JP2014073417A - 多孔質球状骨修復用粒子及び自己硬化型骨修復用ペースト - Google Patents

多孔質球状骨修復用粒子及び自己硬化型骨修復用ペースト Download PDF

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Abstract

【課題】より高い創傷治癒促進作用を有する創傷治癒用高分子組成物を提供する。
【解決手段】アルギン酸ナトリウム、水酸アパタイト及び塩化カルシウムを含む混合物を焼成して得られた多孔質球状骨材粒子に、アスコルビン酸誘導体が担持されてなる多孔質球状骨修復用粒子。
【選択図】なし

Description

本発明は、多孔質球状骨修復用粒子及び自己硬化型骨修復用ペーストに関する。
外科手術などにおいて、皮膚、臓器、血管などの創部の閉鎖・接合は、最も基本的な手技のひとつであり、現在では、高分子による縫合糸、接着用フィルム、ガーゼ、絆創膏、包帯、及び骨折補強材料等の生体用インプラントが一般的になっている。創傷治癒用高分子組成物は創傷を接合させ、癒合しやすい条件をつくるために用いられる。創部の閉鎖・接合に創傷治癒用高分子組成物を用いる場合、特にそれが縫合用の糸や接着テープの場合は適度な張力に耐えうる生物学的適合性のよい創傷治癒用高分子組成物にて行うことが考えられ、いくつかの創傷治癒用高分子組成物が臨床的に用いられている。特に生体内で吸収される吸収性高分子組成物は、吸収後創傷治癒用部位に異物を残すことなくケロイド、センイ化などの組織の異常や変形、食細胞の浸潤などの炎症反応などを発生させにくく組織を通常の状態に回復するため、近年ではほとんどの体内手術においては縫合用糸や接着テープ材料に生体吸収性創傷治癒用高分子組成物が用いられるようになっている。
現在使用されている吸収性創傷治癒用高分子組成物である縫合用糸には羊の腸を再生し、コラーゲン部分をアルカリ湿潤状態で練って脱脂してモノフィラメントとした古い伝統をもつカットグットがある。また、腸を再生した縫合糸としてクロミックガットもある。合成品としてはポリエステルの一種であり加水分解性を有するポリグリコール酸を溶融紡高分子して細い高分子としたポリグリコール酸系合成品(PGA系)がある。また、ポリグリコール酸とポリ乳酸との共重合体を高分子化したPGA−PLA共重合系、ポリジオキサノンをモノフィラメントなどにしたものもある(非特許文献1及び参照)。ゼラチン、スターチ(でんぷん)、アルギン酸ソーダ、寒天、ポリ乳酸、セルロース、ポリグルタミン酸等から成型物や繊維を作成することは従来より行われてきた。
「キチン,キトサンハンドブック」、キチン,キトサン研究会編、技報堂出版株式会社発行、343〜344頁、1995年2月25日発行 「生体適合材料<その機能と応用>」、編著者 筏 義人他、(財)日本規格協会発行、122〜127頁、1993年3月5日発行
上記のように、生体組織用創傷治癒用高分子組成物として、適度な張力及び破断力に耐え、組織障害がなく生物学的適合性がよい創傷治癒用高分子組成物が求められている。しかしながら、従来から用いられている創傷治癒用高分子組成物は強度が低いため、術後に創傷治癒用不全などを起こしたり、生体組織に対し生体毒性を示し、組織の創傷治癒を妨げるという問題点もある。これまでに、より積極的に創傷治癒を促進するという作用を有する生体組織用創傷治癒用高分子組成物はなく、創傷治癒を促進させ、より創傷治癒用力を高める生体組織用創傷治癒用高分子組成物が望まれている。また、創傷は炎症を伴うことが多く感染症を受けやすく、免疫細胞や抗生物質などから発生する活性酸素による細胞組織障害を発生し創傷を直りにくくしている。現在のところこれらの創傷の炎症、感染症、活性酸素発生などの問題を総合的に解決する体組織用創傷治癒用高分子組成物は存在しない。本発明は上記問題点を解決するものであり、その目的は、より高い創傷治癒促進作用を有すると共に、抗炎症作用、抗感染症作用、活性酸素発生などの問題を総合的に解決するより高い組織創傷治癒用効果をもつ生体組織用創傷治癒用高分子組成物を提供することにある。
さらに、例えば、縫合糸にL−アスコルビン酸やポリペプチド等の創傷治癒促進効果のある薬剤を含有させることにより創傷治癒効果を高めることが考えられるが、アスコルビン酸等の抗酸化剤やペプチド、創傷治癒効果のある生理活性物質は酸化分解されやすく、縫合糸等の医薬材料としては滅菌工程での酸化分解の問題で安定に配合することが困難であった。また、L−アスコルビン酸の単純な縫合糸や生分解性糸やプラスチックへの配合は、L−アスコルビン酸の自然酸化に伴うアスコルビン酸ラジカルの発生により炎症を誘発激化させるという問題も発生させた。さらに、生分解性プラスチック等も滅菌工程での熱耐性や薬剤耐性が極めて弱く、L−アスコルビン酸を生分解性プラスチックに配合して滅菌しその後も安定に効果を保つことはできなかった。さらに、たとえ分解せずに糸や樹脂に配合したとしても、糸や樹脂表面にそれらの分子が付着しているのみであり脱落しやすく、容易に代謝分解され有効な効果を発揮できないという問題があった。即ち、アスコルビン酸等の抗酸化剤やペプチド、創傷治癒効果のある生理活性物質の酸化分解の問題を解決し、医薬材料として必要な滅菌工程での酸化分解の問題を解決し安定に配合することができなければならない。また、生分解性プラスチック等の耐熱性や薬剤耐性も高め、生分解性プラスチックに配合した創傷治癒促進剤の効果を、滅菌した後も安定に保たなくてはならない。さらに、これらの薬剤は糸や樹脂表面から長時間持続して生体内に供給され効果を発揮し続けなければならない。本発明は、これらの問題を解決するものである。
本発明の請求項1に記載の発明は、アルギン酸ナトリウム、水酸アパタイト及び塩化カルシウムを含む混合物を焼成して得られた多孔質球状骨材粒子に、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム、L−アスコルビル−2,3,5,6−テトライソパルミテート、L−アスコルビン酸−2−グルコシド、L−アスコルビン酸−2,6−ジパルミテート、イソステアリル2−0−L−アスコルビン酸リン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステル亜鉛、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−パルミテートナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム亜鉛、L−アスコルビン酸エチル、L−アスコルビン酸−2−リン酸トコフェロール及びL−アスコルビン酸−2−マレイン酸トコフェロールからなる群から選択される一種以上のアスコルビン酸誘導体が担持されてなる多孔質球状骨修復用粒子である。
本発明の請求項2に記載の発明は、前記多孔質球状骨材粒子に、さらに、線維芽細胞増殖因子、グリチルリチン酸ジカリウム、塩化ベンザルコニウム及びdl−α―トコフェリルリン酸ナトリウムからなる群から選択される一種以上の薬剤が担持されてなる請求項1に記載の多孔質球状骨修復用粒子である。
本発明の請求項3に記載の発明は、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム、L−アスコルビル−2,3,5,6−テトライソパルミテート、L−アスコルビン酸−2−グルコシド、L−アスコルビン酸−2,6−ジパルミテート、イソステアリル2−0−L−アスコルビン酸リン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステル亜鉛、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−パルミテートナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム亜鉛、L−アスコルビン酸エチル、L−アスコルビン酸−2−リン酸トコフェロール及びL−アスコルビン酸−2−マレイン酸トコフェロールからなる群から選択される一種以上のアスコルビン酸誘導体と、第四リン酸カルシウムと、第二リン酸カルシウムと、を含有する自己硬化型骨修復用ペーストである。
本発明の請求項4に記載の発明は、さらに、線維芽細胞増殖因子、グリチルリチン酸ジカリウム、塩化ベンザルコニウム及びdl−α−トコフェリルリン酸ナトリウムからなる群から選択される一種以上の薬剤を含有する請求項3に自己硬化型骨修復用ペーストである。
また、本発明は、以下の(1)〜(20)に関する。
(1)生分解性高分子組成物に下記式〔I〕で示されるアスコルビン酸誘導体が含有されていることを特徴とするアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物。
Figure 2014073417
(式中Rは、アスコルビン酸分子の2位の炭素に結合し、Rは3位の炭素に、Rは5位の炭素に、Rは6位の炭素にそれぞれ結合する。R、R、RおよびRは各々水酸基、リン酸基、ピロリン酸基、トリリン酸基、ポリリン酸基、O−グルコシル基、硫酸基、分岐および不飽和結合を含んでも良いアシルオキシ基、アルキルオキシ基またはヒドロキシアルキルオキシ基であり、RとR、およびRとRは、アセタールまたはケタールとして酸素原子を介し同一炭素原子に結合しても良い。)
