以下、図1〜図11に基づき、本発明の実施形態を説明する。具体的に、図1〜図10を用いて第1の実施形態を説明する。又、図11を用いて第2の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
まず、図1を用いて第1の実施形態に係る空気調和機1の概要を説明する。図1は空気調和機1の一例を示す模式図であり、(a)は室内部2の一例を示し、(b)は室外部3の一例を示す。
図1(a)に示すように、本実施形態の空気調和機1は室内部2(室内機)を含む。室内部2は室内の空気を吸入し、熱交換後の空気を室内に吹き出す。例えば、室内部2の空気の吹出口21は室内部2の前面下方に設けられる。
また、図1(b)に示すように本実施形態の空気調和機1は室外部3(室外機)を含む。室外部3は冷媒の室内部2とのやり取りや、室外気との熱交換を行う。尚、本実施形態に係る空気調和機1は室外部3を有さず、室内部2に相当する部分だけを含むものでもよい。
(空気調和機1のハードウェア構成)
次に、図2を用いて第1の実施形態に係る空気調和機1のハードウェア構成の一例を説明する。図2は空気調和機1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
上述したように、本実施形態の空気調和機1は室内部2と室外部3を含む。そこで、室内部2から説明する。リモートコントロール装置41からの動作や設定指示を示す信号を受信する受信部42が室内部2に設けられる。赤外線や無線により信号を発信する発信部がリモートコントロール装置41に設けられ、受信部42は赤外線や電波を受信する。これにより、使用者はリモートコントロール装置41で空気調和機1の動作を操作することができる(リモートコントロール装置41の詳細は後述)。
また、リモートコントロール装置41に依らずに動作や設定指示を行えるように、パネル状の操作部43が室内部2に設けられても良い。従って、リモートコントロール装置41と受信部42や操作部43が空気調和機1の設定を受け付ける入力受付部4として機能する。例えば、入力受付部4はゆらぎモードでの運転を行う旨の入力を受け付ける。また、本実施形態の空気調和機1は空気調和機1の運転状態などの各種情報を表示ランプや表示パネルなどにより表示する表示部22を備える。
また、室内部2は空気調和機1の動作を制御する制御部5(演算部に相当)を含む。例えば、制御部5は演算処理装置としてのCPU51や、空気調和機1の制御プログラムや制御用データを記憶する記憶部6(RAMやROMのような揮発性と不揮発性の記憶装置の組み合わせ)や、時間を計時する計時部52を含む。
室内ファン7(ファンに相当)と室内ファン7を回転させて熱交換された空気を吹出口21から室内に吹き出させる室内ファンモーター7m(モーターに相当)が室内部2に配される。例えば、室内ファンモーター7mはDCモーターである。制御部5は室内ファンモーター7mに印加する電圧の大きさや、電圧のデューティ比や、モーターに流す電流値を制御して、室内ファンモーター7mの駆動(回転)を制御する。具体的に、制御部5は室内ファンモーター7mのON/OFFや、室内ファンモーター7mの回転速度を制御する。尚、本実施形態では制御部5が室内ファンモーター7mの動作を制御する例を説明するが、制御部5外に室内ファンモーター7mの駆動回路を別途設け、制御部5が駆動回路に指示を与え、制御部5が間接的に室内ファンモーター7mの動作を制御してもよい。
また、室内ファン7によって送風される空気の上下方向における吹出方向を調節するためのルーバー23が室内部2に設けられる。また、ルーバー23を動かして上下方向で送風方向をスイングさせるルーバーモーター23mが室内部2に設けられる。制御部5はルーバーモーター23mの動作を制御することにより送風範囲を制御することができる。
また、室内ファン7によって送風される空気の左右方向における吹出方向を調節するため、左右ルーバー24が室内部2に設けられる。左右ルーバー24として吹出口21近傍に垂直方向に伸びる複数枚の板が左右方向に並べられる。また、左右ルーバー24を動かして左右方向での送風方向を調節する左右ルーバーモーター24mが室内部2に設けられる。制御部5は左右ルーバーモーター24mの動作を制御することにより送風範囲を制御することができる。
また、室内ファン7により室内部2内に吸い込まれた空気と熱交換する室内熱交換器25(熱交換器に相当)が室内部2に設けられる。また、室内温度を検知するための温度検知部26が設けられる。温度検知部26は温度により出力値(例えば、電圧値)が異なるセンサーである。制御部5は温度検知部26の出力電圧に基づき室内温度を認識する。例えば、温度検知部26の出力値と温度の関係を示すテーブルが記憶部6に記憶される。そして、冷房運転や暖房運転や除湿運転のとき、制御部5は設定温度になると運転を小休止するなど、設定された温度に近づくように空気調和機1を制御する。
次に、室外部3を説明する。例えば、室外部3は屋外の地面上に設置される。室外部3は圧縮機31と圧縮機31を動作させるたるめの圧縮機駆動回路32を含む。制御部5は圧縮機駆動回路32に指示を与え圧縮機31の動作を制御する。
