JP2014073936A - 吸着塔およびヨウ素吸着方法 - Google Patents

吸着塔およびヨウ素吸着方法 Download PDF

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Abstract

【課題】効率的にヨウ素を回収できる吸着塔を提供する。
【解決手段】上下方向を有し、下部からヨウ素イオン液が供給され、上部から強塩基性イオン交換樹脂が供給される有底筒状の吸着塔本体2を備える。この吸着塔本体2内を上下方向に仕切るように、多孔板31を設ける。多孔板31は、孔径が5mm以上15mm以下で、開口率が30%以上70%以下の複数の貫通孔33を有する。また、多孔板31に、内径が15mm以上25mm以下で、オリフィス径が5mm以上15mm以下のオリフィス短管34を設ける。このオリフィス短管34は、ヨウ素を吸着した状態の強塩基性イオン交換樹脂およびヨウ素イオン液が同時に通過可能である。また、貫通孔33に、ヨウ素イオン液が通過可能で、強塩基性イオン交換樹脂が貫通孔33を通過することを防止する分散ノズル35を設置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、遊離ヨウ素を含有するヨウ素イオン液から塩基性イオン交換樹脂を用いてヨウ素を吸着分離するための吸着塔およびヨウ素吸着方法に関するものである。
ヨウ素に富んだかん水からヨウ素を工業的に製造する方法としては、ブローアウト法や樹脂吸着法が知られている。
ブローアウト法は、酸化剤として用いる塩素によりかん水中のヨウ素イオンを酸化させてヨウ素を遊離させ、この遊離したヨウ素を大量の空気に同伴させて吸着塔へ導き1次濃縮を行い、その後、濃縮および精製を行う方法である。
また、このようなブローアウト法の一連の処理設備は、通常、かん水の井戸元に設置される。
樹脂吸着法では、かん水中のヨウ素イオンを酸化させてヨウ素を遊離させ、この遊離したヨウ素を強塩基性イオン交換樹脂などのイオン交換樹脂にて吸着して分離し、その後、濃縮および精製を行う方法である(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。
そして、この樹脂吸着法は、通常、ヨウ素イオンの酸化やヨウ素の濃縮などを行う処理設備が井戸元から比較的離れている場合や、比較的低濃度のヨウ素を含有するかん水からヨウ素を分離回収する場合に適用される。
ここで、樹脂吸着法にてヨウ素を製造する方法についてより具体的に説明すると、まず、前処理工程として、かん水に塩素または次亜塩素酸ナトリウム水溶液を加えて、ヨウ素イオンの一部を酸化し吸着効率の高いポリヨウ素イオンを生成させる。
また、吸着工程として、ポリヨウ素イオンが生じた状態の前処理液をイオン交換樹脂層に通過させてポリヨウ素イオンを吸着させる。
さらに、溶離工程として、ポリヨウ素イオン吸着後のイオン交換樹脂を溶離装置に移動し亜硫酸ソーダ液でポリヨウ素イオンをヨウ素イオンに還元した後、食塩水などの溶離液に接触させてヨウ素イオンを溶離させる。
また、酸化濃縮工程として、ヨウ素イオンが溶離した溶離液に酸化剤を加えてヨウ素イオンを粗ヨウ素として析出させた後、精製工程にて粗ヨウ素を濃縮精製する。
そして、通常、吸着工程は、かん水の発生する井戸元に設置された設備で行われるが、溶離工程、酸化濃縮工程および精製工程は、井戸元とは別の場所に設置された処理基地で行われる。
そのため、吸着工程にてポリヨウ素イオンを吸着したイオン交換樹脂は、トラックなどの搬送手段で井戸元から処理基地へ搬送され、溶離工程にてポリヨウ素イオンが溶離された後、再び井戸元へ返送されて吸着工程に供される。
なお、溶離工程では、溶離と同時にイオン交換樹脂の再生が行われ、繰り返し利用することで、低濃度のヨウ素が含まれたかん水からヨウ素を効率的に製造できる。
さらに、樹脂吸着法としては、吸着工程の方式の違いにより分類されており、例えば、固定層式、移動層式および流動層式が知られている。
固定層式は、イオン交換樹脂を充填した積層に被処理液を通してイオン交換を行うものである。この固定層式は、イオン交換が飽和に達した後にそのイオン交換樹脂をそのまま溶離再生処理し、再びイオン交換を行う、いわゆるバッチ方式である。
移動層式は、イオン交換樹脂を充填した吸着塔に被処理液を通し、飽和した一部のイオン交換樹脂のみを取り出し移動して溶離再生処理を行い、取り出し量だけ再生イオン交換樹脂を補填する方式である。また、移動層式では、固定層式と同様に、イオン交換時にイオン交換樹脂が積層となっている。
流動層式は、イオン交換樹脂を充填した吸着塔に被処理液を上昇流によって通し、塔内でイオン交換樹脂を浮遊流動させながらイオン交換を行うものである。