(2)アスコルビン酸誘導体がL−アスコルビン酸―2−リン酸及びその塩類、アスコルビン酸−2−リン酸−6−脂肪酸、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−(2’−ヘキシルデカン酸)エステル、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−(2’−ブチルヘキサン酸)エステル、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−(2’−ヘプチルウンデカン酸)エステル、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−パルミチン酸、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−ステアリン酸、アスコルビン酸−2−グルコシド−6−パルミチン酸、アスコルビン酸−2−グルコシド−6−ステアリン酸、アスコルビン酸−2−グルコシド−6−脂肪酸、アスコルビン酸−2,6−ジステアリン酸、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステル亜鉛、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−パルミテートナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム亜鉛、L−アスコルビン酸−2−グルコシド、L−アスコルビン酸エチル、L−アスコルビン酸−2−リン酸トコフェロール、L−アスコルビン酸−2−マレイン酸トコフェロール、L−アスコルビン酸−6−パルミテート、L−アスコルビン酸−2,6−ジパルミテート、イソステアリル2−0−L−アスコルビン酸リン酸ナトリウム、L−アスコルビル−2,3,5,6−テトライソパルミテートから選択される単体又は2種以上の複合物から選択されるアスコルビン酸誘導体及びその塩類又はその複合塩から選択されるアスコルビン酸誘導体である(1)の生体組織用創傷治癒用高分子組成物。
(3)前記生分解性高分子が以下の高分子化合物の一種又は二種以上の複合組成物であることを特徴とする(1)または(2)のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物。
ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(α−ヒドロキシ酸)系高分子、ポリ−β−ヒドロキシ酪酸(PHB)、ポリ(β−ヒドロキシアルカノエート)系高分子、 ポリ−ε−カプロラクトン(PCL)、ポリ(ω−ヒドロキシアルカノエート)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリエチレンサクシネート(PES)、ポリアルキレンアルカノエート、ポリエステル系高分子、ポリプロピレン系高分子、ポリアミド系高分子、ポリテトラフルオロエチレン系高分子、PGA−PLA系高分子 、ポリジオキサノン系高分子 、キチン・キトサン系高分子、ポリアミノ酸系高分子、ポリ糖鎖系高分子、ポリ核酸系高分子、ハイドロキシアパタイト系高分子、リン酸カルシウム系高分子、ゼラチン、スターチ(でんぷん)、アルギン酸ソーダ、寒天、セルロース、ポリグルタミン酸、キチンキトサン、こんにゃく、アミノ酸系高分子、ペプチド系高分子、多糖類系高分子、天然脂質系高分子、核酸系高分子。
(4)(1)または(2)のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物を含有することを特徴とする線維。
(5)(1)または(2)のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物を含有することを特徴とする織布。
(6)(1)または(2)のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物を含有することを特徴とする不織布。
(7)(1)または(2)のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物を含有することを特徴とするフィルム。
(8)(1)または(2)のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物を含有することを特徴とする成型物。
(9)(1)または(2)のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物を含有することを特徴とするガーゼ。
(10)(1)または(2)のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物を含有することを特徴とする絆創膏。
(11)(1)または(2)のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物を含有することを特徴とする包帯。
(12)(1)または(2)のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物を含有することを特徴とする骨折補強材料。
(13)(1)または(2)のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物を含有することを特徴とする生体インプラント。
(14)(1)または(2)のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物を含有することを特徴とする生体用接着剤。
(15)(1)または(2)のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物を含有することを特徴とする生体用接着フィルム。
(16)(1)または(2)のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物を含有することを特徴とする細胞培養用容器。
(17)(1)〜(3)のいずれか一のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物を含有することを特徴とする多孔質構造体。
(18)(1)または(2)のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物を含有することを特徴とする中空繊維構造体。
(19)生分解性の高分子と生分解性でない高分子の2種の高分子を含有することを特徴とする(1)または(2)のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物。
(20)さらに、創傷治癒促進剤、抗炎症剤、抗感染症剤、および活性酸素消去剤からなる群から選ばれる一種以上を含有することを特徴とする(1)〜(19)のいずれか一のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物。
本発明の構成は、上記の通りであり、本発明によれば、より高い創傷治癒促進作用を有すると共に、より高い組織創傷治癒用効果をもつ生体組織用創傷治癒用高分子組成物を提供できる。さらに本発明は、アスコルビン酸等の抗酸化剤やペプチド、創傷治癒効果のある生理活性物質の酸化分解の問題を解決し、医薬材料として必要な滅菌工程での薬剤の酸化分解の問題を解決し、アスコルビン酸の自然酸化に伴うアスコルビン酸ラジカルの発生を抑制し、炎症などの副作用の発生を抑制しつつ安定に創傷治癒促進剤を配合することができる。また、生分解性プラスチック等の耐熱性や薬剤耐性も高め、生分解性プラスチックに配合した創傷治癒促進剤の効果を、滅菌した後も安定に保つことができ、これらの薬剤を糸や樹脂表面から長時間持続して生体内に供給して効果を発揮させ続けることができる。
本発明のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物は、高分子組成物に前記式〔I〕で示されるアスコルビン酸誘導体が含有されていることを特徴とする。
式〔I〕中Rは、アスコルビン酸分子の2位の炭素に結合し、Rは3位の炭素に、Rは5位の炭素に、Rは6位の炭素にそれぞれ結合する。R、R、RおよびRは各々水酸基、リン酸基、ピロリン酸基、トリリン酸基、ポリリン酸基、O−グルコシル基、硫酸基、分岐および不飽和結合を含んでも良いアシルオキシ基、アルキルオキシ基またはヒドロキシアルキルオキシ基であり、RとR、およびRとRは、アセタールまたはケタールとして酸素原子を介し同一炭素原子に結合しても良い。
アスコルビン酸誘導体は、L−アスコルビン酸―2−リン酸及びその塩類、アスコルビン酸−2−リン酸−6−脂肪酸、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−(2’−ヘキシルデカン酸)エステル、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−(2’−ブチルヘキサン酸)エステル、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−(2’−ヘプチルウンデカン酸)エステル、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−パルミチン酸、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−ステアリン酸、アスコルビン酸−2−グルコシド−6−パルミチン酸、アスコルビン酸−2−グルコシド−6−ステアリン酸、アスコルビン酸−2−グルコシド−6−脂肪酸、アスコルビン酸−2,6−ジステアリン酸、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステル亜鉛、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−パルミテートナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム亜鉛、L−アスコルビン酸−2−グルコシド、L−アスコルビン酸エチル、L−アスコルビン酸−2−リン酸トコフェロール、L−アスコルビン酸−2−マレイン酸トコフェロール、L−アスコルビン酸−6−パルミテート、L−アスコルビン酸−2,6−ジパルミテート、イソステアリル2−0−L−アスコルビン酸リン酸ナトリウム、L−アスコルビル−2,3,5,6−テトライソパルミテートから選択される単体又は2種以上の複合物から選択されるアスコルビン酸誘導体及びその塩類又はその複合塩から選択されるアスコルビン酸誘導体であることが好ましい。
