以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PMの正面図及び背面図を図1及び図2に示しており、まず、この図を参照して、ぱちんこ遊技機PMの全体構成について概要説明する。
[1.ぱちんこ遊技機の全体構成]
はじめに、図1を参照しながら、ぱちんこ遊技機PMの正面側の基本構造を説明する。ぱちんこ遊技機PMは、外郭方形枠サイズに構成された縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載枠をなす前枠2が互いの正面左側縁部に配設された上下のヒンジ機構3a,3bにより横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側縁部に設けられたダブル錠と称される施錠装置4を利用して常には外枠1と係合連結された閉鎖状態に保持される。
前枠2の前面側には、ガラス枠5および球皿ユニット6が正面左側部に設けられたヒンジ機構7a,7b,7cを利用して横開き開閉および着脱可能に組み付けられ、施錠装置4を利用して常には前枠2の前面を覆う閉鎖状態に保持される。ガラス枠5の背後に位置する前枠2の上部には、遊技盤20を着脱可能に収容する方形枠状の収容枠(図示しない)が設けられており、この収容枠に所定のゲージ設定で構成された遊技盤20が着脱可能にセット保持され、常には閉鎖保持されるガラス枠5を通して遊技盤20の正面の遊技領域PAを臨ませるようになっている。
ガラス枠5は、前枠2の前面に揺動開閉可能に取り付けられた窓枠に、この窓枠の窓口を閉止するようにして複層ガラスが取り付けられて構成されている。ガラス枠5の前面側には、遊技の展開状況に応じて発光する演出ランプ10や、遊技の展開状況に応じて効果音を発生するスピーカ11が設けられている。球皿ユニット6には遊技球を貯留する皿部材である上球皿8及び下球皿9が設けられ、下球皿9の正面右側には遊技球の発射操作を行うための発射ハンドル12が設けられている。
遊技盤20は、ルータ加工等を施した矩形状の積層合板に、所定の図柄が印刷されたセルを貼り付けて成型される化粧板21を基板として構成される。遊技盤20の前面には、外レール及び内レールが円弧状に固設されて遊技球が転動可能な略円形の遊技領域PAが区画形成され、この遊技領域PAに風車や多数本の遊技釘とともに、一般入賞口60、第1特図始動口61、第2特図始動口62、普図始動口63、第1大入賞口64、第2大入賞口65などの各種入賞口の他、第1特別図柄表示装置71、第2特別図柄表示装置72、第1特図保留ランプ73、第2特図保留ランプ74、普通図柄表示装置75、普図保留ランプ76などの各種表示装置が設けられている。遊技領域PAの略中央にはセンター飾り22が配設されており、このセンター飾り22の中央開口を通して演出表示装置(例えば、液晶パネル)の画面が視認可能に設けられている。遊技領域PAの下端には各入賞口に入球せずに転動流下した遊技球を遊技盤20の裏側へ排出するアウト口29が設けられている。以下、遊技盤20に設けられた各構成要素を順番に説明する。
一般入賞口60は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出器601を備える。一般入賞検出器601は、例えば一般入賞口60への遊技球の入球を検出するいわゆる通過型センサであり、遊技球の入球時に該入球を示す一般入賞情報を生成する。
第1特図始動口61は、第1特別図柄遊技(以下、単に「第1特図遊技」と称する)に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第1始動入賞検出器611を備えている。第1始動入賞検出器611は、例えば第1特図始動口61への遊技球の入球を検出するいわゆる通過型センサであり、遊技球の入球時に該入球を示す第1始動入賞情報を生成する。
第2特図始動口62は、第2特別図柄遊技(以下、単に「第2特図遊技」と称する)に対応する始動入賞口として設けられている。第2特図始動口62は、第2始動入賞検出器621と、いわゆる電チュー(電動チューリップ)と称される電動役物622と、電動役物622を開閉作動させるための電動役物ソレノイド623とを備える。第2始動入賞検出器621は、例えば第2特図始動口62への遊技球の入球を検出するいわゆる通過型センサであり、遊技球の入球時に該入球を示す第2始動入賞情報を生成する。電動役物622は、第2特図始動口62へ遊技球が入球し難い閉鎖状態と該状態よりも遊技球が入球し易い開放状態とに可変する。ここで、第2特図始動口62の入口は第1特図始動口61によって覆われる位置(上下に重なる位置)に配されており、第2特図始動口62は電動役物622が開放されなければ第1特図始動口61の存在により遊技球が入球し難い構造になっている。一方、電動役物622が開放されると、第2特図始動口62への入球容易性が高まり、第1特図始動口61へ入球させるよりも第2特図始動口62へ入球させる方が格段に容易となる。このため、第2特図始動口62への入球容易性が低い状態においては第1特図始動口61への入球を狙い、第2特図始動口62の入球容易性が高められた状態においては第2特図始動口62への入球を狙う手法も有効となる。
普図始動口63は、普図始動入賞検出器631を備えている。普図始動入賞検出器631は、例えば普図始動口63への遊技球の通過を検出するいわゆる通過型センサであり、遊技球の通過時に該通過を示す普図始動口通過情報を生成する。なお、普図始動口63への遊技球の通過は、第2特図始動口62の電動役物622を拡開させるか否かを決定するための普通図柄抽選の契機となる。
第1大入賞口64(第2大入賞口65)は、第1特別図柄又は第2特別図柄が所定態様で変動停止した場合、「大当り」として開放状態となる、横長方形状をなし遊技領域PAの下方に位置した入賞口である。第1大入賞口64(第2大入賞口65)は、第1大入賞検出器641(第2大入賞検出器651)と、第1電動役物642(第2電動役物652)と、第1電動役物642(第2電動役物652)を開閉作動させるための第1大入賞口ソレノイド643(第2大入賞口ソレノイド653)とを備える。第1大入賞検出器641(第2大入賞検出器651)は、例えば第1大入賞口64(第2大入賞口65)への遊技球の入球を検出するいわゆる通過型センサであり、遊技球の入球時に該入球を示す第1大入賞情報(第2大入賞情報)を生成する。第1電動役物642(第2電動役物652)は、第1大入賞口64(第2大入賞口65)に遊技球が入球不能又は入球困難な通常状態と遊技球が入球し易い開放状態とに第1大入賞口64(第2大入賞口65)を可変させる。なお、本実施形態では、大入賞口は二つ存在するが、第1特図遊技に基づく特別遊技と第2特図遊技に基づく特別遊技とを一つの大入賞口で実行するよう構成してもよい。
続いて、第1特別図柄表示装置71(第2特別図柄表示装置72)は、第1特図遊技(第2特図遊技)に対応する第1特別図柄(第2特別図柄)の変動表示及び停止表示を行う。第1特別図柄表示装置71(第2特別図柄表示装置72)は、例えば7セグメントLEDで構成され、第1特別図柄(第2特別図柄)は「0」〜「9」の10種類の数字及びハズレの「−」で表示される。
第1特図保留ランプ73(第2特図保留ランプ74)は、4個のランプから構成され、当該ランプの点灯個数が第1特図遊技(第2特図遊技)に係る乱数の保留数(最大4個)に相当する。第1特図保留ランプ73(第2特図保留ランプ74)の保留数は、第1特別図柄(第2特別図柄)の変動中、第1特別遊技及び第2特別遊技の実行中のうちいずれかの間に第1特図始動口61(第2特図始動口62)へ入賞した抽選結果の数であり、まだ図柄変動が実行されていない入賞球の数を示す。
なお、第1特別図柄(第2特別図柄)は必ずしも演出的な役割を持つ必要が無いため、本実施形態では、第1特別図柄表示装置71(第2特別図柄表示装置72)の大きさは目立たない程度に設定されて遊技領域PAの左下隅に配置されている。しかしながら、第1特別図柄(第2特別図柄)自体に演出的な役割を持たせて第1装飾図柄(第2装飾図柄)を表示させるような態様を採用する場合には、次述する演出表示装置70のような液晶パネルに、第1特別図柄(第2特別図柄)を表示させるように構成してもよい。
演出表示装置70は、主として、第1特別図柄・第2特別図柄と連動して変動・停止する装飾図柄や予告表示を含む演出画像の変動表示及び停止表示を行うとともに、装飾図柄の保留表示を行う。具体的には、演出表示装置70の画面上に、装飾図柄の変動表示及び停止表示や予告表示が実行される装飾図柄表示部700と、第1特別図柄に対応した装飾図柄の保留表示が実行される第1装図保留表示部701と、第2特別図柄に対応した装飾図柄の保留表示が実行される第2装図保留表示部702と、が形成されている。なお、本実施形態では液晶パネルで構成されているが、機械式のドラムやLED等の他の表示手段で構成されてもよい。
普通図柄表示装置75は、普通図柄の変動表示及び停止表示を行う。普図保留ランプ76は、4個のランプから構成され、当該ランプの点灯個数が普通図柄変動の保留数(まだ実行されていない普通図柄変動の数)に相当する。
最後に、センター飾り22は、演出表示装置70の周囲に設置され、遊技球の流路、演出表示装置70の画面の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り22には、遊技の展開状況に応じた演出動作を実行する可動役物ユニット100などが設けられている。
続いて、図2を参照しながら、ぱちんこ遊技機PMの背面側の基本構造を説明する。前枠2の背面側には、ほぼ中央に前後連通する窓口30aを有して前枠2よりも幾分小型の矩形枠状に形成された裏セット盤30が着脱自在に取り付けられている。裏セット盤30の各部には、多数個の遊技球を貯留する貯留タンク31と、貯留タンク31から緩やかな下り傾斜を有して延びるタンクレール32と、タンクレール32により前後各1列の整列状態で導かれた遊技球を所定条件のもと(例えば、各入賞口への入賞やカードユニットからの要求に応じて)払い出す賞球払出ユニット33と、賞球払出ユニット33から払い出された遊技球を上球皿8へ導くための賞球通路部34などの払出機構が設けられている。
また、遊技盤20の背面側には、ぱちんこ遊技機PMの作動を統括的に制御するメイン制御基板1000、枠・盤面の機種(バージョンを含む)や遊技の展開状況に応じた遊技演出の制御を行うサブ制御基板2000、遊技の興趣性を高める演出画像を表示する演出表示装置70などが設けられている。一方、裏セット盤30の背面側には、賞球払出ユニット33による遊技球の払出動作及び発射装置による遊技球の発射動作に関する制御を司る払出制御基板3000、遊技施設の島電源から受電して各種制御基板や電気・電子部品に電力を供給する電源基板4000などが設けられている。なお、これらの制御基板は、不正改造防止のため、カシメ構造及び封印構造を有する透明樹脂製の基板ケースに収容されたアッセンブリ状態で遊技盤20背面又は裏セット盤30背面の所定位置にそれぞれ配設される。
以上のように構成される、ぱちんこ遊技機PMは、外枠1が遊技施設の遊技島に固定設置され、前枠2、ガラス枠5、球皿ユニット6等が閉鎖施錠された状態で遊技に供され、上球皿8に遊技球を貯留させて発射ハンドル12を回動操作することにより遊技が開始される。発射ハンドル12が回動操作されると、上球皿8に貯留された遊技球が、ガラス枠5の背面側に配設される球送り弁によって1球ずつ発射機構に送り出され、該発射機構により遊技領域PAに打ち出されて、以降パチンコゲームが展開される。
[2.電気的構成]
次に、図3のブロック図を追加参照しながら、ぱちんこ遊技機PMの電気的な概要構成を説明する。ぱちんこ遊技機PMには、前述したように、該ぱちんこ遊技機PMの作動を制御するための、メイン制御基板1000、サブ制御基板2000、払出制御基板3000、電源基板4000などが搭載されている。
メイン制御基板1000は、制御中枢としてのCPU1001、このCPU1001の演算処理を規定したプログラムを予め記憶するROM1002、CPU1001が取り扱うデータ(例えば、遊技中に発生する各種データやROM1002から読み出されたコンピュータプログラム等)を一時的に記憶するRAM1003、等を備えており、ROM1002に記憶された制御プログラムに従って各駆動回路等が動作することにより、ぱちんこ遊技機PMにおける遊技に関する主たる制御が行われるように構成されている。
メイン制御基板1000には、一般入賞口60、第1特図始動口61、第2特図始動口62、普図作動口63、第1大入賞口64、第2大入賞口65、第1特別図柄表示装置71、第2特別図柄表示装置72、普通図柄表示装置75、等のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。
サブ制御基板2000は、制御中枢としてのCPU2001、このCPU2001の演算処理を規定したプログラムを予め記憶するROM2002、CPU2001が取り扱うデータを一時的に記憶するRAM2003、等を備えており、ROM2002に記憶された制御プログラムに従って各駆動回路等が動作することにより、ぱちんこ遊技機PMにおける演出全般に関する制御が行われるように構成されている。
サブ制御基板2000は、メイン制御基板1000から一方向通信可能となるように接続されている。サブ制御基板2000は、メイン制御基板1000側から、変動開始コマンド、変動終了コマンド、特別遊技開始信号、特別遊技終了信号、などを受信する。変動開始コマンドは、特別図柄の変動表示を開始するタイミングで送信するコマンド(装飾図柄の変動開始の契機となるコマンド)であり、メイン制御基板1000側で判定された当否抽選結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値を同時に送信する。変動停止コマンドは、特別図柄の変動表示を停止するタイミングで送信するコマンド(装飾図柄の変動停止の契機となるコマンド)であり、あらためて停止図柄を示す値を同時に送信する。特別遊技開始信号及び特別遊技終了信号とは、大当り発生に基づき通常遊技よりも遊技者にとって有利な特別遊技の開始及び終了を通知するための信号である。なお、特別遊技開始信号には、確変状態を伴うか否かの情報なども含まれている。
サブ制御基板2000には、演出表示装置70、演出ランプ10、スピーカ11、可動役物ユニット100、等のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。
