JP2014074128A - 接着剤及びその使用方法並びにバックグラインドフィルム - Google Patents

接着剤及びその使用方法並びにバックグラインドフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】高温で高い接着力を有するとともに、被着体から容易に剥離できる接着剤を提供する。
【解決手段】橋架環式炭化水素基を有する橋架環式アクリレート(A)と極性基を有する非橋架環式ビニル系化合物(B)と多官能ビニル系化合物(C)とを重合成分として含むビニル系共重合体を接着剤として用いる。前記多官能ビニル系化合物(C)のラジカル重合性基の合計モル数を、橋架環式アクリレート(A)のラジカル重合性基及び非橋架環式ビニル系化合物(B)のラジカル重合性基の合計100モルに対して1〜7モルに調整する。接着剤は、さらに沸点160℃以下の有機溶媒を含有させてもよい。この接着剤は、バックグラインドフィルムの接着剤として適している。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体集積回路を含むICチップなどの電気・電子デバイスの製造に利用される接着剤及びその使用方法並びにバックグラインドフィルムに関する。
ICチップは、通常、半導体単結晶(インゴット)をスライスして得られるウエハーの表面に回路を形成した後、裏面を研磨してウエハーを薄肉化するバックグラインド工程、薄肉化したウエハーをチップ状に切断するダイシング工程を経て製造される。このような製造工程において、バックグラインド工程では、回路面を保護し、作業性を向上させるために、バックグラインドフィルム(又はテープ)が使用される。このバックグラインドフィルムは、粘着層(又は接着層)と基材フィルムとで構成されており、この粘着層とウエハーの回路面とを接触させてウエハーに貼着することにより、バックグラインド工程の間、主としてウエハーの回路面を保護するために使用され、使用後は剥離除去される。詳しくは、バックグラインド工程において、回路面を異物による傷やチッピングクラック(割れ)などから防御するとともに、研磨粉などによる汚染から保護するとともに、基材フィルムの剛性を利用して研磨などの作業性を向上させている。
そのため、バックグラインドフィルムの粘着層は、バックグラインド工程においては、研磨時の衝撃に耐える接着強度を備えるとともに、使用後は容易に剥離除去できる必要がある。さらに、研磨などによりフィルムの温度が上昇するため、耐熱性も必要とされる。このような粘着層としては、硬化性アクリル系樹脂が汎用されており、使用後に硬化して粘着力を低下させることにより剥離するのが一般的であるが、硬化収縮や剥離作業による反りが生じ易い。
一方、近年、携帯電話やスマートフォン、タブレット型PCなどの多機能型モバイル機器やICカードでは、半導体ウエハーの薄肉化や大型化、高密度化などが進んでおり、従来よりもさらに割れ易い上に、反りも生じ易くなっている。従って、ICチップ製造のための補助具であるバックグラインドフィルムにも高度な機能が要求されている。
硬化収縮や剥離作業により反りを抑制するための半導体ウエハー加工用粘着シートとして、特開2001−200215号公報(特許文献1)には、半導体ウエハー加工時において用いられる、半導体ウエハー表面に貼り付けて半導体ウエハーを保持保護するための粘着シートであって、基材の片面に実質的に放射線非硬化型の粘着剤層が形成され、その表面に放射線によって硬化し、粘着力が低下する放射線硬化型粘着剤層が設けられている半導体ウエハー加工用粘着シートが開示されている。
しかし、この粘着シートでは、粘着層が二層構造であり、簡便性や生産性が低い。さらに、この粘着シートでも、樹脂の硬化により粘着力を低下させているため、粘着層の剥離性が十分でない。特に、架橋反応で硬化させるため、溶媒で洗浄しても、ウエハー表面に残存した粘着剤を完全に除去するのは困難である。
また、特開2010−184979号公報(特許文献2)には、側鎖結晶性ポリマーを含有する粘着剤層が基材フィルムの片面又は両面に設けられ、前記側鎖結晶性ポリマーの融点以上の温度で粘着力を発現する感温性粘着テープであって、前記粘着剤層が、側鎖結晶性ポリマーと、この側鎖結晶性ポリマーよりも高いガラス転移温度(Tg)を有する高Tgポリマーとの混合物に架橋剤を加えて架橋反応を行い得られるポリマーアロイからなる感温性粘着テープが開示されている。この文献には、高Tgポリマーとして、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート又はイソボルニルメタクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体が記載されている。さらに、架橋剤として、イソシアネート化合物、アジリジン化合物、エポキシ化合物、金属キレート化合物が記載されている。
しかし、この粘着テープは、ポリマーを重合した後に、架橋剤で架橋する必要があり、工程が煩雑で生産性が低い。さらに、前記粘着テープは、粘着力の素早い発現と耐熱性とを目的としており、バックグラインド工程において必要な接着力は想定されていない。また、この粘着テープをバックグラインドフィルムに利用しても、接着強度が低いため、研磨時の衝撃に耐えることができず、研磨作業性が低下する。
