JP2014072282A - 連結基板、発光素子用基板及び発光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】めっき用配線の断線による不具合の発生を抑制でき、かつ光反射性に優れ、基板の厚みの増大が抑制された連結基板を提供する。
【解決手段】複数の単位絶縁層を積層してなる絶縁層3に、絶縁層3上に露出する素子接続端子8及び中継用端子9を備えた単位基板2が縦横の並びに複数連結して配列され、各単位基板2の境界には分割溝4が形成され、素子接続端子8及び中継用端子9に電気的に接続する各単位基板2に共通のめっき用配線が各単位基板2の境界を跨いで単位絶縁層間に配設された連結基板1であって、めっき用配線は、分割溝4の位置において表面から厚さ方向の30〜50%の位置の単位絶縁層間に配設された第1のめっき用配線10と、分割溝4で囲まれた領域に、第1のめっき用配線10の配設された単位絶縁層間より深い位置の単位絶縁層間に配設された第2のめっき用配線11と、を有する連結基板1。
【選択図】図3
【解決手段】複数の単位絶縁層を積層してなる絶縁層3に、絶縁層3上に露出する素子接続端子8及び中継用端子9を備えた単位基板2が縦横の並びに複数連結して配列され、各単位基板2の境界には分割溝4が形成され、素子接続端子8及び中継用端子9に電気的に接続する各単位基板2に共通のめっき用配線が各単位基板2の境界を跨いで単位絶縁層間に配設された連結基板1であって、めっき用配線は、分割溝4の位置において表面から厚さ方向の30〜50%の位置の単位絶縁層間に配設された第1のめっき用配線10と、分割溝4で囲まれた領域に、第1のめっき用配線10の配設された単位絶縁層間より深い位置の単位絶縁層間に配設された第2のめっき用配線11と、を有する連結基板1。
【選択図】図3
Description
本発明は、連結基板、発光素子用基板及び発光装置に関する。
近年、発光ダイオード(LED)のような発光素子の高輝度化、白色化に伴い、照明、各種ディスプレイ、大型液晶TVのバックライト等として、発光素子を用いた発光装置が使用されている。一般に、発光素子を搭載する発光素子用基板には、熱や光に対する高耐久性が求められており、光源による劣化が少なく、長期間に渡って安定した色調が保たれることから、無機酸化物からなるものが用いられている。
このような発光素子用基板には、複数の素子接続端子が表面に露出して形成されており、これらの素子接続端子の酸化腐食による劣化を抑制するとともに、外部電気回路との接続を良好にするため、その表面には金属めっき層が形成されている。金属めっき層は、一般に、電解めっき法により形成されており、単位基板を複数縦横に一体的に配列した連結基板の各単位基板に跨って設けためっき用配線に通電することにより、基板表面に露出する素子接続端子にめっき層が形成される。
このような発光装置では、回路の破損が生じ難く、安定した出力を得られることから、一般に、並列回路が用いられている。一方、発光装置においては、不点灯検出のしやすさから、直列回路を用いることも検討されている。
直列回路を適用した発光素子用基板では、発光素子間にワイヤボンディング接続するための中継用端子が設けられる。この中継用端子は、ワイヤボンディング接続前は素子接続端子と電気的に導通していないことから、この中継用端子にめっき処理するためにはめっき用配線を増設する必要がある。しかしながら、近年、発光装置の小サイズ化に伴い、発光素子用基板に設けられる内層配線が高密度化しており、中継用端子用のめっき用配線を、既存の内層配線層に増設することは困難である。
このため、中継用端子用のめっき用配線を形成する絶縁層を、別途増設することも検討されているが、絶縁層を増設すると、発光素子用基板の厚みが過度に増大し、またコストが増大するという問題がある。
一方、このようなめっき用配線を、基板の表面に形成した集合基板の構成も開示されているが(例えば、特許文献1参照。)、このような構成では、基板上に発光素子を搭載したときに、発光素子からの光がメッキ用配線により吸収されるため、光反射性が低下する。
また、めっき用配線は、上記したように、各単位基板の境界を横断して形成されることから(例えば、特許文献2の図4(b)参照)、各境界域に分割溝を形成する場合には、内層に形成しためっき用配線が、分割溝形成時に分断されることがある。この場合、基板表面の素子接続端子全体にめっき層を形成することができず、歩留まり低下等の不具合が発生する。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、めっき用配線の断線による不具合の発生を抑制でき、かつ光反射性に優れ、基板の厚みの増大が抑制された連結基板の提供を目的とする。また、本発明は、上記連結基板を分割してなる発光素子用基板、及びこの発光素子用基板を用いた発光装置の提供を目的とする。
本発明の連結基板は、複数の単位絶縁層を積層してなる絶縁層に、前記絶縁層上に露出する素子接続端子及び中継用端子を備えた単位基板が縦横の並びに複数連結して配列され、各単位基板の境界には分割溝が形成されるとともに、前記素子接続端子及び前記中継用端子に電気的に接続する各単位基板に共通のめっき用配線が各単位基板の境界を跨いで前記単位絶縁層間に配設された連結基板であって、前記めっき用配線は、前記分割溝の位置において、表面から厚さ方向の30〜50%の位置の単位絶縁層間に配設された第1のめっき用配線と、前記分割溝で囲まれた領域に、前記第1のめっき用配線の配設された単位絶縁層間より深い位置の単位絶縁層間に配設された第2のめっき用配線と、を有することを特徴とする。
前記第1のめっき用配線と前記第2のめっき用配線とは、層間接続導体により接続されていることが好ましい。
