JP2014066156A - 故障診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料噴射弁に故障が生じた場合に、その旨を迅速に診断できるようにする。
【解決手段】サブ演算装置は、噴射状態を表した状態値を算出する噴射状態算出手段と、次々と算出される状態値を一時的に記憶して送信する送信バッファ手段とを有する。メイン演算装置は、状態値を一時的に記憶して受信する受信バッファ手段と、指令状態値と受信状態値との比較に基づき燃料噴射弁の故障有無を診断する故障診断手段とを有する。故障診断手段は、受信状態値と指令状態値との差分に基づき異常状態と判定した回数をカウントするカウント手段S13〜S16を有し、そのカウント数が所定回数に達した場合に燃料噴射弁が故障していると判定する。前記カウント手段は、状態値のデータ数がバッファの記憶容量を超えて多くなったオーバーフロー状態である場合に、カウントアップさせる数を上昇させる上昇手段S15を有する。
【選択図】図3
【解決手段】サブ演算装置は、噴射状態を表した状態値を算出する噴射状態算出手段と、次々と算出される状態値を一時的に記憶して送信する送信バッファ手段とを有する。メイン演算装置は、状態値を一時的に記憶して受信する受信バッファ手段と、指令状態値と受信状態値との比較に基づき燃料噴射弁の故障有無を診断する故障診断手段とを有する。故障診断手段は、受信状態値と指令状態値との差分に基づき異常状態と判定した回数をカウントするカウント手段S13〜S16を有し、そのカウント数が所定回数に達した場合に燃料噴射弁が故障していると判定する。前記カウント手段は、状態値のデータ数がバッファの記憶容量を超えて多くなったオーバーフロー状態である場合に、カウントアップさせる数を上昇させる上昇手段S15を有する。
【選択図】図3
Description
本発明は、燃料噴射弁の故障診断装置に関する。
近年、燃料圧力(燃圧)を検出する燃圧センサを燃料噴射弁に搭載し、噴射に伴い生じる燃圧の変化を検出することで、噴射開始時期、噴射終了時期、噴射量等の状態値を検出可能にした噴射状態検出システムが開発されてきている(特許文献1参照)。
このシステムによれば、燃料噴射弁に対して指令した噴射状態である指令状態値と、前記システムにより検出した状態値との比較に基づき、燃料噴射弁の故障有無を診断できるようになる。
上記故障には、噴孔詰まり、開弁速度や閉弁速度の低下、開弁不可、閉弁不可等が挙げられる。特に閉弁不可の故障時には、内燃機関の出力が増大して各種部品の故障を誘発する原因になるので、迅速に故障を検知してフェールセーフ制御を実施することが求められる。
本発明は、上記点を鑑みてなされたもので、その目的は、燃料噴射弁に故障が生じた場合に、その旨を迅速に診断できるようにした故障診断装置を提供することにある。
開示された発明は上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、開示された発明の技術的範囲を限定するものではない。
開示された発明のひとつは、内燃機関の燃焼に用いる燃料を噴射する燃料噴射弁に搭載され、燃料噴射に伴い生じる燃料の圧力変化を検出する燃圧センサと、検出した圧力変化に基づき、噴射状態を表した状態値を算出する噴射状態算出手段と、を備えた噴射状態検出システムに適用されることを前提とする。
そして、前記噴射状態算出手段を有するとともに、前記噴射状態算出手段により次々と算出される状態値を一時的に記憶して送信する送信バッファ手段を有するサブ演算装置と、前記送信バッファ手段から送信される状態値を一時的に記憶して受信する受信バッファ手段を有するとともに、前記燃料噴射弁へ指令した噴射状態である指令状態値と前記受信バッファ手段で受信した受信状態値との比較に基づき、前記燃料噴射弁の故障有無を診断する故障診断手段を有するメイン演算装置と、を備える。