そして、室外部3には室外ファン33と室外ファンモーター33mが設けられる。制御部5は室外ファンモーター33mを制御し、室外部3での吸い込み、吹き出しを制御する。室外ファンモーター33mは室外ファン33を回転させて熱交換する為の空気を室外部3内に吸い込む。そして、吹き出させる。また、室外ファンモーター33mの駆動により室外ファン33が回転し、空気が室外部3に設けられる室外熱交換器34(熱交換器に相当)に吹き付けられ、空気が室外に排出される。これにより室外部3内に吸い込まれた空気の熱交換がなされる。
冷凍サイクル27を構成する四方弁35や減圧器36(例えば、電子膨張弁やキャピラリーチューブ)が室外部3に設けられる。制御部5は、四方弁35を制御し、圧縮機31が圧縮した冷媒の流れる方向を、暖房運転/冷房運転(除湿運転)に応じて切り替える。減圧器36は、圧縮機31が圧縮した高圧(放熱)側の冷媒と、膨張した低圧(吸熱)側の冷媒との圧力差を維持する。
(リモートコントロール装置41)
次に、図3を用いて第1の実施形態に係るリモートコントロール装置41の一例を説明する。図3はリモートコントロール装置41の一例を示し、(a)はカバー411を閉じた状態、図3(b)はカバー411を開いた状態の一例を示す。
リモートコントロール装置41は設定内容などを示す表示器410(例えば、液晶表示パネル)を正面上方に有する。そして、リモートコントロール装置41は空気調和機1の基本的な動作指示(運転のモード指示)を行うための6つの基本ボタンを含む。具体的には、冷房で空気調和機1を運転させる時に押される冷房ボタンB1、暖房で空気調和機1を運転させる時に押される暖房ボタンB2、運転を停止する為の停止ボタンB3、除湿で空気調和機1を運転させる時に押される除湿ボタンB4、設定された温度に従って自動的に冷暖房運転を行う時に押される自動運転ボタンB5、1/fゆらぎで送風量を周期的に変化させて(1/fゆらぎで送風量をゆらがせて)送風を行うゆらぎモードで空気調和機1を運転させるときに押されるリズム風ボタンB6と備えている。又、基本ボタンの下方には、所望する温度や湿度を設定するための温度設定ボタンB7や湿度設定ボタンB8が設けられる。
又、図3(b)に示すように、より細かな設定を行うためのボタンがカバー411の下方に設けられる。使用者は風向きやタイマー設定を行うとき、カバー411を開けて各種ボタンを露出させる。
(ゆらぎモードでのゆらぎの基本バターン)
次に、図4を用いて第1の実施形態に係る送風量のゆらぎの概要を説明する。図4は1/fゆらぎの基本パターンP0を説明するための説明図である。
1/fゆらぎで送風量を変化させるパターンは複数考えられるが、本実施形態では、基本パターンP0は振幅が周波数に反比例する複数の正弦波を合成した波形、又は、振幅が周波数に反比例する複数の余弦波を合成した波形を基本パターンP0として用いる。尚、以下では、正弦波を合成して基本パターンP0を定める例を説明するが複数の余弦波を合成して基本パターンP0を定めてもよい。
図4の上方の図には振幅を周波数に反比例させた複数の正弦波の波形を示している。最も振幅が大きい正弦波の振幅をAとし周波数をBとすると、次に振幅が大きい正弦波の振幅は0.5Aで周波数は2Bである。その次に振幅が大きい正弦波の振幅は0.25Aで周波数は4Bである。更にその次に振幅が大きい正弦波の振幅は0.125Aで周波数は8Bである。上述した正弦波よりも振幅が小さい正弦波は同様なので説明を省略する。
具体的に、本実施形態では以下の式に基づき、1/fゆらぎの基本パターンP0を求める。
そして、上記の式により、複数種の正弦波を合成して求めた1/fゆらぎの基本パターンP0は図4の下方の図のようになる。そして、本実施形態の空気調和機1では、ゆらぎモードでの運転のとき、この基本パターンP0の強度を室内ファン7の回転数(送風量)に対応させ、基本パターンP0に基づき1/fゆらぎで室内ファン7の回転数(送風量)を変化させる。そして、記憶部6は1/fゆらぎでファンの送風量がゆらぐようにファンの回転数のゆらぎの基本パターンP0を示すゆらぎデータD0を記憶する。
(基本パターンP0に基づくファンの回転数のゆらぎ)
次に、図5、図6を用いて、第1の実施形態に係る基本パターンP0に基づいたファンの回転数のゆらぎを説明する。図5は基本パターンP0に基づいた室内ファン7の回転数のゆらぎの一例を示す説明図である。図6はゆらぎデータD0(データテーブルD1)の一例を示す。
ゆらぎモードで運転(送風)を行うとき、制御部5は基本パターンP0に基づき(基本パターンP0に対応させて)、室内ファンモーター7mを制御して、室内ファン7の回転数を周期的に変化させる。ゆらぎモードでは室内ファン7の回転数の上限値と下限値が予め定められる。ゆらぎモードで運転するとき、室内ファン7の回転数の上限値は予め定められた騒音レベルを下回るように定められる。例えば、室内ファン7の回転数が1000rpmあたりから騒音レベルが大きくなってくる場合、ゆらぎモードでの運転時、上限値は1000rpmを超えない値に設定される。
そして、室内ファン7の回転数の上限値は基本パターンP0の最大値に対応し、下限値は基本パターンP0の最小値に対応する。従って、ゆらぎモードのとき、制御部5は室内ファンモーター7mを制御して、予め定められた上限値と下限値の範囲で周期的に送風量(室内ファン7の回転数)を変化させる。制御部5は予め定められた上限値と下限値の範囲に基本パターンP0を当てはめ、当てはめた基本パターンP0のラインに沿うように室内ファン7の回転数を変化させる。