また、前記中継用端子に接続されためっき用配線は、同一単位基板内の素子接続端子に接続するめっき用配線から分岐した分岐配線であり、その一部が境界を越えて隣接する単位基板に跨って配設されていることが好ましい。すなわち、前記分岐配線は、前記素子接続端子に接続されためっき用配線から分岐する部位が、前記素子接続端子及び前記中継用端子が配設された単位基板と隣接する単位基板に配設されていることが好ましい。
また、前記中継用端子に接続されためっき用配線は、同一単位基板内の素子接続端子に接続するめっき用配線から分岐した分岐配線であり、その一部が境界を越えて隣接する単位基板に跨って配設されていることが好ましい。すなわち、前記分岐配線は、前記素子接続端子に接続されためっき用配線から分岐する部位が、前記素子接続端子及び前記中継用端子が配設された単位基板と隣接する単位基板に配設されていることが好ましい。
また、本発明の発光素子用基板は、上記した本発明の連結基板を前記単位基板毎に分割してなることを特徴とする。
また、本発明の発光装置は、上記した本発明の発光素子用基板と、前記発光素子用基板に搭載された発光素子と、を有することを特徴とする。
本発明の連結基板によれば、前記分割溝の位置において、表面から厚さ方向の30〜50%の位置の単位絶縁層間に第1のめっき用配線を配設するとともに、前記分割溝で囲まれた領域に、前記第1のめっき用配線の配設された単位絶縁層間より深い位置の単位絶縁層間に第2のめっき用配線を配設したものとすることで、電解めっき法によるめっき処理を良好に行うことができ、めっき用配線の断線による不具合の発生が抑制され、かつ基板全体の厚みの増大や、光反射性の低下が抑制された連結基板とできる。
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、本発明の連結基板の一例を示す平面図であり、図2は、図1に示す連結基板の裏面図である。
連結基板1は、複数の単位基板2が、複数の単位絶縁層を積層してなる絶縁層3に、縦横の並びに配列され、一体的に形成されている。これら単位基板2は、互いに分割されて最終的に個々の発光素子用基板となる。各単位基板2同士の境界領域には、割断等による分割を容易にするための分割溝4が形成されている。通常、分割溝4は、連結基板1の表裏面に同様な格子状に形成されている。
連結基板1は、複数の単位基板2が、複数の単位絶縁層を積層してなる絶縁層3に、縦横の並びに配列され、一体的に形成されている。これら単位基板2は、互いに分割されて最終的に個々の発光素子用基板となる。各単位基板2同士の境界領域には、割断等による分割を容易にするための分割溝4が形成されている。通常、分割溝4は、連結基板1の表裏面に同様な格子状に形成されている。
各単位基板2は、キャビティ5を形成する枠体6を有している。枠体6の内側には、発光素子と電気的に接続されるとともに、後述する外部電極端子7と電気的に接続される一対の素子接続端子8が配設されている。また、一対の素子接続端子8間には、発光素子間のワイヤを接続するための中継用端子9が配設されている。
連結基板1の裏面側には、各単位基板2内に、不図示の外部電源と接続される一対の外部電極端子7が設けられている。具体的には、図2中左側にはアノード端子71が設けられており、図1中右側にはカソード端子72が配設されている(図2参照)。
本実施形態において、アノード端子71と接続される素子接続端子8をアノード接続端子81と示し、カソード端子72と接続される素子接続端子8をカソード接続端子82と示す。
なお、図1において、アノード接続端子81内、カソード接続端子82内及び中継用端子9内に示した黒丸部、及び図2においてアノード端子71内、カソード端子72内に示した黒丸部は、いずれも、各単位絶縁層に配設される素子接続端子8、中継用端子9及び外部電極端子7と内層配線とを接続する、後述する層間接続導体12を示す。
なお、図1において、アノード接続端子81内、カソード接続端子82内及び中継用端子9内に示した黒丸部、及び図2においてアノード端子71内、カソード端子72内に示した黒丸部は、いずれも、各単位絶縁層に配設される素子接続端子8、中継用端子9及び外部電極端子7と内層配線とを接続する、後述する層間接続導体12を示す。
連結基板1は、後述する単位絶縁層としての第1の絶縁層21、第2の絶縁層22及び枠体用絶縁層6を積層して形成されている。
以下、本実施形態の連結基板1の各層毎の構成を、図3及び図4を用いて説明する。
図3は、第1の絶縁層21の一例を示す平面図である。
第1の絶縁層21には、各単位基板2の中央領域に、上記したアノード接続端子81、カソード接続端子82、及び中継用端子9が設けられている。また、各単位基板2のアノード接続端子81間、及びカソード接続端子82間の領域には、内層配線10a、10bが、一の単位基板2及び隣接する別の単位基板2間に跨って配設されている。以下、説明の便宜のため、一の単位基板を単位基板2Aと示し、一の単位基板と隣接する別の単位基板を単位基板2Bと示す。
第1の絶縁層21には、各単位基板2の中央領域に、上記したアノード接続端子81、カソード接続端子82、及び中継用端子9が設けられている。また、各単位基板2のアノード接続端子81間、及びカソード接続端子82間の領域には、内層配線10a、10bが、一の単位基板2及び隣接する別の単位基板2間に跨って配設されている。以下、説明の便宜のため、一の単位基板を単位基板2Aと示し、一の単位基板と隣接する別の単位基板を単位基板2Bと示す。
また、各単位基板の中継用端子9間の領域には、内層配線10cが、一の単位基板2及び隣接する別の単位基板2間に跨って配設されている。内層配線10cは、内層配線10aの分岐配線として形成されており、単位基板2Bにおいて内層配線10aから分岐し、両単位基板2A、2Bの境界である分割溝4を越えて、元の単位基板2Aに戻るように形成されている。上記したように、内層配線10a〜10cは、分割溝4を横断する位置に形成されており、外部電極端子7、素子接続端子8、中継用端子9にめっき処理するための第1のめっき用配線10として、枠体6の直下に設けられている。
