JP2014072218A - アンチヒューズ素子及びその製造方法 - Google Patents

アンチヒューズ素子及びその製造方法 Download PDF

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靖 榎本
Yasushi Matsumura
康史 松村
Hiroshi Inokawa
洋 猪川
Atsushi Ono
篤史 小野
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Abstract

【課題】絶縁破壊前の絶縁性の確保が容易であり、かつ、絶縁破壊後の短絡抵抗が低いアンチヒューズ素子を提供する。
【解決手段】アンチヒューズ素子100は、基板1と、基板1上に積層された第1の電極層としての下部電極層3と、この下部電極層3に接して設けられたアンチヒューズ層5と、アンチヒューズ層5上に所定のパターンで形成された絶縁層7と、アンチヒューズ層5に接して設けられた第2の電極層としての上部電極層9と、を備えている。アンチヒューズ層5は、マトリックス樹脂10と、該マトリックス樹脂10中に固定された金属微粒子20とを備えた金属微粒子分散複合体によって構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種電気・電子機器に利用可能なアンチヒューズ素子及びその製造方法に関する。
アンチヒューズ素子は、初期は非導通状態であるが、所定以上の電圧によって短絡し、導通状態に変化させることが可能なスイッチ素子である。アンチヒューズ素子は、例えば直列接続のLED(発光ダイオード)照明装置におけるオープン不良対策として利用されている(例えば、特許文献1)。特許文献1では、複数のLEDが直列に接続されているLED点灯回路において、複数のLEDの各々に対して各個にアンチヒューズ素子を並列接続して設けることが提案されている。LEDにオープン不良が発生した場合、該当するLEDに並列に接続されているアンチヒューズ素子のSiO膜が絶縁破壊を起こすことによって、LED照明装置全体を点灯させ続けることが可能になる。
また、アンチヒューズ素子は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)、PROM(Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などの半導体装置にも利用されている(例えば、特許文献2〜5)。
特許文献2では、アンチヒューズ素子の絶縁膜として、厚さ0.6〜3nmのアルミナ膜を用いている。しかし、このような極薄の絶縁膜を膜厚精度良く緻密に成膜することは困難である。
特許文献3では、アンチヒューズ素子の絶縁膜の材料として、例えばパリレン(登録商標)、ポリアセタール、ポリパラフェニレン、ポリピロール、ポリアニリン、アミノピリジンなどの有機材料が例示されている。しかし、極薄の有機材料膜を膜厚精度良く緻密に成膜することは困難である。また、有機材料を極薄膜とした場合に、絶縁破壊前の絶縁性を十分に確保することが難しいという問題もある。
特許文献4では、アンチヒューズ素子の絶縁膜の材料は明らかではないが、絶縁破壊後には、絶縁破壊部分に金属シリサイドが進入することによって、低抵抗な導通パスを形成できるとされている。
特許文献5では、アンチヒューズ素子の絶縁膜の材料として、厚さ10〜80nmのアモルファスカーボンや、水素またはフッ素の少なくとも一方によってドーピングされたアモルファスカーボンを使用している。この特許文献5に記載されたアモルファスカーボンは、膜厚を厚くできるため絶縁破壊前には絶縁性を確保しやすいが、絶縁破壊後の短絡抵抗が高いため、当該アンチヒューズ素子を組み込んだ半導体装置における電気特性の低下が懸念される。
特開2007−324355号公報 特開2003−197867号公報 特開2003−273322号公報 特開2009−4578号公報 特許第4317015号公報
信頼性の高いアンチヒューズ素子を得るためには、(1)絶縁破壊までの絶縁性が高く、リーク電流が十分に小さいこと、(2)短絡時の抵抗が十分に低いこと(好ましくは、正常動作時の抵抗より低いこと)、(3)短絡状態で電流を長時間流しても抵抗があまり上昇しないこと、などの特性が求められる。
本発明の目的は、絶縁破壊前の絶縁性の確保が容易であり、かつ、絶縁破壊後の短絡抵抗が低いアンチヒューズ素子を提供することにある。
本発明者らは、上記実情に鑑み鋭意研究を行った結果、マトリックス樹脂と、該マトリックス樹脂に固定された金属微粒子とを有する金属微粒子分散複合体によりアンチヒューズ層を形成することによって、上記要求を満たすアンチヒューズ素子が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1の観点のアンチヒューズ素子は、所定以上の電圧を印加することによって絶縁破壊を生じ、電気抵抗が低下するアンチヒューズ層を備えたアンチヒューズ素子である。このアンチヒューズ素子は、前記アンチヒューズ層が、マトリックス樹脂と、該マトリックス樹脂に固定された金属微粒子とを有する金属微粒子分散複合体により構成されていることを特徴とする。
また、本発明の第2の観点のアンチヒューズ素子は、第1の電極層と、前記第1の電極層に接して設けられたアンチヒューズ層と、前記アンチヒューズ層に接して設けられた第2の電極層と、を備えたアンチヒューズ素子である。このアンチヒューズ素子は、前記アンチヒューズ層が、マトリックス樹脂と、該マトリックス樹脂に固定された金属微粒子とを有する金属微粒子分散複合体により構成されていることを特徴とする。
本発明のアンチヒューズ素子において、前記アンチヒューズ層における前記金属微粒子の平均粒子径は、アンチヒューズ層の厚みの1/3以下であってもよい。
本発明のアンチヒューズ素子は、前記アンチヒューズ層における前記金属微粒子の最大粒子径が、アンチヒューズ層の厚みの2/3以下であってもよい。
本発明のアンチヒューズ素子は、前記アンチヒューズ層の厚みが、20〜70nmの範囲内であってもよい。
本発明のアンチヒューズ素子は、前記アンチヒューズ層における隣り合う金属微粒子の平均粒子間距離が、10〜40nmの範囲内であってもよい。
本発明のアンチヒューズ素子は、前記アンチヒューズ層における金属微粒子の体積分率が、0.3〜3.0%の範囲内であってもよい。
本発明のアンチヒューズ素子において、前記金属微粒子は、前記マトリックス樹脂又はその前駆体の樹脂層に含まれる金属イオン又は金属塩を加熱還元することによって得られたものであってもよい。
本発明のアンチヒューズ素子は、前記マトリックス樹脂が、ポリイミド樹脂により構成されていてもよい。
本発明のアンチヒューズ素子の製造方法は、第1の電極層と、前記第1の電極層に接して設けられたアンチヒューズ層と、前記アンチヒューズ層に接して設けられた第2の電極層と、を備えている。このアンチヒューズ素子の製造方法において、前記アンチヒューズ層は、マトリックス樹脂と、該マトリックス樹脂に固定された金属微粒子とを有する金属微粒子分散複合体により構成されており、前記第1の電極層の上に、前記金属微粒子の原料となる金属イオン又は金属塩を含有する樹脂膜を形成する工程と、前記樹脂膜中の金属イオン又は金属塩を還元して前記金属微粒子を析出させる工程と、を含むことを特徴とする。
本発明のアンチヒューズ素子の製造方法において、前記樹脂膜が、前記第1の電極層の上に金属イオン又は金属塩を含有するポリアミド酸樹脂溶液を塗布し、乾燥することにより得られるものであってもよい。
本発明のアンチヒューズ素子の製造方法は、前記樹脂膜が、前記第1の電極層の上にポリアミド酸樹脂溶液を塗布し、乾燥することによりポリアミド酸樹脂膜とし、該ポリアミド酸樹脂膜に、金属イオン又は金属化合物を含有する溶液を含浸させることにより得られるものであってもよい。
本発明のアンチヒューズ素子は、マトリックス樹脂と、該マトリックス樹脂に固定された金属微粒子とを有する金属微粒子分散複合体によりアンチヒューズ層を形成することによって、アンチヒューズ層の膜厚を厚くできるため、絶縁破壊前の絶縁性の確保と、絶縁破壊後の低抵抗と、を両立できる。従って、本発明のアンチヒューズ素子は、各種の電気・電子機器において有利に利用できる。
本発明の一実施の形態に係るアンチヒューズ素子の概略構成を示す断面図である。 図1のアンチヒューズ素子に用いる金属微粒子分散複合体の厚み方向における断面構造を模式的に示す図面である。 図1のアンチヒューズ素子に用いる金属微粒子分散複合体の表面に平行な断面の構造を模式的に示す図面である。 金属微粒子の構造を説明する図面である。 本発明の一実施の形態に係るアンチヒューズ素子を組み込んだLED点灯回路を示す図である。 本発明の一実施の形態に係るアンチヒューズ素子を組み込んだLED素子の構成例と通常点灯時の状態を説明する模式図である。 本発明の一実施の形態に係るアンチヒューズ素子を組み込んだLED素子の構成例とオープン不良時の状態を説明する模式図である。 実施例1で得られたアンチヒューズ素子におけるアンチヒューズ特性の測定結果(I−Vカーブ)を示す図面である。 実施例2で得られたアンチヒューズ素子におけるアンチヒューズ特性の測定結果(I−Vカーブ)を示す図面である。 実施例3で得られたアンチヒューズ素子におけるアンチヒューズ特性の測定結果(I−Vカーブ)を示す図面である。 実施例4で得られたアンチヒューズ素子におけるアンチヒューズ特性の測定結果(I−Vカーブ)を示す図面である。 実施例1〜4及び参考例1、2に利用した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルムの透過型顕微鏡(TEM)による画像を示す図面である。
