JP2014069052A - 救命機能付き袋状物体 - Google Patents

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Abstract

【課題】クッションや枕としての基本的な機能である座り心地や安眠促進を保持しながら、浮袋としての機能を付加した袋状物体、即ち救命機能付き袋状物体を、使い勝手が良く、コスト的に有利な状態で提供する。
【解決手段】袋状の表皮部材である布地2の内部に、独立気泡を有するプラスチック発泡体を粉砕して形成した粒子3を、餡子状部材として内蔵させ、該粒子に内在する気泡4によって、浮力を持たせるようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、袋状に形成された表皮部材である布地の中に、粒状或いはスポンジ状に形成した餡子状部材(プラスチック製等)を入れた袋状物体に関するものである。
袋状の布地の中に餡子状部材を入れ、袋状物体として、広く使用されている代表的なものに、自動車のシートや一般家庭のソファに使用されるクッションと寝具用としての枕がある。クッションに求められる機能は、云うまでもなく、座り心地であり、自動車のシートでは、長時間乗車した場合に、その良さ悪さが疲労感に大きな影響を与え、枕に於いては、人間にとって、非常に大切な睡眠に直接影響し、その良さ悪さによって、熟睡できるか否かが決まると云っても過言ではない。
このように、我々人間にとって、重要且つ大切な機能を持つ袋状物体即ちクッションや枕は、重要であるからこそ、種々開発され、快適な座り心地が得られるクッションや安眠そして熟睡が出来る枕も多々出現してきている。
こうして、袋状物体としてのクッションや枕は、最も重要であり、基本的な機能である座り心地と睡眠に特化し、当然のことではあるが、その機能換言すれば性能向上に向けて、開発が行われて来た。
然しながら、本出願人は疑問を感じたのである。重要ではあるものの、基本的な機能に於ける性能向上だけを追求するのが最善の方法であるのかと云うことである。基本的な機能に、新たな機能を付加し、その機能が我々人間にとって有益であれば、袋状物体としてのクッションや枕の用途が更に広がるものと思考したのである。
そこで、袋状物体としてのクッションや枕の使用状況の見直しを実施し、付加すべき新たな機能として、何が有益かを調査したのである。先ずクッションであるが、自動車のシートに於いては、当然の如く、座部に載置しておき、乗員は、その上に腰をかける。ソファでは、座部に載置しておき、その上に座る。いずれの場合も、クッションは、一度載置されると、殆どが載置されたままの状態が続くことになる。枕に於いても同様であり、特にベットでは、敷布団に載置されたままの状態が普通である。
ところが、本出願人は、クッションや枕は、所定の場所に、ただ載置されていて、移動するものではないと思い込んでいることに気付いたのである。クッションや枕は、自動車と共に、移動するのである。自動車には、炊事や睡眠そして休息等一時的に居住する為の機能を有したレジャー用のキャンピングカーがあり、大型のRV車では、寝具等を搭載して置くことで、仮眠することが可能となるものがある。駐車場所換言すれば、居住場所が変わることで、袋状物体としてのクッションや枕には、基本的な機能である座り心地や睡眠以外の使われ方があるという思いを強くしたのである。
自動車特にキャンピングカーは、休日に於ける、家族や友人達との旅行等のレジャーに多用される。例えば、家族或いは友人達との四季折々の旅行や子供の為の公園行き等である。そして、忘れてならないのが、夏の海水浴で、日本全国の海水浴場には、涼を求めて、大勢の人達が集まってくる。
然し、海水浴は、楽しい時ばかりでなく、時には、思いもよらぬ惨事に巻き込まれることがある。云うまでもなく海難事故である。海難事故はもとより、川やプールによる事故を含めた水難事故は、監視員の強化等いろいろ対策が取られているが、毎年多くの人達が犠牲となり、早急な対応が求められている。
水難事故防止には、監視体制の強化、水に対する注意喚起の徹底、遊泳区域の厳守、体調の管理、浮袋等の救命器具の持参が重要であって、誰でも知っていることでありながら、おざなりになっている場合が多い。その中で、大勢の遊泳者が心がけているのが、浮袋等の救命器具の持参である。特に子供ずれの場合は、必需品と云っても良い程であるが、手元に無い、探すのが面倒、或いは、ついうっかり忘れたということで、浮袋さえ持参しない場合も多々見受けられる。
