化が、どの位の比率に拡大されているかを評価するので、評価対象と性質の異なるパラメータである正常状態における2次以上の高調波成分信号の振幅の初期値を基準値とする従来例のように基準値の大小に比率が影響を受けることなく、測定異常を高い精度で検出することができる。また、比率に対する許容値は調整の程度にかかわらず、一定の値に設定できる。
(2)本発明の好ましい実施態様では、前記判定値は、前記抽出手段で抽出された前記2次以上の高調波成分信号の振幅の、前記予め求めた正常状態における前記2次以上の高調波成分信号の振幅に対する変化量である。
前記変化量は、変化を示す量であればよく、例えば、前記抽出手段で抽出された前記2次以上の高調波成分信号の振幅と前記予め求めた正常状態における前記2次以上の高調波成分信号の振幅との差の絶対値としてもよいし、前記抽出手段で抽出された前記2次以上の高調波成分信号の振幅と前記予め求めた正常状態における前記2次以上の高調波成分信号の振幅との比などとしてもよい。
この実施態様によると、前記抽出手段で抽出された前記2次以上の高調波成分信号の振幅の、正常状態における振幅からの変化量を判定値とするので、運転時の荷重信号に含まれる2次以上の高調波成分信号の振幅が、正常状態における2次以上の高調波成分信号の振幅の標準的なばらつき、つまり標準的な大きさの変化の範囲を超えて変化したときには、機械系に異常な変化が生じることによって、もともと存在した振動が拡大することで前記変化量が大きくなって、運転中に新たに機械的な異常が発生しなければ起り得ないような大きさになり、正常状態における振幅のばらつき量に基づく基準値を超えて測定異常として検出することができる。
(3)本発明の他の実施態様では、前記判定値が、前記抽出手段で抽出された前記荷重センサから出力される荷重信号に含まれる2次以上の高調波成分信号の振幅のばらつき量であり、前記基準値が、前記予め求めた正常状態における前記2次以上の高調波成分信号の振幅のばらつき量である。
この実施態様によると、荷重信号に含まれる2次以上の高調波成分信号の振幅が、正常状態における2次以上の高調波成分信号の振幅の標準的なばらつきの範囲を超えてばらついたときには、前記抽出手段で抽出された前記荷重センサから出力される荷重信号に含まれる2次以上の高調波成分信号の振幅のばらつき量である判定値が、前記予め求めた正常状態における前記2次以上の高調波成分信号の振幅のばらつき量である基準値を上回って、測定異常を検出することができる。
(4)上記(2)の実施態様では、前記基準値が、前記予め求めた正常状態における前記2次以上の高調波成分信号の振幅のばらつき量に係数を乗じた値であり、前記係数を設定する設定手段を備える。
この実施態様によると、測定異常を検出するための基準値を規定する係数を、設定手段によって設定できるので、測定異常を検出するレベルを可変設定することができる。
(5)本発明の更に他の実施態様では、前記異常検出手段によって、測定の異常が検出されたときに、それを報知する報知手段を備える。
報知手段は、少なくとも異常であることを報知できればよく、表示出力や音声出力、あるいは、それらを組合せて報知してもよい。
この実施態様によると、異常検出手段によって測定の異常が検出されたときには、それが報知されるので、作業者は、直ちに被検タイヤの測定を停止して原因を調査し、当該タイヤ用ダイナミックバランス測定装置の整備、調整等の適宜の措置をとることができる。
本発明によれば、荷重信号に含まれる2次以上の高調波成分信号の振幅の変化量に基づく判定値と、予め求めた正常状態における前記2次以上の高調波成分信号の振幅のばらつき量に基づく基準値とに基づいて、測定の異常を検出するので、2次以上の高調波成分信号の振幅の変化量が、正常状態における高調波成分信号の振幅の標準的なばらつきにおける変化量の範囲を超えて拡大するような場合には、正常状態からの機械的特性の変化によって、測定誤差が大きくなって許容誤差の範囲内を超える測定異常であるとして検出することが可能となる。
