JP2014071172A - 光学要素の取付装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学要素の傾きや傾き方向を容易に調節できるようにする。
【解決手段】基準光軸Lを画定する筐体10、光学要素Sを保持し筐体の接合部13に取り付けられる保持部材20、筐体側の基準光軸に対する光学要素の傾き及び傾き方向を調節しつつ保持部材を筐体の接合部に取り付ける取付機構を備え、取付機構は、3つのネジ30、ネジの雄ネジ部を通すべく保持部材に形成された3つの貫通孔21、ネジの雄ネジ部を捩じ込むべく筐体の接合部に形成された3つの雌ネジ穴15、保持部材の貫通孔に通された複数のネジの雄ネジ部に外嵌されて保持部材と筐体の接合部の間に圧縮しつつ配置される3つの弾性を有する環状座金40、環状座金を受けるべく保持部材及び筐体の接合部にそれぞれ形成された3対の平面状受け部14,22を含む。これによれば、光学要素の傾きや傾き方向を容易に調節できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、カメラ等に搭載されるCCD等の撮像素子やレンズを保持する鏡筒等の光学要素を基準光軸を画定する筐体に取り付ける際に、光学要素の取付角度やその傾斜方向等を調節できる光学要素の取付装置に関し、特に、筐体側の基準光軸に対して、撮像素子(撮像面)やレンズの光軸等の傾きや傾き方向を調整しつつ取り付けることのできる光学要素の取付装置に関する。
従来の光学要素の取付装置としては、複数のレンズ系を有する筐体(レンズ鏡筒)、筐体(レンズ鏡筒)の後端面に取り付けられるべくCCD等の撮像素子を固定したCCDベース等を備えた撮像装置において、筐体(レンズ鏡筒)の後端面に対して、3つのネジ穴、コイルスプリングの一端側を収容する2つの凹部を設け、CCDベースに対して、3つのネジを通す貫通孔を設け、ラバーシートを挟んだ状態で、かつ、2つのコイルスプリングを圧縮しつつ、CCDベースを筐体(レンズ鏡筒)の後端面に近づけて、3つのネジをCCDベースの外側から貫通孔にそれぞれ通して筐体のネジ穴に捩じ込み、その捩じ込み量を適宜調節することにより、CCDの撮像面のレンズの光軸に対する傾き及び傾き方向を調節する(アオリ調整)ようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この取付装置においては、3つのネジのそれぞれの捩じ込み量を調節する際に、調節の基準位置になるものがないため調節に時間を要し、又、ネジとコイルスプリングとは離れた別々の位置にそれぞれ配置されるものであるため、その分だけ配置スペースを必要とし、又、ネジに対するコイルスプリングの付勢力が不安定であり、全体として組み付け作業及び調整作業を容易に行えるものではなかった。
また、他の取付装置としては、円形の開口部を画定する端面部を有する筐体(鏡筒)、筐体(鏡筒)内に配置されてレンズを保持するレンズ保持部材等を備えたレンズ鏡筒において、鏡筒の端面部に3つの調整ネジを通す3つの貫通孔を設けると共に1つの貫通孔の周りに半球面状の凹部を設け、レンズ保持部材に3つのネジを捩じ込む3つのネジ穴を設け、3つの調整ネジのうち1つの調整ネジの頭部を半球面状の凸状座部として形成し、3つの調整ネジを筐体(鏡筒)の外側から貫通孔にそれぞれ通し(1つの調整ネジの凸状座部を端面部の凹部に嵌め込み)、筐体(鏡筒)の内側から3つの調整ネジにそれぞれコイル状の圧縮バネを嵌め込みつつ、3つの調整ネジを筐体(鏡筒)の内部に配置されたレンズ保持部材の3つのネジ穴に捩じ込み、その捩じ込み量を適宜調節することにより、筐体(鏡筒)の中心軸線(基準光軸)に対してレンズ保持部材に保持されたレンズの光軸の傾きを調節するようにしたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、この取付装置においては、3つの調整ネジのそれぞれの捩じ込み量を調節する際に、調節の基準位置になるものがないため調節に時間を要し、全体として組み付け作業及び調整作業を容易に行えるものではなかった。
