JP2014070051A - ニペコチン酸誘導体及びその医薬用途 - Google Patents

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喬広 荒井
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Abstract

【課題】sEH阻害活性を有する化合物の提供とともに、慢性腎臓病及び肺高血圧症に対してメカニズムに基づいた治療効果を発揮する医薬の提供。
【解決手段】以下の一般式(I)で示される、ニペコチン酸誘導体又はその薬学的に許容される塩。
Figure 2014070051

[式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、環構成原子数が5若しくは6のヘテロシクリル基等;R2は、環構成原子数4〜6のヘテロシクリレン基、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキレン基等;R3は、水素原子、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基等;R4は、置換されたフェニル基又はピリジン−2−イル基であり、nは、0又は1である。]
【選択図】なし

Description

本発明は、ニペコチン酸誘導体及びその医薬用途に関する。
腎臓病患者の増加に伴い、人工透析患者が世界中で増加し続けており、その数はこの30年で10倍以上に達している(非特許文献1)。このような状況下、慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease;以下、CKD)という新しい疾患の概念が2002年に提唱された(非特許文献2)。慢性腎臓病とは、腎不全には至っていない腎機能低下状態から腎不全の末期までをも含む大きな概念であり、腎機能の低下や腎障害を示唆する所見が持続する症状であっても、放置すれば腎不全へと進行するリスクが高いために提唱されたものである。
慢性腎臓病が末期の腎不全にまで進行すると、人工透析や腎移植なしでは患者は生きられなくなり、患者のクオリティー・オブ・ライフは著しく低下することとなる。さらに慢性腎臓病の患者は、心血管疾患を併発することも多く、この場合には死亡リスクが一段と高まることになる。このため、慢性腎臓病の早期治療は極めて重要と考えられており、心血管疾患の抑制の観点からも大きな意味を持つとされている。
しかしながら、現在、有効な慢性腎臓病の治療薬はないため、慢性腎臓病と診断されると腎不全への進行を遅らせることに主眼を置いた治療がなされることになる。例えば、アンジオテンシンII受容体拮抗薬やアンジオテンシン変換酵素阻害薬等のアンジオテンシン系の降圧薬が処方され、厳格な血圧管理を行うことで慢性腎臓病の進展と心血管疾患の発症及び進展を食い止める治療がなされている(非特許文献3)。
一方、肺高血圧症とは、肺動脈圧の上昇を認める病態の総称であり、中でも心肺疾患のない原因不明の高度な前毛細血管性肺高血圧症については、肺動脈性肺高血圧症(原発性肺高血圧症)と呼ばれている。肺高血圧症は、運動耐容能を著しく低下させ、心不全や死に至る重篤な病気であり、そのほとんどが進行性で予後も不良なことが知られている。健常人では、肺動脈の血圧は全身の血圧より低く維持されているが、肺高血圧症になると平均肺動脈圧が安静時で25mmHg以上、運動時で30mmHg以上となり、この症状が長く続くことにより右心室肥大や右心不全が誘発され、最悪の場合には死に至ることとなる。
肺高血圧症の検査には、カテーテル検査及びエコー検査が有用とされるが、肺高血圧症の予防法や治療法は未だ確立されていないのが現状である。しかしながら、肺血管攣縮が病因の一つに関与すると考えられるため、プロスタサイクリン誘導体、エンドセリンレセプター拮抗剤、ホスホジエステラーゼ阻害剤といった短期肺血管拡張作用を有する薬剤が肺高血圧症の治療に使用されている(非特許文献4)。
近年、内皮細胞由来の過分極因子の一つであるエポキシエイコサトリエン酸(Epoxyeicosatrienoic acids;以下、EETs)が、血圧上昇抑制作用及び血管内皮保護作用を有しており、腎臓や肺の疾患において臓器保護作用を示すことが報告された(非特許文献5及び6)。EETsは、慢性腎臓病及び肺高血圧症の発症に伴って増加する可溶性エポキシド加水分解酵素(soluble epoxide hydrolase;以下、sEH)によってジヒドロキシエイコサトリエン酸(dihydroxyeicosatrienoic acid;以下、DHETs)に代謝され失活するが、可溶性エポキサイド加水分解酵素阻害剤(以下、sEH阻害剤)を投与すれば、EETsの量を増やすことが可能となり、対象臓器で血圧上昇抑制や血管内皮保護作用を発揮することが明らかとなった(特許文献1及び2)。
sEH阻害活性を示し、慢性腎臓病及び肺高血圧症の治療に有用な化合物としては、国際公開WO2007/106525号(特許文献1)や特開2011−16742号(特許文献2)に示される化合物が報告され、これらの化合物は、いずれもニペコチン酸スルホンアミド構造を有しないことを特徴としている。
また、ニペコチン酸スルホンアミド構造を有する化合物としては、3−ピリジニルスルホニル基誘導体(非特許文献9)、ニペコチン酸フェニルスルホンアミド構造の化合物(非特許文献10)及び3位置換スルホニルピペリジン誘導体(特許文献3)が報告されているが、慢性腎臓病及び肺高血圧症に対する薬効やsEH阻害活性についての開示は一切されていない。
国際公開第2007/106525号 特開2011−16742号公報 国際公開WO2009/099086号
椿原美治ら、「図説 わが国の慢性透析療法の現況」、日本透析医学会編、2010年、p.3 NKF−K/DOQI、American Journal of Kidney Disease、2001年、第37巻(suppl. 1)、p.S182−S238 Appelら、New England Journal of Medicine、2010年、第363巻、p.918−929 Bull、Seminars in Respiratory and Critical Care Medicine、2005年、第26巻、p.429−436 Weintraubら、Circulation Research、1997年、第81巻、p.258−267 Nodeら、Science、1999年、285巻、p.1276−1279 Imigら、Hypertension、2005年、46巻、p.975−981 Xuら、Proceedings of the National Academy of Science of the United States of America、2006年、103巻、p.18733−18738 Izvestiya Vysshikh Uchebnykh Zavedeniiら、Khimiya i Khimicheskaya Tekhnologiya、2004年、第47巻、2号、p.28−36 Kulkarniら、Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters、2006年、16巻、p.3371−3375
しかしながら、慢性腎臓病の治療において、アンジオテンシン系薬剤による血圧管理のみでは慢性腎臓病の進行を阻止するには不十分であり、アンジオテンシン系薬剤の使用は咳等の副作用を伴うものが現状である。また、肺高血圧症の治療においては、全ての既存薬が高頻度で頭痛や潮紅などの副作用を起こすなどの多くの問題点を有している。中でも、プロスタサイクリン誘導体は、半減期が短いばかりか持続投与した場合であっても薬効が不十分であり、エンドセリンレセプター拮抗剤に至っては、肝毒性等の副作用を伴うことが懸念されている。
さらに慢性腎臓病及び肺高血圧症は、患者のクオリティー・オブ・ライフを著しく低下させるおそれがあり、死亡リスクのある重篤な疾患であるため、メカニズムに基づき薬効が発揮される薬物の早期創出が強く望まれている。
そこで本発明は、sEH阻害活性を有する化合物を提供するとともに、慢性腎臓病及び肺高血圧症に対してメカニズムに基づいた治療効果を発揮する医薬を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、sEH阻害活性を有する新規なニペコチン酸誘導体又はその薬理学的に許容される塩が慢性腎臓病及び肺高血圧症に対し優れた治療効果を示すことを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の一般式(I)で示されるニペコチン酸誘導体又はその薬学的に許容される塩を提供する。
Figure 2014070051
[式中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、環構成原子数が5若しくは6のヘテロシクリル基、−C(=O)OR(式中、Rは、炭素数1〜3のアルキル基である)、−C(=O)N(R)R(式中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R及びRが結合している窒素原子と一緒になって環構成原子数が3〜7の環を形成してもよく、形成された環は構成原子として酸素原子を含んでいてもよい)、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基若しくは炭素数1〜6のアルキルオキシ基、又は、水素原子が1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基若しくは環構成原子数が5若しくは6のヘテロアリール基であり、Rは、環構成原子数4〜6のヘテロシクリレン基、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキレン基若しくは炭素数3〜6のシクロアルキレン基、又は、水素原子が1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいフェニレン基若しくは環構成原子数5若しくは6のヘテロアリレン基であり、Rは、水素原子、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基、又は、フェニル基上の水素原子が1若しくは2個の水酸基で置換されていてもよい−CH=CH−C(O)−Phであり、Rが結合している炭素原子は、R、R及びR並びにRが結合している窒素原子と一緒になって環構成原子数5〜8の環を形成してもよく、Rは、R及びRで置換されたフェニル基又はピリジン−2−イル基であり、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、環構成原子数5若しくは6のヘテロシクリル基、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数1〜6のアルキルオキシ基若しくは炭素数3〜6のシクロアルキルオキシ基、又は、水素原子が1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいフェニルオキシ基、環構成原子数5若しくは6のヘテロアリール基若しくは環構成原子数5若しくは6のヘテロアリールオキシ基であり、さらにR及びRは、Rが結合している炭素原子及びRが結合している炭素原子と一緒になって環構成原子数5〜8の環を形成してもよいが、同時に炭素数1〜6のアルキルオキシ基を表すことはなく、nは、0又は1である。]
上記のニペコチン酸誘導体は、Rが、水素原子又は水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基若しくは炭素数1〜6のアルキルオキシ基であり、Rが、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキレン基又は水素原子が1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい環構成原子数5若しくは6のヘテロアリレン基であることが好ましい。この場合には、より強いsEH阻害活性が期待できる点で優れている。
また、上記のニペコチン酸誘導体は、Rが、水素原子又は水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3〜6のシクロアルキル基若しくは炭素数1〜6のアルキルオキシ基であり、Rが、水素原子、又は、フェニル基上の水素原子が1若しくは2個の水酸基で置換されていてもよい−CH=CH−C(O)−Phであり、R及びRが、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基若しくは炭素数1〜6のアルキルオキシ基又は水素原子が1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい環構成原子数5若しくは6のヘテロアリール基若しくは環構成原子数5若しくは6のヘテロアリールオキシ基であり、Rが結合している炭素原子及びRが結合している炭素原子と一緒になって、水素原子が1又は2個のハロゲン原子で置換されていてもよいジオキソランを形成してもよいことが好ましい。Rが、水素原子又は水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3〜6のシクロアルキル基若しくは炭素数1〜6のアルキルオキシ基である場合には、強いsEH阻害活性が期待でき、薬物動態も優れていることから、腎不全モデルラットにおける優れた治療効果が得られる。
また、上記のニペコチン酸誘導体は、Rが水素原子であり、Rが、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキレン基であり、Rが、R及びRで置換されたピリジン−2−イル基であり、Rが、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、又は、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基若しくは炭素数1〜6のアルキルオキシ基であり、Rが、Rが水素原子である場合に、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されている炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルキルオキシ基であり、Rがハロゲン原子、シアノ基又は水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基若しくは炭素数1〜6のアルキルオキシ基である場合に、ハロゲン原子、シアノ基又は水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基若しくは炭素数1〜6のアルキルオキシ基であり、R並びにRが結合した炭素原子及びRが結合した炭素原子と一緒になって、水素原子が1又は2個のハロゲン原子で置換されていてもよいことが好ましい。この場合には、Rが、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキレン基に限定されることで、活性の向上及び腎不全モデルラットにおける治療効果が期待でき、Rがピリジン−2−イル基になることで安全性の向上が期待できる。
さらに、上記のニペコチン酸誘導体は、RがR及びRで置換されたフェニル基であり、かつ、nが1であることが好ましく、Rが、水素原子、又は、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3〜6のシクロアルキル基若しくは炭素数1〜6のアルキルオキシ基であり、Rが、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキレン基、又は、水素原子が1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい環構成原子数5若しくは6のヘテロアリレン基であり、Rが、水素原子、又は、フェニル基上の水素原子が1若しくは2個の水酸基で置換されていてもよい−CH=CH−C(O)−Phであり、R及びRが、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基若しくは炭素数1〜6のアルキルオキシ基、又は、水素原子が1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい環構成原子数5若しくは6のヘテロアリール基若しくは環構成原子数5若しくは6のヘテロアリールオキシ基であり、Rが結合している炭素原子及びRが結合している炭素原子と一緒になって環構成原子数5〜8の環を形成してもよいことがより好ましく、Rが水素原子であり、Rが、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキレン基であり、R及びRが、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、又は、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基若しくは炭素数1〜6のアルキルオキシ基であり、Rが結合している炭素原子及びRが結合している炭素原子と一緒になって環構成原子数5〜8の環を形成してもよいことがさらに好ましい。この場合には、RがR及びRで置換されたフェニル基となり、かつ、nが1となることで、安全性の向上が期待できる。
また本発明は、上記のニペコチン酸誘導体又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する可溶性エポキサイド加水分解酵素阻害剤(sEH阻害剤)を提供する。
さらに本発明は、上記のニペコチン酸誘導体又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬を提供する。この医薬は、慢性腎臓病若しくは肺高血圧症の治療薬又は予防薬であることが特に好ましい。
本発明のニペコチン酸誘導体は、公知化合物と比較しても顕著に強いsEH阻害活性を有しており、慢性腎臓病及び肺高血圧症に対して高い治療効果又は予防効果を発揮する。また、本発明の医薬は、メカニズムに基づいて慢性腎臓病及び肺高血圧症に対して治療効果を発揮しており、患者の症状に見合った副作用を軽減した処方が期待できる。
ラット抗糸球体基底膜抗体(抗GBM抗体)腎炎モデルにおける血清クレアチニン(sCre)値に対する実施例化合物1の作用を示す図である。 ラット抗糸球体基底膜抗体(抗GBM抗体)腎炎モデルにおける血中尿素窒素(BUN)値に対する実施例化合物1の作用を示す図である。 ラット抗糸球体基底膜抗体(抗GBM抗体)腎炎モデルにおける収縮期血圧(SBP)値に対する実施例化合物1の作用を示す図である。 ラット抗糸球体基底膜抗体(抗GBM抗体)腎炎モデルにおける血中カリウム濃度に対する実施例化合物1の作用を示す図である。 ラット抗糸球体基底膜抗体(抗GBM抗体)腎炎モデルにおけるヘマトクリットに対する実施例化合物1の作用を示す図である。 ラット抗糸球体基底膜抗体(抗GBM抗体)腎炎モデルにおける血中尿素窒素(BUN)値に対する実施例化合物32及び実施例化合物10の作用を示す図である。 ラット抗糸球体基底膜抗体(抗GBM抗体)腎炎モデルにおける血中尿素窒素(BUN)値に対する実施例化合物16及び参考例化合物1の作用を示す図である。 ラット抗糸球体基底膜抗体(抗GBM抗体)腎炎モデルにおける血清クレアチニン(sCre)値に対する実施例化合物25の作用を示す図である。 ラット抗糸球体基底膜抗体(抗GBM抗体)腎炎モデルにおける血中尿素窒素(BUN)値に対する実施例化合物25の作用を示す図である。 ラット抗糸球体基底膜抗体(抗GBM抗体)腎炎モデルにおける血中カリウム濃度に対する実施例化合物25の作用を示す図である。 ラット抗糸球体基底膜抗体(抗GBM抗体)腎炎モデルにおける血清クレアチニン(sCre)値に対する比較例化合物テルミサルタンの作用を示す図である。 モノクロタリン投与ラット肺高血圧症モデルにおける生存率に対する実施例化合物10の作用及び比較例化合物タダラフィルの作用を示す図である。 モノクロタリン投与ラット肺高血圧症モデルにおける右心室圧重量に対する実施例化合物10の作用及び比較例化合物タダラフィルの作用を示す図である。 モノクロタリン投与ラット肺高血圧モデルにおける右心室収縮期圧に対する実施例化合物32、実施例化合物10及び実施例化合物16の作用を示す図である。 モノクロタリン投与ラット肺高血圧モデルにおける右心室重量に対する実施例化合物32、実施例化合物10及び実施例化合物16の作用を示す図である。
本発明のニペコチン酸誘導体又はその薬学的に許容される塩は、は、以下の一般式(I)で示されることを特徴としている。
Figure 2014070051
