JP2014070187A - 異物の少ないアクリル系樹脂の製造方法 - Google Patents

異物の少ないアクリル系樹脂の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】異物の低減された主鎖に環構造を有するアクリル系樹脂の製造方法を提供する。
【解決手段】アクリル系樹脂と環化反応剤を混練装置中に導入し、混練装置中で環化反応剤、反応副生成物から選ばれる1以上を超臨界状態とする、主鎖に環構造を有するアクリル系樹脂の製造方法、更に、得られた主鎖に環構造を有するアクリル系樹脂が、異物の個数が40個/m2以下、残留揮発成分量が2000ppm以下であることを特徴とする前記主鎖に環構造を有するアクリル系樹脂の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、アクリル系樹脂の製造方法に関するものであり、特に超臨界を利用した主鎖に環構造を有するアクリル系樹脂の製造方法に関するものである。
ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル系樹脂は、その透明性や光学特性から光学レンズ、光拡散板、導光板などの光学用部品や各種保護フィルムや光学フィルムとして利用されている。
上記アクリル系樹脂は、重合反応中や変性反応中に発生するゲルや、製造過程中で混入する汚染物質などの様々な異物を含むため、これら異物を除去する必要がある。
異物数を低減する方法として、ポリマーフィルターを用いて溶融樹脂をろ過する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−025968号
しかしながら、上記従来の構成では、異物数の低減が不十分であるという問題を生じる。具体的には、上記特許文献1に記載の方法では、異物数の多い樹脂をろ過した場合、十分に濾過しきれなかったり、短時間でポリマーフィルターの目詰まりを生じて圧力上昇を招いたり、実際には十分な結果を得ることは難しかった。つまり、異物数の少ない樹脂を得るためには、ろ過する以前に含有される異物数を低減する必要がある。ろ過する以前に含有される異物数を低減する方法としては、装置の設定温度等を低下して樹脂に与える熱量を抑制する方法があるが、反応時の熱量を抑制すると、反応速度が低下する問題がある。
その為、本発明は、異物の低減された主鎖に環構造を有するアクリル系樹脂の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明者は鋭意検討の結果、混練装置にアクリル系樹脂と環化反応剤を共存し、環化反応剤あるいは反応副生成物を装置内にて超臨界状態として混練することで、樹脂中の異物数が減少することを見出した。
即ち、本発明は、(1)アクリル系樹脂と環化反応剤を混練装置中に導入し、混練装置中で環化反応剤、反応副生成物から選ばれる1以上を超臨界状態とする、主鎖に環構造を有するアクリル系樹脂の製造方法に関するものである。
また、(2)前記混練装置が、押出機であることを特徴とする(1)に記載の主鎖に環構造を有するアクリル系樹脂の製造方法に関するものである。
また、(3)前記混練装置中に、温度条件および圧力条件が、それぞれ157℃以上で且つ、7.5MPa以上である環境が設けられていることを特徴とする(1)または(2)のいずれかに記載の主鎖に環構造を有するアクリル系樹脂の製造方法に関するものである。
また、(4)前記混練装置中に、温度条件および圧力条件が、それぞれ161℃以上で且つ、4.1MPa以上である環境が設けられていることを特徴とする(1)または(2)のいずれかに記載の主鎖に環構造を有するアクリル系樹脂の製造方法に関するものである。
また、(5)前記反応副生成物が、メタノールであることを特徴とする(1)から(4)のいずれかに記載の主鎖に環構造を有するアクリル系樹脂の製造方法に関するものである。
また、(6)前記反応剤がアミンであることを特徴とする(1)から(5)のいずれかに記載の主鎖に環構造を有するアクリル系樹脂の製造方法に関するものである。
また、(7)前記混練装置中に、温度条件および圧力条件が、それぞれ240℃以上で且つ、8.1MPa以上である環境が設けられていることを特徴とする(1)から(6)のいずれかに記載の主鎖に環構造を有するアクリル系樹脂の製造方法に関するものである。