特開2001−200215号公報(特許請求の範囲) 特開2010−184979号公報(特許請求の範囲、段落[0025]、実施例)
従って、本発明の目的は、高温で高い接着力を有するとともに、被着体から容易に剥離できる接着剤及びその使用方法並びに前記接着剤を含むバックグラインドフィルムを提供することにある。
本発明の他の目的は、バックグラインド工程で高い接着力を有するとともに、容易にウエハーなどの被着体から剥離でき、かつ被着体に残存しても容易に洗浄除去できる接着剤及びその使用方法並びに前記接着剤を含むバックグラインドフィルムを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、室温で容易に均一に塗布でき、かつ接着性にも優れ、取り扱い性に優れる接着剤及びその使用方法並びに前記接着剤を含むバックグラインドフィルムを提供することにある。
本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、橋架環式アクリレートと極性基含有非橋架環式ビニル系化合物と多官能ビニル系化合物とを特定の割合で重合成分として含むビニル系共重合体を接着剤として用いると、高温で高い接着力を有するとともに、被着体から容易に剥離できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の接着剤は、橋架環式炭化水素基を有する橋架環式アクリレート(A)と極性基を有する非橋架環式ビニル系化合物(B)と多官能ビニル系化合物(C)とを重合成分として含むビニル系共重合体を含む接着剤であって、前記多官能ビニル系化合物(C)のラジカル重合性基の合計モル数が、橋架環式アクリレート(A)のラジカル重合性基及び非橋架環式ビニル系化合物(B)のラジカル重合性基の合計100モルに対して1〜7モルである。前記多官能ビニル系化合物(C)のラジカル重合性基の合計モル数は、橋架環式アクリレート(A)のラジカル重合性基及び非橋架環式ビニル系化合物(B)のラジカル重合性基の合計100モルに対して3〜6.5モルであってもよい。前記橋架環式アクリレート(A)と、前記非橋架環式ビニル系化合物(B)とのモル比は、前者/後者=99/1〜50/50程度である。前記橋架環式アクリレート(A)は、2〜4環性(特に2〜3環性)であり、かつ炭素数4〜20(特に6〜12)の橋架環式炭化水素基を有する単官能アクリレートであってもよい。前記多官能ビニル系化合物(C)は、複素環基(特にトリアジン環)を有する2〜4官能(特に3官能)(メタ)アクリレートであってもよい。前記非橋架環式ビニル系化合物(B)は(メタ)アクリル酸であってもよい。本発明の接着剤は、前記ビニル系共重合体を10重量%以上含んでいてもよい。本発明の接着剤は、さらに沸点160℃以下の有機溶媒(特に脂環族骨格を有する有機溶媒)を含んでいてもよい。
本発明には、前記接着剤を含むバックグラインドフィルムも含まれる。
本発明には、前記接着剤を加熱して被着体に接着する接着工程、前記接着剤を接着した被着体を研磨するバックグラインド工程、加熱下で研磨後の被着体から前記接着剤を剥離する剥離工程を含む接着剤の使用方法も含まれる。本発明の使用方法は、さらに被着体における接着剤との剥離面を沸点160℃以下の有機溶媒で洗浄する洗浄工程を含む前記接着剤の使用方法を含んでいてもよい。
本発明には、橋架環式炭化水素基を有する橋架環式アクリレート(A)と極性基を有する非橋架環式ビニル系化合物(B)と多官能ビニル系化合物(C)とを重合成分として含むビニル系共重合体であって、前記多官能ビニル系化合物(C)のラジカル重合性基の合計モル数が、橋架環式アクリレート(A)のラジカル重合性基及び非橋架環式ビニル系化合物(B)のラジカル重合性基の合計100モルに対して1〜7モルである新規なビニル系共重合体も含まれる。前記多官能ビニル系化合物(C)はトリアジン環を有する3官能(メタ)アクリレートであってもよい。
なお、本明細書では、アクリル酸及びメタクリル酸を「(メタ)アクリル酸」と総称し、アクリレート及びメタクリレートを「(メタ)アクリレート」と総称する。
本発明では、接着剤が、橋架環式炭化水素基を有する橋架環式アクリレート(A)と極性基を有する非橋架環式ビニル系化合物(B)と多官能ビニル系化合物(C)とを特定の割合で重合成分として含むビニル系共重合体を含むため、高温で高い接着力を有するとともに、被着体から容易に剥離できる。特に、バックグラインドフィルムとして有用であり、バックグラインド工程で高い接着力を有するとともに、容易にウエハーなどの被着体から剥離でき、かつ被着体に残存しても容易に洗浄除去できる。さらに、有機溶媒を含む接着剤では、室温で容易に均一に塗布でき、かつ接着性にも優れ、取り扱い性も向上できる。
[ビニル系共重合体]