特開2003−134383号公報 特開2003−215420号公報
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、構造の簡素化、小型化等を図りつつ、組み付けを容易に行うことができ、光学要素の傾きやその傾き方向を、光学要素と筐体とを均等に接触させ傾きを起こさずに容易に(短時間で)かつ高精度に調節することのできる光学要素の取付装置を提供することにある。
本発明の光学要素の取付装置は、基準光軸を画定する筐体と、光学要素を保持すると共に筐体の接合部に取り付けられる保持部材と、筐体側の基準光軸に対する光学要素の傾き及び傾き方向を調節しつつ保持部材を筐体の接合部に取り付ける取付機構と、を備えた光学要素の取付装置であって、上記取付機構は、頭部及び雄ネジ部を有する複数のネジと、複数のネジの雄ネジ部を通すべく保持部材に形成された複数の貫通孔と、複数のネジの雄ネジ部を捩じ込むべく筐体の接合部に形成された複数の雌ネジ穴と、保持部材の貫通孔に通された複数のネジの雄ネジ部に外嵌されて保持部材と筐体の接合部の間に圧縮しつつ配置される複数の弾性を有する環状座金と、環状座金を受けるべく保持部材及び筐体の接合部にそれぞれ形成された複数の平面状受け部とを含む、ことを特徴としている。
この構成によれば、保持部材の外側から複数のネジが貫通孔に通され、さらに貫通孔に通された複数のネジの雄ネジ部に内側から環状座金が外嵌され、環状座金を筐体(の接合部)の平面状受け部と保持部材の平面状受け部の間において圧縮しつつ挟み込むようにして、複数のネジ(の雄ネジ部)を筐体(の雌ネジ部)に捩じ込むことにより、保持部材が筐体に取り付けられる。
ここで、光学要素の調節に際しては、先ず、弾性を有する環状座金が保持部材の平面状受け部と筐体の平面状受け部とに挟持されて平坦になるまでネジを捩じ込み、ここで、環状座金が平坦に変形した状態を調節の基準位置とし、例えば光学要素が撮像素子の場合には、撮像素子による画像をモニター等で眺めながら何処に画像の片ボケ等があるかを確認し、最も効果のあるネジのみを適宜緩めて傾きを調節する(アオリ調整)ことにより、その片ボケを解消することができる。
このように、取付機構として、複数のネジ、複数の雌ネジ穴、弾性を有する環状座金、環状座金を挟み込む両側の平面状受け部を採用するため、構造の簡素化、小型化等を達成しつつ、組み付けを容易に行うことができ、基準光軸に対する光学要素の傾きやその傾き方向を光学要素と筐体とを均等に接触させ傾きを起こさずに容易に(短時間で)かつ高精度に調節することができる。
上記構成において、複数の平面状受け部には、環状座金の中心孔に嵌め込まれると共に環状座金の厚さ以下の高さに突出する環状突起部が形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、環状座金を位置決めする環状突起部を有するため、環状座金の中心孔に環状突起部を嵌め込むことで、環状座金を容易に組み付けることができ、又、環状突起部の突出高さは環状座金の厚さ以下であるため、ネジを完全に締め込んだ状態で、両側の平面状受け部により環状座金を平坦に変形させて調節の際の基準位置を設定することができる。
上記構成において、筐体の接合部は、平面状受け部の近傍に形成された少なくとも2つの位置決め突起を有し、保持部材は、位置決め突起を嵌め込む少なくとも2つの位置決め孔を有する、構成を採用することができる。
この構成によれば、保持部材を筐体に組み付ける際に、筐体側の2つの位置決め突起を保持部材の2つの位置決め孔に嵌め込むことにより、保持部材(の光学要素)を筐体(の基準光軸)に対して、基準光軸Lに垂直な平面内で容易にかつ高精度に位置決めすることができる。