本発明で使用できる、上記アスコルビン酸誘導体の例として以下の実際に製造又は販売されている物質を使用することもできる。
昭和電工製
1)L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム
2)L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム
3)L−アスコルビン酸−2−リン酸エステル亜鉛
4)L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−パルミテートナトリウム
アイティーオー製
5)L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム亜鉛
和光純薬製
6)L−アスコルビン酸−2−グルコシド
販売元:ケミコスクリエーション
7)L−アスコルビン酸エチル
千寿製薬製
8)L−アスコルビン酸−2−リン酸トコフェロール
9)L−アスコルビン酸−2−マレイン酸トコフェロール
和光純薬製
10)L−アスコルビン酸−6−パルミテート
11)L−アスコルビン酸−2,6−ジパルミテート
東洋ビューティー社製
12)イソステアリル2−0−L−アスコルビン酸リン酸ナトリウム
日光ケミカル製
13)L−アスコルビル−2,3,5,6−テトライソパルミテート
本発明のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物は、繊維、縫合用糸、織布、不織布、フィルム、成型物、ガーゼ、絆創膏、包帯、骨折補強材料、生体インプラント、生体用接着剤、生体用接着フィルム、細胞培養用容器などの作成に好適である。
本発明で用いられる生分解性高分子としては、従来から生体組織用創傷治癒用高分子組成物として使用されてきたもののいずれも使用可能であり、例えば、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(α−ヒドロキシ酸)系高分子、ポリ−β−ヒドロキシ酪酸(PHB)、ポリ(βヒドロキシアルカノエート)系高分子、ポリ−ε−カプロラクトン(PCL)、ポリ(ω−ヒドロキシアルカノエート)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリエチレンサクシネート(PES)、ポリアルキレンアルカノエート、ポリエステル系高分子、ポリプロピレン系高分子、ポリアミド系高分子、ポリテトラフルオロエチレン系高分子、PGA−PLA系高分子 、ポリジオキサノン系高分子 、キチン・キトサン系高分子、ポリアミノ酸系高分子、ポリ糖鎖系高分子、ポリ核酸系高分子、ハイドロキシアパタイト系高分子、リン酸カルシウム系高分子、アミノ酸系高分子、ペプチド系高分子、多糖類系高分子、天然脂質系高分子、核酸系高分子、ゼラチン、スターチ(でんぷん)、アルギン酸ソーダ、寒天、セルロース、ポリグルタミン酸、キチンキトサン、こんにゃくなどの生分解性高分子などが挙げられるが、特に限定されるものではない。前記生分解性高分子は、一種単独で用いても良いし、二種以上を併用して複合組成物として用いても良い。
生体組織用創傷治癒用高分子組成物が生分解性高分子である場合には、創傷の癒合後に吸収されるため、体内異物として残存せず炎症反応を誘導しにくいことが生体にとって好ましいため特に適している。このためには、術後1年以内には完全に生体から消滅する高分子が良く、好ましくは一ヶ月以内に生体内から消滅するものが特に良い。また、本発明の高分子組成物は、市販の細菌除去用のメンブランフィルターのような直径1nmから1mmの細かな穴又は空間が存在する多孔質な構造を取ることにより、より多くのアスコルビン酸誘導体分子を取り込むことができるために有効である。本発明が繊維の場合は中空繊維構造のものがより多くのアスコルビン酸誘導体分子を取り込むことができるために有効である。
本発明の生分解性高分子組成物としては、生体内で酵素や細胞、細菌等の力により分解吸収される素材であれば良く、羊や牛の腸をよってモノフィラメント状に加工したカットグットやPGA系高分子 、PGA−PLA系高分子 、ポリジオキサノン系高分子 、キチン・キトサン系高分子組成物などが挙げられるが、生分解性を有する高分子組成物であれば特に限定されるものではない。
本発明のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物に含有すべき上記アスコルビン酸誘導体の量は、特に限定されず広範囲に適宜選択されるが、アスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物 中またはアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物上に、好ましくは、10−6〜10質量%の範囲でありさらに好ましくは0.001質量%から1質量%の範囲である。
本発明において、生分解性高分子として好ましくは脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂がある。
その例としては、例えば、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLLA)等のポリ(α−ヒドロキシ酸); ポリ−β−ヒドロキシ酪酸(PHB)等のポリ(β−ヒドロキシアルカノエート); ポリ−ε−カプロラクトン(PCL)等のポリ(ω−ヒドロキシアルカノエート); ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリエチレンサクシネート(PES)等のポリアルキレンアルカノエート等が挙げられる。これらの樹脂は、単独重合体であってもよく、共重合可能な成分との共重合体であってもよい。
これらの樹脂は、公知の方法により合成することができる。なお、これらの樹脂の重量平均分子量は、例えば少なくとも5万、好ましくは少なくとも7万、さらに好ましくは10万〜30万である。
本発明の(19)において、生分解性高分子以外の高分子としては、特に限定されることなく公知の種々の高分子を用いることができる。生分解性高分子以外の高分子と生分解性高分子を混合して使用する場合には、生分解性高分子が生体に吸収された後、非生分解高分子の断片が生体内に残ることになるが、これらが生体内で炎症反応を引き起こすことなく生体組織に完全に融合するか、食細胞等にどん食される程度の小さなサイズに断片化されることが重要である。このときの断片化された非生分解性の高分子のサイズは直径100μm以下が望ましい。
代表的なものを例示すれば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレートの共重合体、ポリブチレンテレフタレートの共重合体、ポリエチレンナフタレートの共重合体等のポリエステル系樹脂;ナイロン系樹脂;スチレン系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂が挙げられる。
ポリエチレンには、極低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンが含まれる。
高分子の含有により、生分解性高分子の脆さ等の実用上の問題が改善される。特にポリオレフィン系樹脂を含有させると、疎水的効果が得られ、生分解性高分子の耐加水分解を向上させることができる。
本発明にはこれらの高分子を相溶化させるための相溶化剤を常法により含有させることもでき、その例としては、アイオノマー樹脂、オキサゾリン系相溶化剤、エラストマー系相溶化剤、反応性相溶化剤、及び共重合体系相溶化剤などがあるがこれに限定されない
相溶化剤の含有により、生分解性高分子とそれ以外の高分子との相溶性が向上し、高分解性高分子の作用がより効果的になる。
これらの高分子組成物には必要によりイオンを配合することもできる。
例えば、Li、Na、K等のアルカリ金属イオン、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+等のアルカリ土類金属イオン、Zn2+、Cu2+、Mn2+、Ni2+、Co2+、Co3+、Fe3+、Cr3+等の遷移金属イオンが用いられる。また、陽イオンホスト高分子に対しては、Cl、Br、I等の陰イオンを配合することもできる。