また、(8)得られた主鎖に環構造を有するアクリル系樹脂が、異物の個数が40個/m2以下、残留揮発成分量が2000ppm以下であることを特徴とする(1)から(7)のいずれかに記載の主鎖に環構造を有するアクリル系樹脂の製造方法に関するものである。
本発明によれば、異物の低減された主鎖に環構造を有するアクリル系樹脂を製造することができる。また、これとは別に、主鎖に環構造を有するアクリル系樹脂を効率的に製造できるといった効果も認められる。
本発明は、アクリル系樹脂と環化反応剤を混練装置中に導入し、混練装置中で環化反応剤、反応副生成物から選ばれる1以上を超臨界状態とする、主鎖に環構造を有するアクリル系樹脂の製造方法に関するものである。
本発明の製造方法において、原料として使用するアクリル系樹脂は、熱可塑性アクリル樹脂である限り特に限定されない。アクリル系樹脂とは、一般に(メタ)アクリル酸エステル単位および/または(メタ)アクリル酸単位を有する樹脂のことであり、(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリル酸の誘導体に由来する構成単位を有していてもよい。アクリル系樹脂が有する全構成単位における、(メタ)アクリル酸エステル単位、(メタ)アクリル酸単位および上記誘導体に由来する構成単位の割合の合計は、通常50%以上であり、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上である。
(メタ)アクリル酸エステル単位としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸クロロメチル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、2−(ヒドロキシエチル)アクリル酸メチルなどに由来する構成単位が挙げられる。特に、熱安定性が向上することから、(メタ)アクリル酸メチル単位を有することが好ましい。なお、(メタ)アクリル酸エステル単位として、これらの構成単位を2種類以上有していても良い。また、(メタ)アクリル酸エステル単位以外の構成単位を有していても良い。例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メチルビニルケトン、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、メタリルアルコール、アリルアルコール、2−ヒドロキシメチル−1−ブテン、α−ヒドロキシメチルスチレン、α−ヒドロキシエチルスチレン、2−(ヒドロキシエチル)アクリル酸メチルなどの2−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸エステル、2−(ヒドロキシエチル)アクリル酸などの2−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸、などの単量体に由来する構成単位などが挙げられる。なお、上記構成単位の比率を調整することで、任意の固有複屈折を与えることも可能である。
また、当該アクリル系樹脂は、特に10,000から200,000の重量平均分子量を有することが好ましい。
なお、本発明においては、上記アクリル系樹脂以外の他の熱可塑性樹脂を反応の際に混在させる(即ち、樹脂組成物を構成する)ことも可能である。当該樹脂組成物中に含まれる上記他の熱可塑性樹脂の割合は、40%未満の範囲(好ましくは30%未満の範囲、より好ましくは15%未満の範囲)であることが好ましい。
このような他の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)などのオレフィンポリマー、塩化ビニル、塩素化ビニル樹脂などのハロゲン含有ポリマー、ポリスチレン、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンブロック共重合体などのスチレンポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610などのポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリオキシペンジレン、ポリアミドイミド、ポリブタジエン系ゴムあるいはアクリル系ゴムを配合したABS樹脂、ASA樹脂などのゴム質重合体などを挙げることができる。ゴム質重合体は、その表面に、アクリル系樹脂と相溶し得る組成のグラフト部を有することが好ましく、またゴム質重合体が粒子状である場合、その平均粒子径は、本発明の樹脂組成物を樹脂フィルムとしたときの透明性向上の観点から、300nm以下が好ましく、150nm以下がより好ましい。また、上記他の熱可塑性樹脂の比率を調整することで、任意の固有複屈折を与えることも可能である。
