JP2014066931A - 液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】下階調反転に優れ、かつ正面コントラストの低下が抑制され、薄型化にも好適な液晶表示装置を提供する。
【解決手段】視認側から、少なくとも、光拡散フィルム1、第1の偏光膜2、第1の光学補償フィルム10、液晶セル5、第2の光学補償フィルム20、及び第2の偏光膜8をこの順に有する液晶表示装置100であって、第1の光学補償フィルム10及び第2の光学補償フィルム20は、逆ハイブリッド配向した光学異方性層4及び6を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は液晶表示装置に関する。
従来、TNモードの液晶表示装置においては、表示パネルの下方向の階調反転(下階調反転)が問題となっていた。
例えば、特許文献1には、液晶表示装置の下階調反転の改善のために、視認側の表面フィルムとして光拡散フィルムを適用することが提案されている。
一方、特許文献2には、液晶表示装置において、指向性の強いバックライトを用い、かつ表面フィルムとして光拡散フィルムを適用することにより、コントラストの低下を抑制する方法が提案されている。
また、特許文献3には、ディスコティック液晶分子が逆ハイブリッド配向した光学補償フィルムを有する液晶表示装置が開示されている。
特開2003−43218号公報 特開2010−164955号公報 特開2011−133549号公報
しかしながら、液晶表示装置へ求められる性能向上に伴い、特許文献1の液晶表示装置については、正面コントラストの観点で更なる改善が求められる場合がある。
また、特許文献2の液晶表示装置については、コントラストの低下を抑えることはできるが、バックライトの指向性をかなり強くする必要があるため、バックライトユニットが大掛かりなものになり、表示装置の薄型化が求められる現状に対して、要求を十分満たせない場合がある。
さらに、特許文献3の液晶表示装置については、下諧調反転の観点で更なる改善が求められる場合がある。
本発明の目的は、下階調反転に優れ、かつ正面コントラストの低下が抑制され、薄型化にも好適な液晶表示装置を提供することである。
前記課題を解決するための手段は以下の通りである。
[1]
視認側から、少なくとも、光拡散フィルム、第1の偏光膜、第1の光学補償フィルム、液晶セル、第2の光学補償フィルム、及び第2の偏光膜をこの順に有する液晶表示装置であって、
上記第1の偏光膜及び第2の偏光膜は互いに吸収軸を直交して配置され、
上記第1の光学補償フィルムは、第1の透明フィルムと、第1の光学異方性層とを少なくとも含んでなり、上記第1の透明フィルムが上記第1の偏光膜側に、上記第1の光学異方性層が上記液晶セル側になるように配置され、
上記第2の光学補償フィルムは、第2の透明フィルムと、第2の光学異方性層とを少なくとも含んでなり、上記第2の透明フィルムが第2の偏光膜側に、上記第2の光学異方性層が液晶セル側になるように配置され、
上記第1の光学異方性層は、少なくとも液晶性化合物を含んでなり、上記第1の光学異方性層中の上記液晶性化合物は、上記第1の透明フィルム側の界面から、上記液晶セル側の界面に向かって、平均チルト角が減少しており、
上記第2の光学異方性層は、少なくとも液晶性化合物を含んでなり、上記第2の光学異方性層中の上記液晶性化合物は、上記第2の透明フィルム側の界面から、上記液晶セル側の界面に向かって、平均チルト角が減少しており、
上記第1及の光学補償フィルム及び上記第2の光学補償フィルムの波長550nmにおける面内レターデーションがそれぞれ独立に10nm〜200nmであり、
上記第1の透明フィルム及び上記第2の透明フィルムの波長550nmにおける面内レターデーションがそれぞれ独立に2nm〜150nmであり、波長550nmにおける厚み方向のレターデーションがそれぞれ独立に−20nm〜250nmである、液晶表示装置。
[2]
上記液晶セルの、上記光拡散フィルム側とは反対側に配置されたバックライトユニットを備え、上記バックライトユニットから射出される光の輝度半値全幅角度が80°以下である[1]に記載の液晶表示装置。
[3]
上記光拡散フィルムが入射光の入射方向によって、光の散乱状態が異なる異方性散乱層を有する[1]又は[2]に記載の液晶表示装置。
[4]
上記光拡散フィルムがポリマー組成物からなる第1ドメインと、上記第1ドメイン内部に配置された第2ドメインとを含む光学フィルムであって、
上記第2ドメインが形状異方性を有する気泡であり、
上記第1ドメイン中のポリマーにおける分子主鎖の平均配向方向と上記第2ドメインの長軸の平均方向とが異なる光学フィルムである[3]に記載の液晶表示装置。
[5]
上記光拡散フィルムにおける上記第2ドメインの長軸平均長の、上記第2ドメインのフィルム面内方向の短軸平均長に対する比が1.1〜30である[4]に記載の液晶表示装置。
[6]
上記光拡散フィルムにおける上記第2ドメインの長軸平均長の、上記第2ドメインのフィルム膜厚方向の短軸平均長に対する比が30〜300である[4]に記載の液晶表示装置。
[7]
上記光拡散フィルムにおける上記第1ドメインの屈折率が上記第2ドメインの屈折率よりも0.01〜1.00大きい[4]〜[6]のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
[8]
上記光拡散フィルムにおける上記第2ドメインの球相当直径が0.02μm以上である[4]〜[7]のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
[9]
上記光拡散フィルムにおける上記第2ドメインの体積分率が、20〜70%である[4]〜[8]のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
[10]
上記光拡散フィルムにおける上記第2ドメインが、膜厚方向に密度分布をもつ[4]〜[9]のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
[11]
上記光拡散フィルムにおける上記ポリマー組成物が、セルロースアシレート系ポリマーを主成分として含有する[4]〜[10]のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
[12]
上記光拡散フィルムはポリマー組成物からなり、ヘイズが1%以下のフィルムを、延伸温度(Tg−20)〜Tc℃、且つ延伸倍率1〜300%で延伸して得られたフィルムである[1]〜[11]のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
但し、Tgはフィルムのガラス転移温度(単位:℃)であり、Tcはフィルムの結晶化温度(単位:℃)である。
[13]
上記光拡散フィルムが、透光性樹脂と、上記透光性樹脂の屈折率と異なる屈折率を有する透光性微粒子とを含む光拡散層を有し、且つ上記光拡散層の内部ヘイズが45%以上である[1]に記載の液晶表示装置。
[14]
上記液晶セルが捩れ配向モードである[1]〜[13]のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
本発明によれば、下階調反転に優れ、かつ正面コントラストの低下が抑制され、薄型化にも好適な液晶表示装置を提供することができる。
本発明の液晶表示装置の一例を示す概略図である。 本発明の液晶表示装置の光学補償フィルムの一例を示す概略図である。 本発明におけるプリズムシートの作製の一例を説明するための概略図である。 本発明におけるプリズムシートの作製の一例を説明するための概略図である。 本発明におけるプリズムシートの作製の一例を説明するための概略図である。 本発明におけるプリズムシートの作製の一例を説明するための概略図である。 本発明におけるプリズムシートの作製の一例を説明するための概略図である。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は、各々、波長λにおける面内のレターデーション、及び厚さ方向のレターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADH、又はWR(王子計測機器(株)製)において、波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。測定波長λnmの選択にあたっては、波長選択フィルターをマニュアルで交換するか、または測定値をプログラム等で変換して測定することができる。測定されるフィルムが、1軸又は2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)が算出される。なお、この測定方法は、後述する光学異方性層中のディスコティック液晶分子の配向膜側の平均チルト角、その反対側の平均チルト角の測定においても一部利用される。
Rth(λ)は、前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH、又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合には、フィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50°まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADH、又はWRが算出する。なお、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合には、フィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値、及び入力された膜厚値を基に、以下の式(A)、及び式(III)よりRthを算出することもできる。
式(A):
Figure 2014066931
なお、上記のRe(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値をあらわす。また、式(A)におけるnxは、面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは、面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzは、nx及びnyに直交する方向の屈折率を表す。dはフィルムの膜厚を表す。
Rth={(nx+ny)/2−nz}×d・・・・・・・・・・・式(III)
測定されるフィルムが、1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフィルムの場合には、以下の方法により、Rth(λ)は算出される。Rth(λ)は、前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH、又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として、フィルム法線方向に対して−50°から+50°まで10°ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。また、上記の測定において、平均屈折率の仮定値は、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについては、アッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:
セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。
これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADH又はWRはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx,ny,nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
なお、「遅相軸」は、屈折率が最大となる方向を意味し、更に屈折率の測定波長は、特別な記述がない限り、可視光域(λ=550nm)での値である。
また、本明細書において、光学フィルム及び液晶層等の各部材の光学特性を示す数値、数値範囲、及び定性的な表現(例えば、「同等」、「等しい」等の表現)については、液晶表示装置やそれに用いられる部材について一般的に許容される誤差を含む数値、数値範囲及び性質を示していると解釈されるものとする。
また、本明細書において、各軸・方向間の配置や交差角の角度の説明で、範囲を示さずに単に「平行」、「直交」、「0°」、「90°」、「45°」等という場合には、「おおよそ平行」、「おおよそ直交」、「おおよそ0°」、「おおよそ90°」、「おおよそ45°」の意であり、厳密なものではない。それぞれの目的を達成する範囲内での、多少のズレは許容される。例えば「平行」、「0°」とは、交差角がおおよそ0°ということであり、−10°〜10°、好ましくは−5°〜5°、より好ましくは−3°〜3°である。「直交」、「90°」とは、交差角がおおよそ90°ということであり、80°〜100°、好ましくは85°〜95°、より好ましくは87°〜93°である。「45°」とは、交差角がおおよそ45°ということであり、35°〜55°、好ましくは40°〜50°、より好ましくは42°〜48°である。
[液晶表示装置]
本発明の液晶表示装置は、視認側から、少なくとも、光拡散フィルム、第1の偏光膜、第1の光学補償フィルム、液晶セル、第2の光学補償フィルム、及び第2の偏光膜をこの順に有する液晶表示装置であって、
前記第1の偏光膜及び第2の偏光膜は互いに吸収軸を直交して配置され、
前記第1の光学補償フィルムは、第1の透明フィルムと、第1の光学異方性層とを少なくとも含んでなり、前記第1の透明フィルムが前記第1の偏光膜側に、前記第1の光学異方性層が前記液晶セル側になるように配置され、
前記第2の光学補償フィルムは、第2の透明フィルムと、第2の光学異方性層とを少なくとも含んでなり、前記第2の透明フィルムが第2の偏光膜側に、前記第2の光学異方性層が液晶セル側になるように配置され、
前記第1の光学異方性層は、少なくとも液晶性化合物を含んでなり、前記第1の光学異方性層中の前記液晶性化合物は、前記第1の透明フィルム側の界面から、前記液晶セル側の界面に向かって、平均チルト角が減少しており、
前記第2の光学異方性層は、少なくとも液晶性化合物を含んでなり、前記第2の光学異方性層中の前記液晶性化合物は、前記第2の透明フィルム側の界面から、前記液晶セル側の界面に向かって、平均チルト角が減少しており、
前記第1及の光学補償フィルム及び前記第2の光学補償フィルムの波長550nmにおける面内レターデーションがそれぞれ独立に10nm〜200nmであり、
前記第1の透明フィルム及び前記第2の透明フィルムの波長550nmにおける面内レターデーションがそれぞれ独立に2nm〜150nmであり、波長550nmにおける厚み方向のレターデーションがそれぞれ独立に−20nm〜250nmである、液晶表示装置である。
図1は、本発明の液晶表示装置の一例の模式図である。
図1の液晶表示装置100は、第1の偏光膜2及び第2の偏光膜8を有する。図示しないが、第1の偏光膜2及び第2の偏光膜8は、互いに吸収軸を直交して配置される。
液晶表示装置100は、第1の偏光膜2と第2の偏光膜8との間に液晶セル5を有し、第1の偏光膜2と液晶セル5との間に第1の光学補償フィルム10を有し、第2の偏光膜8と液晶セル5との間に第2の光学補償フィルム20を有する。
液晶表示装置100は、第1の偏光膜2の、第1の光学補償フィルム10を有する側とは反対側には、光拡散フィルム1を有する。