払出制御基板3000は、メイン制御基板1000と双方向通信可能に接続されており、メイン制御基板1000からの賞球払出コマンドに基づいて賞球払出ユニット33による遊技球の払出の制御などを司るものである。
電源基板4000は、遊技施設の島電源から供給される電源(例えば、AC24V電源)を基に、各制御基板1000,2000,3000で使用される各種電源を生成している。電源基板4000は、島電源からの1次電源を基に、通常電源を生成する通常電源回路と、バックアップ電源(VBB)を生成するバックアップ電源回路と、を具備して構成され、各制御基板や遊技用機器等の電気・電子部品に必要な電源を供給する。なお、バックアップ電源は、島電源からぱちんこ遊技機PMに電源が供給されているときに充電される構成となっている。
[3.可動役物ユニット]
次に、図4〜図6を追加参照しながら、本実施形態の可動役物ユニット100の構成について説明する。ここで、図4は可動役物ユニット100のセンター飾り22への取付状態を示す正面図、図5は可動役物ユニット100の斜視図、図6は可動役物ユニット100の正面図である。以下の説明においては、説明の便宜上、前後左右および上下の方向は、ぱちんこ遊技機PMへの取付状態での方向を基準に定義しており、各図に示す矢印の方向をそれぞれ前後、左右、上下と称して説明する。
(3−1.可動役物ユニットの基本構造)
可動役物ユニット100は、演出表示装置70の前面側で昇降動(上下動)自在に設けられた可動役物110と、センター飾り22の前面側に固定されて可動役物110を昇降動自在に支持する役物支持部材120と、可動役物110を駆動するための駆動機構150と、を主体として構成される。
役物支持部材120は、センター飾り22における演出表示装置70の正面左側に着脱される左側支持部130と、センター飾り22における演出表示装置70の正面右側に着脱される右側支持部140と、から構成される。左側支持部130及び右側支持部140には、上下方向に延びる長尺棒状の案内ロッド131,141がそれぞれ取り付けられており、これら左右2本の案内ロッド131,141によって可動役物110の昇降動作が案内されるようになっている。
駆動機構150は、役物支持部材120における左側支持部130に装備されており、可動役物110の駆動源であるステッピングモータ160と、ステッピングモータ160の回転軸に直結される駆動ギヤ151と、駆動ギヤ151と外接噛合するピニオンギヤ(従動ギヤ)152と、から構成される。ステッピングモータ160は、詳細後述するが、演出制御基板2000からの駆動パルス信号に基づいて正逆両方向に回転駆動可能である。
可動役物110は、日本刀を模したフィギュアからなり、刀部111及び柄部115を有して形成される。この可動役物110は、演出表示装置70の画面の両端に亘って配置されている。可動役物110における刀部111の右端部には右側摺動体112が一体的に形成されており、この右側摺動体112は右側支持部140の案内ロッド141に支持されて昇降動自在に構成されている。また、可動役物110における柄部115の左端部には左側摺動体116が一体的に形成されており、この左側摺動体116は左側支持部130の案内ロッド131に支持されて昇降動自在に構成されている。左側摺動体116には、可動役物110のスライド方向(上下方向)に沿って延出するラックギヤ117が一体的に形成されている。このラックギヤ117は、駆動機構150のピニオンギヤ152と噛合可能であり、当該ピニオンギヤ152と協働作用してラックアンドピニオン機構を構成する。すなわち、このラックアンドピニオン機構によって、ステッピングモータ160の回転運動が可動役物110の昇降運動(上下方向への直線運動)に変換されることとなる。また、右側摺動体112とセンター飾り22との間には、可動役物110を上方に付勢して可動役物110にテンションを付与するためのスプリング113が取り付けられている。
かかる構成の可動役物ユニット100では、ステッピングモータ160を正転方向CWに回転させたときに駆動歯車151及びラックアンドピニオン機構117,152を介して可動役物110が水平姿勢を維持した状態で下降動作し、ステッピングモータ160を反転方向CCWに回転させたときに駆動歯車151及びラックアンドピニオン機構117,152を介して可動役物110が水平姿勢を維持した状態で上昇動作する。
ここで、役物支持部材120における左側支持部130には、可動役物110の初期位置(動作の基準となる原点位置)を検出するための第1検出センサ121、可動役物110の最終位置(最大に可動した演出位置)を検出するための第2検出センサ122、が取り付けられている。各検出センサ121,122は、例えば、光を投光する投光部と、投光部からの光を受光する受光部とを有して、略コ字形に配置されたフォトセンサである。これに対して、可動役物110には、各検出センサ121,122側に向けて突出する第1検出片118及び第2検出片119が設けられており、第1検出片118が第1検出センサ121の投光部と受光部との間に介在しているとき(すなわち、第1検出センサ121の光路が第1検出片118によって遮光されているとき)には第1検出センサ121がONとなって可動役物110の初期位置が検出され、第2検出片119が第2検出センサ122の投光部と受光部との間に介在しているとき(すなわち、第2検出センサ122の光路が第2検出片119によって遮光されているとき)には第2検出センサ122がONとなって可動役物110の最終位置が検出されるようになっている。なお、各検出センサ121,122の検出信号(オン/オフ信号)は、演出制御基板2000に送信されるようになっており、演出制御基板2000側にて可動役物110が初期位置又は最終位置に存在するか否かが判定される。
(3−2.ステッピングモータの制御)
次に、図7〜図9を追加参照しながら、可動役物110の駆動源であるステッピングモータ160について説明する。始めに、ステッピングモータ160の基本構造を説明する。ここで、図7(a)は、ステッピングモータ160の概念図である。ステッピングモータ160は、A相、B相、A−相、B−相の磁界を形成するステータコイルL0,L1,L2,L3を有する2相のユニポーラ型ステッピングモータであり、該モータの回転軸に取り付けられたロータ(回転子)161と、その外側に固定されたステータ(固定子)162とで構成される。各ステータ162には対応するステータコイルL0〜L3がそれぞれ巻線されており、ステータコイルL0〜L3に励磁電流を流して磁力を発生させると、ロータ161が引き付けられることで一定角度だけ回転する。
次に、図7(b)を参照しながら、本実施形態でのステッピングモータ160の励磁方式を説明する。本実施形態では、ステッピングモータ160の励磁方式として2−2相励磁方式を対象とする(但し、1−1相励磁方式、1−2相励磁方式などの他の励磁方式を採用してもよい)。ここで、図7(b)は、2−2励磁方式の励磁シーケンスの概略を説明するための表である。この2−2励磁方式では、各相のパルス幅を1−1相励磁方式の2倍の幅とし、次の相と1パルス分だけずらしながら同時に励磁するもので、正回転CWの場合には、A相・B−相→A相・B相→B相・A−相→A−相・B−相→A相・B−相→…というシーケンスに従って励磁する(逆回転CCWの場合には反対のシーケンス)。この励磁方式では、1相励磁と比較して回転が安定して大きなトルクが得られるというメリットがある。なお、本実施形態のステッピングモータ160では、120ステップの駆動パルス信号により1回転する構成であり、1ステップの駆動パルス信号に基づく角度変化は3°となる。
図8は、ステッピングモータ160の駆動を制御するための制御系を示す回路構成図である。演出制御基板2000のCPU2001は、本実施形態ではステッピングモータ160の2相励磁方式の駆動パルス信号を生成して、この駆動パルス信号を各励磁相に出力するモータ制御部2010として働く。ステッピングモータ160への駆動パルス信号は、2相励磁方式の励磁シーケンスに沿って、φA,φB,φA−,φB−の4ビットを1単位とする励磁データに基づいて生成される。この励磁データは、演出制御基板2000のROM2002にデータテーブルとして格納されており、ステータコイルL0〜L3を通電するHレベル(=1)と、ステータコイルL0〜L3を通電しないLレベル(=0)との組み合わせからなる。モータ制御部2010は、図7(b)に示すように、4ビットの励磁データとして、ステッピングモータ160を正転方向CWに動作させる場合、「φA,φB,φA−,φB−」=「1001」「1100」「0110」「0011」…を順次取得し、反転方向CCWに動作させる場合、「φA,φB,φA−,φB−」=「0011」「0110」「1100」「1001」…を順次取得する。この励磁データによってステッピングモータ160に対する励磁相が定まり、その励磁相に対して励磁電流が供給される。
また、モータ制御部2010は、可動役物110(ステッピングモータ160)の動作内容を規定した演出動作パターン、駆動パルス信号のパルス数をステップ数としてカウントしたステップ数情報、ステッピングモータ160のステータス情報等を参照して、「ステッピングモータ160が励磁ON中」且つ「可動役物110の動作が保持中(ホールド中)でない」という条件(以下の説明においては、「電圧切換条件」とも称する)が成立したときに、電圧切換ON信号(Lレベル)をモータ駆動回路2020へ出力する(以下の説明においては、電圧切換ON信号が出力される状況を「電圧切換ON」とも称する)。他方、モータ制御部2010は、電圧切換条件が成立していないときには、電圧切換OFF信号(Hレベル)をモータ駆動回路2020へ出力する。なお、本実施形態では、電圧切換条件が成立するときとは、可動役物110が演出動作として昇降動作している場合が該当する。
モータ駆動回路2020は、ドライブIC2030及び供給電圧制御回路2040からなる。モータ制御部2010からの駆動パルス信号は、ドライブIC2030の入力端子A1,A2,A3,A4、及び供給電圧制御回路2040のスイッチング素子FET11,21,31,41のゲート端子にそれぞれ入力され、電圧切換ON/OFF信号はドライブIC2030の入力端子G1に入力されるようになっている。
ドライブIC2030は、電圧切換ON/OFF信号と接地信号を2入力とするNORゲート2031と、NORゲート2031からの出力とモータ制御部2010からの各駆動パルス信号(φA,φB,φA−,φB−)とを2入力とするスリーステートバッファ2032と、を備えている。ドライブIC2030において、入力端子A1〜A4にはモータ駆動部2010からの駆動パルス信号が入力され、入力端子G1にはモータ駆動部2010からの電圧切換ON/OFF信号が入力され、入力端子G2は接地されている。各出力端子Y1,Y2,Y3,Y4は、供給電圧制御回路2040の各スイッチング素子FET12,FET22,FET32,FET42のゲート端子にそれぞれ接続されている。スリーステートバッファ2032からの出力は、NORゲート2031からの出力信号に応じて(入力端子G1,G2に入力される入力信号に応じて)、入力端子A1〜A4に入力された駆動パルス信号(Hレベル又はLレベルの信号)がそのまま出力端子Y1〜Y4から出力される状態と、スリーステートバッファ2032内部がハイインピーダンス状態となり信号が出力端子Y1〜Y4から出力されない状態とで変化する。
ここで、図9は、ドライブIC2030の機能表である。LはLowレベル、HはHighレベル、Zはハイインピーダンスを示している。なお、上述したように、入力端子G2は接地されているので、入力端子G2の入力は常にLレベルとなる。よって、電圧切換ON信号(Lレベル)が入力端子G1に入力された場合、NORゲート2031の出力はHレベル信号となる。そのため、入力端子A1〜A4にHレベル信号(駆動パルス信号)が入力されると、出力端子Y1〜Y4の出力はHレベル信号となる一方で、入力端子A1〜A4にLレベル信号(駆動パルス信号)が入力されると出力端子Y1〜Y4の出力はLレベル信号となる(すなわち、入力端子G1,G2が共にLレベルのときに出力がイネーブルとなる)。他方、電圧切換OFF信号(Hレベル)が入力端子G1に入力される場合、NORゲート2031の出力はLレベル信号となる。そのため、入力端子A1〜A4に駆動パルス信号(Lレベル、Hレベル)が入力されても、3ステートバッファ2032内部がハイインピーダンス状態となり、出力端子Y1〜Y4からの出力が不能となる。
供給電圧制御回路2040は、ステッピングモータ160のステータコイルL0〜L3の通電を制御するための8個のスイッチング素子FET(第1スイッチング素子FET11,FET21,FET31,FET41、第2スイッチング素子FET12,FET22,FET32,FET42)を有しており、本実施形態ではNチャンネル型のMOSFETが採用されている。第1スイッチング素子FET11,FET21,FET31,FET41は、ゲート端子(Gate)にモータ制御部2010が接続され、ソース端子(Source)が接地され、ドレイン端子(Drain)にステッピングモータ160のステータコイルL0〜L3の一端が第1電源ラインを介して接続されている。一方、第2スイッチング素子FET12,FET22,FET32,FET42は、ゲート端子(Gate)にドライブIC2020の出力端子Y1〜Y4が接続され、ソース端子(Source)が接地され、ドレイン端子(Drain)にステッピングモータ160のステータコイルL0〜L3の一端が第2電源ラインを介して接続されている。なお、ステッピングモータ160のステータコイルL0〜L3の他端はサブ制御基板2000内のサブ制御系電源(16V)に接続されている。