なお、図3において、破線で囲まれた領域はキャビティ5の形成領域を示し、アノード接続端子81内、カソード接続端子82内、中継用端子9内及び内層配線10a〜10c内に示した黒丸部は、いずれも層間接続導体12を示す。
なお、図3において、破線で囲まれた領域はキャビティ5の形成領域を示し、アノード接続端子81内、カソード接続端子82内、中継用端子9内及び内層配線10a〜10c内に示した黒丸部は、いずれも層間接続導体12を示す。
図4は、第2の絶縁層22の一例を示す平面図である。
第2の絶縁層22には、各単位基板2内に、アノード接続端子81と接続される内層配線11a、カソード接続端子82と接続される内層配線11bが設けられている。内層配線11a、11bは、各単位基板2の長手方向に対向して設けられており、内層配線11a、11b間には、中継用端子9と接続される内層配線11cが設けられている。内層配線11a〜11cは、図4で示すように、分割溝4に囲まれた単位基板2内の領域に形成されており、外部電極端子7、素子接続端子8、中継用端子9にめっき処理するための第2のめっき用配線11として設けられている。
第2の絶縁層22には、各単位基板2内に、アノード接続端子81と接続される内層配線11a、カソード接続端子82と接続される内層配線11bが設けられている。内層配線11a、11bは、各単位基板2の長手方向に対向して設けられており、内層配線11a、11b間には、中継用端子9と接続される内層配線11cが設けられている。内層配線11a〜11cは、図4で示すように、分割溝4に囲まれた単位基板2内の領域に形成されており、外部電極端子7、素子接続端子8、中継用端子9にめっき処理するための第2のめっき用配線11として設けられている。
一方、第2の絶縁層22の裏面には、図2で説明したように、一対のアノード端子71、72が設けられている。
なお、図4において、内層配線11a〜11c内に示した黒丸部は、いずれも後述する層間接続導体12を示し、内層配線11a〜11c内に示した白丸部は、いずれも後述する層間接続導体12の着地点を示す。
本発明の連結基板1は、上記した第2の絶縁層22の上面に第1の絶縁層21を積層し、さらに第1の絶縁層21上面に枠体用絶縁層6を積層することで、製造できる。
図5は、図1の連結基板1のa−a線断面図であり、図6は、連結基板1のc−c線断面図であり、図7は、連結基板1のb−b線断面図である。
図5〜図7で示されるように、分割溝4を横断する内層配線10a、内層配線10b、内層配線10c(第1のめっき用配線10)は、上記したように、枠体6の直下に形成されており、連結基板1の表面から厚さ方向の30〜50%の位置に配設されている。
内層配線10a、10b、10cが、連結基板1の表面から厚さ方向の30%未満の位置又は50%を超える位置に配設されていると、分割溝4の形成時に、内層配線10a、10b、10cが分断され易く、外部電極端子7、素子接続端子8、中継用端子9の表面全体をめっき処理できなくなるおそれがある。
内層配線10a、10b、10cが、連結基板1の表面から厚さ方向の30〜50%の位置に配設されることで、分割溝形成時において内層配線10a、10b、10cが分断され難く、電解めっき工程における不具合の発生を抑制できる。内層配線10a、10b、10cは、連結基板1の表面から厚さ方向の30〜50%の位置に配設されていることが好ましく、40〜50%の位置に配設されていることがより好ましい。
特に、図5〜図7に示すように、内層配線10a、10b、10cが、枠体6の直下に配設されることで、内層配線10a、10b、10cの形成領域の連結基板1の厚さが、連結基板1の他の領域の厚さよりも厚く確保される。このため、枠体6の直下において、連結基板1の表面から厚さ方向の30〜50%の位置に内層配線10a、10b、10cが配設されることで、内層配線10a、10b、10cから分割溝4の底部までの距離を十分に確保できる。
一方、図5〜図7に示すように、分割溝4に囲まれた単位基板2内の領域に形成された内層配線11a、内層配線11b、内層配線11c(第2のめっき用配線11)は、それぞれ、内層配線10a、10b、10c(第1のめっき用配線10)の配設された単位絶縁層間より深い位置の単位絶縁層間、すなわち第1の絶縁層21及び第2の絶縁層22間に形成されている。
図5〜図7において、内層配線11a、11b、11cを、内層配線10a、10b、10cと、厚さ方向に同じ位置に形成した場合、内層配線11a、11b、11cが連結基板1上に露出し、その表面が、例えば金めっき等の可視光反射率の低い材質でめっき処理されるため、分割後の単位基板2において、十分な反射率が得られないおそれがある。
図5で示すように、内層配線10a及び内層配線11aは、層間接続導体12により、その全体が電気的に接続されるとともに、内層配線11aには、層間接続導体12により、各単位基板2のアノード接続端子81及びアノード端子71が、それぞれ電気的に接続されている。これにより、アノード接続端子81及びアノード端子71の表面全体の電解めっきが可能となる。また、図7で示すように、内層配線10b及び11bについても同様に、層間接続導体12により、その全体が電気的に接続されるとともに、内層配線11bには、層間接続導体12により、各単位基板2のカソード接続端子82及びカソード端子72が接続されている。これにより、カソード接続端子82及びカソード端子72の表面全体の電解めっきが可能となる。
また、図6で示すように、各単位基板2の中継用端子9は、層間接続導体12及び内層配線11cを介して、内層配線10aから分岐する内層配線10c(図3参照)と電気的に接続されている。
