JP2014070426A - 止水扉用ボード、並びにこれを備えた水門、樋門、樋管 - Google Patents

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Abstract

【課題】 面方向の剛性バラツキの少ない、メンテナンス性に優れた水門、樋門、樋管、止水扉用ボードを提供すること。
【解決手段】 強化繊維と熱可塑性樹脂からなる止水扉用ボードであり、さらに前記止水扉用ボードの設置垂直方向に切り出されたピースa、ピースaを基準に、15°傾けて切り出されたピースb、30°傾けて切り出されたピースc、45°傾けて切り出されたピースd、60°傾けて切り出されたピースe、75°傾けて切り出されたピースf、及び90°傾けて切り出されたピースgの曲げ弾性率をそれぞれ、A、B、C、D、E、F,及びGとした時、A〜G全てが下記式を満たす止水扉用ボードである。
((A+B+C+D+E+F+G)/7)×0.8<A〜G<((A+B+C+D+E+F+G)/7)×1.2
【選択図】 なし

Description

本発明は、面方向の剛性バラツキの少ない、メンテナンス性に優れた水門、樋門、樋管、止水扉用ボードに関する。
用水路や堤内地の雨水や水田の水などを河川まで流すために設けられる排水路には、該河川との合流部に樋門や樋管が設けられる。樋門及び樋管は、一つの河川や水路から他の河川や水路に水が行き来できるように設けられる制水施設である。樋門や樋管は、河川の堤防内に設けられた暗渠に備えられる。堤内地の支川を流れる水や、雨水や水田の水などを河川(本川)に排水する場合は、該本川と堤内地とを結ぶ水路を介して堤内地から本川へと水が流されている。しかしながら、本川の水位が高くなったときには、本川の水が当該水路を介して堤内地側に流入し、堤内地側で水が溢れる恐れがある。そのため、当該水路には樋門又は樋管が設置され、その門扉(止水扉)は通常時には開放されており、本川が増水した場合などには速やかに閉鎖できるようになっている。
このような止水扉に関する技術が、例えば、特許文献1に開示されている。特許文献1には、河川堤防を横断して設けられた樋門又は樋管の河川側出入口側に設けられる扉体を昇降式にすると共に、扉体の左右を昇降ガイドし上方が開放された一対の側柱を河川堤防の法面に設け、側柱側に扉体の昇降機構を設けたことを特徴とするゲート装置に関する技術が開示されている。
また、耐久性に優れた止水扉、並びに該止水扉を備えた樋門、樋管、及び水門用として、コンクリートパネルと、該コンクリートパネルの一方の面側の少なくとも一部を被覆する第1繊維強化樹脂複合体層と、該コンクリートパネルの他方の面側の少なくとも一部を被覆する第2繊維強化樹脂複合体層とを有する止水扉、並びに、該止水扉を備えた制水構造物が特許文献2に開示されている。
特開2001−55723号公報 特開2012−92567号公報
従来の止水扉は、鋼製やステンレス鋼製のものが主流であった。中でも設置費用が安い鋼製のものが好んで用いられ、現存する止水扉の大部分は鋼製である。しかしながら、鋼製の止水扉は、耐久性(耐食性)に問題がある。鋼製の止水扉には防食塗装がなされてはいるが、経年で塗装は劣化するため、その劣化の程度に応じて補修が適宜必要となる。すなわち、鋼製の止水扉は初期費用が安く済むが、耐久性(耐食性)に問題があるため、補修費用や寿命を考慮すると、安いものではない。現存する鋼製の止水扉の多くは老朽化が進行しており、全ての止水扉を補修するには、莫大な費用を要する。また、それらを補修したとしても、近い将来に経年によって再度補修する必要が生じる。
問題を解決するため、コンクリートをベースとした止水扉が提案されている。しかしコンクリートは経年に従い、ひび割れが起こり易く、ひいては骨材の腐食にも繋がり易く、経年の物性変化に問題がある。この問題を解決し、力学的強度を確保するため、無筋コンクリートを用い、一部FRPで補強する検討もなされているが、異種材料の組合せは経年に於ける寸法変化(剥がれ)等の問題が残る。
