JP2014069500A - 機能性有機ガラス及び機能性有機ガラスの製造方法 - Google Patents

機能性有機ガラス及び機能性有機ガラスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】接着性の問題がなく、凹凸構造を有する機能性層の機能が損なわれることのない機能性有機ガラスを提供する。
【解決手段】樹脂基材31上に、凹凸部xと、該凹凸部の少なくとも一部を埋設する埋設部yとからなる第1の機能性層32を有する機能性シート3の樹脂基材31側と、有機ガラス2とを融着してなる、機能性有機ガラス1。前記第1の機能性層の凹凸部及び/又は埋設部は硬化型樹脂組成物から形成されてなることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、機能性有機ガラス及び機能性有機ガラスの製造方法に関する。
住宅や自動車等の採光用の開口部には、ソーダガラスに代表される無機ガラスが用いられているが、近年では軽量化等を目的とし、ガラス代替品として有機ガラスの研究が行われて、一部利用されるようになってきている。
有機ガラスの素材としては、ポリカーボネートやアクリル樹脂等が検討されているが、傷つきやすいという問題がある。
上記問題を解消するため、有機ガラスにおいて、その表面に表面保護層を設ける手法が検討されている。例えば、特許文献1には、透明性樹脂基板上に、プライマー層、ハードコート層を順次設けた有機ガラスが記載されている。
しかしながら、特許文献1のものは、透明性樹脂基板とハードコート層との接着性に問題を生じ得る場合があった。また、特許文献1のものは、有機ガラス上にハードコート層を形成する工程が枚葉処理となり、生産性が悪いという問題もある。
また、特許文献1とは別の手法として、有機ガラス上に表面保護フィルムを接着剤で貼り合せる手段も考えられるが、屋外で用いた場合、光、熱及び水分の影響で接着性が低下し、有機ガラスから表面保護フィルムが剥離してしまう場合がある。
特開2005−035249号公報
接着性の問題を解決する手段として、有機ガラスと、表面保護フィルムとを熱融着で貼り合せる手段が考えられる。
しかし、熱融着で貼り合せる場合、熱と圧力が同時にかかるため、平坦な材料であれば問題ないが、凹凸構造を有する機能性フィルムを用いた場合、機能性フィルムの機能を損なう可能性がある。例えば、プリズム形状を有する機能性フィルムを有機ガラスに熱融着しようとすると、プリズム頂部が潰れ、形が変形することで、所望の性能が得られなくなってしまう。
そこで、本発明は、接着性の問題がなく、凹凸構造を有する機能性層の機能が損なわれることのない機能性有機ガラスを提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の機能性有機ガラスは、
樹脂基材上に、凹凸部と、該凹凸部の少なくとも一部を埋設する埋設部とからなる第1の機能性層を有する機能性シートの樹脂基材側と、有機ガラスとを融着してなるものである。
また、本発明の機能性有機ガラスの製造方法は、
有機ガラスと、樹脂基材上に、凹凸部と、該凹凸部の少なくとも一部を埋設する埋設部とからなる第1の機能性層を有する機能性シートの樹脂基材側とを融着する融着工程を含むものである。
本発明の機能性有機ガラスは、接着性の問題がなく、凹凸構造を有する機能性層の機能低下を抑えることができる。
本発明の機能性有機ガラスの一実施例を示す断面図である。 本発明の機能性有機ガラスに用いる機能性シートの一例を示す断面図である。 本発明の機能性有機ガラスに用いる機能性シートの他の例を示す断面図である。 本発明の機能性有機ガラスに用いる機能性シートの他の例を示す断面図である。
<機能性有機ガラス>
本発明の機能性有機ガラスは、樹脂基材上に、凹凸部と、該凹凸部の少なくとも一部を埋設する埋設部とからなる第1の機能性層を有する機能性シートの樹脂基材側と、有機ガラスとを融着してなるものである。以下、本発明の機能性有機ガラスの実施の形態を説明する。
図1は、本発明の機能性有機ガラス1の実施の形態を示す断面図である。図示するように、本発明の機能性有機ガラス1は、樹脂基材31上に第1の機能性層32を有する機能性シート3の樹脂基材31側と、有機ガラス2とが融着された構成からなっている。第1の機能性層32は、凹凸部xと、埋設部yとから構成されている。
[有機ガラス]
有機ガラスは、樹脂で構成される部材を指し、所謂、一般的に主成分として二酸化ケイ素を含有するケイ酸ガラスや、石英ガラスなどの無機ガラスの代替用部材として用いられるものである。なお、有機ガラスとしては、透明ガラス、着色透明ガラス、曇りガラスなどが含まれる。
有機ガラスを構成する樹脂は様々な樹脂を用いることができるが、機能性フィルムとの融着の観点から、溶融可能である樹脂が好適である。