以下、適宜図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<アンチヒューズ素子>
まず、図1は、本発明の一実施の形態に係るアンチヒューズ素子の概略構成を示す断面図である。アンチヒューズ素子100は、基板1と、基板1上に積層された第1の電極層としての下部電極層3と、この下部電極層3に接して設けられたアンチヒューズ層5と、アンチヒューズ層5上に所定のパターンで形成された絶縁層7と、アンチヒューズ層5に接して設けられた第2の電極層としての上部電極層9と、を備えている。
基板1は、アンチヒューズ素子100を組み込む対象となる電子部品に応じて適宜選択される。基板1としては、例えば、半導体ウエハ、ガラス基板、セラミックス基板などの無機基板や、合成樹脂製基板を挙げることができる。ここで、合成樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、PET樹脂(ポリエチレンテレフタレート)、アクリル樹脂、MS樹脂、MBS樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、シロキサン樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができる。なお、基板1は、アンチヒューズ素子100において必須の構成ではない。
下部電極層3及び上部電極層9は、対をなし、それぞれ図示しない配線に接続されている。下部電極層3及び上部電極層9の構成材料は、導電性を有するものであれば特に制限はなく、好ましくはAl(アルミニウム)、Cu(銅)、Ni(ニッケル)、W(タングステン)、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、これらの合金などの金属材料を用いることができる。これらの金属材料の中でも、下部電極層3と上部電極層9の間が短絡状態となった後、長時間電流を流しても酸化や焼結による凝集などが生じないようにするため、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)などの貴金属を用いることが好ましい。下部電極層3及び上部電極層9は、例えばスパッタ、CVD(化学気相成長)、蒸着、めっきなどの方法で成膜することができる。上部電極層9は、所定のパターンで形成されている。上部電極層9のパターニングは、例えばフォトリソグラフィー技術とエッチングとの組み合わせによって行うことができる。また、金属材料の他に、ドーパント不純物を縮退する濃度まで添加した半導体、例えばリン、砒素又はボロンを10−19cm−3以上添加したシリコンなども利用可能である。
アンチヒューズ層5は、初期状態では絶縁性であるが、所定以上の電圧を印加することによって絶縁破壊を生じ、電気抵抗が低下して電流を通過させる性質を有している。本実施の形態において、アンチヒューズ層5は、マトリックス樹脂と、該マトリックス樹脂に固定された金属微粒子とを有する金属微粒子分散複合体により構成されている。アンチヒューズ層5の詳細については後述する。
絶縁層7は、アンチヒューズ層5上に、所定のパターンで形成されている。絶縁層7のパターニングは、例えばフォトリソグラフィー技術とエッチングとの組み合わせによって行うことができる。絶縁層7の欠落部分は、例えばコンタクトホールを形成しており、そこに上部電極層9が埋め込まれることによって、アンチヒューズ層5と上部電極層9との接触が確保されている。絶縁層7の材料としては、特に制限はなく、例えばSiO、SiN、SiONなどのほか、ポリイミド樹脂などの合成樹脂でもよい。絶縁層7は、例えばスパッタ、CVD(化学気相成長)などの方法で成膜することができる。また、絶縁層7は、スピンコーター等を用いた塗布によっても成膜することができる。
以上の構成を有するアンチヒューズ素子100では、対向する下部電極層3と上部電極層9にそれぞれ配線が接続されることによって、これらの間に電圧を印加できるように構成されている。初期状態では、アンチヒューズ層5は絶縁性を示すが、下部電極層3と上部電極層9との間に印加される電圧が所定以上になると、アンチヒューズ層5に絶縁破壊が発生し、アンチヒューズ層5を介して電流が流れるようになる。なお、アンチヒューズ素子100は、上記以外の任意の層を備えていてもよい。
<アンチヒューズ層>
次に、アンチヒューズ素子100のアンチヒューズ層5について詳細に説明する。図2は、アンチヒューズ層5の厚み方向の断面構造を模式的に示している。図3は、アンチヒューズ層5の面方向の断面構造を模式的に示している。アンチヒューズ層5は、マトリックス樹脂10と、該マトリックス樹脂10中に固定された金属微粒子20とを備えた金属微粒子分散複合体(以下、単に「ナノコンポジット」ともいう)によって構成されている。図4は、金属微粒子20を拡大して説明する図面である。なお、図4では、隣り合う金属微粒子20における大きい方の金属微粒子20の粒子径をD、小さい方の金属微粒子20の粒子径をDと表しているが、両者を区別しない場合は単に粒子径Dと表記する。
アンチヒューズ層5の厚みTは、金属微粒子20の粒子径Dによっても異なるが、耐電圧特性(例えば、アンチヒューズ素子100に電圧を印加した時、絶縁破壊に至るまでのリーク電流とブレークダウン電圧とのバランス)を考慮して例えば20〜70nmの範囲内が好ましく、25〜60nmの範囲内がより好ましい。厚みTが20nm未満では、アンチヒューズ層5として必要な絶縁性が得られない場合があり、70nmを超えると、電圧印加時に短絡が生じにくくなってアンチヒューズ層5としての機能を奏さない場合がある。
マトリックス樹脂10に使用可能な樹脂材料としては、特に限定されるものではなく、例えばポリイミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、カルド樹脂(フルオレン樹脂)、PDMS(ポリジメチルシロキサン)のようなポリシロキサン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、ビニル樹脂、フェノール樹脂等や、イオン交換樹脂などを挙げることができる。これらの中でも、金属イオンとの相互作用によって、金属イオンと錯体を形成したり、金属イオンを吸着したりできる官能基を有している樹脂は、金属イオンを均一な分散状態で吸着できるので好ましい。そのような官能基としては、例えばカルボキシル基、スルホン酸基、4級アンモニウム基、1〜2級アミノ基、フェノール性水酸基などを挙げることができる。このような観点から、例えば、ポリアミド酸樹脂、イオン交換樹脂などが好ましい。また、金属微粒子20を析出させる過程で熱処理を行うために、少なくとも140℃の温度での耐熱性を有する材質であることが好ましい。このような観点から、ポリイミド樹脂は、その前駆体であるポリアミド酸樹脂が金属イオンと錯体を形成可能なカルボキシル基を有しており、前駆体の段階で金属イオンを吸着することが可能であり、更に熱処理における耐熱性を有するため、マトリックス樹脂10の材料として特に好ましく用いることができる。ポリイミド樹脂及びポリアミド酸樹脂の詳細については後述する。なお、上記の樹脂材料は単独の樹脂からなるものであっても、複数の樹脂を混合して用いたものでも良い。
<金属微粒子>
ナノコンポジットを、アンチヒューズ層5として利用する場合、例えば、1)金属微粒子20の大きさが所定の範囲内に制御されていること、2)金属微粒子20の形状が均一であること、3)金属微粒子20が隣り合う金属微粒子20とある一定以上の粒子間距離Lを保った状態でお互いが離れていること、4)ナノコンポジット全体に対する金属微粒子20の体積充填割合がある一定の範囲で制御されていること、5)金属微粒子20がマトリックス樹脂10の表層部から存在するとともに、その厚さ方向にも所定の粒子間距離を保ちながら偏りなく分散していること、などの構造的特性を備えていることが好ましい。
金属微粒子20としては、その材質に特に制限はないが、例えば、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、錫(Sn)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)等の金属種を用いることができる。また、これらの金属種の合金(例えば白金−コバルト合金など)を用いることもできる。これらの中でも、酸化などの変質を生じにくいものとして、例えば、金(Au)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)等の貴金属が好適に利用できる。