上記構成をなす光学要素の取付装置によれば、構造の簡素化、小型化等を達成しつつ、組み付けを容易に行うことができ、光学要素の傾きやその傾き方向を、光学要素と筐体とを均等に接触させ傾きを起こさずに容易に(短時間で)かつ高精度に調節することができる。
本発明に係る光学要素の取付装置を適用する撮像装置を示す断面図である。 図1に示す撮像装置において、光学要素としての撮像素子を保持した保持部材を筐体に取り付ける前の状態を示す部分分解斜視図である。 図1及び図2に示す取付装置を説明するものであり、(a)は取り付け前の状態を示す断面図であり、(b)は取り付け後の基準位置の状態を示す断面図である。 本発明に係る取付装置の他の実施形態を示すものであり、光学要素としての撮像素子を保持した保持部材を筐体に取り付ける前の状態を示す部分分解斜視図である。 図4に示す取付装置を説明するものであり、(a)は取り付け前の状態を示す断面図であり、(b)は取り付け後の基準位置の状態を示す断面図である。 本発明に係る光学要素の取付装置を適用したレンズ鏡筒を示す分解斜視図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
第1の実施形態に係る取付装置は、図1及び図2に示すように、撮像装置に適用されるものである。
ここで、撮像装置は、筐体10、筐体10内の基準光軸L方向に配列された複数のレンズ群(可動レンズ群G1、可動レンズ群G2、固定レンズ群G3)、基準光軸L上において筐体10の後方側に形成された開口部11、開口部11の周りに配置されたラバーシート12、筐体10の後端に形成された接合部13、光学要素としての撮像素子Sを保持すると共に接合部13に取り付けられる保持部材20、保持部材20を筐体10の接合部13に取り付ける取付機構の一部としての複数(3つ)のネジ30及び複数(3つ)の弾性を有する環状座金40等を備えている。
筐体10は、図2に示すように、接合部13の領域において、環状座金40を受けるべく形成された複数(3つ)の平面状受け部14、平面状受け部14の中央に形成された複数(3つ)の雌ネジ穴15、2つの平面状受け部14の近傍において基準光軸L方向に突出して形成された円柱状の2つの位置決め突起16等を備えている。
平面状受け部14は、図2に示すように、基準光軸L方向の後方側に突出する円柱状に形成されると共にその後端面が平面に形成され、又、環状座金40が平坦になるまで圧縮させられる面積をなすように形成されている。
保持部材20は、図2及び図3に示すように、略矩形の平板状に形成され、撮像素子Sを固定して保持すると共に、ネジ30の雄ネジ部32を通す複数(3つ)の円形状の貫通孔21、貫通孔21が形成された周囲の内側面において環状座金40を受けるべく形成された複数(3つ)の平面状受け部22、2つの貫通孔21(平面状受け部14)の近傍において位置決め突起16を嵌め込むべく形成された円形状の2つの位置決め孔23等を備えている。
複数(3つ)のネジ30は、図2及び図3に示すように、スクリュードライバー等が連結され得る頭部31、頭部31よりも縮径して形成された雄ネジ部32等を備えている。
頭部31は、図3に示すように、保持部材20の貫通孔21よりも大きい外径をなすように形成されている。
雄ネジ部32は、図3に示すように、保持部材20の貫通孔21を挿通し、かつ、環状座金40の中心孔41を挿通し、筐体10の雌ネジ穴15に螺合されるように形成されている。
環状座金40は、図2及び図3に示すように、バネ鋼等の材料を用いて錐体状に一方側に反り返った状態に形成された皿バネ座金であり、それ自体が弾性を有し、中心孔41、環状内縁部42、環状外縁部43等を備えている。
そして、環状座金40の環状内縁部42と環状外縁部43が、筐体10と保持部材20とに均等に接触して傾きを起こさず、より安定した調節を行えるようになっている。