溶融可能である樹脂としては、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系重合体;ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン系共重合体、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂)などのスチレン系樹脂;ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリアクリロニトリルなどのアクリル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、エチレングリコール−テレフタル酸−イソフタル酸共重合体、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂などが挙げられる。これらの中でも、透明性、耐衝撃性の観点で、アクリル系樹脂又はポリカーボネート系樹脂が好ましい。
また、有機ガラス中には、上記樹脂に加えて、必要に応じて各種添加剤、例えば酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、可塑剤、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムなどの無機物粉末、木粉、ガラス繊維などの充填剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、着色剤などを添加することができる。
有機ガラスの厚みについては特に制限はなく、当該機能性有機ガラスの用途に応じて選定されるが、通常1〜20mmが好ましく、2〜10mmがより好ましい。基板の厚さが1mm以上であると面剛性などの実用的な強度が十分となり、20mm以下であると加工性が向上する。
[機能性シート]
機能性シートは、樹脂基材上に、凹凸部と、該凹凸部の少なくとも一部を埋設する埋設部とからなる第1の機能性層を有してなるものである。
樹脂基材を構成する樹脂は、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリイミド系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、可視光透過性や作業性などを考慮すると、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレートなどのアクリル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル系樹脂;及びポリジエチレングリコールビスアリルカーボネート(PEDC)などのポリカーボネート系樹脂が好ましい。アクリル系樹脂としては、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)が好適に挙げられ、ポリジエチレングリコールビスアリルカーボネートとしてはアリルジグリコールカーボネートが好適に挙げられる。
また、有機ガラスとの融着の観点から、樹脂基材を構成する樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が300℃以下であることが好ましく、50〜280℃であることがより好ましい。
樹脂基材は、可視光透過性を阻害しない範囲内であれば、色彩を整えるための塗装や、デザイン的な観点での模様があらかじめ形成されていてもよい。
樹脂基材の厚さについては特に制限はないが、優れた耐候性を確保し、かつ作業性や汎用性を考慮すると、通常20〜200μm程度、好ましくは30〜150μmの範囲である。
また、融着工程の容易性の観点から、[有機ガラスの厚さ/樹脂基材の厚さ]の比が3〜75であることが好ましく、5〜50であることがより好ましい。
樹脂基材は、第1の機能性層との密着性を向上させるために、コロナ放電処理、クロム酸化処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理、サンドブラスト処理、溶剤処理、化学的表面処理、プライマー層形成などの易接着処理を施してもよい。これら易接着処理の中でも、第1の機能性層に応じて材料選択し得る観点からプライマー層が好適である。
プライマー層の形成に用いられる材料としては特に限定されず、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂、セルロース系樹脂、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレンなどの樹脂の1種単独又は2種以上の混合物が用いられるが、耐候性の観点から、ポリウレタン系2液硬化型樹脂を用いたものが好ましい。
ポリウレタン系2液硬化型樹脂としては、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系、ポリエステル系、ウレタン系、アクリル系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系などのポリマーポリオール単独、又はそれらの混合物に対して、使用直前に硬化剤を添加したものが用いられる。
硬化剤としては、多価イソシアネートが好ましく、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートなどの脂肪族イソシアネートないしは脂環式イソシアネート;を用いることができ、あるいは、上記各種イソシアネートの付加体又は多量体、例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート3量体なども用いることができる。