本発明に添加できる高分子としては、特に限定されないが、例えば、エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー、エチレン―アクリル酸共重合体アイオノマー、プロピレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー、プロピレン−アクリル酸共重合体アイオノマー、ブチレン−アクリル酸共重合体アイオノマー、エチレン−ビニルスルホン酸共重合体アイオノマー、スチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー、スルホン化ポリスチレンアイオノマー、フッ素系アイオノマー、テレケリックポリブタジエンアクリル酸アイオノマー、スルホン化エチレン−プロピレン−ジエン共重合体アイオノマー、水素化ポリペンタマーアイオノマー、ポリペンタマーアイオノマー、ポリ(ビニルピリジウム塩)アイオノマー、ポリ(ビニルトリメチルアンモニウム塩)アイオノマー、ポリ(ビニルベンジルホスホニウム塩)アイオノマー、スチレン−ブタジエンアクリル酸共重合体アイオノマー、ポリウレタンアイオノマー、スルホン化スチレン−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンサルフェイトアイオノマー、酸−アミンアイオノマー、脂肪族系アイオネン、芳香族系アイオネン、ポリエチレン−ポリアミドグラフト共重合体(PE−PA GP)、ポリプロピレン−ポリアミドグラフト共重合体(PP−PA GP)等が挙げられる。また、アルコキシ基、アミノ基、メルカプト基、ビニル基、エポキシ基、アセタール基、マレイン酸基、オキサゾリン基及びカルボン酸基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を含み、メルトフローレートが1以上の低粘度の共重合体高分子が挙げられ、具体的には、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、EVA・PVC・グラフト共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体樹脂、エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、水添スチレン−イソプロピレン−ブロック共重合体等が挙げられる。
本発明の高分子組成物には必要により反応性相溶化剤を添加することもでき、その具体例としては、二重結合、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基などを有する化合物(低分子化合物又は高分子)であって、成形加工工程で相溶化させようとする高分子の一方または両方と反応してグラフトまたはブロック構造に基づく界面活性剤的な働きをして相溶化剤として機能するものである(参考文献:「高分子ロイ」基礎と応用、高分子学会編、1993年発行)。本発明に使用できる反応性相溶化剤としては、例えば、エチレングリシジルメタクリレート共重合体(E−GMA;共重合重量組成、例えばE/GMA=100/6〜12)、エチレングリシジルメタクリレート−ビニルアルコール共重合体(E−GMA−VA;共重合重量組成、例えばE/GMA/VA=100/3〜12/8〜5)、エチレングリシジルメタクリレート−メタクリレート共重合体(E−GMA−MA;共重合重量組成、例えばE/GMA/MA=100/3〜6/30)等が挙げられる。具体的には、住友化学製、ボンドファーストE、ボンドファースト2C;日本ポリオレフィン製、レクスパールRA、レクスパールET、レクスパールRC、エチレン無水マレイン酸エチルアクリレート共重合体(E−MAH−EA;住友化学製、ボンダイン)、エチレングリシジルメタクリレート−アクリロニトリルスチレン(EGMA−AS;共重合重量組成、例えばEGMA/AS=70/30)、エチレングリシジルメタクリレート−ポリスチレン(EGMA−PS;共重合重量組成、例えばEGMA/PS=70/30)、エチレングリシジルメタクリレート−ポリメチルメタクリレート(EGMA−PMMA、例えばEGMA/PMMA=70/30)、酸変性型ポリエチレンワックス(APEW;三井化学製、ハイワックス)、COOH化ポリエチレングラフト高分子、COOH化ポリプロピレングラフト高分子、イソシアネート基を5〜30質量%含むポリイソシアネート、具体的には、デグサ(degussa)社製、VESTANAT T1890)が挙げられる。これら反応性相溶化剤のうちの1種のみを用いてもよく、必要に応じて2種以上を混合して用いてもよい。
本発明において、生分解性高分子100質量部に対して、前記相溶化剤を好ましくは0.1〜100質量部、より好ましくは1〜20質量部配合する。相溶化剤を複数種用いる場合には、それらの合計量が前記範囲となるようにするとよい。相溶化剤の配合量が0.1質量部未満であると、生分解性高分子とそれ以外の高分子との相溶化効果が得られにくく、高分子による改善効果が発現されにくい。一方、相溶化剤が100質量部を超えると、相溶化効果は飽和し、得られる生分解性高分子 材料としての生分解性が低下する。生分解性高分子 材料の用途を考慮して、相溶化剤の使用量を適宜決めるとよい。
本発明において、生分解性高分子材料には、さらに他の添加剤、例えば、有機又は無機フィラー、難燃剤、アンチブロッキング剤、結晶化促進剤、ガス吸着剤、老化防止剤(エステル、アミド等)、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、粘着付与剤、可塑剤(ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸又はそれらの金属塩等)、軟化剤(鉱物油、ワックス、パラフィン類等)、安定剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、変性剤、着色剤、カップリング剤、防腐剤、防カビ剤等の添加剤を適宜配合してもよい。
配合方法は、特に限定されることなく、通常の溶融混練方法により行うことができる。例えば、生分解性高分子、生分解性高分子以外の高分子、相溶化剤、及びその他の任意成分を、ロールニーダー、バンバリーミキサー、インターミックス、1軸押出機、2軸押出機などの混練機で混練すると良い。混練は、前記混練機のうちから選ばれる1種の混練機を用いて行ってもよく、又は2種以上の混練機を用いて行ってもよい。
生分解性高分子、生分解性高分子以外の高分子、相溶化剤を含む生分解性高分子 材料を常法により成形して各種成形品とする。また、前記生分解性高分子 材料にさらに必要に応じて添加剤を加えて、被覆材料、コーティング材料又は接着材料とすることも可能である。
前記生分解性高分子材料からの各種成形品は、常法の成形法により製造することができる。例えば、押出成形品、射出成形品、ブロー成形品、Tダイから押出成形されたシート或いはフィルム、インフレーションフィルム、溶融紡糸法による繊維、糸、紐、ロープ、マルチフィラメント、モノフィラメント、フラットヤーン、ステープルファイバー、スパンボンド不織布、フラッシュ紡糸不織布等の繊維状構造物、各種発泡成形品、細胞又は組織培養用容器が得られる。
さらに本発明で得られた成形物に、創傷治癒促進剤、抗炎症剤、抗感染症剤、および活性酸素消去剤(アスコルビン酸又はその誘導体を除く)からなる群から選ばれる一種以上を同時に配合することにより、炎症が発生しにくい本発明の構造物を作成することができる。本発明で使用できる創傷治癒促進剤、抗炎症剤、抗感染症剤、アスコルビン酸又はその誘導体以外の活性酸素消去剤としては、EGF、TGF−β1、TGF−α、FGF、VEGF、PDGF−BB、TGF−β1、PDGF−AB、IGF、KGF、PDGF、TGF−β2、TGF−β3、FGF−2、U−PA、t−PA、インテグリン、接着因子、dl−α−トコフェロール、dl−α−トコフェロール酢酸エステル、dl−α−トコフェロールリン酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩若しくはカルシウム塩、dl−α−トコフェロール酢酸エステル、ビタミンEニコチネート等のビタミンE若しくはその誘導体、ユビキノン、エリソルビン酸、茶抽出物、ポリフェノール類、エトキシキシ等の酸化防止剤、アスタキサンチン等のカロチノイド類、クエン酸、リン酸、メタリン酸、グリシン、システイン等の有機酸類、カテキン等のポリフェノール等またはこれらのナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の塩から適宜選択されるが、中でもカロチン、アスタキサンチン、ルテイン、dl−α−トコフェロール酢酸エステル、α−トコフェロール、SOD、グルタチオン、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、カテキン類またはこれらのナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の塩から選択される一種以上の物質、及びアクリノール、アルキルポリアミノエチルグリシン、イソプロパノール、エタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸化フェノール、オキシドール、過マンガン酸カリウム、グルコン酸クロルヘキシジン、クレゾール石鹸、次亜塩素酸Na、チオ硫酸Naグラニオール変性アルコール、チメロサール、フェノール、ブロノポール、ポビドンヨード、ホルマリン、マーキュロクロム、ヨウ素、ヨードチンキ、ヨードホルム、レゾルシン、アルミニュームクロロヒドロキシアラントイネート、酸化亜鉛、白色ワセリン、豚皮、エリスロマイシン、塩酸オキシテトラサイクリン、塩酸オキシテトラサイクリン硫酸ポリミキシンB、塩酸グラミシジンS硫酸ストレプトマイシン、塩酸テトラサイクリン、塩酸デメチルクロルテトラサイクリン、グラマイコーチゾン、クロマイ−P、クロラムフェニコール、スルファジアジン、スルファジアジン銀、スルフィソミジン、テトラサイクリン、ナジフロキサシン、パシトラシン硫酸フラジオマイシン、フシジン酸ナトリウム、硫酸カナマイシン、硫酸ゲンタマイシン、硫酸コリスチン硫酸フラジオマイシン、硫酸フラジオマイシン、硫酸フラジオマイシントリプシン、硫酸ポリミキシンB、アクリノールチンク油、アズレン、アミノ安息香酸エチル、アムシノニド、アルミニウムクロロヒドロキシアラントイネート、アンモニア水、インドメタシン、ウフェナマート、エキザルベ、塩酸イソチペンシル、塩酸オキシテトラシクリンヒドロコルチゾン、塩酸テトラサイクリン酢酸ヒドロコルチゾン、オイリッチ、外皮用消炎鎮痛配合剤、カラミン、カルバゾクロム塩酸アルキルポリアミノエチルグリシン、カンフル、吉草酸酢酸プレドニゾロン、吉草酸ジフルコルトロン、吉草酸デキサメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン硫酸ゲンタマイシン、強力レスタミンコーチゾン、グリチルレチン酸、クロタミトン、ケトプロフェン、ケナコルト−A、ケナコルト−AG、酢酸ジフロラゾン、酢酸デキサメタゾン、酢酸鉛、酢酸ヒドロコルチゾン、酢酸メチルプレドニゾロン、サリチル酸メチル、塩化亜鉛、紫雲膏、ジフェンヒドラミン、ジフルプレドナート、ジプロピオン酸ベタメタゾン、次没食子酸ビスマス、水酸化カルシウム、スプロフェン、セイヨウトチノキ種子エキス、脱脂大豆乾留タール、脱脂大豆乾留タールジフェンヒドラミン、タンニン酸、デキサメタゾン、デキサメタゾン脱脂大豆乾留タール、トウガラシチンキ、トコフェロールビタミンA油、トリアムシフロンアセトニド、ハルシノニド、ビタミンA、ヒドロコルチゾンクロタミトン、ピバル酸フフメタゾン、ピリドレチン、ピロキシカム、フェノール亜鉛華リニメント、フェルビナク、プデソニド、ブフェニキサマク、フランカルボン酸モメタゾン、フルオシノニド、フルオシノロンアセエトニド、フルドロキシコルチド、フルルビプロフェン、プレドニゾロン、プロピオン酸アルクロメタゾン、プロピオン酸クロベタゾール、プロピオン酸デキサメタゾン、プロピオン酸デプロドン、プロピオン酸ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ヘパリン類似物質、ベンダザッグ、モビラート、ラウリル硫酸ジフェンヒドラミン、酪酸クロベタゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、酪酸プロピオン酸ベタメタゾン、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン、硫酸アルミニウムカリウム、硫安フラジオマイシン吉草酸ベタメタゾン、硫安フラジオマイシンフルオシノロンアセトニド、硫安フラジオマイシンプレドニゾロン、イオウ、ウンデシレン酸、ウンデシレン酸亜鉛、ウンデシレン酸ウンデシレン酸亜鉛、ウンデシレン酸サリチル酸、塩酸アモロルフィン、塩酸クロコナゾール、塩酸テルビナフィン、塩酸ネチコナゾール、塩酸ブテナフィン、クロトリマゾール、ケトコナゾール、サリチル酸シクロピロクスオラミン、シッカニン、硝酸イナコゾール、硝酸エコナゾール、硝酸オキシコナゾール、硝酸スルコナゾール、水銀軟膏、チオコナゾール、トリコマイシン、トリシクラート、トルナフタート、トルナフタート塩酸クロルヘキシジン、ナイスタチン、バリオチン、ビホナゾール、フェニルヨードウンデシノエート、ミコナゾール、モクタール、ラフコナゾール、イオウカンフル、カリ石鹸、カンタリス、グリセリンカリ、酢酸、サリチル酸、硝酸銀、尿素、塩酸カプロニウム、アルプロルタジル、ジアフェニルスルホン、精製白糖ポンピドンヨード、タカルシトール、トリチノイントコフェリル、ブクラデシンナトリウム、ヘパリンナトリウム、メトキサレン、メラジニン、イブプロフェン、イブプロフェンピコノール、幼生血液抽出物、ヨウ素等の成分を挙げることができる。それらの成分は、1ppm〜5質量%の範囲で併用添加することが好ましい。
アスコルビン酸誘導体と、上記のアスコルビン酸又はその誘導体を除く活性酸素消去剤との併用により、生分解性樹脂の耐熱性、耐薬剤性、耐強度性能を格段に向上させることができる。
上記の薬剤は、必要に応じて直接あるいはゼラチン、油脂類等の被膜剤で被膜したもの、あるいはマイクロカプセル、デキストリン等で包摂したものを本発明の高分子組成物やその構造体に混入することもできる。マイクロカプセルとしては、通常の製法で作られた公知のリポソーム製剤や、公知の製法により調製されたリポソームなどをいずれも好適に使用することができ、具体的には、特開平7−316079号公報、特開平8−151334号公報、特開平9−278726号公報などに記載されたリポソームなどを使用することができる。
さらに、本発明の構造物、生体組織用創傷治癒用高分子組成物が多孔質構造や中空繊維構造である構造物であれば、前記の創傷治癒促進剤、抗炎症剤、抗感染症剤、活性酸素消去剤(アスコルビン酸又はその誘導体を除く)を同時に配合した際に、これらの薬品が多孔質構造内や中空繊維構造内に取り込まれて除放効果を発揮でき、これらの薬剤の効果発揮時間を延長でき、さらに、線維芽細胞などが多孔質構造の中に入り込みやすくなり、本発明による創傷治癒効果が促進される。細胞の入植を考慮すると、多孔質又は中空構造の直径が1mmから0.1ミクロンの範囲であることが望ましい。薬剤の序徐放性を考慮すると多孔質又は中空構造の直径が1ミクロンから10nmの範囲であることが望ましい。そして、これらの大きさの異なるサイズが混在するものでもよい。
本発明で用いられるアスコルビン酸誘導体は、コラーゲン合成促進作用があり、創傷治癒作用を有すると共に、抗炎症作用、活性酸素消去作用、抗菌活性、抗ウイルス活性も有することが知られている。このアスコルビン酸誘導体を生体組織用創傷治癒用高分子組成物に含有させることにより、より高い創傷治癒促進作用を有すると共に、より高い組織創傷治癒作用、抗炎症作用、活性酸素消去作用、抗菌活性、抗ウイルス活性をもつ生体組織用創傷治癒用高分子組成物が得られる。
(参考例1)
本発明の以下の参考例及び実施例で使用したアスコルビン酸誘導体を以下に示すが特にこれに限定されない。
昭和電工製
1)L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム
2)L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム
3)L−アスコルビン酸−2−リン酸エステル亜鉛
4)L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−パルミテートナトリウム
アイティーオー製
5)L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム亜鉛
和光純薬製
6)L−アスコルビン酸−2−グルコシド
販売元:ケミコスクリエーション
7)L−アスコルビン酸エチル
千寿製薬製
8)L−アスコルビン酸−2−リン酸トコフェロール
9)L−アスコルビン酸−2−マレイン酸トコフェロール
和光純薬製
10)L−アスコルビン酸−6−パルミテート
11)L−アスコルビン酸−2,6−ジパルミテート
東洋ビューティー社製
12)イソステアリル2−0−L−アスコルビン酸リン酸ナトリウム
日光ケミカル製
13)L−アスコルビル−2,3,5,6−テトライソパルミテート
(実施例1)
参考例1の1)のアスコルビン酸誘導体5gを精製水50mlに溶解した。PGA系高分子からなる縫合糸であるDavis&Greck社製、商品名「Dexon」の1.0gをこの溶液に浸漬した後、取り出した。風乾後、本発明のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物の実施例である縫合糸を得た。この糸の重量増加は4.9mgであった。
(実施例2)
参考例1の13)のアスコルビン酸誘導体5gをそれぞれエタノール(ナカライテスク社製)50mlに溶解した。PGA系高分子からなる縫合糸であるEthicon社製、商品名「Vicryl」の1.0gをこの溶液に浸漬した後、取り出した。風乾後、本発明のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物の実施例である縫合糸を得た。この糸の重量増加はそれぞれ5mgであった。
(実施例3)
参考例1の6)のアスコルビン酸誘導体5gを精製水50mlに溶解した。ポリジオキサノン系高分子からなる縫合糸であるEthicon社製、商品名「PDS」の1.0gをこの溶液に浸漬した後、取り出した。風乾後、本発明のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物の実施例である縫合糸を得た。この糸の重量増加は4mgであった。
(実施例4)
参考例1の10)から13)までのアスコルビン酸誘導体5gをそれぞれエタノール(ナカライテスク社製)50mlに溶解した。PGA系高分子からなる縫合糸であるEthicon社製、商品名「Vicryl」の1.0gをこの溶液に浸漬した後、取り出した。風乾後、本発明のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物の実施例である縫合糸を得た。この糸の重量増加はそれぞれ5mgであった。
(実施例5)
参考例1の1)から9)のアスコルビン酸誘導体5gをそれぞれ精製水50mlに溶解した。ポリジオキサノン系高分子からなる縫合糸であるEthicon社製、商品名「PDS」の1.0gをこの溶液に浸漬した後、取り出した。風乾後、本発明のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物の実施例である縫合糸を得た。この糸の重量増加はそれぞれ4mgであった。