スイッチング素子FETは、モータ制御部2010から直接的に駆動パルス信号(Hレベル)が入力されている間、あるいは、モータ制御部2010からドライブIC2030を介して駆動パルス信号(Hレベル)が入力されている間だけ、すなわち、ゲート端子に閾値を超える電圧が印加されている間だけONとなって、ドレイン−ソース間に電流が流れるようになっており、結果としてステッピングモータ160のステータコイルL1〜L3に励磁電流が供給される。ここで、ステータコイルL0〜L3と第1スイッチング素子FET11,FET21,FET31,FET41のソース端子との間を繋ぐ第1電源ラインには、抵抗R11,R21,R31,R41(例えば抵抗値=10Ω)がそれぞれ接続されており、スイッチング素子FET11,FET21,FET31,FET41がオン状態となってドレイン−ソース間に電流が流れるとき、ステータコイルL0〜L3には第1駆動電圧の12Vが供給される(例えば、ステッピングモータ160側の抵抗値=30Ω)。他方、ステータコイルL0〜L3と第2スイッチング素子FET12,FET22,FET32,FET42のソース端子との間を繋ぐ第2の電源ラインには、抵抗が接続されていないので、スイッチング素子FET12,FET22,FET32,FET42がオン状態となってドレイン−ソース間に電流が流れるとき、ステータコイルL0〜L3には第2駆動電圧の16V(サブ制御系電源とほぼ同一の16V)が供給される。
かかる構成のモータ駆動回路2020において、モータ制御部2010からA相(ステータコイルL0)を励磁する駆動パルス信号(Hレベル)及び電圧切換ON信号(Lレベル)が入力された場合を考える。このとき、供給電圧制御回路2040におけるスイッチング素子FET11,12が共にオン状態となるが、この状態ではインピーダンスが低い方の第2スイッチング素子FET12のドレイン−ソース間にのみ電流が流れ、第1駆動電圧の12Vよりも高い第2駆動電圧の16VがステータコイルL0に供給される。
他方、モータ制御部2010からA相(ステータコイルL0)を励磁する駆動パルス信号(Hレベル)及び電圧切換OFF信号(Hレベル)が入力された場合を考える。このとき、第1スイッチング素子FET11はオン状態となり、第2スイッチング素子FET12はオフ状態となるため、この状態では第1スイッチング素子FET11のドレイン−ソース間にのみ電流が流れ、第1駆動電圧の12VがステータコイルL0に供給される。ここでは、A相を励磁する場合を代表して説明したが、他のB相、A−相、B−相の場合についても同様である。なお、モータ制御部2010から駆動パルス信号(Lレベル)が出力されている場合には、ゲート端子に閾値を超える電圧が印加されないため、スイッチング素子FETがOFFとなり、電圧切換ON/OFF信号に関わらず、コイルステータL0〜L3には駆動電圧が供給されず無励磁状態となる。
ここで、モータ駆動回路2020の動作内容をまとめると、モータ制御部2010からモータ駆動回路2020へ、駆動パルス信号(Hレベル)の出力と連動して電圧切換ON信号(Lレベル)が出力されると、第2駆動電圧の16VがステータコイルL0〜L3に供給される。他方、モータ制御部2010からモータ駆動回路2020へ、駆動パルス信号(Hレベル)の出力と連動して電圧切換OFF信号(Hレベル)が出力されると、第1駆動電圧の12VがステータコイルL0〜L3に供給されることとなる。
(3−3.可動役物の動作態様)
次に、可動役物110の動作態様を説明する。可動役物110の動作態様としては、初期動作と演出動作とに大別される。初期動作(「初期化動作」とも称する)とは、ぱちんこ遊技機PMの電源投入時に1度だけ実行される動作態様のことであり、ステッピングモータ160によって可動役物110の演出動作を制御するために必要となる位置情報を確認することを目的として実行され、ステッピングモータ160を動作させて可動役物110を昇降動作させることで、第1検出センサ121及び第2検出センサ122が正常にON/OFFされるか否かが確認される(これを「センサ確認動作」とも称する)。他方、演出動作とは、初期動作が実行されていることを前提として、演出表示装置70による図柄変動の変動表示及び停止表示と連動して動作・停止することで演出効果を発揮させる目的として実行される。なお、演出動作には、ステッピングモータ160に脱調等の異常が発生したときに当該エラーを解消して可動役物110を初期位置に復帰させるためのエラー復帰動作が含まれている。
それでは以下において、可動役物110の初期動作及び演出動作の概要を、図10〜図13を追加参照しながら順番に説明する。ここで、図10は、可動役物110の演出動作の内容を説明するための模式図、図11は初期動作パターンAに基づく初期動作を説明するための模式図、図12は初期動作パターンBに基づく初期動作を説明するための模式図、図13は演出動作パターンC(基本動作パターン)に基づく演出動作を説明するための模式図である。
《初期動作》
可動役物110の初期動作は、予め定められた初期動作パターンに従って実行される。この初期動作においては、初期動作開始時の可動役物の現在位置に応じて、すなわち、可動役物110が初期位置に存在するか否かに応じて異なる動作が実行される。
まず、電源投入時に可動役物110が初期位置に存在しない場合には、初期動作パターンAに基づく初期動作が実行される。この初期動作では、図11に示すように、(A1)可動役物110を第1検出センサ121の検出位置まで下降、(A2)第1検出センサ121の検出信号を確認、(A3)可動役物110を第2検出センサ122の検出位置まで上昇、(A4)第2検出センサ122の検出信号を確認、(A5)可動役物110を第1検出センサ121の検出位置まで下降、(A6)第1検出センサ121の検出信号を確認、という順番で実行して動作完了となる。
ここで、(A1)→(A2)の動作において、可動役物110を第1検出センサ121及び第2検出センサ122間の159ステップだけ下降させても、第1検出センサ121により可動役物110の初期位置が検出されないときはエラーとする。この第1検出センサ121の確認動作が所定回数(本例では3回)連続してエラーとなった場合には動作処理を停止させる。また、(A3)→(A4)の動作において、可動役物110を第1検出センサ121及び第2検出センサ122間の159ステップだけ上昇させても、第2検出センサ122により可動役物110の最終位置が検出されないときはエラーとする。この第2検出センサ122の確認動作が所定回数(本例では3回)連続してエラーとなった場合には、動作処理を停止させる。さらに、(A5)→(A6)の動作において、可動役物110を第1検出センサ121及び第2検出センサ122間の159ステップだけ下降させても、第1検出センサ121により可動役物110の初期位置が検出されないときはエラーとする。この第1検出センサ121の確認動作が所定回数(本例では3回)連続してエラーとなった場合には動作処理を停止させる。これに対して、最終的に(A6)の動作において、第1検出センサ121によって可動役物110が初期位置に存在することが検出されたときは、正常に初期動作が完了することとなる。
他方、電源投入時に可動役物110が初期位置に存在する場合には、初期動作パターンBに基づく初期動作が実行される。この初期動作では、図12に示すように、(B1)可動役物110を第2検出センサ122の検出位置まで上昇、(B2)第2検出センサ122の検出信号を確認、(B3)可動役物110を第1検出センサ121の検出位置まで下降、(B4)第1検出センサ121の検出信号を確認、という順番で実行して動作完了となる。なお、上述の初期動作と同様に、各検出センサ121,122の確認動作がエラーとなった場合には動作処理を停止させる。これに対して、最終的に(B4)の動作において、第1検出センサ121によって可動役物110が初期位置に存在することが検出されたときは、正常に初期動作が完了することとなる。
このような一連の動作を実行することで初期動作が完了し、可動役物110の演出動作が実行可能となる。ここで、可動役物110が初期位置に到達したときは第1検出センサ121の検出信号がOFFからONに切り替わることが正常であり、可動役物110が最終位置に到達したときは第2検出センサ122の検出信号がOFFからONに切り替わることが正常である。なお、この初期動作において、第1検出センサ121及び第2検出センサ122の検出信号が同時にONとなっている場合には、センサエラー(コネクタの未接続、ハーネスの断線、センサ故障など)として動作処理を停止させる。
《演出動作》
続いて、可動役物110の演出動作は、装飾図柄の変動パターンと連係して決定される演出動作パターンに従った動作である。ここで、演出動作パターンには、可動役物110の動作内容が、ステッピングモータ160のステップ数、駆動速度、回転方向、動作時間等により規定されている。ここで、図10及び図13を参照して、演出動作パターンC(基本動作パターン)に基づく演出動作を説明すると、(C1)可動役物110が初期位置で待機、(C2)可動役物110の上昇動作、(C3)可動役物110を最終位置で保持、(C4)可動役物110の下降動作、(C5)可動役物110を初期位置で停止、という順番で実行して動作完了となる。ここで、「保持」とは、励磁相を切り替えずに励磁モードを維持した状態(同じステータコイルL0〜L3に励磁電流を流し続けている状態)によってロータ161が現在の位置を保持することをいう。これに対して、「停止」とは、励磁OFFの状態でロータ161の位置を停止することをいう。また、可動役物110の上昇動作及び下降動作では、パルス周波数を変化させることで、モータ加速期間(4ステップ)→モータ等速期間(151ステップ)→モータ減速期間(4ステップ)、が設定されている。
このような一連の演出動作中において、電圧切換条件として、「ステッピングモータ160が励磁ON中」且つ「可動役物110の動作が保持中(ホールド中)でない」とき、すなわち、可動役物110が動作中のときには、ステッピングモータ160に印加される供給電圧が第1駆動電圧(12V)から第2駆動電圧(16V)に切り替えられて、ステッピングモータ160の駆動トルクが増大するため、可動役物110を安定的に昇降動作させることができる。他方、電圧切換条件が成立していないとき、すなわち、可動役物110が最終位置で保持されているときは、ステッピングモータ160に印加される供給電圧が第2駆動電圧(16V)から第1駆動電圧(12V)に切り替えられるため、可動役物110を最終位置で保持するための消費電力を低減させることで、ステッピングモータ160の過剰加熱等による破損を防止することができる。
また、このとき、詳細後述するが、演出動作中{(C1)→(C3)の上昇動作、あるいは、(C3)→(C5)の下降動作}において、可動役物110を第1検出センサ121及び第2検出センサ122間の159ステップだけ動作させても、各検出センサ121,122によって可動役物110が初期位置又は最終位置に存在することが検出されなかった場合には、可動役物110の動作が異常であると判定される。このように可動役物110の動作に異常が発生した場合には、可動役物110を正常な動作状態に復旧させるためのエラー復帰動作が実行される(エラー復帰動作については後述する)。
[4.機能構成]
次に、図14のブロック図を追加参照しながら、本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PM(主として、メイン制御基板1000/サブ制御基板2000)の各種機能について説明する。
《メイン制御基板》
まず、メイン制御基板1000は、主遊技(第1特図遊技、第2特図遊技、特別遊技等)・補助遊技(普図遊技等)・一般遊技に関する主たる制御を司る遊技制御手段1100と、サブ制御基板2000側に各種遊技情報[例えば、停止図柄情報、停止図柄の属性情報{例えば、15R大当り(出玉あり)、2R大当り(出玉なし)、小当り、はずれ}、変動パターンに関する情報(例えば、変動時間)、特別遊技の開始信号、状態情報、終了信号、保留情報等]を送信するための情報送信手段1200と、各種入賞口への遊技球の入球に基づき所定の賞球の払出を行うように払出制御基板3000を制御する賞球払出決定手段1300と、電源断時にメイン制御基板1000のRAM1003にバックアップ電源を供給し且つ電源立ち上げ時に電源断直前の遊技状態に復帰させる処理を司る電源断時処理制御手段1400と、を有している。
遊技制御手段1100は、各入賞口への遊技球の入球を判定するための入球判定手段1110と、抽選乱数値を取得するための抽選乱数値取得手段1120と、変動表示中における各始動口への入球を保留球として上限個数以内で一時記憶するための保留制御手段1130と、詳細後述する第1特図遊技乱数・第2特図遊技乱数・普図遊技乱数に基づき特別遊技の当否及び第2特図始動口62の電動役物622の開放可否を抽選する当否抽選手段1135と、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動開始条件を充足したか否かの判定処理を司る図柄変動開始条件充足判定手段1138と、各図柄の停止図柄及び変動パターン(変動時間等)を決定するための図柄内容決定手段1140と、各図柄の変動及び停止表示する制御を行うための表示制御手段1150と、第2特図始動口62の電動役物622の開閉決定に直接関連する各種処理を行うための電チュー開閉制御手段1160と、通常遊技よりも遊技者に有利な特別遊技に関する制御を司る特別遊技制御手段1170と、小当り遊技に関する制御を司る小当り遊技制御手段1175と、第1特図遊技及び第2特図遊技並びに普図遊技に関し、現在の遊技状態をどの遊技状態に移行させるかの決定と、当該決定に基づき遊技状態を移行させる処理を行うための特定遊技制御手段1180と、現在及び過去の遊技状態[例えば、主遊技に関する状態{通常遊技状態、特定遊技状態(確変状態、時短状態)、特別遊技状態、小当り遊技状態}、普図遊技に関する状態(電チューサポート状態、非電チューサポート状態)、特別図柄や普通図柄に係る停止図柄及び変動パターン情報、各種フラグのオンオフ状況、特別遊技中の遊技状態(例えば、ラウンド数や入賞個数情報)]等を一時記憶するための遊技関連情報一時記憶手段1190と、を有している。以下、各手段について詳述する。
まず、入球判定手段1110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段1110は、第1始動入賞情報を取得すると遊技球が第1特図始動口61に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を取得すると遊技球が第2特図始動口62に入賞したと判断する。また、入球判定手段1110は、第1大入賞情報を取得すると遊技球が第1大入賞口64に入賞したと判断し、第2大入賞情報を取得すると遊技球が第2大入賞口65に入賞したと判断する。さらに、入球判定手段1110は、普図入賞情報を取得すると遊技球が普図始動口63に入賞したと判断し、一般入賞情報を取得すると遊技球が一般入賞口60に入賞したと判断する。
次に、抽選乱数値取得手段1120は、第1特図始動口61への遊技球の入球を契機として第1特図抽選に係る乱数の値(「第1抽選乱数値」と称する)を取得するか否かを判定すると共に、この判定結果に応じて当該乱数値(第1当否抽選乱数値、第1特別図柄抽選乱数値、第1変動パターン抽選乱数値)を取得する第1特図抽選乱数値取得手段1121と、第2特図始動口62への遊技球の入球を契機として第2特図抽選に係る乱数の値(「第2抽選乱数値」と称する)を取得するか否かを判定すると共に、この判定結果に応じて当該乱数値(第2当否抽選乱数値、第2特別図柄抽選乱数値、第2変動パターン抽選乱数値)を取得する第2抽選乱数値取得手段1122と、普図始動口63への遊技球の通過を契機として普通図柄抽選に係る乱数の値(「普図抽選乱数値」と称する)の取得の可否を判定すると共に、この判定結果に基づき当該乱数値(普図当否抽選乱数値、普通図柄抽選乱数値、普図変動パターン抽選乱数値)を取得する普図抽選乱数値取得手段1123と、を有する。
ここで、上記を含め本特許請求の範囲及び明細書における「乱数」は、例えば、乱数の種類により割り振られた「0」〜「65535」や「0」〜「255」といった所定範囲からランダムに選択された値である。また、乱数としては、数学的に発生させる乱数でなくともよく、ハードウェア乱数やソフトウェア乱数等により発生させる疑似乱数でもよい。例えば、乱数にある夫々の値の発現方式が、乱数の数列に沿って順々に値を発現させる方式(プラスワン方式)、乱数の数列の最終値が発現したときの次の値(初期値)を偶然性のある値によって定める方式(初期値更新方式)、これらの組み合わせ等を挙げることができる。
次に、保留制御手段1130は、第1特別図柄変動許可が下りてない状況で取得した当該第1抽選乱数値を一時記憶するか否かを判定し、判定結果に基づき当該乱数値を図柄変動許可が下りるまで第1特図保留情報一時記憶手段1131aに保留するための第1特図保留手段1131と、第2特別図柄変動許可が下りてない状況で取得した当該第2抽選乱数値を一時記憶するか否かを判定し、判定結果に基づき当該乱数値を図柄変動許可が下りるまで第2特図保留情報一時記憶手段1132aに保留するための第2特図保留手段1132と、普通図柄変動許可が下りてない状況で取得した当該普図抽選乱数値を一時記憶するか否かを判定し、判定結果に基づき当該乱数値を図柄変動許可が下りるまで普図保留情報一時記憶手段1133aに保留するための普図保留手段1133と、を有する。ここで、第1特図保留手段1131、第2特図保留手段1132及び普図保留手段1133は、最大4個まで記憶可能な、前記乱数値を保留順序と結合した形で一時記憶するための、第1特図保留情報一時記憶手段1131a、第2特図保留情報一時記憶手段1132a及び普図保留情報一時記憶手段1133aを夫々有する。
次に、当否抽選手段1135は、当否抽選の結果、第1抽選乱数値(第2抽選乱数値)に基づき通常遊技よりも遊技者に有利な状態である特別遊技への移行決定をする(例えば、内部的に特別遊技実行許可フラグをオンにする)特図当否抽選手段1135aと、当否抽選を行う際に参照される特図当否抽選テーブル1135bと、普図抽選乱数値に基づき第2特図始動口62の電動役物622を開放させるか否かを決定する普図当否抽選手段1135cと、第2特図始動口62の電動役物622の開放抽選の際に参照される普図当否抽選テーブル1135dと、を有する。さらに、特図当否抽選用テーブル1135bは、第1特図遊技に関しての当否抽選を行う際に参照される第1特図当否抽選テーブル1135b−1と、第2特図遊技に関しての当否抽選を行う際に参照される第2特図当否抽選テーブル1135b−2と、を有する。
次に、図柄変動開始条件充足判定手段1138は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動開始条件(特別遊技中ではないこと、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中でないこと等)を充足したか否かの判定処理を行う。また、図柄変動開始条件充足判定手段1138は、第1特別図柄及び第2特別図柄のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を留保する。本実施形態では、図柄変動開始条件充足判定手段1138は、第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示を優先的に実行する。すなわち、第2特図保留手段1132に第2抽選乱数値が保留されている間は、第1特図保留手段1131に第1抽選乱数値が保留されていても、第2特図保留手段1132に保留された第2抽選乱数値を優先的に消化する。これにより、第2特図保留手段1132により第2抽選乱数値が保留されているという状態を維持する限り、第2特図抽選を継続的に実行させることができる。
次に、図柄内容決定手段1140は、前記取得した第1抽選乱数値(特に、第1特別図柄抽選乱数値、第1変動パターン抽選乱数値)に基づき、第1特別図柄の停止図柄と変動パターンを決定する第1特図内容決定手段1141と、前記取得した第2抽選乱数値(特に、第2特別図柄抽選乱数値、第2変動パターン抽選乱数値)に基づき、第2特別図柄の停止図柄と変動パターンを決定する第2特図内容決定手段1142と、前記取得した普図抽選乱数値(特に、普通図柄抽選乱数値、普図変動パターン抽選乱数値)に基づき普通図柄の停止図柄と変動パターンを決定する普図内容決定手段1143と、を有する。
第1特図内容決定手段1141(第2特図内容決定手段1142)は、第1特別図柄(第2特別図柄)に係る停止図柄や変動パターンを決定する際に参照される第1特図内容決定用抽選テーブル1141a(第2特図内容決定用抽選テーブル1142a)を有する。更に、第1特図内容決定用抽選テーブル1141a(第2特図内容決定用抽選テーブル1142a)は、第1特別図柄(第2特別図柄)の停止図柄を決定する際に参照される第1特別図柄抽選テーブル1141a−1(第2特別図柄抽選テーブル1142a−1)と、第1特別図柄(第2特別図柄)の変動パターンを決定する際に参照される第1特図変動パターン抽選テーブル1141a−2(第2特図変動パターン抽選テーブル1142a−2)と、を有する。ここで、大当たり図柄としては複数存在しており、この図柄の種類に基づいて、特別遊技時の利益状態や特別遊技後の遊技状態が決まるよう構成されている。また、複数種の変動パターンは、長短様々な変動時間をもつと共に、その変動時間にて複数の図柄で構成される装飾図柄による図柄変動も実行されることを前提として規定される。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に特別図柄及び装飾図柄の変動が停止される。
次に、普図内容決定手段1143は、普通図柄に係る停止図柄を決定する際に参照される普図内容決定用抽選テーブル1143aを有している。更に、普図内容決定用抽選テーブル1143aは、普通図柄の停止図柄を決定する際に参照される普通図柄抽選テーブル1143a−1と、普通図柄の変動パターン(変動時間)を決定する際に参照される普図変動パターン抽選テーブル1143a−2と、を有する。なお、普図内容決定手段1143は、普通図柄抽選テーブル1143a−1を参照し、普図抽選乱数値(当否抽選乱数値)に基づき当選が決定された場合には、所定の当り図柄「7」を割り当てる一方、ハズレが決定された場合には、所定のハズレ図柄「−」を割り当てるよう構成されている。また、普図内容決定手段1143は、普図変動パターン抽選テーブル1143a−2を参照し、通常状態(普通図柄時短フラグがオフである状況下)における普通図柄の変動表示においては、比較的長い変動時間X(「30秒」)を選択する。一方、普通図柄の時短状態(普通図柄時短フラグがオンである状況下)では相当短い変動時間Y(「1秒」)を選択する。
次に、表示制御手段1150は、第1特別図柄表示装置71上で、所定時間だけ第1特別図柄を変動させた後に停止表示する制御を行う第1特図制御手段1151と、第2特別図柄表示装置72上で、所定時間だけ第2特別図柄を表示させた後に停止表示する制御を行う第2特図制御手段1152と、普通図柄表示装置75上で、所定時間だけ普通図柄を変動表示させた後に停止表示する制御を行う普図制御手段1153と、を有する。
ここで、第1特図制御手段1151は、前記第1特図内容決定手段1141により決定された変動パターンに係る変動時間を管理するための第1特図変動時間管理手段1151aを有している。第1特図変動時間管理手段1151aは、ゼロクリア可能な第1特図変動管理用タイマ1151a−1(デクリメントカウンタ)を更に有している。また、第2特図制御手段1152は、前記第2特図内容決定手段1142により決定された変動パターンに係る変動時間を管理するための第2特図変動時間管理手段1152aを有している。第2特図変動時間管理手段1152aは、ゼロクリア可能な第2特図変動管理用タイマ1152a−1(デクリメントカウンタ)を更に有している。更に、普図制御手段1153は、普通図柄表示装置75上での普通図柄の変動時間を管理するための普図変動時間管理手段1153aを有している。普図変動時間管理手段1153aは、時間を計測可能な普図変動管理用タイマ1153a−1を更に有している。
次に、電チュー開閉制御手段1160は、第2特図始動口62の電動役物622を開閉する制御を行うための条件を充足しているか否かを判定するための条件判定手段1161と、第2特図始動口62の電動役物622の開放時間を決定する際に参照される電チュー開放時間決定用参照テーブル1163と、第2特図始動口62の電動役物622の開放時間を管理する電チュー開放時間管理用タイマ1162と、を有している。電チュー開閉制御手段1160は、電チュー開放時間決定用参照テーブル1163を参照し、普通図柄の時短状態において当否抽選に当選した場合、通常状態と比較して相対的に長い時間開放する{普通図柄時短フラグがオンである場合の開放時間α=3秒(長時間)、普通図柄時短フラグがオフである場合の開放時間β=0.1秒(短時間)}。
次に、特別遊技制御手段1170は、特別遊技(大当り)に移行するための条件を充足しているか否か、具体的には、大当りに当選している{特別遊技(大当り)実行許可フラグが発生している}か否かを判定する条件判定手段1171と、特別遊技移行条件を充足している場合、当該特別遊技の内容(具体的には、開状態となる大入賞口、ラウンド数、ラウンド時間等)を特別遊技関連情報一時記憶手段1191c中にセットする特別遊技内容決定手段1172と、第1大入賞口64又は第2大入賞口65を所定条件で開状態にするという特別遊技(大当り)を実行するための特別遊技実行手段1173と、特別遊技に関する各種処理の時間管理(例えば、第1大入賞口64及び第2大入賞口65の開閉時間の管理)を行うための特別遊技時間管理手段1174と、を有する。ここで、特別遊技時間管理手段1174は、ラウンド時間を管理するラウンド実行用タイマ1174aを更に有している。また、特別遊技内容決定手段1172は、特別遊技関連情報一時記憶手段1191cにセットされるべき前記特別遊技の内容を特定する際に参照される特別遊技内容参照テーブル1172aを更に有している。
特別遊技制御手段1170は、第1特図抽選に係る抽選結果が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄が所定の当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、第1大入賞口64又は第2大入賞口65を開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段1170は、第2特図抽選に係る抽選結果が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄が所定の当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、第1大入賞口64又は第2大入賞口65を開放させることにより特別遊技を実行する。特別遊技は、第1大入賞口64又は第2大入賞口65の開閉動作を複数回連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技(ラウンド)で構成される。特別遊技制御手段1170は、その単位遊技の設定ラウンド数(15ラウンド又は2ラウンド)を消化したときに特別遊技を終了させる。
小当り遊技制御手段1175は、第1特図抽選に係る抽選結果が小当り遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄が所定の当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、第1大入賞口64又は第2大入賞口65を開放させることにより小当り遊技を実行する。同様に、小当り遊技制御手段1175は、第2特図抽選に係る抽選結果が小当り遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄が所定の当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、第1大入賞口64又は第2大入賞口65を開放させることにより小当り遊技を実行する。小当り遊技は1回の単位遊技で構成される点で特別遊技とは異なる。ここで、前述した2R特別遊技と小当り遊技とを比較すると、内部的には相違するものの、1回の開閉時間(0.25秒)が同じ点及び開閉回数が同一である点(前者が1ラウンド当たり1開閉を2ラウンドの2回、後者が1ラウンド当たり2開閉を1ラウンドの2回)で共通するので、見た目上は近似した開放時間・開放パターンの遊技が繰り広げられる。
次に、特定遊技制御手段1180は、特定遊技の内容を決定する特定遊技可否・内容決定手段1183と、特定遊技状態の終了条件を充足しているか否かを判定する特定遊技終了条件判定手段1181と、を有する。ここで、特定遊技終了条件判定手段1181は、特別図柄時短回数(普通図柄時短回数)をカウント可能な時短回数カウンタ1181aを有している。ここで、「特定遊技」とは、例えば、特別遊技への抽選確率が通常遊技時よりも高い確変状態、特別図柄の変動時間が通常遊技時よりも相対的に短い時短状態、第2特図始動口62への入球容易性が高められる電チューサポート状態など、による通常遊技を指す。
