JP2014072438A - 半導体装置の製造方法、及び、接着シート - Google Patents

半導体装置の製造方法、及び、接着シート Download PDF

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Abstract

【課題】台座上に形成された配線にワークを実装した後、配線付きのワークを台座から分離して半導体装置を製造する際、簡便に当該半導体装置を製造することができる半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】ワークが配線上に実装された構造を有する半導体装置の製造方法であって、第1接着剤層50と第1接着剤層50よりも台座に貼り付けた後の接着力が低い第2の層51とを有する接着シートであって、少なくとも周辺部54が第1接着剤層50により形成されている接着シートを準備する工程と、接着シートを、下面を貼り合わせ面として台座に貼り合わせる工程と、台座に貼り合わせ後の接着シート上に、配線を形成する工程と、配線にワークを実装する工程と、実装の後、配線付きのワークを、台座から分離する工程とを含む半導体装置の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置の製造方法、及び、接着シートに関する。
従来、半導体装置の製造工程において、台座上にデバイスを仮固定した後、デバイスに対して所定の処理を行い、その後、台座を分離するといった工程が行なわれることがある(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特許文献1には、第1基板としてのデバイスウェハと第2基板としてのキャリアー基板とを強い接着結合を形成しない充填層を介して圧着するとともに、充填層の周縁に対して接合素材を充填して硬化することによりエッジボンドを形成して、第1基板と第2基板とを接着する方法が開示されている。特許文献1には、第1基板と第2基板とが接着した状態で希望する処理工程を行い、その後、第1基板と第2基板とを分離することが開示されている。分離においては、まず、エッジボンドを溶媒に溶解するか、レーザー切断した後、低機械力を加えることにより第1基板と第2基板とを分離している。
また、特許文献2には、イミド、アミドイミドおよびアミドイミド−シロキサンのポリマーおよびオリゴマーからなる群の中から選択される、オリゴマーおよびポリマーからなる群の中から選択される化合物を含む接合用組成物層を介して第1の基板と第2の基板とを接合してなる積層体を提供し、前記積層体を、前記接合層を軟化させるのに十分な温度に暴露し、前記第1の基板と前記第2の基板とを分離することを含むウエハの接合方法が開示されている。
一方、従来、チップを外部の配線に接続(実装)する方法として、該チップの電極位置に配線の特定部分を対応させて両者を接続する方法(例えば、フリップチップボンディング)が用いられるようになっている。外部の配線とは、チップと共に封止されるパッケージ用回路基板や、他の素子が多数実装される一般的な回路基板などに形成されている配線等、チップとは別に形成されている配線である。また、チップとパッケージ用回路基板との接続には、インターポーザと称される接点付きのフレキシブル配線回路基板を間に介在させる場合もある。
前記のようなインターポーザなどのフレキシブルな配線回路基板は、そのフレキシブルな性質のために、チップ実装などの製造工程での取り扱い性は良好ではない。よって、従来では、まず、金属支持基板上にフレキシブルな配線回路基板を形成して適当な剛性を持った該配線回路基板とし、工程での取り扱い性を改善した状態でチップ実装を行ない、剛体であるチップが実装された後に金属支持基板を除去するといった方法が用いられている。
従来では、上記説明のとおり、金属支持基板上にフレキシブルな配線回路基板を形成し、チップ実装された後に金属支持基板を除去するといった加工を行っている。ここで、金属支持基板と配線回路基板とは、一体不可分な積層体として形成され、チップ実装の後、該金属支持基板を除去する際には、エッチングが用いられている。しかしながら、エッチングによって金属支持基板を除去する工程があるために、レジストの付与と除去など、製造工程が煩雑になっており、製造コストが高くなっていることも問題があった。
特表2011−510518号公報 特表2010−531385号公報
そこで、金属支持基板と配線回路基板とを特許文献1で開示されているような充填層及びエッジボンドを利用して接着し、チップ実装した後に剥離する方法が考えられた。また、金属支持基板と配線回路基板とを特許文献2で開示されているような接合用組成物層を介して接着し、チップ実装した後に剥離する方法が考えられた。
特許文献1に記載の充填層や特許文献2に記載の接合用組成物層は、溶液状の材料をスピンコート等により一方の基板に塗布して形成されている。しかしながら、接着に必要な厚さ100μm程度の層を塗布により形成すると、一般的に塗布面が荒くなり、所望の接着力が得られない場合があるといった問題がある。また、特に、スピンコートにより塗布する場合、材料の大半は、基板外に飛散するため、材料が無駄になるといった問題がある。また、材料が、接着用の粘度の高いものであるため、飛散した材料によるスピンコーターの汚れを取り除くには、労力を要するといった問題がある。
本願発明者等は、下記の構成を採用することにより、前記の課題を解決できることを見出して本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係る半導体装置の製造方法は、ワークが配線上に実装された構造を有する半導体装置の製造方法であって、
第1接着剤層と前記第1接着剤層よりも台座に貼り付けた後の接着力が低い第2の層とを有する接着シートであって、少なくとも前記接着シートにおける周辺部が前記第1接着剤層により形成されている接着シートを準備する工程と、
前記接着シートを台座に貼り合わせる工程と、
前記台座に貼り合わせ後の前記接着シート上に、配線を形成する工程と、
前記配線にワークを実装する工程と、
前記実装の後、配線付きのワークを、前記台座から分離する工程と
を含むことを特徴とする。
前記構成によれば、接着シートを台座に貼り合わせ、前記台座に貼り合わせ後の前記接着シート上に、配線を形成する。その後、前記配線にワークを実装し、前記実装の後、配線付きのワークを、前記台座から分離する。前記接着シートは、シート状であるため、台座に貼り合わせるだけで簡便に使用することができる。また、シート状の接着シートを用いるため、スピンコートのように材料を無駄にすることが少ない。また、接着シートは、別途準備するため、シート面が均一なものを準備することが可能となる。このように、前記構成によれば、台座上に形成された配線にワークを実装した後、配線付きのワークを前記台座から分離して半導体装置を製造する際、シート状の接着シートを用いるため、材料を無駄にすることなく簡便に当該半導体装置を製造することができる。
また、前記構成によれば、接着シートとして、第1接着剤層と前記第1接着剤層よりも台座に貼り付けた後の接着力が低い第2の層とを有する接着シートであって、少なくとも前記接着シートにおける周辺部が前記第1接着剤層により形成されている接着シートを用いる。第2の層と比較して接着力の高い第1接着剤層が周辺部に存在するため、この部分において台座、及び、配線に強固に貼り合わせることができる。また、第1接着剤層のみではなく、第1接着剤層よりも接着力の低い第2の層を有するため、分離する工程において、第1接着剤層の接着力さえ低下させれば、外力により、容易に台座と配線付きのワークとを上下に分離することが可能となる。第1接着剤層の接着力を低下させる方法としては、溶剤により第1接着剤層を溶解させて接着力を低下させる方法、第1接着剤層に、カッターやレーザー等により物理的な切り込みを入れて接着力を低下させる方法、第1接着剤層を加熱により接着力が低下する材料で形成しておき、加熱により接着力を低下させる方法等を挙げることができる。上記構成においては、第1接着剤層が接着シートにおける周辺部に形成されているため、分離する工程において、第1接着剤層を溶剤により溶解させたり、カッターやレーザー等により物理的に切り込みを入れたりして、第1接着剤層の接着力を低下させ易い。なお、本発明において、台座に貼り付けた後の第1接着剤層の接着力、及び、第2の層の接着力とは、温度23±2℃、剥離速度300mm/minの条件下でのシリコンウェハに対する90°ピール剥離力をいう。例えば、台座に貼り付けた後にイミド化や熱硬化等を行なうことにより、第1接着剤層や第2の層の接着力が台座に貼り付ける前後で変化する場合には、台座に貼り付けた後の状態(例えば、イミド化後や熱硬化後)における第1接着剤層や第2の層の、シリコンウェハに対する90°ピール剥離力をいう。また、本発明において、ワークとは、回路が形成されていないウエハ、回路が形成されているウエハ、回路が形成されていない個片化されたウエハ、及び、半導体チップ(回路が形成されている個片化されたウエハ)を含む。なかでも、本発明のワークは、回路が形成されていない個片化されたウエハ、又は、半導体チップであることが好ましい。なお、回路が形成されていない個片化されたウエハ、及び、半導体チップは、チップ状ワークとも呼ぶ。