なお、上記実施例1〜5の縫合糸については、さらに、その1g中に、線維芽細胞増殖因子(FGF)10μg、グリチルリチン酸2K10mg、塩化ベンザルコニウム1mg、dl−α−トコフェリルリン酸Na10mgを均一に分散したものも別途作成した。
(実施例6〜10)
上記実施例1から5の糸を原料に常法により布を織りガーゼを作成した。このガーゼは常法によりエチレンオキサイトガスで滅菌し、本発明のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物の実施例であるガーゼとした。
(実施例11〜15)
上記実施例1から5の糸を原料に常法により不織布を作成しガーゼを作成した。このガーゼは常法によりエチレンオキサイトガスで滅菌し、本発明のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物の実施例である不織布ガーゼとした(実施例11〜15)。
さらに、上記の構造物1g中に、線維芽細胞増殖因子(FGF)10μg、グリチルリチン酸2K10mg、塩化ベンザルコニウム1mg、dl−α−トコフェリルリン酸Na10mgを均一に分散したものも別途作成した。
以下の耐抗張力試験のコントロールとしては、次のような、参考例1のアスコルビン酸誘導体溶液に浸漬しなかった縫合糸と誘導体ではないL−アスコルビン酸を浸漬した縫合糸を用いた。
(比較例1)
PGA系高分子からなる縫合糸であるDavis&Greck社製、商品名「Dexon」。
(比較例2)
PGA系高分子からなる縫合糸であるEthicon社製、商品名「Vicryl」。
(比較例3)
ポリジオキサノン系高分子からなる縫合糸であるEthicon社製、商品名「PDS」。
(比較例4)
L−アスコルビン酸5gを精製水50mlに溶解し、上記Davis&Greck社製、商品名「Dexon」の1.0gをこの溶液に浸漬した後取り出した。風乾後、この糸の重量増加は4.8mgであった。
(比較例5)
L−アスコルビン酸5gを精製水50mlに溶解し、上記Ethicon社製、商品名「Vicryl」の1.0gをこの溶液に浸漬した後、取り出した。風乾後、L−アスコルビン酸含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物の比較例である縫合糸を得た。この糸の重量増加は5mgであった。
(比較例6)
L−アスコルビン酸5gを精製水50mlに溶解し、上記Ethicon社製、商品名「PDS」の1.0gをこの溶液に浸漬した後、取り出した。風乾後、L−アスコルビン酸含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物の比較例である縫合糸を得た。この糸の重量増加は4mgであった。
(比較例7〜12)
上記比較例1〜6の糸を原料に常法により布を織りガーゼを作成した。このガーゼは常法によりエチレンオキサイトガスで滅菌し、比較例であるガーゼとした。
(比較例13〜18)
上記比較例1〜6の糸を原料に常法により不織布を作成しガーゼを作成した。このガーゼは常法によりエチレンオキサイトガスで滅菌し、比較例である不織布ガーゼとした。
(実施例16〜18、比較例19〜24)
性能評価上記実施例1〜3のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用縫合糸および比較例1〜6の縫合糸について、以下の方法により性能評価した。
10週齢のモルモットの背部を毛刈りし、背部正中線に垂直な方向にメスで長さ2cmの切創を作成した。各実施例、比較例の糸を用いて、この切創部を等間隔で5ケ所縫合して傷を修復させた。この処置の1週間後にモルモットをエーテル麻酔下で、切創中央部から左右に1cm幅の短冊状の皮膚組織を切除しレオメーターを用いて切創部の耐抗張力(g/cm)を測定した。それぞれの実施例および比較例について10匹のモルモットを用いて行い、耐抗張力(g/cm)はこれらモルモットについて得られた値の平均値を取った。結果を表1に示した。
Figure 2014073417
表1より、本発明のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物の実施例である縫合糸を使用した群では、比較例のアスコルビン酸誘導体を含まない縫合糸を使用した群及びL−アスコルビン酸区よりも、耐抗張力が大きく上昇したことが分かる。
さらに、本発明の縫合糸を使用した区では、特別な炎症反応や組織異常は認められなかったが、比較例では、縫合糸周辺の組織が盛り上がり赤みを帯び軽度の炎症が見られた。
さらに、上記結果には数値が記載されていないが、線維芽細胞増殖因子(FGF)、グリチルリチン酸2K、塩化ベンザルコニウム、dl−α−トコフェリルリン酸Naを均一に分散したものも、結果が比較例より格段に良好であった。
(実施例19〜21、比較例25〜30)
性能評価上記実施例11〜13のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用不織布ガーゼおよび比較例13〜18の不織布ガーゼについて、以下の方法により性能評価した。
10週齢のモルモットの背部を毛刈りし、背部正中線に垂直な方向にメスで長さ2cmの切創を作成した。この切創部を比較例1の縫合糸で等間隔で5ケ所縫合し、その切創部の中心から半径3cmの範囲を、上記記載のガーゼを0.1g/平方cmの割合で使用して覆い傷を修復させた。この処置の1週間後にモルモットをエーテル麻酔下で、切創中央部から左右に1cm幅の短冊状の皮膚組織を切除しレオメーターを用いて切創部の耐抗張力(g/cm)を測定した。それぞれの実施例および比較例について10匹のモルモットを用いて行い、耐抗張力(g/cm)はこれらモルモットについて得られた値の平均値を取った。結果を表2に示した。
Figure 2014073417
表2より、本発明のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物の実施例である不織布ガーゼを使用した群では、比較例のアスコルビン酸誘導体を含まない縫合糸を使用した群及びL−アスコルビン酸区よりも、耐抗張力が大きく上昇したことが分かる。 さらに、本発明の縫合糸を使用した区では特別な炎症反応や組織異常は認められなかった。
さらに、上記結果には数値が記載されていないが、線維芽細胞増殖因子(FGF)、グリチルリチン酸2K、塩化ベンザルコニウム、dl−α−トコフェリルリン酸Naを均一に分散したものも結果が比較例より格段に良好であった。
(実施例22、比較例35〜36)
参考例1の1)のアスコルビン酸リン酸マグネシウムと和光純薬のL−アスコルビン酸5gをそれぞれ精製水50mlに溶解した。合成吸収性縫合糸ラクトマーコーティッドブレイド4−0、POLYSORBの1.0gをこれら溶液にそれぞれ浸漬した後、取り出した。また、コントロールとして精製水のみに浸漬したものも作成し取り出した。風乾後、本発明のアスコルビン酸リン酸マグネシウム含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物の実施例である縫合糸(実施例22)を得た。この糸の重量増加は5mgであった。一方、コントロールのL−アスコルビン酸含有縫合糸(比較例35)の重量増加は4.9mgであり、精製水のみのコントロールの縫合糸(比較例36)の重量増加は無かった。
さらに、実施例22の縫合糸については、その1g中に、線維芽細胞増殖因子(FGF)10μg、グリチルリチン酸2K10mg、塩化ベンザルコニウム1mg、dl−α−トコフェリルリン酸Na10mgを均一に分散したものも別途作成した。
(実施例23、比較例37〜38)
上記実施例22、比較例35〜36の糸を原料に、常法により布を織りガーゼを作成した。これらのガーゼは常法によりエチレンオキサイトガスで滅菌し、本発明のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物の実施例であるガーゼ、および比較例であるガーゼとした(実施例23、比較例37〜38)。
さらに、実施例23のガーゼについては、その1g中に、線維芽細胞増殖因子(FGF)10μg、グリチルリチン酸2K10mg、塩化ベンザルコニウム1mg、dl−α−トコフェリルリン酸Na10mgを均一に分散したものも別途作成した。
さらに、上記ガーゼを適当な長さに切断し、同様に滅菌し包帯、絆創膏を作成した。絆創膏は、この布1cm×1cmに幅1cm長さ3cmの接着テープを組み合わせて作成した。これらは常法によりエチレンオキサイトガスで滅菌し、本発明のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物の実施例である包帯、絆創膏、および比較例である包帯、絆創膏とした。
(実施例24、比較例39〜40)
上記実施例22、比較例35〜36の糸を原料に、不織布を作成しガーゼを作成した。これらのガーゼは常法によりエチレンオキサイトガスで滅菌し、本発明のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物の実施例である不織布ガーゼ、および比較例である不織布ガーゼとした。
さらに、実施例24の不織布ガーゼについては、その1g中に、線維芽細胞増殖因子(FGF)10μg、グリチルリチン酸2K10mg、塩化ベンザルコニウム1mg、dl−α−トコフェリルリン酸Na10mgを均一に分散したものも別途作成した。
