JP2014067543A - 有機el素子及び有機el素子の製造方法 - Google Patents

有機el素子及び有機el素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、少なくとも正孔輸送層及び有機発光層が画素幅の広い画素電極から隣接画素へのインキの流れ込みを抑制、又は隣接画素から画素幅の広い画素電極への流れ込みを抑制し、発光ムラや輝度低下をなくした均一性の良い表示を行うことが可能な有機EL素子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る有機EL素子は、第1の画素電極2a上に発光領域を画定する第1の絶縁層3aの高さを、第2の画素電極2b上に発光領域を画定する第2の絶縁層3bの高さより高くし、第1の絶縁層3aの高さが0.2μm以上5.0μm以下の範囲内であり、第1の絶縁層3aと第2の絶縁層3bとの高低差を0.1μm以上5.0μm以下の範囲内とすることで、第1の画素電極2aから隣接画素へのインキの流れ込みを抑制、又は隣接画素から第1の画素電極2aへの流れ込みを抑制し、均一性の高い印刷膜形状を形成することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機EL素子及び有機EL素子の製造方法に関する。
近年、例えば、携帯電話機、PDA(携帯情報端末)、モバイルパソコン、車載用ナビゲーションシステム等における表示素子として、薄型、低電力、高輝度表示等の特徴を備える有機EL素子が注目されている。この有機EL素子は、例えば陽極(透明導電膜、ITO膜)と、有機発光体を含有する発光層と、陰極(金属電極)とを透明基板上に積層したものである。
有機EL素子の発光層は、通常、低分子有機発光体を真空蒸着させることによって形成される。この場合、蒸着装置の観点から素子の大型化に限界がある。そこで、高分子有機発光体を溶剤に溶解し分散させてインキ化し、公知の印刷方式にて発光層を形成する試みが提案されている(例えば特許文献1参照)。この印刷法は、量産性に優れ、製造コストを低く抑えることが可能であり、具体的な印刷方式としては、例えばオフセット印刷やグラビア印刷等が挙げられている。
フレキソ印刷は、ゴム又は樹脂からなるフレキシブルな凸版と、アニロックスロールと呼ばれる表面に細かい凹部が彫刻されたインキ付けロールと、溶剤乾燥型のインキとを用いた印刷方式であり、従来から包装紙等の簡単な印刷物の印刷に広く使用されている。このフレキソ印刷は、特に膜厚が0.01〜0.2μm程度の薄くて安定した印刷層を形成するのに適している。
また、フレキソ印刷は、印圧がかかる凸版部に柔軟性があり、更に、キスタッチと呼ばれるごく低印圧での印刷であることから、ガラス基板や高圧をかけることによって特性が破壊される透明電極等が成膜された基板に対する印刷にも適している。このため、有機EL素子の発光層の形成に特に適した印刷方法である。
有機EL素子の発光層を印刷する印刷機のインキ供給装置では、インキ溶剤の揮発を抑えるためにインキの供給を密閉系で行い、かつアニロックスロール表面でのインキの乾燥を防ぐためにアニロックスロールの下部周面をインキ壷のインキ溜りに浸漬しつつ回転させ、常にアニロックスロール表面を濡らしておく必要がある。このために、クローズドチャンバーと呼ばれる密閉構造のインキ壷にインキを供給して、その中にアニロックスロールの下部周面を浸漬しつつ回転させ、かつクローズドチャンバーから露出したアニロックスロールの上部周面において、余分なインキをドクターにて掻き取ってフレキソ版上にインキを塗布する方式が用いられていた。
また、上述のクローズドチャンバー内のインキ濃度を一定に保つために、定期的に新インキを供給して古いインキを回収する循環機構を設ける方式が用いられている。
特開2001−185352号公報 特開2005−59348号公報
フレキソ印刷によって形成されたインキ膜は、絶縁層を乗り越えて隣接画素間でインキの混じり合いが生じ、発光ムラや輝度低下といった問題が生じていた。
