JP2014070667A - 管継手及び配管の接続構造 - Google Patents

管継手及び配管の接続構造 Download PDF

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保 松永
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Abstract

【課題】TS接続をする場合であっても、管継手の周壁部の強度が低減することを防止し、ソルベントクラックを生じ難くする管継手及び配管の接続構造を提供する。
【解決手段】配管2の管端部2aを内嵌させ、接着剤を用いて管端部2aを管受口4に接着固定させる管継手1において、管端部2aを対向配置させる管受口4の内周面4aに、前記接着剤を溜める溝5が形成されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、配管の端部を接続させる管継手及び配管の接続構造に関する。
従来より、合成樹脂管の接続方法として、塩化ビニル樹脂管等の易接着性の合成樹脂管を対象としたいわゆるTS方式が広く知られている。TS方式は、合成樹脂製の管継手の受口の内周面に1/30〜1/45程度のテ−パを付け、この管受口の内周面及び管端部の外周面に速乾性接着剤を塗布し、その塗布面を接着剤中の溶剤により膨潤させ、管端部を管受口に接着剤及び膨潤層を展延しつつ圧入していく方式である。
TS方式によると、管端部がテーパ状の管受口の内周面に圧入されるため、管継手に対して管端部が堅く固定されるとともに、接着剤により管継手と配管の端部が接着固定される。
特開2002−001826号公報
ところで、上記TS方式により合成樹脂管を接続する場合、接着剤に含まれる溶剤と圧入に基づく応力とによって、管受口の挿入奥部付近の壁部に亀裂が入るいわゆるソルベントクラックが生じることがあるという課題があった(上記特許文献1参照)。
特に、管継手の内周面に接着剤を塗布して管端部を挿入する場合、塗布された接着剤が管端部により一部掻き取られて管継手の挿入奥部に押し込まれやすく、また接着剤の量が過剰である場合には多量の接着剤が管端部と重ならない管継手のみの肉厚となる挿入奥部に溜められる。しかし、このように奥部に溜まった接着剤は、拭き取る等して除去することができないため、管継手の周壁部が膨潤し、当該厚みの周壁部が発揮し得る強度が得られなくなったり、管継手内に、内圧が掛かる流動物を流動させた場合に、接着剤が溜まった管継手の挿入奥部でソルベントクラックを発生させたりすることがあるという問題があった。
そこで、本発明は、TS接続をする場合であっても、管継手の周壁部の強度が低減することを防止し、ソルベントクラックを生じ難くする管継手及び配管の接続構造を提供することを課題とする。
本発明は、配管の管端部を内嵌させ、接着剤を用いて前記管端部を管受口に接着固定させる管継手において、前記管端部を対向配置させる前記管受口の内周面に、前記接着剤を溜める溝が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、前記管端部を対向配置させる管継手の内周面に接着剤を溜める、すなわち、管継手に管端部が重なって強度が補強される領域内に接着剤を溜めることができる。したがって、接着剤に含まれた溶剤により管継手が影響を受けても、管端部が重なっているため応力を受け難く、ソルベントクラックが生じるのを抑制することができる。また、管継手に管端部が対向配置されない領域に接着剤が溜まるのを防止することができる。
本発明は、前記溝が前記管受口の軸線周りに環状に連続していることが望ましい。
この構成により、管継手の内周面の全体に塗布された接着剤が管端部によって掻き出されても、掻き出された接着剤を確実に溝内に溜めることができる。
本発明は、前記溝の深さ寸法が、この溝が形成された箇所における前記管受口の肉厚寸法の10%〜30%の範囲で形成されていることが望ましい。
この構成により、溝内に接着剤が溜められた場合にこの溝部分の周壁部の強度を保たせることができる。
本発明は、前記溝が前記受口の軸線方向に間隔を空けて複数形成されていてもよい。
接着剤を溜める溝が複数条形成されていることにより、接着剤が管継手の軸線方向に分散化され、接着剤に含まれる溶剤により受ける影響を緩和する。また、接着剤が管継手のみの肉厚になっている箇所に掻き出される事をより確実に防止することができる。
配管の管端部を内嵌させ、接着剤を用いて前記管端部を管継手の管受口に接着固定させる配管の接続構造において、前記管受口の内周面には、前記管端部の挿入可能寸法の
80%〜90%の範囲に前記接着剤を溜める溝が形成され、前記管端部の先端が、前記溝よりも深く前記管受口に挿入されていることを特徴とする。
本発明によれば、管端部が管受口に挿入された際に確実に強度を得ることができる挿入可能寸法まで管端部を管受口に挿入させた際に、接着剤を確実に溝内に溜めることができる。
本発明によれば、管継手に管端部が重なって周壁部が二重になり、管の強度が補強される領域内に接着剤を溜めることができるため、接着剤に含まれた溶剤により管継手が影響を受けても、管端部が重なっているため応力を受け難い。したがって、本発明の管継手によれば、ソルベントクラックが生じるのを抑制することができるという効果を奏する。また、管継手に管端部が重ならない領域に接着剤が掻き出されることを防止して、前記領域における管継手の周壁部が膨潤し所定の強度が得られなくなることを防止することができるという効果を奏する。
は、本発明の一実施形態として示した管継手の半部断面図である。 は、本発明の一実施形態として示した管継手の他の例を示す半部断面図である。 は、本発明の一実施形態として示した管継手の他の例を示す半部断面図である。
以下、本発明に係る管継手及び配管の接続構造の実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。
図1に示すように、本発明の管継手1は、一方向に貫通しており、その両端(一端のみ図示し、他端は省略)から配管2の管端部2aを挿入させることができるようになっている。