本発明は、以上の状況を鑑み、耐久性に優れた止水扉、並びに、該止水扉を備えた樋門、樋管、及び水門を提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。本発明は以下の構成を有し、上記課題は解決される。
[1] 強化繊維と熱可塑性樹脂からなる止水扉用ボード。
[2] 前記止水扉用ボードの設置垂直方向に切り出されたピースa、ピースaを基準に、15°傾けて切り出されたピースb、30°傾けて切り出されたピースc、45°傾けて切り出されたピースd、60°傾けて切り出されたピースe、75°傾けて切り出されたピースf、及び90°傾けて切り出されたピースgの曲げ弾性率をそれぞれ、A、B、C、D、E、F、及びGとした時、A〜G全てが下記式を満たす事を特徴とする[1]記載の止水扉用ボード。
((A+B+C+D+E+F+G)/7)×0.8<A〜G<((A+B+C+D+E+F+G)/7)×1.2
なお、この式において、「A〜G」とは、A、B、C、D、E、F、及びGのいずれかを表しており、A、B、C、D、E、F、及びGの全てがこの式を満たすことを意味する。
[3] 前記曲げ弾性率の値が下記式を満たす事を特徴とする[2]に記載の止水扉用ボード。
((A+B+C+D+E+F+G)/7)>5GPa
[4] 強化繊維がガラスファイバーであって、その体積含有率が20%以上、60%以下である事を特徴とする[1]〜[3]いずれかに記載の止水扉用ボード。
[5] 強化繊維の長さが10mm以上、120mm以下である事を特徴とする[1]〜[4]いずれかに記載の止水扉用ボード。
[6] [1]〜[5]いずれかに記載の止水扉用ボードを備えた水門、樋門、または樋管。
本発明によれば、水圧による変形量が少なく、面方向の剛性バラツキの少ない、メンテナンス性に優れた水門、樋門、樋管、止水扉用ボードを提供することが出来る。
本発明の止水扉用ボードは、強化繊維と熱可塑性樹脂からなる。
強化繊維と熱可塑性樹脂を使用する理由は、生産性と十分な強度物性が確保されるためである。強化繊維は特に限定されないが、代表例としては、炭素繊維、炭化珪素繊維、ガラス繊維などの無機繊維、ボロン繊維などの金属繊維、アラミド繊維などの有機繊維が挙げられる。コスト、ならびに得られる成形品の弾性率および機械的強度の点から、ガラス繊維、炭素繊維などの無機繊維が好ましい。これらの繊維は、連続繊維を引き揃え、そして十分に開繊させて用いることが好ましい。
熱可塑性樹脂は特に限定されないが、代表例としては、ポリアミド6、ポリアミド12、ポリアミド66、ポリアミド46などのポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。コスト、ならびに得られる成形品の弾性率および機械的強度の点から、特にポリアミド6、ポリプロピレン樹脂が好ましい。
尚、熱硬化性樹脂は衝撃強度が低く、プリプレグは冷蔵保存が必要であり、脱気しながら熱を加える固化にも時間がかかり、製造方法が煩雑で、大型のオートクレーブ等の設備も必要になるので、物性とコストパフォーマンスの面で問題がある。
また、止水扉用ボードの設置垂直方向に切り出されたピースa、ピースaを基準に、15°傾けて切り出されたピースb、30°傾けて切り出されたピースc、45°傾けて切り出されたピースd、60°傾けて切り出されたピースe、75°傾けて切り出されたピースf、及び90°傾けて切り出されたピースgの曲げ弾性率をそれぞれ、A、B、C、D、E、F,及びGとした時、A〜Gの値の全てが、((A+B+C+D+E+F+G)/7)×0.8より大きく、((A+B+C+D+E+F+G)/7)×1.2より小さいことが好ましい。なお、A〜Gの値は、各ピースの曲げ弾性率を10点ずつ計測した平均値である。試験ピースは厚み6mm、幅35mm、長さ150mmの大きさに其々切出し、厚みの16倍のスパン長でJIS―K7055に準拠した方法で測定される。