第1の光学補償フィルム10は、第1の透明フィルム3と、第1の光学異方性層4とを少なくとも含んでなり、第1の透明フィルム3が第1の偏光膜2側に、第1の光学異方性層4が液晶セル5側になるように配置される。
第2の光学補償フィルム20は、第2の透明フィルム7と、第2の光学異方性層6とを少なくとも含んでなり、第2の透明フィルム7が第2の偏光膜8側に、第2の光学異方性層6が液晶セル5側になるように配置される。
また、第2の偏光膜8の第2の透明フィルム7とは反対側には、保護フィルム9及びバックライトユニット40を有している。
第1及の光学補償フィルム10及び第2の光学補償フィルム20の波長550nmにおける面内レターデーションはそれぞれ独立に10nm〜200nmである。
第1の透明フィルム3及び第2の透明フィルム7の波長550nmにおける面内レターデーションはそれぞれ独立に2nm〜150nmであり、かつ波長550nmにおける厚み方向のレターデーションがそれぞれ独立に−20nm〜250nmである。
なお、本発明においては、光拡散フィルム1は表面フィルムとして用いられており、光拡散フィルム1を有する側が視認側である。
図2は、本発明の液晶表示装置の一例における光学異方性層中の液晶性化合物の配向を説明するための模式図である。
図2に、第1の光学補償フィルムを構成する第1の透明フィルム3、第1の光学異方性層4を記載した。
第1の光学異方性層4は、少なくとも液晶性化合物30を含む。第1の光学異方性層4中の液晶性化合物30は、第1の透明フィルム3側の界面Aから、反対側の界面B(液晶セル5側の界面)に向かって、チルト角が減少している。
第2の光学補償フィルムも第1の光学補償フィルムと同様である。
なお、図1及び図2は、本発明の液晶表示装置を説明するための模式図であって、本発明は図1及び図2に限定されるものではない。
以下、本発明の液晶表示装置に含まれる各部材について説明する。
<光拡散フィルム>
本発明における光拡散フィルムとしては、特に限定されないが、好ましくは下記(A)又は(B)の光拡散フィルムである。
(A)透光性樹脂と、透光性樹脂の屈折率と異なる屈折率を有する透光性微粒子とを含む光拡散層を有し、かつ光拡散層の内部ヘイズが45%以上である光拡散フィルム。
(B)入射光の入射方向によって、光の散乱状態が異なる異方性散乱層を有する光拡散フィルム。
(A)透光性樹脂と、透光性樹脂の屈折率と異なる屈折率を有する透光性微粒子とを含む光拡散層を有し、かつ光拡散層の内部ヘイズが45%以上である光拡散フィルム(光拡散フィルム(A))について説明する。
(光拡散層)
光拡散フィルム(A)の光拡散層は、透光性樹脂と、透光性樹脂の屈折率とは異なる屈折率を有する透光性粒子とを含む層である。透光性粒子と透光性樹脂の屈折率差、透光性粒子の粒子径、透光性粒子の含有量によりヘイズ値を調整することができる。透光性粒子として、同一粒径及び同一材質の透光性粒子のみを用いてもよいし、粒径及び/又は材質の異なる複数種の透光性粒子を用いてもよい。後者のほうがヘイズ値を調整できる点で好ましい。
透光性粒子の屈折率と、光拡散層の主成分である透光性樹脂の屈折率(後述する、層の屈折率調整のために無機微粒子等を透光性樹脂に添加した場合は、その光学的な平均屈折率)との差が0.03〜0.30であることが好ましい。屈折率差が0.03以上であると、より効果的に光散乱効果が得られ、0.30以下であるとフィルムの白化をより低減できる。屈折率差は、0.06〜0.25がより好ましく、0.09〜0.20が最も好ましい。
本発明においては、視角特性改善ために適度な散乱性を得るために、透光性粒子(第1の透光性粒子)の粒子径は、0.5〜3.5μmが好ましく、0.5〜2.0μmであることがより好ましく、0.6〜1.8μmであることがさらに好ましい。拡散効果が大きければ大きい程、視角特性は向上する。しかし、表示品位という点で正面の明るさを維持するためには、出来る限り透過率を高めることも必要である。前記粒子径が0.5μm以上であると後方散乱が小さくなり明るさが減少しにくい。前記粒子径が3.5μm以下であると、散乱効果が大きく、視角特性の向上が大きい。
また、拡散効果付与を主目的としない透光性粒子(第2の透光性粒子)をさらに添加することも好ましい。拡散フィルムの表面に凹凸を設け、映り込み防止機能を設ける等に用いられる。第2の透光性粒子の粒子径は第1の透光性粒子の粒子径より大きいことが好ましく、2.5μm〜10.0μmであることが更に好ましい。これにより、好適な表面散乱を付与することができる。良好な表示品位を達成するには、外光の写り込みを防止することも重要である。表面のヘイズ値が低いほど外光による白ちゃけ感が小さくなり、明瞭なディスプレイ表示を得ることができるが、表面ヘイズ値が低すぎると、映り込みが大きくなるため、最外層に光拡散層の屈折率よりも低い屈折率の低屈折率層を設け、低反射率化することも好ましい。表面ヘイズ値を制御するには、第2の透光性粒子により樹脂層表面に適度な凹凸を設けることが好ましいが、この限りではない。粒子径が2.5μm以上であると、所望の表面凹凸を設ける場合に、層の厚みをある程度大きくすることができ、膜硬度の点で好ましく、一方、10μm以下であると、粒子1個1個の質量が大きくならず、塗布液中の粒子沈降安定性の点で好ましい。従って、第2の透光性粒子の粒子径は、2.7〜9.0μmが好ましく、3.0〜8.0μmがより好ましい。
第2の透光性粒子の屈折率は、光拡散層の主成分である透光性樹脂の屈折率との差が第1の透光性粒子より小さいことが好ましい。
前記光拡散層の表面凸凹は、表面粗さRaが0.5μm以下であることが好ましく、0.3μm以下であることが更に好ましく、0.2μm以下であるのがよりさらに好ましい。表面粗さRa(中心線平均粗さ)の測定は、JIS−B0601に準じて行うことができる。
光拡散層のヘイズ値、特に透過光の拡散に寄与が大きい内部散乱へイズ(内部ヘイズ)は、視角特性改良効果と強い相関関係がある。バックライトから出射された光が視認側の偏光板表面に設置された光拡散層で拡散されることにより、視角特性が改善される。正面輝度の観点から、光拡散層の内部ヘイズは、45%以上が好ましく、50%〜90%がより好ましく、55%〜80%が特に好ましい。内部散乱へイズを上昇させる方法として、拡散性付与を目的とする透光性粒子の塗布量を上げる、同一塗布量の場合は粒子径を下げる、さらには、粒子と樹脂の屈折率差を大きくするなどの方法がある。
光拡散フィルム(A)の表面散乱起因のヘイズ(表面ヘイズ)は、映り込み低減と白茶け感低減の両立の観点から、0.1〜30%が好ましく、10%以下が好ましく、5%以下が特に好ましい。外光による白茶け感低減を重視するのであれば、4%以下が好ましく、2%以下が更に好ましい。表面ヘイズを低減すると映り込みが大きくなるため、低屈折率層を設け、5度入射における積分反射率の450nmから650nmまでの波長領域での平均値を3.0%以下にすることが好ましく、2.0%以下がより好ましく、さらに好ましくは1.0%以下である。本発明における、表示品位を上げる(視角特性改善)ことに関しては、前述の内部散乱性の調整を行うことが好ましいが、同時に表面ヘイズ及び反射率の少なくとも一方を好適な範囲にすることで、明室下でのコントラストが改善され、より好ましい効果を発現できる。
前記透光性粒子は、単分散の有機微粒子であっても、無機微粒子であってもよい。粒径にばらつきがないほど、散乱特性にばらつきが少なくなり、ヘイズの設計が容易となる。前記透光性粒子としては、プラスチックビーズが好適であり、特に透明度が高く、透光性樹脂との屈折率差が前述のような数値になるものが好ましい。透光性粒子の具体例は特開2009−93166号公報の[0035]に記載されており、本発明においても同様である。
透光性粒子は、透光性樹脂100質量部に対して5〜30質量部含有させることが好ましい。
上記のような透光性粒子の場合には、樹脂組成物(透光性樹脂)中で透光性粒子が沈降し易いので、沈降防止のためにシリカ等の無機フィラーを添加してもよい。なお、無機フィラーは添加量が増す程、透光性粒子の沈降防止に有効であるが、塗膜の透明性に悪影響を与える。従って、好ましくは、粒径0.5μm以下の無機フィラーを、透光性樹脂に対して塗膜の透明性を損なわない程度に、0.1質量%未満程度含有させるとよい。
透光性樹脂としては、主として紫外線・電子線によって硬化する樹脂、即ち、電離放射線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂に熱可塑性樹脂と溶剤を混合したもの、熱硬化型樹脂の3種類が使用される。ハードコート性を付与するためには、電離放射線硬化型樹脂が主成分であることが好ましい。光拡散層の厚さは通常1.5〜30μm、好ましくは3〜20μmとすると良い。光拡散層がハードコート層としての機能を兼ねる場合が一般的であるが、光拡散層の厚さが1.5μm以上であると、ハードコート性が十分であり、一方、30μm以下であると、カールや脆性の点で好ましい。透光性樹脂の屈折率は、低屈折率層を設ける場合は、好ましくは1.46〜2.00であり、より好ましくは1.48〜1.90であり、更に好ましくは1.50〜1.80である。なお、透光性樹脂の屈折率は、透光性粒子を含まずに測定した光拡散層平均の値である。光拡散層の屈折率が1.46以上であると反射防止性が向上し、2.00以下であると、反射光の色味が強くならず好ましい。光拡散層の屈折率の設定は、反射防止性と反射光色味の点から所望の値に設定することができる。
該透光性樹脂に用いるバインダーは、飽和炭化水素又はポリエーテルを主鎖として有するポリマーであることが好ましく、飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーであることがさらに好ましい。
透光性樹脂に用いるバインダー、重合開始剤、及びその他の添加剤については、特開2009−93166号公報の[0038]〜[0045]に記載されており、本発明においても同様である。
(低屈折率層)
光拡散フィルム(A)は、光拡散層とともに、該光拡散層よりも屈折率が低い低屈折率層を有していてもよい。低屈折率層は、光拡散層のより外側であって、光拡散層に隣接させて配置するのが好ましい。低屈折率層を形成することで、反射防止性能が得られ、外光の映り込みが抑えられ、明室環境下でのコントラストをより向上させることができる。
前記低屈折率層の屈折率は、1.20〜1.50であるのが好ましく、1.25〜1.45であるのがより好ましく、1.30〜1.40であるのが更に好ましい。前記手屈折率層の形成に用いる材料については特に制限はない。例えば、含フッ素化合物を主成分として含有する硬化性組成物、又は分子内に複数個の結合性基を有するモノマーと低屈折率の粒子とを含有する硬化組成物等を硬化させて形成することができる。より具体的には、好ましい硬化物組成の例には、(1)架橋性若しくは重合性の官能基を有する含フッ素ポリマーを含有する組成物、(2)含フッ素のオルガノシラン材料の加水分解縮合物を主成分とする組成物、(3)2個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーと中空構造を有する無機微粒子を含有する組成物、などが含まれる。
(透明基板)
前記高内部散乱フィルムは、前記光拡散層を支持する透明基板を有していてもよい。例えば、透明基板の表面に、光拡散層形成用塗布液を塗布して、前記光拡散層を形成することができる。透明基板には、透明ポリマーフィルム、及び透明ガラス板などを用いることができる。透明ポリマーフィルムとしては、セルロースエステルフィルム(例、トリアセチルセルロースフィルム、ジアセチルセルロースフィルム、代表的には富士フイルム社製TAC−TD80U,TD80UFなど)、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエステルフィルム(例、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム)、ポリスチレンフィルム、ポリオレフィンフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム(アートン:商品名、JSR社製)、非晶質ポリオレフィンフィルム(ゼオネックス:商品名、日本ゼオン社製)、などが挙げられる。このうちトリアセチルセルロースフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルムが好ましく、特にトリアセチルセルロースフィルムが好ましい。透明基板の厚みは、薄型化ニーズ及びハンドリング性(搬送適性)の観点から、20〜200μmが好ましく、30〜100μmがより好ましく、35〜90μmがさらに好ましく、40〜80μmよりさらに好ましい。
なお、透明基板がポリマーフィルムからなる場合は、直線偏光膜の保護フィルムとして利用することもできる。具体的には、ポリマーフィルムとその上に光拡散層とを有する光拡散フィルムを、そのポリマーフィルムの裏面(光拡散層が形成されていない側の面)を直線偏光膜の表面と貼り合せて、該ポリマーフィルムを保護フィルムとして利用してもよい。
(B)入射光の入射方向によって、光の散乱状態が異なる異方性散乱層を有する光拡散フィルム(光拡散フィルム(B))について説明する。
光拡散フィルム(B)は、方位角により拡散角が相違するものであり、これを用いることで斜視での黒浮きを抑制できてコントラストを向上させることができ、下方向等の補償不足を生じやすい方向での階調反転を生じない角度を拡大することができる。また複屈折層に基づく色付きも低減することができる。さらに、液晶表示装置における文字のにじみを改良することもできる。光拡散フィルム(B)は、例えばルミスティ(商品名、住友化学社製)やスペックルを記録したフィルムからなるスペックルグラムとして得ることができ、また複屈折特性が相違する微小領域を分散含有する透光性樹脂からなるフィルムとして得ることができる。
光拡散フィルム(B)としては、ポリマー組成物からなる第1ドメインと、該第1ドメイン内部に配置された第2ドメインとを含む光学フィルムであって、前記第2ドメインが形状異方性を有する気泡であり、前記第1ドメイン中のポリマーの分子主鎖の平均配向方向が前記第2ドメインの長軸の平均方向とは異なる光学フィルムであることが好ましい。
ここで、ポリマーの分子主鎖の平均方向とは、フィルム面内方向でポリマー分子が並んでいる方向を表しており、この方向の熱膨張係数や湿度膨張係数は、これと直交する方向と比較して小さくなるため、例えば、バックライト等の外熱による寸法変化に起因する気泡の形状変化や、湿度環境の変化による寸法変化に起因する気泡の形状変化を抑制することができ、液晶ディスプレイに組み込んだ際の輝度ムラを抑制することができる。ポリマーの分子主鎖の平均方向は、例えば、下記X線回折測定によって評価することができ、簡易的に、フィルム面内で弾性率が最も高い方向として評価することもできる。
<X線回折測定>
光拡散フィルム(B)のX線回折測定は、フィルムを25℃、相対湿度60%にて24時間調湿後、自動X線回折装置(RINT 2000:(株)リガク製)、および汎用型イメージングプレート読み取り装置(R−AXIS DS3C/3CL)を用いて、フィルムを透過したビームの回折写真から求めることができる(Cu Kα線 50kV 200mA 10分)。
前記第2ドメインは、第1ドメイン内部に配置され、形状異方性を有する気泡である。また、前記第2ドメインの長軸の平均方向は、前記第1ドメイン中のポリマーの分子主鎖の平均配向方向とは異なる。
通常は延伸方向、つまり、ポリマー主鎖の方向とほぼ平行に前記第2ドメインの長軸の平均方向が向くが、本発明における光拡散フィルム(B)では全く異なる方向を向く。