有機EL素子を形成するフレキソ印刷法では、画素幅の狭い画素電極上に成膜する場合と比べて、画素幅の広い画素電極上に成膜する場合でインキ転写量が多くなるため、絶縁層を乗り越えて隣接画素間でインキの混じり合いが生じやすくなっていることが原因であった。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、その目的は、絶縁層を乗り越えて隣接画素間でインキの混じり合いが生じるのを抑制することができる有機EL素子及びその有機EL素子の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の一態様は、基板上と、前記基板上に形成された、画素幅の異なる複数の画素電極と、前記画素幅の異なる前記複数の画素電極上に発光領域を画定する絶縁層と、前記発光領域に積層され、且つ、少なくとも正孔輸送層及び有機発光層の2層を含む有機発光媒体層と、前記有機発光媒体層を介して前記複数の画素電極に対向する対向電極と、を備えた有機EL素子であって、前記画素幅の異なる前記複数の画素電極は、第1の画素電極と、前記第1の画素電極に比べて画素幅の狭い第2の画素電極とからなり、前記第1の画素電極上に前記発光領域を画定する第1の絶縁層の高さが、前記第2の画素電極上に前記発光領域を画定する第2の絶縁層の高さより高いことを特徴とする有機EL素子である。
また、前記第1の絶縁層の高さが、0.2μm以上5.0μm以下の範囲内であることとしてもよい。
本発明の別の態様は、上述の有機EL素子の製造方法であって、少なくとも前記正孔輸送層及び前記有機発光層の2層を印刷方式を用いてそれぞれ成膜することを特徴とする有機EL素子の製造方法である。
本発明の有機EL素子であれば、第1の画素電極上に発光領域を画定する第1の絶縁層の高さが、第2の画素電極上に発光領域を画定する第2の絶縁層の高さより高いので、絶縁層を乗り越えて隣接画素間でインキの混じり合いが生じるのを抑制することができる。このため、本発明の有機EL素子であれば、画素内が均一に発光することができ、輝度低下を防止することができる。
本実施形態に係る有機EL素子の構成を示す断面図である。 本実施形態に係る有機EL素子の発光層の印刷に好適なフレキソ印刷機の全体構成を示す概略図である。 本実施形態におけるフレキソ印刷機のインキ転写時の動作を示す概略図である。 実施例と比較例との表示状態の評価結果を表した図である。
以下、本実施形態に係る有機EL素子の実施形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態に係る有機EL素子は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係る有機EL素子の構造を示す断面図である。図2は、本実施形態に係る有機EL素子の発光層の印刷に好適なフレキソ印刷機の全体構成を示す概略図である。また、図3は、本実施形態におけるフレキソ印刷機のインキ転写時の動作を示す概略図である。また、図4は、実施例と比較例との表示状態の評価結果を表した図である。
以下、本実施形態を、パッシブマトリックスタイプの有機EL素子に適用した例について説明する。パッシブマトリックス方式とは、ストライプ状の電極を直交させるように対向させ、その交点を発光させる方式である。この方式に対し、アクティブマトリックス方式は、画素毎にトランジスタを形成した、いわゆる薄膜トランジスタ(TFT)基板を用いることにより、画素毎に独立して発光する方式である。
本実施形態に係る有機EL素子は、図1に示すように、基板1上と、基板1上に形成された、画素幅の異なる複数の画素電極2と、画素幅の異なる複数の画素電極2上に発光領域を画定する絶縁層3と、発光領域に積層され、且つ、少なくとも正孔輸送層4及び有機発光層5の2層を含む有機発光媒体層と、この有機発光媒体層を介して複数の画素電極2に対向する対向電極(陰極層6)と、を備えた有機EL素子である。さらに、本実施形態に係る有機EL素子では、画素幅の異なる複数の画素電極2は、第1の画素電極2aと、第1の画素電極2aに比べて画素幅の狭い第2の画素電極2bとからなり、第1の画素電極2a上に発光領域を画定する第1の絶縁層3aの高さが、第2の画素電極2b上に発光領域を画定する第2の絶縁層3bの高さより高くなっている。
以下、上述の各部分の詳細について説明する。