すなわち、中継用端子9は、連結基板1の状態においては、内層配線10cにより、内層配線10a及び内層配線11aと電気的に接続されている(図3及び図6参照)。これにより、内層配線10a、11aから、内層配線10c及び内層配線11cを経由して、電気的に接続され、中継用端子9の表面全体に電解めっきできる。
このように、中継用端子9に接続される内層配線10cを、アノード接続端子81に接続する内層配線10aの分岐配線として形成することで、各単位基板2において内層配線が高密度に形成された連結基板1においても、単位絶縁層を増設することなく、電解めっき法による中継用端子9のめっき処理が可能となる。
また、上記したように、連結基板1の状態では、同一の単位基板2A内に配設された中継用端子9とアノード接続端子81とが、単位基板2A及びこれと隣接する別の単位基板2B間に跨って配設された内層配線10cにより接続されている。すなわち、同一の単位基板2A内に配設された中継用端子9とアノード接続端子81とは、このアノード接続端子81と接続する内層配線10aから分岐して、隣接する別の単位基板2Bを迂回し、分割溝4を越えて中継用端子9に接続される内層配線10cにより接続されている。
したがって、連結基板1を分割溝4により割断すると、内層配線10cと内層配線10aとの接続は単位基板2Aと単位基板2Bの境界で分断され、中継用端子9は、アノード接続端子81及びカソード接続端子82と電気的に接続されていない浮島となる。このため、分割溝4により割断した後の各単位基板2においては、中継用端子9は電気的に独立し、各単位基板2を発光素子用基板として機能させることができる。
連結基板1は、酸化アルミニウム(アルミナ)、窒化アルミニウム、ムライト等のセラミックス、又はガラスセラミックスから主としてなるものである。これらのなかでも、耐久性に優れ、比較的低温で焼成できるガラスセラミックスが好ましい。
ガラスセラミックスは、ガラス粉末とセラミックス粉末とを含むガラスセラミックス組成物を焼成して得られる。具体的には、ガラスセラミックス組成物にバインダー、必要に応じて可塑剤、分散剤、溶剤等を添加し、乾燥させ、必要に応じて脱脂を行い、800〜930℃で焼成して得られる。
ガラス粉末は、必ずしも限定されないが、ガラス転移点(Tg)は550〜700℃が好ましい。ガラス転移点(Tg)が550℃未満の場合、脱脂が困難となるおそれがあり、700℃を超える場合、収縮開始温度が高くなり、寸法精度が低下するおそれがある。
また、ガラス粉末は、800〜930℃で焼成したときに結晶を析出することが好ましい。結晶が析出しない場合、焼成後の基板を十分な機械的強度にできないおそれがある。さらに、DTA(示差熱分析)により測定される結晶化ピーク温度(Tc)が880℃以下のものが好ましい。結晶化ピーク温度(Tc)が880℃を超える場合、寸法精度が低下するおそれがある。
このようなガラス粉末としては、酸化物基準のモル%表示で、例えばSiO2を57〜65%、B2O3を13〜18%、CaOを9〜23%、Al2O3を3〜8%、K2O及びNa2Oから選ばれる少なくとも一方を合計で0.5〜6%以下含有するものが挙げられる。このようなガラス粉末を用いることで、焼結体表面の平坦度を向上できる。
ここで、SiO2は、ガラスのネットワークフォーマとなる。SiO2の含有量が57%未満の場合、安定なガラスを得ることが難しく、また化学的耐久性も低下するおそれがある。一方、SiO2の含有量が65%を超える場合、ガラス溶融温度やガラス転移点(Tg)が過度に高くなるおそれある。SiO2の含有量は、好ましくは58%以上、より好ましくは59%以上、特に好ましくは60%以上である。また、SiO2の含有量は、好ましくは64%以下、より好ましくは63%以下である。
B2O3は、ガラスのネットワークフォーマとなる。B2O3の含有量が13%未満の場合、ガラス溶融温度やガラス転移点(Tg)が過度に高くなるおそれがある。一方、B2O3の含有量が18%を超える場合、安定なガラスを得ることが難しく、また化学的耐久性も低下するおそれがある。B2O3の含有量は、好ましくは14%以上、より好ましくは15%以上である。また、B2O3の含有量は、好ましくは17%以下、より好ましくは16%以下である。
Al2O3は、ガラスの安定性、化学的耐久性、及び強度を高めるために添加される。Al2O3の含有量が3%未満の場合、ガラスが不安定となるおそれがある。一方、Al2O3の含有量が8%を超える場合、ガラス溶融温度やガラス転移点(Tg)が過度に高くなるおそれがある。Al2O3の含有量は、好ましくは4%以上、より好ましくは5%以上である。また、Al2O3の含有量は、好ましくは7%以下、より好ましくは6%以下である。
CaOは、ガラスの安定性や結晶の析出性を高めると共に、ガラス溶融温度やガラス転移点(Tg)を低下させるために添加される。CaOの含有量が9%未満の場合、ガラス溶融温度が過度に高くなるおそれがある。一方、CaOの含有量が23%を超える場合、ガラスが不安定となるおそれがある。CaOの含有量は、好ましくは12%以上、より好ましくは13%以上、特に好ましくは14%以上である。また、CaOの含有量は、好ましくは22%以下、より好ましくは21%以下、特に好ましくは20%以下である。
K2O、Na2Oは、ガラス転移点(Tg)を低下させるために添加される。K2O及びNa2Oの合計した含有量が0.5%未満の場合、ガラス溶融温度やガラス転移点(Tg)が過度に高くなるおそれがある。一方、K2O及びNa2Oの合計した含有量が6%を超える場合、化学的耐久性、特に耐酸性が低下するおそれがあり、電気的絶縁性も低下するおそれがある。K2O及びNa2Oの合計した含有量は、0.8〜5%が好ましい。
なお、ガラス粉末は、必ずしも上記成分からなるものに限定されず、ガラス転移点(Tg)等の諸特性を満たす範囲で他の成分を含有できる。他の成分を含有する場合、その合計した含有量は10%以下が好ましい。