そして、1つの基本パターンP0の周期(室内ファン7の回転数変化の周期、送風パターン)は複数のステップに分割される。本実施形態では、1周期は360のステップに分割される。尚、1周期のステップ数は360に限られない。
そして、室内ファン7の回転数変化のゆらぎの基本パターンP0を示すゆらぎデータD0は1周期中の0番目から359番目(計360ステップ。ステップ数が360)のそれぞれのステップでの、基本パターンP0に基づいた(基本パターンP0に応じた)送風量(室内ファン7の回転数、室内ファンモーターの回転数ともいえる)の強度を示す値を格納したデータテーブルD1である。
そして、制御部5は0→359の順番で(359番目までいくと0番目に戻り、巡回する)、ゆらぎデータD0に格納された値のうち現在の順番(現在のステップ数)に対応する位置に格納された値を参照して、1周期内の各ステップのファンの回転数を求める。そして、制御部5は室内ファンモーター7mを制御して、求めたステップの回転数に基づき、室内ファン7の回転数を変化させる。尚、ゆらぎデータD0に基づく各ステップでのファンの回転数を求める手法の詳細は後述する。
(ゆらぎモードでの送風パターンの組み合わせ)
次に、図7、図8を用いて、第1の実施形態に係るゆらぎモードでの送風パターンの組み合わせについて説明する。図7は同じ送風パターンを周期的に繰り返す場合の室内ファン7の回転数の推移の一例を示すグラフである。図8は第1送風パターンP1と第1送風パターンP1よりも振幅が小さい第2送風パターンP2をおりまぜて送風を行う場合の室内ファン7の回転数の推移の一例を示すグラフである。
図7に示すように、1/fゆらぎに基づいた単一の送風パターンを繰り返しても、1/fゆらぎに基づき、送風量を自然に近づけて変化させることはできる。しかし、基本パターンP0に基づき、上限値と下限値の範囲で室内ファン7の回転数を変化させると、送風パターン内で室内ファン7の回転数の変化が急になる箇所が生ずる。
具体的に、図7では室内ファン7の回転数の変化が急になる範囲を網掛により図示している。図7に示すように、室内ファン7の回転数の変化は送風パターンの切り替わりの前後で急になることが多い。言い換えると、前の送風パターンの終盤部分から次の送風パターンの序盤部分で室内ファン7の回転数の変化は急になりやすい。
室内ファン7の回転数の変化が急であると、室内ファンモーター7mが回転数変化に追従(対応)できず、室内ファン7の回転数が基本パターンP0に基づく理想的な回転数からずれてしまうことがある。又、そうすると、1/fゆらぎで送風量がゆれず、不安定な送風や不自然な送風となることがある。又、加速状態が続くことにより上限値を超えて室内ファン7を回転させてしまう(オーバーシュートを生じさせてしまう)場合があり、室内ファン7や室内ファンモーター7mから生ずる音も大きくなりえる。
そこで、本実施形態では、ゆらぎモードで運転するとき、制御部5は室内ファンモーター7mを制御して、第1送風パターンP1と第1送風パターンP1の送風の間に第1送風パターンP1よりも室内ファン7の回転数の振幅が小さい第2送風パターンP2で送風を行う。
具体的に、図8にしめすように、本実施形態では、制御部5は第1送風パターンP1と第2送風パターンP2を交互に繰り返す。尚、交互に各送風パターンで送風するとは限らず、複数周期分、第1送風パターンP1又は第2送風パターンP2で送風を行った後、他の送風パターンに切り替えてもよい。
第2送風パターンP2は第1送風パターンP1よりも回転数の変化の振幅(上限と下限の幅)が狭いので、図7にしめすように、同じ送風パターンを周期的に繰り返す場合に比べ、急に変化させるときの室内ファン7の回転数の変化幅を少なく(狭く)することができる。又、オーバーシュートを生じさせても、第1送風パターンP1の上限値を超えることはない。従って、理想的な室内ファン7の回転数からずれにくくなる。又、騒音も抑えることができる。
(ゆらぎモードでの送風量制御)
次に、図9、図10を用いて、第1の実施形態に係るゆらぎモードでの送風量制御の流れの一例を説明する。図9はゆらぎモードでの送風量制御の流れの一例を示すフローチャートである。図10は第1送風パターンP1と第2送風パターンP2の対比させた説明図である。
まず、図9のフローチャートのスタートはゆらぎモード(1/fゆらぎに基づき周期的に送風量を変化させる送風モード)での運転(送風)を開始する時点である。例えば、入力受付部4で空気調和機1の電源がONされた後、リズム風ボタンB6が押されるなどにより、入力受付部4が使用者からのゆらぎモードで運転する旨の指示入力を受け付けた時点である。
ここで、本実施形態の空気調和機1では、ゆらぎモードの運転時、熱交換を行わない。そのため、制御部5は室内部2や室外部3を、熱交換を行わない状態とする(♯1)。言い換えると、ゆらぎモードの運転時、制御部5は室外部3を停止させ、室内熱交換器25を停止させて熱交換を行われないようにする。そのため、ゆらぎモードでは冷房、除湿、暖房は行われない。そのため、ゆらぎモード(リズム風運転)は、寝る時や冷房などである程度、室内が快適な温湿度になった後に使用される。ゆらぎモードになるまえに(リズム風ボタンB6が押される前に)、冷房、除湿、暖房運転がなされていれば、制御部5はこれらの運転で行っていた熱交換を停止させる。