ポリウレタン系2液硬化型樹脂は、ポリマーポリオールの未硬化時のガラス転移温度Tgが65℃以上であることが好ましく、該ガラス転移温度Tgの上限に特に制限はないが、通常110℃程度であり、好ましいTgは70〜100℃の範囲である。ガラス転移温度Tgが上記範囲内であると、優れた密着性が得られる。
プライマー層中には、より優れた耐候性を付与するため、紫外線吸収剤や光安定剤を含有させてもよい。プライマー層における紫外線吸収剤の含有量は、プライマー層の形成に用いられる樹脂100質量部に対して、5〜40質量部が好ましく、5〜30質量部がより好ましく、5〜25質量部がさらに好ましい。また、光安定剤の含有量は、プライマー層の形成に用いられる樹脂100質量部に対して、5〜40質量部が好ましく、5〜30質量部がより好ましく、5〜20質量部がさらに好ましい。
プライマー層の厚さは、0.1〜20μmであることが好ましく、0.5〜10μmがより好ましく、1〜5μmがさらに好ましい。
樹脂基材の第1の機能性層と反対側の面には、有機ガラスとの接着をより高める観点から、裏面プライマー層を設けることができる。
裏面プライマー層を構成する樹脂としては、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、スチレン−アクリル共重合体系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂などの中から選ばれる1種又は2種以上の樹脂を挙げることができ、これらの中でも、感熱接着性及び/又は感圧接着性を発現するものが好適である。
裏面プライマー層の厚さは、0.1〜20μmであることが好ましく、0.5〜10μmがより好ましく、1〜5μmがさらに好ましい。
裏面プライマー層には、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シュウ酸アニリド系化合物、シアノアクリレート系化合物、サリシレート系化合物などの有機系の紫外線吸収剤や、亜鉛、チタン、セリウム、スズ、鉄などの酸化物のような無機系の紫外線吸収能を有する微粒子の添加剤を含有させることができる。
第1の機能性層は、凹凸部と、該凹凸部の少なくとも一部を埋設する埋設部とからなるものである。本発明では、凹凸部の少なくとも一部が埋設されていることから、有機ガラスとの融着工程で機能性層の機能を低下させづらくすることができる。
埋設部が凹凸部を埋設する程度は、図2(a)〜(c)、図3のように完全に埋設していても良いし、図2(d)のように凹凸の一部が埋設されていてもよいが、凹凸の高さ若しくは深さの40%以上埋設していることが好ましく、70%以上埋設していることがより好ましく、80%以上埋設していることがさらに好ましく、100%埋設していることが特に好ましい。また、図2(b)、(c)、図3のように、凹凸の高さ若しくは深さを超えて埋設していてもよい。
凹凸の高さ若しくは深さは、発現させる機能によって異なるため一概にはいえないが、通常10〜200μm程度である。
第1の機能性層の凹凸部及び埋設部を構成する材料は、発現させる機能によって構成が異なるため一概にはいえないが、有機ガラスとの融着時の熱や圧力への耐久性の観点、および機能性ガラスとしての機能の経時安定性の観点から、熱硬化型樹脂組成物又は電離放射線硬化型樹脂組成物などの硬化型樹脂組成物から形成されてなるものが好ましく、電離放射線硬化型樹脂組成物から形成されてなるものがより好ましい。
なお、所定の機能を発現するために、凹凸部を構成する材料と、埋設部を構成する材料とは、原則として別の材料を用いることが好ましい。
熱硬化型樹脂組成物としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、水酸基官能性アクリル樹脂、カルボキシル官能性アクリル樹脂、アミド官能性共重合体、ウレタン樹脂などの硬化型樹脂と、必要に応じて添加する硬化剤又は架橋剤を含む。
熱硬化型樹脂組成物の架橋硬化の態様としては特に限定されず、以下のような態様がある。エポキシ樹脂は、アミン、酸触媒、カルボン酸、酸無水物、水酸基、ジシアンジアミド又はケチミンとの反応、フェノール樹脂は、塩基触媒と過剰なアルデヒドとの反応、ユリア樹脂はアルカリ性または酸性下での重縮合反応、不飽和ポリエステル樹脂は無水マレイン酸とジオールとの共縮合反応、メラミン樹脂はメチロールメラミンの加熱重縮合反応、アルキド樹脂は、側鎖などに導入された不飽和基同士の空気酸化による反応、ポリイミド樹脂は、酸または弱アルカリ触媒の存在下での反応、又はイソシアネート化合物との反応(2液型の場合)、シリコーン樹脂は、シラノール基の酸触媒の存在下での縮合反応、水酸基官能性アクリル樹脂は、水酸基と自身が持つアミノ樹脂との反応(1液型の場合)、カルボキシル官能性アクリル樹脂は、アクリル酸またはメタクリル酸などのカルボン酸とエポキシ化合物による反応、アミド官能性共重合体は水酸基との反応または自己縮合反応、ウレタン樹脂は、水酸基を含有するポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂等の樹脂とイソシアネート化合物又はその変性物との反応などにより架橋硬化が促進される。