(実施例25、比較例41〜42)
生後8週のウイスターラット雄を使用し、腹壁皮膚を切開し皮膚切開創より両縁の皮下を1cm剥離した後、剥離した部位を5mm間隔で上記実施例22、比較例35〜36の3種の縫合糸にてそれぞれマットレス縫合した。術後1週間後に縫合部を中心に幅1.5cmの皮膚を皮下の脂肪層を切除して摘出し、縫合皮膚より残存糸を抜去し、縫合創の引張剪断強度をUS Surgical社製のtensile meterにて測定し、引張剪断強度の平均値を求めたところ、表3に示す結果が得られた。
Figure 2014073417
表3より、本発明のL−アスコルビン酸リン酸マグネシウム含有縫合糸区(実施例25)は、比較例である無処理の縫合糸区(比較例42)及びL−アスコルビン酸含有縫合糸区(比較例41)よりも平均引張剪断強度が極めて高く、皮膚の縫合創の治癒に高い効果を発揮することが確認された。
さらに、本発明の縫合糸を使用した区では特別な炎症反応や組織異常は認められなかったが、比較例では、縫合糸周辺の組織が盛り上がり赤みを帯び軽度の炎症が見られた。
さらに、上記結果には数値が記載されていないが、線維芽細胞増殖因子(FGF)、グリチルリチン酸2K、塩化ベンザルコニウム、dl−α−トコフェリルリン酸Naを均一に分散したものも結果が比較例より格段に良好であった。
(実施例26〜27、比較例43〜46)
上記実施例23〜24、比較例37〜40のガーゼの効果を以下の実験より確認した。10週齢のモルモットの背部を毛刈りし、背部正中線に垂直な方向にメスで長さ2cmの切創を作成した。この切創部を比較例1の縫合糸で等間隔で5ケ所縫合し、その切創部の中心から半径3cmの範囲を、上記記載のガーゼを0.1g/平方cmの割合で使用して覆い、傷を修復させた。この処置の1週間後にモルモットをエーテル麻酔下で、切創中央部から左右に1cm幅の短冊状の皮膚組織を切除しレオメーターを用いて切創部の耐抗張力(g/cm)を測定した。それぞれの実施例および比較例について10匹のモルモットを用いて行い、耐抗張力(g/cm)はこれらモルモットについて得られた値の平均値を取った。結果を表4に示した。
Figure 2014073417
表4より、本発明のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物の実施例であるガーゼを使用した群では、比較例のアスコルビン酸誘導体を含まないガーゼを使用した群及びL−アスコルビン酸を配合したガーゼ群よりも、耐抗張力が大きく上昇したことが分かる。
さらに、本発明のガーゼを使用した区では特別な炎症反応や組織異常は認められなかった。
さらに、上記結果には数値が記載されていないが、線維芽細胞増殖因子(FGF)、グリチルリチン酸2K、塩化ベンザルコニウム、dl−α−トコフェリルリン酸Naを均一に分散したものも結果が比較例より格段に良好であった。
(実施例28)
ポリブチレンサクシネートPBS(ビオノーレ1001、昭和高分子製)84質量部、ポリエチレンテレフタレートPET(ダイヤナイトPA−500、三菱レイヨン製)10質量部、及びエチレングリシジルメタクリレート共重合体E−GMA(反応性相溶化剤、ボンドファーストE、住友化学製)1質量部、L−アスコルビル−2,3,5,6−テトライソパルミテート(日光ケミカル製)5質量部を、2軸押出機(株式会社テクノベル製、KZW15−30MG)を用いて、240℃にて常法にて溶融混練し、約3mmの直径で水中に押し出し・固化し、次いで3mm長に切断し、樹脂チップを得た。
さらに、別途溶融時に、このペースト中に窒素からなるマイクロバブルを吹き込み中空構造体も作成した。
さらに、これら構造物1g中に、線維芽細胞増殖因子(FGF)10μg、グリチルリチン酸2K10mg、塩化ベンザルコニウム1mg、dl−α−トコフェリルリン酸Na10mgを均一に分散したものも別途作成した。
得られたチップをプレス成形し、本発明のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物の実施例である大腿骨補強材料、骨折修復用ビスを作製した。
同様に、上記の構造物1g中に、線維芽細胞増殖因子(FGF)10μg、グリチルリチン酸2K10mg、塩化ベンザルコニウム1mg、dl−α−トコフェリルリン酸Na10mgを均一に分散したものを作成した。
(実施例29)
1wt%のアルギン酸ナトリウム水溶液に、スプレードライにより粒径50μm程度に調製した水酸アパタイト(HA)を10wt%になるように混合し、均一なスラリーとした。このスラリーを、1wt%の塩化カルシウム水溶液に3μlずつ滴下することにより、球状に成形した。上記のように成型した球状HAを60℃で12時間乾燥した後、1250℃で1時間焼結することにより、直径0.8±0.2の多孔質球状骨材粒子を得た。この多孔質球状骨材粒子を真空減圧し超純水にL−アスコルビン酸−2−リン酸−6−パルミテート(昭和電工製)を10%重量で溶解した水溶液を0.2μmのメンブランフィルターで滅菌ろ過したものを1:1で添加した後、凍結乾燥し、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−パルミテートが取り込まれた本発明のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物の実施例である骨修復用の多孔質球状骨材粒子を得た。
一方、第四リン酸カルシウム(TeCP)と第二リン酸カルシウム(DCP)を等モルずつ混合したものに10%重量のL−アスコルビン酸−2−グルコシド(和光純薬製)を含む超純水で練和することにより本発明のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物の実施例である骨修復用の自己硬化型リン酸カルシウムセメントペーストを調製した。モルモット骨欠損モデルで試験したところ、従来のアスコルビン酸誘導体を含まない同素材及びアスコルビン酸誘導体の代わりにL−アスコルビン酸を同量添加した区と比較して、本発明の上記ペーストを用いた場合、無添加区の従来物より約3.5倍、L−アスコルビン酸を同量添加した区より約2.4倍速い骨形修復スピードで骨欠損が治癒した。
さらに、上記ペースト1g中に、線維芽細胞増殖因子(FGF)10μg、グリチルリチン酸2K10mg、塩化ベンザルコニウム1mg、dl−α−トコフェリルリン酸Na10mgを均一に分散したものも別途作成した。
上記結果には数値が記載されていないが、線維芽細胞増殖因子(FGF)、グリチルリチン酸2K、塩化ベンザルコニウム、dl−α−トコフェリルリン酸Naを均一に分散したもの、及び前記多孔質球状骨材粒子も、結果が比較例より格段に良好であった。
次いで、上記自己硬化型リン酸カルシウムセメントペーストに上記骨材粒子を80vol%になるように混合したものを、ペースト内に気泡を取り込むように練和し、骨欠損部のCTデータを基に作製された骨欠損部位形状の印象型に充填し、大気中、室温で24時間放置して、骨欠損部位形状のセメント硬化体とした。上記方法により本発明のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物の実施例である骨欠損部位形状のリン酸カルシウム多孔体を得ることができた。このリン酸カルシウム多孔体内には100μm程度のマクロポアと数ミクロンのミクロポアが分布していた。また、上記マクロポアは、隣接する骨材粒子内のミクロポアにより結合しており、連通孔ネットワークを形成していた。モルモット骨欠損モデルで試験したところ、従来のアスコルビン酸誘導体を含まない同素材及びアスコルビン酸誘導体の代わりにL−アスコルビン酸を同量添加した区と比較して、本発明の多孔体を用いた場合、無添加区の従来物より約3.0倍、L−アスコルビン酸を同量添加した区より約1.9倍速い骨形修復スピードで骨欠損が治癒した。
さらに、上記結果には数値が記載されていないが、線維芽細胞増殖因子(FGF)、グリチルリチン酸2K、塩化ベンザルコニウム、dl−α−トコフェリルリン酸Naを均一に分散したものも結果が比較例より格段に良好であった。
(実施例30)
1wt%のアルギン酸ナトリウム水溶液に、粒径50μm以下に調製した水酸アパタイト(HA)を10wt%になるように混合し、均一なスラリーとした。このスラリーを、1wt%の塩化カルシウム水溶液に4μlずつ滴下することにより、球状に成形した。上記のように成型した球状HAを60℃で12時間乾燥した後、1250℃で1時間焼結することにより、直径1±0.2の球状骨材粒子を得た。この骨材粒子を、市販の自己硬化型リン酸カルシウムセメント粉に約55vol%及び1wt%のL−アスコルビン酸−2−グルコシド(和光純薬製)になるように混合し、ネジ口を持つラミネートチューブに充填し、ネジ口をシーリングし本発明のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物の実施例である骨修復用の高分子組成物を得た。さらに、上記の構造物1g中に、線維芽細胞増殖因子(FGF)10μg、グリチルリチン酸2K10mg、塩化ベンザルコニウム1mg、dl−α−トコフェリルリン酸Na10mgを均一に分散したものも別途作成した。そして、セメント練和液を、注射器を用いてシーリング部分から上記ラミネートチューブ内に注入し、ラミネートチューブ内においてセメントをペースト状にし、本発明のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物の実施例である骨修復用のチューブ充填物とした。上記のように調製したチューブ充填物のネジ口に16Gの注射針を装着し、注入器とした。上記セメント注入器においては、チューブを圧迫することにより、内包する骨材複合セメントペーストを容易に吐出することができた。また、チューブ充填物をシリンジ内に装填し、本発明のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物の実施例である骨修復用の高分子組成物注入器とした。上記セメント注入器においては、通常のシリンジと同様の方法で、内包する骨材複合セメントペーストを吐出することができた。さらにこのペースト中に窒素からなるマイクロバブルを吹き込み中空構造体が形成できるようにした。