特定遊技制御手段1180は、確変状態、時短状態、および電チューサポート状態における通常遊技を制御する。特定遊技制御手段1180は、特別遊技の終了後に遊技状態を時短状態及び電チューサポート状態へ移行させる。一方、特別遊技の終了後に確変状態へ移行させるのは、図柄内容決定手段1140により決定された特別図柄が確変への移行を伴う大当り図柄であった場合に限られる。時短状態及び開放容易状態は、特別図柄の変動回数が特別遊技の終了時点から数えて所定の終了条件回数、例えば100回に達するまで継続される。ただし、同時に確変状態へ移行した場合は確変状態が続く限り時短状態及び電チューサポート状態も継続される。すなわち、次の大当りまで継続される。このように時短状態及び電チューサポート状態の終期は遊技状態に応じて定まる。時短状態においては、特別図柄の変動時間が概ね短い変動パターンが出現しやすくなる。電チューサポート状態においては、普通図柄の時短、普通図柄の確変、電動役物622の開放時間延長が実施される。一方、確変状態は、次の大当りによる特別遊技が実行されるまで継続される。確変状態の間は当否抽選手段1135による当否抽選結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。なお、特定遊技可否・内容決定手段1183は、特別図柄に関する特定遊技への移行内容を決定する際に、確変状態では「特別図柄確変フラグ」をオンにし、時短状態では「特別図柄時短フラグ」をオンにする。なお、本実施形態では、「特別図柄時短フラグ」と連動して「普通図柄時短フラグ」もオンとなるように構成されている。なお、後述の処理の欄でも詳述するように、「特別図柄時短フラグ」がオフになった場合、「普通図柄時短フラグ」もオフになるように構成されている。
次に、遊技関連情報一時記憶手段1190は、特別図柄に関する制御や特別遊技・小当り遊技に関する制御等の特図遊技(主遊技)に関連した処理の際の情報を一時記憶するための特図遊技関連情報一時記憶手段1191と、普通図柄に関する制御や第2始動口62の電動役物622に関する情報等の普図遊技に関連した処理の際の情報を一時記憶するための普図遊技関連情報一時記憶手段1192と、を有する。
ここで、特図遊技関連情報一時記憶手段1191は、第1特図遊技及び第2特図遊技に関する各種遊技状態における各種フラグのオンオフ情報を一時記憶すると共に、第1特別図柄及び第2特別図柄の表示制御に関する情報を一時記憶するための第1特図・第2特図遊技関連情報一時記憶手段1191aと、特図遊技側の遊技状態に関する情報を一時記憶するための特図遊技側遊技状態一時記憶手段1191bと、特別遊技の処理に関する情報を一時記憶するための特別遊技関連情報一時記憶手段1191cと、を有する。
また、普図遊技関連情報一時記憶手段1192は、普通図柄の表示制御に関する情報を一時記憶するための普図遊技関連情報一時記憶手段1192aと、普図遊技側の遊技状態に関する情報を一時記憶するための普図遊技側遊技状態一時記憶手段1192bと、を有する。
電源断時処理制御手段1400は、電源断時の状態に係る情報を一時記憶するための電源断時情報一時記憶手段1410を有している。
《サブ制御基板》
サブ制御基板2000は、メイン制御基板1000側からのコマンドや各種情報を受信するための情報受信手段2100と、メイン制御基板1000側からのコマンド等に基づき、演出表示装置70上で演出表示制御を司る演出表示制御手段2200と、可動役物ユニット100の動作制御を司る可動役物制御手段2300と、サブ制御基板2000側で実行される処理に関する演出一般の情報(フラグを含む)を一時記憶するための演出関連情報一時記憶手段2400と、を有している。
情報受信手段2100は、メイン制御基板1000側からの特図遊技に関する図柄情報を一時記憶するためのメイン側情報一時記憶手段2110を有する。なお、ここで一時記憶された情報は、以下で説明する各処理において、後述の各手段により必要に応じて適宜参照される。
装飾図柄表示制御手段2210は、メイン側情報一時記憶手段2110内に一時記憶されたメイン制御基板1000側からの図柄情報に基づき、装飾図柄の停止図柄と変動演出パターンを決定するための装図表示内容決定手段2211と、装飾図柄や該装飾図柄の変動演出パターンに関するデータ(各種オブジェクトデータ、動画像データ、音声データ等)を含め演出表示に関する一切のデータを記憶するための装図変動パターン記憶手段2212と、を有する。ここで、装図表示内容決定手段2211は、装飾図柄の停止図柄を決定する際に参照するための装図停止図柄決定用抽選テーブル2211aと、装飾図柄の変動演出パターンを決定する際に参照するための装図変動内容決定用抽選テーブル2211bと、を更に有する。
装飾図柄表示制御手段2210は、メイン制御基板1000側から送信される特別図柄情報(停止図柄情報や変動パターン情報)に基づき、装飾図柄の停止図柄や変動演出パターンが決定されるよう構成されている。なお、装飾図柄の停止図柄については、当りの場合には特別図柄の属性情報を踏まえて抽選で決定し、ハズレの場合にはリーチか非リーチかに基づいて抽選で決定するように構成し、装飾図柄の変動演出パターンについては、特別図柄の変動パターンに基づき一義的に特定されるよう構成されているが、これには何ら限定されない。例えば、特別図柄の停止図柄に紐付いて装飾図柄が一義的に決定されるよう構成されていてもよい。
装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組み合わせとして形成され、例えば当否抽選手段1135による当否抽選結果が15R特別遊技への移行を示す場合には特定の組み合わせ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組み合わせが選択される。当否抽選結果が2R特別遊技への移行を示す場合や小当りの場合もまた特定の組み合わせ、例えば「357」のような所定の組み合わせが選択される。すなわち、2R大当りや小当りの特定の組み合わせは必ずしも3つの図柄が揃った組み合わせでなくてもよい。当否抽選結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組み合わせであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組み合わせに該当しない組み合わせが選択される。当否抽選結果が15R大当りでない場合であって、リーチ付きのハズレを示す変動演出パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組み合わせを選択する。
装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち、装飾図柄の変動開始から変動終了までの一連の演出表示過程が定義されている。変動演出パターンには、通常のハズレ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経てハズレ図柄又は大当り図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。例えば、ノーマルリーチとは、3個ある図柄列のうち2列が仮停止した後、残り1個の図柄列が変動する態様を指し、スーパーリーチとは、3個ある図柄列のうち2列が仮停止した後、残り1個の図柄列がコマ送り変動する態様を指す。
次に、装図保留情報表示制御手段2220は、保留に関する各種情報を一時記憶するための保留情報一時記憶手段2221を有する。
なお、演出表示制御手段2200は、その他にも、演出ランプ10の点灯及び消灯や、スピーカ11からの音声出力等の演出処理といった、画像表示以外の演出に係る制御を行う。
可動役物制御手段2300は、可動役物110の初期動作に係る制御を司る初期動作制御手段2310と、可動役物110の演出動作に係る制御を司る演出動作制御手段2320と、ステッピングモータ160を所定の動作パターン(初期動作パターン、演出動作パターン、復帰動作パターン)に従って駆動すべきステップ数を一時記憶するための設定ステップ数一時記憶手段2330と、ステッピングモータ160が何ステップ動作したかをカウントするためのステップカウンタ2340と、可動役物ユニット100の動作状態に係る情報を一時記憶するための可動役物動作関連情報一時記憶手段2350と、を有する。
初期動作制御手段2310は、ぱちんこ遊技機PMの電源投入時に、可動役物110の初期動作を予め定められた初期動作パターンに従って制御する。初期動作制御手段2310は、初期動作パターンに関するデータを記憶するための初期動作パターン記憶手段2311を有している。本実施形態においては、前述したように、初期動作開始時の可動役物110の現在位置に応じて、二つの異なる初期動作パターンA,Bが用意されている。
演出動作制御手段2320は、可動役物110を演出動作パターンに従って動作させる制御を行う演出動作実行手段2321と、可動役物110の動作が異常でないか否かを判定する異常判定手段2322と、可動役物110の動作が異常であると判定された場合に可動役物110を初期位置へ復帰させるための第1の復帰処理を実行する第1復帰処理実行手段2323と、第1の復帰処理を実行しても可動役物110が初期位置に戻らなかった場合に第2の復帰処理を実行する第2復帰処理実行手段2324と、を有する。
演出動作実行手段2321は、複数の演出動作パターンの中から一の演出動作パターンを指定し、当該演出動作パターンに定められた動作内容(モータのステップ数、駆動速度、回転方向、動作時間等)に従って可動役物110を動作させる制御を実行する。演出動作実行手段2321は、演出動作パターンに関するデータを記憶するための演出動作パターン記憶手段2321aと、上記の電圧切換条件(「モータが励磁中」且つ「動作が保持中でない」)に基づいて、ステッピングモータ160のステータコイルL0〜L3へ供給する駆動電圧を高低の2段階(本実施形態では12V及び16V)の間で選択的に切換えて、ステッピングモータ160の駆動電圧(駆動トルク)を制御するモータ駆動電圧切換制御手段2321bと、を有している。
演出動作パターン記憶手段2321aは、可動役物110を動作させるべくステッピングモータ160の一連の駆動態様が規定された演出動作パターンを決定する際に参照される。このとき、上述した装飾図柄における複数の変動演出パターンのうち、いくつかの変動演出パターンには、可動役物110の演出動作パターンが紐付けられており、装飾図柄表示内容決定手段2211によって当該変動演出パターンが選択されたとき、演出動作パターン記憶手段2321aの中から、当該変動演出パターンに対応する可動役物110の演出動作パターンが指定(実行要求)されるように構成されている。ここで、演出動作パターンには、可動役物110の動作内容が、例えば、ステッピングモータ160のステップ数、駆動速度、回転方向、動作時間等により規定されている。ここで、可動役物110の動作は、演出動作パターンに従って、全て初期位置から動作を開始して最終的には初期位置に復帰するよう設定され、1回の装飾図柄の変動中に完結するよう構成されている。
異常判定手段2322は、ステップカウンタ2340によりカウントされたステップ数と、第1及び第2検出センサ121,122からの検出信号(ON/OFF信号)等に基づき、ステッピングモータ160の動作状態を確認し、ステッピングモータ160のロータ161が正しく回転しているか否か、すなわち、可動役物110が正常に動作しているか否かを判定する異常判定処理を実行する。この異常判定処理は、可動役物110が初期位置あるいは最終位置に存在することが期待される確認タイミング(演出動作の開始時、動作中、終了時など)で実行される。例えば、異常判定手段2322は、可動役物110の演出動作中において、可動役物110を下降方向へ(つまり、ステッピングモータ160を正転方向CWへ)159ステップだけ動作させても第1検出センサ121によって初期位置が検出されない場合、あるいは、可動役物110を上昇方向へ(つまり、ステッピングモータ160を反転方向CCW)へ159ステップだけ動作させても第2検出センサ122によって最終位置が検出されない場合に、可動役物110の動作が異常であると判定する。
第1復帰処理実行手段2323は、可動役物110の動作が異常であると判定された場合、第1の復帰処理として、所定の復帰動作パターンに従って可動役物110を初期位置に復帰させるためのエラー復帰動作を実行する。この第1の復帰処理では、ステッピングモータ160を反転方向CCW(可動役物110が最終位置に接近する上昇方向)に所定ステップ数だけ一旦動作させてから、正転方向CW(可動役物110が初期位置に接近する下降方向)に動作させて、可動役物110を初期位置へ復帰させる。この第1の復帰処理において、ステッピングモータ160を最大ステップ数(本実施形態では、第1検出センサ121及び第2検出センサ122間の159ステップ分)だけ正転方向CWに回転動作させても、可動役物110が初期位置に到達しない(第1検出センサ121がONとならない)場合にはエラーとなる。第1復帰処理実行手段2323は、第1の復帰処理がエラーとなった場合には、所定のリトライ回数(合計3回)を限度として第1の復帰処理を繰り返し実行する。この第1の復帰処理で3回連続してエラーとなった場合には、次述する第2の復帰処理に移行する。
第2復帰処理実行手段2324は、第1の復帰処理においても可動役物110が初期位置へ復帰しなかった場合(第1の復帰処理が3回連続してエラーとなった場合)、第2の復帰処理として、可動役物110を初期動作させる制御を実行する。既述したように、初期動作としては、図11及び図12に示すように、初期動作パターンAに基づく(A1)〜(A6)の動作、あるいは、初期動作パターンBに基づく(B1)〜(B4)の動作、が実行される。なお、この初期動作(第2の復帰処理)で3回連続してエラーとなった場合には、動作処理を停止してエラー報知を行うこととなる。
[5.処理]
次に、図15〜図31のフローチャートを参照しながら、本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PMの処理の流れを説明する。
《メイン制御基板側の処理》