本発明の接着剤は、橋架環式(架橋環式)炭化水素基を有する橋架環式アクリレート(A)と極性基を有する非橋架環式ビニル系化合物(B)と多官能ビニル系化合物(C)とを重合成分として含むビニル系共重合体を含んでおり、バックグラインド用接着剤に必要な高い温度で被着体に対して高い接着力を有するとともに、前記温度よりも高い温度では容易に被着体から剥離できる解体性接着剤である。
(A)橋架環式アクリレート
橋架環式アクリレートは、橋架環式炭化水素基を有するアクリレートであればよく、主として、接着剤に耐熱性を付与するために導入される。橋架環式炭化水素基としては、例えば、ビシクロブチル、ビシクロヘキシル、ビシクロヘプチル、ビシクロオクチル、ビシクロノニル、ビシクロデシル、トリシクロデシル、トリシクロドデシル、トリシクロウンデシル基などが挙げられる。これらの橋架環式炭化水素基は、置換基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチルなどのC1−10アルキル基、後述する極性基など)を有していてもよく、置換基を有する橋架環式炭化水素基としては、例えば、イソボルニル基、ヒドロキシジシクロペンタニル基、ヒドロキシアダマンチル基などが挙げられる。橋架環式炭化水素基は、縮合環の一部の環が橋架環であってもよく、縮合環の一部の環が橋架環である橋架環式炭化水素基としては、例えば、ジシクロペンタニル基(テトラヒドロジシクロペンタジエニル基)などが挙げられる。橋架環式炭化水素基は、エチレン性不飽和結合を有していてもよく、エチレン性不飽和結合を有する橋架環式炭化水素基としては、例えば、ジシクロペンテニル基などが挙げられるが、ビニル系共重合体に高い熱可塑性を付与し、被着体に対する剥離性にも優れる点から、エチレン性不飽和結合を有していない橋架環式炭化水素基が好ましい。
これらの橋架環式炭化水素基の炭素数は、例えば、4〜20、好ましくは5〜15、さらに好ましくは6〜12(特に7〜12)程度である。炭素数が多すぎると、共重合体の製造が困難となり、少なすぎると、接着剤の耐熱性を向上させるのが困難となる。
橋架環式炭化水素基に含まれる環数は2環以上であればよく、例えば、2〜6環、好ましくは2〜4環、さらに好ましくは2〜3環(特に3環)であってもよい。環数が多すぎると、共重合体の製造が困難となり、少なすぎると、接着剤の耐熱性を向上させるのが困難となる。なお、本明細書では、橋架環式炭化水素基に含まれる環数は、ジシクロペンタニル基のように、縮合環の一部の環に橋架環が含まれる場合、橋架環の環数だけでなく、縮合されている他の環の数も含めた合計の環数(ジシクロペンタニル基の場合、3環)を意味する。
具体的に、橋架環式アクリレートとしては、例えば、ビシクロブチルアクリレート、ビシクロヘキシルアクリレート、ビシクロヘプチルアクリレート、ビシクロオクチルアクリレート、ビシクロノニルアクリレート、ビシクロデシルアクリレート、トリシクロデシルアクリレート、トリシクロドデシルアクリレート、トリシクロウンデシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート(テトラヒドロジシクロペンタジエニルアクリレート)、ヒドロキシジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、アダマンチルアクリレート、ヒドロキシアダマンチルアクリレートなどが挙げられる。これらの橋架環式アクリレートは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの橋架環式アクリレートのうち、エチレン性不飽和結合を有さず、炭素数及び環数が前記範囲にあるアクリレート、例えば、ジシクロペンタニルアクリレートなどの2〜3環性C7−12橋架環式アクリレート(単官能アクリレート)が好ましい。
(B)極性基含有非橋架環式ビニル系化合物
極性基含有非橋架環式ビニル系化合物は、極性基を有する非橋架環式ビニル系化合物であればよく、主として、基材や被着体との密着性を付与するために導入される。極性基としては、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、酸無水物基、カルボニル基、エステル基、アミノ基、アミド基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基やエトキシ基などのC1−4アルコキシ基など)、ポリオキシアルキレン基(ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンなどのポリオキシC2−4アルキレン基など)、スルホン酸基、グリシジル基、オキサゾリル基などが挙げられる。これらの極性基は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの極性基のうち、ヒドロキシル基、カルボキシル基又は酸無水物基、環状エステル基、アミノ基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基などが汎用される。
ヒドロキシル基を有するビニル系化合物としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシC2−10アルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