そして、固定層式および移動層式では、イオン交換樹脂の積層中でイオン交換を行うため、イオン交換が進行するにつれて、積層中のイオン交換樹脂の真比重上昇に伴う通液圧の上昇により、イオン交換樹脂が物理的に崩壊しやすくなってしまうという欠点がある。さらに、積層入口近傍および積層中に被処理液の濁度成分が堆積することによる通液圧の上昇を防止するために、被処理液の濁度成分を除去する必要がある。
また、流動層式では、イオン交換樹脂の比重が1.1程度であり上昇流による上昇速度に限界があり偏流しやすいため、固定層式および移動層式に比べて、被処理液とイオン交換樹脂との接触性か悪く、イオン交換樹脂を多く使用する必要があるという欠点がある。
そこで、これらの固定層式、移動層式および流動層式の欠点を解消した樹脂吸着法としては、流動状態で連続的に溶離再生したイオン交換樹脂を吸着塔の上部から投入して、イオン交換樹脂と被処理液とを向流接触させ、ヨウ素を吸着したイオン交換樹脂を流動層の下部から断続的に抜き出す吸着方式において、イオン交換効率を向上するために吸着塔内に多孔板を設置する方法が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
この特許文献3の方法では、多孔板を設置して吸着塔内を上下方向に多段化することで、吸着塔内のイオン交換樹脂がヨウ素を吸着して真比重が増加しながら沈降する自然分級作用を維持しつつ、下方のイオン交換樹脂が上方のイオン交換樹脂と混合する、いわゆる逆混合現象を抑制できるため、イオン交換樹脂の利用効率を向上でき、高効率でヨウ素を吸着できる。
特開昭51−55779号公報 特公昭54−2625号公報 特公昭53−28038号公報
しかしながら、上述の特許文献3の方法であっても、例えば使用するイオン交換樹脂の粒子径の分布にばらつきがある場合には、比較的粒子径の大きいイオン交換樹脂はヨウ素を十分に吸着する前に沈降してしまう可能性がある。
そのため、流動層の下部から連続的に抜き出したイオン交換樹脂に、ヨウ素吸着率の低いイオン交換樹脂も含まれてしまい、効率的にヨウ素を回収できない問題が考えられる。
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、効率的にヨウ素を回収できる吸着塔およびヨウ素吸着方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載された吸着塔は、遊離ヨウ素を含有するヨウ素イオン液と、ヨウ素を吸着可能な塩基性イオン交換樹脂とを向流接触させて、ヨウ素イオン液の遊離ヨウ素およびヨウ素イオンの少なくとも一方を塩基性イオン交換樹脂に吸着させる吸着塔であって、上下方向を有し、下部からヨウ素イオン液が供給され、上部から塩基性イオン交換樹脂が供給される有底筒状の吸着塔本体と、孔径が5mm以上15mm以下で、開口率が30%以上70%以下となるように複数の貫通孔が設けられ、吸着塔本体内を上下方向に仕切る多孔板と、多孔板を貫通し、内径が15mm以上25mm以下で、オリフィス径が5mm以上15mm以下で、ヨウ素を吸着した状態の塩基性イオン交換樹脂およびヨウ素イオン液が同時に通過可能なオリフィス管と、多孔板の各貫通孔に設置され、ヨウ素イオン液が通過可能で、塩基性イオン交換樹脂が貫通孔を通過することを防止する分散ノズルとを具備したものである。
請求項2に記載された吸着塔は、請求項1記載の吸着塔において、分散ノズルは、多孔板の上面側に位置しヨウ素イオン液が流出する流出口と、この流出口の上部に設けられた天面部とを有し、天面部の外周縁および流出口の下端縁を通る直線と多孔板の上面との角度が、多孔板上における塩基性イオン交換樹脂の安息角以下であるものである。
請求項3に記載された吸着塔は、請求項1または2記載の吸着塔において、オリフィス管は、内径に対するオリフィス径の開孔比が、そのオリフィス管が設けられた多孔板の下側からの段数をkとし、この開孔比をφkとし、吸着塔本体内において多孔板にて仕切られた全段数をNとすると、φk=(60/N)×kであるものである。
請求項4に記載されたヨウ素吸着方法は、請求項1ないし3いずれか記載の吸着塔を用いて遊離ヨウ素を含有するヨウ素イオン液からヨウ素を吸着するヨウ素吸着方法であって、吸着塔本体における最上部での空塔速度が10m/h以上30m/h以下となるように吸着塔本体の下部からヨウ素イオン液を上昇流として供給し、吸着塔本体の上部から塩基性イオン交換樹脂を連続的に供給し、吸着塔本体内にてヨウ素イオン液と塩基性イオン交換樹脂とを流動状態で向流接触させて、塩基性イオン交換樹脂によりヨウ素イオン液から遊離ヨウ素およびヨウ素イオンの少なくとも一方を吸着し、ヨウ素を吸着した塩基性イオン交換樹脂がオリフィス管を通過して下降し、この下降した塩基性イオン交換樹脂を下部から連続的に抜き出すものである。
請求項5に記載されたヨウ素吸着方法は、請求項4記載のヨウ素吸着方法において、ヨウ素イオン液は、ヨウ素の濃度が70mg/L以下であるものである。
請求項6に記載されたヨウ素吸着方法は、請求項4または5記載のヨウ素吸着方法において、塩基性イオン交換樹脂は、粒子径が300μm以上1500μm以下であるものである。