本発明によって得られる主鎖に環構造を有するアクリル系樹脂としては、環構造の種類は特に限定されないが、例えば、ラクトン環構造、無水グルタル酸構造、グルタルイミド環構造、N−置換マレイミド構造および無水マレイン酸構造などが挙げられる。特にこれら環構造を有していると、樹脂のTgがより向上することから好ましい。尚、樹脂成形品としたときの光学特性や機械強度に優れることから、環構造がグルタルイミド構造であることがさらに好ましい。
以下の式(1)に、グルタルイミド構造および無水グルタル酸構造を示す。
Figure 2014070187
上記式(1)におけるR1およびR2は、互いに独立して、水素原子またはメチル基であり、X1は、酸素原子または窒素原子である。X1が酸素原子のときR3は存在せず、X1が窒素原子のとき、R3は、水素原子、炭素数1〜6の直鎖アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基またはフェニル基である。
X1が窒素原子のとき、式(1)により示される環構造はグルタルイミド構造となる。グルタルイミド構造は、例えば、(メタ)アクリル酸エステル重合体をメチルアミンなどのイミド化剤によりイミド化して形成できる。
X1が酸素原子のとき、式(1)により示される環構造は無水グルタル酸構造となる。無水グルタル酸構造は、例えば、(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸との共重合体を、分子内で脱アルコール環化縮合させて形成できる。
以下の式(2)に、N−置換マレイミド構造および無水マレイン酸構造を示す。
Figure 2014070187
上記式(2)におけるR4およびR5は、互いに独立して、水素原子またはメチル基であり、X2は、酸素原子または窒素原子である。X2が酸素原子のときR6は存在せず、X2が窒素原子のとき、R6は、水素原子、炭素数1〜6の直鎖アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基またはフェニル基である。
X2が窒素原子のとき、式(2)により示される環構造はN−置換マレイミド構造となる。N−置換マレイミド構造を主鎖に有するアクリル樹脂は、例えば、N−置換マレイミドと(メタ)アクリル酸エステルとを共重合して形成できる。
X2が酸素原子のとき、式(2)により示される環構造は無水マレイン酸構造となる。無水マレイン酸構造を主鎖に有するアクリル樹脂は、例えば、無水マレイン酸と(メタ)アクリル酸エステルとを共重合して形成できる。
以下の式(3)に、ラクトン環構造を示す。
Figure 2014070187
上記式(3)において、R7、R8およびR9は、互いに独立して、水素原子または炭素数1〜20の範囲の有機残基である。当該有機残基は酸素原子を含んでいてもよい。
式(3)における有機残基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基などの炭素数が1〜20の範囲のアルキル基:エテニル基、プロペニル基などの炭素数が1〜20の範囲の不飽和脂肪族炭化水素基:フェニル基、ナフチル基などの炭素数が1〜20の範囲の芳香族炭化水素基:上記アルキル基、上記不飽和脂肪族炭化水素基および上記芳香族炭化水素基において、水素原子の一つ以上が、水酸基、カルボキシル基、エーテル基およびエステル基から選ばれる少なくとも1種の基により置換された基である。ラクトン環構造を主鎖に有するアクリル樹脂は、例えば、分子鎖中に水酸基とエステル基とを有する重合体を得た後に(一般にアクリル系樹脂が用いられる)、重合体を加熱処理(環化触媒を存在させることが有効)するなどして形成できる。
なお、式(1)、(2)、(3)の説明において例示した環構造を形成する各方法では、各々の環構造の形成に用いる重合体が(メタ)アクリル酸エステル単位を構成単位として有するため、当該方法により得た樹脂もアクリル系樹脂(主鎖に環構造を有するアクリル系樹脂)となる。
また、アクリル系樹脂は、紫外線吸収能を有する構成単位を有していてもよい。この場合、紫外線吸収能が付与される。