前記構成において、前記接着シートは、前記周辺部よりも内側の中央部が、前記第1接着剤層と前記第2の層との積層により形成されており、前記台座に貼り合わせる工程は、前記接着シートを、前記第2の層が表出している側の面を貼り合わせ面として台座に貼り合わせる工程であることが好ましい。前記構成によれば、第1接着剤層のみが表出している面では、接着シート上に形成された配線をより強固に固定することができる。また、前記中央部は、前記第1接着剤層と前記第2の層との積層により形成されている。従って、前記第1接着剤層と前記第2の層との積層により形成されている中央部は、第1接着剤層のみで形成されている周辺部よりも、相対的に接着力が低い。従って、周辺部の接着力を少なくとも低下させれば、外力により、容易に台座と配線付きのワークとを上下に分離することが可能となる。また、前記第2の層も台座と接しているため、分離する工程の後に、当該接着シートを台座から剥離しやすくなる。従って、台座を再利用しやすくなる。
前記構成において、前記接着シートは、前記周辺部よりも内側の中央部が、前記第2の層により形成されていることも好ましい。前記構成によれば、中央部が前記第2の層により形成されているため、分離する工程において、第1接着剤層の接着力を低下させれば、外力により、容易に台座と配線付きのワークとを上下に分離することが可能となる。また、中央部が前記第2の層により形成されており、第2の層も台座と接しているため、分離する工程の後に、当該接着シートを台座から剥離しやすくなる。従って、台座を再利用しやすくなる。
前記構成において、前記接着シートは、前記周辺部よりも内側の中央部が、前記第1接着剤層と前記第2の層との積層により形成されており、前記台座に貼り合わせる工程は、前記接着シートを、前記第1接着剤層のみが表出している側の面を貼り合わせ面として台座に貼り合わせる工程であることが好ましい。前記構成によれば、第1接着剤層のみが表出している面では、台座により強固に固定することができる。前記中央部は、前記第1接着剤層と前記第2の層との積層により形成されている。従って、前記第1接着剤層と前記第2の層との積層により形成されている中央部は、第1接着剤層のみで形成されている周辺部よりも、相対的に接着力が低い。従って、周辺部の接着力を少なくとも低下させれば、外力により、容易に台座と配線付きのワークとを上下に分離することが可能となる。
また、本発明に係る接着シートは、前記の課題を解決するために、前記に記載の半導体装置の製造方法に使用されることを特徴とする。
本発明によれば、台座上に形成された配線にワークを実装した後、配線付きのワークを台座から分離して半導体装置を製造する際、簡便に当該半導体装置を製造することができる。
本発明の一実施形態に係る接着シートを示す断面模式図である。 本発明の他の実施形態に係る接着シートを示す断面模式図である。 本発明の他の実施形態に係る接着シートを示す断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法の概略を説明するための断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法の概略を説明するための断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法の概略を説明するための断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法の概略を説明するための断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法の概略を説明するための断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法の概略を説明するための断面模式図である。 図9に示した半導体装置の製造方法の一例を詳細に説明するための断面模式図である。 図9に示した半導体装置の製造方法の一例を詳細に説明するための断面模式図である。 図9に示した半導体装置の製造方法の一例を詳細に説明するための断面模式図である。 図9に示した半導体装置の製造方法の一例を詳細に説明するための断面模式図である。 図9に示した半導体装置の製造方法の一例を詳細に説明するための断面模式図である。 図9に示した半導体装置の製造方法の一例を詳細に説明するための断面模式図である。 図9に示した半導体装置の製造方法の一例を詳細に説明するための断面模式図である。 図9に示した半導体装置の製造方法の一例を詳細に説明するための断面模式図である。
本発明に係る半導体装置の製造方法は、ワークが配線上に実装された構造を有する半導体装置の製造方法であって、第1接着剤層と前記第1接着剤層よりも台座に貼り付けた後の接着力が低い第2の層とを有する接着シートであって、少なくとも前記接着シートにおける周辺部が前記第1接着剤層により形成されている接着シートを準備する工程と、前記接着シートを台座に貼り合わせる工程と、前記台座に貼り合わせ後の前記接着シート上に、配線を形成する工程と、前記配線にワークを実装する工程と、前記実装の後、配線付きのワークを、前記台座から分離する工程とを少なくとも含む。
以下、本発明の一実施形態に係る各工程について図面を参照しつつ説明する。尚、本発明で用いている「上面」、「下面」など、上下を示す語句は、あくまで層の位置関係を説明するためのものであって、接着シートや半導体装置の実際の上下の姿勢を限定するものではない。なお、以下の実施形態では、本発明のワークが、半導体チップである場合について説明するが、この例に限定されず、回路が形成されていないウエハであってもよく、回路が形成されているウエハであってもよく、回路が形成されていない個片化されたウエハであってもよい。
[接着シートを準備する工程]
まず、第1接着剤層と前記第1接着剤層よりも接着力の低い第2の層とを有する接着シートであって、少なくとも前記接着シートにおける周辺部が前記第1接着剤層により形成されている接着シートを準備する。
ここで、本実施形態に係る接着シートについて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る接着シートを示す断面模式図である。図1に示すように、接着シート5は、周辺部54が第1接着剤層50により形成されるとともに、周辺部54よりも内側の中央部53が、第1接着剤層50と第2の層51との積層により形成されている。すなわち、接着シート5は、第2の層51と、第2の層51上に第2の層51の上面及び側面を覆う態様で積層された第1接着剤層50とを有する。第2の層51の接着力は、第1接着剤層50の接着力よりも低い。なお、接着シート5は、台座に貼り合わせる工程において第2の層51が表出している側の面を貼り合わせ面として台座に貼り合わせられる。
接着シート5では、第2の層51と比較して接着力の高い第1接着剤層50が周辺部に存在するため、この部分において台座、及び、配線に強固に貼り合わせることができる。また、第1接着剤層50のみではなく、第1接着剤層よりも接着力の低い第2の層を有するため、後述する分離する工程において、第1接着剤層50の接着力を低下させれば、外力により、容易に台座と配線付きの半導体チップとを上下に分離することが可能となる。