本発明によれば、多孔板に設けられたオリフィス管と分散ノズルとにより、吸着塔本体内における強塩基性イオン交換樹脂の流動を制限できるため、効率的にヨウ素を回収できる。
本発明の一実施の形態に係る吸着塔の構成を示す配管図である。 同上吸着塔のオリフィス管を示す断面図である。 同上吸着塔の分散ノズルを示す断面図である。
以下、本発明の一実施の形態の構成について図面を参照しながら説明する。
図1において、1は吸着塔であり、この吸着塔1は、遊離ヨウ素を含有するヨウ素イオン液と、遊離ヨウ素やヨウ素イオンなどのヨウ素を吸着可能な塩基性イオン交換樹脂としての強塩基性イオン交換樹脂とを向流接触させて、ヨウ素イオン液の遊離ヨウ素およびヨウ素イオンの少なくとも一方を強塩基性イオン交換樹脂に吸着させるものである。
このような吸着塔1は、上下方向を有し、下端部がテーパ状に閉塞され上端部が開放された直胴型の有底円筒状の吸着塔本体2を備えている。
吸着塔本体2の下部には、ヨウ素イオン液を供給する送液手段3が接続され、吸着塔本体2の上部には、強塩基性イオン交換樹脂を供給する樹脂供給手段4が接続されている。
また、吸着塔本体2の下端部には、ヨウ素を吸着した後の強塩基性イオン交換樹脂が回収されて貯留される樹脂回収手段5が接続されている。
さらに、吸着塔1の上端部には、ヨウ素イオン液からヨウ素が吸着された後の処理水を排出するための排水手段6が接続されている。
送液手段3は、天然かん水などのヨウ素含有液に予め塩素などの酸化剤を添加して、一部遊離ヨウ素を発生させたヨウ素イオン液を吸着塔1に供給するものである。
この送液手段3は、ヨウ素イオン液が貯留される液貯留槽11を有し、この液貯留槽11には圧送ポンプ12を介して注入設備13が接続されている。
この注入設備13は、ヨウ素イオン液に次亜塩素酸ナトリウム水溶液および硫酸水溶液を必要量添加して連続的にヨウ素イオンの一部を遊離ヨウ素に変換するものである。
また、注入設備13は、配管を介して吸着塔本体2に接続されているとともに、吸着塔1へヨウ素イオン液を送液するための圧送ポンプ14が設けられている。
そして、ヨウ素イオン液は、液貯留槽11から注入設備13へ送液され、注入設備13にて遊離ヨウ素を発生させて、吸着塔本体2内で上昇流となるように吸着塔本体2へ供給される。
なお、ヨウ素イオン液は、予め曝気やろ過などの前処理により濁度成分(SS)を除去した状態で用いられると好ましい。
樹脂供給手段4は、未使用や再生済みの強塩基性イオン交換樹脂をスラリ状態で吸着塔1の上部へ連続的に供給するものである。
この樹脂供給手段4は、強塩基性イオン交換樹脂が貯留される樹脂貯留槽15を有し、この樹脂貯留槽15には、バルブ16が設けられた配管を介して、強塩基性イオン交換樹脂を計量可能な樹脂計量槽17が接続されている。
また、この樹脂計量槽17は、バルブ18が設けられた配管を介して吸着塔本体2に接続されているとともに、計量した所定量の強塩基性イオン交換樹脂を吸着塔1へ送るための圧送ポンプ19が設けられている。
そして、バルブ16が開放された状態にて、樹脂貯留槽15から樹脂計量槽17へ強塩基性イオン交換樹脂が供給される。また、バルブ18が開放された状態にて、樹脂計量槽17から吸着塔1へ所定量の強塩基性イオン交換樹脂が連続的に供給される。
樹脂回収手段5は、ヨウ素吸着後の強塩基性イオン交換樹脂が貯留される回収樹脂貯留槽21を有し、この回収樹脂貯留槽21は、バルブ22が設けられた配管を介して吸着塔本体2の底部に接続されている。
そして、ヨウ素吸着後の強塩基性イオン交換樹脂は、バルブ22が開放された状態にて、吸着塔1から回収樹脂貯留槽21へ供給されて回収される。
また、回収樹脂貯留槽21は、バルブ23が設けられた配管を介して図示しない溶離装置に接続されており、この溶離装置によって、ヨウ素吸着後の強塩基性イオン交換樹脂からヨウ素が溶離される。
排水手段6は、吸着塔本体2の上端部に設けられた樹脂トラップ24を有し、この樹脂トラップ24には、配管を介して排水貯留槽25が接続されている。
樹脂トラップ24は、強塩基性イオン交換樹脂が、ヨウ素吸着後の処理水とともに排水貯留槽25へ流出しないように、強塩基性イオン交換樹脂を保持するものである。
そして、ヨウ素吸着後の処理水は、樹脂トラップ24を介して、排水貯留槽25へ排水される。
吸着塔1は、吸着塔本体2内に複数、例えば5つの多孔板31が互いに離間して設けられ、これら多孔板31により吸着塔本体2内が上下方向に仕切られて、5段に多段化されている。
多孔板31は、例えばポリ塩化ビニルなどの不透液性材料で形成されている。この多孔板31には、多孔板31を上下方向に貫通し、ヨウ素イオン液が通過可能な複数の貫通孔33が設けられている。
また、多孔板31には、ヨウ素を吸着した強塩基性イオン交換樹脂およびヨウ素イオン液が同時に通過可能な1つのオリフィス管としてのオリフィス短管34が、多孔板31を上下方向に貫通するように設けられている。