ガラス粉末は、上記したようなガラス組成を有するガラスを溶融法によって製造し、乾式粉砕法や湿式粉砕法によって粉砕して得る。湿式粉砕法の場合、溶媒として水を用いることが好ましい。粉砕は、例えばロールミル、ボールミル、ジェットミル等の粉砕機等を用いて行う。
ガラス粉末の50%粒径(D50)は0.5〜2μmが好ましい。ガラス粉末の50%粒径が0.5μm未満の場合、ガラス粉末が凝集しやすく、均一な分散が困難となる。一方、ガラス粉末の50%粒径が2μmを超える場合、ガラス軟化温度の上昇や焼結不足が発生するおそれがある。粒径の調整は、例えば粉砕後に必要に応じて分級してもよい。なお、本明細書において、粒径はレーザ回折散乱法による粒子径測定装置により得られる値をいう。
一方、セラミックス粉末としては、従来からガラスセラミックスの製造に用いられるものを特に制限なく用いることができ、例えばアルミナ粉末、ジルコニア粉末、又はアルミナ粉末とジルコニア粉末との混合物を好適に使用できる。セラミックス粉末の50%粒径(D50)は、例えば0.5〜4μmが好ましい。
このようなガラス粉末とセラミックス粉末とを、例えばガラス粉末が30〜50質量%、セラミックス粉末が50〜70質量%に混合してガラスセラミックス組成物を得る。また、このガラスセラミックス組成物に、バインダー、必要に応じて可塑剤、分散剤、溶剤等を添加してグリーンシート形成するためのスラリーを得る。
バインダーとしては、例えば、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂等を好適に使用できる。可塑剤としては、例えばフタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ブチルベンジル等を使用できる。また、溶剤としては、トルエン、キシレン、2−プロパノール、2−ブタノール等の有機溶剤を好適に使用できる。
また、ガラスセラミックス以外のセラミックスとしては、上記したように、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ムライト等が挙げられる。このような高温焼成基板のセラミックスについては、上記したガラスセラミックス組成物の代わりに、他のセラミックス組成物、例えば酸化アルミニウム粉末、窒化アルミニウム粉末等を主成分として含有するセラミックス組成物を用いて製造できる。
酸化アルミニウム、窒化アルミニウム等のアルミニウムを主成分とするセラミックスの原料としては、例えば、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、ハロゲン化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫化アルミニウム、窒化アルミニウム等の化合物、曹長石(NaAlSi3O8)、明礬(KAl3(OH)6(SO4)2)、ベーマイト(AlO(OH))、コランダム(Al2O3)、カオリナイト(Al2Si2O5(OH)4)、ムライト(Al6Si2O13)、セリサイト(KAl2(AlSi3O10)(OH)2)等の鉱物、合成物を挙げることができる。
外部電極端子7、素子接続端子8、中継用端子9、内層配線10a〜10c、内層配線11a〜11c、層間接続導体12等の各種導体層は、一般的な発光素子用基板の導体材料と同様でよく、例えば銅、銀、金等を主成分とする金属材料などがよい。このような金属材料のなかでも、銀、銀と白金、又は銀とパラジウムからなる金属材料が好ましく用いられる。
外部電極端子7、素子接続端子8、中継用端子9には、これらを酸化や硫化から保護する保護層が形成される。このような保護層としては、導電性を有し、かつ外部電極端子7、素子接続端子8、中継用端子9を酸化や硫化から有効に保護できれば特に制限されないが、一般に金めっき層が好ましく、ニッケルめっき上に金めっきを施したニッケル/金めっき層がより好ましい。保護層の膜厚としては、ニッケルめっき層が3〜20μm、金めっき層が0.1〜1.0μmが好ましい。
なお、連結基板1の構成材料がガラスセラミックス以外のセラミックスの場合、上記した金属材料はタングステンやモリブデン等の高融点金属を主成分とするものが好ましい。このような金属材料によれば、焼成温度の高いガラスセラミックス以外のセラミックスと同時に焼成して各種導体層を形成できる。
単位基板2は、各単位基板2の境界領域に形成された分割溝4に沿って上下から応力を印加して割断するようにして分割することで、複数個の単位基板2となる。
図1の連結基板1を分割して得られる単位基板2としては、例えば、LEDなどの発光素子を搭載する発光素子用基板が挙げられる。
図8は、図1に示す連結基板1を分割して得られる発光素子搭載用の単位基板2(以下、発光素子用基板2と示す。)のX−X線断面図である。
発光素子用基板2は、基板本体23と、この基板本体23上に設けられる枠体6とを有している。基板本体23は略四角形状(目視レベルで四角形状のこと、以下同様)を有しており、アノード接続端子81と中継用端子9間、及びカソード接続端子82と中継用端子9間が発光素子の搭載される搭載部231とされている。アノード接続端子81、カソード接続端子82は、上記したように、基板本体23の内部に設けられる層間接続導体12、内層配線10a〜10c(図8中不図示)及び内層配線11a〜11cを介して裏面側に設けられるアノード端子71、カソード端子72と電気的に接続されている。
枠体6は、リフレクタとも呼ばれ、搭載部231や素子接続端子8、中継用端子9を取り囲む枠状に設けられている。この枠体6は、例えば、基板本体23と同様な大きさであり、外側が基板本体23と同様な略四角形状とされており、内側が搭載部231や素子接続端子8、中継用端子9を取り囲む円形状又は楕円形状とされている。
次に、発光素子用基板2を用いた発光装置について説明する。図9は、発光装置30の一例を示す断面図である。
