JPH10244145A - 多段流動層固液接触装置 - Google Patents

多段流動層固液接触装置

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JPH10244145A
JPH10244145A JP8988297A JP8988297A JPH10244145A JP H10244145 A JPH10244145 A JP H10244145A JP 8988297 A JP8988297 A JP 8988297A JP 8988297 A JP8988297 A JP 8988297A JP H10244145 A JPH10244145 A JP H10244145A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 通水停止が頻繁に起こっても、通水停止時に
落下する粒子量が微小で、向流接触操作として致命的な
粒子の逆混合量が微小となるため、間歇運転をしても粒
子の接触効率が実質的に低下しない多段流動層接触装置
を得る。 【解決手段】 最下段の棚板には通水停止時に固体粒子
が落下しない分散ノズルを設け、それ以外の棚板には分
散ノズルの他に、オリフィス付き短管を設け、オリフィ
スの孔径を固体粒子の平均粒径の8〜40倍とし、短管
の内径を短管内の線速度が短管外の線速度より大きくな
らないように設定し、短管の長さをその下端が、下段の
固体粒子層の静止界面に達するように設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多段の固液接触装
置において、処理すべき原液を最下段から上向きに流し
て各段の固体粒子(以下単に粒子と記す)を流動化し、
性能の劣化した粒子を一定時間ごとに最下段から抜き取
り、それと同量の新しい粒子を最上段に供給しながら、
連続的に原液と粒子を向流接触させる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】流動層接触装置は、粒子を気体中で流動
化させる技術(固気流動層)として石油精製工業におい
て1940年代に開発されたものである。軽灯油をガソ
リンに転化させるFCC(Fluidized Cat
alytic Crack−ing)プロセスとして完
成され、最も大型の化学装置として現在も世界中で多数
の装置が稼働している。また、これを手本として多くの
固気流動層接触装置が開発された。これに対し、流体が
液体である固液流動層接触装置になると、実用化されて
いる例は極めて少ない。その理由は、粒子と気体の比重
が1000倍程度異なるのに対して、粒子と液体の比重
は2〜3倍程度の違いしかないためである。すなわち、
固液流動層では、粒子の終末速度(粒子が流体に同伴す
る速度)が固気流動層に比べて極めて小さくなるため、
流速を小さくしないと粒子と流体の分離が困難になるか
らである。
【0003】その数少ない実用化例のひとつが、排水処
理分野における多段流動層活性炭吸着装置である。この
装置は従来、一般的に固定層吸着塔3基からなってお
り、2基を直列(1基目→2基目)に用いて3基目を予
備とし、1基目の吸着能力がなくなる(破過する)とそ
の活性炭を全量入れ替えて予備とし、通水する順番を2
基目→3基目に変更し、順次これを繰り返すメリーゴー
ランド方式と呼ばれる方法で実施されていた。この代わ
りに多段流動層装置を用いると、1)粒子径を小さくす
ることができるため、吸着速度が大きくなって装置がコ
ンパクトになる、2)性能劣化した廃炭だけを更新する
ことができるので、活性炭の利用効率が向上して活性炭
使用量が削減される、3)装置が1基になるので、設備
費が安くなるとともに、設置面積が小さくなるなどのメ
リットがある。
【0004】当初、多段流動層装置1には各段を仕切る
棚板2にダウンカマー(溢流管)があった(特開昭49
−44973、特公昭57−2374など)。その理由
は、開発当時すでに実績があった固気多段流動層装置を
手本としたためと推測される。しかしながら、液体が上
向きに流れている溢流管内で、粒子を連続的にオーバー
フローさせることは、粒子と流体の比重差の大きい固気
流動層のようにはうまく行かなかった。その結果、上向
きに通水しつつ粒子を常時下方移動させることは断念さ
れ、棚板から溢流管が撤去されて、間歇的に下方移動さ
せる方法に変更された(特公昭54−2915、特公昭
61−17539など)。
【0005】その結果、棚板は、粒子の流動化のための