さらに、各貫通孔33には、ヨウ素イオン液が通過可能で強塩基性イオン交換樹脂の通過を防止する分散ノズル35が、挿入されるように一体的に設けられている。
そして、吸着塔本体2の下部から上昇流として供給されたヨウ素イオン液は、貫通孔33を通過して分散ノズル35から多孔板31の上側へ流入するとともに、オリフィス短管34を通過して多孔板31の上側へ流入し、順次多孔板31の上段へ流動する。
また、このように上方へ移動してきたヨウ素イオン液と、吸着塔本体2の上部から供給された強塩基性イオン交換樹脂とが各段にて向流接触し、ヨウ素イオン液の遊離ヨウ素およびヨウ素イオンの少なくとも一方を強塩基性イオン交換樹脂が吸着する。
さらに、このようにヨウ素を吸着した強塩基性イオン交換樹脂は、真比重が増加するため、その自重によりオリフィス短管34を通過し、自然分級されて多孔板31の下段へ流動する。
吸着塔1は、多孔板31にて仕切られた各段の高さ、すなわち、多孔板31同士の離間距離が吸着塔本体2内部の直径の0.25倍未満であると、オリフィス短管34から強塩基性イオン交換樹脂の吹き上げが発生し強塩基性イオン交換樹脂が均一に流動できなくなる可能性がある。また、多孔板31同士の離間距離が吸着塔本体2内部の直径の1.5倍を超えると、各段における流動状態で強塩基性イオン交換樹脂が存在しない空間であるフリーゾーンが大きくなり、必要以上に吸着塔1の高さが高く経済的ではない。そこで、吸着塔1は、多孔板31同士の離間距離が、吸着塔本体2内部の直径の0.25倍以上1.5倍以下に設計することが好ましい。
貫通孔33は、孔径が5mm未満であると、ヨウ素イオン液の濁度成分(SS)による目詰まりなどが発生する可能性があり、15mmを超えると、上昇するヨウ素イオン液に偏流などが生じ、ヨウ素イオン液が均一に流動できない可能性がある。そこで、貫通孔33の孔径は、5mm以上15mm以下とした。
また、多孔板31における各貫通孔33による開口率が30%未満であると、上昇するヨウ素イオン液に偏流などが生じて、ヨウ素イオン液が均一に流動できない可能性があり、70%を超えると、オリフィス短管34と分散ノズル35との圧力損失のバランスが悪くなり、オリフィス短管34における強塩基性イオン交換樹脂の流動性が悪化してしまう可能性がある。そこで、多孔板31における各貫通孔33による開口率は、30%以上70%以下とした。
オリフィス短管34は、図2に示すように、円筒状の直胴部36と、この直胴部36の内周面より縮径した縮径部37とを有する。
また、オリフィス短管34には、直胴部36の外周面より拡径した拡径部38が設けられ、この拡径部38が多孔板31の上面に係合することにより、オリフィス短管34の設置状態が保持される。
さらに、オリフィス短管34には、直胴部36の延長線上に位置し、縮径部37から直胴部36とは反対側、すなわち上方へ突出した突出部39が設けられている。この突出部39は、多孔板31の上面からの突出高さが分散ノズル35と同じ高さに設計されると好ましい。
このようなオリフィス短管34は、直胴部36の内径である内径φが15mm未満であると、オリフィス短管34の内部におけるヨウ素イオン液の上昇速度と、オリフィス短管34の外部におけるヨウ素イオン液の上昇速度とに差が生じ、真比重の増加に伴ってオリフィス短管34を通過した強塩基性イオン交換樹脂が、オリフィス短管34外の強塩基性イオン交換樹脂と均一に混合しにくくなる可能性がある。また、内径φが25mmを超えると、ヨウ素イオン液の停水状態にて強塩基性イオン交換樹脂がオリフィス短管34から自然落下しやすくなり、オリフィス短管34内に溜まる強塩基性イオン交換樹脂量が多くなってしまう可能性がある。そこで、オリフィス短管34の内径φは、15mm以上25mm以下とした。
また、オリフィス短管34は、縮径部37の内径であるオリフィス径φが5mm未満であると、強塩基性イオン交換樹脂の逆混合が生じる可能性があり、オリフィス径φが15mmを超えると、粒子径が大きくヨウ素吸着率の低い強塩基性イオン交換樹脂も通過しやすくなってしまう。そこで、オリフィス短管34のオリフィス径φは5mm以上15mm以下とした。
さらに、各多孔板31におけるオリフィス短管34は、強塩基性イオン交換樹脂の真比重増加に伴う自然分級作用を効率よく奏するために、内径φに対するオリフィス径φの開孔比、すなわち内径φに基づく開口面積に対するオリフィス径φに基づく開口面積の比率を、吸着塔本体2内に設置する多孔板31の数、すなわち段数に応じて設定することが好ましい。
より具体的には、吸着塔本体2における多孔板31の下側からの段数をkとし、このk段目の多孔板31におけるオリフィス短管34の開孔比をφk(%)とし、吸着塔本体2内に設置された多孔板31の数、すなわち多孔板31にて仕切られた吸着塔本体2内における全段数をNとすると、φk=(60/N)×kとする式1にて設定することが好ましい。