いかなる理論に拘泥するものでもないが、これはある一定の温度範囲で延伸することにより、製膜過程でポリマー中に生成した結晶部と非結晶部とが引き裂かれることに起因すると考えられる。すなわち、適切な延伸温度で延伸が実施されると、非結晶部のみが引き裂かれたようになり、さらに延伸倍率が一定以上になると、ポリマー間に空隙が亀裂状にできるため延伸方向とは異なる方向に長軸をもつためと推定される。
光拡散フィルム(B)において、前記第2ドメインは第1ドメイン内部に配置されているが、その他の気泡の配置は本発明の趣旨に反しない限り特に制限はなく、例えばフィルム表面近傍に存在する気泡がフィルム表面まで貫通している気孔の形状を有していてもよい。また、前記第2ドメインは、本発明の趣旨に反しない限り、前記第2ドメインの一部に気体以外の他の成分を含んでいてもよく、例えば第1ドメインに用いられるポリマーと異なる組成のポリマーが含まれていたり、水や有機溶媒などが充填されていてもよい。前記第2ドメインは、気泡中に気体が充填されていることが屈折率を本発明の好ましい範囲に調節する観点から好ましく、空気が充填されていることがより好ましい。なお、特に固体成分が前記第2ドメインに含まれている場合は、第2ドメイン中に、製膜時の揮散物やその他の粉末等が微量に固着している態様も含む。
本発明における形状異方性とは、外形形態が異方性を有していることをいう。このような異方性を持つ気泡は、楕円体や棒状体のように、外形に長い方向を持ち、その方向の長さを本発明では第2ドメインの長軸という。その外形には多少の凹凸を有していてもよい。
本明細書中、前記第2ドメインの長軸は、その平均方向に特に制限はないが、フィルム面に対して水平方向に前記第2ドメインの長軸平均方向が存在することが好ましい。
前記第2ドメインの長軸平均方向および長軸平均長は、任意の方向におけるフィルム断面を、例えば電子顕微鏡で観察することにより決定することができる。また、前記第2ドメインの長軸がフィルム面に水平方向に存在する場合は、第2ドメインの長軸の平均方向および長軸平均長は以下の方法によって決めることができる。前記測定により決定したフィルムのポリマー分子主鎖の平均方向を0°とし、フィルム面内において0°方向から180°方向まで5°おきに、フィルム面に対して垂直に切断した。例えば、ある長方形の形状のフィルムを観測する場合において、ポリマー分子主鎖の平均方向を表す0°方向がフィルム長手方向であれば、90°方向はフィルム幅方向となり、180°方向はポリマー分子主鎖の平均方向に再度一致するフィルム長手方向となる。その各断面(本発明では37枚のフィルム断面)を、例えば電子顕微鏡で観察し、それぞれの断面において任意に第2ドメイン100個を選択し、それらの第2ドメイン100個の長軸の長さを測定し、平均値をそれぞれ求めた。前記37枚のフィルム断面において、最も前述の第2ドメイン100個の長軸の長さ(該断面における第2ドメインの横幅)の平均が長かった断面を決定し、その断面を切断した角度を、本明細書中における第2ドメインの長軸の平均方向とした。また、そのときの角度における第2ドメイン100個の長軸の長さの平均を、本明細書中における第2ドメインの長軸平均長とした。以下、本明細書中において、前記第2ドメインの長軸平均長を「第2ドメインの長軸の平均長a」とも言う。
次に、第2ドメインのフィルム面内方向の短軸平均長を以下の方法で求めることができる。前記37枚のフィルム断面を切断した角度のうちの長軸の平均方向を決めた角度から、フィルム面内方向に90°ずらした角度のフィルム断面中から任意に第2ドメイン100個を選択し、それら第2ドメイン100個の該断面におけるフィルム面内方向に平行な軸の長さ(該断面における第2ドメインの横幅)を測定し、平均値を求めた。これを、前記第2ドメインのフィルム面内方向の短軸平均長とした。以下、本明細書中において、前記第2ドメインのフィルム面内方向の短軸平均長を「第2ドメインのフィルム面内方向の短軸平均長b」とも言う。
一方、第2ドメインのフィルム膜厚方向の短軸平均長は以下の方法で求めることができる。膜厚方向の短軸平均長は、前記第2ドメインの長軸の平均方向を決めた角度におけるフィルム断面において、任意の第2ドメイン100個を選択し、それら第2ドメイン100個の該断面における膜厚方向に平行な軸の長さ(該断面における第2ドメインの縦方向の長さ)を測定し、平均値を求めた。これを、前記第2ドメインのフィルム膜厚方向の短軸平均長とした。以下、本明細書中において、前記第2ドメインのフィルム膜厚方向の短軸平均長を「第2ドメインのフィルム膜厚方向の短軸平均長c」とも言う。
また、第2ドメインの長軸の平均方向が、前記第1ドメイン中のポリマーの分子主鎖の平均方向と異なることにより、光拡散フィルム(B)は熱などによる形状変化を抑えることができる。
前記第2ドメインの長軸平均長の、前記第2ドメインのフィルム面内方向の短軸平均長に対する比、すなわち(第2ドメインの長軸の平均長a)/(第2ドメインのフィルム面内方向の短軸平均長b)が1.1〜30であることが熱などによる形状変化に対する圧力をより分散させることができる観点から、好ましい。前記第2ドメインの長軸平均長の、前記第2ドメインのフィルム面内方向の短軸平均長に対する比は2〜20であることがより好ましく、3〜10であることが特に好ましい。
前記第2ドメインの長軸平均長の、前記第2ドメインのフィルム膜厚方向の短軸平均長に対する比、すなわち(第2ドメインの長軸の平均長a)/(第2ドメインのフィルム膜厚方向の短軸平均長c)が30〜300であることが、曲面を光の進行方向に対して緩やかにすることで、高ヘイズ、かつ、全光透過率を高くすることが可能である観点から、好ましい。前記第2ドメインの長軸平均長の、前記第2ドメインのフィルム膜厚方向の短軸平均長に対する比は50〜250であることがより好ましく、100〜200であることが特に好ましい。
前記第1ドメインの屈折率n1は、前記第2ドメインの屈折率n2よりも0.01〜1.00大きいことが好ましく、0.2〜0.8大きいことがより好ましく、0.4〜0.6大きいことがさらに好ましい。屈折率差が大きいほど斜め出射光を正面方向に曲げることができるが、一方、屈折率差(n1−n2)が1.00以下であれば、斜め出射光を曲げすぎず、正面輝度を良好な範囲とすることができ、好ましい。前記範囲であれば、拡散性能及び正面輝度維持の双方の点で好ましい。
なお、各ドメインの屈折率は、例えばエリプソメーター(M220;日本分光(株)製)によって測定することができる。
また、前記第2ドメインのサイズは、0.02μm以上であるのが好ましく、0.1μm以上であるのがより好ましく、1μm以上であるのがさらに好ましい。気泡からなる第2ドメインのサイズが大きいほど、光拡散性能が向上するので好ましいが、一方、全光透過率が低下する傾向がある。全光透過率維持の点では、前記第2ドメインのサイズは、10μm以下であるのが好ましく、5μm以下であるのがより好ましい。
なお、ドメインのサイズとは、球相当直径をいうものとする。ドメインのサイズを球相当径として半径rを決定して体積を求めた。球相当直径は、異方性形状である第2ドメイン(気泡)の体積をVとしたとき、以下の式1で求められる。また、ドメインのサイズは、電子顕微鏡によって測定することができる。
式1 球相当直径=2×(3×V/(4×π))(1/3)
ここで、第2ドメイン(気泡)の体積Vは、前記で求めた前記第2ドメインの長軸平均長a、前記第2ドメインの面内方向の短軸平均長b、前記第2ドメインの膜厚方向の短軸平均長cを用い、前記第2ドメインを楕円体と仮定して、V=4/3×π×(a/2×b/2×c/2)より求めた。
また、光拡散フィルム(B)は、前記第2ドメインの体積分率は、20〜70%であるのが好ましく、30〜60%であるのがより好ましく、40〜50%であるのがさらに好ましい。体積分率が高いほど拡散性を上げることができる。一方70%以下であれば、全光透過率が低下し難く、正面輝度を良好な範囲とすることができ、また、フィルムの強度も低下し過ぎない。気泡からなる第2ドメインの体積分率が前記範囲であると、光拡散性能及び強度の双方の点で好ましい。
なお、体積分率とは、全体積に対する第2ドメインが占める体積であり、例えば、上記通りに測定した各ドメインのサイズに基づいて算出することができる。
前記体積分率は、フィルム断面の電子顕微鏡写真における第2ドメイン面積とフィルム断面積から求めることができる。本発明においては、前記体積分率を前記第2ドメインの長軸の平均方向を決定した角度における膜厚方向のフィルム断面(フィルム面に垂直方向に切断した断面)における、前記第2ドメインの面積分率100点の平均値として求めた。
(膜厚方向の密度分布)
光拡散フィルム(B)は、前記第2ドメインが膜厚方向に密度分布を有することが好ましい。前記第2ドメインを膜厚方向に密度分布をもたすことで、散乱から次の散乱までの距離を短くすることが可能であり、また、散乱量を徐々に変化させることが可能であるため、散乱指向性がより前方方向を向くこととなる。そのため均一な分布での散乱よりも、同一ヘイズ時の全光透過率を高くすることが可能となる。また、第2ドメインの膜厚方向の高密度部を設ける事で、フィルム全体としての脆性抑制にもより効果がある。
上記を考慮すると、膜厚の半分の厚さ中に全気泡の70%以上が含まれるような第2ドメインの膜厚方向の密度が高い部分が形成されていることが好ましい。第2ドメインの膜厚方向の高密度部は膜厚中の中心にあってもよいし、表面にあってもよい。第2ドメインの膜厚方向の高密度部が表面にある場合は、偏光板加工をより行いやすくするため、偏光板貼合面とは逆側に該第2ドメインの膜厚方向の高密度部を配置する方がよい。第2ドメインの密度分布値は、70%以上であることが好ましく、75%以上あることがより好ましく、80%以上あることが特に好ましい。上記の第2ドメインの密度分布値は、以下の方法により測定することができる。
密度分布値とは、第2ドメインの密度が最も高くなるような膜厚の半分の厚さの部分を選んだとき、該膜厚の半分の厚さの部分に占める第2ドメインの体積割合のことである。これは前記同様に、例えば、前記第2ドメインの長軸の平均方向を決定した角度における膜厚方向のフィルム断面(フィルム面に垂直方向に切断した断面)の電子顕微鏡写真から判断できる。
光拡散フィルム(B)のヘイズは、5%以上、50%以下であるのが好ましく、5%以上、40%以下であるのがより好ましく、5%以上、30%以下であるのがさらに好ましい。ヘイズが高いほど正面コントラストの低下の一因になる。その観点では、光拡散フィルム(B)のヘイズは、50%以下であるのが好ましく、40%以下であるのがより好ましい。なお、ヘイズは、ヘイズメーター(NDH2000;日本電色工業(株)製)により測定することができる。
(第1ドメイン)
前記第1ドメインは、ポリマー組成物からなる。利用するポリマーについて制限はないが、可視光に対して光透過性の高いポリマーから選択するのが好ましい。また気泡からなる第2のドメインの屈折率が1.00程度であることと、好ましい体積分率とを考慮すると、前記好ましい範囲の屈折率差とするためには、第1のドメインの屈折率n1は、1.1以上であるのが好ましく、1.2以上であるのが好ましく、1.3以上であるのがより好ましい。これらの特性を満足するポリマーの例には、セルロースアシレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリアリレート、ポリエステル、ポリスチレン、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート系共重合体、ポリ塩化ビニリデン等が含まれる。但し、これらに限定されるものではない。貼り合せる偏光膜が、通常、ポリビニルアルコール膜であることを考慮すると、これと親和性があり、接着性が良好な、セルロースアシレート、ポリビニルアルコールを主成分のポリマーとして含有することが好ましく、経時安定性の観点からセルロースアシレートが好ましい。ここで、「主成分としてのポリマー」とは、フィルムが単一のポリマーからなる場合には、そのポリマーのことを意味し、複数のポリマーからなる場合には、構成するポリマーのうち最も質量分率の高いポリマーのことを意味する。
セルロースアシレート及び使用しても良い添加剤については、特開2009−265633号公報の[0024]〜[0028]に記載されており、本発明においても同様である。
光拡散フィルム(B)の製造方法については、特開2009−265633号公報の[0029]〜[0036]に記載されており、本発明においても同様である。ただし、光拡散フィルム(B)の製造方法における延伸時にフィルムにかける延伸方向への延伸最大応力は10〜75MPaに制御することが好ましく、25〜70MPaであることがより好ましい。
光拡散フィルム(B)はポリマー組成物からなり、ヘイズが1%以下のフィルムを、延伸温度(Tg−20)〜Tc℃、且つ延伸倍率1〜300%で延伸して得られたフィルムであることが好ましい。
但し、Tgはフィルムのガラス転移温度(単位:℃)であり、Tcはフィルムの結晶化温度(単位:℃)である。
光拡散フィルム(B)の厚みについては、特に制限はないが、一般的には、20〜200μm程度であり、薄型化の観点では、20〜100μm程度であるのが好ましい。
<光学補償フィルム>
本発明に使用可能な光学補償フィルムの例は、光学的に透明なフィルム(支持体)と、光学異方性層とを少なくとも有する。なお、光学補償フィルムは本発明において液晶パネル部の一部となるが、光学補償フィルムが前記光学異方性層と透明支持体とを有する態様では、該透明支持体が偏光板の一部となる透明層を兼ねていても良い。
《透明フィルム》
光学補償フィルムにおける支持体である透明フィルムは、透明なポリマーフィルムであるのが好ましい。支持体は、光透過率が80%以上であることが好ましい。ポリマーフィルムを構成するポリマーの例には、セルロースエステル(例、セルロースのモノ乃至トリアシレート体)、ノルボルネン系ポリマー及びポリメチルメタクリレートが含まれる。市販のポリマー(ノルボルネン系ポリマーでは、アートン及びゼオネックスいずれも商品名))を用いてもよい。又、従来知られているポリカーボネートやポリスルホンのような複屈折の発現しやすいポリマーは、国際公開第00/26705号パンフレットに記載のように、分子を修飾することで複屈折の発現性を制御したものを用いるのが好ましい。
中でもセルロースエステルが好ましく、セルロースの低級脂肪酸エステルがさらに好ましい。具体的に好ましいセルロースエステルとしては、特開2007−286324段落[0183]〜[0189]に記載のものを用いることができる。
ポリマーフィルムのレターデーションを調整するためには延伸のような外力を与える方法が一般的であるが、又、光学異方性を調節するためのレターデーション上昇剤が、場合により添加される。例えば、欧州特許出願公開第911656号明細書、特開2000−111914号公報、同2000−275434号公報等記載の化合物等が挙げられる。
ポリマーフィルムに添加する上記した添加剤又は種々の目的に応じて添加できる添加剤(例えば、紫外線防止剤、剥離剤、帯電防止剤、劣化防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)、赤外吸収剤を等)は、固体でもよく油状物でもよい。また、フィルムが多層から形成される場合、各層の添加物の種類や添加量が異なってもよい。これらの詳細は、上記の公技番号2001−1745号の16頁〜22頁に詳細に記載されている素材が好ましく用いられる。これらの添加剤の使用量は、各素材の添加量は機能が発現する限りにおいて特に限定されないが、ポリマーフィルム全組成物中、0.001〜25質量%の範囲で適宜用いられることが好ましい。