電離放射線硬化型樹脂組成物は、電磁波または荷電粒子線の中で分子を架橋、重合させ得るエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線または電子線などを照射することにより、架橋、硬化する樹脂組成物を指す。具体的には、従来電離放射線硬化型樹脂として慣用されている重合性モノマー及び重合性オリゴマーないしはプレポリマーの中から適宜選択して用いることができる。
代表的には、重合性モノマーとして、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート系モノマーが好適であり、中でも多官能性(メタ)アクリレートが好ましい。なお、ここで「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタクリレート」を意味し、他の類似するものも同様の意である。多官能性(メタ)アクリレートとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有する(メタ)アクリレートであればよく、特に制限はない。具体的にはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの多官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、電離放射線硬化型樹脂組成物中には、上記多官能性(メタ)アクリレートとともに、その粘度を低下させるなどの目的で、単官能性(メタ)アクリレートを、本発明の目的を損なわない範囲で適宜併用することができる。
単官能性(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの単官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
次に、重合性オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマー、例えばエポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系などが挙げられる。
ここで、エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーも用いることができる。ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付与して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
さらに、重合性オリゴマーとしては、他にポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマー、あるいはノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等の分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマーなどがある。
電離放射線硬化型樹脂組成物として紫外線硬化型樹脂組成物を用いる場合には、紫外線硬化型樹脂組成物中に、光重合用開始剤を0.1〜5質量%程度含有することが望ましい。
光重合用開始剤としては、従来慣用されているものから適宜選択することができ、特に限定されず、例えば、分子中にラジカル重合性不飽和基を有する重合性モノマーや重合性オリゴマーに対しては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタールなどが挙げられる。
また、分子中にカチオン重合性官能基を有する重合性オリゴマー等に対しては、芳香族スルホニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等が挙げられる。
また、光増感剤としては、例えばp−ジメチル安息香酸エステル、第三級アミン類、チオール系増感剤などを用いることができる。
本発明においては、電離放射線硬化型樹脂組成物として電子線硬化型樹脂組成物を用いることが好ましい。電子線硬化型樹脂組成物は無溶剤化が容易であって、環境や健康の観点からより好ましく、かつ、光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られるからである。さらに、電子線硬化型樹脂組成物は、紫外線吸収剤などを添加することで容易に耐候性などの機能を付与することができるなどの観点で好適である。
硬化型樹脂組成物中には、機能を発現するための微粒子などの機能性材料を含有していてもよい。
第1の機能性層としては、例えば、光透過性を有する凹凸部と、該凹凸部の少なくとも一部を埋設する光吸収性を有する埋設部とからなる熱線制御層や視界制御層(覗き見防止層)が挙げられる。
また、第1の機能性層としては、光吸収性を有する凹凸部と、該凹凸部の少なくとも一部を埋設する光透過性を有する埋設部とからなる熱線制御層、視界制御層(覗き見防止層)が挙げられる。
また、第1の機能性層としては、集光性を有するプリズム形状の凹凸部と、該凹凸部を構成する材料の屈折率と異なる屈折率の材料により該凹凸部の少なくとも一部を埋設した埋設部とからなる集光層が挙げられる。