金属微粒子20の形状は、例えば球体、長球体、立方体、切頭四面体、双角錐、正八面体、正十面体、正二十面体等の種々の形状であってよいが球形が最も好ましい。ここで、金属微粒子20の形状は、透過型電子顕微鏡(TEM)により観察することにより確認できる。また、球体の金属微粒子20とは、形状が球体及び球体に近い金属微粒子で、平均長径と平均短径の比が1又は1に近いもの(好ましくは0.8以上)をいう。さらに、それぞれの金属微粒子20における長径と短径との関係が、好ましくは長径<短径×1.35の範囲内、より好ましくは長径≦短径×1.25の範囲内がよい。なお、金属微粒子20が球体でない場合(例えば正八面体など)は、その金属微粒子20におけるエッジ長さが最大となる長さを金属微粒子20の長径とし、エッジ長さが最小となる長さを金属微粒子20の短径として、さらに前記長径をその金属微粒子20の粒子径Dと見做すこととする。
アンチヒューズ層5における金属微粒子20の平均粒子径は、アンチヒューズ層5の厚みTの1/3以下であることが好ましい。ここで平均粒子径とは、金属微粒子20の直径の平均値を意味し、任意100粒の金属微粒子20を測定したときの面積平均径から算出される。金属微粒子20の平均粒子径がアンチヒューズ層5の厚みTの1/3を超えると、金属微粒子の分散状態が不均一になりやすいため、アンチヒューズ層5の特性が得られにくいことがある。
また、アンチヒューズ層5における金属微粒子20の最大粒子径は、アンチヒューズ層5の厚みTの2/3以下であることが好ましい。金属微粒子20の最大粒子径がアンチヒューズ層5の厚みTの2/3を超えると、膜厚に対して大きすぎるため、アンチヒューズ層5として必要な絶縁性が維持できないことがある。
アンチヒューズ層5における隣り合う金属微粒子20の平均粒子間距離は、例えば10〜40nmの範囲内が好ましく、15〜35nmの範囲内がより好ましい。隣り合う金属微粒子20の平均粒子間距離が40nm超では、ブレークダウン電圧が大きくなり過ぎたり、絶縁破壊が生じなかったりしてアンチヒューズ層5として機能しないことがある。隣り合う金属微粒子20の平均粒子間距離が10nm未満では、隣り合う金属微粒子20が接近しすぎて導通パスが生じやすくなり、アンチヒューズ層5として必要な絶縁性が維持できないことがある。
また、金属微粒子20は、マトリックス樹脂10の内部に三次元的に分散している。つまり、アンチヒューズ層5においてフィルム状のマトリックス樹脂10の厚み方向の断面を観察すると、図2に示したように、多数の金属微粒子20が上記の平均粒子間距離で縦方向及び横方向に点在した状態になる。また、アンチヒューズ層5においてマトリックス樹脂10の表面に平行な断面を観察すると、図3に示したように、マトリックス樹脂10の内部に多数の金属微粒子20が上記の平均粒子間距離で点在し、拡散した状態が観察される。
また、マトリックス樹脂10中の金属微粒子20の体積分率は、アンチヒューズ層5に対して、0.3〜3.0%とすることが好ましい。ここで、「体積分率」とは、アンチヒューズ層5の一定体積あたりに占める金属微粒子20の合計の体積を百分率で示した値である。金属微粒子20の体積分率が、0.3%未満であると、ブレークダウン電圧が大きくなり過ぎたり、絶縁破壊が生じなかったりしてアンチヒューズ層5として機能しないことがある。一方、体積分率が3.0%を超えると、隣り合う金属微粒子20が接近しすぎて導通パスが生じやすくなり、アンチヒューズ層5として必要な絶縁性が維持できないことがある。
金属微粒子20は、マトリックス樹脂10又はその前駆体の樹脂層に含まれる金属イオン又は金属塩を加熱還元することによって得られるものであることが好ましい。金属イオン又は金属塩の還元を加熱還元によって行うことにより、析出した金属微粒子20のマトリックス樹脂10中での熱拡散が容易となり、マトリックス樹脂10内に分散した状態となる。このように、熱拡散を利用して分散状態になる金属微粒子20における各々の粒子間距離Lは、金属微粒子20の粒子径Dと後述する金属微粒子20の体積分率と密接な関係があるので、粒子間距離Lの上限は、金属微粒子20の体積分率の下限値によって制御することが好ましい。
以上の構成を有するアンチヒューズ層5は、金属微粒子20がマトリックス樹脂10中で所定の粒子間距離Lを保った状態で、三次元的に偏りなく分散した形態を有する。そのため、アンチヒューズ層5の耐電圧特性を制御することが容易であり、安定したブレークダウン電圧が得られ、再現性と信頼性に優れている。
<アンチヒューズ層の製造方法>
次に、本実施の形態のアンチヒューズ層5の製造方法について説明する。アンチヒューズ層5の製造は、(1)下部電極層3の上に、金属微粒子20の原料となる金属イオン又は金属塩を含有する樹脂膜を形成する工程と、(2)樹脂膜中の金属イオン又は金属塩を還元して金属微粒子20を析出させる工程と、を含み、さらに、任意工程を含むことができる。ここでは、マトリックス樹脂10がポリイミド樹脂により構成される場合について代表的に例示して説明を行う。
(1)金属イオン(又は金属塩)含有樹脂膜の形成工程:
まず、金属イオン(又は金属塩)を含有するポリアミド酸樹脂膜(又はポリアミド酸樹脂層)を準備する。金属イオン(又は金属塩)を含有するポリアミド酸樹脂膜(又はポリアミド酸樹脂層)は、例えば以下に挙げるキャスト法で調製できる。
本実施の形態では、以下の(I)〜(III)のいずれかの方法によって、金属イオン(又は金属塩)を含有するポリアミド酸樹脂膜を形成することができる。
(I)ポリアミド酸と金属化合物とを含有する塗布液を下部電極層3上にキャストすることにより金属イオン(又は金属塩)を含有するポリアミド酸樹脂膜を形成する方法。
(II)金属イオン(又は金属塩)を含有しないポリアミド酸樹脂溶液を下部電極層3上にキャストしてポリアミド酸樹脂膜を形成した後に、該ポリアミド酸樹脂膜に金属イオン(又は金属化合物)を含有する溶液(以下、「金属イオン溶液」とも記す)を含浸させる方法。
(III)上記の(I)の方法によって形成した、金属イオン(又は金属塩)を含有するポリアミド酸樹脂膜に、更に金属イオン溶液を含浸させる方法。
キャスト法は、マトリックス樹脂10の厚みの制御が容易である点や、ポリイミド樹脂の化学構造に特に制限されず適用が容易である点で有利である。
上記(I)の方法の有利な点としては、ポリアミド酸樹脂溶液中での金属化合物としての含有量を調整しやすいので、アンチヒューズ層5に含有する金属量の調整が容易にできることや粒子径Dの制御が容易であることなどが挙げられる。
上記(II)の方法の有利な点としては、金属イオン(又は金属化合物)が均一に溶解した状態でポリアミド酸樹脂膜中に含浸し、金属イオン(又は金属塩)の状態からポリアミド酸樹脂膜中でバラツキが少なく均一に分散された状態になるので、粒子径分布が比較的小さい金属微粒子20を含有するアンチヒューズ層5を作製できることなどが挙げられる。
ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸樹脂(以下、「前駆体」と記すことがある)としては、公知の酸無水物とジアミンから得られる公知のポリアミド酸樹脂を使用できる。ポリアミド酸は、例えばテトラカルボン酸二無水物とジアミンをほぼ等モルで有機溶媒中に溶解させて、0〜100℃の範囲内の温度で30分〜24時間撹拌し重合反応させることで得られる。反応にあたっては、得られるポリアミド酸樹脂が有機溶媒中に5〜30重量%の範囲内、好ましくは10〜20重量%の範囲内となるように反応成分を溶解することがよい。重合反応に用いる有機溶媒については、極性を有するものを使用することがよく、有機極性溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン、2−ブタノン、ジメチルスルホキシド、硫酸ジメチル、シクロヘキサノン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライム、トリグライム等が挙げられる。これらの溶媒を2種以上併用して使用することもでき、更にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の一部使用も可能である。
合成されたポリアミド酸樹脂は溶液として使用される。通常、反応溶媒溶液として使用することが有利であるが、必要により濃縮、希釈又は他の有機溶媒に置換することができる。このように調製した溶液は、金属化合物を添加することにより、塗布液として利用することができる。
ポリアミド酸樹脂は、イミド化後のポリイミド樹脂が熱可塑性又は低熱膨張性のポリイミド樹脂を含むように選定することが好ましい。なお、ポリイミド樹脂としては、例えばポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリイミドエステル、ポリエーテルイミド、ポリシロキサンイミド等の構造中にイミド基を有するポリマーからなる耐熱性樹脂を挙げることができる。