[式中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、環構成原子数が5若しくは6のヘテロシクリル基、−C(=O)OR(式中、Rは、炭素数1〜3のアルキル基である)、−C(=O)N(R)R(式中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R及びRが結合している窒素原子と一緒になって環構成原子数が3〜7の環を形成してもよく、形成された環は構成原子として酸素原子を含んでいてもよい)、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基若しくは炭素数1〜6のアルキルオキシ基、又は、水素原子が1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基若しくは環構成原子数が5若しくは6のヘテロアリール基であり、Rは、環構成原子数4〜6のヘテロシクリレン基、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキレン基若しくは炭素数3〜6のシクロアルキレン基、又は、水素原子が1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいフェニレン基若しくは環構成原子数5若しくは6のヘテロアリレン基であり、Rは、水素原子、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基、又は、フェニル基上の水素原子が1若しくは2個の水酸基で置換されていてもよい−CH=CH−C(O)−Phであり、Rが結合している炭素原子は、R、R及びR並びにRが結合している窒素原子と一緒になって環構成原子数5〜8の環を形成してもよく、Rは、R及びRで置換されたフェニル基又はピリジン−2−イル基であり、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、環構成原子数5若しくは6のヘテロシクリル基、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数1〜6のアルキルオキシ基若しくは炭素数3〜6のシクロアルキルオキシ基、又は、水素原子が1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいフェニルオキシ基、環構成原子数5若しくは6のヘテロアリール基若しくは環構成原子数5若しくは6のヘテロアリールオキシ基であり、さらにR及びRは、Rが結合している炭素原子及びRが結合している炭素原子と一緒になって環構成原子数5〜8の環を形成してもよいが、同時に炭素数1〜6のアルキルオキシ基を表すことはなく、nは、0又は1である。]
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を意味する。
「環構成原子数5若しくは6のヘテロシクリル基」とは、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選択される、同一又は異なる原子を環構成原子として1又は2個含む、環構成原子数が5又は6の飽和複素環基を意味し、例えば、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、ジオキサニル基、モルホリニル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、テトラヒドロチオフェニル基又はテトラヒドロチオピラニル基が挙げられる。
「炭素数1〜3のアルキル基」とは、メチル基、エチル基、プロピル基又はイソプロピル基を意味する。
及びRが、R及びRが結合している窒素原子と一緒になって形成する環構成原子数3〜7の環とは、R、R並びにR及びRが結合する窒素原子を含む環構成原子数3〜7の飽和複素環を意味し、例えば、アジリジン環、アゼチジン環、ピロリジン環又はピペリジン環が挙げられる。
水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基とは、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい、炭素原子を1〜6個有する直鎖状の飽和炭化水素基又は炭素原子を3〜6個有する分岐鎖状の飽和炭化水素基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、2−メチル−2−プロピル基(t−ブチル基)、2−メチル−1−プロピル基、2,2−ジメチル−1−プロピル基、1−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、トリクロロメチル基又はトリクロロエチル基が挙げられる。
水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3〜6のシクロアルキル基とは、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子を3〜6個有する環状の飽和炭化水素基を意味し、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基又は4,4−ジフルオロシクロヘキシル基が挙げられる。
水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキルオキシ基とは、単結合の末端のエーテル結合を介して結合された、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基を意味し、例えば、メトキシ基、エトキシ基、1−プロピルオキシ基、2−プロピルオキシ基、1−ブチルオキシ基、2−ブチルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、2−トリフルオロエトキシ基又は2−フルオロエトキシ基が挙げられる。
水素原子が1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基とは、例えば、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−クロロ−4−フルオロフェニル基、4−ブロモフェニル基又は4−ヨードフェニル基が挙げられる。
水素原子が1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい環構成原子数5若しくは6のヘテロアリール基とは、水素原子が1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選択される同一又は異なる原子を環構成原子として1〜4個含む、環構成原子数が5又は6の複素芳香族基を意味し、例えば、ピリジル基、2−クロロピリジル基、3−クロロピリジル基、4−クロロピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、2−クロロピラジニル基、ピリダジニル基、1,3,5−トリアジニル基、1,2,4−トリアジニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、1,2,4−トリアゾリル基、テトラゾリル基、チエニル基、フラニル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基又はイソチアゾリル基が挙げられる。
環構成原子数4〜6のヘテロシクリレン基とは、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選択される同一又は異なる原子を環構成原子として1〜2個含む、環構成原子数が5又は6の飽和複素環鎖を意味し、例えば、オキセタニレン基、テトラヒドロフラニレン基、テトラヒドロピラニレン基、ジオキサニレン基、モルホリニレン基、ピロリジニレン基、ピペリジニレン基、テトラヒドロチオフェニレン基又はテトラヒドロチオピラニレン基が挙げられる。
水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキレン基とは、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい、炭素原子を1〜5個有する直鎖状又は分岐鎖状の飽和炭化水素鎖を意味し、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基又はヘキシレン基が挙げられる。
水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3〜6のシクロアルキルレン基とは、水素原子が1〜5個のハロゲンで置換されていてもよい、炭素原子を3〜6個有する環状の飽和環状炭化水素鎖を意味し、例えば、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基又はシクロヘキシレン基が挙げられる。
水素原子が1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいフェニレン基としては、例えば、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロフェニレン基、3−フルオロフェニレン基、4−フルオロフェニレン基、2−クロロフェニレン基、3−クロロフェニレン基、4−クロロフェニレン基、4−ブロモ−フェニレン基、4−ヨードフェニレン基、2,4−ジクロロフェニレン基、2−クロロ−4−フルオロフェニレン基又は2,5−ジクロロ−4−フルオロフェニレン基が挙げられる。
水素原子が1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい環構成原子数5又は6のヘテロアリレン基とは、水素原子が1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選択される同一又は異なる原子を環構成原子として1〜4個含む、環構成原子数が5又は6の複素芳香族鎖を意味し、例えば、ピリジレン基、ピリミジニレン基、ピラジニレン基、ピリダジニレン基、1,3,5−トリアジニレン基、1,2,4−トリアジニレン基、ピロリレン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、1,2,4−トリアゾリレン基、テトラゾリレン基、チエニレン基、フラニレン基、オキサゾリレン基、イソオキサゾリレン基、チアゾリレン基又はイソチアゾリレン基が挙げられる。
水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3〜6のシクロアルキルオキシ基とは、単結合の末端のエーテル結合を介して結合された、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3〜6のシクロアルキル基を意味し、例えば、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基又はシクロヘキシルオキシ基が挙げられる。
が結合している炭素原子がR、R及びR並びにRが結合している窒素原子と一緒になって形成する「環構成原子数5〜8の環」とは、一般式(I)で表される式中のイミダゾール環の1位の窒素原子及び2位の炭素原子を含む環構成原子数5〜8の環を意味し、例えば、ピペリジン環、ピロリジン環、アゼパン環、アゾカン環又はモルホリン環が挙げられる。
水素原子が1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい環構成原子数5又は6のヘテロアリールオキシ基とは、単結合の末端のエーテル結合を介して結合された、水素原子が1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい環構成原子数5又は6のヘテロアリール基を意味し、例えば、ピリジルオキシ基、ピリミジニルオキシ基、ピラジニルオキシ基又はピリダジニルオキシ基が挙げられる。
及びRが、Rが結合している炭素原子及びRが結合している炭素原子と一緒になって形成する環構成原子数5〜8の環とは、Rと縮合した環上の水素原子が1〜5個のハロゲンで置換されていてもよい環構成原子数5〜8の飽和炭化水素環もしくは飽和複素環を意味し、例えば、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、テトラヒドロピラン環、ジオキソラン環、2,2−ジフルオロジオキソラン環又はジオキサン環が挙げられる。
水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されている炭素数1〜6のアルキル基とは、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されている炭素原子を1〜6個有する直鎖状の炭化水素基又は炭素原子を3〜6個有する分岐鎖状の炭化水素基を意味し、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基又は2,2,2−トリフルオロエチル基が挙げられる。
上記のニペコチン酸誘導体は、一般式(I)において、Rは、水素原子、又は、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基若しくは炭素数1〜6のアルキルオキシ基であることが好ましく、水素原子又は水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3〜6のシクロアルキル基若しくは炭素数1〜6のアルキルオキシ基であることがより好ましく、水素原子であることがさらに好ましい。
は、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキレン基又は水素原子が1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい環構成原子数5若しくは6のヘテロアリレン基であることが好ましく、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキレン基であることがより好ましい。
−R−は、メチル基、エチル基、2−フルオロエチル基、イソブチル基、ピラジン−2−イル基又はピリミジン−2−イル基であることが好ましい。
は、水素原子又はフェニル基上の水素原子が1若しくは2個の水酸基で置換されていてもよい−CH=CH−C(O)−Phであることが好ましい。
が結合した炭素原子が、R、R及びR並びにRが結合した窒素原子と一緒になって環構成原子数5〜8の環を形成する場合は、形成される環は、ピペリジン環、ピロリジン環、アゼパン環、アゾカン環又はモルホリン環が好ましく、ピペリジン環、ピロリジン環又はモルホリン環がより好ましく、ピロリジン環又はモルホリン環がさらに好ましい。
及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又は水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基若しくは炭素数1〜6のアルキルオキシ基、又は、水素原子が1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい環構成原子数5若しくは6のヘテロアリール基又は環構成原子数5若しくは6のヘテロアリールオキシ基であることが好ましいが、Rが結合している炭素原子及びRが結合している炭素原子と一緒になって、環構成原子数5〜8の環を形成することも好ましい。
nが0である場合は、Rは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、又は、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基若しくは炭素数1〜6のアルキルオキシ基であることがより好ましく、Rは、Rが水素原子である場合に、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されている炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルキルオキシ基であることが好ましく、Rが、ハロゲン原子、シアノ基、又は、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基若しくは炭素数1〜6のアルキルオキシ基である場合に、ハロゲン原子、シアノ基、又は、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基若しくは炭素数1〜6のアルキルオキシ基であることが好ましいが、R及びRは、Rが結合している炭素原子及びRが結合している炭素原子と一緒になって、水素原子が1又は2個のハロゲン原子で置換されていてもよいジオキソランを形成することも好ましい。
が、R及びRで置換されたフェニル基であり、かつ、nが1である場合、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、又は、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基若しくは炭素数1〜6のアルキルオキシ基であることがより好ましいが、Rが結合している炭素原子及びRが結合している炭素原子と一緒になって環構成原子数5〜8の環を形成することも好ましい。
及びRが、Rが結合している炭素原子及びRが結合している炭素原子と一緒になって環構成原子数5〜8の環を形成する場合、形成される環は、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、テトラヒドロピラン環、ジオキソラン環、2,2−ジフルオロジオキソラン環又はジオキサン環が好ましく、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、ジオキソラン環又は2,2−ジフルオロジオキソラン環がより好ましく、2,2−ジフルオロジオキソラン環がさらに好ましい。
上記のニペコチン酸誘導体(以下、ニペコチン酸誘導体(I))は、少なくとも1個の不斉炭素原子を有しており、光学異性体やジアステレオマーが存在するものであるが、ニペコチン酸誘導体(I)は単一異性体のみならず、ラセミ体及びジアステレオマー混合物も包含するものである。
ニペコチン酸誘導体(I)の薬理学的に許容される塩としては、例えば、酸付加塩として塩酸塩、トリフルオロ酢酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩又はメタンスルホン酸塩が挙げられるが、塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩又はメタンスルホン酸塩が好ましい。
ニペコチン酸誘導体(I)がカルボキシル基等の酸性置換基を有する場合は、塩基との塩であってもよく、例えば、ナトリウム塩若しくはカリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩若しくはマグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩又はアンモニウム塩、トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩若しくはN,N−ジベンジルエチレンジアミン塩等の有機塩基塩あるいはアルギニン塩、リジン塩又はオルニチン塩等の塩基性アミノ酸塩が挙げられるが、ナトリウム塩、カリウム塩又はエタノールアミン塩が好ましい。
イミダゾリルスルホンアミド構造を有するニペコチン酸誘導体(I)以外にも、ヘテロアリールスルホンアミド構造を有するニペコチン酸誘導体の中には、優れたsEH阻害活性を示すものがあり、そのようなヘテロアリールスルホンアミド構造としては、例えば、ピリジルスルホンアミド構造、ピラジルスルホンアミド構造又はピラゾリルスルホンアミド構造が挙げられる。しかし、これらのニペコチン酸誘導体は、溶解性等の物性に問題があるため、医薬用途に用いるニペコチン酸誘導体としては、ニペコチン酸誘導体(I)が好ましい。
「慢性腎臓病」とは、米国腎臓病財団―腎臓病患者の予後改善機構(The National Kidney Foundation−Kidney Disease Outcomes Quality Initiative;以下、K/DOQI)により定義された疾病を意味する。すなわち、(1)糸球体濾過量(Glomerular filtration rate;以下、GFR)の減少の有無に関わらず、腎臓の構造上又は機能上の異常により定義される腎臓の損傷を3ヶ月間以上にわたり有する疾病、又は、(2)腎臓の損傷の有無に関わらず、GFRが3ヶ月間以上にわたり60mL/min/1.73m未満である疾病を意味する。
「肺高血圧症」とは、血液を心臓から肺に送る肺動脈圧の上昇を認める病態のうち、平均肺動脈圧が20mmHg以上を示す疾病を意味する(Heart View、2001年、第5巻、11号、p.1390−1396)。
ニペコチン酸誘導体(I)の製造に使用する出発物質と試薬は、市販品をそのまま利用してもよいし、又は、公知の方法により製造しても構わない。