ここでは、頭部31及び雄ネジ部32を有する複数(3つ)のネジ30、複数のネジ30の雄ネジ部32を通すべく保持部材20に形成された複数(3つ)の貫通孔21、複数のネジ30の雄ネジ部32を捩じ込むべく筐体10の接合部13に形成された複数(3つ)の雌ネジ穴15、保持部材20の貫通孔21に通された複数(3つ)のネジ30の雄ネジ部32に外嵌されて保持部材20と筐体10の接合部13の間に圧縮しつつ配置される複数(3つ)の環状座金40、環状座金40を受けるべく保持部材20及び筐体10の接合部13にそれぞれ形成された複数(3つ)の平面状受け部22及び平面状受け部14により、筐体10側の基準光軸Lに対する光学要素(撮像素子S)の傾き及び傾き方向を調節しつつ保持部材20を筐体10の接合部13に取り付ける取付機構が構成されている。
次に、上記取付装置による取付け作業及び調節作業について説明する。
先ず、複数のレンズ群(可動レンズ群G1、可動レンズ群G2、固定レンズ群G3等)が組み付けられた筐体10、撮像素子Sが固定された保持部材20、3つのネジ30、3つの環状座金40が準備される。
続いて、3つのネジ30を保持部材20の外側(基準光軸Lの方向の後方側)から貫通孔21に通し、保持部材20の内側(基準光軸Lの方向の前方側)から貫通孔21を通り抜けた雄ネジ部32にそれぞれ環状座金40を嵌め込む。
続いて、その状態で、保持部材20を筐体10の接合部13に近づけ、2つの位置決め突起16を対応する2つの位置決め孔23に嵌め込みつつ、3つのネジ30(の雄ネジ部32)を筐体10(の雌ネジ穴15)に捩じ込んでいく。
尚、図3(a)に示すように、筐体10の平面状受け部14に対して、環状座金40を予め配置し、その上方側から、保持部材20に通したネジ30を近づけ、雌ネジ穴15に捩じ込むようにしてもよい。
3つのネジ30を完全に捩じ込むと、図3(b)に示すように、3つの環状座金40が両側の平面状受け部14,22により挟み込まれて完全に平坦に押し潰され(圧縮変形させられ)る。この状態が、調節の際の基準位置とされる。
続いて、撮像素子Sにより撮像される画像等をモニターにより、何処に片ボケ等を生じているかを確認する。
そして、最も効果的に調節できると思われるネジ30を適宜緩めることにより、基準光軸Lに対する撮像素子Sの取付角度(傾き)及び傾き方向が調節され、片ボケ状態を無くすことができる。
このように、3つのネジ30を完全に締め込んで環状座金40が平坦になった状態を基準位置として、効果的なネジ30のみを調節する必要最小限の調節作業(アオリ調整)だけで、片ボケ現象を解消できるため、従来のような調節の際の基準位置がない場合に比べて、調節作業を容易に(短時間で)かつ高精度に行うことができると共に組み付け作業を容易に行うことができる。
また、保持部材20を筐体10に組み付ける際に、筐体10側の2つの位置決め突起16を保持部材20の2つの位置決め孔23に嵌め込むことにより、保持部材20(の光学要素)を筐体10(の基準光軸L)に対して、基準光軸Lに垂直な平面内で容易にかつ高精度に位置決めすることができる。
上記の取付装置によれば、構造の簡素化、小型化等を達成しつつ、組み付けを容易に行うことができ、光学要素(撮像素子S)の傾きやその傾き方向を、容易に(短時間で)かつ高精度に調節することができる。
図4及び図5は、本発明に係る光学要素の取付装置の第2の実施形態を示すものであり、前述の実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
この実施形態においては、図4及び図5に示すように、筐体10は、接合部13の領域において、環状座金40を受けるべく形成された複数(3つ)の平面状受け部14、平面状受け部14の中央に形成された複数(3つ)の雌ネジ穴15、2つの平面状受け部14の近傍において基準光軸L方向に突出して形成された円柱状の2つの位置決め突起16、複数(3つ)の平面状受け部14の中央領域に形成された複数(3つ)の環状突起部17等を備えている。
