JP2014069030A - 筋肉量測定方法及び筋肉量測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被検者の年齢や身長・体重などの身体情報を用いることなく正確に筋肉量を測定することができる筋肉量測定方法及び装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る筋肉量測定方法は、被検者の身体の筋肉量を測定する筋肉量測定方法であって、前記被検者の身体の測定対象部位に第1周波数の交流電流を印加して前記身体の第1インピーダンスを測定すると共に前記第1周波数よりも低い第2周波数の交流電流を印加して前記身体の第2インピーダンスを測定し、前記第1インピーダンスに基づき、被検者の身体の筋肉細胞における細胞外液成分量を推定し、前記第1インピーダンス及び前記第2インピーダンスに基づき、被検者の身体の筋肉細胞における細胞内液成分量を推定し、推定された細胞外液成分量と細胞内液成分量から筋肉量を求めることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、被検者の身体の生体インピーダンスを用いて筋肉量を測定する方法及び装置に関する。
例えば高齢者介護の現場等において、被介護者個人毎の筋肉量や筋力を測定することができれば、当該被介護者の自立生活能力を事前に把握することができる。また、被介護者が日常生活をおくる上で不充分な点をカバーするように生活環境を整えたり適切な食事や運動のプログラムを提供したりすることが可能となる。さらに、様々な年齢層の個人の筋肉量や筋力を測定して、老化に伴う筋肉量や筋力の変化を調べることは、今後の高齢者層の増加に伴う課題を解決する上で重要である。
一方、運動選手のように運動能力の向上を図っている者にとって身体の筋肉量はトレーニングの成果を図る指標の一つであり、トレーニングの目標となる。事故や疾病による長期の入院により弱った身体部位を強化・回復すべくリハビリテーション治療を行っている者などにおいても同様のことが言える。
このため、従来より、身体の筋肉量や筋力を簡便に且つ正確に測定する方法の確立が望まれていたものの、従来は、筋肉量や筋力を測定するためには、磁気共鳴イメージング装置やX線CTスキャンなどの大病院に備え付けられているような大がかりな装置を用いるしか方法がなかった。
これに対して、生体インピーダンス法を用いて筋肉量を測定する方法が提案されている(特許文献1参照)。この方法では、身体を複数(9つ)の部位に分け、各部位に所定周波数の交流電流を流すことにより、各部位の生体インピーダンスを測定し、その測定値から筋組織量を求める。筋組織は筋細胞と細胞外液成分から成り、老化と共に細胞外液成分の割合が増加することが知られていることから、上記方法で求めた筋組織量に被検者の年齢に応じた一定の係数を掛けて筋細胞量、つまり筋肉量を推定している。また、身長や体重と筋細胞量と細胞外液成分量の比率の間に一定の相関があることから、被検者の身長や体重といった身体的特徴に応じた係数を用いて筋肉量を推定することも行われている。
国際公開W02002/043586
ところが、同じ年齢や同じ身長・体重の被検者であっても日頃の運動量や食事等の生活習慣の違いによって筋組織中の筋細胞と細胞外液成分の比率が異なる。また、入院などで長期にわたり筋肉を使用しなかった場合には筋細胞が萎縮するため、筋組織中に占める細胞外液成分の割合が増加する。従って、年齢や身長・体重の身体的特徴に応じた一律の係数を掛けて筋細胞量を求める方法では、被検者の筋細胞量を正確に測定することができなかった。
本発明が解決しようとする課題は、被検者の年齢や体重といった身体的特徴を導入することなく正確に筋肉量を測定することができる筋肉量測定方法及び装置を提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明は、被検者の身体の筋肉量を測定する筋肉量測定方法であって、
前記被検者の身体の測定対象部位に第1周波数の交流電流を流して前記測定対象部位の第1インピーダンスを測定し、
前記測定対象部位に前記第1周波数よりも低い第2周波数の交流電流を流して前記測定対象部位の第2インピーダンスを測定し、
前記第1インピーダンスに基づき前記測定対象部位における細胞外液成分量を推定し、
前記第1インピーダンス及び前記第2インピーダンスに基づき前記測定対象部位の筋肉細胞における細胞内液成分量を推定し、
