JP2014065958A - 成膜装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】膜厚センサーを用いて、基板上に薄膜を形成する成膜装置において、膜厚を高い精度で制御し、しかも、膜厚センサーの誤計測をなくして、安定した膜厚の薄膜を形成する成膜装置を提供する。
【解決手段】蒸着源7が移動する機構を備え、移動する蒸着源につれて移動する移動式膜厚センサー100mと、蒸着源の待機位置の近傍に固定された固定式膜厚センサー100fとで、基板に形成する膜厚を計測する成膜装置であって、移動式膜厚センサーは、例えば、複数の水晶振動子を有する水晶振動子式膜厚センサーである。そして、制御部は、移動式膜厚センサーと、固定式膜厚センサーの成膜速度を比較し、それぞれから測定される成膜速度の差が一定以上になるときに、移動式膜厚センサーの使用中の水晶振動子の寿命が来たものとして、移動式膜厚センサーにおいて測定する水晶振動子を切り換える。
【選択図】図8
【解決手段】蒸着源7が移動する機構を備え、移動する蒸着源につれて移動する移動式膜厚センサー100mと、蒸着源の待機位置の近傍に固定された固定式膜厚センサー100fとで、基板に形成する膜厚を計測する成膜装置であって、移動式膜厚センサーは、例えば、複数の水晶振動子を有する水晶振動子式膜厚センサーである。そして、制御部は、移動式膜厚センサーと、固定式膜厚センサーの成膜速度を比較し、それぞれから測定される成膜速度の差が一定以上になるときに、移動式膜厚センサーの使用中の水晶振動子の寿命が来たものとして、移動式膜厚センサーにおいて測定する水晶振動子を切り換える。
【選択図】図8
Description
本発明は、成膜装置に係り、真空蒸着法により、基板上に有機EL素子等の薄膜を形成する成膜装置であって、特に、膜厚センサーにより成膜する薄膜の膜厚を計測する場合に、膜厚を高い精度で制御可能であり、膜厚センサーの誤計測をなくして、安定して膜厚を形成するのに好適な成膜装置に関する。
有機ELデバイスなどを製造する有力な方法として真空蒸着法がある。真空蒸着法による成膜装置においては、坩堝に入った蒸着材料を加熱し蒸発(昇華)させ、ノズルから噴出した蒸着材料を有機EL素子の薄膜を形成するように表示基板などに蒸着させる。
このような成膜装置では、素子の特性を均一にするために基板上の薄膜の厚さを一定に保つことが重要であり、そのため蒸着源から供給される蒸着材料の発生量を膜厚センサーにより測定することがおこなわれている。測定に用いられる膜厚センサーとしては、高精度の計測が可能な水晶発信式膜厚センサー(クリスタルセンサー)が広く用いられている。この水晶発信式膜厚センサーは、水晶振動子の表面に物質が付着すると共振周波数が変化することにより、その付着した物質の量を導きそれにより膜厚を測定するものである。
このような水晶発信式膜厚センサーを用いた成膜装置としては、例えば、特許文献1に開示されている。
ところで、水晶発信式膜厚センサーは、水晶振動子の表面に付着する物質が一定膜厚に達すると、それ以上の計測ができなくするためそのセンサーの寿命が来たものとして新しいセンサーに交換する必要がある。そのため水晶振動子を円盤状のホルダに保持し、寿命が来たときに新しい水晶振動子に交換する技術が、例えば、特許文献2、特許文献3に開示されている。
特許文献1に記載された成膜装置では、成膜する材料を基板に供給するための蒸着源が、基板に対し相対的に移動する機構を備え、蒸着源が成膜をおこなっていないタイミングに、蒸着源を待機する待機位置に位置している状態で、蒸着材料の成膜速度を検出し、所定の値になった時点で蒸着源を成膜位置に向かって移動させ、蒸着源のヒータによって蒸着材料の温度を制御することを特徴としている。この技術では、蒸着源が移動している間は、蒸着材料の成膜速度が一定であることを前提とし、蒸着源が待機位置にあるときのみ、成膜速度を測定している。
しかしながら、蒸着源が移動する場合、蒸着材料が蒸着源の堆禍(るつぼ)内で移動するなどして、成膜速度が変動する可能性がある。また、成膜により坩堝内の蒸着材料が減少した場合、堆塙内の蒸気圧が変動し、成膜速度が変動する可能性もある。それにより、成膜膜厚を高精度に制御することができないという問題点があった。
また、水晶発信式膜厚センサーは、高精度の膜厚計測が可能であるが、センサーとしての寿命が短く、その切り換え時期を判断する必要があるが、その判定が難しいという問題点があった。