環状突起部17は、図5に示すように、環状座金40の中心孔41に嵌め込まれると共に環状座金40の厚さ以下の高さ(ここでは、厚さと同一の高さ)に突出するように形成されている。
環状突起部17は、環状座金40を位置決めするものであり、環状座金40を上方から落としこんで、その中心孔41に環状突起部17を嵌め込むことで、環状座金40を容易に組み付けることができ、又、環状突起部17の突出高さは環状座金40の厚さ以下であるため、ネジ30を完全に締め込んだ状態で、両側の平面状受け部14,22により環状座金40を平坦に変形させて調節の際の基準位置を設定することができる。
保持部材20は、図4に示すように、略矩形の平板状に形成され、撮像素子Sを固定して保持すると共に、複数(3つ)の円形状の貫通孔21、複数(3つ)の平面状受け部22、2つの貫通孔21(平面状受け部14)の近傍において位置決め突起16を嵌め込むべく形成された円形状の位置決め孔23及び長孔状の位置決め孔23´等を備えている。
ここでは、頭部31及び雄ネジ部32を有する複数(3つ)のネジ30、複数のネジ30の雄ネジ部32を通すべく保持部材20に形成された複数(3つ)の貫通孔21、複数のネジ30の雄ネジ部32を捩じ込むべく筐体10の接合部13に形成された複数(3つ)の雌ネジ穴15、保持部材20の貫通孔21に通された複数(3つ)のネジ30の雄ネジ部32に外嵌されて保持部材20と筐体10の接合部13の間に圧縮しつつ配置される複数(3つ)の環状座金40、環状座金40を受けるべく保持部材20及び筐体10の接合部13にそれぞれ形成された複数(3つ)の平面状受け部22及び平面状受け部14、複数(3つ)の平面状受け部14から突出して形成された複数(3つ)の環状突起17により、筐体10側の基準光軸Lに対する光学要素(撮像素子S)の傾き及び傾き方向を調節しつつ保持部材20を筐体10の接合部13に取り付ける取付機構が構成されている。
次に、上記取付装置による取付け作業及び調節作業について説明する。
先ず、複数のレンズ群(可動レンズ群G1、可動レンズ群G2、固定レンズ群G3等)が組み付けられた筐体10、撮像素子Sが固定された保持部材20、3つのネジ30、3つの環状座金40が準備される。
続いて、図5(a)に示すように、3つの環状座金40を、筐体10の接合部13に形成された環状突起部17に落とし込むようにして嵌め込み、3つのネジ30を保持部材20の外側(基準光軸Lの方向の後方側)から貫通孔21に通して、保持部材20を筐体10の接合部13に近づけ、2つの位置決め突起16を対応する2つの位置決め孔23,23´に嵌め込みつつ、3つのネジ30(の雄ネジ部32)を筐体10(の雌ネジ穴15)に捩じ込んでいく。
3つのネジ30を完全に捩じ込むと、図5(b)に示すように、3つの環状座金40が両側の平面状受け部14,22により挟み込まれて完全に平坦に押し潰され(圧縮変形させられ)る。この状態が、調節の際の基準位置とされる。
その後は、前述の実施形態と同様に、撮像素子Sにより撮像される画像等をモニターにより何処に片ボケ等を生じているかを確認し、最も効果的に調節できると思われるネジ30を適宜緩めることにより、環状座金40の弾性により基準光軸Lに対する撮像素子Sの取付角度(傾き)及び傾き方向が調節され、片ボケ状態を無くすことができる。
このように、3つのネジ30を完全に締め込んで環状座金40が平坦になった状態を基準位置として、効果的なネジ30のみを調節する必要最小限の調節作業(アオリ調整)だけで、片ボケ現象を解消できるため、従来のような調節の際の基準位置がない場合に比べて、調節作業を筐体10と保持部材20とを均等に接触させ傾きを起こさずに容易に(短時間で)かつ高精度に行うことができ、又、環状突起部17を設けたことにより、環状座金40の組み付けを容易に行うことができる。
また、保持部材20を筐体10に組み付ける際に、筐体10側の2つの位置決め突起16を保持部材20の2つの位置決め孔23,23´に嵌め込むことにより、保持部材20(の光学要素)を筐体10(の基準光軸L)に対して、基準光軸Lに垂直な平面内で容易にかつ高精度に位置決めすることができる。