ポリアミド酸樹脂の調製に好適に用いられるジアミンとしては、例えば、2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニル、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、2’-メトキシ-4,4’-ジアミノベンズアニリド、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジヒドロキシ-4,4’-ジアミノビフェニル、4,4’-ジアミノベンズアニリド等が挙げられる。また、ジアミンとしては、2,2-ビス-[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)]ビフェニル、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[1-(4-アミノフェノキシ)]ビフェニル、ビス[1-(3-アミノフェノキシ)]ビフェニル、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)]ベンゾフェノン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)]ベンゾフェノン、ビス[4,4'-(4-アミノフェノキシ)]ベンズアニリド、ビス[4,4'-(3-アミノフェノキシ)]ベンズアニリド、9,9-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]フルオレン、9,9-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]フルオレン等が好ましく例示される。
その他のジアミンとして、例えば、2,2−ビス-[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス-[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’-メチレンジ-o-トルイジン、4,4’-メチレンジ-2,6-キシリジン、4,4’-メチレン-2,6-ジエチルアニリン、4,4’-ジアミノジフェニルプロパン、3,3’-ジアミノジフェニルプロパン、4,4’-ジアミノジフェニルエタン、3,3’-ジアミノジフェニルエタン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3-ジアミノジフェニルエーテル、3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、ベンジジン、3,3’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジメトキシベンジジン、4,4''-ジアミノ-p-テルフェニル、3,3''-ジアミノ-p-テルフェニル、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、2,6-ジアミノピリジン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'-[1,4-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)]ビスアニリン、4,4'-[1,3-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)]ビスアニリン、ビス(p-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(p-β-アミノ-t-ブチルフェニル)エーテル、ビス(p-β-メチル-δ-アミノペンチル)ベンゼン、p-ビス(2-メチル-4-アミノペンチル)ベンゼン、p-ビス(1,1-ジメチル-5-アミノペンチル)ベンゼン、1,5-ジアミノナフタレン、2,6-ジアミノナフタレン、2,4-ビス(β-アミノ-t-ブチル)トルエン、2,4-ジアミノトルエン、m-キシレン-2,5-ジアミン、p-キシレン-2,5-ジアミン、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、2,6-ジアミノピリジン、2,5-ジアミノピリジン、2,5-ジアミノ-1,3,4-オキサジアゾール、ピペラジン等が挙げられる。
特に好ましいジアミン成分としては、2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニル(TFMB)、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)-2,2-ジメチルプロパン(DANPG)、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン(APB)、パラフェニレンジアミン(p−PDA)、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル(DAPE34)、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル(DAPE44)から選ばれる1種以上のジアミンが挙げられる。
ポリアミド酸樹脂の調製に好適に用いられる酸無水物としては、例えば、無水ピロメリット酸、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物、4,4’-オキシジフタル酸無水物が挙げられる。また、酸無水物として、2,2',3,3'-、2,3,3',4'-又は3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3',3,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3',3,4'-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物等も好ましく例示される。さらに、酸無水物として、3,3'',4,4''-、2,3,3'',4''-又は2,2'',3,3''-p-テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(2,3-又は3,4-ジカルボキシフェニル)-プロパン二無水物、ビス(2,3-又は3.4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3-又は3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1-ビス(2,3-又は3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物等も好ましく例示される。
特に好ましい酸無水物としては、無水ピロメリット酸(PMDA)、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、3,3’,4,4’-ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物(DSDA)から選ばれる1種以上の酸無水物が挙げられる。
ジアミン、酸無水物はそれぞれ、その1種のみを使用してもよく2種以上を併用して使用することもできる。また、上記以外のジアミン及び酸無水物を併用することもできる。
本実施の形態では、金属化合物を含有する塗布液あるいは金属イオン(又は金属塩)を含有しないポリアミド酸樹脂溶液を調製するために、ポリアミド酸樹脂を含有する溶液として市販品も好適に使用可能である。熱可塑性のポリイミド樹脂の前駆体となるポリアミド酸溶液としては、例えば、新日鐵化学株式会社製の熱可塑性ポリアミド酸樹脂ワニスSPI−200N(商品名)、同SPI−300N(商品名)、同SPI−1000G(商品名)、東レ株式会社製のトレニース#3000(商品名)等が挙げられる。また、非熱可塑性のポリイミド樹脂の前駆体となるポリアミド酸樹脂溶液としては、例えば宇部興産株式会社製の非熱可塑性ポリアミド酸樹脂ワニスであるU−ワニス−A(商品名)、同U−ワニス−S(商品名)等が挙げられる。
上記の(I)の方法で用意されるポリアミド酸樹脂とともに塗布液中に含有される金属化合物、あるいは上記の(II)の方法で用意される金属イオン(又は金属化合物)を含有する溶液中に含有される金属化合物としては、金属微粒子20を構成する上述の金属種を含む化合物を特に制限無く用いることができる。金属化合物としては、前記金属の塩や有機カルボニル錯体などを用いることができる。金属の塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩などを挙げることができる。また、上記金属種と有機カルボニル錯体を形成し得る有機カルボニル化合物としては、例えばアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ジベンゾイルメタン等のβ−ジケトン類、アセト酢酸エチル等のβ−ケトカルボン酸エステルなどを挙げることができる。
金属化合物の好ましい具体例としては、H[AuCl]、Na[AuCl]、AuI、AuCl、AuCl、AuBr、NH[AuCl]・n2HO、Ag(CHCOO)、AgCl、AgClO、AgCO、AgI、AgSO、AgNO、Ni(CHCOO)、Cu(CHCOO)、CuSO、CuSO、CuSO、CuCl、CuSO、CuBr、Cu(NH)Cl、CuI、Cu(NO)、Cu(CHCOCHCOCH)、CoCl、CoCO、CoSO、Co(NO)、NiSO、NiCO、NiCl、NiBr、Ni(NO)、NiC、Ni(HPO)、Ni(CHCOCHCOCH)、Pd(CHCOO)、PdSO、PdCO、PdCl、PdBr、Pd(NO)、Pd(CHCOCHCOCH)、SnCl、IrCl、RhClなどを挙げることができる。