また、本発明には数平均分子量が200〜10000の可塑剤を含有することも好ましく、負の固有複屈折を有する可塑剤を含むことも好ましい。具体的な可塑剤としては、特願2009−085568号段落[0036]〜[0108]記載のもの等を用いることができる。なお、数平均分子量は公知の方法で測定することが出来る。
《ポリマーフィルム(支持体)の製造方法》
ポリマーフィルムは、ソルベントキャスト法によりを製造することが好ましい。ソルベントキャスト法では、ポリマー材料を有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムを製造する。ドープは、ドラム又はバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフィルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が18〜35%となるように濃度を調整することが好ましい。ドラム又はバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。
ドープは、表面温度が10℃以下のドラム又はバンド上に流延することが好ましい。流延してから2秒以上風に当てて乾燥することが好ましい。得られたフィルムをドラム又はバンドから剥ぎ取り、さらに100〜160℃まで逐次温度を変えた高温風で乾燥して残留溶剤を蒸発させることもできる。以上の方法は、特公平5−17844号公報に記載がある。この方法によると、流延から剥ぎ取りまでの時間を短縮することが可能である。この方法を実施するためには、流延時のドラム又はバンドの表面温度においてドープがゲル化することが必要である。
流延工程では1種類のセルロースアシレート溶液を単層流延してもよいし、2種類以上のセルロースアシレート溶液を同時及び又は逐次共流延してもよい。
これらのソルベントキャスト方法の製造工程については、特開2001−1745号の22頁〜30頁に詳細に記載され、溶解、流延(共流延を含む)、金属支持体、乾燥、剥離、延伸などに分類される。
透明フィルム(支持体)の厚さは、15〜120μmであることが好ましく、更には20〜80μmが好ましい。
さらに、ポリマーフィルムは各種延伸、熱処理等を加えることで所望の光学特性を達成することもできる。具体的には、特願2009−085568号段落[0134]〜[0165]に記載の方法等を用いることができる。
《ポリマーフィルム(支持体)の表面処理》
ポリマーフィルムは、表面処理を施すことが好ましい。表面処理には、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理及び紫外線照射処理が含まれる。これらについては、詳細が前記の公技番号2001−1745号の30頁〜32頁に詳細に記載されている。これらの中でも特に好ましくは、アルカリ鹸化処理でありセルロースアシレートフィルムの表面処理としては極めて有効である。具体的には、例えば、特開2002−82226号公報、国際公開第02/46809号パンフレットに内容の記載が挙げられる。
《透明フィルムの光学特性》
本発明で用いられる第1、第2の透明フィルムの光学特性としては、波長550nmにおける面内レターデーションRe(550)が2nm〜150nmであり、かつ厚み方向のレターデーションRth(550)が−20nm〜250nmである。Re(550)が3nm〜130nmであり、Rth(550)が−10nm〜200nmであることが好ましく、Re(550)が5nm〜100nmであり、Rth(550)が−5nm〜150nmであることがより好ましい。
光学特性が上記範囲であると視野角表示性能の観点から好ましい。
また、第1の透明フィルムと第2の透明フィルムのRe(550)の差、及びRth(550)の差はそれぞれ10nm未満であることが好ましく、8nm未満であることがより好ましく、5nm未満であることが最も好ましい。Re(550)の差、及びRth(550)の差を上記値とすることにより斜め方向における実画像再現性の対称性向上を達成することができる。
《光学異方性層》
光学異方性層は、液晶表示装置の黒表示における液晶セル中の液晶性化合物を補償するように設計することが好ましい。黒表示における液晶セル中の液晶性化合物の配向状態は、液晶表示装置のモードにより異なる。この液晶セル中の液晶性化合物の配向状態に関しては、IDW’00、FMC7−2、P411〜414に記載されている。光学異方性層は、ラビング軸等の配向軸によって配向制御され、その配向状態に固定された液晶性化合物を含有するのが好ましい。
本発明における光学異方性層は、少なくとも液晶性化合物を含む組成物から形成された層であることが好ましい。
光学異方性層の形成に用いる液晶性化合物の例には、分子構造が円盤状である円盤状液晶性化合物が含まれる。円盤状液晶性化合物は、高分子液晶でも低分子液晶でもよく、さらに、低分子液晶が架橋され液晶性を示さなくなったものも含まれる。
《円盤状液晶性化合物》
円盤状(ディスコティック)液晶性化合物の例には、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physics lett、A、78巻、82頁(1990)に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体及びJ.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.、1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルが含まれる。
円盤状液晶性化合物としては、分子中心の母核に対して、直鎖のアルキル基、アルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基が母核の側鎖として放射線状に置換した構造である液晶性を示す化合物も含まれる。分子又は分子の集合体が、回転対称性を有し、一定の配向を付与できる化合物であることが好ましい。円盤状液晶性化合物を含有する組成物から形成する光学異方性層は、最終的に光学異方性層に含まれる化合物が液晶性である必要はなく、例えば、低分子の円盤状液晶性分子が熱や光で反応する基を有しており、結果的に熱、光で反応により重合又は架橋し、高分子量化し液晶性を失った化合物も含まれる。円盤状液晶性分子の好ましい例は、特開平8−50206号公報に記載されている。また、円盤状液晶性分子の重合については、特開平8−27284公報に記載がある。
円盤状液晶性分子を重合により固定するためには、円盤状液晶性分子の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。円盤状コアと重合性基は、連結基を介して結合する化合物が好ましく、これにより重合反応においても配向状態を保つことができる。例えば、特開2000−155216号公報明細書中の段落番号[0151]〜「0168」記載の化合物等が挙げられる。
〈ディスコティック液晶性化合物〉
本発明に使用されるディスコティック液晶性化合物としては、トリフェニレン化合物、及びベンゼンの1、3及び5位が置換された3置換ベンゼン化合物が好ましく、特に、例えば、以下の一般式(X)を円盤状コアとして有する3置換ベンゼン化合物が好ましい。
Figure 2014066931
一般式(X)中、Rはそれぞれ一般式(X)で表される化合物が液晶性を示すために必要な有機置換基を表し、後述の一般式(II)のR、R及びRと同義である。
一般式(X)で表されるディスコティック液晶性化合物は、高いΔn(複屈折)及び低い波長分散性を示すので、当該化合物の分子の配向を固定して形成された光学異方性層を有する光学フィルムは、液晶表示装置の光学補償フィルムとしての有用性が高い。
一般式(X)の化合物については、特開2002−90545号公報、特開2006−276203号公報、及び特願2009−68293号の明細書に詳細な記載があり、具体例についても同様である。
ディスコティック液晶性化合物は、重合により固定可能なように、重合性基を有するのが好ましい。例えば、ディスコティック液晶性化合物の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させた構造が考えられるが、円盤状コアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基との間に連結基を有する構造が好ましい。即ち、重合性基を有するディスコティック液晶性化合物は、下記一般式(II)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2014066931
一般式(II)中、Y11、Y12及びY13は、それぞれ独立に置換されていてもよいメチン又は窒素原子を表し;L、L及びLは、それぞれ独立に単結合又は二価の連結基を表し;H、H及びHは、それぞれ独立に一般式(I−A)又は(I−B)の基を表し;R、R及びRは、それぞれ独立に下記一般式(I−R)を表す;
Figure 2014066931
一般式(I−A)中、YA及びYAは、それぞれ独立にメチン又は窒素原子を表し;XAは、酸素原子、硫黄原子、メチレン又はイミノを表し;*は上記一般式(II)におけるL〜L側と結合する位置を表し;**は上記一般式(II)におけるR〜R側と結合する位置を表す;
Figure 2014066931
一般式(I−B)中、YB及びYBは、それぞれ独立にメチン又は窒素原子を表し;XBは、酸素原子、硫黄原子、メチレン又はイミノを表し;*は上記一般式(II)におけるL〜L側と結合する位置を表し;**は上記一般式(II)におけるR〜R側と結合する位置を表す;
一般式(I−R)
*−(−L21−Qn1−L22−L23−Q
一般式(I−R)中、*は、一般式(II)におけるH〜H側と結合する位置を表す;L21は単結合又は二価の連結基を表す;Qは少なくとも1種類の環状構造を有する二価の基(環状基)を表す;n1は、0〜4の整数を表す;L22は、**−O−、**−O−CO−、**−CO−O−、**−O−CO−O−、**−S−、**−NH−、**−SO−、**−CH−、**−CH=CH−又は**−C≡C−を表す;L23は、−O−、−S−、−C(=O)−、−SO−、−NH−、−CH−、−CH=CH−及び−C≡C−並びにこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表す;Qは重合性基又は水素原子を表す。
一般式(II)で表される3置換ベンゼン系ディスコティック液晶性化合物の各記号で表される基の好ましい範囲、及び前記式(II)の化合物の具体例については、特開2010−244038号公報の段落[0013]〜[0077]、特開2006-76992号公報の[0052]の[化13]〜[化43]、特開2007−2220号公報の[0040]の[化13]〜[0063]の[化36]の記載を参照することができる。但し、本発明に使用可能なディスコティック液晶性化合物は、一般式(II)の3置換ベンゼン系ディスコティック液晶性化合物に限定されるものではない。
また、ディスコティック液晶性化合物の例にはトリフェニレン化合物が含まれ、トリフェニレン化合物としては、特開2007−108732号公報の段落[0062]〜[0067]に記載の化合物等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、ディスコティック液晶性化合物の例にはベンゼンの1、3位が置換された2置換ベンゼン化合物が含まれ、2置換ベンゼン化合物としては、特願2009−68293号の段落[0020]〜[0064]に記載の化合物等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
その他、本発明に利用可能なディスコティック化合物の例には、ベンゼン誘導体(C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載)、トルキセン誘導体(C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physics lett,A,78巻、82頁(1990)に記載)、シクロヘキサン誘導体(B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載)及びアザクラウン系又はフェニルアセチレン系のマクロサイクル(J.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)記載)が含まれる。
本発明の液晶表示装置における光学異方性層中のディスコティック液晶性化合物の液晶分子の配向状態は、透明フィルム側の界面から、液晶セル側の界面に向かって、平均チルト角が減少するように配向している。
ディスコティック液晶性分子の円盤面と層平面との角度が、光学異方性層の深さ方向でかつ支持体(又は配向膜)表面からの距離の増加と共に減少している。角度の変化としては、連続的減少、間欠的減少が可能である。間欠的変化は、厚さ方向の途中で傾斜角が変化しない領域を含んでいる。角度は、角度が変化しない領域を含んでいても、全体として減少していればよい。さらに、角度は連続的に変化することが好ましい。
光学異方性層中の液晶性化合物の液晶分子の配向状態は、透明フィルム(支持体)界面側(配向膜を設けた場合には、配向膜界面側)は、高い平均チルト角の傾斜配向状態、又は垂直配向状態を達成しているのが好ましく、配向膜界面側において高い平均チルト角の傾斜配向状態又は垂直配向状態を達成し、液晶セル側の界面(光学補償フィルム作製時においては空気界面側)方向に向かって平均チルト角が減少する逆ハイブリッド配向状態が好ましい。特に、ディスコティック液晶分子が、配向膜界面側において高い平均チルト角の傾斜配向状態にあり、空気界面方向にその平均チルト角が減少する逆ハイブリッド配向状態であるのが、TNモード液晶表示装置の光学補償フィルムとして適する。
また、光学異方性層中の液晶性化合物の液晶分子の配向状態が、透明フィルム(支持体)界面側(配向膜を設けた場合には、配向膜界面側)は、低い平均チルト角の傾斜配向状態であり、液晶セル側の界面側(光学補償フィルム作製時においては空気界面側)方向に向かって平均チルト角が増加する場合を順ハイブリッド配向とする。
(平均チルト角の測定)
ディスコティック液晶性化合物等の液晶性化合物を配向させた光学異方性層において、光学異方性層の一方の面におけるチルト角(ディスコティック液晶性化合物等の液晶性化合物における物理的な対称軸が光学異方性層の界面となす角度をチルト角とする)θ1及び他方の面のチルト角θ2を、直接的にかつ正確に測定することは困難である。そこで本明細書においては、θ1及びθ2は、以下の手法で算出する。本手法は本発明の実際の配向状態を正確に表現していないが、光学フィルムのもつ一部の光学特性の相対関係を表す手段として有効である。
本手法では算出を容易にすべく、下記の2点を仮定し、光学異方性層の2つの界面における平均チルト角とする。
1.光学異方性層はディスコティック液晶性化合物を含む層で構成された多層体と仮定する。さらに、それを構成する最小単位の層(ディスコティック液晶性化合物の平均チルト角は該層内において一様と仮定)は光学的に一軸と仮定する。
2.各層の平均チルト角は光学異方性層の厚み方向に沿って一次関数で単調に変化すると仮定する。
具体的な算出法は下記のとおりである。