カルボキシル基又は酸無水物基を有するビニル系化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸などの不飽和モノカルボン酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸又はその無水物などが挙げられる。
環状エステル基を有するビニル系化合物としては、例えば、ブチロラクトン(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレートなどのC3−12ラクトン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
アミノ基を有するビニル系化合物としては、例えば、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのジC1−4アルキルアミノC2−4アルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
アルコキシ基及び/又はポリオキシアルキレン基を有するビニル系化合物としては、例えば、メトキシエチル(メタ)アクリレートなどのC1−4アルコキシC2−4アルキル(メタ)アクリレート;メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどのC1−4アルコキシポリC2−4アルキレングリコール(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどのポリC2−4アルキレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらの極性基含有非橋架環式ビニル系化合物のうち、密着性を向上でき、かつ重合性も高い点から、(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基を有するビニル系化合物(特に、(メタ)アクリル酸)が好ましい。
非橋架環式ビニル系化合物(B)も、ビニル系共重合体に高い熱可塑性を付与し、被着体に対する剥離性にも優れる点から、単官能ビニル系化合物が好ましい。
橋架環式アクリレート(A)と非橋架環式ビニル系化合物(B)とのモル比(重合前の重合成分としてのモル比)は、例えば、前者/後者=99/1〜50/50、好ましくは95/5〜60/40、さらに好ましくは90/10〜70/30(特に85/15〜75/25)程度である。橋架環式アクリレート(A)の割合が多すぎると、基材や被着体との接着力(密着性)が低下し、少なすぎると、接着剤の耐熱性が低下する。
(C)多官能ビニル系化合物
多官能ビニル系化合物は、複数のラジカル重合性基を有するビニル系化合物であればよく、主として、接着剤に耐熱性を付与するために導入される。
多官能ビニル系化合物の分子内における官能基数は、複数であればよく、例えば、2〜8、好ましくは2〜6、さらに好ましくは3〜5(特に3〜4)程度である。官能基数が多すぎると、熱可塑性が低下し、溶媒に対する溶解性が低下するため、接着剤としての機能が低下する。一方、官能基数が少なすぎると、接着剤の耐熱性が低下する。
2官能ビニル系化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなどのアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリオキシテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの(ポリ)オキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、アダマンタンジ(メタ)アクリレートなどの橋架環式ジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
3〜8官能ビニル系化合物としては、例えば、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらの多官能ビニル系化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの多官能ビニル系化合物のうち、耐熱性に優れる点から、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、アダマンタンジ(メタ)アクリレートなどの橋架環式ジ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートなどの複素環基を有する(メタ)アクリレートが好ましく、トリアジン環などの窒素含有複素環基を有する3官能(メタ)アクリレートが特に好ましい。
多官能ビニル系化合物(C)のラジカル重合性基の合計モル数は、橋架環式アクリレート(A)のラジカル重合性基及び非橋架環式ビニル系化合物(B)のラジカル重合性基の合計100モルに対して1〜7モルであり、例えば、2〜6.8モル、好ましくは3〜6.5モル、さらに好ましくは4〜6.5モル(特に5〜6.3モル)程度であってもよい。多官能ビニル系化合物のラジカル重合性基の割合が多すぎると、熱可塑性が低下し、溶媒に対する溶解性が低下するため、接着剤としての機能が低下する。一方、少なすぎると、接着剤の耐熱性が低下し、高温での接着力も低下する。