こうした見直しの結果、本出願人は、袋状物体としてのクッションや枕に浮袋としての機能を付加することを検討し、一定の先行技術を調査した結果、類似技術が無いことを確認し、開発を進めることにした。
本発明は、こうした状況に鑑み、クッションや枕としての基本的な機能である座り心地や安眠促進を保持しながら、浮袋としての機能を付加した袋状物体、即ち救命機能付き袋状物体を、使い勝手が良く、コスト的に有利な状態で提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、袋状の表皮部材である布地の内部に、独立気泡を有するプラスチック発泡体を粉砕して形成した粒子を、餡子状部材として内蔵させ、該粒子に内在する気泡によって、浮力を持たせるようにしたものである。このように構成したことにより、袋状物体は、当初の機能(座り心地、睡眠)を保持した状態のまま、浮力を利用することで、浮袋としての機能をも有することになり、緊急を要する川や海に於ける水難事故発生時にも、空気を入れる必要が無く、即時に対応可能であり、救命器具として有効に使用出来る。そして、浮袋を忘れた場合は、その代用として、使用することも可能であって、粒子を汎用性のあるプラスチック材料を使用していることから、コスト的に有利な状態で提供することが出来るようになる。更に、独立気泡を内在した粒子を使用していることから、浮力を半永久的に持続させることが出来る。
請求項2記載の発明は、袋状の表皮部材である布地をクッションとして形成したものである。このように構成したことにより、自動車用として使用した場合は、海や川に、遊びに行った時等、緊急を要する事故が発生した場合、空気を入れる必要が無く、常時携帯或いは自然に携帯しているので、即時に浮袋として使用可能であり、救命器具として有効に活用出来る。そして、浮袋を忘れた場合は、その代用として、使用することも出来る。
請求項3記載の発明は、袋状の表皮部材である布地を枕として形成したものである。このように構成したことにより、キャンピングカーに搭載した場合は、海や川に、遊びに行った時等、緊急を要する事故が発生した場合、空気を入れる必要が無く、常時携帯或いは自然に携帯しているので、即時に浮袋として使用可能であり、救命器具として有効に活用出来る。そして、浮袋を忘れた場合は、その代用として、使用することも出来る。
本発明は、以上説明したように構成されているので、下記に説明するような効果を奏する。
本発明による、救命機能付き袋状物体は、袋状の表皮部材である布地の内部に、独立気泡を有するプラスチック発泡体を粉砕して形成した粒子を、餡子状部材として内蔵させ、該粒子に内在する気泡によって、浮力を持たせるようにしたので、袋状物体は、当初の機能(座り心地、睡眠)を保持した状態のまま、浮力を利用することで、浮袋としての機能をも有することになり、緊急を要する川や海に於ける水難事故発生時にも、空気を入れる必要が無く、即時に対応可能であり、救命器具として有効に使用出来る。そして、浮袋を忘れた場合は、その代用として、使用することも可能である。又、粒子を汎用性のあるプラスチック材料を使用していることから、コスト的に有利な状態で提供することが出来るようになる。更にその上、独立気泡を内在した粒子を使用していることから、浮力を半永久的に持続させることが出来る。
更に、本発明による、救命機能付き袋状物体は、自動車用として使用した場合は、海や川に、遊びに行った時等、緊急を要する事故が発生した場合、空気を入れる必要が無く、常時携帯或いは自然に携帯しているので、即時に浮袋として使用可能であり、救命器具として有効に活用出来る。そして、浮袋を忘れた場合は、その代用として、使用することも出来る。
更に、本発明による、救命機能付き袋状物体は、キャンピングカーに搭載した場合は、海や川に、遊びに行った時等、緊急を要する事故が発生した場合、空気を入れる必要が無く、常時携帯或いは自然に携帯しているので、即時に浮袋として使用可能であり、救命器具として有効に活用出来る。そして、浮袋を忘れた場合は、その代用として、使用することも出来る。