分散板としての役目と同時に、粒子を下方移動させる際
の通路としての役目も果たさなければならなくなった。
偏流のない、一様な流動化を実現するためには、棚板で
の圧力損失(圧損)をある程度大きくする必要がある。
そのためには、棚板の開口部を小さくして、流通抵抗を
大きくしなければならない。一方、粒子の通路としては
開口部は大きい方が好ましい。粒子の下方移動は、液体
を下向きに流すことによって実施するから、粒子は最密
充填に近い状態のまま、開口部を強制的に通過させられ
るため、開口部が狭いと粒子の破損が増大して、発生し
た微粒子によって処理水が汚染されるからである。
【0006】特公昭61−17539では、この矛盾を
解決するために、通水停止時に粒子が自然落下しない安
息角ノズルと、通水停止時に粒子が自然落下する非安息
角ノズルの2種類のノズルを棚段に設ける方法が提案さ
れている。非安息角ノズルは1個でよく、残りはすべて
安息角ノズルである。安息角ノズルの一例として、天板
付きノズルを図4に示す。図のθを安息角より小さくす
ることによって、天板11が庇(ひさし)となって粒子
が自然落下しないようにしたものである。流体は側面の
四方に設けた吹き出し口13から水平方向に吹き出させ
る。非安息角ノズルの一例は、この天板の面積を小さく
し、粒子が自然落下するようにしたものである。
【0007】すなわち、特公昭61−17539では、
安息角ノズルおよび非安息角ノズルを棚板に設けて、前
者には主として分散板としての機能、後者には主として
粒子の通路としての機能を発揮させることによって、上
記の矛盾を解決しようとするものである。しかし、この
方法では、安息角ノズルも粒子の下方移動時の通路にな
るから、上記の矛盾がある程度緩和されるに過ぎない。
【0008】そのうえ、特公昭61−17539の方法
では、通水停止時に非安息角ノズルから粒子が自然落下
する。その後通水を再開すると、上段から落下した粒子
分だけ粒子展開高さHfが大きくなるため、粒子展開面
と上部棚板との空間(フリーゾーン)hfが短くなり過
ぎて、粒子が上段のノズルに吸い込まれて返送される。
落下量に相当する粒子が返送されたところで、正規のフ
リーゾーンの長さに戻る。これは向流接触操作には致命
的な粒子の逆混合である。
【0009】装置の処理能力を大きくするために、通水
速度を大きくすると、粒子展開率が大きくなって粒子展
開高さHfと静止界面高さHoとの差が大きくなるか
ら、通水停止時に棚板から自然落下する粒子量が多くな
る。例えば、18〜42メッシュの粒状活性炭を用いて
通水速度20m/hで流動化させるときの粒子展開率は
約80%となるから(図6参照)、通水を停止したとき
の静止界面は、粒子展開面の約半分のレベルになる。そ
の時、非安息角ノズルから自然落下する粒子量は、1段
分の約3分の1に達する。
【0010】しかも、本装置では、上記のように粒子展
開高さHfが一定で、しかもフリーゾーンhfが短くな
っているから、通水の線速度(通水量m/hを塔の断
面積mで割った値、以下単に通水速度という)並びに
通水温度は常に設計値を維持しなければならない。通水
速度一定で運転しなければならないということは、本シ
ステムの原水供給ポンプP1のオンオフがしばしば発生
することを意味する。なぜなら、原水槽6への流入量
と、本装置の通水量が常にバランスするとは限らないか
らである。とりわけ本装置がよく用いられている排水処
理分野では、流入量の変動幅が大きいため、必然的に、
原水槽のレベルスイッチLSが下限になると自動的に通
水を停止し、満水になったら通水を再開する間歇運転が
行われることになる。規模の小さいシステムほどポンプ
P1のオンオフの頻度は多くなり、1日に数回に及ぶ場
合がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】特公昭61−1753
9の方法では、通水停止のたびにかなりの量の粒子が自
然落下するから、逆混合を回避しようとすると、通水停
止の間も粒子が落下しないように、処理水槽との間で外
部循環ループを形成して上向流を維持するか、あるいは
その都度、落下量に見合った粒子量を更新(最下段から
抜き取り、最上段から投入)するか、選択しなければな
らない。いずれにしろ、運転操作が面倒になるだけでな
く、後者を選択すると、まだ性能劣化していない粒子が
更新されてしまうため、粒子の使用量が増加するという
問題が生じる。
【0012】本発明は、通水停止時に棚段から自然落下