推定された細胞外液成分量と細胞内液成分量から前記測定対象部位の筋肉量を求める
ことを特徴とする。
ここで、本発明の第1周波数とは、200kHz以上、特には200kHz〜1000kHzの高周波交流電流をいい、第2周波数とは50kHz未満、特には周波数5kHz〜50kHzの低周波交流電流を指す。
この場合、生体組織全体に占める筋肉組織の断面積比がほぼ一定で、所定長さの円柱状モデルとして近似し得るような身体部分、例えば、手首から肩口(肩峰点付近)までの「腕部」、足首から脚の付け根(転子点付近)までの「脚部」を、測定対象部位とすると良い。また、腕部を肘で2つに分離し、前腕部及び上腕部をそれぞれ測定対象部位とすることができる。脚部についても膝で2つに分離し、大腿部及び下腿部をそれぞれ測定対象部位とすることができる。左右それぞれの腕部及び脚部、あるいは、前腕部及び上腕部、大腿部及び下腿部のインピーダンスを測定しても良いが、左右どちらか一方のインピーダンスを測定し、該測定値を左右それぞれのインピーダンスとしても良い。
また、上記課題を解決するためになされた本発明は、被検者の身体の筋肉量を測定する筋肉量測定装置であって、
a)第1周波数の交流電流と、該第1周波数よりも低い第2周波数の交流電流を発生する交流電流発生手段と、
b)被検者の身体の測定対象部位の両端の身体表面に接触された、該測定対象部位に前記第1周波数の交流電流と、前記第2周波数の交流電流を流すための2個の通電用電極と、
c)前記通電用電極から流される交流電流によって前記測定対象部位の両端部間に発生する電圧を測定する電圧測定手段と、
d)該電圧測定手段により測定された電圧の測定値とそのときの交流電流の電流値とから、前記測定対象部位のインピーダンスを求める演算手段と、
e)前記通電用電極から前記測定対象部位に前記第1周波数の交流電流が流されたときの該測定対象部位のインピーダンスと、該通電用電極から前記測定対象部位に前記第2周波数の交流電流が流されたときの該測定対象部位のインピーダンスとに基づき、該測定対象部位の筋肉量を求める筋肉量測定手段と
を備えることを特徴とする。
本発明に係る筋肉量測定装置においては、前記測定対象部位が、左右の少なくとも一方の腕部及び脚部であり、
前記筋肉量測定手段により求められた前記腕部及び前記脚部の筋肉量に基づき、被検者の身体全体の筋肉量を推定する筋肉量推定手段をさらに備えることを特徴とする。
また、前記測定対象部位が、左右の少なくとも一方の前腕部、上腕部、大腿部、及び下腿部であり、
前記筋肉量測定手段により求められた前記腕部、上腕部、大腿部、及び下腿部の筋肉量に基づき、被検者の身体全体の筋肉量を推定する筋肉量推定手段をさらに備えることを特徴とする。
本発明は、身体部位に印加する交流電流の周波数の高低によって、筋組織内における局所電流の流れ方が異なるという知見に基づき成されたものである。図9は周波数が50kHzの低周波交流電流と、周波数が200kHzの高周波交流電流を印加した時の局所電流の流れ方を模式的に示す図である。図9中、破線Aは低周波交流電流の印加時における局所電流を、実線Bは高周波交流電流の印加時における局所電流を示している。図9に示すように、低周波交流電流の印加時は局所電流は主に細胞外液成分を流れ、筋細胞中には流れない。一方、高周波交流電流の印加時は筋細胞及び細胞外液の両方に局所電流が流れる。
従って、身体に第1周波数の交流電流を流した時に得られる第1インピーダンスは、それぞれ筋肉細胞における細胞外液成分量を反映した値となる。また、第2周波数の交流電流を流した時に得られる第2インピーダンスは、筋肉細胞全体の量を反映した値となる。従って、第1インピーダンスと第2インピーダンスから筋肉細胞における細胞外液成分量及び細胞内液成分量を推定することができるため、これらの推定値から筋肉量を求めることができる。このように、本発明によれば、被検者の年齢や身長・体重といった身体的特徴を導入することなく正確に身体の筋肉量を求めることができる。
本発明の一実施例である筋肉量測定装置の概略電気構成図。 筋組織における細胞外液量の加齢による変化を示す図。 身体部位別の筋細胞量の加齢による変化を示す図。 インピーダンスと筋肉量との関係を示す図。 本実施例に係る身体のインピーダンスのモデル図。 従来の方法によるインピーダンス指標と筋力との関係を示す図。 本実施例に係る筋肉量測定方法によるインピーダンス指標と筋力との関係を示す図。 別の実施例に係る身体のインピーダンスのモデル図。 低周波交流電流と高周波交流電流を流したときの筋組織における局所電流の流れ方を模式的に示す図。