発光装置30は、発光素子用基板2を有し、その搭載部231に発光素子31が搭載された後に、この発光素子31の一対の電極にボンディングワイヤ32を介して、それぞれアノード接続端子81、カソード接続端子82及び中継用端子9に電気的に接続されている。また、枠体6の内側には、例えば発光素子31やボンディングワイヤ32を覆うようにモールド材が充填されることにより封止層33が形成されている。発光装置30としては、例えば、封止層33に蛍光体を含有し、混合色として白色光を発光するものが代表的である。
発光素子31としては、例えば、その発光により封止層33に含有される蛍光体を励起して発光させ、混合色として白色光を得るものが挙げられる。このようなものとしては、波長が360〜480nmの紫外光又は青色光を放出する発光ダイオード素子が挙げられ、具体的にはGaNにInを添加したInGaNを発光層とする量子井戸構造のInGaN系発光ダイオード素子等が例示される。
封止層33は、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂材料中に蛍光体が分散含有されている。樹脂材料としては、耐光性、耐熱性に優れることからシリコーン樹脂が好ましい。蛍光体は、例えば発光素子31から放出される紫外光又は青色光により励起されて発光し、混合色として白色光を得るものである。このようなものとしては、例えば発光素子31から放出される青色光により励起されて黄色光を放出し、発光素子31から放出される青色光と合わせて白色光を実現するものが挙げられる。また、例えば発光素子31から放出される紫外光により励起されて赤色光、緑色光、青色光等を放出し、これらの混合色として白色光を実現するものが挙げられる。このような蛍光体としては、例えばYAG蛍光体が挙げられる。
以上、本発明の連結基板1、発光素子用基板2及び発光装置30について説明したが、本発明は必ずしもこのような態様に限定されず、例えば、連結基板1において、絶縁層3は、単位絶縁層を4層以上積層したものであってもよい。また、各部の構成についても、本発明の効果を損なわない範囲で、適宜その構成を変更してもよい。
次に、連結基板1の製造方法について説明する。以下では、主としてガラスセラミックス(LTCC)からなる連結基板1の製造方法について説明する。なお、以下では、連結基板1の部分と同様の部分に同一の符号を付して説明する。
まず、連結基板1の製造について説明する。
上記したガラス粉末とセラミックス粉末とを含むガラスセラミックス組成物にバインダー、必要に応じて可塑剤、分散剤、溶剤等を添加してスラリーを調製し、これをドクターブレード法等によりシート状に成形し、乾燥させて、第1の絶縁層用グリーンシート21、第2の絶縁層用グリーンシート22、枠体用グリーンシート6を製造する。
上記したガラス粉末とセラミックス粉末とを含むガラスセラミックス組成物にバインダー、必要に応じて可塑剤、分散剤、溶剤等を添加してスラリーを調製し、これをドクターブレード法等によりシート状に成形し、乾燥させて、第1の絶縁層用グリーンシート21、第2の絶縁層用グリーンシート22、枠体用グリーンシート6を製造する。
第1の絶縁層用グリーンシート21には、単位基板2となる各形成領域に層間接続導体12となる貫通孔を形成する。そして、この貫通孔に導体ペーストを充填して未焼成層間接続導体12を形成する。また、各形成領域には、アノード接続端子81、カソード接続端子82、中継用端子9、内層配線10a〜10cとなる部分にスクリーン印刷により同様の導体ペーストを塗布して未焼成アノード接続端子81、未焼成カソード接続端子82、未焼成中継用端子9、及び未焼成内層配線10a〜10cとする。
第2の絶縁層用グリーンシート22には、単位発光素子用基板2となる各形成領域に層間接続導体12となる貫通孔を形成する。そして、この貫通孔に導体ペーストを充填して未焼成層間接続導体12を形成する。また、各形成領域には、内層配線11a〜11c、外部電極端子7となる部分にスクリーン印刷により同様の導体ペーストを塗布して未焼成内層配線11a〜11c及び未焼成外部電極端子7とする。
導体ペーストとしては、例えば、銅、銀、金等を主成分とする金属粉末に、エチルセルロース等のビヒクル、必要に応じて溶剤等を添加してペースト状としたものを用いる。なお、金属粉末としては、銀からなる金属粉末、銀と白金又はパラジウムからなる金属粉末が好ましく用いられる。
一方、枠体用グリーンシート6については、各形成領域における枠体6の内側となる部分を除去して開口部を形成する。そして、第1の絶縁層用グリーンシート21、第2の絶縁層用グリーンシート22及び枠体用グリーンシート6とを各形成領域が一致するように重ね合わせた後、この重ね合わせたものについて表裏面から各形成領域どうしの間に切り込みを入れて分割溝4を形成して未焼成連結基板1とする。なお、図示していないが、分割溝4の交点を打ち抜くことにより貫通孔を形成してもよい。
未焼成連結基板1には、必要に応じてバインダー等を除去するための脱脂を行う。脱脂は、例えば500〜600℃で1〜10時間保持して行う。脱脂温度が500℃未満又は脱脂時間が1時間未満の場合、バインダー等を十分に除去できないおそれがある。一方、脱脂温度は600℃程度、脱脂時間は10時間程度とすれば、十分にバインダー等を除去でき、これを超えるとかえって生産性が低下する。
その後、未焼成連結基板1を焼成し、ガラスセラミックス組成物を焼結させて連結基板1とする。焼成は、緻密化と生産性とを考慮して、800〜930℃で適宜時間を調整して行うことが好ましい。焼成温度が800℃未満では、十分に緻密化されたものを得られないおそれがある。一方、焼成温度が930℃を超えると、連結基板1が変形するなど生産性が低下する。また、上記した導体ペーストとして銀を主成分とする金属粉末を含有する金属ペーストを用いた場合、焼成温度が880℃を超えると、過度に軟化するために所定の形状を維持できないおそれがある。