する粒子量を、1段分の粒子量の3%以下、好ましくは
1%にすることによって、通水再開時に逆混合される粒
子量を3%以下、好ましくは1%以下にし、接触効率の
実質的な低下なしに、間歇運転する方法を提供すること
を目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の多段流動層固液接触装置においては、各段
の流動層を支持する棚板2において、最下段の棚板には
分散ノズル5のみを設け、それ以外の棚板には分散ノズ
ルの他に、オリフィス3付き短管4を設け、オリフィス
の孔径を、粒子の平均径の8〜40倍とし、短管の内径
を、短管内の上向流の線速度が、短管外の上向流の線速
度より大きくならないように設定し、短管の長さを、そ
の下端が、下段の粒子層の静止界面に達するように設定
するものである。
【0014】オリフィス付き短管が本発明の核心をなす
ものである。通水を停止すると、粒子はオリフィス3か
ら自然落下して短管4内に充満し、通水の再開とともに
短管外に流出して外部の粒子と混合された後、分散ノズ
ル5を通って上段に返送される。
【0015】オリフィス付き短管におけるオリフィスの
役目は、第1に、通水停止時に粒子を自然落下させるこ
とであり、第2に、通水時の短管内の線速度を、短管外
の線速度よりも大きくしないことである。それによっ
て、短管内の粒子展開高さが、短管外の粒子展開高さよ
り低く維持されるため、粒子が分散ノズルを通過するよ
り先に、オリフィスを通って上段に移動する現象が防止
される。
【0016】オリフィスの孔径は、粒子の平均径(JI
S規格のふるいでふるい分けして得られた粒度分布か
ら、その積算値を目開きに対してプロットした曲線にお
いて、積算値が50%となる目開きの値)の8〜40
倍、好ましくは9〜20倍に設定する。例えば、粒状活
性炭であるクラレコールKW20/40を使用して、上
記の方法で平均径を測定して0.57mmとなったと
き、オリフィスの孔径は4.6〜22.8mm、好まし
くは5.1〜11.4mmに設定すればよい。オリフィ
スの孔径をこれより小さくすると、通水停止時に粒子が
オリフィスから自然落下しなくなる。
【0017】逆に、オリフィスの孔径をこれより大きく
すると、短管内の上向流の線速度が、短管外の上向流の
線速度より大きくなってしまうから、以下に説明する理
由により、短管の径を太くしなければならない。その結
果、通水停止時に落下する粒子量が、1段分の粒子量の
3%以下にならず、本発明の目的を達成することができ
なくなる。
【0018】短管が1本で、短管内の線速度と短管外の
線速度が同じであるとき、次の諸式が成立する。塔の内
径をDt、短管の内径をDp、塔全体の通水量(m
h)をQt、短管内の通水量をQi、短管外の通水量を
Qoとすると、短管内の通水量と短管外の通水量の比
は、短管内外の断面積の比に比例するから、
【0019】
【式1】
【0020】一方、オリフィスの孔径をdo、圧損を△
poとすると、液体の粘度が同じであるとき、doとQ
iの関係はベルヌイの定理から、
【0021】
【式2】
【0022】また、分散ノズルの圧損を△pnとする
と、△poと△pnは等しくなければならないから、
【0023】
【式3】
【0024】以上の3つの式から、
【式4】
【0025】すなわち、オリフィス径doを大きくする
と、式4によりQiが大きくなるから、式1により短管
の内径Dpを大きくしなければならないことがわかる。
【0026】また、式4では、分散ノズルの圧損△pn
が小さいほど、オリフィス径doを大きくできることが
示されている。しかし、△pnをあまり小さくすると、
分散ノズルの本来の使命である均一分散機能が低下する
から、それとの兼ね合いで決定しなければならない。
【0027】従って、できるだけ小さい△pnでも均一
分散できるように、分散ノズルの孔径と形状、棚板の孔
のピッチと配列(図2参照)を工夫しなければならな
い。そうすれば、オリフィス径並びに短管を細くするこ
とができるので、それだけ逆混合する粒子量を少なくす
ることができる。
【0028】オリフィスに付帯させる短管4の第1の役
目は、通水停止時にオリフィスから落下する粒子量を、
1段分の粒子量の3%以下に制限することである。その
ためには、短管の内径を小さくしなければならないが、
そのときには、式4に従ってオリフィス径も小さくしな
ければならないから、その点からの限界があることは上
記の通りである。
【0029】短管の第2の役目は、各段の粒子量を均一