以下、本発明に係る筋肉量測定方法及び筋肉量測定装置について、図面を参照しつつ詳細に説明する。まず、本発明に係る筋肉量測定装置の具体的な実施例について図1を参照して説明する。図1は、本実施例に係る筋肉量測定装置の概略電気構成図である。
4個の通電用電極10a、10b、10c、10dは信号線開閉リレー201を介して通電用電極切替部202に接続され、ここで電流源203に接続される2個の電極が選択されるようになっている。電流源203は周波数fの定電流高周波信号を発生するものであって、周波数fは5kHz〜1000kHzの範囲で設定される。一方、4個の測定用電極11a、11b、11c、11dは同様に信号線開閉リレー201を介して測定用電極切替部204に接続され、ここで2個の電極が選択されてその電極で得られた信号がそれぞれ独立したバンドパスフィルタ(BPF)205に入力される。このBPF205により周波数f以外の信号成分が除去され、そのあと検波部206にて検波・整流が行われて周波数fの信号成分が取り出される。並行して検波された信号は差動増幅器207により差動増幅され、更に増幅器208により増幅される。そして、この信号をアナログ−デジタル(A/D)変換器209によりデジタル信号に変換し、パソコン本体101に入力している。
パソコン1は、CPU、ROM、RAM、ハードディスクドライブ、バッテリ102等を内蔵したパソコン本体101の周囲に、キーボートやマウス等のポインティングデバイスである操作部105、液晶ディスプレイである表示部106等を備え、更にプリンタ8との接続のために赤外線インタフェイス(IF)104を有している。これは、ケーブルを介する電気的な接続を行わないことによってプリンタ8側からの電源系の雑音の影響を排除するとともに、部品の故障等が発生した場合でもプリンタ8から過大な電流が流れ込むことを防止して、被検者の身体に異常な電流が流れるような事故を確実に回避するためである。また、パソコン本体101が備えるCPUは、制御信号に基づいて基づいて電流源203や通電用電極切替部202の動作を制御する。
パソコン1のハードディスクドライブ(或いは内蔵のROM)には、インピーダンスの測定及びその測定値に基づいて各身体部位の筋肉量や身体全体の筋肉量を推定するための演算処理を行うための演算プログラムと、筋肉量の測定を実行するための制御プログラムが格納されている。より詳しく言うと、予め取得された、筋組織に占める細胞外液成分量の割合や筋細胞量など、筋肉量に関する情報に基づき、信頼性の高い回帰分析定数を算出することにより、精度の高い推定式を取得する。そして、この推定式を演算プログラムの一部としてハードディスク(或いは内蔵のROM)に格納しておく。そして、操作部105を介して外部から与えられる指示に従って上記プログラムを実行することによって、後述のようなインピーダンスの測定及びそれに引き続く各種演算処理や表示処理などを具現化している。なお、このような演算処理のための推定式は必ずしも計算式の形式で格納されている必要はなく、例えばテーブルの形式で格納されており、インピーダンスの測定値や身体特定化情報をテーブルに入力することにより出力結果として身体組成情報や健康関連情報を得る、といった各種形態に変形することが可能である。
図2〜図4は筋肉量に関する情報の例を示す図である。図2は、筋組織における細胞外液量の加齢による変化を、図3は、大腿、下腿、上腕、及び前腕における筋細胞量の加齢による変化を、図4は若齢成人と高齢者のインピーダンスと筋肉量との関係を、それぞれ示している。
これら図2〜図4に示すよう情報に基づき、後述する筋肉量の推定式の各係数を取得している。
次に、身体部位のインピーダンスの測定方法、及びインピーダンスの測定値に基づいた筋組織組成の推算方法について説明する。
図5は、身体のインピーダンス構成の近似モデル図である。本実施例では、身体を、左右の上腕部、前腕部、大腿部、下腿部、及び体幹部(胴体)という9個のセグメントに細分化し、これら9個のセグメントのうち体幹部を除く8個のセグメントについてインピーダンス(以下、単に「インピーダンス」という。)を測定する。このように8個のセグメントについてインピーダンスを求めるようにしたのは、これらセグメントが筋組織の組成(筋細胞量と細胞外液量の割合)が比較的一定である、円柱モデルに近似し易い部位であるため、インピーダンスに基づく筋肉量の推定精度を向上させることができるからである。一方、体幹部は、他の8個のセグメントに比べて筋組織の組成が一定でなく、インピーダンスに基づく筋組織の組成の推定が難しい。そこで、体幹部の筋肉量は、他の8個のセグメントのインピーダンスから推定するようにしている。