また、吸着塔本体2における最下段以外のオリフィス短管34の下端部は、オリフィス短管34が設けられた多孔板31の下段における強塩基性イオン交換樹脂の静止界面に達していない場合には、ヨウ素イオン液が停水した状態における上段からオリフィス短管34を通って自然落下する強塩基性イオン交換樹脂の量が多くなってしまう可能性がある。そこで、オリフィス短管34の下端部は、下段の強塩基性イオン交換樹脂の静止界面に達するように設計されることが好ましい。
なお、吸着塔本体2における最下段の多孔板31に設けられたオリフィス短管34には、オリフィス短管34の開閉状態を切り替える逆止弁40が設置されており、オリフィス短管34の開閉状態を操作できるため、下段の強塩基性イオン交換樹脂の静止界面を考慮する必要がない。
また、吸着塔本体2内では、オリフィス短管34の上方の延長線上に上段のオリフィス短管34が位置していると、上段のオリフィス短管34を通過したヨウ素吸着率が低い強塩基性イオン交換樹脂がそのまま通過してしまう可能性がある。そこで、オリフィス短管34の上方の延長線上には、上段のオリフィス短管34が位置せず、上段の分散ノズル35が位置することが好ましい。
分散ノズル35は、図3に示すように、貫通孔33に挿通され、内部をヨウ素イオン液が通過可能な円筒状のノズル本体41を有している。
また、このノズル本体41の上部には、ノズル本体41の外周面より拡径した係合部42が設けられ、この係合部42が多孔板31の上面に係合することにより、分散ノズル35の設置状態が保持される。
さらに、係合部42の上部には、多孔板31の上面より上方に突出した枠部材43にて形成され、ノズル本体41の内部に連通する流出口44が設けられている。この流出口44は、ヨウ素イオン液が通過可能であり、ノズル本体41を通って下段から上昇してきたヨウ素イオン液が流出口44から流出する。
また、流出口44の上部には、枠部材43から外側へ突出した天面部45が設けられている。この天面部45は、天面部45の外周縁45aおよび流出口44の下端縁44aを通る直線と、多孔板31の上面との内角の角度θが、ヨウ素イオン液が停水した状態において多孔板31上に積み上げられた強塩基性イオン交換樹脂が自然落下して自発的に崩れない傾斜角度、すなわち強塩基性イオン交換樹脂の安息角以下となるように設計されている。
次に、上記吸着塔1を用いたヨウ素吸着方法について説明する。
吸着塔1を用いてヨウ素イオン液からヨウ素を吸着するには、吸着塔本体2の下部から送液手段3によりヨウ素イオン液を供給する。
ヨウ素イオン液を供給する際には、吸着塔本体2の最上部、すなわち最上段の空間内での空塔速度が30m/hを超えると、粒子径が比較的小さい強塩基性イオン交換樹脂が、ヨウ素吸着後の処理水に伴って樹脂トラップ24を通過して流出される可能性がある。また、吸着塔本体2の最上部での空塔速度が10m/h未満であると、吸着塔本体2が直胴型の場合に、強塩基性イオン交換樹脂が下降してきた最下段において、良好な流動状態が保てなくなる可能性がある。そこで、ヨウ素イオン液は、吸着塔本体2の最上部での空塔速度が10m/h以上30m/h以下となる上昇流として供給する。
また、吸着塔本体2の上部から樹脂供給手段4により強塩基性イオン交換樹脂を連続的に供給する。
そして、吸着塔本体2内の各段において、下部から供給されたヨウ素イオン液と、上部から供給された強塩基性イオン交換樹脂とを向流接触させて、強塩基性イオン交換樹脂によりヨウ素イオン液のヨウ素を吸着する。
また、ヨウ素を吸着した強塩基性イオン交換樹脂は、真比重が増加することにより自重によってオリフィス短管34を通過可能になり、オリフィス短管34を介して自然分級される。
オリフィス短管34を通過して下降した強塩基性イオン交換樹脂は、そのまま下段の多孔板31上に積み上げられるように積層される。
なお、ヨウ素イオン液が通過する各貫通孔33には、分散ノズル35が設けられており、この分散ノズル35の内角の角度θが強塩基性イオン交換樹脂の安息角以下であるため、多孔板31上に積み上げられた強塩基性イオン交換樹脂が分散ノズル35の流出口44へ流入しにくく、強塩基性イオン交換樹脂が貫通孔33を通過しにくい。
そして、上段のオリフィス短管34を通過した強塩基性イオン交換樹脂は、再度ヨウ素イオン液からヨウ素を吸着して真比重がさらに増加すると、オリフィス短管34を通過し、順次下降する。すなわち、強塩基性イオン交換樹脂は、下段へ下降する毎にヨウ素吸着率が上昇する。
したがって、ヨウ素イオン液として、例えばヨウ素の濃度が70mg/L以下の低濃度のものを用いることが可能である。
また、このように各段を通過して下降してきたヨウ素を吸着した状態の強塩基性イオン交換樹脂を、最下部である底部から樹脂貯留槽15へ連続的に抜き出す。
一方、強塩基性イオン交換樹脂にてヨウ素を吸着されながら上昇してきた処理水は、最上部に設けられた樹脂トラップ24を通過して、排水貯留槽25へ排水される。