タクトを向上させる要請からすると、一つの水晶振動子をできるだけ長く使用したいが、寿命がつきた水晶振動子を計測に使用すると誤計測を発生させるおそれがある。従来では、一定の時間使用する、または、膜厚形成速度の変化を計測して、寿命を算出していたが、この相反する要請を満たすのは困難であるという問題点があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、その目的は、膜厚センサーを用いて、基板上に薄膜を形成する成膜装置において、膜厚を高い精度で制御し、しかも、膜厚センサーの誤計測をなくして、安定した膜厚の薄膜を形成することのできる成膜装置を提供することにある。
本発明の成膜装置は、成膜材料を供給する成膜材料供給機構と、その成膜材料供給機構から供給される成膜材料を成膜させる基板を保持する基板保持機構と、その成膜材料供給機構、基板保持機構を内部に有する成膜チャンバとを備えた成膜装置であって、さらに、成膜材料供給機構を、基板保持機構に対し相対的に移動させる成膜材料供給機構移動機構と、その成膜材料供給機構移動機構による前記成膜材料供給機構の移動と連動して移動する成膜材料の成膜速度を検出するための移動式膜厚センサーと、成膜チャンバ内に位置を固定された固定式膜厚センサーとを備えたものである。
そして、固定式膜厚センサーは、成膜材料供給機構が待機する待機位置の近傍であって、前記成膜材料供給機構から供給される成膜材料の膜厚を検知できる位置に設けられている。
さらに、移動式膜厚センサーは、水晶振動子の振動数に変化に基づき膜厚を計測する水晶振動子式膜厚センサーであり、制御部を有し、制御部は、移動式膜厚センサーと、固定式膜厚センサーの成膜速度を比較し、それぞれから測定される成膜速度の差が一定以上になるときに、移動式膜厚センサーの使用中の水晶振動子の寿命が来たものとして、移動式膜厚センサーの使用中の水晶振動子の寿命を判定する。
また、移動式膜厚センサーは、複数の水晶振動子を保持し、移動式膜厚センサーの使用中の水晶振動子の寿命が来たものと判定されたときには、移動式膜厚センサーにおいて測定する水晶振動子を切り換える。
本発明によれば、膜厚センサーを用いて、基板上に薄膜を形成する成膜装置において、膜厚を高い精度で制御し、しかも、膜厚センサーの誤計測をなくして、安定した膜厚の薄膜を形成することのできる成膜装置を提供することができる。
以下、本発明に係る一実施形態を、図1ないし図10Bを用いて説明する。
先ず、図1および図2を用いて本発明の一実施形態に係る成膜装置の全体構造について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る成膜装置のライン上の動きが分かるように上部から見た概観図である。
図2は、真空搬送室と真空蒸着チャンバの構成と、その動作を示した斜視図である。
先ず、図1および図2を用いて本発明の一実施形態に係る成膜装置の全体構造について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る成膜装置のライン上の動きが分かるように上部から見た概観図である。
図2は、真空搬送室と真空蒸着チャンバの構成と、その動作を示した斜視図である。
本実施形態では、成膜装置として、有機ELデバイス製造のための薄膜を真空蒸着する有機ELデバイス製造装置であって、アライメントと蒸着を同一の真空蒸着チャンバ1で実現する成膜装置を例に採り説明する。
有機ELデバイス製造装置は、図1に示されるように、中心部に真空搬送ロボット5を備えた多角形の真空搬送室2と、その周辺部に放射状に基板ストッカ室3や成膜室である真空蒸着チャンバ1を配置したクラスタ型の装置構成を有している。
各真空蒸着チャンバ1は、基板6を保持する基板保持部9とマスク8とを有する。また、真空蒸着チャンバ1および基板ストッカ室3と真空搬送室2との間には互いの真空を隔離するゲート弁10が設けられている。制御部200は、有機ELデバイス製造装置100の構成要素を制御する部分である。
図2に示されるように、真空搬送ロボット5は、全体を上下に移動可能(図示せず)で、左右に旋回可能な2リンク構造のアーム57を有し、その先端には基板搬送用の櫛歯状ハンド58を有する。一方、真空蒸着チャンバ1は、真空搬送ロボット5から搬入された基板6を保持する基板保持部9と、発光層を形成する蒸着材料を蒸発させ基板6に成膜させる蒸着源7と、その蒸着源7を上下方向移動させる蒸着源走査部43、基板6への蒸着パターンを規定するマスク8とを有している。