多官能ビニル系化合物(C)の割合(重合前の重合成分としての割合)は、ラジカル重合性基の数に応じて選択できるが、橋架環式アクリレート(A)及び非橋架環式ビニル系化合物(B)の合計100モルに対して、例えば、0.1〜5モル、好ましくは0.3〜3モル、さらに好ましくは0.5〜2.5モル(特に1〜2.3モル)程度であってもよい。多官能ビニル系化合物の割合が多すぎると、熱可塑性が低下したり、室温での接着性が低下し、取り扱い性が低下する。一方、少なすぎると、接着剤の耐熱性が低下する。
(D)他のビニル系化合物
本発明のビニル系共重合体には、本発明の効果を損なわない範囲で、重合成分として、他のビニル系化合物、例えば、前記橋架環式アクリレートに対応する橋架環式メタクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、エチレンやプロピレンなどのオレフィン類、スチレン類などを含んでいてもよい。他のビニル系化合物の割合は、単量体(ラジカル重合成分)全体に対して30モル%以下、好ましくは20モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下あってもよい。特に、橋架環式メタクリレートの割合が多くなると、高温での耐熱性は向上できるものの、室温での接着性が低下する。
(ビニル系共重合体の製造方法)
ビニル系共重合体の製造方法は、慣用の方法で製造でき、前記重合成分を熱や活性エネルギー線(紫外線や電子線など)などにより重合する方法であってもよく、通常、加熱により重合する方法が利用される。加熱温度は、例えば、50〜120℃、好ましくは60〜100℃、さらに好ましくは70〜90℃程度である。重合は、溶媒中で行ってもよく、例えば、後述する接着剤の項で例示された溶媒中で行ってもよい。重合においては、必要に応じて、重合開始剤、重合禁止剤(特に熱重合開始剤)を用いてもよい。
熱重合開始剤としては、慣用の熱重合開始剤、例えば、アゾ系化合物(アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、ジメチルアソビス(メチルプロピオネート)、ジメチルアゾイソブチレート、ベンゼンジアゾニウムクロライドなど)、過酸化物(過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルパーベンゾエート、過酸化水素など)などが挙げられる。
熱重合開始剤の割合は、例えば、ラジカル重合成分(例えば、橋架環式アクリレート(A)、非橋架環式ビニル系化合物(B)及び多官能ビニル系化合物(C))の合計100重量部に対して、例えば、0.1〜10重量部、好ましくは0.3〜8重量部、さらに好ましくは0.5〜6重量部(特に1〜5重量部)程度である。
[接着剤]
本発明の接着剤は、前記ビニル系共重合体を含む。ビニル系共重合体の重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いてポリスチレン換算で、例えば、10000〜500000(例えば、30000〜300000)、好ましくは40000〜200000、さらに好ましくは50000〜150000(特に80000〜120000)程度である。分子量が大きすぎると、熱可塑性が低下したり、室温での接着性が低下し、取り扱い性が低下する。一方、小さすぎると、耐熱性が低下し、高温での接着力も低下する。
本発明の接着剤は、前記ビニル系共重合体が適度に架橋されているため、耐熱性(特に、高温での接着性)に優れるにも拘わらず、熱可塑性を示し、有機溶媒にも溶解する。そのため、有機溶媒を含む接着剤は、塗布などが容易であり、均一な塗膜を形成でき、取り扱い性に優れる。さらに、本発明の接着剤は、塗膜形成後に加熱することにより、溶媒を揮発させ、接着することでバックグラインド工程における高温での接着力を発現できる。
有機溶媒としては、例えば、アルコール類(エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、1−メトキシ−2−プロパノールなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、脂肪族炭化水素類(ヘキサンなど)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンなど)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレンなど)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタンなど)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルなど)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)などが挙げられる。これらの有機溶媒は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