また、第1の機能性層としては、光透過性を有する凹凸部と、該凹凸部の少なくとも一部を埋設する光散乱性を有する埋設部とからなる採光層が挙げられる。
また、第1の機能性層としては、光散乱性を有する凹凸部と、該凹凸部の少なくとも一部を埋設する光透過性を有する埋設部とからなる採光層が挙げられる。
また、第1の機能性層としては、任意の方向に光を屈折する凹凸部と、該凹凸部を構成する材料の屈折率と異なる屈折率の材料により該凹凸部の少なくとも一部を埋設した埋設部とからなる採光層が挙げられる。
第1の機能性層の凹凸部の形状や材料、埋設部の材料は、要求される機能に応じて、公知技術の範囲で設計ないし選択すればよい。
第1の機能性層は、例えば、樹脂基材上に硬化型樹脂組成物からなる硬化層を形成し、当該硬化層に凸部を有するエンボスロールを押し当て、必要に応じて、加熱、加圧、電離放射線照射して、前記凸部の反転形状の凹部が形成された硬化層を形成した後、凹部を有する賦型シートをロールに沿わせながら搬送し、埋設部形成組成物(例えば、熱線制御層の場合、バインダー樹脂と熱線吸収剤との混合組成物)を塗布して、凹部の少なくとも一部を埋設することにより形成できる。なお、凹部の全てを埋設するため、塗布を複数回行ってもよく、凹部の表面を平滑にするため、塗布後にスキージ等で余分な材料を除去してもよい。
また、第1の機能性層は、例えば、形成する凹凸層の表面形状とは相補的な形状を有する型内に硬化型樹脂組成物を充填し、形状パターンを転写賦形させ、その上に樹脂基材を重ね合わせた後、硬化型樹脂組成物を硬化させ、型から剥離することで、樹脂基材上に凸部を有するシートを得て、その後、当該シートに、埋設部形成組成物(例えば、光集光層の場合、凸部を構成する樹脂とは異なる屈折率の樹脂)を塗布して、凸部の少なくとも一部を埋設することにより形成できる。
第1の機能性層上には、さらに第2の機能性層、第3の機能性層などの別の機能性層を有していてもよい(図4)。なお、第1の機能性層の埋設部と凹凸部との間に段差がある場合、別の機能性層を設けることにより、機能性シートの表面の段差を低減できる点で好ましい(図4(b)、図4(c))。
別の機能性層としては、例えば、ハードコート層、自浄性層(セルフクリーニング層)、紫外線吸収層、防指紋層、防曇層、耐候層、耐薬品層などが挙げられ、2層以上形成してもよい。別の機能性層の膜厚は、1〜100μm程度である。
なお、別の機能性層も、第1の機能性層と同様に、硬化型樹脂組成物から形成されてなることが好ましい。また、硬化型樹脂組成物の中でも電離放射線硬化型樹脂組成物が好ましく、特に電子線硬化型樹脂組成物が好ましい。
機能性シートの表面は、第1の機能性層の凹凸部の影響により、凹凸を有していても良いが、有機ガラスとの融着工程の作業性、及び融着時の機能性シートの機能低下を防止するため、略平坦であるように凹凸が小さいことが好ましい。具体的には、機能性シートの最表面、または表面の平坦箇所を基準として、当該基準から、凸部の高さ又は凹部の深さが60μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましく、10μm以下であることがさらに好ましく、5μm以下であることが特に好ましい。
本発明の機能性有機ガラスは、上述した機能性シートの樹脂基材側と、有機ガラスとを融着してなるものである。本発明の機能性有機ガラスは、2つの部材が融着されていることから、接着性に優れ、経時的に剥がれたりすることがなく、かつ機能性シートの第1の機能性層の凹凸部の一部が埋設されていることから、融着時の機能低下を抑えることができるものである。
機能性シートと有機ガラスとの融着手段については後述する。
[機能性有機ガラスの製造方法]
本発明の機能性有機ガラスの製造方法は、有機ガラスと、樹脂基材上に凹凸部と該凹凸部の少なくとも一部を埋設する埋設部とからなる第1の機能性層を有する機能性シートの樹脂基材側とを融着する融着工程を有するものである。
有機ガラスと機能性シートとを融着する工程では、成形済みの有機ガラスと機能性シートとを融着してもよいが(例えば、成形済みの有機ガラスと機能性シートとを貼り合わせた後、加熱して融着する)、有機ガラスの成形と同時に有機ガラスと機能性シートとを融着することが好ましい。
有機ガラスの成形方法として、例えば、サーモジェクト成形法(加熱真空成形工程と射出成形工程を1つにした射出成形法)、インサート成形法、インモールド成形法などの射出成形法、押出し成形法、射出プレス成形法などの種々の成形方法が用いられる。
有機ガラスの成形の際には、有機ガラスの原料を溶融させる必要がある。溶融手段としては、超音波、高周波、熱が挙げられるが、有機ガラスの成形と同時に機能性シートを融着できるなどの観点から熱が好ましい。
サーモジェクト成形法、インサート成形法又はインモールド成形法においては、機能性シートの樹脂基材側にポリカーボネート樹脂等の有機ガラスの原料を射出して、種々の曲面を有する有機ガラス成形品を製造することができる。インモールド成形法では、機能性シートを加熱することなく、射出成型機の金型内に挟み込み、射出することにより、溶融した有機ガラス原料の熱等で、有機ガラスと機能性シートとを融着することができる。