また、接着シート5では、第1接着剤層50のみが表出している面では、接着シート50上に形成される配線をより強固に固定することができる。また、中央部53は、第1接着剤層50と第2の層51との積層により形成されている。従って、第1接着剤層50と第2の層51との積層により形成されている中央部53は、第1接着剤層50のみで形成されている周辺部54よりも、相対的に接着力が低い。従って、周辺部54の接着力を少なくとも低下させれば、外力により、容易に台座と配線付きの半導体チップとを上下に分離することが可能となる。また、第2の層51も台座と接しているため、分離する工程の後に、当該接着シート5を台座から剥離しやすくなる。従って、台座を再利用しやすくなる。また、第1接着剤層50が接着シート5における周辺部54に形成されているため、後述する分離する工程において、第1接着剤層50を溶剤により溶解させたり、カッターやレーザー等により物理的に切り込みを入れたりして、第1接着剤層50の接着力を低下させ易い。
本実施形態において、台座に貼り付けた後の第2の層51の接着力は、台座に貼り付けた後の第1接着剤層50の接着力よりも低ければ、特に制限されないが、温度23±2℃、剥離速度300mm/minの条件下でのシリコンウェハに対する90°ピール剥離力が、0.30N/20mm以下であることが好ましく、0.20N/20mm以下であることがより好ましい。また、第2の層51の接着力の下限値は、特に限定されず、例えば、0N/20mm以上であるが、0.001/20mm以上であってもよい。第2の層51の前記接着力が、0.30N/20mm以下であると、容易に台座から第2の層51を剥離することができる。一方、第2の層51の前記接着力は低いほど台座からの剥離が行いやすい。
また、台座に貼り付けた後の第1接着剤層50の接着力は、台座に貼り付けた後の第2の層51の接着力よりも高ければ、特に制限されないが、温度23±2℃、剥離速度300mm/minの条件下でのシリコンウェハに対する90°ピール剥離力が、0.30N/20mm以上であることが好ましく、0.40N/20mm以上であることがより好ましい。また、第1接着剤層50の接着力の上限値は、特に限定されず、大きいほど好ましいが、例えば、30N/20mm以下、20N/20mm以下等を挙げることができる。第1接着剤層50の前記接着力が、0.30N/20mm以上であると、台座と接着シート5とをより強固に固定することができる。
接着シート5の厚さは、0.1〜100μmであることが好ましく、0.5〜25μmであることがより好ましい。接着シート5の厚さが、0.1μm以上であると、多層構造を容易に形成することができる。一方、接着シート5の厚さが、100μm以下であると、接着シート5の厚みばらつきや加熱時の収縮・膨張を抑制又は防止することができ、配線を形成する工程で有利になる。
第1接着剤層50の中央部53における厚さは、0.01〜99μmであることが好ましく、0.05〜10μmであることがより好ましい。
第2の層51の厚さ(中央部53での厚さ)は、0.09〜99.9μmであることが好ましく、0.05〜15μmであることがより好ましい。
第1接着剤層は、第2の層に比較して一般的に弾性率が低いため、当該層の形成時に表面にうねりが生じやすい。このような観点からは、第1接着剤層を薄くし、第2の層を厚くすることが好ましい。一方、第1接着剤層は、第2の層に比較して一般的にガラス転移温度が高いため、当該層の形成時に収縮が大きい。このような観点からは、第1接着剤層を厚くし、第2の層を薄くすることが好ましい。従って、本発明において、第1接着剤層の厚さ、及び、第2の層の厚さは、層形成時の表面のうねり、及び、層形成時の収縮量の双方を考慮して、上記数値範囲内で選択することが好ましい。
本発明に係る接着シートは、図1に示すような接着シート5に限定されず、図2、図3に示すような接着シートであってもよい。図2は、本発明の他の実施形態に係る接着シートを示す断面模式図である。図2に示すように、接着シート6は、周辺部64が第1接着剤層60により形成されるとともに、周辺部64よりも内側の中央部63が、第2の層61により形成されている。第2の層61の接着力は、第1接着剤層60の接着力よりも低い。
接着シート6では、中央部63が第2の層61により形成されているため、後述する分離する工程において、周辺部64にある第1接着剤層60の接着力を低下させれば、外力により、容易に台座と配線付きの半導体チップとを上下に分離することが可能となる。
また、中央部63が第2の層61により形成されており、第2の層61も台座と接しているため、分離する工程の後に、当該接着シート6を台座から剥離しやすくなる。従って、台座を再利用しやすくなる。また、第1接着剤層60が接着シート6における周辺部64に形成されているため、後述する分離する工程において、第1接着剤層60を溶剤により溶解させたり、カッターやレーザー等により物理的に切り込みを入れたりして、第1接着剤層60の接着力を低下させ易い。
台座に貼り付けた後の第2の層61の接着力は、台座に貼り付けた後の第1接着剤層60の接着力よりも低ければ、特に制限されないが、温度23±2℃、剥離速度300mm/minの条件下でのシリコンウェハに対する90°ピール剥離力が、0.30N/20mm以下であることが好ましく、0.20N/20mm以下であることがより好ましい。また、第2の層61の接着力の下限値は、特に限定されず、例えば、0N/20mm以上であるが、0.001/20mm以上であってもよい。第2の層61の前記接着力が、0.30N/20mm以下であると、容易に台座から第2の層61を剥離することができる。一方、第2の層61の前記接着力は低いほど台座からの剥離が行いやすい。
また、台座に貼り付けた後の第1接着剤層60の接着力は、台座に貼り付けた後の第2の層61の接着力よりも高ければ、特に制限されないが、温度23±2℃、剥離速度300mm/minの条件下でのシリコンウェハに対する90°ピール剥離力が、0.30N/20mm以上であることが好ましく、0.40N/20mm以上であることがより好ましい。また、第1接着剤層60の接着力の上限値は、特に限定されず、大きいほど好ましいが、例えば、30N/20mm以下、20N/20mm以下等を挙げることができる。第1接着剤層60の前記接着力が、0.30N/20mm以上であると、台座と接着シート6とをより強固に固定することができる。
接着シート6の厚さは、0.1〜100μmであることが好ましく、0.5〜25μmであることがより好ましい。接着シート6の厚さが、0.1μm以上であると、当該接着シート6を容易に形成することができる。一方、接着シート6の厚さが、100μm以下であると、接着シート6の厚みばらつきや加熱時の収縮・膨張を抑制又は防止することができ、配線を形成する工程で有利になる。
図3は、本発明の他の実施形態に係る接着シートを示す断面模式図である。図3に示すように、接着シート7は、周辺部74が第1接着剤層70により形成されるとともに、周辺部74よりも内側の中央部73が、第1接着剤層70と第2の層71との積層により形成されている。すなわち、接着シート7は、第2の層71と、第2の層71上に第2の層71の上面(図3では下面)及び側面を覆う態様で積層された第1接着剤層70とを有する。第2の層71の接着力は、第1接着剤層70の接着力よりも低い。なお、接着シート7は、台座に貼り合わせる工程において第2の層71が表出している側の面を貼り合わせ面として台座に貼り合わせられる。
接着シート7では、第1接着剤層70のみが表出している面では、台座により強固に固定することができる。また、中央部73は、第1接着剤層70と第2の層71との積層により形成されている。従って、第1接着剤層70と第2の層71との積層により形成されている中央部73は、第1接着剤層70のみで形成されている周辺部74よりも、相対的に接着力が低い。従って、周辺部74の接着力を少なくとも低下させれば、外力により、容易に台座と配線付きの半導体チップとを上下に分離することが可能となる。また、第1接着剤層70が接着シート7における周辺部74に形成されているため、後述する分離する工程において、第1接着剤層70を溶剤により溶解させたり、カッターやレーザー等により物理的に切り込みを入れたりして、第1接着剤層70の接着力を低下させ易い。