具体的に説明すると、図5に示すように、頭部及び手先、足先を除く身体全体について、左右腕部(手首より先は除く)をそれぞれ肘近傍で上腕部及び前腕部に分割し、左右脚部(足首より先は除く)をそれぞれ膝近傍で大腿部及び下腿部に分割する。このように四肢を合計8個のセグメントに細分化し、それに胸部及び腹部を含む体幹部を加え、身体全体を9個のセグメントに細分化している。そして体幹部を除く8個の各セグメントにそれぞれ独立したインピーダンスを対応させ、各インピーダンスが図4に示すように接続されたモデルを想定する。ここで、左前腕部、左上腕部、右前腕部、右上腕部、左大腿部、左下腿部、右大腿部及び右下腿部の8個のセグメントのインピーダンスはそれぞれ、ZLFA、ZLUA、ZRFA、ZRUA、ZLFL、ZLCL、ZRFL、及びZRCLであるとする。
このような8個のインピーダンスを測定するために、仰臥姿勢で横たわった被検者の四肢に対し、図5中に示すように4個所の電流供給点Pi〜Pi、及び8個所の電圧測定点Pv〜Pvを設定する。電流供給点Pi〜Piは両手の甲部の中指の付け根付近、両足の甲部の中指の付け根付近である。一方、電圧測定点Pv〜Pvは、左右の手首、左右の肘、左右の足首、左右の膝である。このうち、左右手首の電圧測定点Pv、Pvと左右足首の電圧測定点Pv、Pvとは相対的に体幹部から遠い位置にあるため、これら4個所の電圧測定点で電圧を測定することを遠位測定と呼ぶこととする。他方、左右肘の電圧測定点Pv、Pvと左右膝の電圧測定点Pv、Pvとは相対的に体幹部から近い位置にあるため、これら4個所の電圧測定点で電圧を測定することを近位測定と呼ぶこととする。
4個所の電流供給点Pi〜Piのうちの2個所を選択してその間に電流を流し、所定の2個所の電圧測定点の間の電位差を測定すると、その電位差は1個のインピーダンス又は複数の直列接続されたインピーダンスの両端に発生する電位差であると看做せる。この場合、電流の通過経路にあたっていない身体部位は電流が殆ど流れないので、その部位のインピーダンスは無視して単なる導電線であると看做すことができる。
例えばいま両手の電流供給点Pi、Piの間に電流を流す場合を考える。このとき、両手首の電圧測定点Pv、Pv間(つまり遠位測定)の電位差は、ZLFA、ZLUA、ZRFA及びZRUAを直列に接続したインピーダンス、つまり左右両腕部のインピーダンスに対応した電圧となる。また、両肘の電圧測定点Pv、Pv間(つまり近位測定)の電位差は、ZLUAとZRUAとを直列に接続したインピーダンス、つまり左右両上腕部のインピーダンスに対応した電圧となる。更に、左手首の電圧測定点Pvと左足首の電圧測定点Pv (又は右足首の電圧測定点Pv)との間の電位差は、左右脚部及び体幹部は単なる導電線と看做すことができるから、ZLFAとZLUAとを直列に接続したインピーダンス、つまり左腕部のインピーダンスに対応した電圧となる。更にまた、左肘の電圧測定点Pvと左膝の電圧測定点Pv(又は右膝の電圧測定点Pv)との間の電位差は、左右大腿部及び体幹部は単なる導電線と看做すことができるから、ZLUAなるインピーダンス、つまり左上腕部のインピーダンスに対応した電圧となる。
他の身体部位においても同様の測定が行え、このような測定結果を利用すれば、8個のセグメントのインピーダンスをそれぞれ独立に精度よく求めることができる。なお、後で詳しく述べるが、本測定装置では、電流供給点に流す電流として低周波交流電流(第2周波数の交流電流)及び高周波交流電流(第1周波数の交流電流)の2種類を用意し、これらの交流電流を流したときのインピーダンスを各セグメントについて求める。このようにして取得した2種類のインピーダンスの測定値に基づいて、各セグメントの筋肉量を推定する。
次に、上述したように取得された2種類のインピーダンスの測定値に基づいて筋組織成分情報を推定するための推定方法を説明する。
以下の説明では、各身体部位のインピーダンスを「Rf seg i」と表す。