さらに、前記故障診断手段は、前記受信状態値と前記指令状態値との差分が閾値以上となる異常状態に陥る毎に、基本回数ずつカウントアップさせるカウント手段と、前記カウント手段によるカウント数が所定回数に達した場合に、前記燃料噴射弁が故障していると判定する故障判定手段と、前記噴射状態算出手段で算出した状態値のデータ数が、前記送信バッファ手段または前記受信バッファ手段の記憶容量を超えて多くなったオーバーフロー状態であるか否かを判定するオーバーフロー判定手段と、を有し、前記カウント手段は、前記オーバーフロー判定手段により前記オーバーフロー状態と肯定判定されている場合には、否定判定されている場合に比べて、前記基本回数を上昇させる上昇手段を有することを特徴とする。
ところで、検出した圧力変化に基づき状態値を算出する噴射状態算出手段による算出処理は、極めて高速で実行することが要求される。そこで本発明者らは、噴射状態算出手段を有したサブ演算装置(例えば図1に示すサブマイコン31)を、故障診断手段を有したメイン演算装置(例えば図1に示すメインマイコン32)とは別に備えることを検討した。
この場合、次々と算出される状態値を一時的に記憶して送信する送信バッファ手段をサブ演算装置に設けるとともに、送信バッファ手段から送信される状態値を一時的に記憶して受信する受信バッファ手段をメイン演算装置に設けることを要する。そして、メイン演算装置で受信した状態値と指令状態値との差分が閾値以上となる異常状態に陥る毎に基本回数ずつカウントアップさせ、そのカウント数が所定回数に達した場合に燃料噴射弁が故障していると判定することを本発明者らは検討した。
しかしながら、内燃機関の回転速度が速くなってくると燃焼サイクル周期が短くなり、所定時間あたりに算出される状態値のデータ数が多くなる。すると、送信バッファ手段または受信バッファ手段の記憶容量を超えてデータ数が多くなるオーバーフロー状態に陥る場合がある。そして、オーバーフロー状態に陥ると、カウントの上昇速度が遅くなり、カウント数が所定回数に達する時期が遅くなる。つまり、故障と判定される時期が遅くなる問題が生じる。
この問題に対し上記発明によれば、オーバーフロー状態と肯定判定されている場合には、否定判定されている場合に比べて基本回数が上昇される。そのため、オーバーフロー状態に陥っている時のカウント上昇速度が遅くなることが抑制される。よって、故障と判定される時期が遅くなることを抑制でき、迅速に故障診断できるようになる。
以下、本発明の一実施形態に係る故障診断装置について、図面に基づいて説明する。
図1は、内燃機関の各気筒に搭載された燃料噴射弁10、燃料噴射弁10に搭載された燃圧センサ20、及び車両に搭載された電子制御ユニット(ECU30)等を示す模式図である。前記内燃機関には、複数の気筒#1〜#4について高圧燃料を噴射して圧縮自着火燃焼させるディーゼルエンジンを想定している。なお、燃料タンク40内の燃料は、高圧ポンプ41により吸入され、コモンレール42に圧送される。そしてコモンレール42で蓄圧された燃料は、各気筒の燃料噴射弁10へ分配供給される。
燃料噴射弁10は、以下に説明するボデー11、ニードル12及びアクチュエータ13等を備えて構成されている。ボデー11は、内部に高圧通路11aを形成するとともに、燃料を噴射する噴孔11bを形成する。ニードル12は、ボデー11内に収容されて噴孔11bを開閉する。アクチュエータ13は、ニードル12を開閉作動させる。
そして、ECU30がアクチュエータ13の駆動を制御することで、ニードル12の開閉作動が制御される。これにより、コモンレール42から高圧通路11aへ供給された高圧燃料は、ニードル12の開閉作動に応じて噴孔11bから噴射される。例えばECU30は、内燃機関の回転速度および機関負荷等に基づき、噴射開始時期、噴射終了時期及び噴射量等の噴射状態の値(指令状態値)を算出し、算出した噴射状態となるよう、噴射指令信号を燃料噴射弁20へ出力してアクチュエータ13の駆動を制御する。
次に、燃圧センサ20のハード構成について説明する。
燃圧センサ20は、以下に説明するステム21(起歪体)、センサ素子22、モールドIC24等を備えて構成されている。ステム21はボデー11に取り付けられており、ステム21に形成されたダイヤフラム部21aが高圧通路11aを流通する高圧燃料の圧力を受けて弾性変形する。