基板保持部9は、櫛歯状ハンド91と基板保持部9を旋回させて直立しているマスク8に正対させる基板旋回部93とを有する。
また、真空蒸着チャンバ1は、マスク8の上部にマスク8と基板6とにそれぞれ存在するアライメントマーク85、84(引出図参照)を撮像するアライメントカメラ86と、その撮像結果に基づいてマスク8を移動させるアライメント駆動機構(図示せず)とを備えている。
このような構成によって、真空搬送ロボット5は、基板ストッカ室3から基板6を取出し、真空蒸着チャンバ1の基板保持部9に搬入する。そして、真空蒸着チャンバ1では、搬入された基板6を基板旋回部93でマスク8に正対させ、アライメントし、蒸着源7を上下させ基板6に蒸着する。
蒸着後には、基板6は、水平状態に戻され、その後、真空搬送ロボット5により基板6が真空蒸着チャンバ1から搬出され、他の真空蒸着チャンバ1に搬入されるか、あるいは、基板ストッカ室3に戻されることになる。このような処理における基板6の搬出入において、各真空蒸着チャンバ1の処理に影響を与えないように関連するゲート弁10が制御される。
なお、成膜材料を成膜する基板は、ガラス基板が一般的であるが、フィルムなどの可擁性材料や金属などの無機材料のバルク体、薄板体などどのようなものであってもよい。
本実施形態では、成膜をおこなうチャンバとして、真空蒸着をおこなう場合の真空チャンバで説明したが、スパッタの場合は、媒体ガスが所定の分圧で存在するチャンバとなる。その他、大気圧で成膜する装置では、成膜材料が外部に飛び散らないようにする部屋を形成するチャンバであってもよい。
次に、図3および図4を用いて蒸着源7の構造について詳細に説明する。
図3は、本発明の蒸着源7を示す斜視図である。
図4は、図3における蒸着源7のA−A′断面からの矢視図である。
図3は、本発明の蒸着源7を示す斜視図である。
図4は、図3における蒸着源7のA−A′断面からの矢視図である。
蒸着源7は、図3に示すように、その本体が4角柱(長方体)の形状を有し、その内部には坩堝71を長手方向に複数有する。各坩堝71の上下には、ヒータ73を配置し、坩堝71に設けられた蒸着材料72を蒸着に適した所定の温度に加熱する。また、坩堝71の周囲には、リフレクター74が取り囲むように設けられ、蒸着源7内の熱を外部に逃さず内側にこもるようにしている。さらに、リフレクター74(断熱機構)の外周には遮熱のための蒸着源筐体75があり、リフレクター74から漏れた熱が外部に影響を与えないようになっている。このような構造によって、蒸着材料72が坩堝71内で気体の蒸着材料72sとなって、蒸着物出口部78(ノズル)から噴出し、基板6に蒸着する。
また、温度センサー4が、坩堝71の所定位置に取り付けられており、温度を測定して、制御部200に報告する。さらに、防着板79が、蒸着物出口部78の周囲に取り付けている。これは、ノズルから噴尉した蒸着材料72が蒸着源筐体75とリフレクター74との間およびリフレクター74と坩堝71との間に流入しないようにするである。
なお、蒸着材料72を保持する坩堝71は、少なくとも蒸着材料と接する部分については、一般的に蒸着材料と反応しない金属、セラミックスなどから構成されることが好ましい。
また、本実施形態では、ほぼ4角柱の形状を有している蒸着源7を示したが、蒸着源にはその他の部材を周囲に設けることもあり、その概観が必ずしも4角柱などの角柱形状を有するとは限らない。また、坩堝の形状は、立方体形状、円筒形状など種々の形態を取ることも可能である。坩堝を加熱する加熱手段73は、電熱線で加熱する方式や、誘導加熱する方式など、現状知られているどのような加熱方式をも採用することができる。蒸着物出口部78は、図3に示す円筒形のノズルの他、角筒などのノズル形状を取ることもできるし、円形、四角形などの単なる孔が開いているものでもよい。
図3では、蒸着物出口部78であるノズル(または坩堝71)が2個の例を示したが、ノズル(または坩堝)は1個でも3個以上でもよい。
このような構成によって、蒸着源7は、電熱線により蒸着材料を所定の温度に加熱して蒸発し、その蒸着ノズルを4角柱等の長手方向にライン状に複数並ぶ蒸着物出口部78から噴射し、表示基板などの基板に蒸着させる。