台座に貼り付けた後の第2の層71の接着力は、台座に貼り付けた後の第1接着剤層70の接着力よりも低ければ、特に制限されないが、温度23±2℃、剥離速度300mm/minの条件下でのシリコンウェハに対する90°ピール剥離力が、0.30N/20mm以下であることが好ましく、0.20N/20mm以下であることがより好ましい。また、第2の層71の接着力の下限値は、特に限定されず、例えば、0N/20mm以上であるが、0.001/20mm以上であってもよい。第2の層71の前記接着力が、0.30N/20mm以下であると、分離する工程において、容易に第2の層から配線付きの半導体チップを剥離することができる。
また、台座に貼り付けた後の第1接着剤層70の接着力は、台座に貼り付けた後の第2の層71の接着力よりも高ければ、特に制限されないが、温度23±2℃、剥離速度300mm/minの条件下でのシリコンウェハに対する90°ピール剥離力が、0.30N/20mm以上であることが好ましく、0.40N/20mm以上であることがより好ましい。また、第1接着剤層70の接着力の上限値は、特に限定されず、大きいほど好ましいが、例えば、30N/20mm以下、20N/20mm以下等を挙げることができる。第1接着剤層70の前記接着力が、0.30N/20mm以上であると、台座と接着シート7とをより強固に固定することができる。
接着シート7の厚さは、0.1〜100μmであることが好ましく、0.5〜25μmであることがより好ましい。接着シート7の厚さが、0.1μm以上であると、多層構造を容易に形成することができる。一方、接着シート7の厚さが、100μm以下であると、接着シート7の厚みばらつきや加熱時の収縮・膨張を抑制又は防止することができ、配線を形成する工程で有利になる。
第1接着剤層70の中央部73における厚さは、0.01〜99μmであることが好ましく、0.05〜10μmであることがより好ましい。
第2の層71の厚さ(中央部73での厚さ)は、0.09〜99.9μmであることが好ましく、0.05〜15μmであることがより好ましい。
[台座に貼り合わせる工程]
以下の説明では、図1に示した接着シート5を用いた場合について説明する。図4〜図8は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法の概略を説明するための断面模式図である。接着シート5を準備する工程の後、準備した接着シート5を、接着シート5の下面を貼り合わせ面として台座1に貼り合わせる(図4参照)。貼り合わせ方法は特に限定されないが、圧着による方法が好ましい。圧着は、通常、圧着ロール等の押圧手段により押圧しながら行われる。圧着の条件としては、20℃〜150℃、0.01MPa〜10MPa、1mm/sec〜100mm/secが好ましい。上述したように、接着シート5は、第2の層51と比較して接着力の高い第1接着剤層50が下面に表出しているため、台座1に強固に貼り合わせることができる。
[配線を形成する工程]
次に、接着シート5上に、半導体チップ3の電極31に接続し得る接続用導体部21と配線26とを有する配線層2を、接続用導体部21が配線層2の上面に露出するように形成する(図5参照)。配線層2は、接着シート5側に、外部と電気的な接続を行なうための外部接続用導体部22を有する。なお、図5では、接続用導体部21が配線層2の上面に凸状に露出している場合を示しているが、本発明において接続用導体部は、配線層の上面に露出してればよく、接続用導体部の上面が、配線層の上面と面一であってもよい。接着シート5では、第1接着剤層50のみが上面に表出しているため、接着シート50上に形成される配線層をより強固に固定することができる。
[半導体チップを実装する工程]
次に、図6に示すように、配線層2の接続用導体部21と半導体チップ3の電極31とを接続して、配線層2(配線26)に半導体チップ3を実装する。図6では、実装後の接続用導体部21、電極31のそれぞれの突起を省略して示している。なお、図6では、配線層2に複数の半導体チップ3が実装される場合を示しているが、配線層に実装する半導体チップの数は、特に限定されず、1つであってもよい。
次に、図7に示すように、必要に応じて、半導体チップ3を覆うように樹脂32による樹脂封止を行なう。樹脂封止に用いる樹脂32は、従来公知のもの等を適宜用いることができ、樹脂封止方法についても、従来公知の方法を採用することができる。
[台座から分離する工程]
次に、図8に示すように、樹脂封止された配線層2付きの半導体チップ3を、台座1から分離する。具体的には、接着シート5における台座1とは反対側の面を界面として、台座1を接着シート5とともに剥離する。なお、樹脂封止を行なわなかった場合には、樹脂封止されていない配線層2付きの半導体チップ3を、台座1から分離する。上述したように、接着シート5は、第1接着剤層50のみではなく、第1接着剤層50よりも接着力の低い第2の層51を有するため、第1接着剤層50の接着力を低下させれば、外力により、容易に台座と配線層付きの半導体チップとを上下に分離することが可能となる。
また、中央部53は、第1接着剤層50と第2の層51との積層により形成されている。従って、第1接着剤層50と第2の層51との積層により形成されている中央部53は、第1接着剤層50のみで形成されている周辺部54よりも、相対的に接着力が低い。従って、周辺部54の接着力を少なくとも低下させれば、外力により、容易に台座と配線層付きの半導体チップとを上下に分離することが可能となる。また、第1接着剤層50が接着シート5における周辺部54に形成されているため、後述する分離する工程において、第1接着剤層50を溶剤により溶解させたり、カッターやレーザー等により物理的に切り込みを入れたりして、第1接着剤層50の接着力を低下させ易い。第1接着剤層50の接着力を低下させる方法としては、溶剤により第1接着剤層50を溶解させて接着力を低下させる方法、第1接着剤層50に、カッターやレーザー等により物理的な切り込みを入れて接着力を低下させる方法、第1接着剤層50を加熱により接着力が低下する材料で形成しておき、加熱により接着力を低下させる方法等を挙げることができる。
その後、必要に応じて、裁断することにより、半導体チップ3が配線層2に実装された半導体装置4が得られる(図9参照)。なお、台座1を剥離した配線層2に対して、ハンダボールを付与するといった加工を施してもよい。
以上、本実施形態に係る半導体装置の製造方法の概略を説明した。以下、図10〜図17を参照しながら、本実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を詳細に説明する。図10〜図17は、図9に示した半導体装置の製造方法の一例を詳細に説明するための断面模式図である。
〔接着シートを有する台座の準備〕
まず、台座1を準備する(図10参照)。台座1は、一定以上の強度を有することが好ましい。
台座1としては、特に限定されないが、シリコンウェハ、SiCウェハ、GaAsウェハ等の化合物ウェハ、ガラスウェハ、SUS、6−4Alloy,Ni箔、Al箔等の金属箔等が挙げられる。平面視で、丸い形状を採用する場合は、シリコンウェハ又はガラスウェハが好ましい。また、平面視で矩形の場合は、SUS板、又は、ガラス板が好ましい。
また、台座1として、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ランダム共重合ポリプロピレン、ブロック共重合ポリプロピレン、ホモポリプロレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル(ランダム、交互)共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、全芳香族ポリアミド、ポリフェニルスルフイド、アラミド(紙)、ガラス、ガラスクロス、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セルロース系樹脂、シリコーン樹脂、紙等を用いることもできる。