基板1としては、例えば、ガラス基板やプラスチック製のフィルムまたはシートを用いることができる。プラスチック製のフィルムを用いれば、巻取りにより高分子EL素子の製造が可能となり、安価にディスプレイパネルを提供できる。また、その場合のプラスチックとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート等を用いることができる。また、これらのフィルムには、例えば、水蒸気バリア性、酸素バリア性を示す酸化ケイ素といった金属酸化物、窒化ケイ素といった酸化窒化物やポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物からなるバリア層が必要に応じて設けられる。
また、基板1の上には陽極としてパターニングされた画素電極2が設けられる。画素電極2の材料としては、例えば、ITO(インジウム錫複合酸化物)、IZO(インジウム亜鉛複合酸化物)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化アルミニウム複合酸化物等の透明電極材料が使用できる。なお、画素電極2の材料としては、低抵抗であること、耐溶剤性があること、透明性があることなどからITOが好ましい。ITOは、スパッタ法により基板1上に形成され、フォトリソ法によりパターニングされることで、ライン状の画素電極2となる。
そして、このライン状の画素電極2を形成後、隣接する画素電極2との間に感光性材料を用いて、フォトリソグラフィ法により絶縁層3が形成される。
本実施形態における絶縁層3は、画素幅の広い画素電極(第1の画素電極2a)上に発光領域を画定する絶縁層(第1の絶縁層3a)の高さが画素幅の狭い画素電極(第2の画素電極2b)上に発光領域を画定する絶縁層(第2の絶縁層3b)より高く形成されている。狭い画素幅の絶縁層(第2の絶縁膜3b)の高さに合わせて、広い画素幅の絶縁層(第1の絶縁膜3a)を形成した場合、広い画素から狭い画素にインキの流れ込みが発生する。反対に、広い画素幅の絶縁層(第1の絶縁膜3a)の高さに合わせて、狭い画素幅の絶縁層(第2の絶縁膜3b)を形成した場合、狭い画素で印刷膜形状不良が発生する。
画素幅の広い画素電極(第1の画素電極2a)上に発光領域を画定する絶縁層(第1の絶縁層3a)の高さが、0.2μm以上5.0μm以下の範囲内にあることが望ましい。例えば、パッシブマトリックスタイプの有機EL素子において、画素電極2の間に絶縁層3を設けた場合、絶縁層3を直交して陰極層6を形成することになる。このように絶縁層3をまたぐ形で陰極層6を形成する場合、絶縁層3が高すぎると陰極層6の断線が起こってしまい表示不良となる。よって、第1の絶縁層3aの高さが、5.0μmを超えると陰極層6の断線が起きやすくなってしまう。また、第1の絶縁層3aの高さが0.2μmより低いと、印刷で画素に成膜する際に第1の絶縁層3aをインキが乗り越え、隣接する画素へのインキの流れ込みが発生する。
また、絶縁層3を形成する感光性材料としては、ポジ型レジスト、ネガ型レジストのどちらであってもよく、市販のもので構わない。ただし、絶縁層3は、絶縁性を有する必要がある。なお、隔壁(絶縁層3)が十分な絶縁性を有さない場合には、この隔壁を通じて隣り合う画素電極2間に電流が流れてしまい表示不良が発生してしまう。絶縁層3を形成する材料としては、例えば、ポリイミド系、アクリル樹脂系、ノボラック樹脂系、フルオレン系といったものが挙げられるが、これに限定するものではない。また、有機EL素子の表示品位を上げる目的で、光遮光性の材料を上述の感光性材料に含有させても良い。
また、絶縁層3を形成する感光性樹脂(感光性材料)は、例えば、スピンコーター、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、グラビアコーター等の塗布方法を用いて塗布され、フォトリソ法によりパターニングされる。また、感光性樹脂を用いずに、例えば、グラビアオフセット印刷法、反転印刷法、フレキソ印刷法等を用いて絶縁層3を形成してもよい。