ここで、強塩基性イオン交換樹脂は、粒子径が300μm未満であると、最上部にて処理水に伴って樹脂トラップ24を通過して流出する可能性があり、粒子径が1500μmを超えるとヨウ素吸着率が低い状態でもオリフィス短管34を通過する可能性がある。
したがって、強塩基性イオン交換樹脂は、予め洗浄または篩いがけなどにて分級し粒子径300μm以上1500μm以下の範囲内の粒子分布のものを用いることが好ましい。このように、粒子径300μm未満および粒子径1500μmを超える粒子を含まない強塩基性イオン交換樹脂としては、例えば、三菱化学株式会社製のダイヤイオンNSA100(ダイヤイオンは登録商標であり、以下同じ。)、ダイヤイオンUBA100、および、ダイヤイオンUBA120や、オルガノ株式会社製のアンバージェットIRA400J(アンバージェットは登録商標であり、以下同じ。)、アンバージェットIRA4002、および、アンバージェットIRA4400などがある。
次に、上記一実施の形態の効果を説明する。
上記一実施の形態によれば、ヨウ素を吸着した強塩基性イオン交換樹脂およびヨウ素イオン液が通過可能なオリフィス短管34と、ヨウ素イオン液が通過可能で、強塩基性イオン交換樹脂が貫通孔33を通過することを防止する分散ノズル35とが多孔板31に設けられ、これらオリフィス短管34および分散ノズル35により、吸着塔本体2内におけるヨウ素吸着率の低い強塩基性イオン交換樹脂の流動を制限できる。したがって、十分にヨウ素を吸着した強塩基性イオン交換樹脂を抜き出して回収しやすく、効率的にヨウ素を回収できる。
オリフィス短管34は、内径φに対するオリフィス径φの開孔比φkが、吸着塔本体2内の多孔板31にて仕切られた全段数に基づく式1にて設定されるため、各段におけるオリフィス短管34による強塩基性イオン交換樹脂の自然分級効果を確保できる。
また、オリフィス短管34は、多孔板31の上面から突出した突出部39を有し、この突出部39の突出高さが分散ノズル35の天面部45の高さと同じであることにより、粒子径が大きくヨウ素吸着率が低い強塩基性イオン交換樹脂が下段へ下降することを防止できる。
分散ノズル35は、天面部45による内角の角度θが強塩基性イオン交換樹脂の安息角以下であるため、流出口44に強塩基性イオン交換樹脂が進入しにくく、オリフィス短管34以外からの強塩基性イオン交換樹脂の下降を防止できる。
また、オリフィス短管34の上方の延長線上に上段の分散ノズル35が位置することにより、上段のオリフィス短管34を通過したヨウ素吸着率の低い強塩基性イオン交換樹脂がそのままオリフィス短管34を通過することを防止できるため、ヨウ素吸着率が低い強塩基性イオン交換樹脂が下段へ下降することを防止できる。
強塩基性イオン交換樹脂は、粒子径が300μm以上1500μm以下のものを用いることにより、ヨウ素吸着後の処理水に伴って強塩基性イオン交換樹脂が排出されることを防止できるとともに、ヨウ素吸着率の低い強塩基性イオン交換樹脂が下段へ下降することを防止できる。
なお、上記一実施の形態では、吸着塔本体2が直胴型である構成としたが、このような構成には限定されず、上部の断面積が下部の断面積より大きいテーパ型の構成などにしてもよい。このようなテーパ型の構成では、下部から一定の速度で供給されたヨウ素イオン液の上昇速度が、断面積に応じて変化して、下部で速く、上部で遅くなるため、下部では良好な流動状態を維持しやすく、上部ではヨウ素吸着率の低い強塩基性イオン交換樹脂の飛散を提言できる。
また、吸着塔本体2は、円筒状の構成にしたが、このような構成には限定されず、例えば角柱状であってもよい。角柱状の場合は、多孔板31同士の離間距離は、吸着塔本体2内における最長対角線長さの0.25倍以上1.5倍以下とすることが好ましい。
さらに、吸着塔本体2は、5つの多孔板31が設けられて5段の構成としたが、このような構成には限定されない。
しかしながら、3段未満では強塩基性イオン交換樹脂の利用効率が低下し、7段を超えると1段あたりの強塩基性イオン交換樹脂の保有量が少なくなり、オリフィス短管34から強塩基性イオン交換樹脂の吹き上げが発生して均一に流動できなくなる可能性があるため、吸着塔本体2内の段数は、3段以上7段以下が好ましい。
オリフィス短管34は、各多孔板31に1つずつ設けられた構成としたが、このような構成には限定されず、複数のオリフィス短管34が設けられた構成にしてもよい。
分散ノズル35は、天面部45を有し、この天面部45による内角の角度θが強塩基性イオン交換樹脂の安息角以下である構成としたが、このような構成には限定されず、ヨウ素イオン液が通過可能で、強塩基性イオン交換樹脂が貫通孔を通過することを防止できる構成であればよい。
以下、本実施例および比較例について説明する。