台座1は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用しても良い。台座の厚みは、特に限定されないが、例えば、通常10μm〜20mm程度である。
次に、台座1上に接着シート5を貼り合わせる。接着シート5は、すでに説明した通り、第2の層51と、第2の層51上に第2の層51の上面及び側面を覆う態様で積層された第1接着剤層50とを有する。
第1接着剤層50を構成する接着剤組成物としては、第1接着剤層50の接着力が、第2の層51の接着力よりも高くなるように選択する限り、特に限定されない。このような第1接着剤層50を構成する接着剤組成物としては、イミド基を有し、且つ、少なくとも一部にエーテル構造を有するジアミンに由来する構成単位を有するポリイミド樹脂、前記ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸、シリコーン樹脂、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂を併用したもの等を挙げることができる。
前記ポリイミド樹脂は、一般的に、その前駆体であるポリアミド酸をイミド化(脱水縮合)することにより得ることができる。ポリアミド酸をイミド化する方法としては、例えば、従来公知の加熱イミド化法、共沸脱水法、化学的イミド化法等を採用することができる。なかでも、加熱イミド化法が好ましい。加熱イミド化法を採用する場合、ポリイミド樹脂の酸化による劣化を防止するため、窒素雰囲気下や、真空中等の不活性雰囲気下にて加熱処理を行なうことが好ましい。
前記ポリアミド酸は、適宜選択した溶媒中で、酸無水物とジアミン(エーテル構造を有するジアミンと、エーテル構造を有さないジアミンの両方を含む)とを実質的に等モル比となるように仕込み、反応させて得ることができる。
前記ポリイミド樹脂は、エーテル構造を有するジアミンに由来する構成単位を有することが好ましい。前記エーテル構造を有するジアミンは、エーテル構造を有し、且つ、アミン構造を有する端末を少なくとも2つ有する化合物である限り、特に限定されない。前記エーテル構造を有するジアミンのなかでも、グリコール骨格を有するジアミンであることが好ましい。前記ポリイミド樹脂が、エーテル構造を有するジアミンに由来する構成単位、特に、グリコール骨格を有するジアミンに由来する構成単位を有している場合、第1接着剤層50を加熱すると、接着力を低下させることができる。この現象について、本発明者らは、加熱されることにより、前記エーテル構造が第1接着剤層50を構成する樹脂から脱離し、この脱離により接着力が低下している推察している。
なお、前記エーテル構造、又は、前記グリコール骨格が第1接着剤層50を構成する樹脂から脱離していることは、例えば、300℃での加熱を30分する前後におけるFT−IR(fourier transform infrared spectroscopy)スペクトルを比較し、2800〜3000cm−1のスペクトルが加熱前後で減少していることにより確認できる。
前記グリコール骨格を有するジアミンとしては、例えば、ポリプロピレングリコール構造を有し、且つ、アミノ基を両末端に1つずつ有するジアミン、ポリエチレングリコール構造を有し、且つ、アミノ基を両末端に1つずつ有するジアミン、ポリテトラメチレングリコール構造を有し、且つ、アミノ基を両末端に1つずつ有するジアミン等のアルキレングリコールを有するジアミンを挙げることができる。また、これらのグリコール構造の複数を有し、且つ、アミノ基を両末端に1つずつ有するジアミンを挙げることができる。
前記エーテル構造を有するジアミンの分子量は、100〜5000の範囲内であることが好ましく、150〜4800であることがより好ましい。前記エーテル構造を有するジアミンの分子量が100〜5000の範囲内であると、低温での接着力が高く、且つ、高温において剥離性を奏する第1接着剤層50をえやすい。
前記ポリイミド樹脂の形成には、エーテル構造を有するジアミン以外に、エーテル構造を有さないジアミンを併用することもできる。エーテル構造を有さないジアミンとしては、脂肪族ジアミンや芳香族ジアミンを挙げることができる。エーテル構造を有さないジアミンを併用することにより、被着体との密着力をコントロールすることができる。エーテル構造を有するジアミンと、エーテル構造を有さないジアミンとの配合割合は、モル比で、100:0〜10:90の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは、100:0〜20:80であり、さらに好ましくは、99:1〜30:70である。前記エーテル構造を有するジアミンと前記エーテル構造を有さないジアミンとの配合割合が、モル比で、100:0〜10:90の範囲内にあると、高温での熱剥離性により優れる。
前記脂肪族ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,8−ジアミノオクタン、1,10−ジアミノデカン、1,12−ジアミノドデカン、4,9−ジオキサ−1,12−ジアミノドデカン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(α、ω−ビスアミノプロピルテトラメチルジシロキサン)などが挙げられる。前記脂肪族ジアミンの分子量は、通常、50〜1,000,000であり、好ましくは100〜30,000である。
芳香族ジアミンとしては、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−2,2−ジメチルプロパン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン等が挙げられる。前記芳香族ジアミンの分子量は、通常、50〜1000であり、好ましくは100〜500である。前記脂肪族ジアミンの分子量、及び、前記芳香族ジアミンの分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定し、ポリスチレン換算により算出された値(重量平均分子量)をいう。
前記酸無水物としては、例えば、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ピロメリット酸二無水物、エチレングリコールビストリメリット酸二無水物等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記酸無水物と前記ジアミンを反応させる際の溶媒としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、シクロペンタノン等を挙げることができる。これらは、単独で使用してもよく、複数を混合して用いてもよい。また、原材料や樹脂の溶解性を調整するために、トルエンや、キシレン等の非極性の溶媒を適宜、混合して用いてもよい。
前記シリコーン樹脂としては、例えば、過酸化物架橋型シリコーン系粘着剤、付加反応型シリコーン系粘着剤、脱水素反応型シリコーン系粘着剤、湿気硬化型シリコーン系粘着剤等が挙げられる。前記シリコーン樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。前記シリコーン樹脂を用いると、耐熱性が高くなり、高温下における貯蔵弾性率や粘着力が適切な値となり得る。前記シリコーン樹脂の中でも、不純物が少ない点で、付加反応型シリコーン系粘着剤が好ましい。
第1接着剤層50に前記シリコーン樹脂を用いる場合、第1接着剤層50には、必要に応じて、他の添加剤を含有し得る。このような他の添加剤としては、例えば、難燃剤、シランカップリング剤、イオントラップ剤などが挙げられる。難燃剤としては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、臭素化エポキシ樹脂などが挙げられる。シランカップリング剤としては、例えば、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランなどが挙げられる。イオントラップ剤としては、例えば、ハイドロタルサイト類、水酸化ビスマスなどが挙げられる。このような他の添加剤は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