に制御することである。そのためには短管の長さを、そ
の下端が下段の粒子層の静止界面に達するように決める
必要がある。もし、何らかの理由で、ある段の粒子量が
設計値より少なくなったときには、通水停止時にその段
の静止界面が短管の下端より低くなるから、その間隙
に、オリフィスから自然落下した粒子が貯まって、裾野
の角度が安息角に等しい山が形成される。それゆえ、通
水と停止を数回繰り返すことによって、上段から少しず
つ粒子が補充され、最終的にその段の粒子量が正規の値
に回復する。
【0030】オリフィス付き短管の数は1個とするのが
好ましい。これを複数にすると、通水停止時に自然落下
する粒子量、すなわち逆混合する粒子量が複数倍にな
る。本装置においては、逆混合する粒子量は少ないほど
好ましいのであるから、オリフィス付き短管の数を複数
にすることは、本願の趣旨に反する。しかし、塔の内径
が大きいときには、オリフィス付き短管の数を複数にし
ても、短管内の容積の合計(逆混合する粒子量)が、1
段当たりの粒子量の3%以下に維持される。その場合に
は、オリフィス付き短管の数を複数にすることによっ
て、ある段の粒子量が正規の値より少なくなったとき
に、少ない停止回数で正規の値に回復させることができ
る。
【0031】逆に、ある段の粒子量が、何らかの理由で
設計値より多くなったときには、通水時に粒子展開高さ
Hfが大きくなり、フリーゾーンhfが短くなる。その
結果、増加した粒子量が上段の分散ノズルに吸い込まれ
るため、その段の粒子量が正規の値に戻る。
【0032】段間隔(棚板と棚板の間隔)は、粒子展開
高さHfとフリーゾーンの長さhfの和に一致させる必
要がある。その際、使用する粒子を用いて、あらかじめ
実験的に、使用する温度での通水速度と粒子展開率の関
係を求めておき(図6参照)、そのグラフを用いて静止
層高Hoから、通水速度に対応するHfを求めればよ
い。
【0033】フリーゾーンの長さhfとしては、分散ノ
ズルの垂直部12の孔径dnの2〜10倍、好ましくは
3〜6倍に設定する。2倍より小さくすると、通水速度
がわずかに増加するだけで、粒子が上部分散ノズルに吸
い込まれるので、通水速度の管理を一層厳密にしなけれ
ばならなくなる。一方10倍より大きくすると、何らか
の理由で1段当たりの粒子量が正規の量よりかなり増加
しても、粒子展開面Hfが低すぎて、粒子が上部分散ノ
ズルから吸い込まれないため、最終的に1段当たりの粒
子量が正規の値より増加してしまう。
【0034】粒子展開高さHfに融通性がなく、設計値
以外の通水速度および通水温度で運転することができな
いことは、従来技術と同じである。設計値より大きい通
水速度で通水するとHfが高くなって、最上段以外の段
の粒子量が減少し、その粒子は最上段に集まり、最終的
には処理水に混入してオーバーフローする。逆に、設計
値より小さい通水速度で通水すると、Hfが低くなるか
ら、通水停止を繰り返すたびに各段の粒子量が次第に増
加する。その粒子は最上段から供給されるため、最終的
には最上段が空になることがある。通水温度を低くする
と、液粘度が上昇するため、Hfが高くなって通水速度
の上昇と同じ結果をもたらす。同様にして、通水温度を
高くすると、通水速度の減少と同じ結果をもたらす。
【0035】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を実施例にもと
づき図面を参照して説明する。実施例で用いたクラレケ
ミカル(株)製のクラレコールKW20/40の25℃
における通水速度と粒子展開率の関係を図6に示す。
【0036】本装置を用いるシステムを図5で説明す
る。原水槽6の原水を、定量ポンプP1で、流量計F1
を経由して塔底に供給し、各段の活性炭層中を順次上向
流で通過させ、最上段からのオーバーフローとして処理
水を得て処理水槽7に貯蔵する。処理水のCODをプロ
セス分析計M1で常時分析して、その値が処理水の水質
管理範囲の上限値になったら、原水の供給を停止し、塔
底バルブV1から最下段の活性炭を下向流と共に廃炭貯
槽8に抜取る。抜取った廃炭量と同量の新炭を、新炭貯
槽9から新炭計量槽10で計量し、水流と共に最上段に
移送する。
【0037】内径500mmの吸着塔1を、棚板2によ
って段間隔900mmで5段に分割した。各段にクラレ
コールKW20/40を45kg(乾燥重量)ずつ充填
したところ、静止層高が570mmとなった。最下段を
除く棚板には、図2に示すような同心円配列に25個の