また、押出し成形法では、ポリカーボネート樹脂等の有機ガラスの原料がダイスから吐出する直後又は冷却後に、ロール等で、機能性シートの樹脂基材側を有機ガラスに圧着して、有機ガラスと機能性シートとを融着することができる。押出し成形法は、ロール状の機能性シートを用いれば、連続して機能性有機ガラスを製造できる点で好適である。
さらに、射出プレス成形法では、型開きした金型に予め機能性シートを配置し、圧縮ストローク分だけ開いた金型空間に溶融した有機ガラス原料を射出し、充填完了後金型を閉じ、型締め力で圧縮して、有機ガラスと機能性シートとを融着することができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、この例によってなんら限定されるものではない。
<評価方法>
(1)接着性
実施例1〜12及び比較例1〜5の機能性有機ガラスを80℃の温水に168時間浸漬し、機能性シートの剥がれ及び機能性シート密着性(カッターで十字形状に切れ目を入れた後にテープ剥離で確認。さらに、接着層を設けて貼り合せた試験片については、JIS A 5759の粘着力試験を参考に、厚さ3mm、幅30mm以上の有機ガラスに、幅25mmの機能性シートを貼り合せて試験片を作製し、温水に浸漬した後、180度引きはがし試験を実施して密着力を確認。)を評価した。その結果、機能性シートの剥がれがなく、かつ機能性シート密着性の低下がなかったものを「○」、機能性シートの剥がれ又は機能性シート密着性の低下があったものを「×」とした。
(2)機能性シートの機能維持
実施例1〜12及び比較例1〜4の機能性有機ガラスの日射遮蔽係数と、実施例1〜12及び比較例1〜4の機能性有機ガラスの作製に用いた機能性シートの日射遮蔽係数とを比較し、遮蔽係数の変化量が0.05以下のものを「○」とした。なお、比較例5の機能性有機ガラスは、比較例5の機能性有機ガラスの作製に用いた機能性シートのプリズム形状がつぶれており、機能が低下しているため「×」とした。
(3)耐擦傷性
実施例1及び7〜9の機能性有機ガラスの機能層表面及びリファレンス(帝人化成社製パンライトL−1250Z100を厚み3mmの板状に射出成形したポリカーボネート)を、#0000のスチールウールを用い、荷重1.5kgで10往復擦った後の表面を観察した。その結果、傷が見られないものを「○」、僅かに傷が生じるもののリファレンスよりも傷が小さいか傷の本数が少ないものを「△」、リファレンスと同等以上の傷が見られるものを「×」とした。
(4)耐候性
実施例1、6、7及び9〜11の機能性有機ガラスの機能層側の面及びリファレンス(帝人化成社製パンライトL−1250Z100を厚み3mmの板状に射出成形したポリカーボネート)に、アイスーパーUVテスター(岩崎電気株式会社製)を用い、ライト条件(照度60mW/cm2、ブラックパネル温度65℃、湿度50%RH)で20時間、結露条件(照度0mW/cm2、ブラックパネル温度30℃、湿度98%RH)で4時間、水噴霧条件(結露条件の前後30秒間)で試験するサイクルを500時間続けた後の外観を目視で観察した。その結果、外観変化が見られないものを「○」、外観変化が生じるもののリファレンスよりも少ないものを「△」、リファレンスと同等以上の外観変化が見られるものを「×」とした。
<機能性シートの作製>
[機能性シートa]
厚さ125μmで連続帯状のTg145℃のポリカーボネートから成る樹脂基材の一方の表面に、下記処方のプライマー層塗布液xを乾燥後の膜厚が1.5μmとなるように塗布、乾燥し、第1プライマー層を形成した。
<プライマー層塗布液x>
ポリカーボネート系ウレタンアクリレート(ポリカーボネート系ウレタンアクリレートにおけるウレタン成分とアクリル成分の質量比:70/30)組成物と、イソシアネート系硬化剤とを質量比を100:5で混合し、溶剤で希釈したもの。
次に、第1プライマー層上に、ウレタンアクリレート系のプレポリマー、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート単量体、及びベンゾフェノン系光開始剤から成る紫外線硬化型樹脂組成物を膜厚が82μmとなる様に塗布した。
次に、ロール金型表面の面方向に沿って円周方向に直線状に連なり、その主切断面が、高さ150μm、版表面側の幅が30μm、版から遠い側の幅が25μmの長方形となる凸部を、60μm周期で複数条互いに平行に配列した凸条群(吸収部群と同形状且つ逆凹凸)が形成されたロール金型とポリカーボネートフィルムとの間に、塗布した紫外線硬化型樹脂組成物を挟んだ状態で水銀灯からの紫外線を照射して該紫外線硬化型樹脂組成物を架橋硬化し、しかる後ロール金型を離型することにより、樹脂基材(ポリカーボネートフィルム)上に、ロール金型の凸部の反転形状の凹部を有する硬化層が形成された賦型シートを得た。
一方、透明アクリル系の紫外線硬化性プレポリマー100質量部中に、ATOナノ粒子(平均粒子径100nm)10質量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロへキシル−フェニル−ケトン(商品名:イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ社製)2質量部を混合して液状の光吸収材料組成物を調製した。