第2の層51を構成する組成物としては、第2の層51の接着力が、第1接着剤層50の接着力よりも低くなるように選択する限り、特に限定されない。このような第2の層51を構成する材料としては、Cu,Cr,Ni,Ti等の無機材料を挙げることができる。
また、第2の層51を構成する組成物としては、前記第1接着剤層50を構成する接着剤組成物として説明した前記ポリイミド樹脂を用いてもよく、前記ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸を用いてもよく、前記シリコーン樹脂を用いてもよく、前記熱可塑性樹脂と前記熱硬化性樹脂とを併用したものを用いてもよい。
(接着シートの製造)
接着シート5は、例えば、次の通りにして作製される。まず、第2の層51を形成するための組成物を含む溶液を作製する。次に、前記溶液を基材上に所定厚みとなる様に塗布して塗布膜を形成した後、該塗布膜を所定条件下で乾燥させる等して、第2の層51とする。前記基材としては、SUS304、6−4アロイ、アルミ箔、銅箔、Ni箔などの金属箔や、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレンや、フッ素系剥離剤、長鎖アルキルアクリレート系剥離剤等の剥離剤により表面コートされたプラスチックフィルムや紙等が使用可能である。また、塗布方法としては特に限定されず、例えば、ロール塗工、スクリーン塗工、グラビア塗工、スピンコート塗工等が挙げられる。
次に、第2の層51側から打ち抜き加工等により、所定の形状(例えば、円形、矩形等)に打ち抜き、打ち抜いた部分(円形状、矩形状等の第2の層51)を残して、外側を剥離して取り除く。
一方、第1接着剤層50を形成するための組成物を含む溶液を作製する。
次に、所定の形状に打ち抜かれた第2の層51が積層されている前記基材の上に、前記の第1接着剤層50を形成するための組成物を含む溶液を第2の層51の側に所定厚みとなる様に塗布して塗布膜を形成する。その後、該塗布膜を所定条件下で乾燥させる等して、第1接着剤層50とする。以上より、図1に示されるような接着シート5が得られる。なお、図2に示されるような接着シート6、及び、図3に示されるような接着シート7も同様の方法により作成することができる。
[台座に貼り合わせる工程]
接着シート5を準備する工程の後、準備した接着シート5を、接着シート5の下面を貼り合わせ面として台座1に貼り合わせる(図10参照)。
〔配線層の形成〕
次に、台座1の接着シート5上に配線層2を形成する。接着シートを有する台座上に配線層を形成する方法には、セミアディティブ法や、サブトラクティブ法など、従来公知の回路基板やインターポーザの製造技術を適用してもよい。台座上に配線層を形成することにより、製造工程中、寸法安定性が良好となり、また、薄い配線層の取り扱い性が良好となる。以下、配線層の形成方法の一例を示す。なお、図11〜図17では、1の半導体チップに対応する部分のみを図示し、その他を省略しているが、他の半導体チップに対応する部分も同様である。
〔ベース絶縁層の形成〕
図11に示すように、ベース絶縁層20aを台座1の接着シート5上に形成する。ベース絶縁層20aの材料としては、特に限定はされないが、例えば、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などの公知の合成樹脂や、それらの樹脂と、合成繊維布、ガラス布、ガラス不織布、並びに、TiO、SiO、ZrOや鉱物、粘土などの微粒子との複合した樹脂などが挙げられる。特に、台座1を剥離した後、より薄く、より大きな機械的強度を有し、より好ましい電気的特性(絶縁特性など)を有するフレキシブルな絶縁層となる点からは、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ガラス布複合エポキシ樹脂が好ましい材料として挙げられる。なかでも、感光性を有するものが好ましい。ベース絶縁層20aの厚さは、0.1〜50μmが好ましい。
次に、外部接続用導体部22を形成すべき位置に、開口h1を形成する(図12参照)。開口h1の形成方法としては、従来公知の方法を採用することができる。例えば、感光性を有する樹脂を用いてベース絶縁層20aを形成した場合、開口h1に対応するパターンが形成されたフォトマスクを介して光を照射した後、現像することにより、開口h1を形成することができる。開口形状は特に限定されないが、円形が好ましく、直径も適宜設定可能であるが、例えば、1.0μm〜500μmとすることができる。
〔接点用の金属膜の形成〕
次に、開口h1に接点用の金属膜211を形成する。金属膜211を形成することにより、電気的な接続をより好ましく行い、耐食性を高めることができる。金属膜211の形成方法は特に限定されないが、めっきが好ましく、該金属膜の材料としては、銅、金、銀、白金、鉛、錫、ニッケル、コバルト、インジウム、ロジウム、クロム、タングステン、ルテニウムなどの単独金属、またはこれら2種類以上からなる合金などが挙げられる。これらの中でも好ましい材料としては、金、錫、ニッケルなどが挙げられ、下地層をNiとし、表層をAuとする2層構造などが好ましい金属膜の態様として挙げられる。
〔種膜、下側の導通路、導体層の形成〕
次に、必要に応じて、導体層23、及び、導通路25となるべきとなるべき部分の壁面に金属材料を良好に堆積させるための種膜(金属薄膜)23aを形成する(図14参照)。種膜23aは、例えば、スパッタリングによって形成することができる。種膜の材料としては、例えば、銅、金、銀、白金、鉛、錫、ニッケル、コバルト、インジウム、ロジウム、クロム、タングステン、ルテニウムなどの単独金属、またはこれら2種類以上からなる合金などが用いられる。導体層23の厚さは、特に限定はされないが、1〜500nmの範囲で適宜選択すればよい。また、導通路25は円柱状が好ましい形状であって、その直径は1.0〜500μm、好ましくは、3.0〜300μmである。その後、所定の配線パターンを有する導体層23、導通路25を形成する。配線パターンは、例えば、電解めっきにより形成することができる。その後、導体層23の無い部分の種膜を除去する。
次に、図15に示すように、導体層23の上をめっきレジストr1にて覆い(導通路を形成すべき部分は除く)、かつ、台座1の下面を全面的にレジストr2にて覆い、電解めっきにより、導通路24を形成する。導体層23、導通路24、及び、導通路25は、回路26(図5参照)に相当する。
〔接着剤層の形成〕
次に、めっきレジストr1、r2を除去し、露出した導体層23および導通路24を埋没させるように、エポキシ及びポリイミドを主成分とする接着剤層20bを形成し、導通路24の上端面が端子部として接着層上面に露出するように、該接着層をアルカリ性溶液などにてエッチングする(図16参照)。
〔接続用導体部の端面への金属膜の形成〕
次に、図17に示すように、導通路24の上端面に、例えば、電解めっきにより、接続用導体部21を形成する。接続用導体部21は、例えば、ニッケル膜、金膜等により、形成することができる。
〔実装工程、剥離工程、ダイシング〕
次に、上記で得た配線層2(台座1が剥離可能に付いたもの)に対して、チップを実装する(図6参照)。その後、接着剤層20bのエージングを行い、さらに、必要に応じて配線層2上の各チップ3に樹脂封止を施す(図7参照)。なお、樹脂封止には、シート状の封止用樹脂シートを用いてもよく、液状の樹脂封止材を用いてもよい。その後、樹脂封止された配線層2付きの半導体チップ3を、台座1から分離する(図8参照)。なお、樹脂封止を行なわなかった場合には、樹脂封止されていない配線層2付きの半導体チップ3を、台座1から分離する。その後、必要に応じて、裁断することにより、半導体チップ3が配線層2に実装された半導体装置4が得られる(図9参照)。なお、配線層2に対して、チップを実装する(フリップチップ接続)際には、配線層2とチップの間にアンダーフィル用の樹脂を用いてもよい。アンダーフィル用の樹脂は、シート状のものであってもよく、液状のものであってもよい。また、上述した実施形態では、チップを実装後、樹脂封止を施す場合について説明したが、樹脂封止する代わりに、チップ上に従来公知のフリップチップ型半導体裏面用フィルムが形成されたものを用いてもよい。前記フリップチップ型半導体裏面用フィルムは、被着体上にフリップチップ接続されたチップ(半導体素子)の裏面に形成するためのフィルムであり、詳細は、例えば、特開2011−249739号公報等に開示されているため、ここでの説明は省略する。