しかも、正常状態における2次以上の高調波成分信号の振幅のばらつき量を、測定異常を検出するための基準値とし、運転時の2次以上の高調波成分信号の振幅の変化量と比較している。同じ性質のパラメータの比較であるので、正常時における大小に関係なく、正常値の変化量と運転時の変化量の大きさの比較値によって、運転時における機械的な変化量の拡大する状態が精確に把握できるので、正常状態における2次以上の高調波成分信号の振幅の初期値を基準値とする従来の構成に比べて、測定異常を高い精度で検出することができ、しかも、正常時の振幅のばらつきの大小に関らず、異常判定の許容値として同じ値を設定できる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤ用ダイナミックバランス測定装置の一部を省略して示す斜視図である。
この実施形態のタイヤバランサは、タイヤ1を上リム2と下リム(図示せず)との間に装着して中心軸P回りに回転させ、この装着したタイヤ1の上面側のアンバランスと下面側のアンバランスとを測定するものである。
このタイヤバランサは、前記中心軸Pが、地面に対して垂直となるように設けられている。すなわち、直方体状の本体3を、互いに平行する2本のトーションバー4a、4bを介して架台等の固定部5に吊り下げてあり、更に、この本体3は、この2本のトーションバー4a、4bの通る平面に平行であって、かつ、この2本のトーションバー4a、4bに直交する方向に配置された4本のトーションバー(6a、6b)、(6a、6b)を介して架台等の固定部5と結合している。
これによって、本体3は、地面に対して垂直方向に配置した2本のトーションバー4a、4bと、地面に対して平行な4本のトーションバー(6a、6b)、(6a、6b)とのそれぞれに対して直交する方向(図1の矢符Aで示される方向)にのみ移動可能に設けられている。
また、本体3の側面の上部と下部の各位置には、合計2台のロードセル等からなる荷重センサ7a、7bを設けてあり、各荷重センサ7a、7bは架台等の固定部5と結合している。これによって、各荷重センサ7a、7bは、本体3に作用する図の矢符Aの方向の力を検出することができる。
また、図に示すように、本体3の下面から回転軸8が下方に突出しており、この回転軸8には、エンコーダ9及び従動プーリ10が設けられている。回転位置検出器としてのエンコーダ9は、回転軸8の回転位置を検出するものであり、例えば、インクリメンタル式のロータリエンコーダからなる。このエンコーダ9によって、回転軸8の中心軸P回りの回転位置を検出することにより、この回転軸8と結合する下部リムの回転位置を検出することができる。この実施形態では、エンコーダ9は、基準位置である原点位置を検出して原点パルス信号を1回転毎に1個出力すると共に、回転角度に応じて角度パルス信号を1回転毎に360個出力する。
従動プーリ10は、駆動ベルト11を介して原動プーリ12と連結されており、この原動プーリ12は、サーボモータ13の駆動軸に設けられている。つまり、回転軸8は、サーボモータ13によって回転駆動される構成である。なお、タイミングベルト11の張力が、4本のトーションバー(6a、6b)、(6a、6b)を引っ張り方向に働くようにサーボモータ13を配置してあるので、荷重検センサ7a、7bにはタイミングベルト11の張力が働かないようになっている。
本体3の内部は、図示していないが、中央に貫通孔を有しており、この貫通孔の上側開口縁と下側開口縁には軸受を設けてある。そして、この2つの軸受の内側には、円筒状の上記回転軸8が嵌合しており、この回転軸8は軸受を介して回動自在に支持されている。
また、回転軸8の上面には、図に示すように円筒状のシリンダ本体14を介して下部リム(図示せず)を設けてあり、このシリンダ本体14と回転軸8が下部リム軸を構成している。
図2は、図1のタイヤバランサの測定制御系を示す概略ブロック図であり、図1に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
この実施形態のタイヤバランサは、タイヤ1の上面側のアンバランスと下面側のアンバランスとをそれぞれ測定するための第1,第2測定ユニット15a,15bを備えている。各測定ユニット15a,15bは、上述の各荷重センサ7a,7bと、各荷重センサ7a,7bでそれぞれ検出された出力を、エンコーダ9で検出された回転軸8の回転位置に対応付けられた第1,第2デジタルデータとしてそれぞれ出力する第1,第2制御器16a,16bとを有している。各制御器16a,16bには、エンコーダ9からの原点パルス信号がサンプリングのトリガ信号として与えられると共に、角度パルス信号がサンプリングのクロック信号として与えられる。