ガラスセラミックス以外のセラミックスからなる未焼成連結基板1についても、ガラスセラミックス組成物の代わりに他のセラミックス組成物を用いて略同様に製造できる。他のセラミックス組成物を用いる場合、一般にガラスセラミックス組成物よりも高い温度で焼成されることから、導体ペーストとしては、金属粉末がタングステンやモリブデン等の高融点金属を主成分とするものが好ましい。
また、脱脂、焼成の条件は、セラミックス組成物に応じて適宜選択することが好ましいが、通常、脱脂は200〜500℃で1〜10時間行うことが好ましく、焼成は1400〜1700℃(酸化アルミニウムの場合)、1700〜1950℃(窒化アルミニウムの場合)で行うことが好ましい。なお、この焼成は、各種導体層の酸化を抑制するため、非酸化性雰囲気中、例えば水素雰囲気の還元雰囲気中、例えば窒素雰囲気の不活性ガス雰囲気中、もしくは真空中で行うことが好ましい。
このようにして得られた連結基板1に対して、酸洗処理、水洗処理、シャワー水洗処理、純水洗処理を順次行った後、めっき工程を行うことができる。
例えば、Ni/Auめっき層を形成する場合には、Niめっきを行い、水洗処理等により洗浄処理を行った後、Auめっきを行い、再度水洗処理等により洗浄処理を行う。
めっき液は、特に限定されないが、例えば、Ni/Auめっき層を形成する場合、ニッケルめっき液としては、各種の浴組成を有するものを使用でき、例えば、ワット浴、スルファミン酸浴等が挙げられ、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、酢酸ニッケル、炭酸ニッケル、スルファミン酸ニッケル等のニッケル化合物をニッケルイオン源とするものが挙げられる。また、金めっき液としては、例えば、シアン化金カリウム、ジシアン化金カリウム、テトラクロロ金酸塩等を金イオン源とするものが好適に使用できる。
Niめっきは、連結基板1をニッケルめっき液に浸漬し、第1のめっき用配線10及び第2のめっき用配線11で構成されるめっき用配線の不図示の端子部を、不図示のめっき用電源に接続することによって、外部電極端子7、素子接続端子8、中継用端子9の露出面に、Niめっき層を形成できる。また、同様にして、Niめっき層上に、金めっき液を用いてAuめっき層を形成することで、Ni/Auめっき層を形成できる。
めっき工程の処理条件は、特に限定されないが、好ましくは、浴温度40〜70℃の条件で行うことができる。なお、めっき時間は、特に限定されず、目標とする保護層の厚さに応じて、適宜調整できる。
このようにして得られた連結基板1によれば、素子接続端子及び中継用端子の露出面全体に、電解めっき法により良好にめっき処理が可能であり、めっき用配線の断線による不具合の発生が抑制され、また基板の厚みを増大や、反射率の低下が抑制されている。
以下、本発明について実施例を参照して具体的に説明する。
[実施例1]
以下に説明する方法で連結基板1を製造した。
まず、第1の絶縁層用グリーンシート21、第2の絶縁層用グリーンシート22、枠体用グリーンシート6を製造した。すなわち、SiO2が60.4mol%、B2O3が15.6mol%、Al2O3が6mol%、CaOが15mol%、K2Oが1mol%、Na2Oが2mol%となるように原料を混合し、この原料混合物を白金ルツボに入れて1600℃で60分間溶融させた後、この溶融状態のガラスを流し出し冷却した。このガラスをアルミナ製ボールミルにより40時間粉砕してガラス粉末を製造した。なお、粉砕時の溶媒にはエチルアルコールを用いた。
以下に説明する方法で連結基板1を製造した。
まず、第1の絶縁層用グリーンシート21、第2の絶縁層用グリーンシート22、枠体用グリーンシート6を製造した。すなわち、SiO2が60.4mol%、B2O3が15.6mol%、Al2O3が6mol%、CaOが15mol%、K2Oが1mol%、Na2Oが2mol%となるように原料を混合し、この原料混合物を白金ルツボに入れて1600℃で60分間溶融させた後、この溶融状態のガラスを流し出し冷却した。このガラスをアルミナ製ボールミルにより40時間粉砕してガラス粉末を製造した。なお、粉砕時の溶媒にはエチルアルコールを用いた。
このガラス粉末が40質量%、アルミナフィラー(昭和電工社製、商品名:AL−45H)が60質量%となるように混合してガラスセラミックス組成物を調製した。このガラスセラミックス組成物50gに、有機溶剤(トルエン、キシレン、2−プロパノール、2−ブタノールを質量比4:2:2:1で混合したもの)15g、可塑剤(フタル酸ジ−2−エチルヘキシル)2.5g、バインダーとしてのポリビニルブチラール(デンカ社製、商品名:PVK#3000K)5g、さらに分散剤(ビックケミー社製、商品名:BYK180)0.5gを配合し、を混合してスラリーを調製した。
このスラリーをPETフィルム上にドクターブレード法により塗布し、乾燥させて第1の絶縁層用グリーンシート21、第2の絶縁層用グリーンシート22(焼成後の大きさが40mm×60mm、厚さが0.3mmとなる)、枠体用グリーンシート6(焼成後の大きさが40mm×60mm、厚さが0.6mmとなる)とした。
一方、導電性粉末(大研化学工業社製、商品名:S550)、ビヒクルとしてのエチルセルロースを質量比85:15の割合で混合し固形分が85質量%となるように溶剤としてのαテレピネオールに分散した後、磁器乳鉢中で1時間混練を行い、さらに三本ロールにて3回分散を行って金属ペーストを製造した。
そして、第1の絶縁層用グリーンシート21の単位発光素子用基板2となる各形成領域に層間接続導体12となる貫通孔を形成し、この貫通孔に導体ペーストを充填して未焼成層間接続導体12を形成した。また、各形成領域には、素子接続端子8、中継用端子9、内層配線10a〜10cとなる部分にスクリーン印刷により同様の導体ペーストを塗布して未焼成素子接続端子8、未焼成中継用端子9、及び未焼成内層配線10a〜10cを形成した。