上述した実施形態では、配線が配線層として形成されている場合について説明した。しかしながら、本発明における配線は、この例に限定されない。本発明の配線は、配線層として形成されなくてもよく、例えば、配線が単体で接着シート上に形成されていてもよい。
本発明における半導体装置の製造方法は、接着シートを有する台座(例えば、長尺の台座)に、配線を形成し、前記配線に複数のワークを実装し、樹脂封止を行ない、その後、裁断して複数の半導体装置を得る方法を含む。当該半導体装置の製造方法によれば、1の台座上で複数の半導体装置のための配線を形成することができる。また、本発明における半導体装置の製造方法は、接着シートを有する台座に、配線を形成し、前記配線に1のワークを実装し、樹脂封止を行なうことにより1の半導体装置を得る方法も含む。
以上、本実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例について説明したが、本発明における半導体装置の製造方法は、上述した例に限定されず、本発明の要旨の範囲内で適宜変更可能である。
以下、本発明に関し実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例で使用した成分について説明する。
PMDA:ピロメリット酸二無水物(分子量:218.1)
DDE:4,4‘−ジアミノジフェニルエーテル(分子量:200.2)
D−4000:ハインツマン製のポリエーテルジアミン(分子量:4023.5)
DMAc:N,N−ジメチルアセトアミド
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
D−2000:ハインツマン製のポリエーテルジアミン(分子量:1990.8)
BPDA:3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物
PPD:p−フェニレンジアミン
(実施例1)
<第1接着剤層用溶液、第2の層用溶液の作製>
窒素気流下の雰囲気において、1,041gのN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)中に、ポリエーテルジアミン(D−4000)267.75g、4,4‘−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)78.48g、及び、ピロメリット酸二無水物(PMDA)100gを70℃で混合して反応させ、第1接着剤層用溶液(ポリアミド酸溶液A)を得た。得られた第1接着剤層用溶液が室温(23℃)になるまで冷却した。
表1の配合に従った点以外は第1接着剤層用溶液と同様の方法で第2の層用溶液(ポリアミド酸溶液B)を得た。得られた第2の層用溶液が室温(23℃)になるまで冷却した。
<円形シートの作製>
第2の層用溶液を、セパレータ(片面がシリコーン系剥離剤にて処理された長尺ポリエステルフィルム:厚さ38μm、幅250mm)に塗布し、90℃で3分間乾燥させ、第2の層を有するシートを得た。
得られたシートの第2の層上に長尺ポリエステルフィルム(厚さ25μm、幅250mm)を積層し、トムソン金型にて、直径198mmにハーフカットし、打ち抜いた部分(トムソン金型で打ち抜いた内側)を残して、外側を除去し、円形シートを得た。なお、上記のハーフカットとは、ポリエステルフィルム及び第2の層を完全にカットし、且つ、セパレータを完全にはカットしない(セパレータの途中までカットする)態様でのカットをいう。
<接着シート>
円形シートのセパレータを剥離し、第1接着剤層用溶液を、直径200mm以上となるように円形シートの第2の層上に塗布し、90℃で3分間乾燥させた。乾燥させた第1接着剤層上に長尺ポリエステルフィルム(厚さ25μm、幅250mm)を積層し、図1に示す断面形状の接着シートAを得た。具体的に、接着シートA全体の直径は200mm、厚さは10μmであった。第2の層の直径は198mm、第2の層の厚さは2μmであった。接着シートAの中央部における第1接着剤層の厚さは8μmであった。
(実施例2)
<第1接着剤層用溶液の作製>
表1の配合に従った点以外は実施例1と同様の方法で、第1接着剤層用溶液を得た。
<接着シートの作製>
SUS箔(東洋製箔(株)製、SUS 304H−TA)上に、Cu膜厚が0.5μmとなるよう、硫酸銅めっき浴によるCuめっきを行い、Cuめっき付きSUS箔を得た。得られたCuめっき付きSUS箔が室温(23℃)になるまで冷却した、
第1接着剤層用溶液をCuめっき付きSUS箔に塗布し、90℃で2分間乾燥させた。次いで、SUS箔を剥離してCuめっき付きポリアミド酸層を得た。得られたCuめっき付きポリアミド酸層に対して、Cuエッチングを行った。これにより、円形(195mmφ(直径195mm))のCuめっき部分を残し、他を取り除いた。以上より、図1に示す断面形状を有する接着シートBを得た。具体的に、接着シートB全体の直径200mm、厚さ10μmであった。第2の層の直径は195mm、第2の層の厚さは0.5μmであった。接着シートBの中央部における第1接着剤層の厚さは9.5μmであった。本実施例2では、接着シートの形成時には、第1接着剤層上に、第2の層が形成された形状(第2の層の側面側には第1接着剤層が存在しない形状)となるが、第2の層が0.5μmと薄い一方、第1接着剤層が10μmと厚く、また、第1接着剤層が比較的柔らかい(低弾性率である)ため、使用時には、圧力により、第2の層が第1接着剤層に埋め込まれることになる。従って、実施例2の接着シートBは、図1に示す断面形状を有することとなる。
(実施例3)
表1の配合に従った点以外は実施例1と同様の方法で、接着シートCを得た。
(実施例4)
<円形シートの作製>
実施例1にて作成した第2の層用溶液をセパレータ(片面がシリコーン系剥離剤にて処理された長尺ポリエステルフィルム:厚さ38μm、幅250mm)に塗布し、90℃で3分間乾燥させ、第2の層を有するシートを得た。
得られたシートの第2の層上に長尺ポリエステルフィルム(厚さ25μm、幅250mm)を積層し、トムソン金型にて、直径198mmにハーフカットし、打ち抜いた部分(トムソン金型で打ち抜いた内側)を残して、外側を除去し、円形シートを得た(厚さ:2.5μm)。
<接着シート>
実施例1にて作成した第1接着剤層用溶液をセパレータ(片面がシリコーン系剥離剤にて処理された長尺ポリエステルフィルム:厚さ38μm、幅250mm)に塗布し、90℃で3分間乾燥させ、第1接着剤層を有するシートを得た。
得られたシートの第1接着剤層上に長尺ポリエステルフィルム(厚さ25μm、幅250mm)を積層し、トムソン金型にて、直径198mmにハーフカットし、外側を残して、打ち抜いた部分(トムソン金型で打ち抜いた内側)を除去し、中抜けのシートを得た(厚さ:2.5μm)。
上記円形シート、及び、上記中抜けのシートのセパレータを剥離し、中抜けのシートの第1接着剤層が存在しない部分に、円形シートの第2の層が嵌まり込むように貼り合わせ、図2に示す断面形状の接着シートDを得た。具体的に、接着シートD全体の直径は200mm、厚さは2.5μmであった。第2の層の直径は198mm、第2の層の厚さは2.5μmであった。
(実施例5)
実施例1と同様の接着シートを作成し、これを接着シートEをとした。接着シートEは、図3に示す断面形状の接着シートとして使用する。
(比較例1)
実施例1と同様の第1接着剤層からなる単層の接着シートFを得た。接着シートFは円形であり、直径200mm、厚さ10μmであった。
<剥離力の測定>
片面がシリコーン系剥離剤にて処理された長尺ポリエステルフィルム(厚さ38μm、幅250mm)からなるセパレーターに、90℃で3分間乾燥後の厚みが20μmとなるように実施例1に係る組成の第1接着剤層、実施例2に係る組成の第1接着剤層、実施例3に係る組成の第1接着剤層、比較例1に係る組成の第1接着剤層をそれぞれ作成した。