なお、本実施形態では、成膜材料供給機構として、加熱して成膜材料を気化、または昇華させる坩堝を備えた蒸着源を説明したが、成膜材料供給機構としては、その他のスパッタリング機構、CVD(Chemical Vipour Deposition)、PVDなどが代表的なものであるが、成膜材料を基板に供給できるものであればどのようなものであってもよい。
次に、図5ないし図7を用いて膜厚センサーの構造と、成膜装置への取り付けについて説明する。
図5は、膜厚センサー100のヘッド部の斜視図である。
図6A、図6Bは、膜厚センサー100のヘッド部を分解して示した斜視図である。
図7は、水晶振動子150近傍の要部と、水晶振動子150に関連する高周波共振回路を示した図である。
図8は、蒸着源7と移動式膜厚センサー100m、固定式膜厚センサー100fの位置関係を説明する図である。
図5は、膜厚センサー100のヘッド部の斜視図である。
図6A、図6Bは、膜厚センサー100のヘッド部を分解して示した斜視図である。
図7は、水晶振動子150近傍の要部と、水晶振動子150に関連する高周波共振回路を示した図である。
図8は、蒸着源7と移動式膜厚センサー100m、固定式膜厚センサー100fの位置関係を説明する図である。
本実施形態の膜厚センサー100は、複数の水晶振動子を振動させて、その周波数の変化を検知することにより、表面部に積層した物質の量を測定する水晶発振式膜厚センサーであり、そのヘッド部は、外部から見ると図5に示されるような概観を有する。
ヘッダ部は、図6に示されるように、外形がほぼ円盤状であり、かつ、外周部(例えば、半径のほぼ半分より外側)を、所定の角度だけ内側に、円錐状に窪ませてなる水晶振動子ホルダ110と、この水晶振動子ホルダ110の全体を覆うように形成され、もって、ホルダの表面を覆う(すなわち、外周部を円錐状に窪ませる)と共に、その一部(後にも述べるが、その頂部)に円形の第一供給穴121を形成したカバー(覆い部)120とを備えている。そして、水晶振動子ホルダ110の中心部には、ローラベアリング111が取り付けられており、そのローラベアリング111を介して、プレコートシャッター140を回転駆動するための回転シャフト130が、回転可能に取り付けられている。さらに、回転シャフト130は、カバー120の中心部に取り付けられたローラベアリング122を介して、カバー120に対しても回転可能に取り付けられている。そして、その回転シャフト130のロールベアリング122から突出した先端部には、プレコートシャッター140が、ネジ142により固定されている。プレコートシャッター140は、外形がほぼ円盤状であり、かつ、その外周部を円錐状に窪ませ、かつ、その一部に開口部(例えば、穴や切欠き)141を形成している。
水晶振動子ホルダ110の構造の詳細は、図6Bに示されるようになる。水晶振動子ホルダ110は、カバー120やプレコートシャッター140と同様に、例えば、ステンレスやアルミニウムなどの金属により形成されており、そして、その外周部の窪んだ面(すなわち、円錐面)には、複数(本例では、8箇所)の凹部112、112…が円周上に均等な距離だけ隔れて形成されている。図にも示すように、これらの凹部112、112…の内部には、外形円盤状の水晶振動子150が、複数(本例では、8個)、それぞれ挿入されると共に、その上部からは、リング状でかつ円錐状に窪んだ面に複数(本例では、8箇所)の開口部113、113…を形成した押付け板114が取り付けられている。なお、ここでは図示しないが、これら水晶振動子ホルダ110の凹部111や押付け板114には、それぞれ、例えば、板バネなどからなる電極が取り付けられており、さらに、水晶振動子ホルダ110の下部に設けられた一対の接触式電極板115、115…を介してヘッダ部の外部に電気的に導かれる。また、電極151が水晶振動子150の表面に形成されている。すなわち、図1において、ヘッダ部を構成するカバー120の円形の第一供給穴121を介して外部にその電極を露出した水晶振動子150を挟んで(より具体的には、その両面に形成した電極を挟んで)、図3にも示すように、高周波の発信源(発信機)155からの高周波信号が印加されており、これによって、いわゆる共振回路を形成している。すなわち、水晶振動子150の表面にEL材料等の蒸気を含む物質が付着すると、その共振振動数が変化する現象を利用して、いわゆる水晶発振式膜厚センサーが形成されている。