また、第2の絶縁層用グリーンシート22の単位発光素子用基板2となる各形成領域に層間接続導体12となる貫通孔を形成し、この貫通孔に導体ペーストを充填して未焼成層間接続導体12を形成した。また、各形成領域には、内層配線11a〜11c、外部電極端子7となる部分にスクリーン印刷により同様の導体ペーストを塗布して未焼成内層配線11a〜11c及び未焼成外部電極端子7を形成した。
なお、各形成領域(焼成後)は、連結基板1の外縁部から5mmまでの部分を除いた全面に形成し、個々の大きさは3mm×2.5mmとした。また、内層配線10a〜10cは、枠体6の直下に形成した。
一方、枠体用グリーンシート6の各形成領域には開口部(焼成後の大きさ(直径)が2.2mmとなる)を形成した。そして、第2の絶縁層用グリーンシート22と第1の絶縁層用グリーンシート21とを、各形成領域が一致するように重ね合わせた後、第1の絶縁層用グリーンシート21と枠体用グリーンシート6とを各形成領域が一致するように重ね合わせた後、この重ね合わせたものについて、表裏面から各形成領域同士の間に深さが250μmとなる分割溝4を形成するとともに、分割溝4の交点を打ち抜くことにより貫通孔を形成して未焼成連結基板1とした。なお、分割溝4の形成は、グリーンシート積層体切断機(UHT社製G−cut6)を用いて行った。
この未焼成連結基板1に対して、550℃で5時間保持する脱脂を行った後、870℃で30分間保持する焼成を行って連結基板1を製造した。
このようにして得られた実施例1の連結基板1に対して、硫酸を酸洗液として用いた酸洗処理を30秒間行った後、30秒間の水洗処理、噴霧圧力を49〜147kPaとした60秒間のシャワー水洗処理、及び30秒間の純水洗処理を順に行った。
この連結基板1をニッケルめっき液に浸漬し、浴温度50±2℃、pH3.2、めっき時間65分の条件でニッケルめっきを行った。ニッケルめっき液の液組成は、スルファミン酸ニッケル375g/L、硼酸40g/L、塩化ニッケル13g/L、ピンホール防止剤を3ml/Lとした。このニッケルめっきが行われた連結基板1に対し、30秒間の水洗処理、噴霧圧力を49〜147kPaとした60秒間のシャワー水洗処理、30秒間の純水洗処理を順に行った。
また、ニッケルめっきが行われた連結基板1を金めっき液に浸漬し、浴温度60±2℃、pH0.72、めっき時間450秒の条件で金めっきを行った。金めっき液の液組成は、ジシアン化金(I)酸カリウム3g/L、比重を18±2ボーメ度、phを6.5±0.3に調整した。この金めっきが行われた連結基板1に対し、30秒間の水洗処理を2回行い、50±5℃とした180秒間の温水超音波純水処理、常温で3分間の超音波純水処理を行った。
以上のようにして得られた実施例1の連結基板1では、外部電極端子7、素子接続端子8及び中継用端子9の表面全体に、良好にNi/Auめっき層を形成できた。
本発明によれば、連結基板において、素子接続端子及び中継用端子の露出面全体に、電解めっき法により良好にめっき処理が可能であり、連結基板を割断して得られる発光素子用基板を用いた発光装置において、基板の厚みの増大を抑制しつつ、高輝度に発光させることができる。このような発光装置は、例えば携帯電話や大型液晶ディスプレイ等のバックライト、自動車用あるいは装飾用の照明、その他の光源として好適に使用できる。
1…連結基板、2…単位基板(発光素子用基板)、2A…一の単位基板、2B…隣接する別の単位基板、3…絶縁層、4…分割溝、5…キャビティ、6…枠体、7…外部電極端子、71…アノード端子、72…カソード端子、8…素子接続端子、81…アノード接続端子、82…カソード接続端子、9…中継用端子、10…第1のめっき用配線、10a,10b,10c…内層配線、11…第2のめっき用配線、11a,11b,11c…内層配線、12…層間接続導体、21…第1の絶縁層(第1の絶縁層用グリーンシート)、22…第2の絶縁層(第2の絶縁層用グリーンシート)、23…基板本体、231…搭載部、30…発光装置、31…発光素子、32…電極ボンディングワイヤ、33…封止層
Claims (5)
- 複数の単位絶縁層を積層してなる絶縁層に、前記絶縁層上に露出する素子接続端子及び中継用端子を備えた単位基板が縦横の並びに複数連結して配列され、各単位基板の境界には分割溝が形成されるとともに、前記素子接続端子及び前記中継用端子に電気的に接続する各単位基板に共通のめっき用配線が各単位基板の境界を跨いで前記単位絶縁層間に配設された連結基板であって、
前記めっき用配線は、前記分割溝の位置において、表面から厚さ方向の30〜50%の位置の単位絶縁層間に配設された第1のめっき用配線と、
前記分割溝で囲まれた領域に、前記第1のめっき用配線の配設された単位絶縁層間より深い位置の単位絶縁層間に配設された第2のめっき用配線と、を有することを特徴とする連結基板。 - 前記第1のめっき用配線と前記第2のめっき用配線とが、層間接続導体により接続されている請求項1に記載の連結基板。
- 前記中継用端子に接続されためっき用配線は、同一単位基板内の素子接続端子に接続するめっき用配線から分岐した分岐配線であり、その一部が境界を越えて隣接する単位基板に跨って配設されている請求項1又は2に記載の連結基板。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の連結基板を前記単位基板毎に分割してなることを特徴とする発光素子用基板。
- 請求項4に記載の発光素子用基板と、前記発光素子用基板に搭載された発光素子と、を有することを特徴とする発光装置。
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