このとき、「f」は周波数、「seg i」は身体部位を表す。本実施例では、身体部位である大腿部を「UL」(upper leg)、下腿部を「LL」(lower leg)、上腕部を「UA」(upper arm)、前腕部を「FA」(forearm)と表記する。また、大腿部と下腿部の合算である下肢は「LE」(lower extremity)、上腕部と前腕部の合算である上肢は「UE」(upper extremity)と表記する。例えば、大腿部の周波数が50kHzの交流電流を大腿部に印加したときのインピーダンスは、「R50 UL」と表される。
周波数が50kHz未満の低周波交流電流は、生体内でコンデンサとして作動する細胞膜をほとんど透過しないため、該低周波交流電流を身体部位に印加した時のインピーダンスは当該身体部位の細胞外液成分の情報を反映したインピーダンスとなる。
一方、周波数が200kHzを超える高周波交流電流は細胞膜を透過するため、該高周波交流電流を身体部位に印加した時のインピーダンスは、当該身体部位の細胞内液成分と細胞外液成分の両方の情報を反映したインピーダンスとなる。
生体内部において、細胞外液区画と細胞内液区画は並列回路を含むモデルに近似できるため、低周波交流電流及び高周波交流電流のそれぞれのインピーダンスの逆数同士の減算値から、細胞内液成分の情報を主に反映したインピーダンスを得ることができる。
以下、細胞外液成分の情報を反映したインピーダンスをRECWと表し、細胞内液成分の情報を反映したインピーダンスをRICWと表すこととする。
ECWとRICWは、高周波交流電流及び低周波交流電流をそれぞれ一種類ずつ印加した時のインピーダンスから求めることができるが、複数種類の高周波交流電流及び複数種類の低周波交流電流を印加した時のインピーダンスを求め、これらインピーダンスのレジスタンス・リアクタンス成分二次元プロットにおいて曲線近似することにより得ることもできる。
本実施例では、このようにして求めた各身体部位のインピーダンスRECW、RICWを用いて、各身体部位の筋湿重量(MMww)及び筋細胞量(MCM)を求める。
例えば、大腿部の筋湿重量及び大腿部の筋細胞量は、それぞれ次の式(1)及び式(2)から求められる。なお、Lは大腿部の長さ、a1、a2、a3は係数である。係数a1〜a3、及び後述する係数a4〜a8は、上述した筋肉量に関する情報に基づき設定される。
MMww UL = a1*L/RICW UL + a2*L/RECW UL ・・・(1)
MCM UL = a*L/RICW UL ・・・(2)
その他の身体部位(下腿部、上腕部、前腕部)の筋湿重量及び筋細胞量についても同様に求めることができる。
次に、各身体部位の筋湿重量から、以下の式(3)を用いて身体部位全体の筋湿重量及び筋細胞量を求める。なお、「WB」は全身(whole-body)を表す。
MMww WB = a1*MMww UL+a2*MMww LL+a3*MMww UA
+a4*MMww FA+a5*A+a6*B+a7*C+a8*D・・・(3)
MMww WB = a1*MMww UL+a2*MMww LL+a3*MMww UA
+a4*MMww FA+a5*A+a6*B+a7*C+a8*D ・・・(4)
ここで、a1〜a8は係数である。また、A〜Dは、以下に示すように、筋湿重量の身体部位間の比率を表す。
A = MMww UL/MMww LL
B = MMww UL/MMww UA
C = MMww UA/MMww FA
D = MMww UE/MMww LE
また、各身体部位の筋細胞量から、以下の式(5)を用いて身体部位全体の筋細胞量を求めることができる。
MCM WB = a1*MCM UL+a2*MCM LL+a3*MCM UA+a4*MCM FA
+a5*E+a6*F+a7*G+a8*H ・・・(5)
ここで、E〜Hは、以下に示すように、筋細胞量の身体部位間の比率を表す。
E = MCM UL/MCM LL
F = MCM UL/MCM UA
G = MCM UA/MCM FA
H = MCM UE/MCM LE
これらの指標を組み合わせることで、被検者の性別や年齢、体重といった身体特徴を導入することなく、全身の筋湿重量や筋細胞量を正確に測定することができ、筋肉量の測定精度が向上する。
特に、本実施例では、インピーダンスの測定が難しい体幹部を測定対象部位から除き、四肢の筋湿重量及び筋細胞量から体幹部を含む身体全体の筋湿重量及び筋細胞量を推定するようにした。このため、より一層正確に、全身の筋肉量を測定できる。また、体幹部のインピーダンスを測定しない構成により、被検者は立った状態でも簡単にインピーダンスを測定することができるという効果も得られる。