尚、室内部2内の空気の熱交換を行いつつ、ゆらぎモードによる送風を行うようにしてもよい。言い換えると、制御部5は室内熱交換器25や室外部3を動作させて、冷房、除湿、暖房などを行わせつつ、室内ファンモーター7mを制御して、1/fゆらぎに基づき室内ファン7の回転数を変化させてもよい。
そして、制御部5はゆらぎモードでの室内ファン7の基準回転数N1を取得、設定する(♯2)。例えば、記憶部6に基準回転数N1を示すデータが格納されており、制御部5のCPU51は基準回転数N1を示すデータを読み出す。
基準回転数N1は第1送風パターンP1について予め定められた第1上限値に基本パターンP0の最大値を、第1下限値に基本パターンP0の最小値を対応させて、基本パターンP0に対応させて、第1上限値と第1下限値の間で室内ファン7の回転数を周期的に変化させるときの室内ファン7の回転数の振幅の中央値(第1上限値と第1下限値の和の1/2)とすることができる。
次に、制御部5はゆらぎモードの開始から予め定められた安定時間までの間、室内ファンモーター7mを制御して、室内ファン7を予め定められた一定回転数で回転させる(♯3)。これにより、ゆらぎモードになる前に室内ファン7が停止していたとしても、室内ファン7を一定の回転数で回転する安定した状態とすることができる。ここで、一定回転数は基準回転数N1としてもよい。
ゆらぎモードの開始から予め定められた安定時間が経過すると、第1送風パターンP1での送風が開始される(♯4)。第1送風パターンP1での送風が開始されると、制御部5(CPU51)はゆらぎデータD0に基づき、第1送風パターンP1の1周期中の現在のステップの室内ファン7の回転数を求めるため、基準回転数N1に対する現在のステップでの補正値を求める(♯5)。補正値は1/fゆらぎの基本パターンP0に応じた現在のステップの理想的な室内ファン7の回転数と基準回転数N1との差である。
上述のように、ゆらぎデータD0のデータテーブルD1には、1/fゆらぎの基本パターンP0に対応した1周期内の各ステップでの送風の強度を示す値が格納されている。そこで、制御部5は現在のステップでの送風の強度を示す値を基準回転数N1に対応する強度の値で除して比率を求める。そして、制御部5は求めた比率から1(基準回転数N1に対応する値)を引いて得られた値に基準回転数N1を乗ずることで補正値を求める。言い換えると、制御部5はゆらぎデータD0に基づき、第1送風パターンP1のときの現ステップでの理想的な回転数と、基準回転数N1との差を補正値として求め、基準回転数N1と補正値を加算して、第1送風パターンP1の各ステップでの室内ファン7の回転数を求める。尚、補正値の求め方は上記の例に限らず、他の方法により補正値を求めてもよい。
そして、制御部5は基準回転数N1と補正値を加算して第1送風パターンP1の1周期中の現在のステップでの室内ファン7の回転数(現在のステップでの室内ファン7の理想的な回転数)を求める。このように、本実施形態では、1/fゆらぎの基本パターンP0に基づく室内ファン7の回転数のゆらぎを、基準回転数N1に対する補正と扱う。尚、制御部5は求めた現在のステップでの室内ファン7の回転数に、更に他の種類の風量補正を行って現在のステップでの室内ファン7の回転数を調整してもよい(♯6)。次に、制御部5は室内ファンモーター7mを制御して、室内ファン7の回転数を♯6で求めた回転数とする(♯7)。
尚、第1送風パターンP1の1周期中の現在のステップでの理想的な室内ファン7の回転数の求め方は上記の例に限られず、他の演算方法により1/fゆらぎの基本パターンP0に応じた現在のステップの理想的な室内ファン7の回転数を求めてもよい。
そして、制御部5は第1送風パターンP1の1周期中の現在のステップが完了し、次のステップに移行したかの確認を続ける(♯8、♯8のNo→♯8)。例えば、制御部5内のCPU51や計時部52が時間を計時する。本実施形態では、送風パターンの1周期は360に分割され、1ステップあたりの時間は50ms〜数百ms程度、より好ましくは、100ms程度とされる。制御部5のCPU51や計時部52は計時を行い、現在のステップの開始から1ステップ分の時間が計時されると、制御部5は次のステップに移行したと認識する。
次のステップに移行すると(♯8のYes)、制御部5は第1送風パターンP1の1周期中の最後のステップが終わり、次のパターン(第2送風パターンP2)での送風を開始すべきか否かを確認する(♯9)。
又、第1送風パターンP1の最後のステップが終わったので無ければ(♯9のNo)、フローは♯5に戻る。一方、第1送風パターンP1の最後のステップが終わったのであれば、第2送風パターンP2での送風が開始される(♯10)。
第2送風パターンP2での送風が開始されると、制御部5(CPU51)はゆらぎデータD0に基づき、第2送風パターンP2の1周期中の現在のステップの室内ファン7の回転数を求めるため、基準回転数N1に対する現在のステップでの補正値を求める(♯11)。求め方は第1送風パターンP1の時と同様でよい。