ニペコチン酸誘導体(I)は、例えば、以下のスキーム1に示すように、塩基の存在下、アミン誘導体(II)と塩化スルホン酸誘導体(III)を縮合させることにより製造できる。
(製造法1)
Figure 2014070051
[式中、R〜R及びnは、上記定義に同じ。]
縮合反応に用いる溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMF)、テトラヒドロフラン(以下、THF)、ジクロロメタン、クロロホルム、ジエチルエーテル又はジメチルエーテル(以下、DME)が挙げられるが、DMF、THF又はジクロロメタンが好ましく、THF又はジクロロメタンがより好ましい。
縮合反応に用いる塩基としては、例えば、ジイソプロピルエチルアミン(以下、DIPEA)、トリエチルアミン(以下、TEA)、ピリジン若しくはN−メチルモルホリン等の有機塩基又は炭酸カリウム、炭酸ナトリウム若しくは炭酸水素ナトリウム等の有機酸塩が挙げられるが、DIPEA又はTEAが好ましい。該塩基の当量は、アミン酸誘導体(II)に対して1〜100当量が好ましく、1〜10当量がより好ましい。
縮合反応に用いる塩化スルホン酸誘導体(III)の当量は、アミン酸誘導体(II)に対して0.1〜100当量が好ましく、0.1〜10当量がより好ましく、0.8〜10当量がさらに好ましい。
縮合反応の反応温度は、−50〜100℃が好ましく、0〜50℃がより好ましく、0〜30℃がさらに好ましい。また、縮合反応の反応時間は、1分間〜48時間が好ましく、1分間〜24時間がより好ましく、10分間〜24時間がさらに好ましい。
縮合反応におけるアミン誘導体(II)の反応開始時の濃度は、0.01〜100Mが好ましく、0.01〜10Mがより好ましく、0.1〜10Mがさらに好ましい。
上記の製造法1における出発物質であるアミン誘導体(II)は、例えば、以下のスキーム2に示すように、アミン誘導体(IV)の保護基を公知の方法で脱保護することにより、製造することができる。
(製造法2)
Figure 2014070051
[式中、R及びnは、上記定義に同じであり、R10は、保護基である。]
上記の製造法1における塩化スルホン酸誘導体(III)は、市販品をそのまま利用してもよいし、又は、公知の方法により製造しても構わない。市販品が入手できない場合は、例えば、以下のスキーム3に示すように、塩基の存在下、アルキル化剤(VI)を用いてニペコチン酸誘導体(V)をアルキル化し、R−R−を導入することにより、ニペコチン酸誘導体(I)を製造することもできる。
(製造法3)
Figure 2014070051
[式中、R〜R及びnは、上記定義に同じであり、Xは、脱離基である。]
アルキル化反応に用いる溶媒としては、例えば、DMF、THF、ジオキサン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジエチルエーテル又はDMEが挙げられるが、DMF、THF又はDMEが好ましく、DMF又はTHFがより好ましい。
アルキル化反応に用いる塩基としては、例えば、水素化ナトリウム、水素化リチウム若しくは水素化カリウム等のアルカリ金属の水素化物又はリチウムジイソプロピルアミド若しくはリチウムビストリメチルシリルアミド等の金属アミドが挙げられるが、水素化ナトリウム又はリチウムジイソプロピルアミドが好ましい。該塩基の当量は、ニペコチン酸誘導体(V)に対して1〜100当量が好ましく、1〜10当量がより好ましい。
アルキル化反応に用いるアルキル化剤(VI)の当量は、ニペコチン酸誘導体(V)に対して1〜10当量が好ましく、1〜3当量がより好ましく、1〜1.5当量がさらに好ましい。
アルキル化反応の反応温度は、−50〜100℃が好ましく、0〜50℃がより好ましく、0〜30℃がさらに好ましい。また、アルキル化反応の反応時間は、30分間〜48時間が好ましく、30分間〜12時間がより好ましく、30分間〜8時間がさらに好ましい。
アルキル化反応におけるニペコチン酸誘導体(V)の反応開始時の濃度は、0.01〜100Mが好ましく、0.01〜10Mがより好ましく、0.1〜3Mがさらに好ましい。
上記の製造法2における出発物質であるアミン誘導体(IV)は、例えば、以下のスキーム4に示すように、塩基の存在下、ニペコチン酸誘導体(VII)とアミン誘導体(VIII)を縮合させることにより、製造できる。
(製造法4)
Figure 2014070051
[式中、R、R10及びnは、上記定義に同じ。]
縮合反応に用いる縮合剤としては、例えば、シクロヘキシルカルボジイミド、N−エチル−N’−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩、N,N−カルボジイミダゾール又はO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート(以下、HATU)が挙げられるが、HATUが好ましい。
縮合反応に用いる溶媒としては、縮合剤としてHATUを用いる場合、例えば、DMF、THF、ジオキサン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジエチルエーテル又はDMEが挙げられるが、DMF又は1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンが好ましく、DMFがより好ましい。
縮合反応に用いる塩基としては、例えば、DIPEA、TEA、ピリジン又はN−メチルモルホリンが挙げられるが、DIPEA又はTEAが好ましい。該塩基の当量は、ニペコチン酸誘導体(VII)に対して1〜100当量が好ましく、1〜10当量がより好ましい。
縮合反応に用いるアミン誘導体(VIII)の当量は、ニペコチン酸誘導体(VII)に対して1〜10当量が好ましく、1〜3当量がより好ましく、1〜1.5当量がさらに好ましい。
縮合反応の反応温度は、−50〜100℃が好ましく、0〜50℃がより好ましく、0〜30℃がさらに好ましい。また、縮合反応の反応時間は、30分間〜48時間が好ましく、30分間〜12時間がより好ましく、1〜8時間がさらに好ましい。
縮合反応におけるニペコチン酸誘導体(VI)の反応開始時の濃度は、0.01〜100Mが好ましく、0.01〜10Mがより好ましく、0.1〜10Mがさらに好ましい。
以上のようにして得られるニペコチン酸誘導体(I)若しくはその薬学的に許容される酸付加塩又はニペコチン酸誘導体(I)の製造に用いる中間体、原料化合物若しくは試薬は、必要に応じて、抽出、蒸留、クロマトグラフィー又は再結晶等の方法で単離精製しても構わない。
ニペコチン酸誘導体(I)の具体例を表1−1〜1−7に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2014070051
Figure 2014070051
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Figure 2014070051
Figure 2014070051
Figure 2014070051
Figure 2014070051
Figure 2014070051
また、本発明のsEH阻害剤及び医薬、特に、慢性腎臓病及び肺高血圧症の治療薬及び予防薬は、ニペコチン酸誘導体(I)又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴としている。
「sEH阻害剤」とは、EETsの加水分解を触媒するsEHの作用を阻害する化合物、すなわちsEH阻害活性を示す化合物、又は、該化合物を有効成分として含有する組成物を意味する。sEH阻害剤が示すsEH阻害活性は、例えば、ヒト由来のsEHと、その基質であるEETsとをsEH阻害剤の存在下で反応させ、産生されるDHETの量を対照と比較することで測定することができる。また、市販の測定キット(Soluble Epoxide Hydrolase Inhibitor Screening Assay Kit;Cayman社)を用いるか、公知文献(Analytical Biochemistry、2006年、第355巻、p.71−80等)に記載の方法によっても、sEH阻害剤の活性を測定することができる。さらに、ラセミ性4−ニトロフェニル−トランス−2,3−エポキシ−3−フェニルプロピルカーボネートを基質として用いて、酵素(0.24μMのヒトsEH)を、基質(40μM)導入の前に、リン酸ナトリウム緩衝液(0.1M、pH7.4)中にてsEH阻害剤とともに30℃で5分間インキュベートし、405nmの4−ニトロフェノラート陰イオンの出現を30℃で1分間測定(Spectramax 200;Molecular Devices社)するか、あるいは、シアノ(6−メトキシ−ナフタレン−2−イル)メチルトランス−[(3−フェニルオキシラン−2−イル)メチル]カーボネートを基質として用いて、酵素(0.96nMのヒトsEH)を、基質(5μM)導入の前に、sEH阻害剤とともにBisTris−HCl緩衝液(25mM、pH7.0、0.1mg/mLのBSAを含む)中にて30℃で5分間インキュベートし、6−メトキシ−2−ナフトアルデヒドの出現をモニターすることによっても、sEH阻害剤のsEH阻害活性を測定することができる。
ニペコチン酸誘導体(I)又はその薬理学的に許容される塩は、sEH阻害活性を示すので、sEHの活性化に伴うEETsの減少に起因する疾患である慢性腎臓病及び肺高血圧症の治療又は予防に有効である。
ニペコチン酸誘導体(I)又はその薬理学的に許容される塩の慢性腎臓病に対する治療効果は、人為的に慢性腎臓病を誘発させた動物モデルを用いて評価することができる。そのような動物モデルとしては、例えば、マウスやラットを用いた抗糸球体基底膜抗体(抗GBM抗体)腎炎モデル(Kidney Internatinal、2003年、第64巻、p.1241−1252等)又は5/6腎摘出による腎不全モデル(Journal of the American Society of Nephrology、2002年、第13巻、p.2909−2915等)が挙げられる。
また、ニペコチン酸誘導体(I)又はその薬理学的に許容される塩の肺高血圧症に対する治療効果は、人為的に肺高血圧症を誘発させた動物モデルを用いて評価することができる。そのような動物モデルとしては、例えば、ラットを用いたモノクロタリン投与肺高血圧症モデル(J Pharmacol Sci、2009年、第111巻、p.235−243)が挙げられる。
ニペコチン酸誘導体(I)又はその薬理学的に許容される塩は、生体内の酵素に対して強い抑制作用を示し、加えて動物試験において慢性腎臓病及び肺高血圧症に対し治療効果を示す生理活性物質であるため、医薬品又は農薬等の有効成分として用いることができる。
ニペコチン酸誘導体(I)又はその薬理学的に許容される塩を治療薬又は予防薬として用いる場合は、そのまま粉末剤として、又は、適当な剤形の医薬組成物として、哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、イヌ、サル、ウシ、ヒツジ又はヒト)に対して経口的若しくは非経口的(例えば、経皮投与、静脈投与、直腸内投与、吸入投与、点鼻投与又は点眼投与)に投与することができる。
哺乳動物への投与のための剤形としては、例えば、錠剤、散剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、シロップ剤、液剤、注射剤、乳剤、懸濁剤若しくは坐剤又は公知の持続型製剤が挙げられる。これら剤形は、公知の方法によって製造することができ、製剤分野において一般的に用いられる担体を含有するものである。そのような担体としては、例えば、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤(液状製剤における溶剤)、溶解補助剤、懸濁化剤又は無痛化剤が挙げられる。また必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、吸着剤又は湿潤剤等の添加物を用いても構わない。
賦形剤としては、例えば、乳糖、D−マンニトール、澱粉、ショ糖、コーンスターチ、結晶セルロース又は軽質無水ケイ酸が挙げられる。
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク又はコロイドシリカが挙げられる。
結合剤としては、例えば、結晶セルロース、D−マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、澱粉、ショ糖、ゼラチン、メチルセルロース又はカルボキシメチルセルロースナトリウムが挙げられる。
崩壊剤としては、例えば、澱粉、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム又はL−ヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。
溶剤としては、例えば、注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油又はトウモロコシ油が挙げられる。
溶解補助剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム又はクエン酸ナトリウムが挙げられる。
懸濁化剤としては、例えば、ステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム若しくはモノステアリン酸グリセリン等の界面活性剤又はポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース若しくはヒドロキシプロピルセルロース等の親水性高分子が挙げられる。
等張化剤としては、例えば、ブドウ糖、塩化ナトリウム、D−ソルビトール又はD−マンニトールが挙げられる。
緩衝剤としては、例えば、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩又はクエン酸塩等の緩衝液が挙げられる。
無痛化剤としては、例えば、ベンジルアルコールが挙げられる。
防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸又はソルビン酸が挙げられる。
抗酸化剤としては、例えば、亜硫酸塩又はアスコルビン酸が挙げられる。
上記の医薬は、ニペコチン酸誘導体(I)又はその薬理学的に許容される塩を0.001〜99重量%含有することが好ましく、0.01〜99重量%含有することがより好ましい。ニペコチン酸誘導体(I)又はその薬理学的に許容される塩の有効投与量及び投与回数は、投与形態、患者の年齢、体重、治療すべき症状の性質又は重篤度によっても異なるが、通常成人1日当り1〜1000mgを、好ましくは1〜300mgを、1回又は数回に分けて投与することができる。
なお上記の医薬は、単独で投与してもよいが、疾患の予防効果若しくは治療効果の補完又は増強あるいは投与量の低減のために、他の薬剤と配合するか、他の薬剤と併用して使用することもできる。
配合又は併用し得る他の薬剤としては、例えば、糖尿病治療薬、糖尿病性合併症治療薬、高脂血症治療薬、降圧剤、肺高血圧症治療薬、抗肥満薬、利尿薬、化学療法薬、免疫療法薬、抗血栓薬又は悪液質改善薬(以下、併用薬剤)が挙げられる。
上記の医薬を併用薬剤と併用して使用する場合には、上記の医薬及び併用薬剤の投与時期は特に限定されず、これらを投与対象に対して同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与しても構わない。また、併用薬剤は低分子化合物であってもよいし、高分子の蛋白、ポリペプチド若しくは抗体又はワクチン等であっても構わない。併用薬剤の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として、適宜選択することができる。
上記の医薬を併用薬剤と配合して使用する場合には、上記の医薬と併用薬剤との配合比は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状又は組み合わせ等により適宜選択することができる。例えば、投与対象がヒトである場合には、ニペコチン酸誘導体(I)又はその薬理学的に許容される塩に対し、併用薬剤を0.01〜99.99の配合比で用いればよい。
糖尿病治療薬としては、例えば、ウシ若しくはブタの膵臓から抽出された動物インスリン製剤、大腸菌若しくは酵母を用いて遺伝子工学的に合成したヒトインスリン製剤、インスリン亜鉛、プロタミンインスリン亜鉛、インスリンのフラグメント若しくは誘導体等のインスリン製剤、塩酸ピオグリタゾン、トログリタゾン、ロシグリタゾン若しくはそのマレイン酸塩等のインスリン抵抗性改善剤、ボグリボース、アカルボース、ミグリトール若しくはエミグリテート等のα−グルコシダーゼ阻害剤、フェンホルミン、メトホルミン若しくはブホルミン等のビグアナイド剤、トルブタミド、グリベンクラミド、グリクラジド、クロルプロパミド、トラザミド、アセトヘキサミド、グリクロピラミド、グリメピリド、グリピザイド、グリブゾール、レパグリニド、ナテグリニド、ミチグリニド若しくはそのカルシウム塩水和物等のインスリン分泌促進剤、プラムリンチド等のアミリンアゴニスト、バナジン酸等のホスホチロシンホスファターゼ阻害剤、シタグリプチン、ビルダグリプチン、アログリプチン等のDPP−IV阻害薬、エクセナチド、リラグルチド等のGLP−1様作用物質、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、グルコース−6−ホスファターゼ阻害剤、グルカゴン拮抗剤又はSGLUT阻害剤が挙げられる。
糖尿病性合併症治療薬としては、例えば、トルレスタット、エパルレスタット、ゼナレスタット、ゾポルレスタット、ミナルレスタット若しくはフィダレスタット等のアルドース還元酵素阻害剤、NGF、NT−3若しくはBDNF等の神経栄養因子、神経栄養因子産生・分泌促進剤、PKC阻害剤、AGE阻害剤、チオクト酸等の活性酸素消去薬又はチアプリド若しくはメキシレチン等の脳血管拡張剤が挙げられる。
高脂血症治療薬としては、例えば、プラバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、リパンチル、セリバスタチン若しくはイタバスタチン等のHMG−CoA還元酵素阻害薬、ベザフィブラート、ベクロブラート、ビニフィブラート、シプロフィブラート、クリノフィブラート、クロフィブラート、クロフィブリン酸、エトフィブラート、フェノフィブラート、ゲムフィブロジル、ニコフィブラート、ピリフィブラート、ロニフィブラート、シムフィブラート若しくはテオフィブラート等のフィブラート系化合物、スクアレン合成酵素阻害剤、アバシマイブ若しくはエフルシマイブ等のACAT阻害剤、コレスチラミン等の陰イオン交換樹脂、プロブコール、ニコモール若しくはニセリトロール等のニコチン酸系薬剤又はイコサペント酸エチル、ソイステロール若しくはガンマオリザノール等の植物ステロールが挙げられる。
降圧剤としては、例えば、カプトプリル、エナラプリル若しくはデラプリル等のアンジオテンシン変換酵素阻害剤、カンデサルタンシレキセチル、ロサルタン、エプロサルタン、バルサンタン、テルミサルタン、イルベサルタン若しくはタソサルタン等のアンジオテンシンII拮抗剤、マニジピン、ニフェジピン、ニカルジピン、アムロジピン若しくはエホニジピン等のカルシウム拮抗剤、レブクロマカリム等のカリウムチャンネル開口薬、クロニジン又はアリスキレンが挙げられる。
肺高血圧症治療薬としては、例えば、ボセンタン、アンブリセンタン、シタキセンタン若しくはマシテンタン等のエンドセリン受容体拮抗薬、シルデナフィル、タダラフィル若しくはバルデナフィル等のPDE−5阻害薬、ベラプロスト、イロプロスト、エポプロステノール若しくはトレプロスチニル等のプロスタサイクリン製剤、PGI2アゴニストであるセレキシパグ又はファスジル、イマチニブ、ソラフェニブ若しくはバフェチニブ等のキナーゼ阻害薬が挙げられる。
抗肥満剤としては、例えば、デキスフェンフルラミン、フェンフルラミン、フェンテルミン、シブトラミン、アンフェプラモン、デキサンフェタミン、マジンドール、フェニルプロパノールアミン若しくはクロベンゾレックス等の中枢性抗肥満薬、オルリスタット等の膵リパーゼ阻害薬、β3アゴニスト、レプチン若しくはCNTF(毛様体神経栄養因子)等のペプチド性食欲抑制薬又はリンチトリプト等のコレシストキニンアゴニストが挙げられる。
利尿剤としては、例えば、サリチル酸ナトリウムテオブロミン若しくはサリチル酸カルシウムテオブロミン等のキサンチン誘導体、エチアジド、シクロペンチアジド、トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、ベンチルヒドロクロロチアジド、ペンフルチジド、ポリチアジド若しくはメチクロチアジド等のチアジド系製剤、スピロノラクトン若しくはトリアムテレン等の抗アルドステロン製剤、アセタゾラミド等の炭酸脱水酵素阻害剤、クロルタリドン、メフルシド若しくはインダパミド等のクロルベンゼンスルホンアミド系製剤、アゾセミド、イソソルビド、エタクリン酸、ピレタニド、ブメタニド又はフロセミドが挙げられる。