上記の(I)の方法で用意されるポリアミド酸樹脂と金属化合物とを含有する塗布液において、金属種によって、金属化合物が解離して生じた金属イオンが、ポリアミド酸樹脂との間で3次元の架橋形成反応が生じることがある。このため、時間の経過とともに塗布液の増粘・ゲル化が進行し、塗布液としての使用が困難となる場合がある。このような増粘、ゲル化を防ぐため、塗布液中に安定剤として粘度調整剤を添加することが好ましい。粘度調整剤の添加によって、塗布液中の金属イオンがポリアミド酸樹脂とキレート錯体を形成する代わりに、粘度調整剤と金属イオンがキレート錯体を形成する。このように、粘度調整剤によってポリアミド酸樹脂と金属イオンとの3次元の架橋形成がブロックされ、増粘・ゲル化が抑制される。
粘度調整剤としては、金属イオンと反応性の高い(つまり、金属錯体を形成しうる)低分子有機化合物を選定することが好ましい。低分子有機化合物の分子量は50〜300の範囲内が好ましい。このような粘度調整剤の具体例としては、例えばアセチルアセトン、アセト酢酸エチル、ピリジン、イミダゾール、ピコリンなどを挙げることができる。また、粘度調整剤の添加量は、形成しうるキレート錯体化合物1モルに対して1〜50モルの範囲内が好ましく、2〜20モルの範囲内で添加することがより好ましい。
塗布液中の金属化合物の配合量は、ポリアミド酸樹脂、金属化合物及び粘度調整剤の合計の重量部100に対して、3〜80重量部の範囲内、好ましくは20〜60重量部の範囲内となるようにする。この場合、金属化合物が3重量部未満では、金属微粒子20の析出が不十分となってアンチヒューズ層として十分に機能できなくなり、80重量部を超えると塗布液中に溶解できない金属塩が沈殿したり、金属微粒子20が凝集しやすくなることがある。
なお、塗布液には、上記成分以外の任意成分として、例えばレベリング剤、消泡剤、密着性付与剤、架橋剤などを配合することができる。
金属化合物を含有する塗布液あるいは金属イオン(又は金属塩)を含有しないポリアミド酸樹脂溶液を塗布する方法は、特に制限されず、例えばコンマ、ダイ、ナイフ、リップ等のコーターにて塗布することが可能であるが、これらの中でも、塗布膜(又はポリアミド酸樹脂膜)を均一に形成することが可能でマトリックス樹脂10の厚みを高精度に制御しやすいスピンコーター、グラビアコーター、バーコーターを用いることが好ましい。
また、上記の(II)及び(III)の方法で用いる金属イオン溶液中には、金属化合物を30〜300mMの範囲内で含有することが好ましく、50〜100mMの範囲内で含有することがより好ましい。金属化合物の濃度が30mM未満では、金属イオン溶液をポリアミド酸樹脂膜中に含浸させるための時間がかかり過ぎるので好ましくなく、300mM超では、ポリアミド酸樹脂膜の表面が腐食(溶解)する懸念がある。
金属イオン溶液は、金属化合物のほかに、例えば緩衝液などのpH調整を目的とする成分を含有することができる。
含浸方法は、ポリアミド酸樹脂膜の表面に金属イオン溶液が接触することができる方法であれば、特に限定されず、公知の方法を利用することができる。例えば、浸漬法、スプレー法、刷毛塗りあるいは印刷法等を用いることができる。含浸の温度は0〜100℃、好ましくは20〜40℃付近の常温でよい。また、含浸時間は、浸漬法を適用する場合、例えば1分〜5時間が好ましく、5分〜2時間がより好ましい。浸漬時間が1分より短い場合には、ポリアミド酸樹脂膜への金属イオン溶液の含浸が不十分になる。一方、浸漬時間が5時間を越えても、金属イオン溶液のポリアミド酸樹脂膜への含浸の程度は、ほぼ横ばいになっていく傾向になる。
金属化合物を含有する塗布液あるいは金属イオン(又は金属塩)を含有しないポリアミド酸樹脂溶液を塗布した後は、乾燥させてポリアミド酸樹脂膜を形成する。乾燥においては、ポリアミド酸樹脂の脱水閉環の進行によるイミド化を完結させないように温度を制御する。乾燥させる方法としては、特に制限されず、例えば、60〜200℃の範囲内の温度条件で1〜60分間の範囲内の時間をかけて行うことがよいが、好ましくは、60〜150℃の範囲内の温度条件で乾燥を行うことがよい。乾燥後のポリアミド酸樹脂膜はポリアミド酸樹脂の構造の一部がイミド化していても差し支えないが、イミド化率は50%以下、より好ましくは20%以下としてポリアミド酸樹脂の構造を50%以上残すことがよい。なお、ポリアミド酸樹脂のイミド化率は、フーリエ変換赤外分光光度計(市販品として、例えば日本分光製FT/IR620)を用い、透過法にて膜の赤外線吸収スペクトルを測定することによって、1,000cm−1のベンゼン環炭素水素結合を基準とし、1,710cm−1のイミド基由来の吸光度から算出される。
ポリアミド酸樹脂膜は、単層でもよく、また複数のポリアミド酸樹脂膜から形成される積層構造のものでもよい。複数層とする場合、異なる構成成分からなるポリアミド酸樹脂の層の上に他のポリアミド酸樹脂を順次塗布して形成することができる。ポリアミド酸樹脂の層が3層以上からなる場合、同一の構成のポリアミド酸樹脂を2回以上使用してもよい。層構造が簡単である2層又は単層、特に単層は、工業的に有利に得ることができる。
また、下部電極層3の上に、単層又は複数層のポリアミド酸樹脂の層を積層し、一旦イミド化して単層又は複数層のポリイミド樹脂層とした後に、更にその上にポリアミド酸樹脂膜を形成することも可能である。この場合、ポリイミド樹脂層とポリアミド酸樹脂膜の層との密着性を向上させるため、ポリイミド樹脂層の表面をプラズマにより表面処理することが好ましい。このプラズマによる表面処理によって、ポリイミド樹脂層の表面を粗化させるか、又は表面の化学構造を変化させることができる。これによって、ポリイミド樹脂層の表面の濡れ性が向上し、ポリアミド酸の溶液との親和性が高まり、該表面上にポリアミド酸樹脂膜を安定的に保持できるようになる。
以上のキャスト法によって形成された「金属イオン又は金属塩を含有ポリアミド酸樹脂膜もしくはポリアミド酸樹脂層」(以下、「金属イオン含有ポリアミド酸層」とも記す)中で、金属イオンとポリアミド酸のカルボキシル基との相互作用によってカルボキシル基に吸着したり、錯体を形成したりすることがある。このような現象は、金属イオン含有ポリアミド酸層中における金属イオンの濃度分布を均質化するように作用するため、マトリックス樹脂10中に析出する金属微粒子20の偏在や凝集を防ぎ、均一な形状の金属微粒子20を均一な分布で析出させる効果がある。
(2)還元工程:
還元工程では、上記のようにして得られた金属イオン含有ポリアミド酸層を、好ましくは140℃以上、より好ましくは160〜400℃の範囲内、更に好ましくは200〜300℃の範囲内で熱処理することにより金属イオン(又は金属塩)を還元して金属微粒子20を析出させる。熱処理温度が140℃未満では、金属イオン(又は金属塩)の還元が十分に行われず、金属イオンが残留してしまう場合がある。また、熱処理温度が140℃未満では、還元によって析出した金属微粒子20のマトリックス樹脂10中での熱拡散が十分に起こらない場合がある。さらに、熱処理温度が140℃未満では、マトリックス樹脂10としてポリイミド樹脂を適用した場合に、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸樹脂のイミド化が不十分となり、再度加熱によるイミド化の工程が必要となる場合がある。一方、熱処理温度が400℃を超えると、サーマルバジェットが増加したり、金属微粒子20がアンチヒューズ層5の膜厚に対して大きくなり過ぎることによって、アンチヒューズ層5として必要な絶縁性が得られなくなったりする。
熱処理時間は、目標とする粒子間距離Lに応じて、さらに熱処理温度や、金属イオン含有ポリアミド酸層中に含まれる金属イオン(又は金属塩)の含有量に応じて決定することができるが、例えば熱処理温度が200℃では10〜180分の範囲内、加熱温度が400℃では1〜60分の範囲内に設定することができる。
金属微粒子20の粒子径D及び粒子間距離Lは、還元工程における加熱温度及び加熱時間並びにマトリックス樹脂10(又はその前駆体の樹脂層)に含まれる金属イオン(又は金属塩)の含有量等によって制御できる。本発明者らは、加熱還元における加熱温度及び加熱時間が一定であって、マトリックス樹脂10中(又はその前駆体の樹脂層中)に含有する金属イオン(又は金属塩)の絶対量が異なる場合には、析出する金属微粒子20の粒子径Dが異なるという知見を得ていた。また、加熱温度及び加熱時間の制御なしに加熱還元を行った場合には、粒子間距離Lが隣接する金属微粒子20の大きい方の粒子径Dより小さくなることがあることや、マトリックス樹脂10の表面に金属微粒子20が凝集して島状となることがあるという知見も得ていた。
以上のような知見を生かし、加熱温度を制御することによって金属微粒子20の粒子径Dが制御できること、及び加熱時間を制御することによって粒子間距離Lが制御できること、を見出した。これらの点について、実例をもとに具体的に説明する。例えば、厚みが200nmであるポリアミド酸樹脂層(マトリックス樹脂の前駆体の樹脂層)中に、単位体積cm当たり18重量%(単位面積cm当たり5.2μg)で含有する金イオンを大気中で加熱還元した場合、加熱還元によって形成される金属金微粒子の粒子径D及び粒子間距離Lは、加熱温度及び加熱時間に応じて変化した。すなわち、粒子径Dは、200℃の10分間の処理で約9nm(平均粒子径;約9nm)、300℃の3分間の処理で約13nm(平均粒子径;約13nm)、400℃の1分間の処理で約15nm(平均粒子径;約15nm)であり、いずれの場合においても、それぞれ隣り合う金属金微粒子の間隔が、隣り合う金属金微粒子における大きい方の金属金微粒子の粒子径以上(ほぼ粒子径Dに近い状態)でナノコンポジットが形成された。