以上のようにして絶縁層3を形成した後、次に正孔輸送層4を形成する。正孔輸送層4を形成する正孔輸送材料としては、例えば、ポリアニリン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリビニルカルバゾール(PVK)誘導体、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)等が挙げられる。これらの材料は溶媒に溶解または分散され、正孔輸送材料インキとなり、本実施形態による凸版印刷方法を用いることで、絶縁層3は形成される。その場合、選択される正孔輸送材料は、上述の発光材料との相性が重要である。前記正孔輸送材料は、発光材料とのイオン化ポテンシャル(IP)の差が、0.2eV以下であることが重要である。なお、形成される正孔輸送層4の体積抵抗率は、発光効率の点から1×10Ω・cm以下のものが好ましい。
また、正孔輸送材料を溶解または分散させる溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチルセロソルブ、酢酸エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、乳酸エチル、エチレングリコールジエチルエーテル、1−プロパノール、メトキシプロパノール、エトキシプロパノール、水等の単独またはこれらの混合溶媒などが挙げられる。また、必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤等が添加されていても良い。
また、正孔輸送層インキの粘度は、10Pa・sよりも大きく200mPa・s未満の範囲内であることが好ましい。これは、本実施形態で用いる凸版印刷法では、アニロックスから凸版上へのインキの転写が最初に行われるが、200mPa・s以上の粘度ではアニロックスから凸版上へインキが転写した後、凸版上で十分インキがレベリングせず、ムラの原因になる。また、10mPa・s以下の粘度では画素内ではじきムラが発生しやすく、ムラの原因になる。
また、正孔輸送層インキの固形分濃度は、0.5%以上10.0%未満の範囲内であることが好ましい。これは、本実施の形態で用いる正孔輸送インキでは、10.0%以上の濃度ではインキの安定性が悪くなり、インキ凝集や正孔輸送層4のムラの原因になる。
以上のような正孔輸送層4の形成後、有機発光層5を形成する。有機発光層5は、電流を通すことにより発光する層である。有機発光層5を形成する有機発光材料としては、例えば、クマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン系、ポルフィレン系、キナクリドン系、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系、ナフタルイミド系、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系、イリジウム錯体系等の発光性色素をポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に分散させたものや、ポリアリーレン系、ポリアリーレンビニレン系やポリフルオレン系の高分子材料が挙げられる。
これらの有機発光材料は、溶媒に溶解または安定に分散させ有機発光インキとなる。有機発光材料を溶解または分散する溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等の単独またはこれらの混合溶媒が挙げられる。中でも、トルエン、キシレン、アニソールといった芳香族有機溶剤が有機発光材料の溶解性の面から好適である。また、有機発光インキには、必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤等が添加されても良い。
有機発光層5の形成方法としては、凸版印刷法を用いる場合は、有機発光インキに適した樹脂凸版を使用することができ、中でも水現像タイプの感光性樹脂凸版が好適である。
また、有機発光インキの粘度は、10mPa・sよりも大きく200mPa・s未満の範囲内であることが好ましい。これは、本実施形態で用いる凸版印刷法ではアニロックスから凸版上へのインキの転写が最初に行われるが、200mPa・s以上の粘度ではアニロックスから凸版上へインキが転写した後、凸版上で十分インキがレベリングせず、ムラの原因になる。また、10mPa・s以下の粘度では画素内ではじきムラが発生しやすく、ムラの原因になる。