まず、実施例1では、内径が131mmで高さ100mmの透明ポリ塩化ビニル製の第1の円筒と、上端部の内径が131mmで下端部の内径が107mmで高さが100mmの透明ポリ塩化ビニル製のテーパ型円筒と、内径107mmで高さ300mmの透明ポリ塩化ビニル製の第2の円筒とを順次接続して、吸着塔本体を構成した。
また、この吸着塔本体の下端部から高さ100mm毎にポリ塩化ビニル製の多孔板を5つ設置した。
これらの多孔板には、孔径10mmの貫通孔が複数設けられ、開口率が60%のものを用いた。また、この多孔板の中心から25mmの位置に内径16mmで、長さ50mmのオリフィス短管を1つ取り付けた。さらに、各貫通孔に天面部による内角の角度θが20°である分散ノズルを設置した。
また、吸着塔本体の下端部には、樹脂受け槽を備えた上部内径が107mmで下部内径が44mmで高さが200mmのポリ塩化ビニル製のテーパ型の送液槽を接続し、段数5段の吸着塔を形成した。
各段のオリフィス短管のオリフィス径は上記式1に基づいて設定され、下段から順に5.5mm、7.8mm、9.6mm、11.0mmおよび12.4mmとした。
また、最下段のオリフィス短管の下部には吸着塔外から開閉操作可能なバタフライバルブを設置した。
そして、このバタフライバルブを閉塞した状態で、吸着塔本体の最下段に強塩基性イオン交換樹脂として三菱化学株式会社製のダイヤイオンNSA100を450mL充填した。
また、ヨウ素イオン液として、ヨウ素含有量38mg/L(遊離ヨウ素として23.8mg/L、ヨウ化物イオンとして11.7mg/Lおよびヨウ素酸イオンとして2.5mg/L)の天然かん水を270L/hの速度(最上部での空塔速度20m/h)で送液槽へ導入し、流動層吸着操作を開始し、登頂から溢れる排水を排水受け槽に導いた。
その後、2日毎に450mLのダイヤイオンNSA100を1時間かけて最上段に供給する運転を10日間継続した。
次いで、最下段のオリフィス短管に取り付けてあるバタフライバルブを開き、8.75mL/hの速度で樹脂を連続的に落下させて樹脂受けに貯め、同時に最上段に8.75mL/hの速度でダイヤイオンNSA100の連続的供給を開始し、連続向流操作へ移行した。
その後、1日おきに出口排水のヨウ素濃度および樹脂受け槽に落下してくる強塩基性イオン交換樹脂の真比重を測定し、定常値に達した時点で、排水受け槽へ導入される出口排水のヨウ素濃度が4.7mg/Lで、ヨウ素吸着率が76.0%という結果を得た。
次に、実施例2では、内径が107mmで高さ500mmの透明ポリ塩化ビニル製の吸着塔本体を用いた。
また、この吸着塔本体の下端部から高さ100mm毎にポリ塩化ビニル製の多孔板を4つ設置した。
これらの多孔板には、孔径10mmの貫通孔が複数設けられ、開口率が60%のものを用いた。また、この多孔板の中心から25mmの位置に内径16mmで、長さ50mmのオリフィス短管を1つ取り付けた。さらに、各貫通孔に天面部による内角の角度θが30°である分散ノズルを設置した。
また、吸着塔本体の下端部には、樹脂受け槽を備えた上部内径が107mmで下部内径が44mmで高さが200mmのポリ塩化ビニル製のテーパ型の送液槽を接続し、段数4段の吸着塔を形成した。
各段のオリフィス短管のオリフィス径は上記式1に基づいて設定され、下段から順に6.2mm、8.8mm、10.7mmおよび12.4mmとした。
また、最下段のオリフィス短管の下部には吸着塔外から開閉操作可能なバタフライバルブを設置した。
そして、このバタフライバルブを閉塞した状態で、吸着塔本体の最下段に強塩基性イオン交換樹脂として三菱化学株式会社製のダイヤイオンUBA100を450mL充填した。
また、ヨウ素イオン液として、ヨウ素含有量38mg/L(遊離ヨウ素として23.8mg/L、ヨウ化物イオンとして11.7mg/Lおよびヨウ素酸イオンとして2.5mg/L)の天然かん水を135L/hの速度(最上部での空塔速度15m/h)で送液槽へ導入し、流動層吸着操作を開始し、登頂から溢れる排水を排水受け槽に導いた。
その後、2日毎に450mLのダイヤイオンUBA100を1時間かけて最上段に供給する運転を8日間継続した。
次いで、最下段のオリフィス短管に取り付けてあるバタフライバルブを開き、8.75mL/hの速度で樹脂を連続的に落下させて樹脂受けに貯め、同時に最上段に8.75mL/hの速度でダイヤイオンUBA100の連続的供給を開始し、連続向流操作へ移行した。
その後、1日おきに出口排水のヨウ素濃度および樹脂受け槽に落下してくる強塩基性イオン交換樹脂の真比重を測定し、定常値に達した時点で、排水受け槽へ導入される出口排水のヨウ素濃度が6.3mg/Lで、ヨウ素吸着率が83.8%という結果を得た。
次に、比較例では、内径が107mmで高さ500mmの透明ポリ塩化ビニル製の吸着塔本体を用いた。
また、この吸着塔本体の下端部から高さ100mm毎にポリ塩化ビニル製の多孔板を4つ設置した。
これらの多孔板には、孔径10mmの貫通孔が複数設けられ、開口率が60%のものを用いた。