また、上記知見を応用し、例えば還元工程における熱処理を複数の工程に分けて実施することもできる。例えば、第1の加熱温度で金属微粒子20を所定の粒子径Dまで成長させる粒子径制御工程と、第1の加熱温度と同じか、又は異なる第2の加熱温度で、金属微粒子20の粒子間距離Lが所定の範囲になるまで保持する粒子間距離制御工程を行なうことができる。このようにして、第1及び第2の加熱温度と加熱時間を調節することにより、粒子径D及び粒子間距離Lをさらに精密に制御することができる。
還元方法として加熱還元を採用する理由は、還元の処理条件(特に加熱温度と加熱時間)の制御によって比較的簡便に粒子径D及び粒子間距離Lを制御できることや、ラボスケールから生産スケールに至るまで特に制限なく簡便な設備で対応できること、また枚葉式のみならず連続式にも特段の工夫なくとも対応できることなど、工業的に有利な点が挙げられることにある。加熱還元は、例えば、Ar、Nなどの不活性ガス雰囲気中、1〜5KPaの真空中、又は大気中で行うことができる。
還元工程では、還元処理で使用する熱を利用してポリアミド酸のイミド化も完結させることができるので、金属微粒子20の析出からイミド化までの工程をワンポットで行うことができ、生産工程を簡略化できる。加熱還元では、マトリックス樹脂10(又はその前駆体の樹脂層)中に存在する金属イオン(又は金属塩)を還元し、熱拡散によって個々の金属微粒子20が独立した状態で析出させることができる。このように形成された金属微粒子20は、一定以上の粒子間距離Lを保った状態でしかも形状が略均一であり、マトリックス樹脂10中で金属微粒子20が三次元的に偏りなく分散している。特に、金属イオン含有ポリアミド酸樹脂層中の金属イオン(又は金属塩)がポリアミド酸樹脂のカルボキシル基に吸着したり、錯体を形成したりしている場合には、金属微粒子20の形や粒子径Dが均質化され、マトリックス樹脂10中に金属微粒子20が略均一な粒子間距離Lで均等に析出、分散したアンチヒューズ層5を得ることができる。また、マトリックス樹脂10を構成する樹脂の構造単位を制御することや、金属イオン(又は金属塩)の絶対量及び金属微粒子20の体積分率を制御することで、金属微粒子20の粒子径Dとマトリックス樹脂10中での金属微粒子20の分布状態を制御することもできる。
以上のようにして、アンチヒューズ層5を形成することができる。なお、マトリックス樹脂10として、ポリイミド樹脂(ポリアミド酸)以外の樹脂を用いる場合についても、上記製造方法に準じて製造することができる。また、形成したアンチヒューズ層5に対し、例えばエッチング、パターニングなどを行うこともできる。エッチングでは、アンチヒューズ層5の厚みを調節したり、マトリックス樹脂10中に存在する金属微粒子20の一部をマトリックス樹脂10の表面から露出させたりすることによって、アンチヒューズ層5の絶縁性/導通性を調節することができる。エッチング方法としては、例えばヒドラジド系溶液やアルカリ溶液を用いた湿式のエッチング方法や、プラズマ処理を用いた乾式のエッチング方法が挙げられる。湿式のエッチング方法において、例えばアルカリ溶液によるエッチングが好適に利用できるマトリックス樹脂としては、エッチング溶液の浸透のしやすさの観点から、吸水率が高いものを選択することが望ましく、吸水率は好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.2%以上であることがよい。乾式のエッチング方法において、例えばプラズマによるエッチングが好適に利用できるマトリックス樹脂としては、プラズマ状態のガスとの反応性の高さの観点から、例えばハロゲン原子、−OH、−SH、−O−、−S−、−SO−、−NH−、−CO−、−CN、−P=O、−PO−、−SO−、−CONH−、−SOHなどの極性基を有するものを選択することが望ましい。また、別の観点から、アルカリ溶液によるエッチングの場合と同様に、吸水率が高いマトリックス樹脂を選択することが望ましく、吸水率は好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.2%以上であることがよい。
また、パターニングは、フォトリソグラフィー技術とエッチングを組み合わせて、例えば以下の手順で実施できる。まず、アンチヒューズ層5の上に、レジスト液を塗布し、乾燥することによりレジスト層を形成する。次に、レジスト層を所定のパターンのフォトマスクを使用して露光し、現像することにより、アンチヒューズ層5上のレジスト層をパターン形成する。このパターン形成されたレジスト層をマスクとして用い、上述のエッチング工程と同様の方法によって、レジスト層でマスクされていない部分のアンチヒューズ層5を除去する。次に、レジスト層を除去することにより、パターン化されたアンチヒューズ層5を得ることができる。なお、上記エッチングとパターニングの両方を行うことも可能であり、その場合は、エッチングの後でパターニングを実施してもよいし、パターニングの後でエッチングを実施してもよい。
<アンチヒューズ素子の製造方法>
本実施の形態のアンチヒューズ素子100は、基板1上に下部電極層3を形成する工程と、下部電極層3上にアンチヒューズ層5を形成する工程と、アンチヒューズ層5上にパターニングされた絶縁層7を形成する工程と、アンチヒューズ層5及び絶縁層7の上に、パターニングされた上部電極層9を形成する工程と、を含むことができる。そして、アンチヒューズ層5を形成する工程は、上記のとおり、(1)金属イオン(又は金属塩)含有樹脂膜の形成工程及び(2)還元工程、を含むことができる。さらに、この金属イオン(又は金属塩)含有樹脂膜の形成工程では、段落0048に記載の(I)〜(III)のいずれかの方法によって、金属イオン(又は金属塩)を含有するポリアミド酸樹脂膜を形成すればよい。以上のようにして得られるアンチヒューズ素子100は、絶縁破壊電圧以上の電圧が印加されるとアンチヒューズ層5が絶縁破壊を起こし、下部電極層3と上部電極層9との間に短絡が生じる。この時のアンチヒューズ層5の内部では、絶縁破壊部位においてマトリックス樹脂10が局所的に分解すると同時に、金属微粒子3が偏析することにより、低抵抗の導電パスが形成される。従って、本実施の形態のアンチヒューズ素子100は、例えば直列接続のLED照明装置におけるオープン不良対策をはじめ、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)、PROM(Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などの半導体装置など、各種電気・電子機器に適用することができる。
[LED照明装置への適用例]
次に、図5〜図7を参照して本実施の形態のアンチヒューズ素子100をLED照明装置へ適用した場合の好ましい態様について説明する。図5はアンチヒューズ素子100を組み込んだLED点灯回路を示す図である。図6及び図7は、LED素子200の構成例を示す模式図である。
本実施の形態では、図5に示すように、図示しない電源装置にn個のLED素子200A〜200nが直列に接続されている。LED素子200A〜200nには、ぞれぞれ、アンチヒューズ素子100A〜100nが並列に接続されている。このLED直列回路の全体にかかる電位差Vは、各LED素子200の順方向電圧降下の電圧値をVfとすると、V=Vf×nとなる。また、図6及び図7において、光源基板201の上には、パターン化された配線203A,203Bが形成されている。配線203Aと配線203Bとの間は、空隙205が介在して非導通状態となっている。配線203A,203Bの上には、リード端子などの端子部209A,209Bを備えたLEDチップ211が実装されている。配線203Aと端子部209A,配線203Bと端子部209Bは、それぞれ図示しない半田などで電気的に接続可能に接合されている。また、LEDチップ211と配線203Aとの間には、アンチヒューズ層207が設けられている。ここで、アンチヒューズ層207は、図1のアンチヒューズ素子100におけるアンチヒューズ層5に対応するもので、アンチヒューズ層5と同様の構成を有している。また、配線203Aは、図1における下部電極層3(第1の電極層)に対応しており、端子部209Bは、図1における上部電極層9(第2の電極層)に対応している。
図5に示すLED点灯回路において、正常動作時、各アンチヒューズ素子100には電流が流れていない状態である。しかし、上記LED素子200A〜200nのいずれか一つにオープン不良が発生した場合、対応するアンチヒューズ素子100のいずれか一つに上記Vf×n〔V〕にほぼ等しい電圧が印加されることになる。この印加電圧により、オープン不良を起こしたLED素子200に対応するアンチヒューズ素子100のアンチヒューズ層207に絶縁破壊が生じて短絡し、通電することにより、直列接続された他のLED素子200が点灯状態に回復する。