上記の取付装置によれば、構造の簡素化、小型化等を達成しつつ、組み付けを容易に行うことができ、光学要素(撮像素子S)の傾きやその傾き方向を、筐体と光学要素とを均等に接触させ傾きを起こさずに容易に(短時間で)かつ高精度に調節することができる。
上記実施形態においては、筐体として複数の可動レンズ群G1,G2を含む撮像装置の筐体10を示し、保持部材20が固定して保持する光学要素として撮像素子Sを示したが、これに限定されるものではなく、図6に示すように、筐体として内部に複数のレンズを保持して基準光軸Lを画定するレンズ鏡筒の鏡筒10´、鏡筒10´の接合部13´に取り付けられる保持部材としてレンズGを保持したレンズ保持枠20´、レンズ保持枠20´を覆うようにネジBにより鏡筒10´に取り付けられるカバー枠50等を備えたレンズ鏡筒において、本発明の取付装置(複数のネジ30、複数の環状座金40、複数の貫通孔21、複数の雌ネジ穴15、複数対の平面状受け部14,22等)を適用してもよい。
上記実施形態においては、弾性を有する環状座金として、皿バネ座金を採用した場合を示したが、これに限定されるものではなく、軸方向に押し付けることで平面になる弾性を有する環状座金(例えば、波形座金)を適用してもよい。
以上述べたように、本発明に係る光学要素の取付装置は、構造の簡素化、小型化等を達成しつつ、組み付けを容易に行うことができ、光学要素の傾きやその傾き方向を、容易に(短時間で)かつ高精度に調節することができるため、撮像素子を含むカメラ等の撮像装置、カメラのレンズ鏡筒等に適用できるのは勿論のこと、その他の光学機器においても有用である。
L 基準光軸
10 筐体
10´ 鏡筒(筐体)
11 開口部
12 ラバーシート
13 接合部
14 平面状受け部
15 雌ネジ穴
16 位置決め突起
17 環状突起部
20 保持部材
S 撮像素子(光学要素)
20´ レンズ保持枠(保持部材)
21 貫通孔
22 平面状受け部
23,23´ 位置決め孔
30 ネジ
31 頭部
32 雄ネジ部
40 弾性を有する環状座金
41 中心孔
42 環状内縁部
43 環状外縁部
50 カバー枠

Claims (3)

  1. 基準光軸を画定する筐体と、光学要素を保持すると共に前記筐体の接合部に取り付けられる保持部材と、前記筐体側の基準光軸に対する前記光学要素の傾き及び傾き方向を調節しつつ前記保持部材を前記筐体の接合部に取り付ける取付機構と、を備えた光学要素の取付装置であって、
    前記取付機構は、頭部及び雄ネジ部を有する複数のネジと、前記複数のネジの雄ネジ部を通すべく前記保持部材に形成された複数の貫通孔と、前記複数のネジの雄ネジ部を捩じ込むべく前記筐体の接合部に形成された複数の雌ネジ穴と、前記保持部材の貫通孔に通された前記複数のネジの雄ネジ部に外嵌されて前記保持部材と前記筐体の接合部の間に圧縮しつつ配置される複数の弾性を有する環状座金と、前記環状座金を受けるべく前記保持部材及び筐体の接合部にそれぞれ形成された複数の平面状受け部と、を含む、
    ことを特徴とする光学要素の取付装置。
  2. 前記複数の平面状受け部には、前記環状座金の中心孔に嵌め込まれると共に前記環状座金の厚さ以下の高さに突出する環状突起部が形成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の光学要素の取付装置。
  3. 前記筐体の接合部は、前記平面状受け部の近傍に形成された少なくとも2つの位置決め突起を有し、
    前記保持部材は、前記位置決め突起を嵌め込む少なくとも2つの位置決め孔を有する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光学要素の取付装置。
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