はじめに、図15〜図17のフローチャートを参照しながら、メイン制御基板1000側での処理の流れを説明する。ここで、図15の左側のフローチャートは、電源立ち上げ後の通常時にメイン制御基板1000側で実行される処理である。一方、図15の右側のフローチャートは、電源が遮断されると発せられる電源断信号(NMI信号)を契機として実行される電源断時処理である。
まず、図15の左側は、メイン制御基板1000側で実行される一般的な処理の流れを示すメインフローチャートである。ステップS1050で、メイン制御基板1000は、電源断時復帰初期処理を実行する。次に、ステップS1100で、メイン制御基板1000は、特別遊技移行に係る始動口(間接的に寄与する普図始動口も含む)への入賞に関する処理を行う入賞処理を実行する。次に、ステップS1350で、メイン制御基板1000は、通常遊技中であるか否かを判定する。ステップS1350でYesの場合(通常遊技中である場合)には、ステップS1400で、メイン制御基板1000は、通常遊技制御処理(普通図柄に関する処理)を実行する。次に、ステップS1500で、メイン制御基板1000は、通常遊技処理(特別図柄に関する処理)を実行する。他方、ステップS1350でNoの場合(通常遊技中でない場合)には、ステップS1800で、メイン制御基板1000は、特別遊技制御処理を実行する。次に、ステップS1900で、メイン制御基板1000は、小当り制御処理を実行する。そして、ステップS1950で、メイン制御基板1000は、遊技球が入賞した入賞口に基づき、払出制御基板3000に対して賞球払出コマンドを送信して所定の賞球数の払出処理を行い、再びステップS1050に戻る。なお、S1800の特別遊技とS1900の小当り遊技は同時並行に実行されることはなく、一方が実行されるときは他方は作動回避される。
図16は、図15におけるステップS1050のサブルーチンに係る電源断時復帰初期処理のフローチャートである。まず、ステップS1052で、電源断時処理制御手段1400は、電源断時情報一時記憶手段1410のフラグ領域を参照し、メイン側電源フラグがオンであるか否かを判定する。ここで、メイン側電源フラグとは、後述するNMI信号を契機として実行される電源断時処理S2000においてオンとなるフラグである。すなわち、本処理(通常時の処理)においてメイン側電源フラグがオンとなる状況は、メイン制御基板1000側における電源断後の電源再投入時ということになる。ステップS1052でYesの場合、ステップS1054で、電源断時処理制御手段1400は、電源断時情報一時記憶手段1410のフラグ領域にアクセスしてメイン側電源フラグをオフにする。次に、ステップS1056で、情報送信手段1200は、可動役物初期動作実行コマンドをサブ制御基板2000側に送信する。ここで、可動役物初期動作実行コマンドとは、サブ制御基板2000側によって制御されている可動役物ユニット100の初期動作(復帰処理時の初期動作を除く)を指示するためのコマンドである。次に、ステップS1057で、電源断時処理制御手段1400は、遊技関連情報一時記憶手段1190を参照し、遊技状態情報、特別図柄情報などに関する情報を取得するとともに、情報送信手段1200は、当該取得した情報をサブ制御基板2000側に送信する。次に、ステップS1058で、電源断時処理制御手段1400は、第1特図・第2特図遊技関連情報一時記憶手段1191aのフラグ領域を参照して、変動中フラグがオンであるか否か(すなわち、特別図柄が変動中であるか否か)を判定する。ステップS1058でYesの場合、ステップS1060で、情報送信手段1200は、電源断時情報一時記憶手段1410に一時記憶されている特別図柄の残り変動時間をサブ制御基板2000側に送信する。次に、ステップS1062で、情報送信手段1200は、図柄変動開始コマンドをサブ制御基板2000側に送信し、次の処理(ステップS1100の入賞処理)へ移行する。なお、ステップS1052及びステップS1058でNoの場合にも、次の処理(ステップS1100の入賞処理)へ移行する。
次に、図15の右側のフローチャートを参照しながら、NMI信号を受信した際にメイン制御基板1000側で実行される処理を説明する。NMI信号を受信した場合、ステップS2000で、電源断時処理制御手段1400は、電源断時処理を実行する。なお、NMI信号を受信した場合には、他の処理が実行中であっても他の処理を中断して当該処理を優先実行するように構成されている。ここで、図17は図15におけるステップS2000のサブルーチンに係る、電源断時処理のフローチャートである。まず、NMI信号を受信したメイン制御基板1000側では、ステップS2002で、電源断時処理制御手段1400は、第1特図・第2特図遊技関連情報一時記憶手段1191aのフラグ領域にアクセスして、変動中フラグがオンであるか否か(すなわち、特別図柄が変動中であるか否か)を判定する。ステップS2002でYesの場合、ステップS2004で、電源断時処理制御手段1400は、特図変動時間管理手段1151a,1152a内の特図変動管理用タイマ1151a−1,1152a−1を参照し、当該変動中の特別図柄における残り変動時間を取得するとともに、当該取得した残り変動時間を電源断時情報一時記憶手段1410に一時記憶する。次に、ステップS2006で、電源断時処理制御手段1400は、電源断時情報一時記憶手段1410のフラグ領域にアクセスして、メイン側電源フラグをオンにする。次に、電源断時処理制御手段1400は、メイン制御基板1000内のRAMに対して電源基板4000からのバックアップ電源を供給し、当該処理をループする。なお、ステップS2002でNoの場合には、ステップS2006へ移行する。
《サブ制御基板側の処理》
次に、図18〜図31のフローチャートを参照しながら、サブ制御基板2000側での処理の流れを説明する。まず、図18は、サブ制御基板2000側での処理の流れを示したメインフローチャートである。はじめに、ステップS5100で、サブ制御基板2000は、初期動作実行可否判定処理を実行する。次に、ステップS5200で、サブ制御基板2000は、初期動作実行制御処理を実行する。次に、ステップS6100で、サブ制御基板2000は、保留情報管理・保留表示制御処理を実行する。次に、ステップS6200(1)及び(2)で、サブ制御基板2000は、第1及び第2装飾図柄表示内容決定処理を実行する。次に、ステップS6300(1)及び(2)で、サブ制御基板2000は、第1及び第2装飾図柄表示制御処理を実行する。次に、ステップS7000で、サブ制御基板2000は、演出動作制御処理を実行する。次に、ステップS6400で、サブ制御基板2000は、特別遊技中表示制御処理を実行する。そして、ステップS6500で、サブ制御基板2000は、小当り遊技中表示制御処理を実行し、ステップS5100に戻る処理を繰り返す。なお、ステップS6400の特別遊技中表示とステップS6500の小当り遊技中表示は同時並行に実行されることはなく、一方が実行されるときは他方は作動回避される。以下、各サブルーチンに係る処理について詳述する。
まず、図19は、図18におけるステップS5100のサブルーチンに係る、初期動作実行可否判定処理のフローチャートである。まず、ステップS5102で、初期動作実行制御手段2310は、メイン側情報一時記憶手段2110を参照し、可動役物初期動作実行コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS5102でYesの場合、ステップS5104で、初期動作実行制御手段2310は、可動役物動作関連情報一時記憶手段2350内のフラグ領域にアクセスして、初期動作実行判定フラグをオンにする。ここで、初期動作実行判定フラグがオンとなることで、以降の可動役物ユニットにおける初期動作を実行すべきか否かの判定処理が実行されることとなる。なお、ステップS5102でNoの場合には、ステップS5106へ移行する。次に、初期動作実行制御手段2310は、可動役物動作関連情報一時記憶手段2350内のフラグ領域を参照して、初期動作実行判定フラグがオであるか否かを判定する。ステップS5106でYesの場合、ステップS5108で、初期動作実行制御手段2310は、メイン側情報一時記憶手段2110を参照し、特別図柄における残り変動時間(すなわち、メイン側のステップS1060で送信された残り変動時間)を受信したか否かを判定する。ステップS5108でYesの場合、ステップS5110で、初期動作実行制御手段2310は、メイン制御基板1000側から受信した変動時間の値を可動役物動作関連情報一時記憶手段2350に一時記憶する。他方、ステップS5108でNoの場合、ステップS5112で、初期動作実行制御処理2310は、メイン側情報一時記憶手段2110を参照し、変動開始コマンドを受信したか否かを判定する。なお、この処理は、電源断復帰時点では図柄が変動しておらず、その後に図柄が変動する場合を想定している。ステップS5112でYesの場合、ステップS5114で、初期動作実行制御手段2310は、メイン側情報一時記憶手段2110を参照し、特別図柄の当該変動における変動態様に基づく変動時間を取得するとともに、当該取得した変動時間の値を可動役物動作関連情報一時記憶手段2350に一時記憶する。次に、ステップS5122で、初期動作実行制御手段2310は、可動役物動作関連情報一時記憶手段2350のフラグ領域にアクセスして、初期動作実行判定フラグをオフにする。次に、ステップS5124で、初期動作実行制御手段2310は、可動役物動作関連情報一時記憶手段2350のフラグ領域にアクセスして、初期動作実行許可フラグをオンにして、次の処理(ステップS5200の初期動作実行制御処理)へ移行する。なお、ステップS5106及びS5112でNoの場合にも、次の処理(ステップS5200の初期動作実行制御処理)へ移行する。
次に、図20は、図18におけるステップS5200のサブルーチンに係る、初期動作実行制御処理のフローチャートである。まず、ステップS5202で、初期動作実行制御手段2310は、可動役物動作関連情報一時記憶手段2350を参照して、初期動作実行許可フラグがオンであるか否かを判定する。ステップS5202でYesの場合、ステップS5204で、初期動作実行制御手段2310は、可動役物動作関連情報一時記憶手段2350のフラグ領域にアクセスして、初期動作実行許可フラグをオフにする。次に、ステップS5206で、初期動作実行制御手段2310は、可動役物動作関連情報一時記憶手段2350のフラグ領域にアクセスして、初期動作実行中フラグをオンにする。次に、ステップS5208で、初期動作実行制御手段2310は、予め定められた初期動作パターンに従って可動役物ユニット100のステッピングモータ160を回転駆動させて可動役物110の初期動作を開始する。なお、ステップS5202でNoの場合には、ステップS5210へ移行する。
次に、ステップS5210で、初期動作実行制御手段2310は、可動役物動作関連情報一時記憶手段2350のフラグ領域を参照して、初期動作実行中フラグがオンであるか否かを判定する。ステップS5210でYesの場合、ステップS5212で、初期動作実行制御手段2310は、可動役物ユニット100に設けられた各検出センサ121,122からの検出情報やステップカウンタ2340のステップ数情報などに基づき初期動作パターンに係る全ての初期動作が完了したか否かを判定する。ステップS5212でYesの場合、ステップS5114で、初期動作実行制御手段2310は、可動役物動作関連情報一時記憶手段2350のフラグ領域にアクセスして、初期動作実行中フラグをオフにする。次に、ステップS5216で、初期動作実行制御手段2310は、可動役物動作関連情報一時記憶手段2350のフラグ領域にアクセスして、初期動作実行済フラグをオンにして、次の処理(ステップS6100の保留情報管理・保留表示制御処理)へ移行する。ここで、初期動作実行済フラグがオンとなることで(すなわち、初期動作が完了することで)、可動役物110の演出動作が許可されることとなる。
次に、図21は、図18におけるステップS6100のサブルーチンに係る、保留情報管理・保留表示処理のフローチャートである。まず、ステップS6102で、装図保留情報表示制御手段2220は、メイン側情報一時記憶手段2110を参照し、メイン制御基板1000側から保留情報を受信したか否かを判定する。ステップS6102でYesの場合、ステップS6104で、装図保留情報表示制御手段2220は、装図保留情報一時記憶手段2221の装図保留カウンタ値に1を加算する。そして、ステップS6105で、装図保留情報表示制御手段2220は、装図保留情報一時記憶手段2221の装図保留カウンタ値と同数の保留表示をし、次の処理{ステップS6200の装飾図柄表示内容決定処理}に移行する。他方、ステップS6102でNoの場合、ステップS6106で、装図保留情報表示制御手段2220は、メイン側情報一時記憶手段2110を参照し、メイン制御基板1000側から変動開始コマンド(及び、新たな図柄情報)を受信したか否かを判定する。ステップS6106でYesの場合、ステップS6108で、装図保留情報表示制御手段2220は、装図保留情報一時記憶手段2221の装図保留カウンタ値に1を減算する。そして、ステップS6110で、演出表示制御手段2200は、演出表示関連情報一時記憶手段2230のフラグ領域にアクセスし、図柄内容決定許可フラグをオンにし、ステップS6105に移行する。なお、ステップS6106でNoの場合にもステップS6105に移行する。
次に、図22は、図18におけるステップS6200のサブルーチンに係る、装飾図柄表示内容決定処理のフローチャートである。ここで、第1装飾図柄に係るステップS6200(1)と第2装飾図柄に係るステップS6200(2)とは処理が共通するので、両者を一纏めにして説明することとする。まず、ステップS6202で、装飾図柄表示内容決定手段2211は、メイン側情報一時記憶手段2110を参照し、メイン制御基板2000側から新たな図柄情報を受信したか否かを判定する。ステップS6202でYesの場合、ステップS6204で、装飾図柄表示内容決定手段2211は、ステップS6202で受信した図柄情報に基づき、装図停止図柄決定用抽選テーブル2211a及び装図変動内容決定用抽選テーブル2211bを参照し、装飾図柄の停止図柄と変動演出パターンを決定する。そして、ステップS6206で、装飾図柄表示内容決定手段2211は、演出表示関連情報一時記憶手段2230のフラグ領域にアクセスし、図柄内容決定フラグをオンにし、次の処理(ステップS6300の装飾図柄表示制御処理)に移行する。他方、ステップS6202でNoの場合にも次の処理(ステップS6300の装飾図柄表示制御処理)に移行する。