そして、水晶振動子150の表面に付着する物質が一定の膜厚(すなわち、寿命)に達すると、制御部200の指令に基づいて、ホルダ駆動系162(図示せず)により、水晶振動子ホルダ110を所定の角度(本例では、360/8=40度)だけ回転駆動し、もって、新たな水晶振動子150と交換する(すなわち、インデックス機能、図1中の矢印を参照)。一方、プレコートシャッター140は、制御部200の指令に基づいて、プレコートシャッター駆動系160(図示せず)により、回転シャフト130を回転させることによって回転駆動され、第二供給穴123のみ遮蔽し第一供給穴121を遮蔽しない位置(いわゆる測定位置)と、第一供給穴121と第二供給穴123の両方を遮蔽しない位置(いわゆるプレコート位置)とをとる(図1中の矢印を参照)。プレコートシャッター140が測定位置にある場合、蒸発材料は、第一供給穴121を通り水晶振動子150の表面に付着し、次に使用する水晶振動子152には蒸発材料は付着しない。プレコートシャッター140がプレコート位置にいる場合、蒸発材料は、第一供給穴121を通り水晶振動子150の表面に付着し、蒸発材料は、第二供給穴123を通り次に使用する水晶振動子152の表面に付着する(いわゆるプレコート)。
なお、膜厚センサーは、本実施形態では、水晶振動子を利用するものについて説明したが、セラミック振動子などの表面に測定対象の成膜材料を堆積させることで、共振周波数が変化する現象を利用した振動子式膜厚計、電気抵抗を利用した膜厚計、光学式膜厚計など種々のものが適用できる。
次に、図8を用いて本発明の一実施形態に係る成膜装置に対しての膜厚センサーを取り付け方と、その使用方法について説明する。
本発明の一実施形態に係る成膜装置では、図8に示されるように、移動式膜厚センサー100mと、固定式膜厚センサー100fを有している。
移動式膜厚センサー100mは、蒸着源7の側面に取り付けられ、そのヘッド部の正面が蒸着源7の蒸着物出口部78を向いている。移動式膜厚センサー100mは、蒸着源7が上下に移動しながら蒸着をおこなうにつれて共に移動し、成膜速度を常に検知して、測定した結果を測定信号として、制御部200に報告する。
固定式膜厚センサー100fは、そのヘッド部の正面が、蒸着源7が待機位置にいるときの蒸着物出口部78を向くように固定して取り付けられている。ここで、待機位置というのは、図2に示されるように、蒸着源7が上下に往復運動するようになっているので、その往復運動の起点となって、待機する位置である。
ここで、移動式膜厚センサー100mの取り付け角度と、固定式膜厚センサー100fは、同じ位置を向くことが望ましい。すなわち、移動式膜厚センサー100mと、蒸着物出口部78のそれぞれの法線のなす角度がθであるとすると、固定式膜厚センサー100fと、蒸着物出口部78のそれぞれの法線のなす角度も、θになるようにする。
このように、二つのタイプの膜厚センサーを設けて、通常の成膜速度の測定は、移動式膜厚センサー100mにおこなうことにより、坩堝内の蒸着材料の変動などに対応して、成膜速度を随時測定することができるので、高精度の成膜膜厚の制御が可能になる。
また、蒸着源7の待機位置では、移動式膜厚センサー100mと、固定式膜厚センサー100fの両者により、成膜速度を検知し、待機位置でそれぞれのセンサーが測定した成膜速度の値を比較し、各々のセンサーからの測定結果に相違がないかを、制御部200が判断する。一般に、移動式膜厚センサー100mは、常に使い続けるために、寿命は早く来て、測定できなくなるが、その測定値を、固定式膜厚センサー100fと比較することにより、移動式膜厚センサー100mが測定できない状態になったかを確認する事ができる。これにより、膜厚センサーの故障による蒸着の不具合をなくし、常に安定した蒸着をおこなうことができる。
次に、図9および図10Bを用いて本発明の一実施形態に係る成膜装置の蒸着時の処理と膜厚センサーの動作を説明する。
図9は、本発明の一実施形態に係る成膜装置の機能ブロック図である。
図10A、図10Bは、本発明の一実施形態に係る成膜装置の蒸着時の処理を示すフローチャートである。
図9は、本発明の一実施形態に係る成膜装置の機能ブロック図である。
図10A、図10Bは、本発明の一実施形態に係る成膜装置の蒸着時の処理を示すフローチャートである。