本発明による救命機能付き袋状物体の一実施形態を示す斜視図である。 図1のA−A断面図である。 本発明による救命機能付き袋状物体の餡子状部材として使用する粒子の一実施形態を示す拡大斜視図である。 図3のB−B断面図である。 本発明による救命機能付き袋状物体であるクッションをソファ用として使用した場合を示す簡略図である。 本発明による救命機能付き袋状物体であるクッションを浮袋として使用した場合を示す簡略図である。
以下、本発明による実施形態を、図1〜図6に基づき詳細に説明する。図1は本発明による救命機能付き袋状物体の一実施形態を示す斜視図であり、図2は図1のA−A断面図である。図3は本発明による救命機能付き袋状物体の餡子状部材として使用する粒子の一実施形態を示す拡大斜視図であって、図4は図3のB−B断面図である。図5は本発明による救命機能付き袋状物体であるクッションをソファ用として使用した場合を示す簡略図、図6は本発明による救命機能付き袋状物体であるクッションを浮袋として使用した場合を示す簡略図である。
それでは、図1及び図2を参照しながら、本発明による救命機能付き袋状物体の基本的な構成を説明する。尚、袋状物体としてのクッションや枕は、表皮部材である布地の形状が異なるのみで、その構成は、同じであることから、図1〜図6は、すべてクッションを取り上げたので、念の為言及して置く。1は、袋状物体の代表例として取り上げた、平面視略正方形を呈したクッションであり、表皮部材である布地2の内部には、後述する所定の粒子3が内蔵されている。布地2の材質は、プラスチックはもとより、通常のクッションに使用されているもので良く、特に限定するものではない。尚、平面視の形状を略正方形と説明したが、あくまで一実施形態であり、円形や五角形等どのようなものでも支障はない。
続いて、図3と図4に基づき、粒子3に付いて説明する。粒子3は、プラスチックの発泡体を粉砕したものであって、それ故、その形状や大きさは、一定ではないが、理解を深める為、標準的な形状と大きさを設定して説明することにする。粒子3は、縦(a)、横(b)、高さ(c)の長さが、それぞれ2.5mm〜5mmの方形を呈したものであり、内部には、気泡4が内蔵された状態となっている。該気泡4は、直径が凡そ0.5mm〜1mm程の独立気泡であり、本発明による救命機能付き袋状物体にとって、最も重要な要素である。
プラスチック材料には、熱硬化性と熱可塑性の2種類があり、汎用性の高いのは、熱可塑性材料である。汎用性が高いということは、購入が容易であること、そして、コスト的にも有利であることに繋がる。ここで、本出願人は、粒子3の材料として、熱可塑性樹脂を念頭に於いて、種々検討し、ポリエチレンやポリスチレンの発泡体を取り上げたが、軟化温度が60°〜120°と低い為、粉砕時の加工熱により、粒子としての所定の形状を確保することが難しかった。
そこで、プラスチック材料を、広く調査し、それぞれの材料でテストを実施した結果、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)系の発泡体にたどり着いた。該プラスチックは、軟化温度がポリエチレンやポリスチレンより若干高いグレードがあり、粒子としての形状を確保した上での粉砕が可能となった。そして、硬度に付いては、特に低いものや、高いものを除けば、それ程影響は無く、使用可能範囲がかなり広いことも判明した。尚、念のため付言するが、本出願人が粒子3の材料にこだわりを持ったのは、既に述べてはいるが、粒子として、所定の形状を確保することだけではなく、汎用性が高く、安価に購入することで、商品を価格的に有利に提供するためである。プラスチック材料には、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)系樹脂以外にも軟化温度が高いものが多々あるので、それらを使用することも可能であり、故に、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)系の発泡体を必ず使用しなければならないということでは無い。
ここまで、袋状物体の代表例として、クッションを取り上げ、図1〜図4を参照しながら、説明してきたが、対象となる袋状物体は、クッションに限定されるものではなく、枕は勿論、ぬいぐるみや座敷用の座布団等をも含むものであることは云うまでもない。