A〜Gの値が((A+B+C+D+E+F+G)/7)×0.8以下、若しくは(A+B+C+D+E+F+G)/7)×1.2以上である場合、等方性は損なわれ、水圧によりボードの変形が大きくなり好ましくない。より好ましくは、((A+B+C+D+E+F+G)/7)×0.9<A〜G<((A+B+C+D+E+F+G)/7)×1.1の範囲である。
また、曲げ弾性率の値が((A+B+C+D+E+F+G)/7)>5GPaの式を満たしている事が好ましい。((A+B+C+D+E+F+G)/7)の値が5GPa以下である場合、水圧による撓みが大きくなり、好ましくない。より好ましい範囲は、8GPa以上である。((A+B+C+D+E+F+G)/7)の値は、高ければ高い方が好ましいが、使用する原料から、上限は40GPa程度である。
また、強化繊維がガラスファイバーであって、その体積含有率が20%以上、60%以下である事が好ましい。体積含有率が20%未満である場合、剛性が低く、水圧による撓みが大きくなり好ましくなく、また、比重が低くなる事で水中に沈降しにくくなるので好ましくない。また、体積含有率が60%を超える場合、樹脂の含浸斑が起こりやすく、剥離し易くなるので好ましくない。より好ましい体積含有率の範囲は、30%以上、55%以下である。
また、強化繊維の長さが10mm以上、120mm以下である事がより好ましい。10mm未満である場合、剛性が低くなるので好ましくない。120mmを超える場合、積層時にランダマイズしにくく、ボードの周囲で等方性が損なわれる恐れがあるので好ましくない。より好ましい範囲は、15mm以上、60mm以下、更に好ましい範囲は、20mm以上、50mm以下である。なお、強化繊維の長さは、後記する実施例の項で記載する方法で計測させるものである。
製造方法の一例としては、先ず連続繊維を用い、開繊バー等を用い連続的に開繊させた後、圧力の付与された熱可塑性樹脂槽へ通し樹脂を十分に含浸後、賦形ローラーで潰し冷却固化させる。次にこの連続テープをカッティングし、任意の長さの樹脂含浸テープを作製した後、このテープ状物をランダムに積層、熱固化させ予備成形体を作製する。その後、この予備成形体を金型内へ積層し、熱と圧力を付与しつつ熱可塑性樹脂を溶融後、金型自体を冷やす事で等方性に優れたボードを作製する事が出来る。
尚、水門、樋門、樋管、止水扉用ボードは適宜、周囲に止水ゴム等を貼り付けた形で使用される。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例中に用いられる強化繊維の長さは、試料切断の影響のないAsh部分を強化繊維が折れない様にガラス板上に乗せ、拡大顕微鏡にて任意に100本の長さを計測し重量平均として求めた。曲げ弾性率は、10点ずつ計測した平均値であり、試験ピースは厚み6mm、幅35mm、長さ150mmの大きさに其々切出し、厚みの16倍のスパン長でJIS―K7055に準拠した方法で測定した。強化繊維の体積含有量は、Ashから重量比率を計測した後、比重で割った値を樹脂分と比較し算出した。
(実施例1)
強化繊維として、連続ガラス繊維(日本電気硝子(株)製、ER2310−431N、2310Tex、4000f)、熱可塑性樹脂として、酸変性されたポリプロピレン((株)プライムポリマー製、J139、及びMMP006のブレンド、融点160℃)を用い、押出し成型機にて、幅100cm、長さ100cm、厚み10cmのボードを作製した。
角度を変えて採取した試験ピース平均曲げ剛性A〜Gの平均((A+B+C+D+E+F+G)/7)は7.9GPa、また、(A+B+C+D+E+F+G)/7)×0.8<A〜G<((A+B+C+D+E+F+G)/7)×1.2、の式を満たし、ガラスファイバーの体積含有量は50%、強化繊維の長さは重量平均で0.6mmであった。
このボードに止水ゴムを貼り付け、4kgf/cmの水圧試験を実施したが、撓みは少なく、良好であった。
(実施例2)