本発明の製造方法により得られた主鎖に環構造を有するアクリル系樹脂には、必要に応じて一般に用いられる酸化防止剤、熱安定剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、着色剤、収縮防止剤等を、本発明の目的が損なわれない範囲で添加しても良い。
上記紫外線吸収剤としては、公知の紫外線吸収剤を用いることができるが、例えばトリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤などを好適に使用することができる(また、これら紫外線吸収剤は併用することもできる。)。
上記熱安定剤は特に制限されず各種が使用可能であるが、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、ラクトン系化合物、リン系化合物、ヒンダードアミン系化合物、及びチオエーテル系化合物などを好適に使用することができる(また、これら熱安定剤は併用することもできる。)。
また、本発明の製造方法で得られる主鎖に環構造を有するアクリル系樹脂は、特に10,000から200,000の重量平均分子量を有することが好ましい。重量平均分子量が10,000より小さい場合には、成形品の機械的強度が不足し易く、一方、200,000を超えると、溶融時の粘度が高く、成形時の生産性が低下することがある。
また、本発明の製造方法で得られる主鎖に環構造を有するアクリル系樹脂のガラス転移温度は、100℃以上であることが好ましく、110℃以上であることがより好ましく、120℃以上であることが更に好ましい。一方、200℃以下が好ましい。
本発明における残留揮発成分とは、樹脂或いは樹脂組成物中に含まれる低分子量の有機成分のことであり、樹脂の製造工程並びに工程中に使用した有機溶媒、生成した副生成物、熱可塑性樹脂の解重合等により生成したモノマー、熱可塑性樹脂組成物に用いる熱可塑性樹脂に含まれている残存モノマーなどが挙げられる。例えば、水、メタノール、アクリル系樹脂モノマー等があげられる。残留揮発成分が多いと、成形時の変質等による着色や泡およびシルバーストリークなどの成形不良が起こる問題等が生じる。これらの揮発成分は環化反応後に真空脱揮に等によって除去されることが好ましい。
本発明で用いられる環化反応剤は環化反応を進行することができるものであれば特に限定はなく、環化反応触媒等も含んでいる。例えば、グルタルイミド環構造を有するアクリル系樹脂を製造する際の環化反応剤として、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、i−プロピルアミン、n−ブチルアミン、i−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、n−ヘキシルアミン等の脂肪族炭化水素基含有アミン、アニリン、トルイジン、トリクロロアニリン等の芳香族炭化水素基含有アミン、シクロヘキシルアミン等などの脂環式炭化水素基含有アミン等が挙げられる。また、尿素、1,3−ジメチル尿素、1,3−ジエチル尿素、1,3−ジプロピル尿素の如き加熱によりこれらのアミンを発生する尿素系化合物等が挙げられる。
ラクトン環構造を有するアクリル系樹脂を製造する際の環化反応触媒として、例えば、アルキル(アリール)亜ホスホン酸、亜リン酸ジエステルあるいはモノエステル、リン酸ジエステルあるいはモノエステル、アルキルホスホン酸等があげられる。
これらは1種類の環化反応剤を単独で使用してもよく、2種類以上の環化反応剤を組み合わせて使用することもできるが、どの環化反応剤を使用するかは、製造したいアクリル系樹脂の特性によって適宜選択すれば良い。中でも、容易に超臨界状態となり、光学特性や機械強度に優れる主鎖にグルタルイミド環構造を有するアクリル樹脂を製造できるメチルアミンが好ましい。
本発明で利用する反応副生成物は、アクリル系樹脂を環化反応させる際に生成するものなど、各種が利用できる。例えば、アルコール、水等があげられる。
本発明で用いられる混練装置は、上記アクリル系樹脂と反応剤を混練できるものであって、かつ加熱及び冷却の温度調節手段を備えているものが好ましい。例えば、撹拌翼を設置した槽、バンバリーミキサー、ブラベンダー、ニーダー、単軸もしくは多軸の押出機及びコニーダーなどを挙げることができる。これらは1種類の装置を単独で使用してもよく、2種類以上の装置を組み合わせて使用することもできるが、どの混練装置を使用するかは、アクリル系樹脂の種類・性質、組み合わせ、形状などによって適宜選択すれば良い。中でも、特に混練能力が高い点で二軸押出機を適用するのが好ましく、さらに混練能力や生産性が高いことから同方向噛合型二軸押出機を適用するのが好ましい。押出機から残留揮発成分を除去するためのベントは、1箇所以上設置するのが好ましい。