そして、第2送風パターンのとき、制御部5はゆらぎデータD0に基づき、現在のステップに対応する第1送風パターンP1でのステップの補正値を、第1送風パターンP1での回転数の振幅に対する第2送風パターンP2での回転数の振幅の比率に応じて調整し、調整した補正値と基準回転数N1を加算して第2送風パターンP2での各ステップでの室内ファン7の回転数を求める。言い換えると、第1送風パターンP1としたならば求められる現在のステップの補正値を小さく調整した値を第2パターンP2での補正値として用いる。
このように、ステップの順番(ステップ数)が同じならば、第1送風パターンP1と第2送風パターンP2で調整前の補正値は同じであり、単一の基本パターンP0のデータのみで各送風パターンの補正値を求めることができる。そして、同じステップ数のとき第1送風パターンP1と第2送風パターンP2では、基準回転数N1に加算する値が異なる。
例えば、第2送風パターンP2での回転数の振幅を第1送風パターンP1での回転数の振幅の1/2とするならば、制御部5は現在のステップに対応する第1送風パターンP1でのステップの補正値として求められた値を2で除して(0.5を乗じて)調整した補正値を基準回転数N1に加算して、第2送風パターンP2の1周期中の現在のステップでの室内ファン7の回転数(現在のステップでの室内ファン7の理想的な回転数)を求める(♯12)。又、第1送風パターンP1と同様に、制御部5は求めた現在のステップでの室内ファン7の回転数に、更に他の種類の風量補正を行って現在のステップでの室内ファン7の回転数を調整してもよい(♯12)。
補正値を調整する(例えば、1/2とする)ので、第2送風パターンP2での室内ファン7の回転数の振幅(第2上限値と第2下限値の幅)は第1送風パターンP1の回転数の振幅(第1上限値と第1下限値の幅)よりも小さくなる(具体的に、本説明では補正値を1/2として、振幅を1/2とする)。この点を、図10を用いて説明する。
図10では、実線で第1送風パターンP1での室内ファン7の回転数の推移を示し、破線で第2送風パターンP2での室内ファン7の回転数の推移を示す。
そして、図10に示すように、制御部5は第1送風パターンP1のとき、予め定められたファンの回転数の第1上限値と第1下限値の範囲で基本パターンP0に基づきファンの回転数を変化させる。そのため、制御部5は補正値を求め、第1送風パターンP1での各ステップでのファンの回転数を求める。又、制御部5は第2送風パターンP2のとき、第1送風パターンP1よりもファンの回転数の振幅を小さくした第2上限値と第2下限値間の範囲で基本パターンP0に基づきファンの回転数を変化させる。そのため、制御部5は第1送風パターンP1のときの現ステップの補正値(第2送風パターンでの現ステップに対応する第1送風パターンでの補正値)を求め、補正値を調整し、第2送風パターンP2での各ステップでのファンの回転数を求める。
そして、図10に示すように、第1送風パターンP1と第2送風パターンP2はいずれも基本パターンP0に基づくので、第2送風パターンP2は第1送風パターンP1(基本パターンP0)を振幅方向(回転数の大小方向)で縮小したパターンとなる。尚、本実施形態では、第1送風パターンP1と第2送風パターンP2の基準回転数N1は一致している。
そして、制御部5は室内ファンモーター7mを制御して、室内ファン7の回転数を♯112で求めた回転数とする(♯13)。
続いて、制御部5は第2送風パターンP2の1周期中の現在のステップが完了し、次のステップに移行したかの確認を続ける(♯14、♯14のNo→♯114)。例えば、制御部5内のCPU51や計時部52が時間を計時する。本実施形態では、第2送風パターンP2でも第1送風パターンP1と同様に、送風パターンの1周期は360に分割され、1ステップあたりの時間は50ms〜数百ms程度、より好ましくは、100ms程度とされる。制御部5のCPU51や計時部52は計時を行い、現在のステップの開始から1ステップ分の時間が計時されると、制御部5は次のステップに移行したと認識する。
次のステップに移行すると(♯14のYes)、制御部5は第2送風パターンP2の1周期中の最後のステップが終わり、次のパターン(第1送風パターンP1)での送風を開始すべきか否かを確認する(♯15)。
又、第1送風パターンP1の最後のステップが終わったので無ければ(♯15のNo)、フローは♯11に戻る。一方、第1送風パターンP1の最後のステップが終わったのであれば、第1送風パターンP1での送風が開始される(♯4に戻る)。
そして、使用者によるゆらぎモードでの送風停止の入力や、空気調和機1の電源OFFの入力など、ゆらぎモードでの送風を停止するときまで、フローは続けられる。
(ゆらぎモードに関する入力受付部4での設定)
次に、図3を用いて、第1送風パターンP1や第2送風パターンP2の1周期内の1ステップあたりの時間の設定について説明する。