次に、上記光吸収材料組成物を、上記賦型シートに塗布し、鉄製ドクターブレードでスキージして、賦型シートの凹部外の光吸収材料組成物のみを掻き取り除去し、凹部の100%を光吸収材料組成物で埋設し、樹脂基材上に熱線制御層(第1の機能性層)を有する機能性シートaを得た。
[機能性シートa’]
機能性シートaの作製において、樹脂基材を厚さ75μmのポリカーボネートフィルムに変更した以外は、機能性シートaと同様にして、機能性シートa’を得た。
[機能性シートa’’]
機能性シートaの作製において、樹脂基材を厚さ450μmのポリカーボネートフィルムに変更した以外は、機能性シートaと同様にして、機能性シートa’’を得た。
[機能性シートa’’’]
機能性シートaの作製において、樹脂基材を厚さ125μmでTg100℃のアクリル樹脂基材に変更した以外は、機能性シートaと同様にして、機能性シートa’’’を得た。
[機能性シートb]
機能性シートaの第1プライマー層を、以下のプライマー層塗布液yから形成される耐候性を有する厚み1.5μmの第1プライマー層に変更し、紫外線硬化型樹脂組成物を、ウレタンアクリレート(重量平均分子量:3500、官能基数:2〜3)100質量部、紫外線吸収剤3質量部、光安定剤1質量部からなる電子線硬化型樹脂組成物に変更し、照射する光線を電子線(加速電圧165kV、照射線量50kGy)に変更した以外は、機能性シートaと同様にして、機能性シートbを得た。
<プライマー層塗布液y>
ポリウレタン系2液硬化型樹脂(アクリル系ポリマーポリオールと硬化剤としてキシリレンジイソシアネートとを、NCO当量とOH当量とが同量になるように含む組成物、Tg(ポリオールの未硬化時):100℃)80部、ウレタン樹脂(Tg:−30〜−40℃)20部、ヒンダードアミン系光安定剤4質量部、トリアジン系紫外線吸収剤3質量部とから成る組成物を溶剤で希釈したもの。
[機能性シートc]
機能性シートaの熱線制御層上に、プライマー層塗布液xを乾燥後の膜厚が3μmとなるように塗布、乾燥し、第2プライマー層を形成した。次いで、第2プライマー層上に、下記処方のハードコート層塗布液Aを乾燥後の膜厚が5μmとなるように塗布、乾燥、紫外線硬化し、ハードコート層(第2の機能性層)を形成し、機能性シートcを得た。
<ハードコート層塗布液A>
ウレタンアクリレート(重量平均分子量:2,400、官能基数:3)100質量部に対して、光重合開始剤4質量部を含む組成物を溶剤で希釈したもの。
[機能性シートd]
機能性シートbの熱線制御層上に、プライマー層塗布液xを乾燥後の膜厚が3μmとなるように塗布、乾燥し、第2プライマー層を形成した。次いで、第2プライマー層上に、ハードコート層塗布液Aを乾燥後の膜厚が5μmとなるように塗布、乾燥、紫外線硬化し、ハードコート層(第2の機能性層)を形成し、機能性シートdを得た。
[機能性シートe]
機能性シートaの熱線制御層上に、プライマー層塗布液yを乾燥後の膜厚が3μmとなるように塗布、乾燥し、耐候性を有する第2プライマー層を形成した。次いで、第2プライマー層上に、下記の処方からなるハードコート層塗布液Bを乾燥後の膜厚が5μmとなるように塗布、乾燥、電子線硬化し、耐候性を有する電子線硬化型のハードコート層(第2の機能性層)を形成し、機能性シートeを得た。
<ハードコート層塗布液B>
2官能ポリカーボネートアクリレート(重量平均分子量:10,000)94部、6官能ウレタンアクリレートオリゴマー(重量平均分子量:6,000)6部、ヒンダードアミン系光安定剤4質量部、トリアジン系紫外線吸収剤2質量部とから成る組成物を溶剤で希釈したもの。
[機能性シートf]
機能性シートeの耐候性ハードコート層を、下記処方の表面保護層塗布液Cから形成される自浄性耐候表面保護層(第2の機能性層)に変更した以外は、機能性シートeと同様にして、機能性シートfを得た。
<表面保護層塗布液C>
カプロラクトン系ウレタンアクリレートオリゴマー(2官能、分子量:約1000)100質量部に対して、EB反応性光安定剤(BASFジャパン株式会社製、サノールLS−3410)を6質量部、トリアジン系紫外線吸収剤(BASFジャパン株式会社製、チヌビン479)を1質量部、メチルシリケート(三菱化学社製、MS−56S)を1質量部含む組成物を溶剤で希釈したもの。
[機能性シートg]
機能性シートaのプライマー層塗布液xを、プライマー層塗布液yに変更した以外は、機能性シートaと同様にして、機能性シートgを得た。
[機能性シートh]
機能性シートaの作製において、光吸収材料組成物の塗布量を70g/m2とし、凹部の85%を光吸収材料組成物で埋設するように変更した以外は、機能性シートaと同様にして、機能性シートhを得た。
[機能性シートi]
機能性シートaの樹脂基材の熱線制御層とは反対側の面に、光学用透明接着層(日東電工社製、LUCIACS CS9621T)の接着層を転写して接着層を形成し、機能性シートiを得た。
[機能性シートj]
機能性シートaの樹脂基材の熱線制御層とは反対側の面に、接着剤主剤(綜研化学社製、SK−2094)100部、硬化剤(綜研化学社製、E−5XM)0.25部及び希釈溶剤からなる接着層塗布液を、乾燥後の膜厚が25μmとなるように、塗布、乾燥して接着層を形成し、機能性シートjを得た。
[機能性シートk]