本発明において超臨界状態とは、その物質の臨界点より高い温度および圧力を有していることにより形成される状態を指し、超臨界状態にある流体は、通常の気体より高い密度を有するとともに、通常の気体と同程度の分子の運動量を有することによって特徴づけられる。本発明では、超臨界状態を利用することにより、異物数の低減が可能となるが、更に主鎖に環構造を有するアクリル系樹脂を効率的に製造することも可能である。
本発明において、混練装置中に設けられる環境の温度は、少なくとも装置中の一部において、環化反応剤、反応副生成物から選ばれる1以上が臨界温度以上となる温度であることが必要であるが、特に200℃以上、350℃未満が好ましい。反応温度が200℃以上であると、樹脂の流動性が高くなるので好ましい。一方、反応温度が350℃未満であると、樹脂の劣化を生じさせにくいため好ましい。
また、本発明において、混練装置中に設けられる環境の圧力は、少なくとも装置中の一部において、環化反応剤、反応副生成物から選ばれる1以上が臨界圧力以上となる圧力であることが必要である。
特に、混練装置中の温度条件および圧力条件は、157℃以上で且つ、7.5MPa以上が、モノメチルアミンが超臨界状態となるので好ましく、また、161℃以上で且つ、4.1MPa以上が、トリメチルアミンが超臨界状態となるので好ましく、また、240℃以上で且つ、8.1MPa以上が、メタノールが超臨界状態となるので好ましい。
樹脂中の異物としては、アクリル系樹脂から環化反応を経て、ペレットなどの成形品を得るまでの間の全ての工程において発生するゲルや樹脂の加熱劣化に起因する生成物などを含み、熱可塑性樹脂になじまない性質を有する樹脂由来物質全般を指し、その長辺が10μm以上のものを言う。これらは、光学顕微鏡で観察することが可能で、例えば黄色や無色透明に見えるものが多い。
本発明の主鎖に環構造を有するアクリル系樹脂から得られる成形品は、例えば、カメラやVTR、プロジェクター用の撮影レンズやファインダー、フィルター、プリズム、フレネルレンズ等の映像分野、CDプレイヤーやDVDプレイヤー、MDプレイヤーなどの光ディスク用ピックアップレンズ等のレンズ分野、CDプレイヤーやDVDプレイヤー、MDプレイヤー等の光ディスク用の光記録分野、液晶用導光板、偏光子保護フィルムや位相差フィルム等の液晶ディスプレイ用フィルム、表面保護フィルム等の情報機器分野、光ファイバ、光スイッチ、光コネクター等の光通信分野、自動車ヘッドライトやテールランプレンズ、インナーレンズ、計器カバー、サンルーフ等の車両分野、眼鏡やコンタクトレンズ、内視境用レンズ、滅菌
処理の必要な医療用品等の医療機器分野、道路透光板、ペアガラス用レンズ、採光窓やカーポート、照明用レンズや照明カバー、建材用サイジング等の建築・建材分野、電子レンジ調理容器(食器)、家電製品のハウジング、玩具、サングラス、文房具、等に使用可能である。
本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例で測定した異物数の測定方法は次の通りである。
(1)異物検査
製造した樹脂を100℃で5時間乾燥後、40mmφ単軸押出機、5μmカットリーフディスク内蔵4インチフィルターと400mm幅のTダイを用いて、シリンダー、フィルターおよびTダイ温度270℃で吐出量20kg/hrで押出し、シート状の溶融樹脂を冷却ドラムで冷却して幅約400mm、厚み150μmのシート状成形体を得た。得られた厚み150μmのシート状成形体から縦210mm、横300mmのサイズの試験片を切り出した。この試験片を、暗室にてデスクスタンド(ナショナル製SQ948H、蛍光灯27W)の光を照射しながら、目視で観察される異物の周囲を油性ペンでチェックした。次いで、倍率50倍の透過型光学顕微鏡(デジタルマイクロスコープ(VH−Z75)、株式会社キーエンス製)で、チェックした異物を観察した。上記観察をシート状成形体の両面について行い、異物の総数、種類を測定した。樹脂由来の異物や欠陥と、混入異物とを見分ける方法としては、倍率50倍以上の透過型光学顕微鏡で観察したときの異物の色で判断した。樹脂由来の異物や欠陥は、黄色および無色透明に見え、混入異物はそれ以外の色に見えるものと判断した。カウントする異物や欠陥の大きさは10μm以上のものとした。
(実施例1)