本実施形態の空気調和機1では、入力受付部4は第1送風パターンP1及び第2送風パターンP2のゆらぎモードでの1周期内の1ステップあたりの時間を設定する入力を受け付け可能となっている。1周期内の1ステップあたりの時間を設定する手順は様々とすることができる。例えば、リズム風ボタンB6の長押し等の一定の入力がなされると、制御部5は空気調和機1を1ステップあたりの時間を設定する状態とする。例えば、リモートコントロール装置41内のカバー411内のいずれかのボタンや、温度設定ボタンB7や湿度設定ボタンB8に対する操作を1ステップあたりの時間を変更する入力として受け付ける。又、リモートコントロール装置41に1周期内の1ステップあたりの時間を設定するための専用のボタンを設けてもよい。
そして、ゆらぎモードで運転を行うとき、制御部5は室内ファンモーター7mを制御して、設定された1ステップあたりの時間ごとに室内ファン7の回転数を変化させて送風を行わせる。
又、本実施形態の入力受付部4は空気調和機1を運転させる時間や時間帯を設定する入力を受け付ける。制御部5は入力受付部4で設定された時間や時間帯に室内部2からの送風を行わせる。尚、計時部52が時間(現在日時)を計時する。又、計時部52とは別にRTC(リアル・タイム・クロック)の回路を設けてもよい。
そして、図4に示すように、空気調和機1を運転する時間や時間帯を設定するための各種のボタンがリモートコントロール装置41内のカバー411内に配される。例えば、運転を開始する時間を設定するための入タイマーボタンB9、運転を停止する時間を設定するための切タイマーボタンB10、設定する時間を進めるためのすすむボタンB11(設定する時間は表示部22に表示される)、設定する時間を戻すための戻るボタンB12(設定する時間は表示部22に表示される)、毎日や毎週、一定の時間帯で空気調和機1を運転させる予約設定を行うための予約ボタンB13Bなどが設けられる。
ここで、ゆらぎモードでは室内ファン7の回転数を変化させるので、室内ファン7や室内ファンモーター7mの駆動音の音量が変化する。一方、早朝の時間帯(例えば、午前4時〜午前8時ぐらいまでの間)、ゆらぎモードでは室内ファン7や室内ファンモーター7mの駆動音の音量が変化し、使用者を刺激して起こしてしまう可能性がある。
そこで、制御部5は予め定められた早朝時間帯(例えば、午前4時〜午前8時ぐらいまでの間、入力受付部4で設定可能とすればよい)のとき、ゆらぎモードの運転が設定されていても、室内ファンモーター7mを動作させず、室内ファン7に送風を行わせない。これにより、使用者の睡眠を妨げることを避けることができる。
このようにして、本実施形態の空気調和機1はモーターにより回転し、吹出口21から空気を送出する室内ファン7(ファン)と、1/fゆらぎで室内ファン7の送風量がゆらぐように室内ファン7の回転数のゆらぎの基本パターンP0を示すゆらぎデータD0を記憶する記憶部6と、予め定められた室内ファン7の回転数の第1上限値と第1下限値の範囲で基本パターンP0に基づき室内ファン7の回転数を変化させる第1送風パターンP1での1周期内の各ステップでの室内ファン7の回転数を求めるとともに、第1送風パターンP1よりも室内ファン7の回転数の振幅を小さくした第2上限値と第2下限値間の範囲で基本パターンP0に基づき室内ファン7の回転数を変化させる第2送風パターンP2での1周期内の各ステップでの室内ファン7の回転数を求める制御部5(演算部)と、ゆらぎモードで運転することを受け付ける入力受付部4と、を含み、ゆらぎモードで運転するとき、室内ファン7は制御部5が求めた回転数に基づき回転数を変化させ、制御部5は第1送風パターンP1と第1送風パターンP1の送風の間に第2送風パターンP2が入るように各ステップでの室内ファン7の回転数を求める。
これにより、1つの基本パターンP0のデータを記憶するだけで1/fゆらぎに基づいて送風量(室内ファン7(ファン)の回転数)を変化させることができる。従って、1/fゆらぎに基づき送風量を変化させるうえで大容量のメモリーは必要無い。又、1/fゆらぎに基づき室内ファン7の回転数を変化させるには、基本パターンP0のデータに基づき、回転数の上限と下限の範囲で基本パターンP0に応じて(基本パターンP0内の各ステップでの強度の相対的な比率に応じて)第1送風パターンP1と第2送風パターンP2の各ステップでの室内ファン7の回転数を求めればすむ。従って、1/fゆらぎに基づき送風量(室内ファン7の回転数)を変化させるうえで、計測結果を処理する演算や積分演算などの過剰な演算負荷は生じない。又、第2送風パターンP2の送風量の変動幅(上限値と下限値の振幅)は第1送風パターンP1よりも抑えられているので、第1送風パターンP1と第2送風パターンP2の間での切り替わり前後での送風量の変化が抑えられる。従って、急すぎる送風量の変化が無くなり、室内ファン7(室内ファン7を回転させる室内ファンモーター7m)の回転数を送風量変化にあわせて変化させやすくなり、不自然な送風になることや、実際の送風量と理想の送風量との間な大きなずれが生ずることや、騒音が大きくなることがなくなる。