図6中の太線の矢印は、LED素子200の通常点灯時の電流の流れを模式的に示している。一方、図7中の太線の矢印は、LED素子200にオープン不良が発生した不点灯時の電流の流れを模式的に示している。通常点灯時は、図6に示すように、LED素子200の順方向電圧降下Vfではアンチヒューズ層207の絶縁破壊は発生しないので、図示しない電源装置から供給された電流は、配線203Aから、端子部209A、LEDチップ211、及び、他方の端子部209Bを介して配線203Bへと流れる。しかし、LED素子200にオープン不良が発生した場合、上記Vf×n〔V〕の大きな電圧によってアンチヒューズ層207に絶縁破壊が発生し、短絡が生じる。すなわち、図7に示すように、図示しない電源装置から供給された電流は、配線203Aから、絶縁破壊されたアンチヒューズ層207、端子部209Bを介して配線203Bへと流れる。これによって、直列接続された他のLED素子200を点灯状態に維持することができる。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。以下の実施例において特にことわりのない限り、各種測定、評価は下記によるものである。
[金属微粒子の粒子径の測定]
金属微粒子の粒子径の測定は、試料の断面をミクロトーム(ライカ社製、ウルトラカットUTCウルトラミクロトーム)を用いて超薄切片を作製し、透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子社製、JEM−2000EX)により観測して行った。尚、Si基板上に作製した試料を上記の方法で観測することは困難であるため、基材としてポリイミドフィルム(カプトン(登録商標);東レ・デュポン社製)上に同条件で作製したものを用い観測した。
[平均粒子間距離の算出]
金属微粒子の平均粒子間距離は、金属微粒子の平均粒子径と金属微粒子のナノコンポジットフィルムに占める体積分率から、下記関係式を用いて算出した。
4π/3×(平均粒子径/2)/(平均粒子径+平均粒子間距離)=体積分率
合成例1
500mlのセパラブルフラスコ内において、撹拌しながら、22.86gの2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル (TFMB)71.4mmolを255gのDMAcに溶解させた。次に、その溶液に窒素気流下で22.14gの4,4’−オキシジフタル酸無水物 (ODPA)71.4mmolを加え、室温で5時間攪拌を続けて重合反応を行い、無色の粘調なポリアミド酸樹脂溶液Sを得た。得られたポリアミド酸溶液Sの粘度は、E型粘度計(ブルックフィールド社製、DV−II +Pro CP型)により測定した結果、52985cP (25℃)であった。
[アンチヒューズ素子]
図1と同様の構成において、基板1としてはシリコンウェハを、下部電極層3及び上部電極層9としては膜厚200nmのAl膜を、絶縁層7としては膜厚100nmのSiO膜を、それぞれ用いた。
作製例1
<アンチヒューズ素子の作製>
シリコンウェハ(基板1)上にAlスパッタにより膜厚200nmの下部Al膜(下部電極層3)を形成した。次に、下部Al膜(下部電極層3)上に後述の方法により金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム(アンチヒューズ層5)を形成した。次に、金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム上に、SiO膜をスパッタにより膜厚100nmで成膜し、さらにフォトリソグラフィー技術を利用し、部分的にエッチングしてサイズ10μm×10μmのコンタクトホールを有するパターニングされたSiO膜(絶縁層7)とした。次に、スパッタにより、膜厚200nmのAl膜を成膜し、最後にフォトリソグラフィーによりコンタクトホール部分に下部Al膜(下部電極層3)と対向する電極および取り出し電極のパターンが残るようにエッチングを行って上部Al膜(上部電極層9)として、アンチヒューズ素子を作製した。
[アンチヒューズ特性の測定方法]
半導体パラメータアナライザの計測プローブを下部Al膜(下部電極層3)および上部Al膜(上部電極層9)に接触させる。下部Al膜−上部Al膜間の印加電圧を0Vから20Vまで掃引することにより、絶縁破壊に至るまでのI−Vカーブ(曲線A)を計測した。再度、下部Al膜−上部Al膜間の印加電圧を0Vから±5Vまで掃引することにより、絶縁破壊後のI−Vカーブ(曲線B、C)を計測した。計測したI−Vカーブより、ブレークダウン電圧と絶縁破壊前の絶縁抵抗および絶縁破壊後の短絡抵抗を求めた。
[実施例1]
<金属微粒子が分散したナノコンポジットフィルムの作製>
合成例1で得られたポリアミド酸樹脂溶液Sの8.95gに、80.55gのDMAcに溶解した0.78gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリアミド酸樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリアミド酸樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1の下部Al膜上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、下部Al膜上に金錯体含有ポリアミド酸樹脂膜を形成した。この金錯体含有ポリアミド酸樹脂膜を280℃、10分間加熱処理することによって、金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム1a(厚さ30nm)を作製した。
ナノコンポジットフィルム1a中に形成した金属金微粒子は、該ナノコンポジットフィルム1aの表層部から厚さ方向に至るまでの領域内で、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、該ナノコンポジットフィルム1a中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;ほぼ球形、平均粒子径;約8.5nm、最小粒子径;約3.5nm、最大粒子径;約17.5nm、ナノコンポジットフィルム1aに対する体積分率;1.35%、粒子間距離の平均値;約20.2nm。
続いて、金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム1a上に作製例1と同様にして、サイズ10μm×10μmのコンタクトホールを有するSiO膜と電極パターンを有する上部Al膜を形成して、アンチヒューズ素子1を作製した。
作製したアンチヒューズ素子1のアンチヒューズ特性は、ブレークダウン電圧3.9(V)、絶縁破壊前の絶縁抵抗4.4×1013(Ω)、絶縁破壊後の短絡抵抗580(Ω)であり、優れたアンチヒューズ特性を示した。アンチヒューズ特性の測定結果(I−Vカーブ)を図8Aに示した。
[実施例2]
実施例1と同様にして、金錯体含有ポリアミド酸樹脂溶液を調製し、下部Al膜上に金錯体含有ポリアミド酸樹脂膜を形成後、280℃、10分間加熱処理することによって、金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム2a(厚さ60nm)を作製した。
ナノコンポジットフィルム2a中に形成した金属金微粒子は、該ナノコンポジットフィルム2aの表層部から厚さ方向に至るまでの領域内で、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、該ナノコンポジットフィルム2a中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;ほぼ球形、平均粒子径;約15nm、最小粒子径;約4.2nm、最大粒子径;約22.5nm、ナノコンポジットフィルム2aに対する体積分率;1.35%、粒子間距離の平均値;約35.7nm。
続いて、金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム2a上に作製例1と同様にして、サイズ10μm×10μmのコンタクトホールを有するSiO膜と電極パターンを有する上部Al膜を形成して、アンチヒューズ素子2を作製した。
作製したアンチヒューズ素子2のアンチヒューズ特性は、ブレークダウン電圧4.7(V)、絶縁破壊前の絶縁抵抗1.1×1014(Ω)、絶縁破壊後の短絡抵抗30(Ω)であり、優れたアンチヒューズ特性を示した。アンチヒューズ特性の測定結果(I−Vカーブ)を図8Bに示した。
[実施例3]
0.39gの塩化金酸・四水和物を使用したこと以外、実施例1と同様にして、金錯体含有ポリアミド酸樹脂溶液を調製し、下部Al膜上に金錯体含有ポリアミド酸樹脂膜を形成後、280℃、10分間加熱処理することによって、金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム3a(厚さ27nm)を作製した。
ナノコンポジットフィルム3a中に形成した金属金微粒子は、該ナノコンポジットフィルム3aの表層部から厚さ方向に至るまでの領域内で、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、該ナノコンポジットフィルム3a中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;ほぼ球形、平均粒子径;約5nm、最小粒子径;約3.2nm、最大粒子径;約18nm、ナノコンポジットフィルム3aに対する体積分率;0.67%、粒子間距離の平均値;約16.4nm。
続いて、金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム3a上に作製例1と同様にして、サイズ10μm×10μmのコンタクトホールを有するSiO膜と電極パターンを有する上部Al膜を形成して、アンチヒューズ素子3を作製した。