センサ素子22は、ダイヤフラム部21aに取り付けられた感圧抵抗素子を含むブリッジ回路を有して構成され、ステム21の歪量つまり高圧燃料の圧力(燃圧)に応じて感圧抵抗素子の抵抗値が変化することで、そのブリッジ回路は燃圧に応じた燃圧検出信号を出力する。この燃圧検出信号は、モールドIC24が有する増幅回路25により増幅される。
ボデー11上部にはコネクタ14が設けられており、コネクタ14に接続される出力ハーネス15を通じて、モールドIC24から出力された燃圧検出信号はECU30へ入力される。なお、燃圧センサ20は、各気筒の燃料噴射弁10の各々に搭載されており、各燃圧センサ20の燃圧検出信号がECU30へ入力される。また、コネクタ14に接続される入力ハーネス16を通じて、ECU30から出力された噴射指令信号はアクチュエータ13へ入力される。
ECU30は、CPU(中央演算処理)、ROM(不揮発性メモリ)およびRAM(揮発性メモリ)等を有して構成されたマイコン(マイクロコンピュータ)を複数備えている。これらのマイコンのうち、噴射指令信号を生成して出力するマイコンがメイン演算装置(メインマイコン32)に相当し、燃圧検出信号に基づき実際の噴射状態(実状態値)を演算するマイコンがサブ演算装置(サブマイコン31)に相当する。
次に、噴孔11bからの燃料の噴射開始時期、噴射終了時期および噴射量を実状態値とした場合において、実状態値の算出手法について図2を用いて説明する。
図2(a)は、メインマイコン32から出力される噴射指令信号を示しており、この指令信号のパルスオンによりアクチュエータ13が作動して噴孔11bが開弁する。つまり、噴射指令信号のパルスオン時期t10により噴射開始が指令され、パルスオフ時期t20により噴射終了が指令される。よって、指令信号のパルスオン期間Tq(噴射指令期間)により噴孔11bの開弁時間を制御することで、噴射量Qを制御している。
図2(b)は、上記噴射指令に伴い生じる噴孔11bからの燃料噴射率の変化を示し、図2(c)は、噴射率の変化に伴い生じる検出圧力(燃圧検出信号)の変化を示す。検出圧力の変動と噴射率の変化とは以下に説明する相関があるため、検出圧力の変動波形から噴射率の推移波形を推定することができる。
すなわち、先ず、図2(a)に示すように噴射開始指令がなされたt10時点の後、噴射率がR1の時点で上昇を開始して噴射が開始される。一方、検出圧力は、R1の時点で噴射率が上昇を開始したことに伴い変化点P1にて下降を開始する。その後、R2の時点で噴射率が最大噴射率に到達したことに伴い、検出圧力の下降は変化点P2にて停止する。次に、R2の時点で噴射率が下降を開始したことに伴い、検出圧力は変化点P2にて上昇を開始する。その後、R3の時点で噴射率がゼロになり実際の噴射が終了したことに伴い、検出圧力の上昇は変化点P3にて停止する。
以上により、検出圧力の変動のうち変化点P1及びP3を検出することで、これらと相関のある噴射率の上昇開始時点R1(実噴射開始時期)及び下降終了時点R3(実噴射終了時期)を算出することができる。また、検出圧力の変動から圧力下降率Pα、圧力上昇率Pγ及び圧力下降量Pβを検出することで、これらと相関のある噴射率上昇率Rα、噴射率下降率Rγ及び噴射率上昇量Rβを算出することができる。
さらに、実噴射開始から終了までの噴射率の積分値(斜線を付した符号Sに示す部分の面積)は噴射量Qに相当する。そして、検出圧力の変動波形のうち実噴射開始から終了までの噴射率変化に対応する部分(変化点P1〜P3の部分)の圧力の積分値と、噴射率の積分値Sとは相関がある。よって、検出圧力の変動から圧力積分値を算出することで、噴射量Qに相当する噴射率積分値Sを算出することができる。
要するに、サブマイコン31は、燃圧検出信号に基づき実噴射開始時期を演算する手段(図示せず)と、燃圧検出信号に基づき実噴射終了時期を演算する手段(図示せず)と、燃圧検出信号に基づき噴射量を演算する実噴射量演算手段31a(噴射状態算出手段)と、を有していると言える。さらにサブマイコン31は、これらの手段31aにより演算された状態値を一時的に記憶して送信する送信バッファ31b(送信バッファ手段)を有する。