化学療法剤としては、例えば、サイクロフォスファミド若しくはイフォスファミド等のアルキル化剤、メソトレキセート若しくは5−フルオロウラシル等の代謝拮抗剤、マイトマイシン若しくはアドリアマイシン等の抗癌性抗生物質、ビンクリスチン、ビンデシン若しくはタキソール等の植物由来抗癌剤、シスプラチン、オキサロプラチン、カルボプラチン又はエトポキシド等が挙げられる。
免疫療法剤としては、例えば、ムラミルジペプチド誘導体、ピシバニール、レンチナン、シゾフィラン、クレスチン、インターフェロン、インターロイキン(IL)、顆粒球コロニー刺激因子又はエリスロポエチン等が挙げられる。
抗血栓剤としては、例えば、ヘパリンナトリウム、ヘパリンカルシウム若しくはダルテパリンナトリウム等のヘパリン、ワルファリンカリウム等のワルファリン、アルガトロバン等の抗トロンビン薬、ウロキナーゼ、チソキナーゼ、アルテプラーゼ、ナテプラーゼ、モンテプラーゼ若しくはパミテプラーゼ等の血栓溶解薬、塩酸チクロピジン、シロスタゾール、イコサペント酸エチル、ベラプロストナトリウム若しくは塩酸サルポグレラート等の血小板凝集抑制薬が挙げられる。
悪液質改善薬剤としては、例えば、インドメタシン若しくはジクロフェナック等のシクロオキシゲナーゼ阻害剤、メゲステロールアセテート等のプロゲステロン誘導体、デキサメサゾン等の糖質ステロイド、メトクロプラミド系薬剤、テトラヒドロカンナビノール系薬剤若しくはエイコサペンタエン酸等の脂肪代謝改善剤、成長ホルモン、IGF−1又は悪液質を誘導する因子であるTNF−α、LIF、IL−6若しくはオンコスタチンMに対する抗体が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
(R)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物1)の合成:
〔ステップ1〕
(R)−tert−ブチル 3−((4−(トリフルオロメチル)フェニル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシラート(参考例化合物2)の合成:
室温の(R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸(10g、44mmol)のDMF(150mL)溶液に、HATU(25g、65mmol)、4−(トリフルオロメチル)アニリン(11g、65mmol)、DIPEA(11g、87mmol)を加えて、室温下撹拌した。14時間後、反応溶液を濃縮し、得られた粗生成物を酢酸エチルに溶かし、水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=10:1→1:3)で精製し、参考例化合物2を得た。
〔ステップ2〕
(R)−N−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(参考例化合物3)の合成:
氷冷した(R)−tert−ブチル 3−((4−(トリフルオロメチル)フェニル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシラート(〔ステップ1〕で得られた参考例化合物2)のジクロロメタン(10mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(6.0mL)をゆっくりと加えて、室温下撹拌した。15時間後、反応溶液にトルエン(10mL)を加えて濃縮し、得られた粗生成物をジクロロメタンに溶かした。氷冷した反応溶液に飽和炭酸カリウム水溶液を発砲しなくなるまで加えて、室温下撹拌した。2時間後、水に反応溶液を加えて、ジクロロメタンで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をジエチルエーテルで洗浄し、参考例化合物3を9.2g(78%(2工程))得た。
〔ステップ3〕
(R)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物1)の合成:
氷冷した(R)−N−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(参考例化合物3)(50mg、0.20mmol)のジクロロメタン(5.0mL)溶液に、DIPEA(48mg、0.40mmol)、1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホニルクロリド(40mg、0.20mmol)を加えて、室温下撹拌した。1時間後、反応溶液に水を加え、室温下撹拌した。30分後、水に反応溶液を加えて、クロロホルムで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=1:1→酢酸エチルのみ)で精製し、実施例化合物1を65mg(86%)得た。
(実施例2)
(R)−1−((1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物2)の合成:
1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−4−スルホニルクロリド(72mg、0.37mmol)を用いて、実施例1〔ステップ3〕と同様の反応を行うことにより、実施例化合物2を76mg(96%)得た。
(実施例3)
(R)−1−((1−(ピリミジン−2−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物3)の合成:
〔ステップ1〕
(R)−1−((1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(参考例化合物4)の合成
1H−イミダゾール−4−スルホニルクロリド(240mg、1.4mmol)を用いて、実施例1〔ステップ3〕と同様の反応を行うことにより、参考例化合物4を380mg(74%)得た。
〔ステップ2〕
(R)−1−((1−(ピリミジン−2−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物3)の合成:
室温の(R)−1−((1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(参考例化合物4)(160mg、0.40mmol)のDMF(2.0mL)溶液に、55重量%NaH(18mg、0.40mmol)を加えて、室温下撹拌した。30分後、反応溶液に2−ブロモピリミジン(60mg、0.40mmol)を加えて、室温下撹拌した。15時間後、反応溶液を70℃下撹拌した。6時間後、反応溶液に水を加えて、酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=1:1→酢酸エチルのみ)で精製し、実施例化合物3を56mg(44%)得た。
(実施例4)
(R)−1−((1−(シクロプロピルメチル)−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物4)の合成:
室温の(R)−1−((1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(参考例化合物4)(160mg、0.40mmol)のDMF(2.0mL)溶液に、55重量%NaH(18mg、0.40mmol)を加えて、室温下撹拌した。30分後、ブロモメチルシクロプロパン(54mg、0.4mmol)を加えて、室温下撹拌した。15時間後、水に反応溶液を加えて、酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物を薄層カラムクロマトグラフィー(展開液;酢酸エチル)で精製し、実施例化合物4を52mg(43%)得た。
(実施例5)
(R)−1−((1−イソブチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物5)の合成:
室温の(R)−1−((1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(参考例化合物4)(0.10g、0.25mmol)のDMF(2.0mL)溶液に、55重量%NaH(11mg、0.27mmol)を加えて、室温下撹拌した。10分後、1−ブロモ−2−メチルプロパン(34mg、0.25mmol)を加えて、室温下撹拌した。15時間後、反応溶液に飽和食塩水を加えて、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=1:1→酢酸エチルのみ)で精製し、実施例化合物5を20mg(18%)得た。
(実施例6)
(R)−1−((1−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物6)の合成:
(R)−1−((1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(参考例化合物4)
(50mg、0.12mmol)、1−ブロモ2−メトキシエタン(19mg、0.14mmol)を用いて、実施例5と同様の反応を行うことにより、実施例化合物5を25mg(44%)得た。
(実施例7)
(R)−1−((1−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物7)の合成:
〔ステップ1〕
(R)−tert−ブチル 3−((4−トリフルオロメチル)フェニル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシラート(参考例化合物5)の合成:
(R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸(3.3g、14mmol)、4−(トリフルオロメトキシ)アニリン(2.6g、14mmol)を用いて、実施例1〔ステップ1〕と同様の反応を行うことにより、参考例化合物5を5.4g(96%)得た。
〔ステップ2〕
(R)−N−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(参考例化合物6)の合成:
(R)−tert−ブチル 3−((4−トリフルオロメチル)フェニル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシラート(参考例化合物5)(5.0g、13mmol)を用いて、実施例1〔ステップ2〕と同様の反応を行うことにより、参考例化合物6を3.5g(95%)得た。
〔ステップ3〕
(R)−1−((1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(参考例化合物7)の合成:
(R)−N−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(参考例化合物6)(700mg、2.4mmol)、1H−イミダゾール−4−スルホニルクロリド(450mg、2.7mmol)を用いて、実施例1〔ステップ3〕と同様の反応を行うことにより、参考例化合物7を400mg(39%)得た。
〔ステップ4〕
(R)−1−((1−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物7)の合成:
(R)−1−((1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(参考例化合物7)(200mg、0.48mmol)、1−ブロモ−2−メトキシエタン(68mg、0.48mmol)を用いて、実施例5と同様の反応を行い、薄層アミンシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液;ヘキサン:酢酸エチル=1:5)で精製することにより、実施例化合物7を100mg(43%)得た。
(実施例8)
(R)−1−((1−(シクロプロピルメチル)−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物8)の合成:
(R)−1−((1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(参考例化合物7)(65mg、0.16mmol)、ブロモメチルシクロプロパン(22mg、0.16mmol)を用いて、実施例5と同様の反応を行うことにより、実施例化合物8を55mg(71%)得た。
(実施例9)
(R)−1−((1−(ピラジン−2−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物9)の合成:
氷冷した(R)−1−((1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(参考例化合物7)(65mg、0.16mmol)のDMF(2.0mL)溶液に、55重量%NaH(9.0mg、0.20mmol)を加えて、室温下撹拌した。40分後、2−クロロピラジン(21mg、0.19mmol)を加えて、70℃下撹拌した。10時間後、反応溶液を90℃下撹拌した。10時間後、反応溶液を室温まで冷却し、希塩酸に加えて、酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をアミンシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=1:2→酢酸エチルのみ)で精製し、実施例化合物9を39mg(53%)得た。
(実施例10)
(R)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物10)並びにそのメタンスルホン酸塩及び塩酸塩の合成:
〔ステップ1〕
(R)−tert−ブチル 3−((5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシラート(参考例化合物8)の合成:
氷冷した(R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸(20g、87mmol)のTHF(1.0L)溶液に、DMF(0.68mL、8.7mmol)、オキサリルクロリド(8.0mL、92mmol)を、5℃を超えないように加えて、氷冷下撹拌した。30分後、反応溶液を約−25℃まで冷却し、2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン(15g、92mmol)及びピリジン(15mL、180mmol)のTHF(100mL)溶液を、−20℃を超えないように加えて、氷冷下撹拌した。3時間後、5℃を超えないように反応溶液に飽和食塩水を加えてジクロロメタンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物にヘキサンを加えて、析出した固体をろ取した。ろ液を濃縮後、同様の精製操作を2回繰り返し、得られた固体を合わせて乾燥し、参考例化合物8を26g(80%)得た。
〔ステップ2〕
(R)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(参考例化合物9)の合成:
氷冷した(R)−tert−ブチル 3−((5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシラート(参考例化合物8)(1.5g、4.0mmol)のジクロロメタン(40mL)溶液に、TFA(2.2mL、28mmol)を加えて、室温下撹拌した。2時間後、反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて塩基性とした。水に反応溶液を加えて、ジクロロメタンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、参考例化合物9を0.95g(87%)得た。
〔ステップ3〕
(R)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物10)の合成:
室温の(R)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(参考例化合物9)(0.20g、0.73mmol)のTHF(7mL)溶液に、トリエチルアミン(0.15mL、1.1mmol)、1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホニルクロリド(0.13g、0.73mmol)を加えて、室温下撹拌した。16時間後、飽和食塩水に反応溶液を加えて、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=1:1→酢酸エチルのみ)で精製し、実施例化合物10を270mg(88%)得た。
〔ステップ4−1〕
(R)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド メタンスルホン酸塩の合成:
室温の(R)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物10)(36g、86mmol)のエタノール(220mL)−ジエチルエーテル(220mL)溶液に、メタンスルホン酸(11mL、160mmol)を加えて、室温下撹拌した。1時間後、析出した固体をろ取し、表題化合物を42g(80%)得た。
〔ステップ4−2〕
(R)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド 塩酸塩の合成:
室温の(R)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物10)(3.0g、8.4mmol)の10%塩酸/メタノール(20mL)溶液に、ジエチルエーテルを加えて、室温下撹拌した。1時間後、析出した固体をろ取し、表題化合物を3.5g(92%)得た。
(実施例11)
(R)−1−((1−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物11)の合成:
〔ステップ1〕
(R)−1−((1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(参考例化合物10)の合成:
−10℃の(R)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(参考例化合物9)(6.7g、25mmol)、DIPEA(7.9g、61mmol)のメタノール(200mL)溶液に、1H−イミダゾール−4−スルホニルクロリド(4.1g、25mmol)をゆっくり加えて、−10℃下撹拌した。20分後、反応溶液にアンモニア水(10mL)を加えて、室温下撹拌した。10分後、反応溶液を体積が約半分になるまで濃縮し、水に加えて、酢酸エチルで抽出し、有機層を水、希塩酸、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をクロロホルムにて再結晶し、参考例化合物10を6.5g(66%)得た。
〔ステップ2〕
(R)−1−((1−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物11)の合成:
氷冷した(R)−1−((1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(参考例化合物10)(75mg、0.19mmol)のDMF(2.0mL)溶液に、55重量%NaH(11mg、0.24mmol)を加えて、室温下撹拌した。30分後、反応溶液に1−ブロモ−2−メトキシエタン(31mg、0.22mmol)を加えて、室温下撹拌した。15時間後、反応溶液に希塩酸を加えて、濃縮した。得られた粗生成物を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液;ヘキサン:酢酸エチル=1:3)で精製し、実施例化合物11を18mg(21%)得た。
(実施例12)
(R)−1−((1−(シクロプロピルメチル)−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物12)の合成:
氷冷した(R)−1−((1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(参考例化合物10)(75mg、0.19mmol)のDMF(2.0mL)溶液に、55重量%NaH(11mg、0.24mmol)を加えて、室温下撹拌した。30分後、(ブロモメチル)シクロプロパン(30mg、0.22mmol)を加えて、室温下撹拌した。15時間後、反応溶液に希塩酸を加えて、濃縮した。得られた粗生成物を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=1:1→酢酸エチルのみ)で精製し、実施例化合物12を28mg(33%)得た。
(実施例13)
(R)−1−((1−(ピラジン−2−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物13)の合成:
室温の(R)−1−((1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(参考例化合物10)(4.0g、9.9mmol)のDMF(7.0mL)溶液に55重量%NaH(0.62g、26mmol)を加えて、室温下撹拌した。10分後、反応溶液にヨウ化カリウム(3.4g、19mmol)、2−クロロピラジン(2.1mL、24mmol)を加えて、100℃下撹拌した。15時間後、反応溶液を室温まで冷却し、飽和食塩水を加えて、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=5:1→酢酸エチルのみ)で精製した。得られた粗生成物を酢酸エチルに溶かし、ヘキサンを加えて、析出した固体をろ取し、実施例化合物13を1.9g(40%)得た。
(実施例14)
(R)−1−((1−エチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(5−(トリフロオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物14)の合成:
室温の(R)−1−((1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(5−(トリフロオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(参考例化合物10)(0.15g、0.37mmol)のDMF(3.7mL)溶液に、55重量%NaH(24mg、0.56mmol)を加えて、室温下撹拌した。30分後、反応溶液にブロモエタン(36μL、0.48mmol)を加えて、50℃下撹拌した。16時間後、反応溶液を室温まで冷却し、水に加えて、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=1:1→酢酸エチルのみ)で精製し、実施例化合物14を81mg(50%)得た。
(実施例15)
(R)−1−((1−イソプロピル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(5−(トリフロオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物15)の合成:
室温の(R)−1−((1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(5−(トリフロオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(参考例化合物10)(0.15g、0.37mmol)のDMF(3.7mL)溶液に、55重量%NaH(24mg、0.56mmol)を加えて、室温下撹拌した。30分後、反応溶液に2−ブロモプロパン(45μL、0.48mmol)を加えて、50℃下撹拌した。16時間後、反応溶液を室温まで冷却し、水に加えて、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=5:1→1:3)で精製し、実施例化合物15を62mg(37%)得た。
(実施例16)
(R)−1−((1−イソブチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物16)並びにそのメタンスルホン酸塩及び塩酸塩の合成:
〔ステップ1〕
(R)−1−((1−イソブチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物16)の合成:
室温の(R)−1−((1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(5−(トリフロオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(参考例化合物10)(0.15g、0.37mmol)のDMF(3.7mL)溶液に、55重量%NaH(24mg、0.56mmol)を加えて、室温下撹拌した。30分後、反応溶液に1−ヨード−2−メチルプロパン(56μL、0.48mmol)を加えて、50℃下撹拌した。16時間後、反応溶液を室温まで冷却し、水に加えて、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=5:1→1:3)で精製し、実施例化合物16を73mg(43%)得た。
〔ステップ2−1〕
(R)−1−((1−イソブチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド メタンスルホン酸塩の合成:
(R)−1−((1−イソブチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物16)(5.0g、11mmol)を用いて、実施例10〔ステップ4−1〕と同様の反応を行うことにより、表題化合物を5.8g(95%)得た。
〔ステップ2−2〕
(R)−1−((1−イソブチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド 塩酸塩の合成:
(R)−1−((1−イソブチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物16)(3.0g、6.5mmol)を用いて、実施例10〔ステップ4−2〕と同様の反応を行うことにより、表題化合物3.0g(92%)を得た。
(実施例17)
(R)−1−((1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(5−(トリフロオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物17)の合成:
窒素雰囲気下、室温の(R)−1−((1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(参考例化合物10)(0.15g、0.37mmol)のアセトニトリル(2.4mL)溶液に、炭酸カリウム(41mg、0.30mmol)、2−ブロモエタノール(31μmL、0.25mmol)を加えて、60℃下撹拌した。16時間後、反応溶液を室温まで冷却し、不溶物をろ別し、ろ液を濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=1:1→酢酸エチルのみ)で精製し、実施例化合物17を61mg(55%)得た。
(実施例18)
(R)−1−((1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(5−(トリフロオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド塩酸塩(実施例化合物18)の合成:
窒素雰囲気下、室温の(R)−1−((1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(参考例化合物10)(2.5g、6.2mmol)のDMF(20mL)溶液に、55重量%NaH(0.31g、7.1mmol)を加えて、室温下撹拌した。30分後、反応溶液にイソブチレンオキシド(5.6mL、62mmol)を加えて、50℃下撹拌した。16時間後、反応溶液を室温まで冷却し、水に加えて、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=1:1→酢酸エチルのみ)で精製し、実施例化合物18を2.5g(73%)得た。
(実施例19)
(R)−4−(4−((3−((5−(トリフロオロメチル)ピリジン−2−イル)カルバモイル)ピペリジン−1−イル)スルホニル)−1H−イミダゾール−1−イル)酪酸(実施例化合物19)の合成:
〔ステップ1〕
(R)−エチル 4−(4−((3−((5−(トリフロオロメチル)ピリジン−2−イル)カルバモイル)ピペリジン−1−イル)スルホニル)−1H−イミダゾール−1−イル)ブタノアート(参考例化合物11)の合成:
窒素雰囲気下、室温の(R)−1−((1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(5−(トリフロオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(参考例化合物10)(0.15g、0.37mmol)のDMF(4.0mL)溶液に、55重量%NaH(65mg、1.5mmol)、ヨウ化ナトリウム(0.22g、1.5mmol)を加えて、室温下撹拌した。30分後、反応溶液にブロモ酪酸エチル(0.21mL、1.5mmol)を加えて、50℃下撹拌した。16時間後、反応溶液を室温まで冷却し、水に加えて、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=1:1→酢酸エチルのみ)で精製し、参考例化合物11を65mg(34%)得た。
〔ステップ2〕
(R)−4−(4−((3−((5−(トリフロオロメチル)ピリジン−2−イル)カルバモイル)ピペリジン−1−イル)スルホニル)−1H−イミダゾール−1−イル)酪酸(実施例化合物19)の合成:
室温の(R)−エチル 4−(4−((3−((5−(トリフロオロメチル)ピリジン−2−イル)カルバモイル)ピペリジン−1−イル)スルホニル)−1H−イミダゾール−1−イル)ブタノアート(参考例化合物11)(65mg、0.12mmol)のメタノール(2.0mL)溶液に、1N水酸化ナトリウム水溶液(1.2mL、1.2mmol)を加えて、室温下撹拌した。30分後、反応溶液に希塩酸を加えて、クロロホルムで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;酢酸エチルのみ)で精製し、実施例化合物19を6.0mg(10%)得た。
(実施例20)
(R)−メチル 2,2−ジメチル−4−(4−((3−((5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)カルバモイル)ピペリジン−1−イル)スルホニル)−1H−イミダゾール−1−イル)ブタノアート(実施例化合物20)の合成:
窒素雰囲気下、氷冷した3,3−ジメチルジヒドロフラン−2(3H)−オン(0.50g、4.4mmol)のジクロロメタン(22mL)溶液に、トリメチルシリルブロミド(1.7mL、13mmol)、メタノール(1.2mL)を加えて、室温下撹拌した。3時間後、反応溶液に水を加えて、ジクロロメタンで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をTHF(4.0mL)、DMF(1.0mL)に溶かし、室温下、(R)−1−((1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(5−(トリフロオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(参考例化合物10)(0.10g、0.25mmol)、55重量%NaH(24mg、0.54mmol)、15−クラウンエーテル−5(0.11mL、0.54mmol)を加えて、50℃下撹拌した。4時間後、反応溶液を室温まで冷却し、水を加えて、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=2:1→酢酸エチルのみ)で精製し、実施例化合物20を62mg(46%)得た。
(実施例21)
(R)−1−((5,6,7,8−テトラヒドロ[1,2−a]ピリジン−2−イル)スルホニル)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物21)の合成:
〔ステップ1〕
2−(2−オキソピペリジン−1−イル)アセトニトリル(参考例化合物12)の合成:
氷冷した2−ピペリドン(10g、100mmol)のDMF(500mL)溶液に、55重量%NaH(4.4g、110mmol)を加えて、室温下撹拌した。15分後、反応溶液にブロモアセトニトリル(13g、110mmol)のDMF(50mL)溶液を加えて、室温下撹拌した。16時間後、反応溶液に飽和食塩水を加えて、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、参考例化合物12を6.7g(48%)得た。
〔ステップ2〕
2−(2−オキソピペリジン−1−イル)エタンチオアミド(参考例化合物13)の合成:
室温の2−(2−オキソピペリジン−1−イル)アセトニトリル(参考例化合物12)(6.7g、49mmol)のジクロロメタン(60mL)溶液に、ピリジン(78mL、970mmol)、チオ酢酸(28mL、390mmol)を加えて、室温下撹拌した。6時間後、反応溶液を濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=3:1→1:3)で精製し、参考例化合物13を5.7g(68%)得た。
〔ステップ3〕
O−tert−ブチル S−(5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)カルボチオアート(参考例化合物14)の合成:
アルゴン雰囲気下、−78℃の2−(2−オキソピペリジン−1−イル)エタンチオアミド(参考例化合物13)(5.7g、33mmol)のジクロロメタン(150mL)溶液に、トリエチルアミン(18mL、130mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(18mL、99mmol)を加えて、室温下撹拌した。16時間後、反応溶液にメタノール(150mL)を加えて、室温下撹拌した。15分後、反応溶液を濃縮し、得られた粗生成物をジクロロメタン(150mL)に溶かした。室温の反応溶液にトリエチルアミン(30mL、130mmol)、N,N−ジメチルピリジン−4−アミン(0.40mg、3.3mmol)、ジ−tert−ブチルジカルボナート(29g、130mmol)を加えて、室温下撹拌した。16時間後、反応溶液を濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=1:1→酢酸エチルのみ)で精製し、参考例化合物14を5.0g(59%)得た。
〔ステップ4〕
5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−スルホニルクロリドの合成
氷冷したO−tert−ブチル S−(5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)カルボノチオアート(参考例化合物14)(0.10g、0.39mmol)の濃硫酸(1.0mL)溶液に、40%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(2.9mL、16mmol)を加えて、氷冷下撹拌した。10分後、反応溶液をジクロロメタンで抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、濃縮した。得られた粗生成物(120mg)は、これ以上精製することなく次の反応に用いた。
〔ステップ5〕
(R)−((5,6,7,8−テトラヒドロ[1,2−a]ピリジン−2−イル)スルホニル)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物21)の合成:
室温の(R)−N−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(参考例化合物9)(50mg、0.18mmol)のジクロロメタン(1.0mL)溶液に、DIPEA(32μL、0.18mmol)、5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−スルホニルクロリド(40mg、0.18mmol)のジクロロメタン(5.0mL)溶液を加えて、室温下撹拌した。5時間後、反応溶液に飽和食塩水を加えて、ジクロロメタンで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、実施例化合物21を50mg(60%)得た。
(実施例22)
(R)−1−((6,8−ジヒドロ−5H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−2−イル)スルホニル)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物22)の合成:
〔ステップ1〕
2−(3−オキソモルホリノ)アセトニトリル(参考例化合物15)の合成:
モルホリン−3−オン(1.5g、15mmol)を用いて、実施例21〔ステップ1〕と同様の反応を行うことにより、参考例化合物15を1.1g(53%)得た。
〔ステップ2〕
2−(3−オキソモルホリノ)エタンチオアミド(参考例化合物16)の合成:
2−(3−オキソモルホリノ)アセトニトリル(参考例化合物15)(0.5g、3.6mmol)を用いて、実施例21〔ステップ2〕と同様の反応を行うことにより、参考例化合物16を0.39g(63%)得た。
〔ステップ3〕
O−tert−ブチル S−(6,8−ジヒドロ−5H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−2−イル)カルボノチオアート(参考例化合物17)の合成:
2−(3−オキソモルホリノ)エタンチオアミド(参考例化合物16)(0.39g、2.2mmol)を用いて、実施例21〔ステップ3〕と同様の反応を行うことにより、参考例化合物17を0.31g(55%)得た。
〔ステップ4〕
6,8−ジヒドロ−5H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−2−スルホニルクロリドの合成:
O−tert−ブチル S−(6,8−ジヒドロ−5H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−2−イル)カルボノチオアート(参考例化合物17)(30mg、0.12mmol)を用いて、実施例21〔ステップ4〕と同様の反応を行うことにより、表題化合物の50mg(粗生成物)を得た。
〔ステップ5〕
(R)−1−((6,8−ジヒドロ−5H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−2−イル)スルホニル)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物22)の合成:
室温の(R)−N−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(参考例化合物9)(30mg、0.11mmol)のジクロロメタン(1.0mL)溶液に、DIPEA(19μL、0.11mmol)、6,8−ジヒドロ−5H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−2−スルホニルクロリド(24mg、0.11mmol)のジクロロメタン(5.0mL)溶液を加えて、室温下撹拌した。5時間後、反応溶液に飽和食塩水を加えて、ジクロロメタンで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=5:3)で精製し、実施例化合物22を40mg(79%)得た。
(実施例23)
(R)−N−(4−イソプロピルフェニル)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物23)の合成:
〔ステップ1〕
(R)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)ピペリジン−3−カルボン酸(参考例化合物18)の合成:
氷冷した(R)−ピペリジン−3−カルボン酸(10g、77mmol)、炭酸ナトリウム(8.2g、77mmol)のTHF(150mL)−水(30mL)溶液に、1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホニルクロリド(14g、77mmol)のTHF(50mL)溶液を加えて、室温下撹拌した。15時間後、反応溶液を濃縮し、1N塩酸を加えて、中和した。析出した固体をろ取し、参考例化合物18を14g(66%)得た。
〔ステップ2〕
(R)−N−(4−イソプロピルフェニル)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物23)の合成:
室温の(R)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)ピペリジン−3−カルボン酸(参考例化合物18)(0.15g、0.55mmol)のDMF(5mL)溶液に、HATU(0.31g、0.82mmol)、DIPEA(0.11g、0.82mmol)、p−アミノクメン(0.11g、0.82mmol)を加えて、室温下撹拌した。16時間後、反応溶液に飽和食塩水を加えて、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=1:9)で精製し、実施例化合物23を190mg(86%)得た。