強化繊維として、連続ガラス繊維(日本電気硝子(株)製、ER2310−431N、2310Tex、4000f)を直径2cmのローラーに通し開繊後、0.6MPaの圧力を有する酸変性されたポリプロピレン((株)プライムポリマー製、J139、及びMMP006のブレンド、融点160℃)からなる240℃の樹脂槽を通し、樹脂を連続的に含浸させ、その後、賦形ローラーで潰し冷却固化させた後、カッティングし、ガラス繊維の体積含有量が50%となる様、幅15mm、長さ35mm、厚み0.1mmのテープ状の予備成形体を作製した。この予備成形体をガラス繊維の配向がランダムに、均一になる様、積層後、アルミ箔で包み、熱と圧力をコントロールし、幅43cm、長さ43cm、厚さ6mmのシートを作製した。
このシートを端面が5cm程度オーバーラップさせる様に金型内に積層後、熱と圧力をコントロールし、プレス成型機にて、幅100cm、長さ100cm、厚み10cmのボードを作製した。
角度を変えて採取した試験ピースの平均曲げ剛性A〜Gの平均は13GPaであり、(A+B+C+D+E+F+G)/7)×0.9<A〜G<((A+B+C+D+E+F+G)/7)×1.1、の式を満たし、ガラスファイバーの体積含有量は50%、強化繊維の長さは35mmであった。
このボードに止水ゴムを貼り付け、4kf/cmの水圧試験を実施したが、撓みは殆ど無く、非常に良好であった。
(実施例3)
強化繊維として、連続ガラス繊維(日本電気硝子(株)製、ER2310−431N、2310Tex、4000f)を直径2cmのローラーに通し開繊後、0.6MPaの圧力を有するポリアミド6(東洋紡績(株)製、A2500、融点220℃)からなる270℃の樹脂槽を通し、樹脂を連続的に含浸させ、その後、賦形ローラーで潰し冷却固化させた後、カッティングし、ガラス繊維の体積含有量が50%となる様、幅15mm、長さ35mm、厚み0.1mmのテープ状の予備成形体を作製した。この予備成形体をガラス繊維の配向がランダムに、均一になる様、アルミ箔で包み、熱と圧力を加え幅43cm、長さ43cm、厚さ6mmのシートを作製した。
このシートを端面が5cm程度オーバーラップさせる様に金型内に積層後、熱と圧力をコントロールし、プレス成型機にて、幅100cm、長さ100cm、厚み10cmのボードを作製した。
角度を変えて採取した試験ピース平均曲げ剛性A〜Gの平均は17GPa、また、(A+B+C+D+E+F+G)/7)×0.9<A〜G<((A+B+C+D+E+F+G)/7)×1.1、の式を満たし、ガラスファイバーの体積含有量は50%、強化繊維の長さは35mmであった。
このボードに止水ゴムを貼り付け、4kgf/cmの水圧試験を実施したが、撓みは殆ど無く、非常に良好であった。
(実施例4)
強化繊維として、連続炭素繊維ロービング(東邦テナックス社製 IMS40,340Tex,6000フィラメント)を4本引き揃え、直径2cmのローラーに通し開繊後、0.6MPaの圧力を有する酸変性されたポリプロピレン((株)プライムポリマー製、J139、及びMMP006のブレンド、融点160℃)からなる240℃の樹脂槽を通し、樹脂を連続的に含浸させ、その後、賦形ローラーで潰し冷却固化させた後、カッティングし、ガラス繊維の体積含有量が50%となる様、幅12mm、長さ35mm、厚み0.09mmのテープ状の予備成形体を作製した。この予備成形体をガラス繊維の配向がランダムに、均一になる様、アルミ箔で包み、熱と圧力を加え幅43cm、長さ43cm、厚さ6mmのシートを作製した。
このシートを端面が5cm程度オーバーラップさせる様に金型内に積層後、熱と圧力をコントロールし、プレス成型機にて、幅100cm、長さ100cm、厚み10cmのボードを作製した。
角度を変えて採取した試験ピース平均曲げ剛性A〜Gの平均は25GPa、また、(A+B+C+D+E+F+G)/7)×0.9<A〜G<((A+B+C+D+E+F+G)/7)×1.1、の式を満たし、炭素繊維の体積含有量は50%、強化繊維の長さは35mmであった。
このボードに止水ゴムを貼り付け、4kgf/cmの水圧試験を実施したが、撓みは殆ど無く、非常に良好であった。