それではここで、本発明による救命機能付き袋状物体の構成を整理する意味で、あらためて説明することにする。その基本的な構成は、袋状の表皮部材である布地2の内部に、独立気泡を有するプラスチック発泡体を粉砕して形成した粒子3を、餡子状部材として内蔵させ、該粒子3に内在する気泡によって、浮力を持たせるようにしたことである。
その結果、袋状物体であるクッションや枕は、本来要求される、座り心地や睡眠という基本的な機能に加え、浮力を利用することで、浮袋としての機能をも有することになる。クッションは、殆どの場合、自動車の座席或いはソファの座席に常時載置されており、キャンピングカーに於いても同様である。枕に於いては、キャンピングカーであっても、常時、搭載して置くことは無いにしても、宿泊を予定した旅行のときには、必ず準備、搭載するものであるから、結果として、常時携帯或いは自然に携帯するものと云っても過言でなく、緊急を要する川や海に於ける水難事故発生時にも、空気を入れる必要が無いので、即時に対応可能であり、救命器具として有効に使用出来る。そして、浮袋を忘れた場合は、その代用として、使用することも可能となる。
図5は、本発明による救命機能付き袋状物体であるクッション1を、ソファ5に使用した場合を示したものであり、図6は、前記クッション1を浮袋として使用した場合を示したものであるが、浮袋としての浮力を、一例をあげて、概略計算してみる。クッション1の縦、横、高さ(平均化した場合の厚さ)の長さを、それぞれ、50cm×50cm×5cmとすると、次のようになる。クッション1の体積は、12,500cm3であり、使用する粒子の見かけ上の比重が略0.1g/cm3であるので、前記体積の90%が浮袋の浮力として作用し、11,250cm3の体積分即ち11.25Kgの浮力を有することになる。
我々人間には、誰にでも浮力が備わっているので、10Kg前後の浮力があれば、緊急時の浮袋即ち救命器具として、充分活用できることになる。又、計算値である前記浮力は、水に対してのものであるので、塩分濃度の高い海水の場合では、もつと高い浮力を有したものとなる。そして、本発明による救命機能付き袋状物体は、水洗い可能であって、繰り返し使用可能であることは、云うまでもなく、餡子状部材として、粒子を使用していることから、所定の形状に成型したものと比較して、乾燥速度が速く、早く乾くという効果もある。
続いて、餡子状部材として、粒子を取り上げた理由に付いて、説明することにする。第1に、餡子状部材を袋状の表皮部材である布地の形状即ちデザインに合わせて作る必要が無く、どのようなデザインのものに対しても対応可能であり、製造の簡素化が図れることである。第2に、使用する粒子の量を調整することにより、袋状物体の表面の硬さを、自由に変化させることが可能であり、商品としての、バリエーション化が容易となることであって、第3は、粒子の素材であるプラスチック発泡体を、価格的に有利に確保、購入することが出来ることである。即ち、粒子であるが故に、プラスチック発泡体を使用する他の商品の端材を使用することが出来るからである。尚、付言すれば、餡子状部材として、粒子を使用せず、独立気泡を有するプラスチック発泡体を、所定の形状に成型して使用しても、同様の機能を持つ袋状物体を得ることが出来るのは云うまでもない。
そして、本発明による救命機能付き袋状物体の思想は、他の商品、例えば、ライフジャケット等にも応用可能である。現在、ライフジャケットは、プラスチック発泡体を板状に形成し、表皮部材に内蔵させるようにしているが、板状であるが故に、行動の自由が奪われ、使い勝手が良くないのである。そこで、板状ではなく、本発明に使用する粒子、即ち、プラスチック発泡体を粉砕した粒子を使用することで、行動がきわめて自由となり、使い勝手が非常に良くなるのである。勿論、浮力は現状のまま保持されることは云うまでもないことである。
1 クッション
2 布地
3 粒子
4 気泡
5 ソファ

Claims (3)

  1. 袋状の表皮部材である布地の内部に、独立気泡を有するプラスチック発泡体を粉砕して形成した粒子を、餡子状部材として内蔵させ、該粒子に内在する気泡によって、浮力を持たせるようにしたことを特徴とする救命機能付き袋状物体。
  2. 袋状の表皮部材である布地をクッションとして形成したことを特徴とする救命機能付き袋状物体。
  3. 袋状の表皮部材である布地を枕として形成したことを特徴とする救命機能付き袋状物体。
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