各制御器16a,16bは、図示しないA/D変換器、演算部及び通信部等を備えている。A/D変換器は、各荷重センサ7a,7bでそれぞれ検出されたアナログ荷重データをそれぞれデジタル化し、演算部は、A/D変換器でそれぞれ変換されたデジタル荷重データをフィルタリング処理し、エンコーダ9からの出力に対応付けたデジタルデータを生成し、通信部は、演算部のデジタルデータを演算装置19に送信する。
各制御器16a,16bにおいて、回転軸8の回転位置に応じてそれぞれサンプリングされた回転軸8の上側及び下側の不釣合い力に基づく第1及び第2デジタルデータは、当該デジタルデータに基づいてダイナミックバランスを演算する演算装置19へRS485等のデジタル通信線21を介して送られる。
演算装置19は、第1,第2測定ユニット15a,15bの各制御器16a,16bに対してそれぞれIDを割り当て、当該割り当てられたIDを用いて通信することにより、送信時に何れの制御器16a,16bへの命令かを区別すると共に、受信時に何れの制御器16a,16bから送られたデータであるかを認識している。
演算装置19には、演算結果の表示や後述の警報表示を行う表示器29が接続されると共に、後述の係数値やその他の設定を行う各種スイッチ等が設けられた入力設定器30が接続されている。
演算装置19は、各測定ユニット15a,15bからそれぞれ与えられる第1及び第2デジタルデータに基づいて、タイヤ1のダイナミックバランスを演算する。
タイヤ1のダイナミックバランスは、具体的には、タイヤ1の装着状態における上面側のアンバランス量を示す上側アンバランス、同じく下面側のアンバランス量を示す下側アンバランス、タイヤ1の静止状態におけるタイヤ1全体のアンバランス量を示すスタティックアンバランス、及び、タイヤ1を回転軸8の中心軸P回りに回転させたときに発生するモーメントを示すカップルアンバランスが含まれる。
次に、上述の図1に対応する図3の概略側面図に基づいて、アンバランス量の測定原理の概略を説明する。
演算装置19では、タイヤ1の上側アンバランス及び下側アンバランスについて、第1,第2荷重センサ7a,7bで検出された値(第1,第2デジタルデータ)をエンコーダ9の出力に基づいてベクトル化(第1及び第2検出ベクトルPU,PLを演算)し、当該第1及び第2検出ベクトルPU,PLに基づいて、上側及び下側アンバランスベクトルUU,ULを演算する。すなわち、上側アンバランスベクトルUU及び下側アンバランスベクトルULは以下のように示される。
UL=γ1PL+γ2PU
UU=δ1PL+δ2PU
但し、変換係数γ1,γ2,δ1,δ2は、
γ1=Z2/rω2(Z2−Z1)
γ2=−(L−Z2)/rω2(Z2−Z1)
δ1=−Z1/rω2(Z2−Z1)
δ2=(L−Z1)/rω2(Z2−Z1)
この変換係数γ1,γ2,δ1,δ2の算出式において、Z1は、下側の荷重センサ7bの設置位置とタイヤ1の下端面との間の距離を示し、Z2は下側の荷重センサ7bの設置位置とタイヤ1の上端面との間の距離を示し、Lは両荷重センサ7a,7bの設置位置間の距離を示し、ωは回転軸8の回転によるタイヤ1の角速度を示し、rは上リム2と下リム22とによって挟持されるタイヤ1の内径(上側及び下側アンバランスの位置)を示している。
UU=δ1PL+δ2PU
但し、変換係数γ1,γ2,δ1,δ2は、
γ1=Z2/rω2(Z2−Z1)
γ2=−(L−Z2)/rω2(Z2−Z1)
δ1=−Z1/rω2(Z2−Z1)
δ2=(L−Z1)/rω2(Z2−Z1)
この変換係数γ1,γ2,δ1,δ2の算出式において、Z1は、下側の荷重センサ7bの設置位置とタイヤ1の下端面との間の距離を示し、Z2は下側の荷重センサ7bの設置位置とタイヤ1の上端面との間の距離を示し、Lは両荷重センサ7a,7bの設置位置間の距離を示し、ωは回転軸8の回転によるタイヤ1の角速度を示し、rは上リム2と下リム22とによって挟持されるタイヤ1の内径(上側及び下側アンバランスの位置)を示している。