(1)各層の平均チルト角が光学異方性層の厚み方向に沿って一次関数で単調に変化する面内で、光学異方性層への測定光の入射角を変化させ、3つ以上の測定角でレターデーション値を測定する。測定及び計算を簡便にするためには、光学異方性層に対する法線方向を0°とし、−40°、0°、+40°の3つの測定角でレターデーション値を測定することが好ましい。このような測定は、KOBRA−21ADH及びKOBRA−WR(王子計測器(株)製)、透過型のエリプソメータAEP−100((株)島津製作所製)、M150及びM520(日本分光(株)製)、ABR10A(ユニオプト(株)製)、M2000(ジェー・エー・ウーラム(株)製)で行うことができる。
(2)上記のモデルにおいて、各層の常光の屈折率をno、異常光の屈折率をne(neは各々すべての層において同じ値、noも同様とする)、及び多層体全体の厚みをdとする。さらに各層における平均チルト方向とその層の円盤面の方向一軸の光軸方向とは一致するとの仮定の元に、光学異方性層のレターデーション値の角度依存性の計算が測定値に一致するように、光学異方性層の一方の面における平均チルト角θ1及び他方の面の平均チルト角θ2を変数としてフィッティングを行い、θ1及びθ2を算出する。
ここで、no及びneは文献値、カタログ値等の既知の値を用いることができる。値が未知の場合はアッベ屈折計を用いて測定することもできる。光学異方性層の厚みは、光学干渉膜厚計、走査型電子顕微鏡の断面写真等により測定することができる。
なお、本明細書で「チルト角」という場合は、上記方法で算出される、1つの界面における全ての液晶性化合物のチルト角の平均の「平均チルト角」をいうものとする。
支持体(又は配向膜)側の円盤状液晶性分子の長軸の平均方向は、一般に円盤状液晶性分子あるいは配向膜の材料を選択することにより、又はラビング処理方法を選択することにより、調整することができる。また、液晶セル側(フィルム製造時の空気側)の円盤状液晶性分子の円盤面方向は、一般に円盤状液晶性分子あるいは円盤状液晶性分子と共に使用する添加剤の種類を選択することにより調整することができる。円盤状液晶性分子と共に使用する添加剤の例としては、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマー及びポリマーなどを挙げることができる。長軸の配向方向の変化の程度も、上記と同様に、液晶性分子と添加剤との選択により調整できる。
《光学異方性層中の他の添加物》
上記の液晶性化合物と共に、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマー等を併用して、塗工膜の均一性、膜の強度、液晶分子の配向性等を向上することができる。液晶性分子と相溶性を有し、液晶性分子の傾斜角の変化を与えられるか、あるいは配向を阻害しないことが好ましい。具体的には、特開2002−296423号、特開2001−330725号、特開2000−155216号等に記載されたものが好ましい。
ディスコティック液晶性化合物の配向を制御するための添加剤として好ましい化合物は、特開2011−133549号公報の[0074]〜[0100]に記載されており、本発明においても同様である。
《光学異方性層の形成》
光学異方性層は、少なくとも一種の液晶性化合物及び必要に応じて後述の重合性開始剤や任意の成分を含む組成物を、例えば塗布液として調製し、該塗布液を配向膜の表面(例えば、ラビング処理面)に塗布することで形成できる。
塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N、N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラクロロエタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1、2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライド及びケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
塗布液の塗布は、公知の方法(例、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
光学異方性層の厚さは、0.1〜20μmであることが好ましく、0.5〜15μmであることがさらに好ましく、1〜10μmであることが最も好ましい。
《液晶性分子の配向状態の固定》
配向膜等の表面上で配向させた液晶性分子を、配向状態を維持して固定するのが好ましい。固定化は、重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジン及びフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)及びオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。
光重合開始剤の使用量は、組成物(塗布液である場合は固形分)の0.01〜20質量%の範囲にあることが好ましく、0.5〜5質量%の範囲にあることがさらに好ましい。
液晶性分子の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm〜50J/cmの範囲にあることが好ましく、20〜5000mJ/cmの範囲にあることがより好ましく、100〜800mJ/cmの範囲にあることがさらに好ましい。また、光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。
なお、光学異方性層の上に保護層を設けてもよい。
《光学補償フィルムの光学特性》
本発明で用いられる第1、第2の光学補償フィルムの光学特性としては、波長550nmにおける面内レターデーションRe(550)が10nm〜200nmであることが好ましく、Re(550)が20nm〜150nmであることがより好ましく、Re(550)が30nm〜120nmであることが最も好ましい。
《配向膜》
本発明では、光学異方性層中の液晶性化合物は配向軸によって配向制御され、その状態に固定されているのが好ましい。前記液晶性化合物を配向制御する配向軸としては、光学異方性層と前記ポリマーフィルム(支持体)との間に形成された配向膜のラビング軸が挙げられる。但し、本発明において配向軸はラビング軸に限定されるものではなく、ラビング軸と同様に液晶性化合物を配向制御し得るものであれば、いかなるものであってもよい。
配向膜は、液晶性分子の配向方向を規定する機能を有する。従って、配向膜は本発明の好ましい態様を実現する上では必須である。しかし、液晶性化合物を配向後にその配向状態を固定してしまえば、配向膜はその役割を果たしているために、本発明の構成要素としては必ずしも必須のものではない。即ち、配向状態が固定された配向膜上の光学異方性層のみを偏光膜上に転写して偏光板を作製することも可能である。
配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、あるいはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で設けることができる。さらに、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。
配向膜としては、従来公知のものを用いることができる。
配向膜の膜厚は、0.1〜10μmの範囲にあることが好ましい。
直線偏光膜は、Optiva Inc.に代表される塗布型偏光膜、もしくはバインダーと、ヨウ素又は二色性色素からなる偏光膜が好ましい。直線偏光膜におけるヨウ素及び二色性色素は、バインダー中で配向することで偏向性能を発現する。ヨウ素及び二色性色素は、バインダー分子に沿って配向するか、もしくは二色性色素が液晶のような自己組織化により一方向に配向することが好ましい。現在、市販の偏光膜は、延伸したポリマーを、浴槽中のヨウ素もしくは二色性色素の溶液に浸漬し、バインダー中にヨウ素、もしくは二色性色素をバインダー中に浸透させることで作製されるのが一般的である。
直線偏光膜の光学異方性層と反対側の表面には、ポリマーフィルムを配置する(光学異方性層/偏光膜/ポリマーフィルムの配置とする)ことが好ましい。
本発明の液晶表示装置の液晶セルは捩れ配向モード(TNモード)の液晶セルであることが好ましい。
本発明の液晶表示装置は、第1の偏光膜及び第2の偏光膜の間に、対向して配置され、かつ少なくとも一方が透明電極を有する第1の基板及び第2の基板とを有し、該第1の基板と第2の基板の間に液晶セルを有することが好ましい。
[バックライトユニット]
本発明の液晶表示装置は、液晶セルの視認側と反対側に配置されたバックライトユニットを有することが好ましい。前記バックライトユニットから射出される光の輝度半値幅角度は80°以下であることが好ましく、60°以下がより好ましく、40°以下が最も好ましい。集光シート(プリズムシート等)や光指向性を有する導光板を用いたり、集光シート(プリズムシート等)を積層、光指向性を有する導光板と組み合わせたりすることでこの値を達成することができる。
上記範囲とすることで階調反転改善の観点から好ましい。さらに、液晶表示装置における文字のにじみを改良することもできる。 ここで、輝度半値幅角度とは、正面輝度が半分の値になる角度のことを言い、上下もしくは左右における各角度の合計値の事を言う。また、上下もしくは左右で値が異なる場合は、広い方を取ることとする。
《集光シート》
集光シートとしては、プリズムシートやレンズシートが挙げられ、表面に凹凸が形成されたシートであって、その材料や作製方法はさまざまなものを用いることができる。
[集光シートの材料及び製法]
集光シートを構成する材料及び製法について説明する。
本発明に係る集光シートを製造する方法に関しては、微細な凹凸パターンのプリズムシートを形成することができる方法であればよく、製造方法は限定されない。
例えば、ダイより押し出したシート状の樹脂材料を、この樹脂材料の押し出し速度と略同速度で回転する転写ローラ(例えばプリズムシートに形成される凹凸パターンと反転パターンが表面に形成されている)と、この転写ローラに対向配置され同速度で回転するニップローラ板とで挟圧し、転写ローラ表面の凹凸パターンを樹脂材料に転写する製造方法を用いることができる。
上記製造方法に使用されるプリズムシートを構成する樹脂材料としては、熱可塑性樹脂が用いられる。具体的には、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、MS樹脂、AS樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、セルロースアシレート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースダイアセテート、熱可塑性エラストマー、又はこれらの共重合体、シクロオレフィンポリマー等を使用することができる。
[プリズムシート]
本発明に用いられる集光シートとして、特に好ましいプリズムシートについて詳述する。
集光シート(光学シート)に入射した光は、光学シートを屈折透過する際に、正面方向に屈折する成分Aと、正面方向ではなく、正面から離れる方向に屈折する成分Bと、表面で反射する成分Cに分けられる。これらの光の成分のうち、前記成分Aは、正面方向即ち観察方向に出射されるものであり、実際に利用される光である。前記反射される成分Cは、底面で拡散反射して、プリズムシートに入射する角度を変え、一部は成分Aに変換され正面方向に出射する。この反射を繰り返すことにより、成分Cの多くは成分Aに変換され、出射面の正面方向の輝度を増加させる。
本発明の液晶表示装置に好ましく用いられるプリズムシートは、射出される光の半値全幅角度を小さくすることにより、黒表示の正面輝度上昇を防止し、正面コントラストが向上する効果を奏する。
前記プリズム断面の凹凸パターンとしては、三角形状が好ましく、とりわけ二等辺三角形状がより好ましく、凸部を液晶セル側へ向けたプリズムシートであることが好ましい。
形状の特徴としては、三角形状の頂角が95〜130°が好ましく、100〜120°がより好ましい。前記頂角が95°以上であると、黒表示輝度の観点で好ましい。一方、前記頂角が130°以下であると、集光効果に優れ、正面方向の輝度の観点で好ましい。
また、該プリズム断面の三角形状の頂角が95°未満であっても、プリズム部とは別に光学調整部を支持体に設けることにより、黒表示輝度の増加を抑止することができ、もう一つの好ましい態様である。
また、前記支持体上の面内に所定の間隔をもって光学調整部が複数に配設されたプリズムシートも好ましい態様であり、該光学調整部としては、光反射性を有するもの、光拡散性を有するもの、屈折率差を利用するものがあり、特に光反射性を有する光学調整部であることが好ましい。
これら光学調整部は、特開2008−003515号公報、特開2008−176197号公報に記載された光学シートの光学調整部と同義である。
前述のように集光シートを用いたバックライトユニットを適用することにより、液晶表示装置の下階調反転が改善され、正面コントラスト低下を抑止できることから、表示性能向上と液晶表示装置の薄型化を両立することができる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(比較例1)
(透明フィルムの作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、30℃に加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
────────────────────────────────────
セルロースアセテート溶液組成(質量部) 内層 外層
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酢化度60.9%のセルロースアセテート 100 100
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8 7.8
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9 3.9
メチレンクロライド(第1溶媒) 293 314
メタノール(第2溶媒) 71 76
1−ブタノール(第3溶媒) 1.5 1.6
シリカ微粒子(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製)
0 0.8
下記レターデーション上昇剤 1.7 0
────────────────────────────────────
Figure 2014066931
得られた内層用ドープおよび外層用ドープを、三層共流延ダイを用いて、0℃に冷却したドラム上に流延した。残留溶剤量が70質量%のフィルムをドラムから剥ぎ取り、両端をピンテンターにて固定して搬送方向のドロー比を110%として搬送しながら80℃で乾燥させ、残留溶剤量が10質量%となったところで、110℃で乾燥させた。その後、140℃の温度で30分乾燥し、残留溶剤が0.3質量%のセルロースアセテートフィルム(厚み80μm(外層:3μm、内層:74μm、外層:3μm))の透明フィルムを作製した。作製したセルロースアセテートフィルムの波長550nmにおける面内レターデーションReは9nm、厚さ方向のレターデーションRthは90nmであった。
作製したセルロースアセテートフィルムを2.0Nの水酸化カリウム溶液(25℃)に2分間浸漬した後、硫酸で中和し、純水で水洗、乾燥した。
(配向膜の作製)
上記作製したセルロースアセテートフィルム上に、下記の組成の塗布液を#16のワイヤーバーコーターで28mL/m塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥した。形成された膜表面に、ラビングロールで搬送方向に500回転/分で回転させてラビング処理を行い、配向膜を作製した。