作製したアンチヒューズ素子3のアンチヒューズ特性は、ブレークダウン電圧6.0(V)、絶縁破壊前の絶縁抵抗4.2×1013(Ω)、絶縁破壊後の短絡抵抗53(Ω)であり、優れたアンチヒューズ特性を示した。アンチヒューズ特性の測定結果(I−Vカーブ)を図8Cに示した。
[実施例4]
0.39gの塩化金酸・四水和物を使用したこと以外、実施例1と同様にして、金錯体含有ポリアミド酸樹脂溶液を調製し、下部Al膜上に金錯体含有ポリアミド酸樹脂膜を形成後、280℃、10分間加熱処理することによって、金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム4a(厚さ57nm)を作製した。
ナノコンポジットフィルム4a中に形成した金属金微粒子は、該ナノコンポジットフィルム4aの表層部から厚さ方向に至るまでの領域内で、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、該ナノコンポジットフィルム4a中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;ほぼ球形、平均粒子径;約7.5nm、最小粒子径;約3.3nm、最大粒子径;約24.3nm、ナノコンポジットフィルム4aに対する体積分率;0.67%、粒子間距離の平均値;約24.6nm。
続いて、金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム4a上に作製例1と同様にして、サイズ10μm×10μmのコンタクトホールを有するSiO膜と電極パターンを有する上部Al膜を形成して、アンチヒューズ素子4を作製した。
作製したアンチヒューズ素子4のアンチヒューズ特性は、ブレークダウン電圧11(V)、絶縁破壊前の絶縁抵抗6.1×1013(Ω)、絶縁破壊後の短絡抵抗110(Ω)であり、優れたアンチヒューズ特性を示した。アンチヒューズ特性の測定結果(I−Vカーブ)を図8Dに示した。
(参考例1)
実施例1と同様にして、金錯体含有ポリアミド酸樹脂溶液を調製し、下部Al膜上に金錯体含有ポリアミド酸樹脂膜を形成後、280℃、10分間加熱処理することによって、金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム(厚さ95nm)を作製した。
ナノコンポジットフィルム中に形成した金属金微粒子は、該フィルムの表層部から厚さ方向に至るまでの領域内で、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;ほぼ球形、平均粒子径;約23nm、最小粒子径;約6.8nm、最大粒子径;約32nm、ナノコンポジットフィルムに対する体積分率;1.35%、粒子間距離の平均値;約54.8nm。
続いて、金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム上に作製例1と同様にして、サイズ10μm×10μmのコンタクトホールを有するSiO膜と電極パターンを有する上部Al膜を形成して、アンチヒューズ素子を作製した。
作製したアンチヒューズ素子は、電圧を印加しても絶縁破壊せず絶縁性であり、アンチヒューズ特性を示さなかった。
(参考例2)
0.39gの塩化金酸・四水和物を使用したこと以外、実施例1と同様にして、金錯体含有ポリアミド酸樹脂溶液を調製し、下部Al膜上に金錯体含有ポリアミド酸樹脂膜を形成後、280℃、10分間加熱処理することによって、金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム(厚さ86nm)を作製した。
ナノコンポジットフィルム中に形成した金属金微粒子は、該フィルムの表層部から厚さ方向に至るまでの領域内で、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;ほぼ球形、平均粒子径;約9nm、最小粒子径;約4.5nm、最大粒子径;約27nm、ナノコンポジットフィルムに対する体積分率;0.67%、粒子間距離の平均値;約29.5nm。
続いて、金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム上に作製例1と同様にして、サイズ10μm×10μmのコンタクトホールを有するSiO膜と電極パターンを有する上部Al膜を形成して、アンチヒューズ素子を作製した。
作製したアンチヒューズ素子は、電圧を印加しても絶縁破壊せず絶縁性であり、アンチヒューズ特性を示さなかった。
実施例1〜4、参考例1、2におけるアンチヒューズ層の作製条件と結果を表1及び表2にまとめて示した。また、実施例1〜4、参考例1、2で得られたアンチヒューズ層の代替品として、各実施例・参考例と同じ条件でポリイミドフィルム(カプトン(登録商標);東レ・デュポン社製)上に形成した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルムの透過型顕微鏡(TEM)による画像を図9に示した。
以上、本発明の実施の形態を例示の目的で詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に制約されることはなく、種々の変形が可能である。例えば、アンチヒューズ素子は、図1の構成に限るものではなく、例えばトランジスタ構造など、アンチヒューズ素子が組み込まれるデバイスに応じて、適宜変更することが可能である。
1…基板、3…下部電極層、5…アンチヒューズ層、7…絶縁層、9…上部電極層、10…マトリックス樹脂、20…金属微粒子、100…アンチヒューズ素子、200…LED素子、201…光源基板、203A,203B…配線、205…空隙、207…アンチヒューズ層、209A,209B…端子部、211…LEDチップ

Claims (12)

  1. 所定以上の電圧を印加することによって絶縁破壊を生じ、電気抵抗が低下するアンチヒューズ層を備えたアンチヒューズ素子であって、
    前記アンチヒューズ層が、マトリックス樹脂と、該マトリックス樹脂に固定された金属微粒子とを有する金属微粒子分散複合体により構成されていることを特徴とするアンチヒューズ素子。
  2. 第1の電極層と、
    前記第1の電極層に接して設けられたアンチヒューズ層と、
    前記アンチヒューズ層に接して設けられた第2の電極層と、
    を備えたアンチヒューズ素子であって、
    前記アンチヒューズ層が、マトリックス樹脂と、該マトリックス樹脂に固定された金属微粒子とを有する金属微粒子分散複合体により構成されていることを特徴とするアンチヒューズ素子。
  3. 前記アンチヒューズ層における前記金属微粒子の平均粒子径は、アンチヒューズ層の厚みの1/3以下である請求項1又は2に記載のアンチヒューズ素子。
  4. 前記アンチヒューズ層における前記金属微粒子の最大粒子径は、アンチヒューズ層の厚みの2/3以下である請求項1又は2に記載のアンチヒューズ素子。
  5. 前記アンチヒューズ層の厚みが、20〜70nmの範囲内である請求項1又は2に記載のアンチヒューズ素子。
  6. 前記アンチヒューズ層における隣り合う金属微粒子の平均粒子間距離が、10〜40nmの範囲内である請求項1又は2に記載のアンチヒューズ素子。
  7. 前記アンチヒューズ層における金属微粒子の体積分率は、0.3〜3.0%の範囲内である請求項1又は2に記載のアンチヒューズ素子。
  8. 前記金属微粒子は、前記マトリックス樹脂又はその前駆体の樹脂層に含まれる金属イオン又は金属塩を加熱還元することによって得られたものである請求項1又は2に記載のアンチヒューズ素子。
  9. 前記マトリックス樹脂が、ポリイミド樹脂により構成されている請求項8に記載のアンチヒューズ素子。
  10. 第1の電極層と、
    前記第1の電極層に接して設けられたアンチヒューズ層と、
    前記アンチヒューズ層に接して設けられた第2の電極層と、
    を備えたアンチヒューズ素子の製造方法であって、
    前記アンチヒューズ層は、マトリックス樹脂と、該マトリックス樹脂に固定された金属微粒子とを有する金属微粒子分散複合体により構成されており、
    前記第1の電極層の上に、前記金属微粒子の原料となる金属イオン又は金属塩を含有する樹脂膜を形成する工程と、
    前記樹脂膜中の金属イオン又は金属塩を還元して前記金属微粒子を析出させる工程と、
    を含むことを特徴とするアンチヒューズ素子の製造方法。
  11. 前記樹脂膜が、前記第1の電極層の上に金属イオン又は金属塩を含有するポリアミド酸樹脂溶液を塗布し、乾燥することにより得られるものである請求項10に記載のアンチヒューズ素子の製造方法。
  12. 前記樹脂膜が、前記第1の電極層の上にポリアミド酸樹脂溶液を塗布し、乾燥することによりポリアミド酸樹脂膜とし、該ポリアミド酸樹脂膜に、金属イオン又は金属化合物を含有する溶液を含浸させることにより得られるものである請求項10に記載のアンチヒューズ素子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016054246A (ja) * 2014-09-04 2016-04-14 国立研究開発法人産業技術総合研究所 不揮発性メモリ及びその製造方法

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