有機溶媒は、塗膜の形成性を良くするために、沸点は50〜160℃程度であり、好ましくは80〜160℃、さらに好ましくは100〜160℃(特に130〜160℃)程度である。有機溶媒の沸点が高すぎると、塗膜形成後に加温しても接着剤に有機溶媒が残存し易く、接着力が低下する。一方、沸点が低すぎると、溶剤の揮発により塗膜形成性が低下する。
これらの有機溶媒のうち、ビニル系共重合体及びその単量体に対する溶解性に優れる点から、脂環族骨格を有する有機溶媒が好ましく、シクロペンタノンやシクロヘキサノンなどのC4−6シクロアルカノンが特に好ましい。
接着剤中のビニル系共重合体の割合は10重量%以上であってもよく、例えば、10〜90重量%、好ましくは20〜80重量%、さらに好ましくは30〜60重量%(特に35〜50重量%)程度である。ビニル系共重合体の割合が多すぎると、取り扱い性が低下し、少なすぎると、厚肉の塗布が困難となり、接着力が低下する。
有機溶媒を含む接着剤は、通常、前記有機溶媒の存在下でビニル系共重合体を重合させることにより調製でき、さらにビニル系共重合体の濃度を調整するため、さらに有機溶媒を添加したり、有機溶媒を蒸発除去してもよい。
本発明の接着剤は、さらに慣用の添加剤、例えば、顔料、着色剤、増粘剤、増感剤、消泡剤、安定剤、界面活性剤、帯電防止剤、充填剤などを含んでいてもよい。これらの添加剤は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
[接着剤の使用方法]
本発明の接着剤は、バックグラインド用接着剤として利用でき、例えば、接着剤を加熱して被着体に接着する接着工程、接着剤を接着した被着体を研磨するバックグラインド工程、加熱下で研磨後の被着体から前記接着剤を剥離する剥離工程を含む方法に使用できる。さらに、この使用方法は、被着体における接着剤との剥離面を有機溶媒で洗浄する洗浄工程を含んでいてもよい。
接着工程では、ビニル系共重合体を軟化可能な温度に加熱して、軟化したビニル系共重合体を被着体に接着する。バックグラインド用接着剤は、通常、被着体への接着の前に、基材フィルムの上に接着層として形成することにより、バックグラインドフィルムとして予め調製される。
特に、有機溶媒を含むバックグラインド用接着剤では、バックグラインドフィルムは、接着剤を基材フィルムに塗布した後、有機溶媒を蒸発させて除去することにより(乾燥することにより)調製される。
接着剤の塗布方法は、特に限定されず、キャスティング法、スピンコート法、スプレーコーティング法、バーコーティング法、ナイフコーティング法、ロールコーティング法、グラビアコーティング法、ディッピング法などの慣用の方法を利用できる。
有機溶媒の除去方法としては、加温して有機溶媒を蒸発させてもよい。加熱温度は、有機溶媒の沸点以上の温度であればよく、例えば、80〜200℃、好ましくは100〜180℃、さらに好ましくは120〜170℃(特に150〜170℃)程度である。
接着剤で形成された接着層の厚み(乾燥厚み)は、例えば、例えば、1〜100μm程度の範囲から選択でき、例えば、3〜50μm、好ましくは5〜30μm、さらに好ましくは10〜20μm程度である。基材フィルムと接着層との厚み比は、基材フィルム/接着層=100/1〜1/1程度の範囲から選択できるが、反りの抑制や作業性などを向上できる点から、例えば、基材フィルム/接着層=50/1〜2/1、好ましくは30/1〜3/1、さらに好ましくは20/1〜4/1(特に15/1〜5/1)程度である。
基材フィルムとしては、例えば、無機材料、有機材料のいずれで形成されていてもよい。無機材料としては、ガラス、セラミックス、金属などが挙げられる。有機材料としては、オレフィン系樹脂(鎖状オレフィン−環状オレフィン共重合体など)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなど)、ポリアミド系樹脂(ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド12など)、スチレン系樹脂(ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体など)、塩化ビニル系樹脂(ポリ塩化ビニルなど)、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、セルロースエステル系樹脂などが挙げられる。
基材フィルムの厚みは、例えば、1〜300μm、好ましくは3〜200μm、さらに好ましくは5〜150μm(特に10〜100μm)程度である。
接着剤(乾燥後のバックグラインドフィルムの接着層)を被着体に接着させるため加熱温度(ビニル系共重合体を軟化するための加熱温度)は、ビニル系共重合体を軟化可能であり、かつ熱分解しない温度であればよく、例えば、150〜300℃、好ましくは155〜280℃、さらに好ましくは160〜250℃(特に180〜220℃)程度であってもよい。