送信バッファ31bには、各々の演算手段31aで状態値が演算される毎に状態値のデータが入力される。したがって、所定時間あたりの噴射回数が多いほど、所定時間に入力されてくるデータ数は多くなる。具体的には、内燃機関の回転速度が速いほど、また、多段噴射に係る段数が多いほど、送信バッファ31bへ入力されてくる状態値のデータ数は増大する。その一方で、送信バッファ31bは、予め設定された時間周期(例えば10msec)で、所定量のデータをメインマイコン32へ送信する。
メインマイコン32は、送信バッファ31bから送信されてくる状態値のデータを一時的に記憶して受信する受信バッファ32a(受信バッファ手段)を有する。さらにメインマイコン32は、受信した状態値(受信状態値)を参酌して噴射指令信号を設定する制御手段32dと、噴射指令信号により指令される噴射状態(指令状態値)と受信状態値との比較に基づき燃料噴射弁10の故障有無を診断する故障診断手段32bと、を有する。
また、メインマイコン32は、内燃機関の制御や各種の故障診断を全般的に実施している。例えば、排気の一部を吸気へ還流させるEGRガスの流量を制御するEGRバルブ制御手段32eや、排気中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサ32cの故障有無を診断するO2センサ故障診断手段32c等を有する。
次に、制御手段32dによる噴射指令信号の設定手法について説明する。
制御手段32dは、内燃機関の回転速度及び機関負荷等に基づき、噴射開始時期、噴射終了時期および噴射量の目標値を設定するとともに、多段噴射の段数を設定する。制御手段32dは、前記目標値に対するパルスオン時期t10およびパルスオン期間Tqの最適値がマップの状態で記憶している。換言すれば、パルスオン時期t10に対する実噴射開始時期の遅れ(噴射開始遅れ時間)を表した適合値と、パルスオン期間Tqに対する実噴射期間のずれを表した適合値とが、マップに記憶されている。制御手段32dは、指令状態値と受信状態値との差分に基づき、マップに記憶されている適合値を補正して学習する。
故障診断手段32bは、指令状態値と受信状態値との差分が閾値以上である場合には、異常状態であると見なし、異常カウンタの値を上昇させる。そして、異常カウンタの値が所定回数に達した場合に、燃料噴射弁10が故障していると判定する。この場合、内燃機関の出力を制限したり、故障の旨をユーザへ報知したりする等のフェールセーフ制御を実施する。
図3は、メインマイコン32が燃料噴射弁10の故障を診断する処理の手順を示すフローチャートであり、当該処理は、例えばメインマイコン32が有するCPUの演算周期等、所定周期で繰り返し実行される。
先ず、図3のステップS10において、サブマイコン31の送信バッファ31bから送信されてくる実噴射量(状態値)を受信バッファ32aで受信して取得する。続くステップS11では、パルスオン期間Tqに相当する指令噴射量と、受信した実噴射量との差分が所定値以上である異常状態であるか否かを判定する。
続くステップS12(オーバーフロー判定手段)では、所定時間あたりに算出される状態値のデータ数が多いことに起因して、送信バッファ31bがオーバーフロー状態になっているか否かを判定する。例えば、内燃機関の回転速度に基づきオーバーフロー状態を判定すればよい。具体的には、前記回転速度が所定値以上であればオーバーフロー状態に陥っていると判定する。或いは、指令した噴射段数および前記回転速度に基づきオーバーフロー状態を判定すればよい。具体的には、指令した噴射段数および前記回転速度に基づき、所定時間あたりの噴射回数を算出し、その噴射回数が所定値以上であればオーバーフロー状態に陥っていると判定する。
オーバーフロー状態でないと否定判定されれば(S12:NO)、続くステップS13において、異常カウンタの上昇量を基本故障回数上昇量(基本回数)に設定する。一方、オーバーフロー状態であると肯定判定されれば(S12:YES)、続くステップS14(上昇量設定手段)において、内燃機関の回転速度NEおよび噴射段数に基づき、故障回数上昇係数Kを算出する。つまり、オーバーフロー量が多いほど故障回数上昇係数Kを大きい値に設定する。