(実施例24)
(R)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物24)の合成:
(R)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)ピペリジン−3−カルボン酸(参考例化合物18)(0.20g、0.73mmol)、4−トリフルオロメトキシアニリン(0.19g、1.1mmol)を用いて、実施例23〔ステップ2〕と同様の反応を行うことにより、実施例化合物24を270mg(85%)得た。
(実施例25)
(R)−N−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物25)及びそのメタンスルホン酸塩の合成:
〔ステップ1〕
(R)−N−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物25)の合成:
室温の(R)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)ピペリジン−3−カルボン酸(参考例化合物18)(0.20g、0.73mmol)のDMF(4mL)溶液に、HATU(0.42g、1.1mmol)、DIPEA(0.14g、1.1mmol)、2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−アミン(0.19g、1.1mmol)を加えて、室温下撹拌した。16時間後、反応溶液に飽和食塩水を加えて、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=1:1→1:3)で精製し、実施例化合物25を200mg(64%)得た。
〔ステップ2〕
(R)−N−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)ピペリジン−3−カルボキサミド メタンスルホン酸塩の合成:
氷冷した(R)−N−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物25)(12.0g、28.0mmol)のTHF(350mL)溶液に、メタンスルホン酸(11mL、160mmol)を加えて、氷冷下撹拌した。30分後、反応溶液を濃縮し、得られた粗生成物をメタノール(10mL)−THF(50mL)に溶かし、ヘキサン(100mL)を加えた。析出した固体をろ取し、表題化合物を42g(80%)得た。
(実施例26)
(R)−N−(5−イソプロピルピリジン−2−イル)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物26)の合成:
〔ステップ1〕
2−(6−フルオロピリジン−3−イル)プロパン−2−オール(参考例化合物19)の合成:
アルゴン雰囲気下、−78℃の5−ブロモ−2−フルオロピリジン(5.0g、28mmol)のジエチルエーテル(300mL)溶液に、n−ブチルリチウム−ヘキサン溶液(1.6M、18mL、31mmol)を加えて、−78℃下撹拌した。15分後、反応溶液にアセトン(10mL、140mmol)を加えて、−78℃下撹拌した。5分後、反応溶液を室温まで昇温し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、参考例化合物19を4.1g(93%)得た。
〔ステップ2〕
2−フルオロ−5−(プロパ−1−エン−2−イル)ピリジン(参考例化合物20)の合成:
室温の2−(6−フルオロピリジン−3−イル)プロパン−2−オール(参考例化合物19)(3.0g、19mmol)のトルエン(150mL)溶液に、p−トルエンスルホン酸一水和物(0.18g、0.97mmol)を加えて、ディーンスターク装置を用いて150℃下撹拌した。3時間後、反応溶液を室温まで冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、参考例化合物20を1.0g(38%)得た。
〔ステップ3〕
5−(プロパ−1−エン−2−イル)ピリジン−2−アミン(参考例化合物21)の合成:
室温の2−フルオロ−5−(プロパ−1−エン−2−イル)ピリジン(参考例化合物20)(1.1g、8.0mmol)の1,4−ジオキサン(5mL)溶液に、アンモニア水(28%、34mL、240mmol)を加えて、150℃下撹拌した。15時間後、反応溶液を室温まで冷却し、ジエチルエーテルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた組生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、参考例化合物21を420mg(39%)得た。
〔ステップ4〕
5−イソプロピルピリジン−2−アミン(参考例化合物22)の合成:
室温の5−(プロパ−1−エン−2−イル)ピリジン−2−アミン(参考例化合物21)(0.4g、3.0mmol)のエタノール(10mL)溶液に、10重量%Pd/C(35mg)を加えて、水素雰囲気下とし、室温下撹拌した。15時間後、不溶物をろ別後、濃縮し、参考例化合物22を300mg(74%)得た。
〔ステップ5〕
(R)−N−(5−イソプロピルピリジン−2−イル)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物26)の合成:
(R)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)ピペリジン−3−カルボン酸(参考例化合物18)(0.60g、2.2mmol)と5−イソプロピルピリジン−2−アミン(参考例化合物22)(0.30g、2.2mmol)を用いて、実施例25と同様の反応を行うことにより、実施例化合物26を500mg(58%)得た。
(実施例27)
(R)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物27)の合成:
(R)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)ピペリジン−3−カルボン酸(参考例化合物18)(15mg、55μmol)、(2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)メタンアミン(12mg、60μmol)を用いて、実施例25と同様の反応を行うことにより、実施例化合物27を20mg(82%)得た。
(実施例28)
(R)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(2−(トリフルオロメチル)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物28)の合成:
(R)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)ピペリジン−3−カルボン酸(参考例化合物18)(15mg、55μmol)、(2−(トリフルオロメチル)フェニル)メタンアミン(14g、82μmol)を用いて、実施例25と同様の反応を行うことにより、実施例化合物28を16mg(68%)得た。
(実施例29)
(R)−N−(2,3−ジクロロベンジル)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物29)の合成:
(R)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)ピペリジン−3−カルボン酸(参考例化合物18)(15mg、55μmol)、(2,3−ジクロロフェニル)メタンアミン(14g、82μmol)を用いて、実施例25と同様の反応を行うことにより、実施例化合物29を20mg(85%)得た。
(実施例30)
(R)−N−(4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)ベンジル)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物30)の合成:
(R)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)ピペリジン−3−カルボン酸(参考例化合物18)(0.14g、0.52mmol)、4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)ベンジルアミン(0.10g、0.48mmol)を用いて、実施例25と同様の反応を行うことにより、実施例化合物30を140mg(63%)得た。
(実施例31)
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物31)の合成:
〔ステップ1〕
4−ブロモ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンズアルデヒド(参考例化合物23)の合成:
アルゴン雰囲気下、−78℃の4−ブロモ−1−ヨード−2−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン(25g、68mmol)のTHF(400mL)溶液に、n−ブチルリチウム−ヘキサン溶液(1.6M、86mL、140mmol)を1.5時間かけて滴下し、−78℃下撹拌した。1時間後、反応溶液にDMF(11mL、140mmol)を10分間かけて滴下し、−78℃下撹拌した。2時間後、反応溶液にクエン酸水溶液(0.25M、250mL、63mmol)を加えて、反応溶液を室温まで昇温した後、ジエチルエーテルで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、参考例化合物23を16g(87%)得た。
〔ステップ2〕
(4−ブロモ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)メタノール(参考例化合物24)の合成:
アルゴン雰囲気下、−10℃の4−ブロモ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンズアルデヒド(参考例化合物23)(16g、59mmol)のメタノール(230mL)溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(2.4g、63mmol)を加えて、−10℃下撹拌した。10分後、反応溶液にアセトン(10mL)、1N塩酸(10mL)を加えて、有機溶媒を減圧留去した。得られた水溶液を酢酸エチルで抽出し、有機層を濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=50:1→1:1)で精製し、参考例化合物24を15g(91%)得た。
〔ステップ3〕
4−(ヒドロキシメチル)−3−(トリフルオロメトキシ)べンゾニトリル(参考例化合物25)の合成:
アルゴン雰囲気下、室温の(4−ブロモ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)メタノール(参考例化合物24)(12g、44mmol)のDMF(89mL)溶液に、シアン化亜鉛(5.2g、44mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.6g、2.2mmoL)を加えて、80℃下撹拌した。21時間後、反応溶液を室温まで冷却し、水を加えて、ジエチルエーテルで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=20:1→1:1)で精製し、参考例表題化合物25を8.9g(93%)得た。
〔ステップ4〕
4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル メタンスルホナート(参考例化合物26)の合成:
アルゴン雰囲気下、氷冷した4−ヒドロキシメチル−3−(トリフルオロメトキシ)ベンゾニトリル(参考例化合物25)(8.9g、41mmol)のジクロロメタン(82mL)溶液に、トリエチルアミン(6.2g、8.6mmoL)、メタンスルホニルクロリド(4.0mL、51mmol)を加えて、氷冷下撹拌した。10分後、反応溶液を室温まで昇温し、水を加えて、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、参考例化合物26を13g(粗生成物)得た。
〔ステップ5〕
4−((1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)メチル)−3−(トリフルオロメトキシ)ベンゾニトリル(参考例化合物27)の合成:
アルゴン雰囲気下、氷冷した4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル メタンスルホナート(〔ステップ4〕で得られたもの:(参考例化合物26))のDMF(82mL)溶液に、フタルイミドカリウム(8.4g、45mmoL)を加えて、氷冷下撹拌した。3.5時間後、氷水に反応溶液を加えて、析出した固体をろ取し、参考例化合物27を15g(粗生成物)得た。
〔ステップ6〕
4−(アミノメチル)−3−(トリフルオロメトキシ)ベンゾニトリル(参考例化合物28)の合成:
アルゴン雰囲気下、室温の4−((1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)メチル)−3−(トリフルオロメトキシ)ベンゾニトリル(〔ステップ5〕で得られたもの:(参考例化合物27))のメタノール(350mL)溶液に、ヒドラジン水和物(5.9mL、120mmoL)を加えて、60℃下撹拌した。6時間後、反応溶液を氷冷し、不溶物をろ別後、ろ液を濃縮した。得られた粗生成物をイソプロピルアルコール(200mL)に溶かし、氷冷した後、不溶物をろ別後、ろ液を濃縮し、参考例化合物28を8.1g(93%、3工程)得た。
〔ステップ7〕
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物31)の合成:
アルゴン雰囲気下、氷冷した(R)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)ピペリジン−3−カルボン酸(参考例化合物18)(0.14g、0.51mmol)、DIPEA(90μL、0.69mmol)、HATU(0.26g、0.69mmol)のDMF(0.24mL)溶液に、4−(アミノメチル)−3−(トリフルオロメトキシ)ベンゾニトリル(参考例化合物28)(0.10g、0.46mmol)のDMF(0.76mL)溶液を加えて、室温下撹拌した。15時間後、反応溶液に希塩酸を注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をアミンシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=1:1→酢酸エチルのみ)で精製し、実施例化合物31を0.16g(72%)得た。
(実施例32)
(R)−N−(2,4−ジクロロベンジル)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物32)及びそのメタンスルホン酸塩の合成:
〔ステップ1〕
(R)−tert−ブチル 3−((2,4−ジクロロベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシラート(参考例化合物29)の合成:
2,4−ジクロロベンジルアミン(1.1mL、8.5mmol)を用いて、実施例1〔ステップ1〕と同様の反応を行うことにより、参考例化合物29を2.6g(定量的)得た。
〔ステップ2〕
(R)−N−(2,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(参考例化合物30)の合成:
(R)−tert−ブチル 3−((2,4−ジクロロベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシラート(参考例化合物29)(2.6g、6.7mmol)を用いて、実施例1〔ステップ2〕と同様の反応を行うことにより、参考例化合物30を1.8g(95%)得た。
〔ステップ3〕
(R)−N−(2,4−ジクロロベンジル)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物32)の合成:
(R)−N−(2,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(参考例化合物30)(50mg、0.17mmol)と1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホニルクロリド(63mg、0.35mmol)を用いて、実施例1〔ステップ3〕と同様の反応を行うことにより、実施例化合物32を80mg(定量的)得た。
〔ステップ4〕
(R)−N−(2,4−ジクロロベンジル)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)ピペリジン−3−カルボキサミド メタンスルホン酸塩の合成:
(R)−N−(2,4−ジクロロベンジル)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物32)(0.10g、0.32mmol)を用いて、実施例10〔ステップ4−1〕と同様の反応を行うことにより、表題化合物0.11g(88%)を得た。
(実施例33)
(R)−N−(2,4−ジクロロベンジル)−1−((6,8−ジヒドロ−5H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−2−イル)スルホニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物33)の合成:
(R)−N−(2,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(参考例化合物30)(43mg、0.15mmol)を用いて、実施例22〔ステップ5〕と同様の反応を行うことにより、実施例化合物33を35mg(55%)得た。
(実施例34)
(R)−1−((1−(シクロプロピルメチル)−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(2,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物34)の合成:
〔ステップ1〕
(R)−1−((1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(2,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(参考例化合物31)の合成:
(R)−N−(2,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(参考例化合物30)(700mg、2.4mmol)を用いて、実施例11〔ステップ1〕と同様の反応を行うことにより、参考例化合物31を750mg(74%)得た。
〔ステップ2〕
(R)−1−((1−(シクロプロピルメチル)−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(2,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物34)の合成:
(R)−1−((1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(2,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(参考例化合物31)(100mg、0.24mmol)を用いて、実施例12と同様の反応を行うことにより、実施例化合物34を42mg(37%)得た。
(実施例35)
(R)−N−(2,4−ジクロロベンジル)−1−((1−(ピラジン−2−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物35)の合成:
(R)−1−((1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(2,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(参考例化合物31)(0.30g、0.72mmol)を用いて、実施例13と同様の反応を行うことにより、実施例化合物35を0.11g(31%)得た。
(実施例36)
(R)−N−(4−クロロ−2−エトキシベンジル)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物36)の合成:
〔ステップ1〕
(4−クロロ−2−エトキシフェニル)メタンアミン(参考例化合物32)の合成:
室温の4−クロロ−2−フルオロベンゾニトリル(0.50g,3.2mmol)のエタノール(3.0mL)溶液に、ナトリウムエトキシド(0.66g,9.6mmol)を加えて、50℃下撹拌した。4時間後、反応溶液を濃縮した。得られた粗生成物を水に溶かし、水溶液を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにより乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をジエチルエーテル(13mL)に溶かして氷冷し、水素化リチウムアルミニウム(0.37g,9.6mmol)を加えて、室温下撹拌した。4時間後、反応溶液を氷冷し、水、1N水酸化ナトリウムをゆっくり加えた後、セライトろ過した。ろ液を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;クロロホルム:メタノール=クロロホルムのみ→10:1)で精製し、参考例化合物32を330mg(55%)得た。
〔ステップ2〕
(R)−N−(4−クロロ−2−エトキシベンジル)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物36)の合成:
(R)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)ピペリジン−3−カルボン酸(参考例化合物18)(27mg,0.10mmol)、(4−クロロ−2−エトキシフェニル)メタンアミン(参考例化合物32)(17mg,0.091mmol)を用いて、実施例25と同様の反応を行うことにより、実施例化合物36を25mg(63%)得た。
(実施例37)
(R)−N−(4−クロロ−2−フェノキシベンジル)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物37)の合成:
〔ステップ1〕
4−クロロ−2−フェノキシベンゾニトリル(参考例化合物33)の合成:
室温の4−クロロ−2−フルオロベンゾニトリル(3.0g,19mmol)のDMF(10mL)溶液に、フェノール(5.4g,58mmol)、炭酸カリウム(8.0g,58mmol)を加えて、80℃下撹拌した。16時間後、反応溶液を室温まで冷却し、濃縮した。得られた粗生成物を水に溶かし、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=ヘキサンのみ→2:1)で精製し、参考例化合物33を3.6g(81%)得た。
〔ステップ2〕
(4−クロロ−2−フェノキシフェニル)メタンアミン(参考例化合物34)の合成:
氷冷した4−クロロ−2−フェノキシベンゾニトリル(参考例化合物33)(3.6g,16mmol)のジエチルエーテル(60mL)溶液に、水素化リチウムアルミニウム(1.8g,47mmol)を加えて、室温下撹拌した。3時間後、反応溶液を氷冷し、水、1N水酸化ナトリウムをゆっくり加えた後、セライトろ過した。ろ液を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=10:1→2:1)で精製し、参考例化合物34を2.7g(73%)得た。
〔ステップ3〕
(R)−N−(4−クロロ−2−フェノキシベンジル)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物37)の合成:
(R)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)ピペリジン−3−カルボン酸(参考例化合物18)(1.3g,4.7mmol)、(4−クロロ−2−フェノキシフェニル)メタンアミン(参考例化合物33)(1.0g,4.3mmol)を用いて、実施例25と同様の反応を行うことにより、実施例化合物37を1.1g(52%)得た。
(実施例38)
(R,E)−1−((2−(3−(4−ヒドロキシフェニル)−3−オキソプロパ−1−エン−1−イル)−1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物38)の合成:
〔ステップ1〕
1−(4−ヒドロキシフェニル)プロパ−2−エン−1−オン(参考例化合物35)の合成:
室温の1−(4−ヒドロキシフェニル)エタノン(10g、73mmol)のTHF(73mL)溶液に、N−メチルアニリニウムトリフルオロアセタート(24g、220mmol)、パラホルムアルデヒド(9.9g、330mmol)を加えて、還流下撹拌した。16時間後、反応溶液を室温まで冷却し、ジエチルエーテルを加えて、撹拌した。反応溶液をろ過し、ろ液を濃縮した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、参考例化合物35を3.3g(30%)を得た。
〔ステップ2〕
(R)−1−((2−ヨード−1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(参考例化合物36)の合成:
アルゴン雰囲気下、−78℃の(R)−1−((1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(化合物10)(2.0g、4.8mmol)のTHF(48mL)溶液に、TMEDA(2.0g、17.3mmol)、n−ブチルリチウム−ヘキサン溶液(1.6M、11mL、17mmol)を滴下し、−78℃下撹拌した。30分後、ヨウ素(1.5g、5.8mmol)を30分かけて加えて、−78℃下撹拌した。5分後、反応溶液に水を加えて、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製し、参考例実施例36を1.2g(46%)得た。
〔ステップ3〕
(R,E)−1−((2−(3−(4−ヒドロキシフェニル)−3−オキソプロパ−1−エン−1−イル)−1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(実施例化合物38)の合成:
アルゴン雰囲気下、室温の(R)−1−((2−ヨード−1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(参考例化合物36)(1.5g、2.8mmol)のDMF(25mL)溶液に、1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン(参考例化合物35)(0.53g、3.6mmol)、炭酸ナトリウム(0.64g、6.1mmol)を加えて、脱気した。室温の反応用液に、Pd(OAc)2(62mg、0.28mmol)、DPPP(230mg、0.55mmol)を加えて、100℃下撹拌した。16時間後、反応溶液を室温まで冷却し、酢酸エチルを加えて、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をアミンシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ジクロロメタン:メタノール=ジクロロメタンのみ→10:1)で精製し、実施例化合物38を1.0g(64%)得た。
(参考例)
N−(4−イソプロポキシフェニル)−1−(フェニルスルホニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(参考例化合物1)の合成:
〔ステップ1〕
1−(フェニルスルホニル)ピペリジン−3−カルボン酸(参考例化合物37)の合成:
氷冷したニペコチン酸(10g、77mmol)、炭酸水素ナトリウム(13g、160mmol)の水(38mL)溶液に、塩化ベンゼンスルホニル(14g、77mmol)のTHF(77mL)溶液を15分かけて滴下し、室温下撹拌した。15時間後、反応溶液を濃縮し、得られた粗生成物をクロロホルムと4N塩酸に溶かし、pHを2とした。水層をクロロホルムで抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濃縮し、参考例化合物37を15g(73%)得た。
〔ステップ2〕
N−(4−イソプロポキシフェニル)−1−(フェニルスルホニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(参考例化合物1)の合成:
氷冷した1−(フェニルスルホニル)ピペリジン−3−カルボン酸(参考例化合物37)(8.5g、31mmol)のジクロロメタン(62mL)溶液に、オキサリルクロリド(2.9mL、33mmol)、DMF(0.24mL、3.1mmol)を加えて、室温下撹拌した。2時間後、反応溶液を濃縮した。得られた粗生成物をTHF(62mL)に溶かし、氷冷した4−イソプロポキシアニリン(5.0g、33mmol)、トリエチルアミン(5.3mL、38mmol)のTHF(62mL)溶液に、ゆっくり滴下し、室温下撹拌した。15時間後、反応溶液に水を加えた後、有機溶媒を減圧留去した。得られた水溶液を酢酸エチルで抽出し、有機層を1N塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=10:1→1:1)で精製し、参考例化合物1を6.3g(50%)得た。
以上の実施例で挙げた本発明の化合物の物性データを表2−1〜表2−4及び参考例で挙げた化合物の物性データを表3−1〜表3−4に示す。なお、表中のN.D.は「データなし」を表す。
Figure 2014070051
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Figure 2014070051
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(In vitroにおけるsEH阻害活性の評価試験)
以下のsEH阻害活性試験は、公知文献(Analytical Biochemistry、2005年、第343巻、p.66−75)記載の方法に基づき、ヒトsEHを用いて行ったものであり、ニペコチン酸誘導体(I)のsEH阻害活性を測定し、その有用性を評価するために行なったものである。
ヒト・リコンビナントsEH(Cayman社)を、被験化合物とともにBis−Tris−HCl緩衝液(25mM、pH7.0、0.1mg/mLのBSAを含む)中にて室温で30分間インキュベートした。その後、蛍光基質としてシアノ(6−メトキシ−ナフタレン−2−イル)メチルトランス−[(3−フェニルオキシラン−2−イル)メチル]カーボネート(Cayman社)を加え、さらに室温で20分間インキュベートし、ZnSOを加え反応を停止させ、蛍光強度(Excitation:330nm、Emission:485nm)を測定した。sEH非添加かつ被験化合物非添加の蛍光強度を0%sEH酵素反応率とし、sEH添加かつ被験化合物非添加の蛍光強度を100%sEH酵素反応率として、得られた蛍光強度から、各被験化合物の各sEH酵素反応率を算出し、IC50を求めた。
その結果を表4に示す。
Figure 2014070051
その結果から、ニペコチン酸誘導体(I)が、ヒトsEHの酵素反応に対して強い阻害活性を有することが明らかとなった。一方、公知文献(国際公開第2009/099086号)記載の参考例化合物1は、ヒトsEHの酵素反応に対して阻害活性を有していなかった。
(ラット抗糸球体基底膜抗体(抗GBM抗体)腎炎モデルでの薬効評価試験)
1)実施例化合物1の慢性腎臓病に対するin vivo薬効評価:
ラット抗糸球体基底膜抗体(抗GBM抗体)腎炎モデル(Proc. Natl. Acad. Sci. USA、2005年、第102巻、p.7736−7741;Eur. J. Pharmacol.、2002年、第449巻、p.167−176)に実施例化合物1を投与し、ニペコチン酸誘導体(I)の慢性腎臓病に対する治療効果を評価した。
ラット(Wistar−Kyoto系、雄性、9週齢;日本チャールス・リバー株式会社)の尾静脈内に、ウサギの抗糸球体基底膜抗血清(以下、抗GBM抗血清)を体重1kgあたり3mLの投与量で投与して、腎炎を誘発させたものを腎炎誘発群とした。一方で、抗GBM抗血清を投与しない群を正常群とした。
抗GBM抗血清投与の2週間後に、血清クレアチニン(以下、sCre)、血中尿素窒素(以下、BUN)、収縮期血圧(以下、SBP)、血中カリウム濃度、ヘマトクリット及び体重をそれぞれ測定した。sCreは酵素法を、BUNはウレアーゼ法を、SBPはテールカフ法を、血中カリウム濃度はイオン選択性電極法を、ヘマトクリットは伝導度電極法を用いて測定した。
腎炎誘発群における抗GBM抗血清投与の2週間後のsCre値は0.56±0.03mg/dL、BUN値は34.6±2.8mg/dLであり、正常群におけるsCre値(0.25±0.00mg/dL)及びBUN値(13.6±0.5mg/dL)に比べて、それぞれ有意に上昇していた(t検定、p<0.05)。すなわち、腎炎誘発群では、抗GBM抗血清投与の2週間後までに腎不全の病態を呈していることが確認された。
腎不全の病態を呈した腎炎誘発群の腎炎ラットに、抗GBM抗血清投与の2週間後から実験終了時まで、実施例化合物1を0.5%メチルセルロースに懸濁して、体重1kgあたり10mg又は30mgの投与量で、1日1回ずつ経口投与したものをそれぞれ実施例化合物1(10mg/kg)投与群、実施例化合物1(30mg/kg)投与群とした。また、比較対照として、腎炎誘発群の腎炎ラットに0.5%メチルセルロースを同様に投与したものを腎炎対照群とした。なお、正常群にも0.5%メチルセルロースを同様に投与した。結果を図1〜5に示す。それぞれの図の横軸は、抗GBM抗血清投与後の週数を示し、縦軸は各測定値を示す。それぞれの図中の*印は、腎炎対照群との比較で統計学的に有意であることを示す(Dunnett検定、p<0.05)。
抗GBM抗血清投与の3週間後、4週間後、5週間後及び6週間後の腎炎対照群におけるsCre値及びBUN値は、いずれも抗GBM抗血清投与の2週間後より持続的に高値を示し、慢性の腎炎及び腎不全の病態を呈していることが確認された。また、実施例化合物1(10mg/kg)投与群及び実施例化合物1(30mg/kg)投与群におけるsCre値並びにBUN値は、腎炎対照群におけるsCre値及びBUN値に比べて、それぞれ顕著に低値を示した(図1及び2)。これらの結果から、ニペコチン酸誘導体(I)が、慢性の腎炎及び腎不全の病態に対して治療効果を有することは明らかとなった。
抗GBM抗血清投与の4週間後、5週間後及び6週間後において、実施例化合物1(10mg/kg)投与群及び実施例化合物1(30mg/kg)投与群におけるSBPは、腎炎対照群におけるSBPに比べて、低値を示した(図3)。この結果から、ニペコチン酸誘導体(I)が、腎性高血圧の病態に対しても治療効果を有することは明らかである。また、抗GBM抗血清投与の7週間後において、実施例化合物1(10mg/kg)投与群及び実施例化合物1(30mg/kg)投与群における血中カリウム濃度は、腎炎対照群における血中カリウム濃度に比べて、低値を示した(図4)。この結果から、ニペコチン酸誘導体(I)が、高カリウム血症の病態に対しても治療効果を有することは明らかである。さらに、抗GBM抗血清投与の7週間後において、実施例化合物1(10mg/kg)投与群及び実施例化合物1(30mg/kg)投与群におけるヘマトクリットは、腎炎対照群におけるヘマトクリットに比べて、顕著に高値を示した(図5)。この結果から、ニペコチン酸誘導体(I)が、腎性貧血の病態に対しても治療効果を有することは明らかである。なお、抗GBM抗血清投与の2週間後以降に、腎炎対照群では正常群に比べて大きな体重減少が見られたが、実施例化合物1(10mg/kg)投与群及び実施例化合物1(30mg/kg)投与群ではそのような体重減少は観察されなかった。
2)実施例化合物32及び実施例化合物10の塩酸塩の慢性腎臓病に対するin vivo薬効評価:
ラット抗糸球体基底膜抗体(抗GBM抗体)腎炎モデルに実施例化合物32及び実施例化合物10の塩酸塩を投与し、ニペコチン酸誘導体(I)の慢性腎臓病に対する治療効果を評価した。
腎炎誘発群における抗GBM抗血清投与の2週間後のBUN値(47.0±2.3mg/dL)は、正常群におけるBUN値(16.5±0.6mg/dL)に比べて、有意に上昇しており(t検定、p<0.05)、腎炎誘発群では、抗GBM抗血清投与の2週間後までに腎不全の病態を呈していることが確認された。
腎不全の病態を呈した腎炎誘発群の腎炎ラットに、抗GBM抗血清投与の2週間後から実験終了時まで、実施例化合物32及び実施例化合物10塩酸塩を0.5%メチルセルロースに懸濁して、体重1kgあたり30mgの投与量で1日1回ずつ経口投与したものをそれぞれ実施例化合物32投与群、実施例化合物10塩酸塩投与群とした。また、比較対照として、腎炎誘発群の腎炎ラットに0.5%メチルセルロースを同様に投与したものを腎炎対照群とした。なお、正常群にも0.5%メチルセルロースを同様に投与した。結果を図6に示す。図の横軸は、抗GBM抗血清投与後の週数を示し、縦軸は各測定値を示す。
抗GBM抗血清投与の6週間後の腎炎対照群におけるBUN値は、抗GBM抗血清投与の2週間後より高値を示し、慢性の腎炎及び腎不全の病態を呈していることが確認された。また、実施例化合物32投与群及び実施例化合物10塩酸塩投与群におけるBUN値は、腎炎対照群におけるBUN値に比べて、それぞれ顕著に低値を示した(図6)。この結果からも、ニペコチン酸誘導体(I)及びその薬理学的に許容される塩が、慢性の腎炎及び腎不全の病態に対して治療効果を有することは明らかである。なお、抗GBM抗血清投与の2週間後以降に、腎炎対照群では正常群に比べて大きな体重減少が見られたが、実施例化合物32投与群及び実施例化合物10塩酸塩投与群ではそのような体重減少は観察されなかった。
3)実施例化合物16の塩酸塩及び参考例化合物1の慢性腎臓病に対するin vivo薬効評価:
ラット抗糸球体基底膜抗体(抗GBM抗体)腎炎モデルに実施例16塩酸塩及び参考例化合物1をそれぞれ投与し、ニペコチン酸誘導体(I)の慢性腎臓病に対する治療効果を評価した。
腎炎誘発群における抗GBM抗血清投与の2週間後のBUN値(35.7±1.2mg/dL)は、正常群におけるBUN値(15.1±0.6mg/dL)に比べて、それぞれ有意に上昇しており(t検定、p<0.05)、腎炎誘発群では、抗GBM抗血清投与の2週間後までに腎不全の病態を呈していることが確認された。
腎不全の病態を呈した腎炎誘発群の腎炎ラットに、抗GBM抗血清投与の2週間後から実験終了時まで、実施例化合物16塩酸塩及び参考例化合物1を0.5%メチルセルロースに懸濁して、体重1kgあたり30mgの投与量で1日1回ずつ経口投与したものをそれぞれ実施例化合物16塩酸塩投与群及び参考例化合物1投与群とした。また、比較対照として、腎炎誘発群の腎炎ラットに0.5%メチルセルロースを同様に投与したものを腎炎対照群とした。なお、正常群にも0.5%メチルセルロースを同様に投与した。結果を図7に示す。図の横軸は、抗GBM抗血清投与後の週数を示し、縦軸は各測定値を示す。
抗GBM抗血清投与の3週間後、4週間後、5週間後及び6週間後の腎炎対照群におけるBUN値は、いずれも抗GBM抗血清投与の2週間後より持続的に高値を示し、慢性の腎炎及び腎不全の病態を呈していることが確認された。また、実施例化合物16塩酸塩投与群におけるBUN値は、腎炎対照群におけるBUN値に比べて、顕著に低値を示した(図7)。これらの結果より、ニペコチン酸誘導体(I)の薬理学的に許容される塩が、慢性の腎炎及び腎不全の病態に対して治療効果を有することが明らかとなった。一方、参考例化合物1投与群におけるBUN値は、腎炎対照群におけるBUN値に比べて、低値を示さなかった(図7)。この結果より、参考例化合物1が慢性の腎炎及び腎不全の病態に対して治療効果を有さないことが明らかとなった。なお、抗GBM抗血清投与の2週間後以降に、腎炎対照群では正常群に比べて大きな体重減少が見られたが、実施例化合物16塩酸塩投与群ではそのような体重減少は観察されなかった。
4)実施例化合物25のメタンスルホン酸塩の慢性腎臓病に対するin vivo薬効評価:
ラット抗糸球体基底膜抗体(抗GBM抗体)腎炎モデルに実施例化合物25のメタンスルホン酸塩を投与し、ニペコチン酸誘導体(I)の慢性腎臓病に対する治療効果を評価した。
腎炎誘発群における抗GBM抗血清投与の2週間後のsCre値(0.52±0.03mg/dL)及びBUN値(38.8±1.9mg/dL)は正常群におけるsCre値(0.27±0.01mg/dL)及びBUN値(14.8±1.3mg/dL)に比べて、それぞれ有意に上昇しており(t検定、p<0.05)、腎炎誘発群では、抗GBM抗血清投与の2週間後までに腎不全の病態を呈していることが確認された。