上側及び下側アンバランスベクトルUU,ULと、第1,第2ロードセル7a,7bの検出値に基づく第1,第2検出ベクトルPU,PLとを関係づける変換係数γ1,γ2,δ1,δ2は、校正を行うことによって求めることができる。すなわち、上リム2の所定の位置に質量WUの分銅を取り付けたときのPU,PLの値PUU,PLUと、下リム22の所定の位置に質量WLの分銅を取り付けたときのPU,PLの値PUL,PLLとを用いて演算することにより求められる。
更に、スタティックアンバランスについて、演算装置19は、上記で演算された上側及び下側アンバランスベクトルUU,ULを用いて演算する。具体的には、スタティックアンバランスベクトルSはS=UU+ULで示される。
以上は、基本的に従来例と同様である。
上述のように、被検タイヤのアンバランス量を測定する稼働運転においては、定期的に稼働運転を中断して点検が行われる。この定期的な点検では、アンバランス量が既知のマスタータイヤのスタティックアンバランス量を測定し、その測定誤差が、許容誤差の範囲内であるか否かを確認し、前記許容誤差の範囲内であるときには、被検タイヤのアンバランス量を測定する稼働運転を再開し、前記許容誤差の範囲内でないときには、原因を調査してタイヤバランサの整備、調整を行うようにしている。
この実施形態では、定期的な点検と次の点検との間の稼働運転期間中において、機械特性の変化、例えば回転軸8を支持する軸受けなどの故障、回転動力を伝達する駆動ベルト11の張力の変化等によって測定誤差が大きくなって測定精度が低下した場合に、それを測定異常として精度よく検出できるようにするために次のように構成している。
すなわち、荷重信号に含まれる2次以上の高調波成分信号には、種々の機械振動による変化信号が含まれていて毎回のタイヤ測定における2次以上の高調波成分信号の振幅は、タイヤバランサを調整した後の正常な状態における初期の時点で或る標準偏差をもってばらついている、つまり或る標準的な大きさの変化量を持っている。
この実施形態では、被検タイヤのアンバランス量を測定する稼動運転中に、2次以上の高調波成分信号の振幅の初期値からの変化量が、2次以上の高調波成分信号の振幅に標準的に存在するばらつきとして表される変化量に比べて所定の許容値の範囲を超えた場合に、機械特性の変化によって測定異常が生じたとして検出するものである。
具体的には、タイヤバランサを調整した初期の正常状態における2次以上の高調波成分信号の振幅の平均値に対する稼働運転中における2次の高調波成分信号の振幅の変化量を判定値とし、この判定値と、正常状態における2次以上の高調波成分信号の振幅のばらつき量に基づく基準値とに基づいて、測定異常を検出する。
このため、図2に示される荷重センサ7a,7bからの荷重信号が入力される各制御器16a,16bの内の一方の制御器、例えば、制御器16aには、荷重センサ7aからの荷重信号のアンバランス量を測定するための従来の信号ルートとは別に、荷重センサ7aからの荷重信号をA/D変換するA/D変換器及びA/D変換されたデジタル荷重信号に含まれる1次成分信号を除去するデジタルノッチフィルタを設け、2次以上の高調波信号成分を抽出し、抽出した2以上の高調波成分信号を演算装置19に与えるようにしている。
したがって、演算装置19には、従来と同様に、上下のアンバランス量測定用のデジタルデータが、第1,2測定ユニット15a,15bから与えられると共に、新たに、第1測定ユニット15aから2次以上の高調波成分信号が与えられる。
図4は、この実施形態の測定異常の検出処理の概略を説明するためのブロック図である。
上述のように、荷重センサ7aからの荷重信号をA/D変換するA/D変換器23と、A/D変換されたデジタル荷重信号に含まれる1次成分信号を除去して2次以上の高調波成分信号を抽出するデジタルノッチフィルタ24と、この2次以上の高調波成分信号に基づいて、測定異常を検出する異常検出手段25とを備える。
デジタルノッチフィルタ24によって1次成分信号のみを減衰させた後の2次以上の高調波成分信号には、3次以上の高調波成分信号も含まれるが、それぞれの次数の高調波成分信号も機械特性の変化に応じて変化するので、合成信号として測定異常の検出に用いればよい。
なお、この実施形態では、荷重センサ7aからの荷重信号をA/D変換してデジタルノッチフィルタ24によって2次以上の高調波成分信号を抽出したけれども、他の実施形態として、アナログノッチフィルタによって荷重信号に含まれる1次成分信号を除去して2次以上の高調波成分信号を抽出し、その後A/D変換してもよい。