以上のような有機発光層5の形成後、陰極層6を画素電極2のラインパターンと直交するラインパターンで形成する。この陰極層6の材料としては、有機発光層5の発光特性に応じたものを使用でき、例えば、リチウム、マグネシウム、カルシウム、イッテルビウム、アルミニウムなどの金属単体やこれらと金、銀などの安定な金属との合金などが挙げられる。また、インジウム、亜鉛、錫などの導電性酸化物を用いることもできる。陰極層6の形成方法としては、マスクを用いた真空蒸着法による形成方法が挙げられる。
なお、本実施形態の有機EL素子は、陽極である画素電極2と陰極層6の間に陽極側から正孔輸送層4と有機発光層5を積層した構成であるが、陽極と陰極層6の間に正孔輸送層4、有機発光層5以外に正孔ブロック層、電子輸送層、電子注入層といった層を必要に応じ選択した積層構造をとることができる。また、これらの層を形成する際にも本実施形態で説明した形成方法を使用できる。
最後に、これらの有機EL構成体を、外部の酸素や水分から保護するために、ガラスキャップ7と接着剤8を用いて密閉封止し、有機EL素子を得ることができる。また、基板1が可撓性を有する場合には、封止剤と可撓性フィルムを用いて封止を行っても良い。
<実施形態の効果>
以上のように、本実施形態に係る有機EL素子であれば、高い絶縁層(第1の絶縁層3a)の高さが0.2μm以上5.0μm以下の範囲内であり、高い絶縁層(第1の絶縁層3a)と低い絶縁層(第2の絶縁層3b)の高低差を0.1μm以上1.0μm以下の範囲内にした基板に、少なくとも正孔輸送層4及び有機発光層5の2層を印刷方式でそれぞれ成膜することで、この2層が上述の絶縁層3a、3bを乗り越えるのを抑制し、隣接画素間でインキが混じり合うのを抑制することができる。よって、本実施形態に係る有機EL素子であれば、画素内が均一に発光することができ、輝度低下を防止することができる。
以下、本実施形態におけるフレキソ印刷機の全体構成について説明する。この実施形態に示すフレキソ印刷機は、図2及び図3に示すように、定位置に回転可能に支持された回転式の版胴10及びこの版胴10の周面に装着された発光パターン形成用の凸版(フレキソ版)11と、版胴10の下方に位置して水平に設置された支持基台12と、この支持基台12上に案内12aを介して版胴10の回転軸線10aと直角な水平方向に移動可能に設置された定盤13と、この定盤13上に載置された被印刷基板14と、凸版11の表面に発光層用のインキを供給するインキ供給手段15と、このインキ供給手段15にインキを定期的に供給するインキ補充手段16とを備える。
また、前記インキ供給手段15は、凸版11と被印刷基板14との接触点11a(版胴10の直下)から版胴10の回転方向(矢印Fの方向)と反対の方向へ90°の角度範囲内に位置して版胴10の周面と対向するように配設されている。
インキ供給手段15は、凸版11の印刷開始端(接触点)11aから版胴10の回転方向と反対の方向に90°の角度範囲内に位置して版胴10の回転軸線10aと平行に、かつ凸版11の版面11bと接触するように配置され発光層用のインキ9を凸版11の版面11bに供給するアニロックスロール151と、このアニロックスロール151の全周面のうちの下方に位置する周面部分を浸漬状態に維持するインキ溜り152aを有するとともに、アニロックスロール151の表面に付着した余分なインキを掻き落とすドクター153とを備える構成になっている。
前記アニロックスロール151と凸版11とが当接する位置は、インキ供給手段15が定盤13及び被印刷基板14と干渉しない限り、出来るだけ版胴10の直下、すなわち版胴10の回転に伴い凸版11と被印刷基板14との接触点11aに近い方が、凸版11へのインキ供給位置から接触点11aまでの間の距離を短くできると同時に凸版11の版面11bにインキが塗布されている時間が短くなるため有利である。
前記アニロックスロール151は、版胴10の周速と同一の周速で回転されるものであり、このアニロックスロール151の外周面には、図3に示すように、インキを保持するための細かいレリーフ(凹部)151aが彫刻されている。
アニロックスロール151と版胴10との周速を同一にする理由は、アニロックスロール151の外周面にレリーフ151aが彫刻されているため、版胴10との周速が異なると凸版11の版面11bにダメージを与えるのを防止するためである。