実施例1〜3、比較例1に係る第1接着剤層を8インチシリコンウェハに貼り合せ、300℃で1.5時間の条件で窒素雰囲気中でイミド化させ、シリコンウェハ付き第1接着剤層を得た。
片面がシリコーン系剥離剤にて処理された長尺ポリエステルフィルム(厚さ38μm、幅250mm)からなるセパレーターに、90℃で3分間乾燥後の厚みが20μmとなるように、実施例1に係る組成の第2の層、実施例3に係る組成の第2の層をそれぞれ作成した。また、SUS箔上に、90℃で3分間乾燥後の厚みが20μmとなるように実施例2に係る組成の第2の層を作成した。
実施例1、実施例3、及び、比較例1に係る第2の層を8インチシリコンウェハに貼り合せ、300℃で1.5時間の条件で窒素雰囲気中でイミド化させ、シリコンウェハ付き第2の層を得た。実施例2に係る第2の層については、8インチシリコンウェハに貼り合せた。
各サンプル(第1接着剤層、又は、第2の層)を20mm幅、100mm長さに加工し、引張試験機(島津製作所製、オートグラフAGS−H)を用い、温度23℃、300mm/分にて90°ピール評価を行った。結果を表2に示す。
<プロセス耐性評価>
実施例1に係る接着シートAを、直径200mmのシリコンウエハからなる台座に温度90℃、圧力0.1MPaでロールラミネートした後、300℃で1.5時間、窒素雰囲気下でイミド化した。なお、ラミネートは、第1接着剤層と第2の層との両方が表出している面を貼り合わせ面として台座にラミネートした。これにより、台座付き接着シートAを得た。次に、セミアディティブ工法にて、接着シートA上に配線を形成した。具体的には、上記実施形態にて説明した方法にて形成した。
実施例2に係る接着シートBを、直径200mmのシリコンウエハからなる台座に温度90℃、圧力0.1MPaでロールラミネートした後、300℃で1.5時間、窒素雰囲気下でイミド化した。これにより、台座付き接着シートBを得た。次に、上記と同様にして、接着シートB上に配線を形成した。
実施例3に係る接着シートCを、直径200mmのシリコンウエハからなる台座に温度90℃、圧力0.1MPaでロールラミネートした後、300℃で1.5時間、窒素雰囲気下でイミド化した。これにより、台座付き接着シートCを得た。次に、上記と同様にして、接着シートC上に配線を形成した。
実施例4に係る接着シートDを、直径200mmのシリコンウエハからなる台座に温度90℃、圧力0.1MPaでロールラミネートした後、300℃で1.5時間、窒素雰囲気下でイミド化した。これにより、台座付き接着シートDを得た。次に、上記と同様にして、接着シートD上に配線を形成した。
実施例5に係る接着シートEを、直径200mmのシリコンウエハからなる台座に温度90℃、圧力0.1MPaでロールラミネートした後、300℃で1.5時間、窒素雰囲気下でイミド化した。なお、ラミネートは、第1接着剤層のみが表出している面を貼り合わせ面として台座にラミネートした。これにより、台座付き接着シートEを得た。次に、セミアディティブ工法にて、接着シートE上に配線を形成した。
比較例1に係る接着シートFを、直径200mmのシリコンウエハからなる台座に温度90℃、0.1MPaでロールラミネートした後、300℃で1.5時間、窒素雰囲気下でイミド化した。これにより、台座付き接着シートFを得た。次に、上記と同様にして、接着シートF上に配線を形成した。
上記の配線形成の結果、接着シートが台座から剥離せず、且つ、接着シートから形成中の配線が剥離しない場合を〇、接着シートが台座から剥離した場合、又は、接着シートから形成中の配線が剥離した場合を×として評価した。結果を表2に示す。
<剥離性評価>
上記プロセス耐性評価と同様にして実施例1に係る台座付き接着シートAを得た。次に、台座とは反対側から、接着シートAと中心が同一、且つ、直径196mmの円となるようにレーザー(YAGレーザー、出力1.5W)を照射し、第1接着剤層及び第2の層を台座面までカットした。
上記プロセス耐性評価と同様にして実施例2に係る台座付き接着シートBを得た。次に、台座とは反対側から、接着シートBと中心が同一、且つ、直径197mmの円となるようにカッターにて、第1接着剤層及び第2の層を台座面までカットした。
上記プロセス耐性評価と同様にして実施例3に係る台座付き接着シートCを得た。次に、台座とは反対側から、接着シートCと中心が同一、且つ、直径195mmの円となるようにトムソン刃にて、第1接着剤層及び第2の層を台座面までカットした。
上記プロセス耐性評価と同様にして実施例4に係る台座付き接着シートDを得た。次に、台座とは反対側から、接着シートDと中心が同一、且つ、直径196mmの円となるようにトムソン刃にて、第1接着剤層及び第2の層を台座面までカットした。
上記プロセス耐性評価と同様にして実施例5に係る台座付き接着シートEを得た。次に、台座とは反対側から、接着シートEと中心が同一、且つ、直径196mmの円となるようにトムソン刃にて、第1接着剤層及び第2の層を台座面までカットした。
上記プロセス耐性評価と同様にして比較例1に係る台座付き接着シートFを得た。次に、台座とは反対側から、接着シートFと中心が同一、且つ、直径197mmの円となるようにカッターにて、第1接着剤層及び第2の層を台座面までカットした。上記カット後の接着シートA〜Fの中央部を、真空ピンセットで吸着させ、上側に引き上げた。接着シート又は接着シートの一部が台座から剥離した場合を、〇、剥離しなかった場合を×として評価した。結果を表2に示す。
Figure 2014072438
Figure 2014072438
1 台座
2 配線層
20a ベース絶縁層
20b 接着剤層
21 接続用導体部
22 外部接続用導体部
23 導体層
23a 種膜
24 導通路
25 導通路
211 金属膜
3 半導体チップ
31 電極
4 半導体装置
5 接着シート
50 第1接着剤層
51 第2の層
6 接着シート
60 第1接着剤層
61 第2の層
7 接着シート
70 第1接着剤層
71 第2の層
r1 レジスト
r2 レジスト

Claims (5)

  1. ワークが配線上に実装された構造を有する半導体装置の製造方法であって、
    第1接着剤層と前記第1接着剤層よりも台座に貼り付けた後の接着力が低い第2の層とを有する接着シートであって、少なくとも前記接着シートにおける周辺部が前記第1接着剤層により形成されている接着シートを準備する工程と、
    前記接着シートを台座に貼り合わせる工程と、
    前記台座に貼り合わせ後の前記接着シート上に、配線を形成する工程と、
    前記配線にワークを実装する工程と、
    前記実装の後、配線付きのワークを、前記台座から分離する工程と
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記接着シートは、前記周辺部よりも内側の中央部が、前記第1接着剤層と前記第2の層との積層により形成されており、
    前記台座に貼り合わせる工程は、前記接着シートを、前記第2の層が表出している側の面を貼り合わせ面として台座に貼り合わせる工程であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記接着シートは、前記周辺部よりも内側の中央部が、前記第2の層により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記接着シートは、前記周辺部よりも内側の中央部が、前記第1接着剤層と前記第2の層との積層により形成されており、
    前記台座に貼り合わせる工程は、前記接着シートを、前記第1接着剤層のみが表出している側の面を貼り合わせ面として台座に貼り合わせる工程であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1に記載の半導体装置の製造方法に使用される接着シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018048239A (ja) * 2016-09-20 2018-03-29 東京応化工業株式会社 接着剤組成物、及びその利用

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