バックグラインド工程では、慣用の方法により、接着剤(バックグラインドフィルムの接着層)を半導体ウエハーなどの回路面と接触させて密着(接着)した状態で、半導体ウエハー裏面がバックグラインド処理される。
剥離工程では、接着剤を加熱下で接着剤の接着力を低下させて、接着剤(バックグラインドフィルムの接着層)から被着体を剥離する。
剥離のための加熱温度は、バックグラインド工程で接着力を要求される温度よりも高い温度であればよく、例えば、160℃以上(例えば、165〜300℃)、好ましくは170〜280℃、さらに好ましくは175〜250℃(特に180〜230℃)程度である。加熱温度が低すぎると、被着体の剥離が困難であり、高すぎると、被着体に悪影響を及ぼす可能性がある。
洗浄工程では、被着体の剥離面に残存した接着剤を有機溶媒で洗浄することにより容易に除去できる。有機溶媒としては、接着剤の項で記載された有機溶媒を利用でき、残存した接着剤に対する溶解性が高い点から、脂環族骨格を有する有機溶媒が好ましく、シクロペンタノンやシクロヘキサノンなどのC4−6シクロアルカノンが特に好ましい。
洗浄方法としては、前記有機溶媒を含浸させた布帛などで拭き取る方法、前記有機溶媒を吹き付ける方法、前記有機溶媒中に浸漬する方法などが挙げられる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で得られた樹脂及び接着剤を以下の項目で評価した。
[重量平均分子量]
重量平均分子量は、GPC(東ソー(株)製「HLC8220」)及びカラム(カラム:東ソー(株)製「TSKgel SuperHZM−M」)を用いて、ポリスチレン換算で測定した。
[引張強度]
JIS K6850に準拠して、引張速度5mm/分の条件で、引張・圧縮試験機(オリエンテック(株)製「RTF−1350」)を用いて測定した。
[原料]
ジシクロペンタニルアクリレート:日立化成工業(株)製「FA−513AS」
メタクリル酸:和光純薬工業(株)製
トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート:日立化成工業(株)製「FA−731A」
ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート):和光純薬工業(株)製「V−601」。
合成例1
ジシクロペンタニルアクリレート18g(87mmol)、メタクリル酸2g(23mmol)、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート0.2g(0.47mmol)をシクロヘキサノン30gに溶解し、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)0.6gを加え、80℃で6時間重合させ樹脂溶液Aを得た。得られた樹脂のMw(重量平均分子量)を測定したところ130000であった。
合成例2
ジシクロペンタニルアクリレート18g、メタクリル酸2g、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート0.9g(2.1mmol)をシクロヘキサノン30gに溶解し、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)0.6gを加え、80℃で6時間重合させ樹脂溶液Bを得た。得られた樹脂のMw(重量平均分子量)を測定したところ98000であった。
合成例3
ジシクロペンタニルアクリレート18g、メタクリル酸2g、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート1.2g(2.8mmol)をシクロヘキサノン30gに溶解し、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)0.6gを加え、80℃で6時間重合させたが、重合開始30分で不溶解物が析出し、均一な樹脂溶液が得られなかった。
合成例4
ジシクロペンタニルメタクリレート16g(73mmol)、ジシクロペンタニルアクリレート2g(9.7mmol)、メタクリル酸2g、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート0.6gをシクロヘキサノン30gに溶解し、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)0.6gを加え、80℃で6時間重合させ、樹脂溶液Cを得た。得られた樹脂のMw(重量平均分子量)は197000であった。
合成例5
ジシクロペンタニルアクリレート18g、メタクリル酸2gをシクロヘキサノン30gに溶解し、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)0.4gを加え、80℃で6時間重合させ樹脂溶液Dを得た。得られた樹脂のMw(重量平均分子量)は30000であった。
合成例6
ジシクロペンタニルアクリレート14g(68mmol)、メタクリル酸6g(70mmol)をシクロヘキサノン30gに溶解し、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)0.4gを加え、80℃で6時間重合させたところ、不溶物が析出し、樹脂溶液を得られなかった。