異常検出手段25は、デジタルノッチフィルタ24から出力される2以上の高調波成分信号の振幅を算出する振幅算出部26と、予め求められた正常状態における2次以上の高調波成分信号の振幅及びその標準偏差が初期値として格納される初期値記憶部27と、振幅算出部26からの振幅と初期値記憶部27からの初期値とに基づいて、後述のようにして測定異常の有無を判定する判定部28とを備えている。なお、この図4の各ブロックの機能は、上述の図2の制御器16a及び演算装置19によって実現される。
以下、測定異常の検出の処理手順を詳細に説明する。
先ず、稼働運転に先立って、タイヤバランサの調整後の初期の正常な状態において、初期値を取得するための初期運転を行う。
この初期運転では、十分多くの2次上の高調波成分信号の振幅を測定し、2次以上の高調波成分信号の振幅の平均値Aaoと標準0偏差σoを算出し、これらを初期値として、初期値記憶部27に格納する。
この実施形態では、初期運転時には、作業者が初期運転モードを設定することによって、タイヤバランサは、被検タイヤを連続的に回転させて、自動的に2次以上の高調波成分信号の振幅を測定し、その平均値Aaoと標準偏差σoを算出して初期値記憶部27へ格納する。他の実施形態として、例えば、被検タイヤを一定回数回転させ、タイヤバランサは、測定した被検タイヤの2次以上の高調波成分信号の振幅を表示器29に表示するという動作を所定回数繰返し、作業者は、表示器29に表示された所定回数分の測定結果に基づいて、2次以上の高調波成分信号の振幅の平均値Aaoと標準偏差σoとを算出し、設定器30からタイヤバランサに設定するようにしてもよい。
なお、2次以上の高調波成分信号は、複数次の合成高調波成分信号であるが、合成高調波成分信号は、1次成分信号の1周期の区間において2周期、3周期、…と振動を繰り返す2次、3次、…の高調波成分信号の合成であるから、合成高調波成分信号の振幅は、1次成分信号の1周期の期間を単位として最大値と最小値を求めてその差を取ることによって得ることができる。
この初期運転では、タイヤ測定に十分長い時間が取れるので、被検タイヤをタイヤバランサに装着し、十分長い時間、例えば、20秒〜30秒程度の期間連続回転させて多くの2次以上の高調波成分信号を取得し、それらの振幅を求める。更に、求めた十分な個数の2次以上の高調波成分の振幅の平均値を求め、その平均値を初期高調波振幅Aaoとする。
ここで、稼働運転時の限られた測定時間、例えば、数秒程度の測定時間内において測定できる2次以上の高調波成分信号の振幅の個数をq個とすると、上記の初期運転で求めた多くの2次以上の高調波成分信号の振幅をq個ずつに区分し、q個毎の平均値をそれぞれ求めると共に、q個ずつの平均振幅値の標準偏差値σqを求め、それを初期標準偏差σoとする。
このようにして初期運転によって予め求めた初期高調波振幅Aao及び初期標準偏差σoを、初期値として初期値記憶部27に格納する。
なお、稼働運転時の被検タイヤの測定においても毎回、2次以上の高調波成分信号の振幅は、q個の平均値をもって1回の測定値とする。
次に、稼働運転時には、従来と同様に、被検タイヤのアンバランス量を測定すると共に、2次以上の高調波成分信号の振幅を測定する。すなわち、図4のデジタルノッチフィルタ24から出力される2次以上の高調波成分信号の振幅Axを、振幅算出部26で算出する。
判定部28では、振幅算出部26で算出された振幅値Axと、初期値記憶部27からの初期高調波振幅Aaoとから偏差量Dx=|Ax−Aao|を求める。但し、上述のように、1回のタイヤ測定に対し複数個(=q個)の高調波成分信号の振幅Axを測定し、振幅Axの平均値Axaを求めて初期高調波振幅Aaoからの変化量、すなわち、初期高調波振幅Aaoからの偏差量Dxa=|Axa−Aao|の大きさを評価する。
また、常に最新のM回の被検タイヤの測定における高調波成分信号の振幅Axaを振幅算出部26のシフトレジスタに記憶させ、測定した高調波成分信号の振幅AxaのM個の平均値Axamを算出する。判定部28では、同様に変化量Dxam=|Axam−Aao|の大きさを評価する。