また、吸着塔本体の下端部には、樹脂受け槽を備えた上部内径が107mmで下部内径が44mmで高さが200mmのポリ塩化ビニル製のテーパ型の送液槽を接続し、段数4段の吸着塔を形成した。
最下段の多孔板の貫通孔には、天面部による内角の角度θが20°の分散ノズルを設置し、最下段の側面に強塩基性イオン交換樹脂を抜き取るための樹脂抜き取りノズルを設置して、開閉バルブを取り付けた。
そして、吸着塔本体の最下段に強塩基性イオン交換樹脂として三菱化学株式会社製のダイヤイオンNSA100を450mL充填した。
また、ヨウ素イオン液として、ヨウ素含有量38mg/L(遊離ヨウ素として23.8mg/L、ヨウ化物イオンとして11.7mg/Lおよびヨウ素酸イオンとして2.5mg/L)の天然かん水を135L/hの速度(最上部での空塔速度15m/h)で送液槽へ導入し、流動層吸着操作を開始し、塔頂から溢れる排水を排水受け槽に導いた。
8日経過後、通液量を70L/hrに低下させて、最下段の樹脂抜き取りノズルの開閉バルブを開放し、30分かけて450mLの強塩基性イオン交換樹脂を抜き取り、同時に30分かけて最上段に450mLのダイヤイオンNSA100を供給し、通液量を135L/hrに戻した。
その後、同様の操作を2日おきに行う半連続操作(断続操作)に移行し、2日おきに強塩基性イオン交換樹脂抜き取り直前の排水受け槽へ導入される出口排水のヨウ素濃度と、抜き取った強塩基性イオン交換樹脂の平均の真比重を測定した。そして、これらの測定値が定常値に達した時点で、出口排水のヨウ素濃度8.2mg/L、平均のヨウ素吸着率64.2%の結果を得た。
これら各実施例および比較例の条件および結果を表1に示す。
Figure 2014073936
表1に示すように、実施例1および実施例2では、比較例に比べて、効率よくヨウ素イオン液からヨウ素を吸着分離できることが分かる。
1 吸着塔
2 吸着塔本体
31 多孔板
33 貫通孔
34 オリフィス管としてのオリフィス短管
35 分散ノズル
44 流出口
44a 下端縁
45 天面部
45a 外周縁

Claims (6)

  1. 遊離ヨウ素を含有するヨウ素イオン液と、ヨウ素を吸着可能な塩基性イオン交換樹脂とを向流接触させて、ヨウ素イオン液の遊離ヨウ素およびヨウ素イオンの少なくとも一方を塩基性イオン交換樹脂に吸着させる吸着塔であって、
    上下方向を有し、下部からヨウ素イオン液が供給され、上部から塩基性イオン交換樹脂が供給される有底筒状の吸着塔本体と、
    孔径が5mm以上15mm以下で、開口率が30%以上70%以下となるように複数の貫通孔が設けられ、吸着塔本体内を上下方向に仕切る多孔板と、
    多孔板を貫通し、内径が15mm以上25mm以下で、オリフィス径が5mm以上15mm以下で、ヨウ素を吸着した状態の塩基性イオン交換樹脂およびヨウ素イオン液が同時に通過可能なオリフィス管と、
    多孔板の各貫通孔に設置され、ヨウ素イオン液が通過可能で、塩基性イオン交換樹脂が貫通孔を通過することを防止する分散ノズルと
    を具備したことを特徴とする吸着塔。
  2. 分散ノズルは、多孔板の上面側に位置しヨウ素イオン液が流出する流出口と、この流出口の上部に設けられた天面部とを有し、
    天面部の外周縁および流出口の下端縁を通る直線と多孔板の上面との角度が、多孔板上における塩基性イオン交換樹脂の安息角以下である
    ことを特徴とする請求項1記載の吸着塔。
  3. オリフィス管は、内径に対するオリフィス径の開孔比が、そのオリフィス管が設けられた多孔板の下側からの段数をkとし、この開孔比をφkとし、吸着塔本体内において多孔板にて仕切られた全段数をNとすると、φk=(60/N)×kである
    ことを特徴とする請求項1または2記載の吸着塔。
  4. 請求項1ないし3いずれか記載の吸着塔を用いて遊離ヨウ素を含有するヨウ素イオン液からヨウ素を吸着するヨウ素吸着方法であって、
    吸着塔本体における最上部での空塔速度が10m/h以上30m/h以下となるように吸着塔本体の下部からヨウ素イオン液を上昇流として供給し、
    吸着塔本体の上部から塩基性イオン交換樹脂を連続的に供給し、
    吸着塔本体内にてヨウ素イオン液と塩基性イオン交換樹脂とを流動状態で向流接触させて、塩基性イオン交換樹脂によりヨウ素イオン液から遊離ヨウ素およびヨウ素イオンの少なくとも一方を吸着し、
    ヨウ素を吸着した塩基性イオン交換樹脂がオリフィス管を通過して下降し、
    この下降した塩基性イオン交換樹脂を下部から連続的に抜き出す
    ことを特徴とするヨウ素吸着方法。
  5. ヨウ素イオン液は、ヨウ素の濃度が70mg/L以下である
    ことを特徴とする請求項4記載のヨウ素吸着方法。
  6. 塩基性イオン交換樹脂は、粒子径が300μm以上1500μm以下である
    ことを特徴とする請求項4または5記載のヨウ素吸着方法。
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