モルモット骨折モデルで本発明の骨材複合セメントペーストを骨折部の中心から1cmの円筒形の範囲に0.5g/平方cmの割合で塗布し試験した。その結果、従来のアスコルビン酸誘導体を含まない同素材及びアスコルビン酸誘導体の代わりにL−アスコルビン酸を同量添加した区と比較して、無添加区の従来物より約3.2倍、L−アスコルビン酸を同量添加した区より約2.1倍速い骨折修復スピードで骨折が治癒した。
さらに、上記結果には数値が記載されていないが、線維芽細胞増殖因子(FGF)、グリチルリチン酸2K、塩化ベンザルコニウム、dl−α−トコフェリルリン酸Naを均一に分散したもの及び中空構造体を有するものも結果が比較例より格段に良好であった。
(実施例31)
市販のゼラチン、スターチ(でんぷん)、アルギン酸ソーダ、寒天、セルロース、ポリグルタミン酸、キチンキトサン、こんにゃく、紙、綿織布、シルク織布からそれぞれ作られている厚さ0.1から1mmの一辺5cmの正方形のそれぞれのシートをL−アスコルビン酸−2−リン酸−6−パルミチン酸ナトリウム(昭和電工製)10%水溶液に24時間浸漬したのち、凍結乾燥し、本発明のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物の実施例である組織保護用シートを作成した。又、別にL−アスコルビン酸−2−リン酸−6−パルミチン酸ナトリウムに代わり、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステル亜鉛、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム亜鉛、L−アスコルビン酸−2−グルコシド、L−アスコルビン酸エチル、L−アスコルビン酸−2−リン酸トコフェロール、L−アスコルビン酸−2−マレイン酸トコフェロール、L−アスコルビン酸−6−パルミテート、L−アスコルビン酸−2,6−ジパルミテート、イソステアリル2−0−L−アスコルビン酸リン酸ナトリウム、L−アスコルビル−2,3,5,6−テトライソパルミテートのそれぞれの誘導体を用いて、同様な方法で本発明の組織保護用シートを作成した。上記の誘導体の内で水に溶けないものについては、その10%質量をオリーブオイルに分散させたものを10%水溶液の代わりに使用した。さらにこれらのシートに、コラーゲン又はベンジルアルコール、ひまし油、酢酸エチル、エタノールからなる接着成分を塗布して、生体接着用フィルムとした。さらに、上記の構造物1g中に、線維芽細胞増殖因子(FGF)10μg、グリチルリチン酸2K10mg、塩化ベンザルコニウム1mg、dl−α−トコフェリルリン酸Na10mgを均一に分散したものを作成した。
本発明のガーゼの前記試験で用いたものと同様のモルモット切創モデルに対して、本発明の皮膚保護用シートを、切創部の中心から半径3cmの円形の範囲に0.5g/平方cmの割合で付着させ試験した。その結果、従来のアスコルビン酸誘導体を含まない同素材及びアスコルビン酸誘導体の代わりにL−アスコルビン酸を同量添加した区と比較して、無添加区の従来物より約3.1倍、L−アスコルビン酸を同量添加した区より約2.2倍速いスピードで切創創傷部が治癒した。本発明のシートで試験した治癒後の切創には特に炎症反応は認められなかった。
さらに、上記結果には数値が記載されていないが、線維芽細胞増殖因子(FGF)、グリチルリチン酸2K、塩化ベンザルコニウム、dl−α−トコフェリルリン酸Naを均一に分散したものも結果が比較例より格段に良好であった。
(実施例32)
市販のゼラチン、スターチ(でんぷん)、アルギン酸ソーダ、寒天、セルロース、ポリグルタミン酸、キチンキトサン、こんにゃく、紙、綿織布、シルク織布、セロファンからそれぞれ作られている厚さ0.1から1mmの一辺5cmの正方形のそれぞれのシートを、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−パルミテートNa(昭和電工製)10%水溶液に24時間浸漬したのち、凍結乾燥し本発明のアスコルビン酸誘導体含有生体組織用創傷治癒用高分子組成物の実施例である組織保護用シートを作成した。
さらに、上記の構造物1g中に、線維芽細胞増殖因子(FGF)10μg、グリチルリチン酸2K10mg、塩化ベンザルコニウム1mg、dl−α−トコフェリルリン酸Na10mgを均一に分散したものも作成した。
モルモットの肝臓切除モデル(肝臓の1/3重量をレーザーメスで切除)に対して、本発明の皮膚保護用シートを用い、肝臓切除部位を含む肝臓全体を0.5g/平方cmの割合で完全に覆い、肝臓が完全再生するまでの期間を測定し、従来のアスコルビン酸誘導体を含まない同素材及びアスコルビン酸誘導体の代わりにL−アスコルビン酸を同量添加した区と比較した。その結果、無添加区の従来物より約2.5倍、L−アスコルビン酸を同量添加した区より約1.5倍速いスピードで肝臓が完全再生した。
さらに上記結果には数値が記載されていないが、線維芽細胞増殖因子(FGF)、グリチルリチン酸2K、塩化ベンザルコニウム、dl−α―トコフェリルリン酸Naを均一に分散したものも結果が比較例より格段に良好であった。
上記実施例1から32に示された本発明は、アスコルビン酸の生体内での生理活性を保持するばかりでなく、ペプチド、創傷治癒効果のある生理活性物質の酸化分解を防ぎ、医薬材料として必要な滅菌工程での薬剤の酸化分解の問題を解決し、創傷治癒促進剤を安定に長期間配合できることが確認された。また、アスコルビン酸誘導体の配合により生分解性プラスチック等の耐熱性や薬剤耐性も高めることが可能となり、アスコルビン酸の自然酸化に伴うアスコルビン酸ラジカルの発生を抑制し、炎症などの副作用の発生を抑制しつつ安定に配合することができ、生分解性プラスチックに配合した創傷治癒促進剤の効果を滅菌後も安定に長期に持続させることができた。さらに、これらの薬剤が糸や樹脂表面から長時間持続して生体内に供給され創傷治癒効果が十分に発揮され、ケロイドや炎症などの副作用の発生も激減することが確認された。

Claims (4)

  1. アルギン酸ナトリウム、水酸アパタイト及び塩化カルシウムを含む混合物を焼成して得られた多孔質球状骨材粒子に、
    L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム、L−アスコルビル−2,3,5,6−テトライソパルミテート、L−アスコルビン酸−2−グルコシド、L−アスコルビン酸−2,6−ジパルミテート、イソステアリル2−0−L−アスコルビン酸リン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステル亜鉛、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−パルミテートナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム亜鉛、L−アスコルビン酸エチル、L−アスコルビン酸−2−リン酸トコフェロール及びL−アスコルビン酸−2−マレイン酸トコフェロールからなる群から選択される一種以上のアスコルビン酸誘導体が担持されてなる多孔質球状骨修復用粒子。
  2. 前記多孔質球状骨材粒子に、さらに、線維芽細胞増殖因子、グリチルリチン酸ジカリウム、塩化ベンザルコニウム及びdl−α−トコフェリルリン酸ナトリウムからなる群から選択される一種以上の薬剤が担持されてなる請求項1に記載の多孔質球状骨修復用粒子。
  3. L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム、L−アスコルビル−2,3,5,6−テトライソパルミテート、L−アスコルビン酸−2−グルコシド、L−アスコルビン酸−2,6−ジパルミテート、イソステアリル2−0−L−アスコルビン酸リン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステル亜鉛、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−パルミテートナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム亜鉛、L−アスコルビン酸エチル、L−アスコルビン酸−2−リン酸トコフェロール及びL−アスコルビン酸−2−マレイン酸トコフェロールからなる群から選択される一種以上のアスコルビン酸誘導体と、
    第四リン酸カルシウムと、
    第二リン酸カルシウムと、
    を含有する自己硬化型骨修復用ペースト。
  4. さらに、線維芽細胞増殖因子、グリチルリチン酸ジカリウム、塩化ベンザルコニウム及びdl−α−トコフェリルリン酸ナトリウムからなる群から選択される一種以上の薬剤を含有する請求項3に記載の自己硬化型骨修復用ペースト。
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