また、ゆらぎモードで送風を行うときの室内ファン7(ファン)の回転数の基準となる基準回転数N1が予め定められ、記憶部6は1/fゆらぎの基本パターンP0に対応した1周期内の各ステップでの送風の強度を示す値を格納したデータテーブルをゆらぎデータD0として記憶し、演算部(制御部5)は第1送風パターンP1で送風を行うとき、ゆらぎデータD0に基づき、現ステップでの理想的な回転数と基準回転数N1との差を補正値として求め、基準回転数N1と補正値を加算して各ステップでの室内ファン7の回転数を求め、第2送風パターンP2で送風を行うとき、現在のステップに対応する(現在のステップと同じ)第1送風パターンP1でのステップの補正値を、第1送風パターンP1での回転数の振幅に対する第2送風パターンP2での回転数の振幅の比率に応じて調整し、調整した補正値と基準回転数N1を加算して第2送風パターンP2での各ステップでの室内ファン7の回転数を求める。これにより、第1送風パターンP1と同様の演算に簡易な演算を追加するだけで第2送風パターンP2の各ステップでの室内ファン7の回転数を求めることができる。又、第1送風パターンP1と第2送風パターンP2での送風を行ううえで、基本パターンP0を示すデータは1つで済み、ゆらぎデータD0の容量は抑えられる。
また、室内ファン7(ファン)の回転開始や室内ファン7の回転に関する設定が切り替わってから、直ちに、1/fゆらぎに基づき室内ファン7の回転数を変化させると、室内ファン7の回転数が不安定となることや、室内ファン7の回転数が理想的な回転数からのずれが大きくなる場合がある。そこで、ゆらぎモードの開始から予め定められた安定時間までの間、室内ファン7は予め定められた一定回転数となるように回転し、安定時間の経過後、第1送風パターンP1と第2送風パターンP2での送風を行う。これにより、1/fゆらぎに基づき送風量を変化させた当初から、確実に送風量(室内ファン7の回転数)を理想的に変化させることができる。
また、ゆらぎモードで運転するとき、室内ファン7(ファン)の回転数の上限値は予め定められた騒音レベルを下回るように定められる。これにより、ゆらぎモードでの運転時、室内ファン7の回転数(モーターの回転数)を常時変化させても、騒音を一定レベル以下に抑えることができる。
また、入力受付部4は第1送風パターンP1及び第2送風パターンP2のゆらぎモードでの1周期内の1ステップあたりの時間を設定する入力を受け付け、ゆらぎモードで運転を行うとき、設定された1ステップあたりの時間ごとに回転数を変化させて送風を行う。これにより、使用者は風量の変化のリズムを設定できる。従って、1/fゆらぎに基づく送風の変化のリズムを使用者の好みに合わせることができ、空気調和機1の使いやすさや快適さを向上させることができる。
また、基本パターンP0は振幅が周波数に反比例する複数の正弦波を合成した波形、又は、室内ファン7(ファン)の回転数が周波数に反比例する複数の余弦波を合成した波形である。これにより、自然の風に近いように、送風を行うことができる。
また、吹出口21から吹き出される空気の熱交換を行うための室内熱交換器25(熱交換器)や室外熱交換器34(熱交換器)を含み、ゆらぎモードで運転するとき、室内熱交換器25や室外熱交換器34は熱交換を行わない。これにより、空気調和機1での消費電力を抑えることができる。又、扇風機並の消費電力で1/fゆらぎに基づき、扇風機よりも自然に近い送風を使用者に向けて行うことができる。
また、ゆらぎモードでは、送風量(室内ファン7の回転数)を周期的に変化させるので、室内ファン7(ファン)や室内ファン7を回転させる室内ファンモーター7m(モーター)などの動作音が変化する。そこで、予め定められた早朝時間帯のとき、室内ファン7はゆらぎモードでは送風を行わないが、早朝では、ゆらぎモードで運転しないので、空気調和機1の動作音の変化によって使用者の眠りを妨げることがない。
(第2の実施形態)
次に、図11を用いて、本発明の第2の実施形態に係る空気調和機1を説明する。図11は第2の実施形態でのゆらぎモードでの送風の強度レベルに応じた室内ファン7の回転数のゆらぎの一例を示す説明図である。
第2の実施形態の空気調和機1はゆらぎモードのときの送風の強度を切り替えることができる点で第1の実施形態と異なるが、ハードウェア自体やゆらぎモードでの送風の処理の流れは同様でよい。そこで、第1の実施形態と共通する部分は、援用するものとして、特に説明する場合を除き、説明、図示を省略する。
通常、空気調和機1では、送風の強度(風速、送風量の強さ)を設定できるようになっている。例えば、図4に示すように、空気調和機1のリモートコントロール装置41内のカバー411内に風量キーB14が設けられ、風量キーB14を押すことで送風の強度を切り替えることができる。例えば、本実施形態の空気調和機1では、風量キーB14をおすことで、送風の強度レベルを微、弱、強の中から選ぶことができる。
そして、本実施形態ではリモートコントロール装置41などの入力受付部4は複数段階で用意されたゆらぎモードでの送風の強度レベル(微、弱、強)のなかから1つを選択する入力を受け付ける。言い換えると、ゆらぎモードでも送風の強度を設定できる。
ここで、使用者が送風の強度レベル「強」を設定するということは、使用者は室内ファン7による送風量が多い状態での運転を望んでいることである。言い換えると、使用者はある程度強いレベルの送風(一定以上の送風量)を求めている。
しかし、ゆらぎモードでは1/fゆらぎに基づき、室内ファン7の回転数を変化(増減)させる。そして、回転数の下限値が小さいと、送風が殆どない、又は、弱すぎると使用者に不快感を抱かせる可能性がある。