例えば、K=総データ量/通信データ量と定義し、総データ量=NE×段数×通信周期×気筒数/2と定義して算出する。「総データ量」とは、サブマイコン31で所定時間に演算される噴射量のデータ数のことであり、「通信データ量」とは受信バッファ32aが所定時間に受信したデータ数のことである。したがって、例えば送信バッファ31bから受信バッファ32aへの通信周期=10ms、NE=5000/60000、噴射段数=1、気筒数6の場合には、K=1.25となる。
続くステップS15(上昇手段)では、ステップS14で算出した故障回数上昇係数Kに、基本故障回数上昇量を乗算して得られた値を、異常カウンタの上昇量として設定する。したがって、上記例の場合にはK=1.25、基本故障回数上昇量=1であるため、上昇量=1.25となる。
続くステップS16では、ステップS13またはS15で設定した上昇量を、異常カウンタの前回値に加算して、異常カウンタの値を更新する。なお、上述したステップS13、S14、S15、S16の処理が「カウント手段」に相当する。
続くステップS17(故障判定手段)では、更新した異常カウンタの値が所定回数に達したか否かを判定する。所定回数に達したと判定されれば(S17:YES)、次のステップS18に進み、燃料噴射弁10が故障していると確定する。そして、燃料噴射弁10からの燃料噴射を停止させる、噴射量を所定量未満に制限する、異常を報知する等のフェールセーフ制御を実施する。
図4は、図3の故障診断処理を実施した場合における、異常カウンタの推移を示す一態様である。(b)中の点線に示すように、t1時点で指令噴射量を増大させたことに伴い、(a)に示すt2時点で機関回転速度(所謂エンジン回転数)は上昇し始めている。したがって、サブマイコン31が算出する実噴射量のデータ数増大の傾きは、t2時点から大きくなっている。
但し、噴孔11bがデポジットで詰まっている等の原因で、指令噴射量の増大量に比べて実噴射量の増大量が少なくなっている((b)中の実線参照)。そのため、(d)に示すt3時点で、指令噴射量と実噴射量との差分が所定値以上になり、異常カウンタの値が上昇開始している。その後、(c)に示すt4時点で、算出した噴射量のデータ数が送信バッファ31bの記憶容量を超えたデータ溢れが発生している。つまり、t4時点以降では、オーバーフロー状態に陥っている。
(d)中の点線は、オーバーフローが無かった場合のカウンタ値の推移を示し、(d)中の実線は、オーバーフローが有った場合のカウンタ値の推移を示す。図示されるように、オーバーフロー有りの場合には、1回の異常判定で上昇させるカウンタ値の上昇量は、オーバーフローが無い場合に比べて大きくなっている。そのため、オーバーフロー有る場合であっても、オーバーフローが無い場合と同様の傾きでカウンタ値が上昇していく。したがって、(e)に示すt6時点でカウンタ値が故障確定閾値(所定回数)に達して故障確定と診断されており、オーバーフローが無い場合の故障確定診断時期(t5時点)からの診断の遅れが抑制されている。
これに対し図5は、図3の故障診断処理を実施しなかった場合における、異常カウンタの推移を示す一態様である。この場合には、データ溢れが発生したt4時点以降、1回の異常判定で上昇させるカウンタ値の上昇量は、オーバーフローが無い場合と同じであるため、カウンタ値の上昇傾きが緩やかになっている。したがって、(e)に示すt7時点で故障と診断されており、オーバーフローが無い場合の故障確定診断時期(t5時点)からの診断の遅れが大きくなっている。
このように、本実施形態によれば、オーバーフロー状態時には、異常状態に1回陥ったことに伴いカウントアップさせる数が上昇される。そのため、オーバーフロー状態に陥っている時のカウント上昇速度が遅くなることが抑制されるので、故障と診断される時期が遅くなることを抑制でき、迅速に故障診断できるようになる。
また、上述した噴射状態検出システムでは、図2(c)に例示される燃圧波形を取得し、取得した燃圧波形の各変曲点P1、P2、P3を演算して図2(b)に例示される噴射率波形を演算し、この噴射率波形から実噴射量等の実状態値を演算することを要する。そして、この演算処理は噴射毎に実行されるため、極めて高速で実行することが要求される。この点を鑑みた本実施形態によれば、実状態値を演算するサブマイコン31を、燃料噴射弁10の制御その他の各種エンジン制御を実施するメインマイコン32とは別に備えているので、実状態値の高速演算を実現可能にしている。