前記ドクター153は、回転によりインキ溜り152aから出てきたアニロックスロール151の表面に余分に付着したインキ9を掻き落とし、アニロックスロール151のレリーフ151a内にのみインキを残すためのものである。このドクター153の形状は刃状のものやロール状のものなどがあり、そのいずれでも構わない。また、ドクター153は、アニロックスロール151の回転方向で、インキ溜り152aから凸版11との当接点までの間に位置し、特にアニロックスロール151の上方頂部よりもインキ溜り152a寄りに配置し、掻き取ったインキがインキ溜り152aに落ちるようにする方式が最も好ましい。
前記インキ補充手段16は、インキタンク161及びインキ補充ポンプ162を備え、このインキタンク161とインキ壷152との間はインキ補充ポンプ162を介してインキ補充用チューブ163により接続されている。そして、インキ補充ポンプ162を印刷回数に応じて定期的に駆動することによりインキ壷152にインキタンク161からインキを供給し、インキ溜り152aのインキ量や粘度を一定に維持できるようになっている。また、逆にインキ溜り152aのインキをインキ壷152から吸い出す機構も設けて、インキ溜り152aのインキを交換できる方式にしてもよい。
次に、本実施の形態による有機EL用フレキソ印刷機のインキ転写の動作について図2及び図3を用いて説明する。
被印刷基板14へのインキ転写に際しては、図3に示すように、インキを転写される被印刷基板14は定盤13上に固定され、この定盤13を版胴10の直下に移動する。これと同時に版胴10を定盤13の移動速度と同じ周速で回転する。この時、版胴10に設置された凸版11は、版胴10の回転に伴ってアニロックスロール151と当接し、アニロックスロール151表面のレリーフ151a内のインキが凸版11の版面11bに塗布される。その後、凸版11の版面11bに塗布されたインキは、版胴10の直下まで回転した時点で被印刷基板14上に転写される。これにより、インキ供給手段15から凸版11へのインキ9の転移と凸版11から被印刷基板14へのインキ9の転写を同時に行うことができる。
上記フレキソ印刷機の印刷において、インキ溜り152aから露出したアニロックスロール151の表面は乾燥し易く、レリーフ151a内のインキが固まると、インキ供給量にムラが生じる。このため、アニロックスロール151の表面を周期的にインキ溜り152aに浸漬して濡らしておくように、インキ転写時以外の待機時間もアニロックスロール151の回転を続けるのが望ましい。
そこで、インキ転写時以外で凸版11の版面11bにインキを塗布しないように、アニロックスロール151もしくはインキ供給手段15全体が、版胴10から退避する機構を設けると良い。または、凸版11が設置されていない版胴10の面をアニロックスロール151に当接されない形状に構成し、待機時間中は、この当接されない形状部分をアニロックスロール151に対面させる方式にするか、あるいは版胴10を昇降できる構成にし、インキ転写時以外の待機時間中は版胴10を上昇させて凸版11をアニロックスロール151から離間し、インキ転写時は版胴10を下降して凸版11をアニロックスロール151と当接する方式などであってもよい。
また、本実施形態では、定盤13が版胴10の下を水平方向に移動する方式について説明したが、本実施形態はこれに限らず、定盤13が固定され、版胴10とインキ供給手段15が水平方向に移動する方式でも同様にインキの転写ができる。
(実施例1)
次に、本発明の実施例について説明する。
ここでは、以下のような実施例1、比較例1、及び比較例2について試作と測定を行った。まず、300mm角のガラス基板の上に、スパッタ法を用いてITO(インジウム−錫酸化物)薄膜を形成し、フォトリソ法と酸溶液によるエッチングでITO膜をパターニングして、対角5インチサイズのディスプレイが2面取れるように画素電極を形成した。ディスプレイ1面当たりの画素電極のラインパターンは、線幅40μm、スペース20μmでラインが1950ライン形成されるパターンとした。
次に絶縁層を以下のように形成した。まず、画素電極を形成したガラス基板上にポリイミド系のレジスト材料を全面スピンコートした。スピンコートの条件を150rpmで5秒間回転させた後、1000rpmで20秒間回転させ、膜厚1.0μmとした。全面に塗布したフォトレジスト材料に対し、フォトリソ法により画素幅の狭い画素電極(第2の電極)の絶縁層(第2の絶縁層)を形成した。同様に、スピンコートの条件を150rpmで5秒間回転させた後、500rpmで20秒間回転させ、膜厚3.0μmとし、フォトリソ法により画素幅の広い画素電極(第1の電極)の絶縁層(第1の絶縁層)を形成した。