次に、図23は、図18におけるステップS6300のサブルーチンに係る、装飾図柄表示制御処理のフローチャートである。ここで、第1装飾図柄に係るステップS6300(1)と第2装飾図柄に係るステップS6300(2)とは処理が共通するので、両者を一纏めにして説明することとする。まず、ステップS6302で、装飾図柄表示制御手段2210は、演出表示関連情報一時記憶手段2230のフラグ領域を参照し、図柄変動中フラグがオフであるか否かを判定する。ステップS6302でYesの場合、ステップS6304で、装飾図柄表示制御手段2210は、演出表示関連情報一時記憶手段2230のフラグ領域を参照し、図柄内容決定フラグがオンであるか否かを判定する。ステップS6304でYesの場合、ステップS6306及びステップS6308で、装飾図柄表示制御手段2210は、演出表示関連情報一時記憶手段2230のフラグ領域内の図柄変動中フラグをオンにすると共に、図柄内容決定フラグをオフにする。次に、ステップS6310で、装飾図柄表示制御手段2210は、演出表示関連情報一時記憶手段2230の図柄関連情報エリア内に一時記憶された決定内容に従い、演出表示装置70の装図表示部700上で装飾図柄の変動表示を開始する。
そして、ステップS6312で、装飾図柄表示制御手段2210は、メイン側情報一時記憶手段2110を参照し、メイン制御基板1000側から変動停止コマンド(確定表示コマンド)を受信したか否かを判定する。ステップS6312でYesの場合、ステップS6314で、装飾図柄表示制御手段2210は、演出表示関連情報一時記憶手段2230の図柄関連情報エリア内に一時記憶された決定内容に従い、演出表示装置70の装図表示部700上で装飾図柄の停止図柄を確定表示する。そして、ステップS6316で、装飾図柄表示制御手段2210は、演出表示関連情報一時記憶手段2230のフラグ領域内の図柄変動中フラグをオフにし、次の処理(ステップS7000の演出動作制御処理)に移行する。
なお、ステップS6302でNoの場合にはステップS6312に移行し、ステップS6304でNo及びステップS6312でNoの場合は次の処理(ステップS7000の演出動作制御処理)に移行する。
図24は、図18おけるステップS7000のサブルーチンに係る、演出動作制御処理のフローチャートである。まず、ステップS7100で、可動役物制御手段2300は、演出動作開始制御処理を実行する。次に、ステップS7200で、可動役物制御手段2300は、異常判定処理を実行する。次に、ステップS7300で、可動役物制御手段2300は、可動役物駆動処理を実行する。次に、ステップS7400で、可動役物制御手段2300は、可動役物復帰処理を実行し、次の処理(ステップS6400の特別遊技中表示制御処理)に移行する。
図25は、図24におけるステップS7100のサブルーチンに係る、演出動作開始制御処理のフローチャートである。まず、ステップS7102で、可動役物制御手段2300は、可動役物動作関連情報一時記憶手段2350のフラグ領域を参照し、初期動作実行済フラグがオンであるか否かを判定する。ステップS7102でYesの場合、ステップS7104で、可動役物制御手段2300は、可動役物動作関連情報一時記憶手段2350のフラグ領域を参照し、演出動作許可フラグがオフであるか否かを判定する。ここで、「演出動作許可フラグ」とは、装飾図柄の変動演出パターンに付随して可動役物110の演出動作パターンが決定された場合にオンとなるフラグである。ステップS7104でYesの場合、ステップS7106で、演出動作制御手段2320は、可動役物動作関連情報一時記憶手段2350のフラグ領域を参照し、演出動作実行中フラグがオフであるか否かを判定する。ここで、「演出動作実行中フラグ」とは、可動役物110の演出動作が実行されている場合にオンとなるフラグである。ステップS7106でYesの場合、ステップS7108で、演出動作制御手段2320は、演出表示関連情報一時記憶手段2230のフラグ領域を参照し、図柄内容決定フラグがオンであるか否か、すなわち、装飾図柄の変動演出パターンが決定されているか否かを判定する。ステップS7108でYesの場合、ステップS7110で、演出動作制御手段2320は、装飾図柄の当該変動演出パターンに、可動役物110の演出動作パターン情報が含まれているか否かを判定する。ステップS7110でYesの場合、ステップS7112で、演出動作制御手段2320は、演出動作パターン記憶手段2321aを参照して当該変動演出パターンに対応する演出動作パターンを決定し、当該決定情報を可動役物動作関連情報一時記憶手段2350の動作パターン関連情報エリアに一時記憶する。次に、ステップS7114で、演出動作制御手段2320は、可動役物動作関連情報一時記憶手段2320のフラグ領域にアクセスし、演出動作許可フラグをオンにする。次に、ステップS7116で、可動役物制御手段2300は、可動役物動作関連情報一時記憶手段2350のフラグ領域にアクセスして、初期動作実行済フラグをオフにし、次の処理(ステップS7200の異常判定処理)に移行する。なお、ステップS7102、ステップS7104、ステップS7106、ステップS7108及びステップS7110でNoの場合にも、次の処理(ステップS7200の異常判定処理)に移行する。
次に、図26は、図24におけるステップS7200のサブルーチンに係る、異常判定処理のフローチャートである。まず、ステップS7202で、演出動作制御手段2320は、可動役物動作関連情報一時記憶手段2350のフラグ領域を参照して、演出動作許可フラグがオンであるか否かを判定する。ステップS7202でYesの場合、演出動作制御手段2320は、ステップS7206に移行する。他方、ステップS7202でNoの場合、ステップS7204で、演出動作制御手段2320は、可動役物動作関連情報一時記憶手段2350のフラグ領域を参照して、演出動作実行中フラグがオンであるか否かを判定する。ステップS7204でYesの場合、ステップS7206に移行する。ステップS7206で、演出動作制御手段2320は、可動役物動作関連情報一時記憶手段2350のフラグ領域を参照してエラーフラグがオフであるか否かを判定する。ここで、「エラーフラグ」とは、所定の確認タイミング(演出動作の開始時、動作中、終了時などに、可動役物110が初期位置あるいは最終位置に存在することが期待されるセンサ確認タイミング)に、可動役物110が初期位置あるいは最終位置に存在しない場合(異常検知時)にオンとなるフラグである。ステップS7206でYesの場合、ステップS7208で、異常判定手段2322は、演出動作パターンの内容及びステップカウンタ2340のカウント値を参照して、可動役物110が初期位置あるいは最終位置に存在することが期待されるセンサ確認タイミングであるか否かを判定する。ステップS7208でYesの場合、すなわち、センサ確認タイミングである場合、ステップS7210で、異常判定手段2322は、第1検出センサ121あるいは第2検出センサ122の検出信号がONであるか否かを判定する。ステップS7210でYesの場合、次の処理(ステップS7300の可動役物駆動処理)へ移行する。他方、ステップS7210でNoの場合には、ステップS7212で、異常判定手段2322は、可動役物動作関連情報一時記憶手段2350のフラグ領域にアクセスしてエラーフラグをオンにし、次の処理(ステップS7300の可動役物駆動処理)へ移行する。なお、ステップS7204及びステップS7206、及びステップS7208でNoの場合にも、次の処理(ステップS7300の可動役物駆動処理)へ移行する。
次に、図27は、図24におけるステップS7300のサブルーチンに係る、可動役物駆動処理のフローチャートである。まず、ステップS7302で、演出動作制御手段2320は、可動役物動作関連情報一時記憶手段2350のフラグ領域を参照して、エラーフラグがオフであるか否かを判定する。ステップS7302でYesの場合、演出動作制御手段2320は、可動役物動作関連情報一時記憶手段2350のフラグ領域を参照して、演出動作許可フラグがオンであるか否かを判定する。ステップS7304でYesの場合、ステップS7306で、演出動作制御手段2320は、可動役物110を駆動すべき演出動作パターンの実行タイミングであるか否かを判定する。これは、装飾図柄の変動開始からすぐに可動役物110が駆動されず、当該変動開始から所定時間が経過した後(例えば、演出表示装置70上に所定の演出図柄が表示されたとき)に可動役物110の駆動が開始される場合があるからである。ステップS7306でYesの場合、すなわち、演出動作パターンの実行タイミングである場合、ステップS7308及びS7310で、演出動作制御手段2320は、可動役物動作関連情報一時記憶手段2350のフラグ領域にアクセスして、演出動作実行中フラグをオンにすると共に、演出動作許可フラグをオフにする。次に、ステップS7312で、演出動作実行手段2321は、可動役物110を演出動作パターンに従って駆動する。次に、ステップS7320で、演出動作実行手段2321は、可動役物110及びステッピングモータ160の動作状態に応じてステッピングモータ160の駆動電圧を切り換えるためのモータ駆動電圧切換処理を実行する。次に、ステップS7330で、演出動作実行手段2321は、演出動作パターンに係る全ての演出動作が終了したか否かを判定する。ステップS7330でYesの場合、ステップS7332で、演出動作制御手段2320は、可動役物動作関連情報一時記憶手段2350のフラグ領域にアクセスして演出動作実行中フラグをオフにし、次の処理(ステップS7400の可動役物復帰処理)へ移行する。他方、ステップS7304でNoの場合、ステップS7334で、演出動作制御手段2320は、可動役物動作関連情報一時記憶手段2350のフラグ領域を参照して演出動作実行中フラグがオンであるか否かを判定する。ステップS7334でYesの場合、既に可動役物110が演出動作パターンに従って駆動開始されているので、ステップS7320へ移行する。ステップS7302、ステップS7306及びステップS7330でNoの場合には、次の処理(ステップS7400の可動役物復帰処理)へ移行する。
次に、図28は、図27おけるステップS7320のサブルーチンに係る、モータ駆動電圧切換処理のフローチャートである。まず、ステップS7321で、演出動作実行手段2321は、電圧切換条件(すなわち、「モータが励磁ON中」且つ「動作が保持中でない」)が成立しているか否かを判定する。ステップS7321でYesの場合、ステップS7322で、モータ駆動電圧切換制御手段2321bは、電圧切換ONにして、ステッピングモータ160のステータコイルL0〜L3に対して第2駆動電圧の16Vを供給する。ステップS7321でNoの場合、ステップS7323で、モータ駆動電圧切換制御手段2321bは、電圧切換OFFにして、ステッピングモータ160のステータコイルL0〜L3に対して第2駆動電圧よりも低い第1駆動電圧の12Vを供給する。
次に、図29は、図24におけるステップS7400のサブルーチンに係る、可動役物復帰処理のフローチャートである。まず、ステップS7402で、演出動作制御手段2320は、可動役物動作関連情報一時記憶手段2350のフラグ領域を参照して、エラーフラグがオンであるか否かを判定する。ステップS7402でYesの場合、すなわち、可動役物110(ステッピングモータ160)の動作状態が異常の場合、ステップS7404で、演出動作制御手段2320は、可動役物動作関連情報一時記憶手段2350のフラグ領域にアクセスして、演出動作実行中フラグをオフにする。次に、ステップS7406で、第1復帰処理実行手段2323は、可動役物動作関連情報一時記憶手段2350のフラグ領域にアクセスして、第1復帰処理実行中フラグをオンにする。次に、ステップS7408で、第1復帰処理実行手段2323は、第1の復帰処理として、可動役物110のエラー復帰動作を開始する。次に、ステップS7410で、第1復帰処理実行手段2323は、第1の復帰処理(復帰動作パターンに係る全てのエラー復帰動作)が完了したか否かを判定する。ステップS7410でYesの場合、すなわち、第1の復帰処理が完了した場合には、ステップS7412で、第1復帰処理実行手段2323は、可動役物動作関連情報一時記憶手段2350のフラグ領域にアクセスして、第1復帰処理実行中フラグをオフにし、次のステップS7414に移行する。
他方、ステップS7410でNoの場合、すなわち、第1の復帰処理において動作エラーが発生した場合には、ステップS7416で、第1復帰処理実行手段2323は、第1の復帰処理が3回連続してエラーとなったか否かを判定する。ステップS7416でYesの場合、ステップS7418及びステップS7420で、演出動作実行手段2321は、可動役物動作関連情報一時記憶手段2350のフラグ領域にアクセスして、第1復帰処理実行中フラグをオフにすると共に、第2復帰処理実行中フラグをオンにする。他方、ステップS7416でNoの場合、ステップS7408に移行して、第1の復帰処理が再び実行される。次に、ステップS7422で、第2復帰処理実行手段2324は、第2の復帰処理として、可動役物110の初期動作を開始する。次に、ステップS7424で、第2復帰処理実行手段2324は、第2の復帰処理(初期動作パターンに係る全ての初期動作)が完了したか否かを判定する。ステップS7424でYesの場合、すなわち、第2の復帰処理が完了した場合には、ステップS7426で、第2復帰処理実行手段2324は、可動役物動作関連情報一時記憶手段2350のフラグ領域にアクセスして、第2復帰処理実行中フラグをオフにし、次のステップS7414に移行する。次に、ステップS7414で、演出動作制御手段2320は、可動役物動作関連情報一時記憶手段2350のフラグ領域にアクセスして、エラーフラグをオフにし、次の処理(ステップS6400の特別遊技中表示制御処理)に移行する。他方、ステップS7424でNoの場合、すなわち、第2の復帰処理において動作エラーが発生した場合には、ステップS7428で、第2復帰処理実行手段2324は、第2の復帰処理が3回連続してエラーとなったか否かを判定する。ステップS7428でNoの場合には、ステップS7422に移行して、第2の復帰処理が再び実行される。他方、ステップS7428でYesの場合、ステップS7430で、演出動作制御手段2320は、所定のリセット操作がなされるまで可動役物110の動作処理を停止して、次の処理(ステップS6400の特別遊技中表示制御処理)に移行する。なお、ステップS7402でNoの場合にも、次の処理(ステップS6400の特別遊技中表示制御処理)に移行する。