孔を開け、棚板の中央の孔に、図3に示すような孔径
5.2mmのオリフィス3、および内径50mm、長さ
330mmの短管4を取付けた。それ以外の24個の孔
には図4に示すような分散ノズルを取り付けた。天板1
1は直径80mm、厚さ5mmであり、垂直管12の内
径は10mmで、水平方向に直角に4方向に開いている
長方形の孔13の大きさは12×13mmである。最下
段の棚板には、すべての孔に分散ノズルを取付けた。
【0038】この装置を用いて、上記の排水を3.0m
/h(15.3m/h)で通水したところ、各段の粒
子展開面高さは855mm(静止層高の1.5倍)とな
った。その際、器壁に付帯させたピーピンググラス(図
示せず)によって、各段の活性炭の静止層高を測定した
ところ、570±20mmで一定であった。
【0039】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載するような効果を有する。
【0040】最下段の棚板には分散ノズルのみを設け、
それ以外の棚板には、分散ノズルおよびオリフィス付き
短管を設け、オリフィスの孔径を、固体粒子の平均粒径
の8〜40倍とし、短管の内径を、短管内の上向流の線
速度が、短管外の上向流の線速度より大きくならないよ
うに設定し、短管の長さを、その下端が、下段の固体粒
子層の静止界面に達するように設定することによって、
通水停止時に棚板から自然落下する粒子が3%以下にな
る。その結果、逆混合する粒子が3%以下になり、粒子
の更新をしないで通水と停止を繰り返しても、粒子の接
触効率が実質的に低下しないため、粒子使用量が削減さ
れる。また、短管および分散ノズルの働きによって各段
の粒子量が一定に維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】棚板に分散ノズルおよびオリフィス付き短管を
配置する実施例を示す断面図であり、粒子展開面、静止
界面およびフリーゾーンの説明図でもある。
【図2】棚板に分散ノズルおよびオリフィス付き短管を
配置する実施例を示す平面図である。
【図3】オリフィス付き短管の断面の詳細図である。
【図4】分散ノズルの実施例を示す断面図である。
【図5】粒状活性炭を用いる多段流動層装置による排水
処理システムを示す図である。
【図6】粒状活性炭の通水速度と粒子展開率の1例を示
す図である。
【符号の説明】
1 多段流動層活性炭吸着塔 2 棚板 3 オリフィス 4 短管 5 分散ノズル 6 原水槽 7 処理水槽 8 廃炭貯槽 9 新炭貯槽 10 新炭計量槽 11 天板 12 垂直孔 13 水平孔 FI 流量計 LG 液面計 LS レベルスイッチ M1 プロセス分析計 P1 原水供給ポンプ V1 塔底バルブ θ 安息角

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多段流動層固液接触装置(1)における
    各段の流動層を支持する棚板(2)において、最下段の
    棚板には分散ノズル(5)のみを設け、それ以外の棚板
    には分散ノズルの他に、オリフィス(3)付き短管
    (4)を設け、オリフィスの孔径を、固体粒子の平均径
    の8〜40倍とし、短管の内径を、短管内の上向流の線
    速度が、短管外の上向流の線速度より大きくならないよ
    うに設定し、短管の長さを、その下端が、下段の固体粒
    子層の静止界面に達するように設定することを特徴とす
    る多段流動層固液接触装置。
  2. 【請求項2】最下段以外の棚板に、分散ノズル(5)の
    他にオリフィス(3)付き短管(4)を1カ所設ける請
    求項1記載の多段流動層固液接触装置。
  3. 【請求項3】 フリーゾーンの長さ(hf)を、分散ノ
    ズルの垂直孔12の孔径(dn)の2〜10倍に設定す
    る請求項1または2記載の多段流動層固液接触装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002532225A (ja) * 1998-12-15 2002-10-02 コック グリッシュ インコーポレーテッド 流動層においてガスと固体を接触させるための方法と装置
JP2014073936A (ja) * 2012-10-04 2014-04-24 Toho Earthtech Inc 吸着塔およびヨウ素吸着方法

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