次に、正孔輸送インキとしてPEDOT溶液であるバイトロンCH−8000を用いて調液しインキの固形分濃度1.5%、粘度15mPa・Sの正孔輸送インキを、絶縁層に挟まれた画素電極の真上にそのラインパターンにあわせて有機発光層を凸版印刷法で印刷を行った。200℃、30分大気中で乾燥を行い、正孔輸送層を形成した。このとき750線/インチのアニロックスロール及び溶剤現像タイプの感光性樹脂版を使用した。この結果、膜厚は50nmとなった。
次に、有機発光材料であるポリフェニレンビニレン誘導体をトルエンに溶解させて、濃度2%、粘度50mPa・sの有機発光インキを、絶縁層に挟まれた画素電極の真上にそのラインパターンにあわせて有機発光層を凸版印刷法で印刷を行った。このとき、750線/インチのアニロックスロール及び水現像タイプの感光性樹脂版を使用した。この結果、印刷、乾燥後の有機発光層の膜厚は80nmとなった。
その上にCa、Alからなる陰極層を画素電極のラインパターンと直交するようなラインパターンで抵抗加熱蒸着法によりマスク蒸着して形成した。最後にこれらの有機EL構成体を、外部の酸素や水分から保護するために、ガラスキャップと接着剤を用いて密閉封止し、有機ELディスプレイパネルを作製した。これにより得られた有機ELディスプレイパネルの表示部の周辺部には各画素電極に接続されている陽極側の取り出し電極と、陰極側の取り出し電極があり、これらを電源に接続することにより、得られた有機ELディスプレイパネルの点灯表示確認を行った。
(比較例1)
画素の大きさに関係なく、絶縁層の高さを1.0μmとした以外は実施例1と同様とした。
(比較例2)
画素の大きさに関係なく、絶縁層の高さを3.0μmとした以外は実施例1と同様とした。
以上のような実施例1、比較例1、及び比較例2でのパネル発光状態を比較した評価結果を図4に示す。図示のように、比較例1、2に比べて本実施例1で良好な結果が得られることが分かる。
1……基板、2……画素電極、2a……第1の画素電極、2b……第2の画素電極、3……絶縁層、3a……第1の絶縁層、3b……第2の絶縁層、4……正孔輸送層、5……有機発光層、6……陰極層、7……ガラスキャップ、8……接着剤、9……インキ、10……版胴、11……凸版、11a……凸版と被印刷基板との接触点、11b……版面、12……支持基台、13……定盤、14……被印刷基板、15……インキ供給手段、151……アニロックスロール、151a……レリーフ(凹部)、152……クローズドチャンバー(インキ壷)、152a……インキ溜り、153……ドクター、16……インキ補充手段、161……インキタンク、162……インキ補充ポンプ、163……インキ補充用チューブ

Claims (3)

  1. 基板上と、前記基板上に形成された、画素幅の異なる複数の画素電極と、前記画素幅の異なる前記複数の画素電極上に発光領域を画定する絶縁層と、前記発光領域に積層され、且つ、少なくとも正孔輸送層及び有機発光層の2層を含む有機発光媒体層と、前記有機発光媒体層を介して前記複数の画素電極に対向する対向電極と、を備えた有機EL素子であって、
    前記画素幅の異なる前記複数の画素電極は、第1の画素電極と、前記第1の画素電極に比べて画素幅の狭い第2の画素電極とからなり、
    前記第1の画素電極上に前記発光領域を画定する第1の絶縁層の高さが、前記第2の画素電極上に前記発光領域を画定する第2の絶縁層の高さより高いことを特徴とする有機EL素子。
  2. 前記第1の絶縁層の高さが、0.2μm以上5.0μm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子。
  3. 請求項1または請求項2に記載の有機EL素子の製造方法であって、
    少なくとも前記正孔輸送層及び前記有機発光層の2層を印刷方式を用いてそれぞれ成膜することを特徴とする有機EL素子の製造方法。
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