図6は従来法により求めた筋力とインピーダンス指標との関係を示しており、図7は本実施例に係る方法により求めた筋力とインピーダンス指標との関係を示している。これらの図に示すように、本実施例に係る方法の法が、筋力とインピーダンス指標との間に高い相関が見られ、より正確に筋力を推定できることが分かる。
なお、上記実施例では、体幹部については測定対象部位から除外したが、体幹部のインピーダンスを測定し、この測定値から体幹部の筋湿重量及び筋細胞量を求めると共に、体幹部の筋湿重量及び筋細胞量を四肢の筋湿重量及び筋細胞量と合算して身体全体の筋湿重量及び筋細胞量を求めるようにしても良い。
さらに、図8に示すように、左右のうちの一方の身体部位について筋湿重量及び筋細胞量を推定し、これらから身体全体の筋肉量を求めるようにしても良い。このような構成によれば、インピーダンス測定時に被検者に装着する電極の数を少なくすることができ、インピーダンスの測定時の被検者の負担を減らすことができる。
1…パソコン
2…本体部
10…通電用電極
11…測定用電極
101…パソコン本体(演算・制御部)
105…操作部
106…表示部
203…電流源(交流電流発生部)

Claims (6)

  1. 被検者の身体の筋肉量を測定する筋肉量測定方法であって、
    前記被検者の身体の測定対象部位に第1周波数の交流電流を流して前記測定対象部位の第1インピーダンスを測定し、
    前記測定対象部位に前記第1周波数よりも低い第2周波数の交流電流を流して前記測定対象部位の第2インピーダンスを測定し、
    前記第1インピーダンスに基づき前記測定対象部位における細胞外液成分量を推定し、
    前記第1インピーダンス及び前記第2インピーダンスに基づき前記測定対象部位の筋肉細胞における細胞内液成分量を推定し、
    推定された細胞外液成分量と細胞内液成分量から前記測定対象部位の筋肉量を求める
    ことを特徴とする筋肉量測定方法。
  2. 前記測定対象部位が、左右の少なくとも一方の腕部及び脚部であり、
    前記腕部及び前記脚部の筋肉量に基づき、被検者の身体全体の筋肉量を推定することを特徴とする請求項1に記載の筋肉量測定方法。
  3. 前記測定対象部位が、左右の少なくとも一方の前腕部、上腕部、大腿部、及び下腿部であり、
    前記前腕部、上腕部、大腿部、及び下腿部の筋肉量に基づき、被検者の身体全体の筋肉量を推定することを特徴とする請求項1に記載の筋肉量測定方法。
  4. 被検者の身体の筋肉量を測定する筋肉量測定装置であって、
    a)第1周波数の交流電流と、該第1周波数よりも低い第2周波数の交流電流を発生する交流電流発生手段と、
    b)被検者の身体の測定対象部位の両端の身体表面に接触された、該測定対象部位に前記第1周波数の交流電流と、前記第2周波数の交流電流を流すための2個の通電用電極と、
    c)前記通電用電極から流される交流電流によって前記測定対象部位の両端部間に発生する電圧を測定する電圧測定手段と、
    d)該電圧測定手段により測定された電圧の測定値とそのときの交流電流の電流値とから、前記測定対象部位のインピーダンスを求める演算手段と、
    e)前記通電用電極から前記測定対象部位に前記第1周波数の交流電流が流されたときの該測定対象部位のインピーダンスと、該通電用電極から前記測定対象部位に前記第2周波数の交流電流が流されたときの該測定対象部位のインピーダンスとに基づき、該測定対象部位の筋肉量を求める筋肉量測定手段と
    を備えることを特徴とする筋肉量測定装置。
  5. 前記測定対象部位が、左右の少なくとも一方の腕部及び脚部であり、
    前記筋肉量測定手段により求められた前記腕部及び前記脚部の筋肉量に基づき、被検者の身体全体の筋肉量を推定する筋肉量推定手段を備えることを特徴とする請求項4に記載の筋肉量測定装置。
  6. 前記測定対象部位が、左右の少なくとも一方の前腕部、上腕部、大腿部、及び下腿部であり、
    前記筋肉量測定手段により求められた前記前腕部、上腕部、大腿部、及び下腿部の筋肉量に基づき、被検者の身体全体の筋肉量を推定する筋肉量推定手段を備えることを特徴とする請求項4に記載の筋肉量測定装置。
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