さらに、以下に列挙する特徴を備えた本実施形態によれば、各々の特徴により以下に説明する作用効果が発揮される。
<特徴1>
カウント手段S13、S14、S15、S16は、オーバーフロー量に応じてカウントアップの上昇量を可変設定する上昇量設定手段S14を有することを特徴とする。
カウント手段S13、S14、S15、S16は、オーバーフロー量に応じてカウントアップの上昇量を可変設定する上昇量設定手段S14を有することを特徴とする。
ここで、送信バッファ31bおよび受信バッファ32aの記憶容量を十分に大きくしてオーバーフローが生じないようにした場合におけるカウント値を「真値」と呼び、上記特徴による作用効果を以下に説明する。上記特徴によれば、オーバーフロー量に応じてカウントアップの上昇量を可変設定するので、オーバーフロー量が多い場合には上昇量を大きく設定し、オーバーフロー量が少ない場合には上昇量を小さく設定するようにできる。よって、オーバーフローが生じた場合のカウント値(図4(d)の実線に示す値)を、高精度で真値(図4(d)の点線に示す値)に近づけることができる。よって、誤断診を抑制しつつも、迅速な故障診断を実現できる。
<特徴2>
上昇量設定手段S14は、内燃機関の回転速度に基づきオーバーフロー量を推定することを特徴とする。ここで、内燃機関の回転速度が速いほど、噴射状態算出手段31aによる状態値の算出処理頻度が高くなり、所定時間あたりに算出される状態値のデータ数が多くなる。この点を鑑みた上記特徴によれば、機関回転速度に基づきオーバーフロー量を推定するので、該推定を高精度かつ容易に実現できる。
上昇量設定手段S14は、内燃機関の回転速度に基づきオーバーフロー量を推定することを特徴とする。ここで、内燃機関の回転速度が速いほど、噴射状態算出手段31aによる状態値の算出処理頻度が高くなり、所定時間あたりに算出される状態値のデータ数が多くなる。この点を鑑みた上記特徴によれば、機関回転速度に基づきオーバーフロー量を推定するので、該推定を高精度かつ容易に実現できる。
<特徴3>
燃料噴射弁10は、指令噴射段数に基づき1燃焼サイクル中に複数回噴射する多段噴射が可能であり、上昇量設定手段S14は、指令噴射段数に基づきオーバーフロー量を推定することを特徴とする。
燃料噴射弁10は、指令噴射段数に基づき1燃焼サイクル中に複数回噴射する多段噴射が可能であり、上昇量設定手段S14は、指令噴射段数に基づきオーバーフロー量を推定することを特徴とする。
ここで、多段噴射を実施する場合には、各段に対する噴射の状態値を算出することとなる。つまり、多段噴射の段数が多い程、噴射状態算出手段31aによる状態値の算出処理頻度が高くなり、所定時間あたりに算出される状態値のデータ数が多くなる。この点を鑑みた上記特徴によれば、指令噴射段数に基づきオーバーフロー量を推定するので、該推定を高精度かつ容易に実現できる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、以下のように変更して実施してもよい。また、各実施形態の特徴的構成をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、以下のように変更して実施してもよい。また、各実施形態の特徴的構成をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
・上述した図3のステップS11では、実噴射量が指示噴射量に対して多い場合、少ない場合のいずれについても同一のカウンタでカウントしているが、実噴射量が多い場合と少ない場合とで別々のカウンタを設けてもよい。
・図3の処理では、実噴射量に基づき異常状態を判定しているが、実噴射開始時期に基づき異常状態を判定するようにしてもよい。また、実噴射量に基づく異常カウンタと実噴射開始時期に基づく異常カウンタとを別々に設けてもよいし、同一のカウンタでカウントしてもよい。
・オーバーフロー状態を検知した場合には、噴射開始時期よりも噴射量を優先して送信バッファ31bから送信させてもよいし、噴射量よりも噴射開始時期を優先して送信させてもよい。