この実施形態では、機械系に生じる急な特性変化と穏やかな特性変化とを判定できるようにするために、上記偏差量Dxa=|Axa−Aao|及び変化量Dxam=|Axam−Aao|の大きさをそれぞれ評価する。
偏差量Dxaに対しては、2次以上の高調波成分信号の振幅Axについての初期標準偏差σq=σoを、変化量Dxamに対しては、2次以上の高調波成分信号の振幅AxaのM個についての初期標準偏差σm=σo/M1/2を、それぞれの変化量の大きさ判定のための基準値に用いる。
判定値である偏差量Dxa及び変化量Dxamに3シグマを超えるような値を検出すれば、言い換えれば機械が正常な場合には99.7%の確率で現れないような、希な大きさの偏差量Dax及び変化量びDxamであれば、これらの値は、機械が正常な状態の場合に生じたバラツキではなく、稼働運転中に機械的に異常が生じることによって2次以上の高調波成分信号の振幅が初期値より拡大変動した結果によるものであると判定する。
すなわち、異常判定のための基準値をそれぞれ3・σq、3・σmとし、判定部28では、下記(1),(2)式が成立するか否かを判定し、何れかの式が成立したときには、測定異常であるとして警報信号を出力する。
Dax > 3・σq ……(1)
Daxm > 3・σm ……(2)
警報信号に基づいて、表示器29では、測定異常である旨を表示して報知する。なお、同時に警報音を出力したり、警報ランプを点滅させて作業者に報知するようにしてもよい。また、被検タイヤの測定を自動的に停止させるようにしてもよい。
Daxm > 3・σm ……(2)
警報信号に基づいて、表示器29では、測定異常である旨を表示して報知する。なお、同時に警報音を出力したり、警報ランプを点滅させて作業者に報知するようにしてもよい。また、被検タイヤの測定を自動的に停止させるようにしてもよい。
これによって、作業者は、機械的特性の変化によって、測定誤差が大きくなって許容誤差の範囲内を超える測定異常が生じたことを認識することができ、原因を調査してタイヤバランサの整備、調整を行うことができる。
ここで、上記(1)、(2)式における異常と判定するための正常状態の許容値である係数値「3」を、当該タイヤバランサに設けられている設定器30を操作することによって、外部より設定可能な実数値Ql、Q2としてもよく、測定精度の低下がほとんどないのに警報が出力される場合には、Ql、Q2の値を大きめに、反対に、測定精度の低下があって警報すべきであるのに警報が出力されなかった場合には、Ql、Q2の値を小さめに設定変更できるようにしてもよい。
例えば、Ql、Q2=3.5とすることによって、99.98% の確率のバラツキ範囲に存在しないような大きさの偏差量Dax及び変化量Dxamであれば、測定異常と判定されることになる。
上述の特許文献2では、2次以上の高調波成分の振幅の初期値を基準にして機械的な異常を検出するために、運転時の2次以上の高調波の振幅の変化量が同じ大きさでも前記振幅の初期値の大きさの如何によって比較基準が異なるので、異常判定のための許容値を決めることが困難であるのに対して、この実施形態では、2次以上の高調波成分の振幅の変化量の初期値の大きさの如何にかかわらず、2次以上の高調波成分の振幅の変化量の初期値からの変化量の大きさの比率を判定することによって測定異常を検出するので、許容値は一定の値とすることができ、しかも同じ機械的振動による振幅の大きさに対して初期時と運転時を比較するので、測定異常を精確に検出することができる。
なお、他の実施形態として、上記(1)式及び(2)式の両方が成立したときに、測定異常と判定してもよい。
[他の実施形態]
[1]2次以上の高調波成分信号の振幅の増加量と、被検タイヤのアンバランス量の測定精度の低下量との関係が必ずしも1:1に対応しない場合も存在する。
[1]2次以上の高調波成分信号の振幅の増加量と、被検タイヤのアンバランス量の測定精度の低下量との関係が必ずしも1:1に対応しない場合も存在する。
そこで、被検タイヤの測定の度に、2次以上の高調波成分信号の振幅の偏差量Dax、変化量Daxmのいずれか、または両方の値を、上述の表示器29に表示させる。
稼働運転中の途上で実施される定期点検時にマスタータイヤで現在のアンバランス量の測定精度を確認するときに、作業者は、2次以上の高調波成分信号の振幅の偏差量Dax、変化量Daxmの値を認識できる。