次に、図30は、図18におけるステップS6400のサブルーチンに係る、特別遊技中(大当り中)表示制御処理のフローチャートである。まず、ステップS6402で、演出表示制御手段2200は、演出表示関連情報一時記憶手段2230のフラグ領域を参照し、特別遊技中フラグがオフであるか否かを判定する。ステップS6402でYesの場合、ステップS6404で、演出表示制御手段2200は、メイン側情報一時記憶手段2110を参照し、メイン制御基板1000側から特別遊技開始信号を受信したか否かを判定する。ステップS6404でYesの場合、ステップS6406及びステップS6408で、演出表示制御手段2200は、演出表示関連情報一時記憶手段2230のフラグ領域内の特別遊技中フラグをオンにすると共に、演出表示装置70上で大当り開始表示を行う。そして、ステップS6410で、演出表示制御手段2200は、演出表示装置70上で、前記ステップS1624でメイン制御基板1000側から逐次送信されている遊技情報に基づき、ラウンド数と入賞個数を逐次表示する。次に、ステップS6412で、演出表示制御手段2200はメイン側情報一時記憶手段2110を参照し、メイン制御基板1000側から特別遊技終了信号を受信したか否かを判定する。ステップS6412でYesの場合、ステップS6414で、演出表示制御手段2200は、演出表示装置70上で、大当り終了表示を行う。そして、ステップS6416で、演出表示制御手段2200は、演出表示関連情報一時記憶手段2230のフラグ領域内の特別遊技中フラグをオフにし、次の処理(ステップS5100の初期動作実行可否制御処理)へ移行する。
なお、ステップS6402、ステップS6404及びステップS6412でNoの場合は次の処理(ステップS5100の初期動作実行可否制御処理)へ移行する。
次に、図31は、図18におけるステップS6500のサブルーチンに係る、小当り遊技中表示制御処理のフローチャートである。まず、ステップS6502で、演出表示制御手段2200は、演出表示関連情報一時記憶手段2230のフラグ領域を参照し、小当り中フラグがオフであるか否かを判定する。ステップS6502でYesの場合、ステップS6504で、演出表示制御手段2200は、メイン側情報一時記憶手段2110を参照し、メイン制御基板1000側から小当り遊技開始信号を受信したか否かを判定する。ステップS6504でYesの場合、ステップS6506及びステップS6508で、演出表示制御手段2200は、演出表示関連情報一時記憶手段2230のフラグ領域内の小当り遊技中フラグをオンにすると共に、演出表示装置70上で小当り開始表示を行う。次に、ステップS6510で、演出表示制御手段2200はメイン側情報一時記憶手段2110を参照し、メイン制御基板1000側から小当り遊技終了信号を受信したか否かを判定する。ステップS6510でYesの場合、ステップS6512で、演出表示制御手段2200は、演出表示装置70上で、小当り終了表示を行う。そして、ステップS6514で、演出表示制御手段2200は、演出表示関連情報一時記憶手段2230のフラグ領域内の小当り中フラグをオフにし、次の処理(ステップS5100の初期動作実行可否制御処理)へ移行する。
[6.作用]
次に、本実施形態に係るぱちんこ遊技機PMの作用について、図32及び図33を参照しながら説明する。図32は、可動役物110が所定の演出動作パターンに従って正常に動作するときのタイミングチャートであり、図33は、可動役物110の動作位置が異常であると判断されて第1の復帰処理及び第2の復帰処理によってエラー復帰動作を実行するときのタイミングチャートである。
まず、図32のタイミングチャートから説明すると、演出表示装置70において装飾図柄の変動が開始され、可動役物110の演出動作が開始するタイミング(図中の囲み1を参照)で、可動役物110が正常な動作開始位置(すなわち、初期位置)に存在するか否かの異常判定処理が実行される(図中の囲み2を参照)。具体的には、第1検出センサ121からの検出信号(ON/OFF信号)に基づいて、可動役物110が初期位置に存在するか否かが判定される。ここでは、第1検出センサ121がONとなっているため、可動役物110が初期位置に存在すると判定され、所定の動作タイミングのもとで可動役物110の演出動作が開始される。まず、可動役物110は演出動作パターンに従って上昇動作を開始することとなるが、このとき電圧切換条件が成立しているため電圧切換ONとなり(図中の囲み3を参照)、可動役物110が上昇動作している間はステッピングモータ160への供給電圧は第2駆動電圧の16Vとなる(図中の囲み4を参照)。
可動役物110が上昇動作して最終位置に到達するタイミングで、可動役物110が最終位置に存在するか否かの異常判定処理が実行される(図中の囲み5を参照)。具体的には、第2検出センサ122からの検出信号(ON/OFF信号)に基づいて、可動役物110が最終位置に存在するか否かが判定される。ここでは、第2検出センサ121がONとなっているため、可動役物110が最終位置に存在すると判定され、可動役物110の動作位置が所定時間だけこの動作位置で保持される(図中の囲み6を参照)。このとき、電圧切換条件が不成立となるため電圧切換OFFとなり(図中の囲み7を参照)、可動役物110が最終位置で保持されている間はステッピングモータ160への供給電圧は第1駆動電圧の12Vとなる(図中の囲み8を参照)。可動役物110は約75%(=12V/16V)の出力の保持トルクによって最終位置で保持される。
所定時間の経過後、可動役物110は下降動作を開始することとなるが、このとき電圧切換条件が成立しているため再び電圧切換ON(図中の囲み9を参照)となり、可動役物110が下降動作している間はステッピングモータ160への供給電圧は第2駆動電圧の16Vとなる(図中の囲み10を参照)。そして、可動役物110が下降動作して初期位置に到達するタイミング(図中の囲み11を参照)で、可動役物110が初期位置に存在するか否かの異常判定処理が実行される(図中の囲み12を参照)。具体的には、第1検出センサ121からの検出信号(ON/OFF信号)に基づいて、可動役物110が初期位置に存在するか否かが判定される。ここでは、第1検出センサ121がONとなっているため、可動役物110が初期位置に存在すると判定され、可動役物110の当該演出動作が正常に完了することとなる。なお、可動役物110が初期位置で停止しているときは、ステッピングモータ160への供給電圧は0V(励磁オフの状態)であるが、無励磁状態であっても静止トルクが得られる。そして以降においても、可動役物110が初期位置で待機していることを契機として、演出表示装置70における装飾図柄の変動の毎に、可動役物110が演出動作パターンに従って演出動作を実行することとなる。
続いて、図33のタイミングチャートについて説明する。なお、このタイミングチャートは、可動役物110の演出動作中にステッピングモータ160が正常に回転していない(脱調)と判断された場合を示すものである。図33に示すように、まず、演出表示装置70において装飾図柄の変動が開始され、可動役物110が演出動作パターンに従って演出動作(上昇動作)している際、ステッピングモータ160に異常が発生したものとする(図中の囲み1を参照)。可動役物110が最終位置に到達するタイミングで、可動役物110が最終位置に存在するか否かの異常判定処理が実行される(図中の囲み2を参照)。具体的には、第2検出センサ122からの検出信号(ON/OFF信号)に基づいて、可動役物110が最終位置に存在するか否かが判定される。当該図に示すように、第2検出センサ122からの検出信号を参照した結果、本来であれば第2検出センサ122がONである筈(図中の「第2検出センサ」の欄の点線部分を参照)なのにも関わらず、第2検出センサ122がOFFである場合、ステッピングモータ160の動作が異常であると判定され、エラーフラグがONとなる(図中の囲み3を参照)。なお、ステッピングモータ160の動作異常としては、脱調の他にも、自重や慣性等によって最終位置よりも下がった位置で待機する軽微な異常や、可動役物が他の役物と干渉等してステッピングモータの動作が阻害される重度な異常がある。
エラーフラグがONとなったことを受けて、まず、可動役物110を初期位置へ復帰させるための第1の復帰処理が実行される(図中の囲み4を参照)。しかしながら、前述したようなモータの脱調や重度な異常状態の場合には、この第1の復帰処理によっても可動役物110の動作を阻害する要因が解消されず、可動役物110が初期位置に復帰しないこともあり得る。この場合にはエラーフラグのON状態が継続している(第1の復帰処理が3回連続してエラーとなる)ことを受けて、可動役物110を初期位置に復帰させるための第2の復帰処理が実行される(図中の囲み4を参照)。この第2の復帰処理では、可動役物110の初期動作(電源投入時の初期化動作)として、図11及び図12に示すように、初期動作パターンA{(A1)→(A2)→(A3)→(A4)→(A5)→(A6)}、あるいは、初期動作パターンB{(B1)→(B2)→(B3)→(B4)}、に従って初期動作が実行される。そして、この第2の復帰処理(初期動作)が完了して、可動役物110が正常に初期位置に復帰すると、第1検出センサ121がONとなり(図中の囲み5を参照)、エラーフラグがOFFとなる(図中の囲み6を参照)。これにより可動役物110の異常状態が解消される。そして、以降は、可動役物110が初期位置で待機していることを契機として、演出表示装置70における装飾図柄の変動の毎に、可動役物110が演出動作パターンに従って演出動作を実行することとなる。
以上、本実施形態に係るぱちんこ遊技機PMでは、ステッピングモータ160に異常が発生した場合の復帰処理として、電源投入時の初期化動作を利用することで、復帰処理用のプログラムを別途準備する必要がなくなるため、プログラム容量の軽減を図りながらも、可動役物110を初期位置へ復帰させて異常状態を解消することが可能となる。
また、本実施形態に係るぱちんこ遊技機PMでは、ステッピングモータ160に異常が発生した場合の復帰処理として、可動役物110を所定の復帰動作パターンに従って復帰動作させる第1の復帰処理と、可動役物110を初期動作パターンに従って復帰動作(初期動作)させる第2の復帰処理との2段階の処理パターンを有しているため、可動役物110の異常状態の重度に応じた適切な復帰動作を実現し、可動役物110を確実に初期位置に復帰させて演出動作に供することが可能であるとともに、一方の復帰処理として初期化動作を利用した簡易な制御構成により2段階の復帰処理を実現することが可能となる。
また、本実施形態に係るぱちんこ遊技機PMでは、可動役物110が最終位置で保持される非動作時にはステッピングモータ160へ第1の駆動電圧を供給して、可動役物110を最終位置で保持するための消費電力を低減させることで、ステッピングモータ160の過剰発熱等による破損を防止することができる一方、可動役物110の昇降動作時にはステッピングモータ160へ第2駆動電圧を供給して、ステッピングモータ160の駆動トルクを増大させることで、大型重量物の可動役物110を採用した場合でも円滑に可動役物110を動作させることが可能となる。また、可動役物110の演出動作プログラム内にステッピングモータ160への駆動電圧を切り換える旨の動作内容(電圧切換ON/OFFの作動情報)を含ませることができるため、可動役物110の動作状態に応じて駆動電流を切り換えるか否かを判断するためのプログラムを別途準備する必要がなくなるため、プログラム容量の軽減を図ることができる。
また、本実施形態に係るぱちんこ遊技機PMでは、モータ駆動回路において、スイッチング素子のON/OFFだけでステッピングモータへの供給電圧を第1駆動電圧又は第2駆動電圧に選択的に切り換えることができるので、回路構成が簡素化される。
なお、可動役物110を演出動作中に最終位置で保持する際に、ステッピングモータ160への供給電圧を第2駆動電力(16V)よりも低い第1駆動電力(12V)に切り換えるとともに、例えば1/1000秒の微小間隔でステッピングモータ160の励磁ON/OFFを切り換えるように構成して(つまり、デューティ比を小さく制御して通電時間を短くすることで)消費電力を低減し、ステッピングモータの過剰発熱をより確実に防止するようにしてもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明してきたが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば適宜改良可能である。
上述の実施形態では、可動役物が演出表示装置の前面で上下方向に動作する構成を励磁して説明したが、これに限定されるものではなく、可動役物が演出表示装置の前面で左右方向に動作するものでも、演出表示装置の前面以外で動作するであってもよい。なお、動作の態様としては、直線的なスライド動作に限定されず、回転動作や揺動動作等であってもよい。
上述の実施形態では、可動役物の演出動作(昇降動作)時に電圧切換ONにしてステッピングモータ160に第1駆動電圧よりも高い第2駆動電圧16Vを供給するように構成しているが、これに限定されるものではなく、可動役物の復帰動作(第1復帰処理あるいは第2復帰処理)時に電圧切換ONにする構成としてもよい。この構成によれば、可動役物の復帰動作時にステッピングモータの駆動トルクが上昇するため、可動役物を初期位置に復帰させる可能性をより高めることができる。
上述の実施形態では、回転体役物検出手段として投光素子及び受光素子からなるフォトセンサを例示して説明したが、このような光学的センサに限定されず、他の非接触式センサや、接触式センサを適用してもよい。
なお、上述の実施形態では、本発明をぱちんこ遊技機に適用した事例について説明したが、アレンジボール機、雀球遊技機、封入式遊技機(所定個数の遊技球を機内に封入して循環使用する遊技機)などの他の遊技機に適用することができ、同様の効果を得ることができる。