機能性シートaの樹脂基材の熱線制御層とは反対側の面に、接着剤主剤(綜研化学社製、SK−2094)100部、紫外線吸収剤(BASF社製、TINUVIN-477)10部及び希釈溶剤から接着層塗布液からなる接着層塗布液を、乾燥後の膜厚が25μmとなるように、塗布、乾燥して耐候性を有する接着層を形成し、機能性シートkを得た。
[機能性シートl]
機能性シートbの樹脂基材の熱線制御層とは反対側の面に、光学用透明接着層(日東電工社製、LUCIACS CS9621T)の接着層を転写して接着層を形成し、機能性シートlを得た。
[機能性シートm]
機能性シートmとして、市販のプリズムシート(五洋紙工社製、GTL6000F)を準備した。
<機能性有機ガラスの作製>
実施例1〜12及び比較例1〜5の機能性有機ガラスを、表1に示す作製条件(使用する機能性シート、有機ガラスを構成する樹脂、成形手段)の組み合わせで成形した。
なお、成形手段は以下に示すとおりである。また、有機ガラスを構成する樹脂は、ポリカーボネート樹脂は帝人化成社製のパンライトL−1250Z100を用いた。また、有機ガラスを構成する樹脂を溶融する際、ポリカーボネート樹脂は310℃で溶融させた。
[インサート成形]
機能性シートをヒーター温度280℃で加熱して機能性シートの温度を160℃とした後、樹脂基材側が真空成形機のコア側を向くように、金型内に機能性シートを配置し、真空成形した。その際、機能性シートの金型は、80mm角の大きさで、絞り3mm、コーナー部が11Rのトレー状である形状のものを用いた。
真空成形機から取り出した機能性シートを、機能性シートの樹脂基材側が射出成形機のコア側を向くように、金型内に機能性シートを配置した。
一方、有機ガラスを構成する樹脂を溶融状態にしてから、キャビティ内に射出した。温度60℃の金型から取り出し、機能性シートの樹脂基材側と、有機ガラスとが融着された機能性有機ガラスを得た。なお、有機ガラス部分の厚みは3mmであった。
[サーモジェクト成形]
機能性シートを熱盤温度350℃で加熱して該機能性シートの温度が100℃とし、射出成形の金型内形状に沿うように真空成形して、金型内面に密着させた。その際、機能性シートの樹脂基材側が射出成形機のコア側を向くように、金型内に機能性シートを配置した。金型は、80mm角の大きさで、絞り3mm、コーナー部が11Rのトレー状である形状のものを用いた。一方、有機ガラスを構成する樹脂を溶融状態にしてから、キャビティ内に射出した。温度60℃の金型から取り出し、機能性シートの樹脂基材側と、有機ガラスとが融着された機能性有機ガラスを得た。なお、有機ガラス部分の厚みは3mmであった。
[押出成形]
ポリカーボネート樹脂を溶融して金型(ダイ)からシート状に押し出して連続成形して厚み3mmのシート状の有機ガラスを作製すると共に、吐出する直後に機能性シートの樹脂基材側と、有機ガラスとが熱融着された機能性有機ガラスを得た。
[貼り合わせ]
ポリカーボネート樹脂(帝人化成社製、パンライトL−1250Z100)を溶融押出しして、厚み3μmの有機ガラスを得た。次いで、有機ガラスと、機能性シートの接着層側とを貼り合わせ、機能性有機ガラスを得た。
表1の結果から明らかなように、本発明の機能性有機ガラスは、接着性の問題がなく、凹凸構造を有する機能性層の機能低下を抑えることができるものであった。
本発明の機能性有機ガラスは、一般住居の玄関ドアや外装材、公共施設の床材や外壁、屋根などの建造物外装、あるいは自動車、列車、船舶、航空機、産業機械、重機などの構造物外装、とりわけ窓材やサンルーフ材、さらにはショーウィンドウ、ショーケース、ディスプレイの表面材、ヘッドランプ、ヘッドランプカバーなどといった、従来無機ガラスが用いられていた部分に好適に用いられる。
1 :機能性有機ガラス
2 :有機ガラス
31:樹脂基材
32:第1機能性層
33:第2機能性層
3 :機能性シート
x :凹凸部
y :埋設部

Claims (8)

  1. 樹脂基材上に、凹凸部と、該凹凸部の少なくとも一部を埋設する埋設部とからなる第1の機能性層を有する機能性シートの樹脂基材側と、有機ガラスとを融着してなる、機能性有機ガラス。
  2. 前記第1の機能性層の凹凸部及び/又は埋設部が硬化型樹脂組成物から形成されてなる、請求項1に記載の機能性有機ガラス。
  3. 前記樹脂基材と第1の機能性層との間にプライマー層を有する、請求項1又は2に記載の機能性有機ガラス。
  4. 前記樹脂基材と有機ガラスとの間に裏面プライマー層を有する、請求項1〜3の何れかに記載の機能性有機ガラス。
  5. 前記第1の機能性層が、凹凸部が光透過性を有し、埋設部が光吸収性を有する熱線制御層である、請求項1〜4の何れかに記載の機能性有機ガラス。
  6. 前記第1の機能性層上に、別の機能性層を有する、請求項1〜5の何れかに記載の機能性有機ガラス。
  7. 有機ガラスと、樹脂基材上に凹凸部と該凹凸部の少なくとも一部を埋設する埋設部とからなる第1の機能性層を有する機能性シートの樹脂基材側とを融着する工程を含む、機能性有機ガラスの製造方法。
  8. 前記融着を、有機ガラスの成型時に同時に行う、請求項7記載の機能性有機ガラスの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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