実施例1
合成例1で得られた樹脂溶液Aをガラス板に塗布し、160℃で30分間加温し、シクロヘキサノンを除去した。この積層板を200℃に加温した状態で、塗布層にシリコン板((株)SUMCO製「ポリッシュト・ウェーハ」)を圧着し、接着面積4cmを有する接着試験片とした。得られた接着試験片について、引張・圧縮試験機で引張強度を測定した結果を表1に示す。また、試験後の接着面に残る樹脂はシクロヘキサノンで5分間浸漬洗浄することにより除去できた。
実施例2
合成例2で得られた樹脂溶液Bを用いて、実施例1と同様の方法で接着試験片を作製した。得られた接着試験片について、引張・圧縮試験機で引張強度を測定した結果を表1に示す。また、試験後の接着面に残る樹脂はシクロヘキサノンで5分間浸漬洗浄することにより除去できた。
比較例1
合成例4で得られた樹脂溶液Cを用いて接着試験片を作製したが、接着後室温まで冷却した際に樹脂の破壊により自然に剥離し、引張強度を測定できなかった。
比較例2
合成例5で得られた樹脂溶液Dを用いて、実施例1と同様の方法で接着試験片を作製した。得られた接着試験片について、引張・圧縮試験機で引張強度を測定した結果を表1に示す。
Figure 2014074128
表1の結果から明らかなように、比較例2の試験片の引張強度は、実施例1及び2よりも低かった。また、実施例1及び2では、175℃でシリコン板を容易に剥離できた。
本発明の接着剤は、バックグラインド工程を経て製造される電気・電子デバイス、例えば、SiやGeなどの単体や、GaAsやCdSなどの化合物で構成された半導体素子(特にシリコンウエハー)の製造に用いられるバックグラインド用接着剤として利用できる。

Claims (16)

  1. 橋架環式炭化水素基を有する橋架環式アクリレート(A)と極性基を有する非橋架環式ビニル系化合物(B)と多官能ビニル系化合物(C)とを重合成分として含むビニル系共重合体を含む接着剤であって、前記多官能ビニル系化合物(C)のラジカル重合性基の合計モル数が、橋架環式アクリレート(A)のラジカル重合性基及び非橋架環式ビニル系化合物(B)のラジカル重合性基の合計100モルに対して1〜7モルである接着剤。
  2. 多官能ビニル系化合物(C)のラジカル重合性基の合計モル数が、橋架環式アクリレート(A)のラジカル重合性基及び非橋架環式ビニル系化合物(B)のラジカル重合性基の合計100モルに対して3〜6.5モルである請求項1記載の接着剤。
  3. 橋架環式アクリレート(A)と非橋架環式ビニル系化合物(B)とのモル比が、前者/後者=99/1〜50/50である請求項1又は2記載の接着剤。
  4. 橋架環式アクリレート(A)が、2〜4環性であり、かつ炭素数4〜20の橋架環式炭化水素基を有する単官能アクリレートである請求項1〜3のいずれかに記載の接着剤。
  5. 橋架環式アクリレート(A)が、2〜3環性であり、かつ炭素数6〜12の橋架環式炭化水素基を有する単官能アクリレートである請求項1〜4のいずれかに記載の接着剤。
  6. 多官能ビニル系化合物(C)が、複素環基を有する2〜4官能(メタ)アクリレートである請求項1〜5のいずれかに記載の接着剤。
  7. 多官能ビニル系化合物(C)が、トリアジン環を有する3官能(メタ)アクリレートである請求項1〜6のいずれかに記載の接着剤。
  8. 非橋架環式ビニル系化合物(B)が(メタ)アクリル酸である請求項1〜7のいずれかに記載の接着剤。
  9. ビニル系共重合体を10重量%以上含む請求項1〜8のいずれかに記載の接着剤。
  10. さらに沸点160℃以下の有機溶媒を含む請求項1〜9のいずれかに記載の接着剤。
  11. 有機溶媒が脂環族骨格を有する請求項10記載の接着剤。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の接着剤を含むバックグラインドフィルム。
  13. 請求項1〜11のいずれかに記載の接着剤を加熱して被着体に接着する接着工程、接着剤を接着した被着体を研磨するバックグラインド工程、加熱下で研磨後の被着体から前記接着剤を剥離する剥離工程を含む接着剤の使用方法。
  14. さらに被着体における接着剤との剥離面を沸点160℃以下の有機溶媒で洗浄する洗浄工程を含む請求項13記載の使用方法。
  15. 橋架環式炭化水素基を有する橋架環式アクリレート(A)と極性基を有する非橋架環式ビニル系化合物(B)と多官能ビニル系化合物(C)とを重合成分として含むビニル系共重合体であって、前記多官能ビニル系化合物(C)のラジカル重合性基の合計モル数が、橋架環式アクリレート(A)のラジカル重合性基及び非橋架環式ビニル系化合物(B)のラジカル重合性基の合計100モルに対して1〜7モルであるビニル系共重合体。
  16. 多官能ビニル系化合物(C)が、トリアジン環を有する3官能(メタ)アクリレートである請求項15記載のビニル系共重合体。
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