原料アクリル樹脂として、ポリメタクリル酸メチル樹脂(Mw=105,000)、環化反応剤として、モノメチルアミン、混練装置として、押出機を用いて主鎖にグルタルイミド環構造を有するアクリル系樹脂を製造した。なお、押出機は口径40mm、L/D=90の噛合い型同方向回転式二軸押出機(テクノベル社製)を用いた。スクリューの回転数を100rpmとし、ホッパーから樹脂を40kg/hrで供給して樹脂を溶融、充満させた後、ノズルを用いて樹脂に対して2重量部のモノメチルアミンを圧入した。環化反応条件は、反応温度を280℃、反応圧力を8.1MPaとして反応副生成物であるメタノール、ジメチルアミン、トリメチルアミンおよび反応剤のモノメチルアミンが超臨界化する条件とした(メタノール、ジメチルアミン、トリメチルアミンおよびモノメチルアミンの臨界温度はそれぞれ239.4℃、164.5℃、160.1℃および156.9℃であり、臨海圧力はそれぞれ8.1MPa、5.3MPa、4.1MPaおよび7.5MPaである。出典:化学工学協会編“物性定数8集”、丸善(1970))。その後、残留揮発成分を真空ベントを用いて減圧して除去した。押出機出口に設けられたダイスからストランドとして出てきた樹脂は、水槽で冷却した後、ペレタイザでペレット化した。その後、上記異物検査を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2014070187
(実施例2)
反応温度と反応圧力を、それぞれ280℃、7.5MPaとして、超臨界化する物質がモノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミンとなる条件とした以外は実施例1と同様の方法でペレット化し、上記異物検査を行なった。その結果を表1に示す。
(実施例3)
反応温度と反応圧力を、それぞれ280℃、4.1MPaとして、超臨界化する物質がトリメチルアミンとなる条件とした以外は実施例1と同様の方法でペレット化し、上記異物検査を行なった。その結果を表1に示す。
(比較例1)
反応温度と反応圧力を、それぞれ280℃、3.0MPaとして、超臨界化する物質が存在しない条件とした以外は実施例1と同様の方法でペレット化し、異物検査を行なった。その結果を表1に示す。

Claims (8)

  1. アクリル系樹脂と環化反応剤を混練装置中に導入し、混練装置中で環化反応剤、反応副生成物から選ばれる1以上を超臨界状態とする、主鎖に環構造を有するアクリル系樹脂の製造方法。
  2. 前記混練装置が、押出機であることを特徴とする請求項1に記載の主鎖に環構造を有するアクリル系樹脂の製造方法。
  3. 前記混練装置中に、温度条件および圧力条件が、それぞれ157℃以上で且つ、7.5MPa以上である環境が設けられていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の主鎖に環構造を有するアクリル系樹脂の製造方法。
  4. 前記混練装置中に、温度条件および圧力条件が、それぞれ161℃以上で且つ、4.1MPa以上である環境が設けられていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の主鎖に環構造を有するアクリル系樹脂の製造方法。
  5. 前記反応副生成物が、メタノールであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の主鎖に環構造を有するアクリル系樹脂の製造方法。
  6. 前記反応剤がアミンであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の主鎖に環構造を有するアクリル系樹脂の製造方法。
  7. 前記混練装置中に、温度条件および圧力条件が、それぞれ240℃以上で且つ、8.1MPa以上である環境が設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の主鎖に環構造を有するアクリル系樹脂の製造方法。
  8. 得られた主鎖に環構造を有するアクリル系樹脂が、異物の個数が40個/m2以下、残留揮発成分量が2000ppm以下であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の主鎖に環構造を有するアクリル系樹脂の製造方法。
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