管継手1の軸線L方向中央部には、軸線L周りに環状に連続する突条が形成されている。この突条3は、管端部2aを当接させてそれ以上奥に挿入されないようにするストッパーとなっている(以下、突条を「ストッパー3」と称することもある)。
管受口4の内周面4aは、1/30〜1/45の割合でストッパー3に向けて漸次肉が厚くなるテーパ形状に形成されている。
管受口4の内周面4aには、管受口4における管端部2aの挿入可能寸法の80%〜90%の領域に軸線L周りに連続して凹む溝5が形成されている。
この溝5の幅寸法mは、管受口4の軸線L方向の長さXの10%〜15%の範囲で設定されている。また、溝5の深さ寸法nは、この溝5が形成された位置における管継手1の肉厚の10%〜30%の範囲に設定されている。
次に、管継手1の管受口4に管端部2aを接続する方法、管端部2aを挿入する際の管継手1の作用及び機能、及び、管継手1に管端部2aが接続された際の配管2の接続構造Aについて説明する。
上記の管継手1を用いて配管2,2同士を接続する場合には、まず、内径寸法が適切な管継手1を選択する。具体的には、管受口4の軸線L方向の長さ、すなわち開口端縁P1からストッパー3に到達する位置P2までの距離Xに対して、約80%〜90%の深さまで管端部2aが挿入可能なものを用意する。上記のように配管2を接続できる場合、管端部2aが管継手1に十分に挿入され、管の接続強度を得ることができるためである。
そして、配管2の寸法に適合する管継手1の管受口4の内周面4aと配管2の管端部2aの外周面8とに接着剤(不図示。以下同様)を塗布し、管端部2aを速やかに管受口4の内孔10に挿入する。
管端部2aが管受口4の内孔10の所定の位置に達すると、管端部2aの先端7が管受口4の内周面4aに対して当接し始め、その後管端部2aの管受口4に対する嵌合が堅くなり、それ以上の挿入が難しくなる。
この際、管端部2aは、管受口4の内周面4aに塗布された接着剤を徐々に削ぎ、管受口4の奥側に向けて掻き出す。しかし、管受口4の内周面4aには、管端部2aの挿入可能寸法の80%〜90%の領域に軸線L周りに連続する溝5が形成されている。したがって、管端部2aの先端7がこの溝5上を通過する際に、掻き出した接着剤を溝5内に埋め、管端部2aの先端7と管継手1のストッパー3との間に接着剤が溜められることが防止される。
その後、管端部2aの先端7がストッパー3に到達する手前で管端部2aの圧入を停止し、管継手1との接続を完了させる。
そして、管継手1の不図示の反対側の端部にも上記と同様にして管端部2aを挿入すると、配管2,2同士の管継手1による接続が完了する。
以上のように、本発明の管継手1によれば、管受口4に接着剤を塗布して管端部2aを挿入しても、管端部2aにより掻き出された接着剤が管受口4の溝5内に溜められ、管端部2aの先端7とストッパー3との間、すなわち、管継手1の肉厚だけになる箇所に接着剤が溜まるのを防止することができる。したがって、管端部2aの先端7ないしストッパー3の近傍で管継手1の周壁部が膨潤して管の強度が低下したり、ソルベントクラックが生じたりするのを有効に防止することができるという効果が得られる。
なお、上記の実施形態においては、管受口4の内周面4aに接着剤を溜める溝を1条形成する構成としたが、本発明は上記の実施態様に限定されるものではなく、例えば、図2に示すように、溝5を2条又はそれ以上形成してもよい。この構成によれば、管受口4の内周面4aに接着剤を過剰に塗布してしまった場合でも、2つの溝5,5により接着剤が管端部2aの先端7よりも先に溜まるのをより確実に防止することができるという効果が得られる。
また、溝5を管受口4の内周面4aに複数条形成する場合には、図3に示すように、管受口4の開口端側からストッパー3側に形成されたものの順に、溝5の深さnを漸次深くしていくものであってもよい。
このように溝5,5を形成した場合、開口部側の浅い溝5に接着剤が溜められきらず、奥側に形成された溝5にも接着剤が溜められていくことになる。このように接着剤をあえて複数の溝5,5に分けて溜めるように構成することによって、溝5に溜められる接着剤を分散化し、溝5近傍の周壁部が接着剤に含まれた溶剤により受ける影響を緩和させることができるという効果が得られる。
1 管継手
2 配管
2a 管端部
3 突条,ストッパー
4 管受口
4a 内周面
5 溝
L 軸線
A 配管の接続構造

Claims (5)

  1. 配管の管端部を内嵌させ、接着剤を用いて前記管端部を管受口に接着固定させる管継手において、
    前記管端部を対向配置させる前記管受口の内周面に、前記接着剤を溜める溝が形成されていることを特徴とする管継手。
  2. 前記溝は、前記管受口の軸線周りに環状に連続していることを特徴とする請求項1に記載の管継手。
  3. 前記溝の深さ寸法は、この溝が形成された箇所における前記管受口の肉厚寸法の10%〜30%の範囲で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の管継手。
  4. 前記溝は、前記受口の軸線方向に間隔を空けて複数形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の管継手。
  5. 配管の管端部を内嵌させ、接着剤を用いて前記管端部を管継手の管受口に接着固定させる配管の接続構造において、
    前記管受口の内周面には、前記管端部の挿入可能寸法の80%〜90%の範囲に前記接着剤を溜める溝が形成され、
    前記管端部の先端が、前記溝よりも深く前記管受口に挿入されていることを特徴とする配管の接続構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022105363A1 (zh) * 2020-11-20 2022-05-27 上海纳铁福传动系统有限公司 传动轴轴管接头结构

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