────────────────────────────────────
(配向膜塗布液組成)
────────────────────────────────────
下記の変性ポリビニルアルコール 10質量部
水 370質量部
メタノール 120質量部
グルタルアルデヒド(架橋剤) 0.5質量部
────────────────────────────────────
Figure 2014066931
上記変性ポリビニルアルコール中の繰り返し単位の比はモル比である。
(光学異方性層の作製)
下記塗布液を、#3.2のワイヤーバーを用いて、フィルムの配向膜面に連続的に塗布した。室温から100℃に連続的に加温する工程で、溶媒を乾燥させ、その後、135℃の乾燥ゾーンで約90秒間加熱し、ディスコティック液晶性化合物を配向させた。次に、80℃の乾燥ゾーンに搬送させて、フィルムの表面温度が約100℃の状態で、紫外線照射装置により、照度600mWの紫外線を10秒間照射し、架橋反応を進行させ、ディスコティック液晶性化合物を重合した。その後、室温まで放冷し、光学異方性層を形成し、光学補償フィルム1及び2を作製した。
(光学異方性層塗布液組成)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
メチルエチルケトン 98質量部
下記のディスコティック液晶性化合物(1) 41.01質量部
エチレンオキサイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製 4.06質量部
セルロースアセテートブチレート
(CAB551−0.2、イーストマンケミカル社製) 0.34質量部
セルロースアセテートブチレート
(CAB531−1、イーストマンケミカル社製) 0.11質量部
下記フルオロ脂肪族基含有ポリマー1 0.13質量部
下記フルオロ脂肪族基含有ポリマー2 0.03質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、BASF社製) 1.35質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 0.45質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ディスコティック液晶性化合物(1)
Figure 2014066931
フルオロ脂肪族基含有ポリマー1(a/b/c=20/20/60 wt%)
Figure 2014066931
フルオロ脂肪族基含有ポリマー2(a/b=98/2 wt%)
Figure 2014066931
(光学補償フィルムの光学測定)
KOBRA−WR(王子計測器(株)製)を用いて、作製した光学補償フィルムの波長550nmの面内レターデーションRe(550)を測定した。また、作製した光学補償フィルムの遅相軸に直交する面内において、法線方向から±40度に傾斜した方向から波長550nmの光を入射させてレターデーションR[+40°]及びR[−40°]を測定し、R[−40°]/R[+40°]を算出した。
結果を下記表3の比較例1に示した。
(液晶性化合物を含有する組成物を硬化した層の評価)
M2000(ジェー・エー・ウーラム(株)製)を用いて、平均チルト角を算出した。下記表3中、「順ハイブリッド配向」を「順」、「逆ハイブリッド配向」を「逆」と記載した。
(偏光板の作製)
上記で作製した光学補償フィルムのセルロースアセテートフィルム側を偏光膜の表面にそれぞれ貼合して偏光板を作製した。なお、フィルムの貼合面には、アルカリ鹸化処理を施した。また、偏光膜は、厚さ80μmのポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して作製した、厚さ20μmの直線偏光膜を用い、また接着剤としては、ポリビニルアルコール(クラレ製PVA−117H)3%水溶液を用いた。
偏光膜の上記光学補償フィルムを有する側とは反対側には、トリアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80UL、富士フイルム(株)製)を保護フィルムとして貼合した。
(TNモード液晶表示装置の作製)
TN型液晶セルを使用した液晶表示装置(S23A350H、サムスン電子(株)製)に設けられている一対の偏光板を剥がし、代わりに上記の作製した偏光板の2枚を選択して、粘着剤を介して、観察者側及びバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。いずれの偏光板も光学異方性層が液晶セル側になるように貼り付けた。
このようにして図1の構成のTNモード液晶表示装置を作製した。
バックライトユニットの輝度半値全幅角度は100度であった。測定機には「EZ−Contrast XL88」(ELDIM社製)を用い、その測定結果から、正面輝度の半分の値になる角度を算出した。
(比較例2)
(透明フィルムの作製)
ドープの調製:
下記表1に示す組成、且つ数平均分子量のオリゴマーを、下記表1に示す添加量で含む、セルロースアセテート溶液をそれぞれ調製した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
セルロースアセテート溶液の組成
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
・平均置換度2.86のセルロースアセテート 100.0質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 475.9質量部
・メタノール(第2溶媒) 113.0質量部
・ブタノール (第3溶媒) 5.9質量部
・平均粒子サイズ16nmのシリカ粒子 0.13質量部
(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製)
・オリゴマー(下記表1に示す) 下記表1に示す
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
調製した溶液を、流延ギーサーを通して直径3mのドラムである鏡面ステンレス支持体上に、下記表に示すPITドロー条件で、流延した。
次に、支持体上のウェブの残留溶媒量が80%、膜面温度が下記表1に示す値になった時に、支持体からウェブを剥ぎ取り、下記表1に示す延伸倍率で、ウェブをTD方向に延伸処理した。延伸処理は、ウェブの両端をピン状テンターで把持して搬送方向と直交する方向に広げることによりTD方向に延伸した。
延伸後、ウェブの残留溶媒量が下記表1に示す値になった時、下記表1に示す膜面温度で、ウェブを熱処理した。熱処理は、乾燥ゾーンの温度を乾燥風によって制御することにより行った。また、熱処理は、ピン状テンターを固定した条件で行った。
結晶化熱(ΔHc)
DSC測定装置(DSC8230:(株)リガク製)を用い、DSCのアルミニウム製測定パン(Cat.No.8578:(株)リガク製)にセルロースアシレートフィルムを5〜6mg入れ、これを50mL/分の窒素気流中で25℃から120℃まで20℃/分の昇温速度で昇温して15分保持した後、30℃まで−20℃/分で冷却し、さらにこの後、再度30℃から320℃まで20℃/分の昇温速度で昇温した際に現れた発熱ピークと試料のベースラインとで囲まれる面積をセルロースアシレートフィルムの結晶化熱とした。
Figure 2014066931
表1中、波長分散調整剤の添加量はセルロースアセテートに対する添加量であり、オリゴマーの添加量はセルロースアセテート100質量部に対する添加量である。
また、表1に記載されたRe、Rth、及び膜厚は完成後のフィルムについての値である。
化合物A
Figure 2014066931
作製したセルロースアセテートフィルムを、2.0Nの水酸化カリウム溶液(25℃)に2分間浸漬した後、硫酸で中和し、純水で水洗、乾燥した。
(配向膜の形成)
このセルロースアセテートフィルム上に、下記の組成の塗布液を#14のワイヤーバーコーターで24mL/m塗布した。100℃の温風で120秒で乾燥した。形成された膜表面に、ラビングロールで搬送方向に500回転/分で回転させてラビング処理を行い、配向膜を作製した。
────────────────────────────────────
(配向膜塗布液組成)
────────────────────────────────────
下記の変性ポリビニルアルコール 10質量部
水 364質量部
メタノール 114質量部
グルタルアルデヒド(架橋剤) 1.0質量部
クエン酸エステル(AS3、三共化学(株)) 0.35質量部
────────────────────────────────────
Figure 2014066931
上記変性ポリビニルアルコール中の繰り返し単位の比はモル比である。
(光学異方性層の形成)
下記塗布液を、#2.4のワイヤーバーを用いて、フィルムの配向膜面に連続的に塗布した。その後、80℃の乾燥ゾーンで約120秒間加熱し、ディスコティック液晶性化合物を配向させた。次に、80℃の乾燥ゾーンに搬送させて、紫外線照射装置により、照度600mWの紫外線を10秒間照射し、架橋反応を進行させ、ディスコティック液晶性化合物を重合した。その後、室温まで放冷し、光学異方性層を形成し、光学補償フィルムを作製した。
(光学異方性層塗布液組成)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
下記ディスコティック液晶性化合物(2) 100.0質量部
下記に示すピリジニウム塩化合物II−1 1.0質量部
下記に示すトリアジン環を有する化合物III−1 0.2質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、BASF社製) 3.0質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 1.0質量部
メチルエチルケトン 341.8質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
Figure 2014066931
Figure 2014066931
Figure 2014066931
(光学補償フィルムの光学測定)
KOBRA−WR(王子計測器(株)製)を用いて、比較例1と同様にして作製した光学補償フィルムの測定を行った。結果を表3に示した。
(液晶性化合物を含有する組成物を硬化した層の評価)
M2000(ジェー・エー・ウーラム(株)製)を用いて、平均チルト角を算出した。下記表3中、「順ハイブリッド配向」を「順」、「逆ハイブリッド配向」を「逆」と記載した。
(偏光板の作製)
比較例1と同様にして偏光板を作製した。
(TNモード液晶表示装置の作製)
比較例1と同様にしてTNモード液晶表示装置を作製した。
(光拡散フィルムAの作製)
[光拡散フィルム(高内部散乱フィルム)]
(光拡散層用塗布液の調製)
下記塗布液1を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して光拡散層用塗布液を調製した。
光拡散層用塗布液1
――――――――――――――――――――――――――――――――――
DPHA 15g
PETA 73g
イルガキュア184 1g
イルガキュア127 1g
粒径5.0μmスチレン粒子 8g
粒径1.5μmベンゾグアナミン粒子 2g
MEK(メチルエチルケトン) 50g
MIBK(メチルイソブチルケトン) 50g
――――――――――――――――――――――――――――――――――
それぞれ使用した化合物を以下に示す。
・DPHA:ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物[日本化薬(株)製]
・PETA:ペンタエリスリトールトリアクリレート[日本化薬(株)製]
・イルガキュア127:重合開始剤[BASF製]
・イルガキュア184:重合開始剤[BASF製]
(低屈折率層用塗布液の調製)
・分散液Aの調製
中空シリカ微粒子ゾル(イソプロピルアルコールシリカゾル、平均粒子径60nm、シェル厚み10nm、シリカ濃度20質量%、シリカ粒子の屈折率1.31、特開2002−79616号公報の調製例4に準じサイズを変更して作成)500gに、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製)30g、及びジイソプロポキシアルミニウムエチルアセテート1.5g加え混合した後に、イオン交換水の9gを加えた。60℃で8時間反応させた後に室温まで冷却し、アセチルアセトン1.8gを添加した。この分散液500gにほぼシリカの含量一定となるようにシクロヘキサノンを添加しながら、減圧蒸留による溶媒置換を行った。分散液に異物の発生はなく、固形分濃度をシクロヘキサノンで調整し20質量%にしたときの粘度は25℃で5mPa・sであった。得られた分散液Aのイソプロピルアルコールの残存量をガスクロマトグラフィーで分析したところ、1.5%であった。
・低屈折率層用塗布液の調製
エチレン性不飽和基含有含フッ素ポリマー(特開2005−89536号公報製造例3に記載のフッ素ポリマー(A−1))固形分として41.0gをメチルイソブチルケトン500gに溶解し、更に、分散液Aを260質量部(シリカ+表面処理剤固形分として52.0質量部)、DPHA 5.0質量部、イルガキュア127(光重合開始剤、BASF製)2.0質量部を添加した。塗布液全体の固形分濃度が6質量%になるようにメチルエチルケトンで希釈して低屈折率層用塗布液を調製した。この塗布液により形成される層の屈折率は、1.36であった。
(光拡散層の形成)
トリアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80UL、富士フイルム(株)製)をロール形態で巻き出して、スロットダイを有するコーターを用いて、光拡散層用塗布液を直接押し出して塗布した。搬送速度30m/分の条件で塗布し、30℃で15秒間、90℃で20秒間乾燥の後、さらに窒素パージ下酸素濃度0.2%で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照射量90mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させて、光拡散層を形成し、その後、巻き取った。得
られた光拡散層の厚さは8.0μmであった。
(低屈折率層の形成)
上記の様にして形成した光拡散層の上に、スロットダイを有するコーターを用いて、低屈折率層用塗布液をバックアップロール上の光拡散層を塗布してある面上に直接押し出して塗布し、厚さ100nmの低屈折率層を形成し、その後巻き取った。この様にして、光拡散フィルムAを作製した。乾燥・硬化条件を以下に示す。
乾燥:90℃で60秒間乾燥した。
硬化:窒素パージにより酸素濃度0.1%の雰囲気下で空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照射量400mJ/cmの紫外線を照射して光拡散フィルムAを作製した。作製した光拡散フィルムAのヘイズは58%であった。
ヘイズは、ヘイズメーター(NDH 2000:日本電色工業(株)製)により測定した。
(比較例3)
(偏光板の作製)
前記トリアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80UL、富士フイルム(株)製)に替えて、上記光拡散フィルムAを透明フィルムが偏光膜側になるように貼合した以外は比較例1と同様にして、視認側の偏光板を作製した。