・図1に示す上記実施形態では、送信バッファ31bから受信バッファ32aへは一定の送信周期で送信するため、オーバーフロー状態は送信バッファ31bで発生し、受信バッファ32aでは発生しないように構成されている。これに対し、受信バッファ32aでオーバーフロー状態が発生し得る構成であってもよい。
・内燃機関の出力が加速している最中等の過渡時には、サブマイコン31による実噴射量等の演算精度が低くなるので、ステップS11における異常状態有無の判定精度が悪くなる。そのため、ステップS14で故障回数上昇係数Kを算出するにあたり、過渡時には、非過渡時に比べて故障回数上昇係数Kを低くするように算出するようにしてもよい。
・図3のステップS14では、内燃機関の回転速度NEおよび噴射段数に基づき、故障回数上昇係数Kを算出しているが、噴射段数とは無関係に回転速度NEに基づき係数Kを算出してもよいし、回転速度NEとは無関係に噴射段数に基づき係数Kを算出してもよい。
10…燃料噴射弁、20…燃圧センサ、31…サブマイコン(サブ演算装置)、31a…実噴射量演算手段(噴射状態算出手段)、31b…送信バッファ(送信バッファ手段)、32…メインマイコン(メイン演算装置)、32a…受信バッファ(受信バッファ手段)、32b…故障診断手段、S12…オーバーフロー判定手段、S13、S16…カウント手段、S14…上昇量設定手段(カウント手段)、S15…上昇手段(カウント手段)、S17…故障判定手段。
Claims (4)
- 内燃機関の燃焼に用いる燃料を噴射する燃料噴射弁(10)に搭載され、燃料噴射に伴い生じる燃料の圧力変化を検出する燃圧センサ(20)と、
検出した圧力変化に基づき、噴射状態を表した状態値を算出する噴射状態算出手段(31a)と、
を備えた噴射状態検出システムに適用され、
前記噴射状態算出手段を有するとともに、前記噴射状態算出手段により次々と算出される状態値を一時的に記憶して送信する送信バッファ手段(31b)を有するサブ演算装置(31)と、
前記送信バッファ手段から送信される状態値を一時的に記憶して受信する受信バッファ手段(32a)を有するとともに、前記燃料噴射弁へ指令した噴射状態である指令状態値と前記受信バッファ手段で受信した受信状態値との比較に基づき、前記燃料噴射弁の故障有無を診断する故障診断手段(32b)を有するメイン演算装置(32)と、
を備え、
前記故障診断手段は、
前記受信状態値と前記指令状態値との差分が閾値以上となる異常状態に陥る毎に、基本回数ずつカウントアップさせるカウント手段(S13、S14、S15、S16)と、
前記カウント手段によるカウント数が所定回数に達した場合に、前記燃料噴射弁が故障していると判定する故障判定手段(S17)と、
前記噴射状態算出手段で算出した状態値のデータ数が、前記送信バッファ手段または前記受信バッファ手段の記憶容量を超えて多くなったオーバーフロー状態であるか否かを判定するオーバーフロー判定手段(S12)と、
を有し、
前記カウント手段は、前記オーバーフロー判定手段により前記オーバーフロー状態と肯定判定されている場合には、否定判定されている場合に比べて、前記基本回数を上昇させる上昇手段(S15)を有することを特徴とする故障診断装置。 - 前記カウント手段は、前記噴射状態算出手段で算出した状態値のデータ数が前記記憶容量を超えた量であるオーバーフロー量に応じて、前記基本回数を可変設定する上昇量設定手段(S14)を有することを特徴とする請求項1に記載の故障診断装置。
- 前記上昇量設定手段は、前記内燃機関の回転速度に基づき前記オーバーフロー量を推定することを特徴とする請求項1または2に記載の故障診断装置。
- 前記燃料噴射弁は、1燃焼サイクル中に複数回噴射する多段噴射が可能であり、
前記上昇量設定手段は、前記燃料噴射弁に対して指令した噴射段数に基づき前記オーバーフロー量を推定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の故障診断装置。
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