(比較例1)
比較例1として、鋼材を用いた従来の止水扉、並びに該止水扉を備えた樋門、樋管、及び水門について例証する。従来の止水扉は、鋼製やステンレス鋼製のものが主流である。中でも設置費用が安い鋼製のものが好んで用いられ、現存する止水扉の大部分は鋼製である。しかしながら、鋼製の止水扉は、耐久性(耐食性)に問題がある。鋼製の止水扉には防食塗装がなされてはいるが、経年で塗装は劣化するため、その劣化の程度に応じて補修が適宜必要となる。すなわち、鋼製の止水扉は初期費用が安く済むが、耐久性(耐食性)に問題があるため、補修費用や寿命を考慮すると、安いものではない。現存する鋼製の止水扉の多くは老朽化が進行しており、全ての止水扉を補修するには、莫大な費用を要する。また、それらを補修したとしても、近い将来に経年によって再度補修する必要が生じる。
(比較例2)
比較例2として、コンクリートを用いた従来の止水扉、並びに該止水扉を備えた樋門、樋管、及び水門について例証する。コンクリート製のものは、一般に防食塗装を必要とせず、鋼材に比べメンテナンス費用が安く済むとされているが、コンクリートは経年に従い、ひび割れが起こり易く、ひいては骨材の腐食にも繋がり易く、経年の物性変化に問題がある。
(比較例3)
比較例3として、熱硬化性樹脂をベースとしたFRP製の止水扉、並びに該止水扉を備えた樋門、樋管、及び水門について例証する。熱硬化性樹脂は熱可塑性樹脂に比べ一般に衝撃強度が低く、プリプレグは冷蔵保存が必要であり、脱気しながら熱を加える固化にも時間がかかり、製造方法が煩雑で、大型のオートクレーブ等の設備も必要になるので、止水扉、並びに該止水扉を備えた樋門、樋管、及び水門の様な大型部品の製造に於いては、物性とコストパフォーマンス上、問題があった。
(比較例4)
比較例4として、無筋コンクリートを用い、熱硬化性樹脂をベースとしたFRP製のボードで補強した止水扉、並びに該止水扉を備えた樋門、樋管、及び水門について例証する。無筋コンクリートはひび割れによる鉄筋の腐食の問題が無く、強度不足をカバーする熱硬化性樹脂を用いたFRPは比較的薄いボードとして加工出来るので製造効率は良いが、異種材料の組合せは経年に於ける寸法変化(剥がれ)等の問題がある。
本発明によれば、水圧による変形が少なく、面方向の剛性バラツキの少ない、メンテナンス性に優れた水門、樋門、樋管、止水扉用ボードを提供することが出来る。

Claims (6)

  1. 強化繊維と熱可塑性樹脂からなる止水扉用ボード。
  2. 前記止水扉用ボードの設置垂直方向に切り出されたピースa、ピースaを基準に、15°傾けて切り出されたピースb、30°傾けて切り出されたピースc、45°傾けて切り出されたピースd、60°傾けて切り出されたピースe、75°傾けて切り出されたピースf、及び90°傾けて切り出されたピースgの曲げ弾性率をそれぞれ、A、B、C、D、E、F,及びGとした時、A〜G全てが下記式を満たす事を特徴とする請求項1記載の止水扉用ボード。
    ((A+B+C+D+E+F+G)/7)×0.8<A〜G<((A+B+C+D+E+F+G)/7)×1.2
  3. 前記曲げ弾性率の値が下記式を満たす事を特徴とする請求項2に記載の止水扉用ボード。
    ((A+B+C+D+E+F+G)/7)>5GPa
  4. 強化繊維がガラスファイバーであって、その体積含有率が20%以上、60%以下である事を特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の止水扉用ボード。
  5. 強化繊維の長さが10mm以上、120mm以下である事を特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の止水扉用ボード。
  6. 請求項1〜5いずれかに記載の止水扉用ボードを備えた水門、樋門、または樋管。
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