バックライト側の偏光板は、比較例1と同様に作製した。
(TNモード液晶表示装置の作製)
視認側の偏光板として、上記光拡散フィルムAを視認側の表面に、低屈折率層が最表面となるように用いた以外は比較例1と同様にして比較例3の液晶表示装置を作製した。
(実施例1)
(偏光板の作製)
比較例3と同様にして、視認側の偏光板、及びバックライト側の偏光板を作製した。
(TNモード液晶表示装置の作製)
視認側の偏光板として、上記光拡散フィルムAを視認側の表面に、低屈折率層が最表面となるように用いた以外は比較例2と同様にして実施例1の液晶表示装置を作製した。
<液晶表示装置の評価>
(正面コントラスト(CR)評価)
各液晶表示装置について、測定機“EZ−Contrast XL88”(ELDIM社製)を用いて、黒表示(L0)及び白表示(L7)で正面方向(表示面に対して法線方向)の輝度を測定し、コントラスト比(白輝度/黒輝度)を算出し、以下の基準で評価した。
<評価>
A:正面CRが1500以上
B:正面CRが1250以上、1500未満
C:正面CRが1150以上、1250未満
D:正面CRが1000以上、1150未満
E:正面CRが900以上、1000未満
F:正面CRが900未満
(正面CR低下率の評価)
光拡散フィルムを用いていない液晶表示装置を基準として、光拡散フィルムを適用した液晶表示装置の正面CR低下率を評価した。
具体的には下記式で算出した。
正面CR変化率(%)=
│比較対象液晶表示装置の正面CR−基準液晶表示装置の正面CR│/基準液晶表示装置の正面CR×100
なお、基準液晶表示装置に対して比較対象液晶表示装置の正面CRが小さい場合を低下、大きい場合を上昇と表した。
(1) 比較対象の液晶表示装置:比較例3
基準の液晶表示装置:比較例1
(2) 比較対照の液晶表示装置:実施例1
基準の液晶表示装置:比較例2
以降、順ハイブリッド配向は比較例1を基準の液晶表示装置に、逆ハイブリッド配向は比較例2を基準の液晶表示装置として正面CRの変化率を評価した。
(下方向(方位270度)の階調反転評価)
上記で作製した各液晶表示装置にISO 12640−1:1997、規格番号 JIX 9201:1995、画像名 ポートレイト(人物画像)を表示し、暗室にて目視で下方向(極角45°)から観察して、表示画像の階調反転を評価した。
A:下方向での階調反転は観察されず、実用上問題ない。
B:下方向での階調反転はほとんど観察されず、実用上問題ない。
C:下方向での階調反転が小さく、実用上問題ない。
D:下方向での階調反転が若干発生するが、実用上問題ない。
E:下方向での階調反転が発生するが、実用上問題ない。
F:下方向での階調反転が悪いため、実用上問題ある。
(文字にじみ評価)
上記で作製した各液晶表示装置にMicrosoft PowerPointに文字「A」を表示し(フォント:TimesNewRoman、フォントサイズ:8、10、12)、暗室にて目視で正面から観察して、表示画像の文字にじみを評価した。
A:文字にじみは観察されず、実用上問題ない。
B:文字にじみはほとんど観察されず、実用上問題ない。
C:文字にじみが発生するが、実用上問題ない。
D:文字にじみが悪く、実用上問題ある。
(光拡散フィルムBの作製)
[光拡散フィルム(セルロースアシレートフィルム)]
(測定法)
まず、以下光拡散フィルムにおいて測定した種々の特性の測定法及び評価法を以下に示す。
1.ガラス転移温度(Tg)
DSC測定装置(DSC8230:(株)リガク製)を用い、DSCのアルミニウム製測定パン(Cat.No.8578:(株)リガク製)に、熱処理前のポリマーフィルムのサンプルを5〜6mg入れる。これを50mL/分の窒素気流中で、25℃から120℃まで、20℃/分の昇温速度で昇温して15分保持した後、30℃まで−20℃/分で冷却する。その後、再度、30℃から250℃まで20℃/分の昇温速度で昇温し、その際に測定されるサンプルのサーモグラムと2本のベースラインの中線との交点の温度を、フィルムのガラス転移温度とした。
2.結晶化温度(Tc)
DSC測定装置(DSC8230:(株)リガク製)を用い、DSCのアルミニウム製測定パン(Cat.No.8578:(株)リガク製)に、熱処理前のポリマーフィルムのサンプルを5〜6mg入れる。これを50mL/分の窒素気流中で、25℃から120℃まで20℃/分の昇温速度で昇温して15分保持した後、30℃まで−20℃/分で冷却する。さらに、再度、30℃から320℃まで20℃/分の昇温速度で昇温し、この際に現れた発熱ピークの開始温度をフィルムの結晶化温度とした。
3.置換度
セルロースアシレートのアシル置換度は、Carbohydr.Res.273(1995)83−91(手塚他)に記載の方法で13C−NMRにより求めた。
4.ヘイズ、全光透過率、及び平行透過率
ヘイズは、ヘイズメーター(NDH 2000:日本電色工業(株)製)を用いて測定した。
全光透過率及び平行透過率についても、同様に測定した。
(光学フィルムの製造と評価)
下記表2に示す通り、以下のセルロースアシレートBを表中に記載の割合で添加し、溶媒に溶解し、セルロースアシレートのドープをそれぞれ調製した。調製法の詳細も、以下に示す。
なお、セルロースアシレートは120℃に加熱して乾燥し、含水率を0.5質量%以下とした後、表2記載の量[質量部]を使用した。
1)<セルロースアシレート>
・セルロースアシレートB(セルロースアセテート):
置換度が2.86のセルロースアセテートの粉体を用いた。セルロースアシレートBの粘度平均重合度は300、6位のアセチル基置換度は0.89、アセトン抽出分は7質量%、質量平均分子量/数平均分子量比は2.3、含水率は0.2質量%、6質量%ジクロロメタン溶液中の粘度は305mPa・s、残存酢酸量は0.1質量%以下、Ca含有量は65ppm、Mg含有量は26ppm、鉄含有量は0.8ppm、硫酸イオン含有量は18ppm、イエローインデックスは1.9、遊離酢酸量は47ppmであった。粉体の平均粒子サイズは1.5mm、標準偏差は0.5mmであった。
2)<溶媒>
下記の溶媒Aを使用した。これらの溶媒の含水率は0.2質量%以下であった。
・溶媒A:
ジクロロメタン/メタノール=87/13(質量比)
3)<セルロースアシレート溶液の調製>
攪拌羽根を有し外周を冷却水が循環する400リットルのステンレス製溶解タンクに、前記溶媒を投入して撹拌、分散させながら、セルロースアシレートを徐々に添加した。投入完了後、室温にて2時間撹拌し、3時間膨潤させた後に再度撹拌を実施し、セルロースアシレート溶液を得た。
なお、攪拌には、15m/sec(剪断応力5×104kgf/m/sec2〔4.9×105N/m/sec2〕)の周速で攪拌するディゾルバータイプの偏芯攪拌軸及び中心軸にアンカー翼を有して周速1m/sec(剪断応力1×104kgf/m/sec2〔9.8×104N/m/sec2〕)で攪拌する攪拌軸を用いた。膨潤は、高速攪拌軸を停止し、アンカー翼を有する攪拌軸の周速を0.5m/secとして実施した。
膨潤した溶液をタンクから、ジャケット付配管で50℃まで加熱し、さらに2MPaの加圧化で90℃まで加熱し、完全溶解した。加熱時間は15分であった。この際、高温にさらされるフィルター、ハウジング、及び配管はハステロイ合金製で耐食性の優れたものを利用し保温加熱用の熱媒を流通させるジャケットを有する物を使用した。
次に36℃まで温度を下げ、セルロースアシレート溶液を得た。
4)<ろ過>
得られたセルロースアシレート溶液を、絶対濾過精度10μmの濾紙(#63、東洋濾紙(株)製)で濾過し、さらに絶対濾過精度2.5μmの金属焼結フィルター(FH025、ポール社製)にて濾過してポリマー溶液を得た。
5)<フィルムの作製>
セルロースアシレート溶液を30℃に加温し、流延ギーサー(特開平11−314233号公報に記載)を通して15℃に設定したバンド長60mの鏡面ステンレス支持体上に流延した。流延スピードは50m/分、塗布幅は200cmとした。流延部全体の空間温度は、15℃に設定した。そして、流延部の終点部から50cm手前で、流延して回転してきたセルロースアシレートフィルムをバンドから剥ぎ取り、45℃の乾燥風を送風した。次に110℃で5分、さらに140℃で10分乾燥して、セルロースアシレートフィルムを得た。得られたセルロースアシレートフィルムのヘイズを前述の方法により測定し、その結果を下記表2に記載した。
6)<延伸>
得られたセルロースアシレートを、表2に示す延伸条件で、以下の記載の通り延伸した。なお、フィルムの延伸倍率は、フィルムの搬送方向と直交する方向に一定間隔の標線を入れ、その間隔を延伸工程前後で計測し、下記式から求めた。
フィルムの延伸倍率(%)=100×(延伸後の標線の間隔−延伸前の標線の間隔)/延伸前の標線の間隔
上記延伸は、ロール延伸機を用いた縦一軸延伸処理を実施した。ロール延伸機のロールは表面を鏡面処理した誘導発熱ジャケットロールを用い、各ロールの温度は個別に調整できるようにした。延伸ゾーンはケーシングで覆い表2に記載の温度とした。延伸部の前のロールは徐々に表2に記載の延伸温度に加熱できるように設定した。また、フィルム表面温度とフィルム裏面温度の裏表温度差をフィルムにあてる熱風の温度をフィルムの表と裏側で調整することによって表2に記載の温度差に制御した。フィルム表面温度およびフィルム裏面温度は、テープ型熱電対表面温度センサー(安立計器(株)製STシリーズ)をフィルムの表裏にそれぞれ3点貼り付け、それぞれの平均値から求めた。なお、表2に記載の温度は、フィルム裏面温度からフィルム表面温度を引いた値を記載した。延伸倍率は、ニップロールの周速を調整することで制御した。縦横比(ニップロール間の距離/ベース入口幅)は0.5となるように調整し、延伸速度は延伸間距離に対して10%/分とし、これも表2に記載した。
7)<セルロースアシレートフィルムの評価>
得られた各セルロースアシレートフィルムのヘイズ、全光線透過率、平行透過率、各ドメインの屈折率の評価を行った。結果を下記表2に示す。
(第1ドメインと第2ドメインの構造の詳細な測定)
まず、作製した光学フィルムについて、ポリマー主鎖の分子配向方向を前述の方法に基づきX線回折測定により、測定して決定した。
次に、作製した光学フィルムをフィルム面に対して垂直に膜厚方向に切断し、その断面を走査型電子顕微鏡(S−4300、(株)日立製作所製)で撮影した。前述の方法に基づき前記第2ドメインの長軸の平均方向を決定し、第2ドメインの長軸平均長aを測定した。その後、同様に前述の方法に基づき第2ドメインのフィルム面内方向の短軸平均長bおよび第2ドメインのフィルム膜厚方向の短軸平均長cを測定により求めた。
第2ドメインの長軸平均長/第2ドメインのフィルム面内方向の短軸平均長、第2ドメインの長軸平均長/第2ドメインのフィルム膜厚方向の短軸平均長、球相当直径を上述の方法で計算により求めた。また、体積分率、気泡の膜厚方向の密度分布を前述の方法により測定した。得られた結果を下記表2に記載した。なお、作製した光学フィルムにおいて、ポリマー主鎖の分子配向方向は、延伸方向とほぼ平行な方向であり、面内方向であることがわかった。また、前記第2ドメインの長軸の平均方向はポリマー主鎖の分子配向方向とほぼ垂直な方向(フィルム面内において約90°の方向)、すなわち、延伸方向とほぼ垂直な方向であることがわかった。
膜厚方向の密度分布値はフィルム面に垂直な方向のフィルム断面を走査型電子顕微鏡で撮影した際に、第2ドメインとして密度が最も高くなるような膜厚の半分の厚さの部分を選んだとき、該膜厚の半分の膜厚に占める第2ドメインの割合とした。作製した光学フィルムでは、フィルムの表面側の膜厚半分の範囲(すなわち、フィルムの上側の半分であり、延伸時に付けた裏表温度さが低温である側)が第2ドメインの密度が最も高くなるような膜厚の半分の厚さの部分であったため、該部分における密度分布値を測定した。
(加熱評価)
上記で作製したフィルムを80℃中に48時間置き、その後フィルムの断面を走査型電子顕微鏡で撮影した。それと常温においていたものとのフィルム断面を比較した。
その結果、上記のフィルムは、ポリマー主鎖と長軸の平均方向の角度、長軸の平均長さと面内方向の短軸の平均長さの比、密度分布、サイズ、ヘイズはほぼ同等だった。
Figure 2014066931
(比較例4)
(偏光板の作製)
前記トリアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80UL、富士フイルム(株)製)に替えて、上記光拡散フィルムBを貼合した以外は比較例1と同様にして、視認側の偏光板を作製した。
バックライト側の偏光板は、比較例1と同様に作製した。
(TNモード液晶表示装置の作製)
視認側の偏光板として、上記光拡散フィルムBを視認側の表面に、用いた以外は比較例1と同様にして比較例4の液晶表示装置を作製した。上記光拡散フィルムBのフィルム作製時のバンド面が液晶セル側に、エア面が視認側になるように配置した。
(実施例2)
(偏光板の作製)
比較例4と同様にして、視認側の偏光板、及びバックライト側の偏光板を作製した。
(TNモード液晶表示装置の作製)
視認側の偏光板として、上記光拡散フィルムBを視認側の表面に、用いた以外は比較例2と同様にして実施例2の液晶表示装置を作製した。上記光拡散フィルムBのフィルム作製時のバンド面が液晶セル側に、エア面が視認側になるように配置した。
比較例1と同様にして液晶表示装置の評価を実施した。結果を表3に示した。
(集光バックライトの作製)
バックライトに用いるための下記のプリズムシートを作製した。
<集光シートの作製>
下記のようにしてプリズムシートを作製した。
〔プリズム層塗布液の調整〕
下記処方のプリズム層塗布液を調製した。
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、50℃に加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、塗布液を調製した。なお、硬化後のプリズム層の屈折率は1.59であった。前記プリズム層の屈折率は、同一の液を平坦な塗布膜として形成し、プリズムカプラー屈折率測定機(SPA4000 Sairon Technology Inc.)により測定した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
・エベクリル3700(ダイセルUBC(株)製) 2.55質量部
・NKエステルBPE−200(新中村化学(株)製) 0.85質量部
・アロニックスM−110(東亞合成(株)製) 0.85質量部
・ニューフロンティアBR−31(第一工業製薬(株)製) 4.25質量部
・メチルエチルケトン 2.89質量部
・ルシリンTPO−L(BASF(株)製) 0.17質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
〔プリズムシートAの作製〕
両面に易接着処理を施した厚み25μmの透明PET製の支持体の第一の表面に、前記で調製したプリズム層塗布液を乾燥質量で14g/mとなるように塗布し、80℃で1分間乾燥させた後、該プリズム層を、断面形状が頂角90°の二等辺三角形であり、ピッチ(底辺の長さ)50μmのストライプ状にプリズム形状が彫刻された金属の型(金型)に押し当てた。この押し当て状態で、前記支持体の第二の表面側から、高圧水銀灯により露光し、膜を硬化させ、金型から剥離し、プリズムシートA(凹凸部を形成した支持体)を得た。
<白色反射層用塗布液の調製>
下記処方で、光学調整部形成用の白色反射層用塗布液を調製した。
[ホワイト顔料分散母液の組成]
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