測定誤差の変化量が小さいにも関わらず、偏差量Daxまたは変化量Daxmが0でない値であるときには、2次以上の高調波成分信号の振幅の変化量の増加の割に、測定精度の低下量が少ない、つまり、2次以上の高調波成分信号の振幅の変化量の増加量の測定精度への相関が小さいので、2次以上の高調波成分信号の振幅の変化量の増加による検出レベルを緩めるようにする。
そのため、設定器30に、基準値修正操作用のキースイッチを設け、つまり、2次以上の高調波成分信号の振幅の変化量に関する検出レベル修正手段を設け、このスイッチを操作することによって、上述の(1)式及び(2)式の基準値を、現在表示器29に表示されているDax=dax、Daxm=daxmと置いて現在の基準値をそれぞれ3・σ q +dax、3・σm+daxmに変更し、
Dax > 3・σ q+dax ……(3)
Daxm >3・σm +daxm ……(4)
(3)式、または(4)式によって測定異常を判定する。
Dax > 3・σ q+dax ……(3)
Daxm >3・σm +daxm ……(4)
(3)式、または(4)式によって測定異常を判定する。
更に、測定精度の低下が小さい割に(測定誤差の増加量が小さい割に)2次以上の高調波成分信号の振幅の変化量の初期値からの変化量が大きい場合は、dax、daxmの値を、表示器29に表示されているDax、Daxmに更新し、検出レベルを実情に見合うように更新するようにしてもよい。
すなわち、2次以上の高調波成分信号の振幅の変化量の増加にも関わらず測定誤差への影響が小さい場合は、2次以上の高調波成分信号の振幅の変化量の増加変化に対する検出レベルを上げる。
この実施形態では、2次以上の高調波成分信号の振幅の変化量の初期値からの変化量の大きさに対する検出レベルを、実際に表れる測定誤差の変化状態に応じて変更できるようにしたので、2次以上の高調波成分信号の振幅の変化量の増加量と測定誤差の低下量の相関が不明なタイヤバランサであっても精確に測定異常を検出することができる。
[2]機械特性の変化、特に軸受けなど回転機構に劣化が生じると、1次成分信号以外の2次以上の高調波成分信号において、振幅の増加変化ばかりでなく、振幅のばらつき量が増加する現象が生じる。つまり、振幅変化量の大きさに安定性がなくなる。
そこで、上述の実施形態の(1)式、(2)式に代えて、上述の2次以上の高調波成分信号の振幅のばらつき量の初期標準偏差σq(=σo)に対して、例えば、最新の複数回の定期点検区間における2次以上の高調波成分信号の振幅の標準偏差σmが、下記(5)式を満たす場合に、測定異常と判定するようにしてもよい。
σm/σo >(1+d/100) ・・・(5)
ここで、d(%)は、振幅のばらつき量に関する許容増加率であり、例えば、d=20(%)とすると、上記(5)式は、
σm/σo >1.2
となる。
ここで、d(%)は、振幅のばらつき量に関する許容増加率であり、例えば、d=20(%)とすると、上記(5)式は、
σm/σo >1.2
となる。
すなわち、2次以上の高調波成分信号の振幅のばらつき量の初期標準偏差σq(=σo)に対して、例えば、最新の複数回の定期点検区間における2次以上の高調波成分信号の振幅の標準偏差σmが、1.2倍より大きくなると、測定異常と判定するものである。
上記のようなσmとσoとの比に限らず、例えば、変化量としてσmとσoの差の絶対値に、所定の基準値を設定して測定異常を判定してもよい。
このようにばらつき量の場合も、初期のばらつき量を基準値に置いて稼働運転時のばらつき量の大きさを評価することができる。
なお、この実施形態の(5)式等と、上述の各実施形態の(1)〜(4)の各式とを適宜組合せて測定異常を判定するようにしてもよい。
[3]上述の実施形態では、2次以上の高調波成分信号の合成信号によって測定異常を検出したけれども、本発明の他の実施形態として、荷重信号から1種類の高調波成分信号のみ、例えば、2次の高調波成分信号のみをバンドパスフィルタによって抽出し、この2次の高調波成分信号によって測定異常を検出してもよい。
また、本発明の他の実施形態として、演算部にFFT(高速フーリエ変換)演算手段を設け、FFT演算によって高調波成分を周波数毎の振幅に仕分け、周波数毎に仕分けられた振幅値の加算値を用いて測定異常を検出してもよいし、周波数毎に個別の大きさの振幅値を用いて測定異常を検出してもよい。