そこで、制御部5は送風の強度レベルが高いほど、第1送風パターンP1でのファン回転数の下限値が大きくなるように、各ステップでのファンの回転数を求める。
これにより、送風の強度レベルが高くなるほど、ゆらぎモードでのファンの回転数の下限値の底上げが行われる。そのため、送風の強度レベルが高くなるほど、最も回転数が下がったときの室内ファン7の回転数は上積みされ、一定以上の送風量を確保することができる。
次に、図11を用いて、ゆらぎモードでの送風の強度レベルに応じた室内ファン7の回転数の変化について説明する。
まず、図11では、強度レベル「強」のときの第1送風パターンP1での1周期における室内ファン7の回転数変化の推移を実線で示し、強度レベル「弱」のときの第1送風パターンP1での1周期における室内ファン7の回転数変化の推移を破線で示し、強度レベル「微」のときの第1送風パターンP1での1周期における室内ファン7の回転数変化の推移を2点鎖線で示している。又、図11の例では、室内ファン7の回転数の上限値と下限値の振幅はいずれの強度レベルでも同じとしている。
そして、制御部5は送風の強度レベルが高いほど、第1送風パターンP1での室内ファン7の回転数の下限値が大きくなるように、各ステップでの室内ファン7の回転数を求める。これにより、ゆらぎモードでは、送風の強度レベル「強」が設定された場合でも、室内ファン7の回転数の下限値は底上げされ、一定以上の送風量が確保される。
尚、図11では、第1送風パターンP1の各強度レベルでの1周期における第1送風パターンP0での室内ファン7の回転数変化の推移を示しているが、各強度レベルで第1送風パターンP1と第1送風パターンP1での送風の間に、第2送風パターンP2での送風が入れられる点は第1の実施形態と同様である。
ここで、図11に示すように、各強度レベルでの室内ファン7の回転数の上限値と下限値の振幅はいずれの強度レベルでも同じとするのであれば、強度レベルに応じて(強度レベルが高いほど基準回転数N1を上げるようにして)、基準回転数N1を変えるだけで、各強度レベルでの演算の手法はほぼ同じである。又、各強度レベルでの基準回転数N1を示すデータを記憶部6に記憶させておいてもよい。
尚、第1送風パターンP1で各強度レベルでの室内ファン7の回転数の上限値と下限値の振幅は変えてもよい。この場合、強度レベルが高いほど基準回転数N1を上げるようにして、レベルごとに基準回転数N1を変えてもよいし、強度レベルが高いほど室内ファン7の回転数の上限値と下限値の振幅を大きくしてもよいし、小さくしてもよい。この場合、制御部5は求めた補正値に対し、振幅を調整するために係数を乗じて補正した補正値と基準回転数N1を加える演算を行うことで、強度レベルに応じて振幅を変えることができる。
但し、各強度レベルでの室内ファン7の回転数の上限値と下限値の振幅は変えるときでも、制御部5は室内ファン7の回転数の上限値は予め定められた騒音レベルを下回る騒音レベル以下となるように定める。又、制御部5は送風の強度レベルが高いほど、第1送風パターンP1での室内ファン7の回転数の下限値が大きくなるように、各ステップでの室内ファン7の回転数を求める。
このようにして、第2の実施形態では、ゆらぎモードのときの送風の強度を切り替え入力を入力受付部4が受け付ける。しかし、高い強度レベル(例えば、強、弱、微)での送風を設定しているとき、使用者はある程度大きな風量を求めている場合が多い。そのため、1/fゆらぎに基づき室内ファン7(ファン)の回転数が下がったとき、送風量が小さくなり、送風量が少ないと使用者に感じさせてしまう可能性がある。そこで、入力受付部4は複数段階で用意されたゆらぎモードでの送風の強度レベルのなかから1つを選択する入力を受け付け、制御部5(演算部)は送風の強度レベルが高いほど、第1送風パターンP1での室内ファン7の回転数の下限値が大きくなるように、各ステップでの室内ファン7の回転数を求める。これにより、送風の強度レベルが高いときには、室内ファン7の回転数が下がったときでも一定の送風量が確保され、送風量が少ないと使用者に感じさせないようにすることができる。
次に、他の実施形態を説明する。上記の実施形態では、1/fゆらぎの基本パターンP0に対応した1周期内の各ステップでの送風の強度を示す値を格納したデータテーブルD1について説明した。そして、データテーブルD1は1周期分のそれぞれのステップ(360ステップ分)の送風の強度を示す値を格納している例を説明した。しかし、図4、図5などに示すように、正弦波(余弦波)を合成して得られた基本パターンP0は半周期ごとに見ると、左右対称(点対称)である。そこで、データテーブルD1に基本パターンP0の半周期分の各ステップの送風の強度を示す値を格納し、1番目ステップから最後のステップまで到ると、値の符号を反転させつつ最後のステップから1番目のステップに向けて戻り、1番目ステップまで到ると、値の符号を元に戻し1番目のステップから最後のステップに向けて戻るというように、ステップのカウントアップとステップのカウントダウンを繰り返し、制御部5(演算部)は室内ファン7の各ステップでの回転数を求めてもよい。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。