・ポリビニルブチラール(エスレックB BL−SH、積水化学工業(株)製)
2.7質量部
・ルチル型酸化チタン(JR805、テイカ(株)製、質量平均粒子径0.29μm)
35.0質量部
・分散助剤(ソルスパース20000、アビシア(株)製) 0.35質量部
・n−プロピルアルコール 62.0質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
上記組成物を、アイガー社製モーターミルM50によりジルコニアビーズを用いて分散し、ホワイト顔料分散母液を調製した。
[白色反射層塗布液の組成]
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
・上記で調製されたホワイト顔料分散母液 1,200質量部
・ワックス系化合物
ステアリン酸アミド(ニュートロン2、日本精化(株)製) 5.7質量部
ベヘン酸アミド(ダイヤミッドBM、日本化成(株)製) 5.7質量部
ラウリン酸アミド(ダイヤミッドY、日本化成(株)製) 5.7質量部
パルミチン酸アミド(ダイヤミンドKP、日本化成(株)製) 5.7質量部
エルカ酸アミド(ダイヤミッドL−200、日本化成(株)製) 5.7質量部
オレイン酸アミド(ダイヤミッドO−200、日本化成(株)製) 5.7質量部
・ロジン(KE−311、荒川化学(株)製、成分:樹脂酸80〜97%;樹脂酸成分:アビエチン酸30〜40%、ネオアビエチン酸10〜20%、ジヒドロアビエチン酸14%、テトラヒドロアビエチン酸14%) 80.0質量部
・界面活性剤(メガファックF−780F、固形分30%、大日本インキ化学工業社製)
16.0質量部
・n−プロピルアルコール 1,600質量部
・メチルエチルケトン 580質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
<白色反射シートの作製>
厚み25μmのPET製支持体上に、前記で調製した白色反射層塗布液を、乾燥膜厚が2μmになるように塗布し、100℃で2分間乾燥させ、白色反射シートを作製した。
<ポジ型感光層用塗布液の調製>
下記処方のポジ型感光層用塗布液を調製した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
・フェノールノボラック樹脂(住友デュレズ株式会社製、PR−50716、融点:76℃) 2.5質量部
・フェノールノボラック樹脂(住友デュレズ株式会社製、PR−51600B、融点:55℃) 3.5質量部
・1,2−ナフトキノン(2)ジアジド−4−スルフォン酸クミルフェノールエステル
2.0質量部
・メチルエチルケトン 40質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 20質量部
・界面活性剤(大日本インキ株式会社製、メガファックF−176PF)0.1質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
<アルカリ現像液の調製>
下記組成のアルカリ現像液を調製した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
・炭酸ナトリウム 59質量部
・重炭酸ナトリウム 32質量部
・水 720質量部
・ブチルセロソルブ 1質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
<集光性の光学シート:プリズムシートBの作製>
図3に示すように、前記で作製したプリズムシートA(凹凸部15を形成した支持体12)の平坦な第二の表面14側に、前記で調製したポジ型感光層用塗布液を、乾燥膜厚が0.5μmになるように塗布し、100℃で2分間乾燥させ、前記支持体12の第二の表面14上にポジ型感光層18を形成した。
次に、図4に示すように、前記支持体12の凹凸部15を形成した第一の表面13側から、平行光線照射機(マスクアライメント装置M−2L、ミカサ(株)製)を用いて、平坦な前記第二の表面14の法線方向に平行に紫外線照射し、前記ポジ型感光層を露光した。図4に符号16で示す部分が、光の不通過部(光束密度の低い部分)である。
次いで、前記で調製したアルカリ現像液を用いて、ポジ型感光層の露光部を洗い流し、図5に示すように、支持体12の第二の表面14であって光の不通過部16に、部分的にポジ型感光層18を有する支持体2を得た。
上記部分的にポジ型感光層18を有する支持体12の、前記ポジ感光層18が形成された第二の表面14に、図6に示すように、前記で作製した白色反射層19を設けた白色反射シート50を、粘着性を有する前記ポジ型感光層18に第二の表面14に白色反射層19が接触するように配置し、ラミネート装置にて熱ラミネート(速度:0.5m/min.加熱温度:80℃)した。その後、図7に示すように、白色反射シート50を支持体12から剥離することにより、前記ポジ型感光層18の形成部に12μm巾のストライプ状に、白色反射層19が転写された支持体12を得て、プリズムシートBを形成した。該白色反射層19が、サイドローブ防止部17であり、その光反射率は、70%であった。
<バックライトユニットの作製>
市販品の液晶表示装置から取り外した面光源上に上記のプリズムシートを配置したバックライトユニットを作製した。
作製した頂角が90°であるプリズムシートであって、さらに部分的に光反射性を有するサイドローブ防止部7が複数形成された集光性の光学シートであるプリズムシートBを配置した。
作製した集光バックライトユニットの輝度半値全幅角度は70度であった。測定機には「EZ−Contrast XL88」(ELDIM社製)を用い、その測定結果から、正面輝度の半分の値になる角度を算出した。
(比較例5)
バックライトユニットとして、上記集光バックライトユニットを用いた以外は比較例3と同様に液晶表示装置を作製した。
比較例1と同様にして液晶表示装置の評価を実施した。結果を表3に示した。
(実施例3)
バックライトユニットとして、上記集光バックライトユニットを用いた以外は実施例1と同様に液晶表示装置を作製した。
比較例1と同様にして液晶表示装置の評価を実施した。結果を表3に示した。
(比較例6)
バックライトユニットとして、上記集光バックライトユニットを用いた以外は比較例4と同様に液晶表示装置を作製した。
比較例1と同様にして液晶表示装置の評価を実施した。結果を表3に示した。
(実施例4)
バックライトユニットとして、上記集光バックライトユニットを用いた以外は実施例2と同様に液晶表示装置を作製した。
比較例1と同様にして液晶表示装置の評価を実施した。結果を表3に示した。
Figure 2014066931
上記表3において、「吸収軸」、及び「遅相軸」の欄の数値は、各軸の方位角度を表す。液晶表示装置を正面から観察したときに、右水平方向を0°とし、反時計回りに方位角度が増えていく座標系とする(上:90°、左180°、下270°)。
比較例1及び2より、光学異方性層の液晶性化合物が順ハイブリッドでも逆ハイブリッドでも、視認側に光拡散フィルムを用いていない場合は、下諧調反転の点で劣ることが分かる。
比較例3より、光学異方性層の液晶性化合物が順ハイブリッドである場合は、透光性樹脂と、透光性樹脂の屈折率と異なる屈折率を有する透光性微粒子とを含む光拡散層を有し、且つ該光拡散層の内部ヘイズが45%以上である光拡散フィルムAを視認側に用いると、下諧調反転は改善するが、正面コントラストが許容できないレベルまで低下してしまうことが分かる。
一方、実施例1より、光学異方性層の液晶性化合物が逆ハイブリッドである場合は、光拡散フィルムAを視認側に用いると、下諧調反転が改善し、かつ正面コントラストの低下も許容範囲内であることが分かる。
比較例4より、光学異方性層の液晶性化合物が順ハイブリッドである場合は、光拡散フィルムとして、ポリマー組成物からなる第1ドメインと、該第1ドメイン内部に配置された第2ドメインとを含み、第2ドメインが形状異方性を有する気泡であり、第1ドメイン中のポリマーにおける分子主鎖の平均配向方向と前記第2ドメインの長軸の平均方向とが異なる光拡散フィルムBを視認側に用いると、下諧調反転は光拡散フィルムAを用いた場合よりも改善するが、正面コントラストが許容できないレベルまで低下してしまうことが分かる。
一方、実施例2より、光学異方性層の液晶性化合物が逆ハイブリッドである場合は、光拡散フィルムBを視認側に用いると、下諧調反転が光拡散フィルムAを用いた場合よりも改善し、かつ正面コントラストの低下も光拡散フィルムAを用いた場合よりも少なくなることが分かる。
射出される光の輝度半値全幅角度が80°以下であるバックライトユニットを用いた場合は、用いる光拡散フィルムの種類によらず、射出される光の輝度半値全幅角度が80°未満のバックライトユニットを用いた場合よりも、下諧調反転と正面コントラストが優れていることが分かる(実施例1と実施例3の対比、及び、実施例2と実施例4の対比)。また、輝度半値全幅角度が80°以下であるバックライトユニットを用いた場合は、光学異方性層の液晶性化合物が順ハイブリッドである場合に対する、光学異方性層の液晶性化合物が逆ハイブリッドである場合の、正面コントラストの上昇率が、輝度半値全幅角度が80°未満のバックライトユニットを用いた場合よりも、大きいことが分かる(比較例5と実施例3の対比、及び、比較例6と実施例4の対比)。
特に、光学異方性層の液晶性化合物が逆ハイブリッドである場合に、輝度半値全幅角度が80°以下であるバックライトユニットと光拡散フィルムBを用いた実施例4は、これらのバックライトと光拡散フィルムを用いていない比較例2に対して、下諧調反転を大幅に改善しつつ、正面コントラストも向上できており、非常に優れていることが分かる。
1 光拡散フィルム
2 第1の偏光膜
3 第1の透明フィルム
4 第1の光学異方性層
5 液晶セル
6 第2の光学異方性層
7 第2の透明フィルム
8 第2の偏光膜
9 保護フィルム
40 バックライトユニット
10 第1の光学補償フィルム
20 第2の光学補償フィルム
30 液晶性化合物
100 液晶表示装置
A 光学異方性層の透明フィルム側の界面
B 光学異方性層の液晶セル側の界面
12 支持体
13 第一の表面
14 第二の表面
15 凹凸部
16 光の不通過部
17 サイドローブ防止部
18 ポジ型感光層
19 白色反射層
50 白色反射シート

Claims (14)

  1. 視認側から、少なくとも、光拡散フィルム、第1の偏光膜、第1の光学補償フィルム、液晶セル、第2の光学補償フィルム、及び第2の偏光膜をこの順に有する液晶表示装置であって、
    前記第1の偏光膜及び第2の偏光膜は互いに吸収軸を直交して配置され、
    前記第1の光学補償フィルムは、第1の透明フィルムと、第1の光学異方性層とを少なくとも含んでなり、前記第1の透明フィルムが前記第1の偏光膜側に、前記第1の光学異方性層が前記液晶セル側になるように配置され、
    前記第2の光学補償フィルムは、第2の透明フィルムと、第2の光学異方性層とを少なくとも含んでなり、前記第2の透明フィルムが第2の偏光膜側に、前記第2の光学異方性層が液晶セル側になるように配置され、
    前記第1の光学異方性層は、少なくとも液晶性化合物を含んでなり、前記第1の光学異方性層中の前記液晶性化合物は、前記第1の透明フィルム側の界面から、前記液晶セル側の界面に向かって、平均チルト角が減少しており、
    前記第2の光学異方性層は、少なくとも液晶性化合物を含んでなり、前記第2の光学異方性層中の前記液晶性化合物は、前記第2の透明フィルム側の界面から、前記液晶セル側の界面に向かって、平均チルト角が減少しており、
    前記第1及の光学補償フィルム及び前記第2の光学補償フィルムの波長550nmにおける面内レターデーションがそれぞれ独立に10nm〜200nmであり、
    前記第1の透明フィルム及び前記第2の透明フィルムの波長550nmにおける面内レターデーションがそれぞれ独立に2nm〜150nmであり、波長550nmにおける厚み方向のレターデーションがそれぞれ独立に−20nm〜250nmである、液晶表示装置。
  2. 前記液晶セルの、前記光拡散フィルム側とは反対側に配置されたバックライトユニットを備え、前記バックライトユニットから射出される光の輝度半値全幅角度が80°以下である請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記光拡散フィルムが入射光の入射方向によって、光の散乱状態が異なる異方性散乱層を有する請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
  4. 前記光拡散フィルムがポリマー組成物からなる第1ドメインと、該第1ドメイン内部に配置された第2ドメインとを含む光学フィルムであって、
    前記第2ドメインが形状異方性を有する気泡であり、
    前記第1ドメイン中のポリマーにおける分子主鎖の平均配向方向と前記第2ドメインの長軸の平均方向とが異なる光学フィルムである請求項3に記載の液晶表示装置。
  5. 前記光拡散フィルムにおける前記第2ドメインの長軸平均長の、前記第2ドメインのフィルム面内方向の短軸平均長に対する比が1.1〜30である請求項4に記載の液晶表示装置。
  6. 前記光拡散フィルムにおける前記第2ドメインの長軸平均長の、前記第2ドメインのフィルム膜厚方向の短軸平均長に対する比が30〜300である請求項4に記載の液晶表示装置。
  7. 前記光拡散フィルムにおける前記第1ドメインの屈折率が前記第2ドメインの屈折率よりも0.01〜1.00大きい請求項4〜6のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
  8. 前記光拡散フィルムにおける前記第2ドメインの球相当直径が0.02μm以上である請求項4〜7のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
  9. 前記光拡散フィルムにおける前記第2ドメインの体積分率が、20〜70%である請求項4〜8のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
  10. 前記光拡散フィルムにおける前記第2ドメインが、膜厚方向に密度分布をもつ請求項4〜9のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
  11. 前記光拡散フィルムにおける前記ポリマー組成物が、セルロースアシレート系ポリマーを主成分として含有する請求項4〜10のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
  12. 前記光拡散フィルムはポリマー組成物からなり、ヘイズが1%以下のフィルムを、延伸温度(Tg−20)〜Tc℃、且つ延伸倍率1〜300%で延伸して得られたフィルムである請求項1〜11のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
    但し、Tgはフィルムのガラス転移温度(単位:℃)であり、Tcはフィルムの結晶化温度(単位:℃)である。
  13. 前記光拡散フィルムが、透光性樹脂と、前記透光性樹脂の屈折率と異なる屈折率を有する透光性微粒子とを含む光拡散層を有し、且つ該光拡散層の内部ヘイズが45%以上である請求項1に記載の液晶表示装置。
  14. 前記液晶セルが捩れ配向モードである請求項1〜13のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
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