腎不全の病態を呈した腎炎誘発群の腎炎ラットに、抗GBM抗血清投与の2週間後から実験終了時まで、実施例化合物25のメタンスルホン酸塩を0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロースに懸濁して、体重1kgあたり10mgの投与量で1日1回ずつ経口投与したものを実施例化合物25メタンスルホン酸塩投与群とした。また、比較対照として、腎炎誘発群の腎炎ラットに0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロースを同様に投与したものを腎炎対照群とした。なお、正常群にも0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロースを同様に投与した。その結果を図8〜10に示す。それぞれの図の横軸は、抗GBM抗血清投与後の週数を示し、縦軸は各測定値を示す。
抗GBM抗血清投与の3週間後、4週間後及び5週間後の腎炎対照群におけるsCre値及びBUN値は、抗GBM抗血清投与の2週間後より持続的に高値を示し、慢性の腎炎及び腎不全の病態を呈していることが確認された。また、実施例化合物25メタンスルホン酸塩投与群におけるsCre値及びBUN値は、腎炎対照群におけるsCre値及びBUN値に比べて、それぞれ顕著に低値を示した(図8及び9)。これらの結果から、ニペコチン酸誘導体(I)の薬理学的に許容される塩が、慢性の腎炎及び腎不全の病態に対して治療効果を有することが明らかとなった。また、腎炎誘発7週間後において、実施例化合物25メタンスルホン酸塩投与群における血中カリウム濃度は、腎炎対照群における血中カリウム濃度に比べて、顕著に低値を示した(図10)。この結果から、ニペコチン酸誘導体(I)の薬理学的に許容される塩が、高カリウム血症の病態に対しても治療効果を有することが明らかとなった。なお、抗GBM抗血清投与の2週間後以降に、腎炎対照群では正常群に比べて大きな体重減少が見られたが、実施例化合物25メタンスルホン酸塩投与群ではそのような体重減少は観察されなかった。
以上の結果から、ニペコチン酸誘導体(I)及びその薬理学的に許容される塩が、慢性腎臓病の治療に対して有効であることが明らかとなった。
5)テルミサルタンの慢性腎臓病に対するin vivo薬効評価:
ラット抗糸球体基底膜抗体(抗GBM抗体)腎炎モデルに既存薬であるテルミサルタンを投与し、慢性腎臓病に対する治療効果を評価し、ニペコチン酸誘導体(I)の慢性腎臓病に対する治療効果と比較した。
腎炎誘発群における抗GBM抗血清投与の2週間後のsCre値(0.80±0.09mg/dL)は、正常群におけるsCre値(0.24±0.01mg/dL)に比べて、有意に上昇しており(t検定、p<0.05)、腎炎誘発群では、抗GBM抗血清投与の2週間後までに腎不全の病態を呈していることが確認された。
腎不全の病態を呈した腎炎誘発群の腎炎ラットに、抗GBM抗血清投与の2週間後から実験終了時まで、テルミサルタンを0.5%カルボキシメチルセルロースに懸濁して、体重1kgあたり1mg又は3mgの投与量で1日1回ずつ経口投与したものをそれぞれテルミサルタン(1mg/kg)投与群、テルミサルタン(3mg/kg)投与群とした。また、比較対照として、腎炎誘発群の腎炎ラットに0.5%カルボキシメチルセルロースを同様に投与したものを腎炎対照群とした。なお、正常群にも0.5%カルボキシメチルセルロースを同様に投与した。結果を図11に示す。図の横軸は、抗GBM抗血清投与後の週数を示し、縦軸は各測定値を示す。
抗GBM抗血清投与の3週間後、4週間後及び5週間後の腎炎対照群におけるsCre値は、抗GBM抗血清投与の2週間後より持続的に高値を示し(図11)、慢性の腎炎及び腎不全の病態を呈していることが確認された。また、テルミサルタン(1mg/kg)投与群及びテルミサルタン(3mg/kg)投与群におけるsCre値は、腎炎対照群におけるsCre値に比べて、わずかに低値を示すにとどまった(図11)。これらの結果から、テルミサルタンは、慢性の腎炎及び腎不全の病態に対してほとんど治療効果を有さないか、有していたとしてもニペコチン酸誘導体(I)の治療効果と比べて大きく劣るものであることが明らかとなった。
(モノクロタリン投与ラット肺高血圧症モデルでの薬効評価試験)
1)実施例化合物10のメタンスルホン酸塩のモノクロタリン投与ラット肺高血圧症モデルの延命に及ぼす効果:
モノクロタリン投与ラット肺高血圧症モデル(J Pharmacol Sci、2009年、第111巻、p.235−243)に、実施例化合物10のメタンスルホン酸塩を投与し、ニペコチン酸誘導体(I)の肺高血圧症に対する治療効果を評価した。
ラット(SD系、雄性、6週齢;日本チャールス・リバー株式会社)の背部皮下に、モノクロタリンを体重1kgあたり3mLの投与量で投与して、肺高血圧症を誘発させたものを肺高血圧症誘発群とした。一方で、モノクロタリンを投与しない群を正常群とした。
肺高血圧症の病態を呈した肺高血圧症誘発群の腎炎ラットに、モノクロタリン投与の3週間後から実験終了時まで、実施例化合物10のメタンスルホン酸塩を0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロースに懸濁して、体重1kgあたり30mgの投与量で、1日1回ずつ経口投与したものを実施例化合物10メタンスルホン酸塩投与群とした。一方で、タダラフィルを0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロースに懸濁して、体重1kgあたり30mgの投与量で、1日1回ずつ経口投与したものをタダラフィル投与群とした。また、比較対照として、肺高血圧症誘発群の肺高血圧症ラットに0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロースを同様に投与したものを肺高血圧症対照群とした。なお、正常群にも0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロースを同様に投与した。結果を図12及び13に示す。それぞれの図の横軸は、モノクロタリン投与後の日数を示し、縦軸は各生存率を示す。
肺高血圧症対照群においてはモノクロタリン投与後22日目より死亡例が観察され始め、観察終了日の生存率は17%であった。これに対して、実施例化合物10メタンスルホン酸塩投与群においては生存時間の延長傾向が観察され、観察終了日における生存率は42%であった(図12)。一方、タダラフィル投与群の観察終了日における生存率は25%であり、生存時間の延長は見られなかった。これらの結果から、ニペコチン酸誘導体(I)の薬理学的に許容される塩が、肺高血圧症に対して治療効果を有することが明らかとなった。
また、実験終了時において、実施例化合物10メタンスルホン酸塩投与群の右心室湿重量は、肺高血圧症対照群の右心室湿重量に比べて、低値を示した(図13)。この結果から、ニペコチン酸誘導体(I)の薬理学的に許容される塩が、右心肥大の病態に対しても治療効果を有することが明らかとなった。一方、実験終了時において、タダラフィル投与群の右心室湿重量は、肺高血圧症対照群の右心室湿重量に比べて、低値を示さなかった(図13)。この結果より、タダラフィルが、右心肥大の病態に対して治療効果を有さないことは明らかである。なお、モノクロタリン投与の3週間後以降に、肺高血圧症対照群では正常群に比べて大きな体重減少が見られたが、実施例化合物10メタンスルホン酸塩投与群ではそのような体重減少は観察されなかった。
2)実施例化合物32、実施例化合物10及び実施例化合物16のメタンスルホン酸塩のモノクロタリン投与ラット肺高血圧症モデルの肺機能及び右心室肥大に対するす効果:
上記1)とほぼ同様の方法で、モノクロタリン投与ラット肺高血圧症モデルに、実施例化合物32、実施例化合物10及び実施例化合物16のメタンスルホン酸塩を投与し、ニペコチン酸誘導体(I)のメタンスルホン酸塩の肺高血圧症に対する治療効果を評価した。
ラット(Wistar系、雄性、5週齢;日本エスエルシー株式会社)の背部皮下に、モノクロタリンを体重1kgあたり3mLの投与量で投与して、肺高血圧症を誘発させたものを肺高血圧症誘発群とした。一方で、モノクロタリンを投与しない群を正常群とした。
肺高血圧症誘発群の腎炎ラットに、モノクロタリン投与後から24日間、実施例化合物32、実施例化合物の10及び実施例化合物16のそれぞれのメタンスルホン酸塩をそれぞれ0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロースに懸濁して、体重1kgあたり30mgの投与量で1日2回ずつ経口投与したものをそれぞれ実施例化合物32メタンスルホン酸塩投与群、実施例化合物10メタンスルホン酸塩投与群、実施例化合物16メタンスルホン酸塩投与群とした。また、比較対照として、肺高血圧症誘発群の肺高血圧症ラットに0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロースを同様に投与したものを肺高血圧症対照群とした。なお、正常群にも0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロースを同様に投与した。
モノクロタリン投与の24日間後に、右心室収縮期圧、全身収縮期血圧、心拍数及び右心室重量をそれぞれ測定した。結果を図14及び15に示す。図中の*印は、肺高血圧対照群との比較で統計学的に有意であることを示す(t検定、p<0.05)。
モノクロタリン投与の24日間後の肺高血圧症対照群の右心室収縮期圧は、正常群の右心室収縮期圧に比べて、高値を示し、肺高血圧症の病態を呈していることが確認された。また、実施例化合物32メタンスルホン酸塩投与群、実施例化合物10メタンスルホン酸塩投与群及び実施例化合物16メタンスルホン酸塩投与群の右心室収縮期圧は、肺高血圧症対照群の右心室収縮期圧に比べて、それぞれ顕著に低値を示した(図14)。これらの結果から、ニペコチン酸誘導体(I)及びその薬理学的に許容される塩が、肺高血圧症の病態に対して治療効果を有することが明らかとなった。
モノクロタリン投与の24日間後において、肺高血圧症対照群の右心室重量は、正常群の右心室重量に比べて、高値を示し、右心肥大の病態を呈していることが確認された。また、モノクロタリン投与の24日間後において、実施例化合物32メタンスルホン酸塩投与群、実施例化合物10メタンスルホン酸塩投与群及び実施例化合物16メタンスルホン酸塩投与群の右心室重量は、肺高血圧症対照群の右心室重量に比べて、低値を示した(図15)。これらの結果から、ニペコチン酸誘導体(I)及びその薬理学的に許容される塩が、右心肥大の病態に対しても治療効果を有することが明らかとなった。なお、モノクロタリン投与の24日間後における、実施例化合物32メタンスルホン酸塩投与群、実施例化合物10メタンスルホン酸塩投与群及び実施例化合物16メタンスルホン酸塩投与群の心拍数及び全身収縮期血圧については、肺高血圧症対照群の心拍数及び全身収縮期血圧に比べて、いずれも有意な差は認められなかった。
以上の結果から、ニペコチン酸誘導体(I)及びその薬理学的に許容される塩が、肺高血圧症の治療に対して有効であることが明らかとなった。
本発明のニペコチン酸誘導体は、sEHの活性を阻害し、体内のEETsを増加させることにより血圧上昇抑制作用及び血管内皮保護作用を示すことから、医薬の分野において慢性腎臓病及び肺高血圧症の治療薬又は予防薬として用いることができる。

Claims (10)

  1. 以下の一般式(I)で示される、ニペコチン酸誘導体又はその薬学的に許容される塩。
    Figure 2014070051
    [式中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、環構成原子数が5若しくは6のヘテロシクリル基、−C(=O)OR(式中、Rは、炭素数1〜3のアルキル基である)、−C(=O)N(R)R(式中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R及びRが結合している窒素原子と一緒になって環構成原子数が3〜7の環を形成してもよく、形成された環は構成原子として酸素原子を含んでいてもよい)、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基若しくは炭素数1〜6のアルキルオキシ基、又は、水素原子が1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基若しくは環構成原子数が5若しくは6のヘテロアリール基であり、
    は、環構成原子数4〜6のヘテロシクリレン基、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキレン基若しくは炭素数3〜6のシクロアルキレン基、又は、水素原子が1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいフェニレン基若しくは環構成原子数5若しくは6のヘテロアリレン基であり、
    は、水素原子、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基、又は、フェニル基上の水素原子が1若しくは2個の水酸基で置換されていてもよい−CH=CH−C(O)−Phであり、Rが結合している炭素原子は、R、R及びR並びにRが結合している窒素原子と一緒になって環構成原子数5〜8の環を形成してもよく、
    は、R及びRで置換されたフェニル基又はピリジン−2−イル基であり、
    及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、環構成原子数5若しくは6のヘテロシクリル基、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数1〜6のアルキルオキシ基若しくは炭素数3〜6のシクロアルキルオキシ基、又は、水素原子が1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいフェニルオキシ基、環構成原子数5若しくは6のヘテロアリール基若しくは環構成原子数5若しくは6のヘテロアリールオキシ基であり、さらにR及びRは、Rが結合している炭素原子及びRが結合している炭素原子と一緒になって環構成原子数5〜8の環を形成してもよいが、同時に炭素数1〜6のアルキルオキシ基を表すことはなく、
    nは、0又は1である。]
  2. は、水素原子、又は、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基若しくは炭素数1〜6のアルキルオキシ基であり、
    は、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキレン基又は水素原子が1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい環構成原子数5若しくは6のヘテロアリレン基であり、
    は、水素原子、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基、又は、フェニル基上の水素原子が1若しくは2個の水酸基で置換されていてもよい−CH=CH−C(O)−Phである、請求項1記載のニペコチン酸誘導体又はその薬学的に許容される塩。
  3. は、水素原子、又は、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3〜6のシクロアルキル基若しくは炭素数1〜6のアルキルオキシ基であり、
    は、水素原子、又は、フェニル基上の水素原子が1若しくは2個の水酸基で置換されていてもよい−CH=CH−C(O)−Phであり、
    及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基若しくは炭素数1〜6のアルキルオキシ基、又は、水素原子が1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい環構成原子数5若しくは6のヘテロアリール基若しくは環構成原子数5若しくは6のヘテロアリールオキシ基であり、Rが結合している炭素原子及びRが結合している炭素原子と一緒になって、水素原子が1又は2個のハロゲン原子で置換されていてもよいジオキソランを形成してもよく、
    nは、0である、請求項1又は2記載のニペコチン酸誘導体又はその薬学的に許容される塩。
  4. は、水素原子であり、
    は、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキレン基であり、
    は、R及びRで置換されたピリジン−2−イル基であり、
    は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、又は、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基若しくは炭素数1〜6のアルキルオキシ基であり、
    は、Rが水素原子である場合に、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されている炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルキルオキシ基であり、Rがハロゲン原子、シアノ基、又は、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基若しくは炭素数1〜6のアルキルオキシ基である場合に、ハロゲン原子、シアノ基、又は、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基若しくは炭素数1〜6のアルキルオキシ基であり、R並びにRが結合した炭素原子及びRが結合した炭素原子と一緒になって、水素原子が1又は2個のハロゲン原子で置換されていてもよい、請求項1〜3のいずれか一項記載のニペコチン酸誘導体又はその薬学的に許容される塩。
  5. は、R及びRで置換されたフェニル基であり、
    nは、1である、請求項1又は2記載のニペコチン酸誘導体又はその薬学的に許容される塩。
  6. は、水素原子、又は、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3〜6のシクロアルキル基若しくは炭素数1〜6のアルキルオキシ基であり、
    は、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキレン基、又は、水素原子が1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい環構成原子数5若しくは6のヘテロアリレン基であり、
    は、水素原子、又は、フェニル基上の水素原子が1若しくは2個の水酸基で置換されていてもよい−CH=CH−C(O)−Phであり、
    及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基若しくは炭素数1〜6のアルキルオキシ基、又は、水素原子が1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい環構成原子数5若しくは6のヘテロアリール基若しくは環構成原子数5若しくは6のヘテロアリールオキシ基であり、さらにR及びRは、Rが結合している炭素原子及びRが結合している炭素原子と一緒になって環構成原子数5〜8の環を形成してもよいが、同時に炭素数1〜6のアルキルオキシ基を表すことはない、請求項5記載のニペコチン酸誘導体又はその薬学的に許容される塩。
  7. は、水素原子であり、
    は、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキレン基であり、
    及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、又は、水素原子が1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基若しくは炭素数1〜6のアルキルオキシ基であり、さらにR及びRは、Rが結合している炭素原子及びRが結合している炭素原子と一緒になって環構成原子数5〜8の環を形成してもよいが、同時に炭素数1〜6のアルキルオキシ基を表すことはない、請求項5又は6記載のニペコチン酸誘導体又はその薬学的に許容される塩。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項記載のニペコチン酸誘導体又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、可溶性エポキサイド加水分解酵素阻害剤。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項記載のニペコチン酸誘導体又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、医薬。
  10. 慢性腎臓病又は肺高血圧症の治療薬又は予防薬である、請求項9記載の医薬。
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