1 タイヤ
7,7a,7b 荷重センサ
8 回転軸
9 エンコーダ(回転位置検出器)
15a,15b 第1,第2測定ユニット
16a,16b 第1,第2制御器
19 演算装置
24 デジタルノッチフィルタ
25 異常検出手段
7,7a,7b 荷重センサ
8 回転軸
9 エンコーダ(回転位置検出器)
15a,15b 第1,第2測定ユニット
16a,16b 第1,第2制御器
19 演算装置
24 デジタルノッチフィルタ
25 異常検出手段
Claims (5)
- タイヤを回転させる回転軸と、前記タイヤの回転によって生じる荷重を検出する荷重センサと、前記回転軸の回転位置を検出する回転位置検出器とを備え、
前記荷重センサからの荷重信号及び前記回転位置検出器からの検出出力に基づいて、タイヤのダイナミックバランスを測定するタイヤ用ダイナミックバランス測定装置であって、
前記荷重センサから出力される荷重信号に含まれる2次以上の高調波成分信号を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段で抽出された前記2次以上の高調波成分信号の振幅の変化量に基づく判定値と、予め求めた正常状態における前記2次以上の高調波成分信号の振幅のばらつき量に基づく基準値とに基づいて、測定の異常を検出する異常検出手段を備える、
ことを特徴とするタイヤ用ダイナミックバランス測定装置。 - 前記判定値が、前記抽出手段で抽出された前記2次以上の高調波成分信号の振幅の、前記予め求めた正常状態における前記2次以上の高調波成分信号の振幅に対する変化量である、
請求項1に記載のタイヤ用ダイナミックバランス測定装置。 - 前記判定値が、前記抽出手段で抽出された前記荷重センサから出力される荷重信号に含まれる2次以上の高調波成分信号の振幅のばらつき量であり、
前記基準値が、前記予め求めた正常状態における前記2次以上の高調波成分信号の振幅のばらつき量である、
請求項1に記載のタイヤ用ダイナミックバランス測定装置。 - 前記基準値が、前記予め求めた正常状態における前記2次以上の高調波成分信号の振幅のばらつき量に係数を乗じた値であり、前記係数を設定する設定手段を備える、
請求項2に記載のタイヤ用ダイナミックバランス測定装置。 - 前記異常検出手段によって、測定の異常が検出されたときに、それを報知する報知手段を備える、
請求項1ないし4のいずれかに記載のタイヤ用ダイナミックバランス測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012221278A JP2014074607A (ja) | 2012-10-03 | 2012-10-03 | タイヤ用ダイナミックバランス測定装置 |
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JP2014074607A true JP2014074607A (ja) | 2014-04-24 |
Family
ID=50748851
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JP2012221278A Pending JP2014074607A (ja) | 2012-10-03 | 2012-10-03 | タイヤ用ダイナミックバランス測定装置 |
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JP (1) | JP2014074607A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11524533B2 (en) | 2018-11-06 | 2022-12-13 | Hyundai Motor Company | Apparatus and method for estimating tire resonance frequency |
-
2012
- 2012-10-03 JP JP2012221278A patent/JP2014074607A/ja active Pending
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