成膜装置は、図9に示されるように、制御部200に、移動式膜厚センサー100m、固定式膜厚センサー100f、表示装置210、ヒータ73、温度センサー4、蒸着源駆動機構300、ロボット駆動機構310、基板保持部駆動機構320が接続されている。
移動式膜厚センサー100m、固定式膜厚センサー100fは、図8で示したように取り付けられる水晶振動式膜厚センサーであり、制御部200に測定信号を送る。制御部200は、図6A、図6Bで示したプレコートシャッター41、ホルダ110をそれぞれプレコートシャッター41、ホルダ110を、それぞれ、プレコートシャッター駆動系160、ホルダ駆動系162により駆動し、ホルダ110上の水晶振動子150を、プレコート、測定の用途に応じて適切に使えるように制御する。温度センサー4は、測定した温度に関する信号を制御部200に送る。ヒータ73は、蒸着源7から適切な蒸着材料が送られるように温度センサー4や移動式膜厚センサー100mから送られてくる信号に基づいて、制御部200が制御する。
蒸着源駆動機構300は、蒸着時に、制御部200の制御を受けて、蒸着源7を往復運動させる。
蒸着源駆動機構300は、蒸着源をボールネジ、ベルトなどを介してモータ、油圧、空圧などの駆動源により駆動させる機構が一般的であるが、蒸着源を移動させることができるものであればどのようなものであってもよい。
ロボット駆動機構310は、図1、図2に示したように、制御部200の制御を受けて、基板6を搬送するように真空搬送ロボット5を駆動させる。
基板保持駆動機構320は、図2に示したように、制御部200の制御を受けて、基板6を真空蒸着チャンバ1内で所定の位置に置くようにセットし、また、取り出すように基板保持部9を駆動させる。
アライメント駆動機構330は、マスク8を移動させ、基板6とのアライメントをおこなう。
次に、図10A、図10Bを用いて成膜装置の蒸着時の処理と膜厚センサーの動作について説明する。
本実施形態では、移動式膜厚センサー100mをメインの膜厚測定に用い、固定式膜厚センサー100fは、移動式膜厚センサー100mの動作チェックに用いるものとする。
固定式膜厚センサー100fは、水晶振動子150の使用について、蒸着回数(または、蒸着時間)が一定の値より大きくなったときに、次の水晶振動子150の使用するようにし、移動式膜厚センサー100mは、水晶振動子150の使用について、蒸着源7が待機位置にあるときに、固定式膜厚センサー100fと成膜速度の値を比較して、一定以上の乖離があったときに、寿命がきたものとして、次の水晶振動子150の使用するものとする。
なお、ここでの説明は、固定式膜厚センサー100fは、複数の水晶振動子150を有するタイプとしたが、これに関わらず、一つの水晶振動子のみを有する高精度のシングルタイプのものであってもよい。
また、基板6は、真空蒸着チャンバ1に搬入され、アライメントされて所定位置にセットされたものとする。
先ず、制御部200は、ヒータ73を加熱し基板6を蒸着する(S01)。一方、制御部200は、蒸着源駆動機構300により蒸着源7を上下に移動する(S02)。
次に、制御部200は、移動式膜厚センサー100mの測定結果により、一定以上の膜厚の薄膜が形成されたか否かを判定する(S03)。
S03のステップで、一定以上の膜厚が形成されたと判定されたときに、これまでの蒸着回数が一定数以上になったかを判定する(S04)。
この後は、基板6を真空蒸着チャンバ1から搬出して、次の蒸着すべき基板6が真空蒸着チャンバ1に搬入される。
S04のステップで、これまでの蒸着回数が一定数以上になったと判定されたときには、制御部200は、プレコートシャッター駆動系160とホルダ駆動系162に指令を与え、プレコートシャッター140とホルダ110を移動させ、固定式膜厚センサー100fの水晶振動子150を切り換える(S07)。
そして、ホルダ110の中に未使用の水晶振動子150の数が一定以上あるか否かを判定する(S08)。図6A、図6Bに示した例では、ホルダ110が8個であったが、例えば、残り2個になったかを判定する。
S08のステップで、ホルダ110の中に未使用の水晶振動子150の数が一定以上になったときには、制御部200は、表示装置210に「未使用の水晶振動子の数が少なくなった」旨の警告を表示する(S09)。
また、図示しなかったが、S07のステップの前に、固定式膜厚センサー100fのホルダ110の中に未使用の水晶振動子150がなくなったときに、制御部200は、表示装置210に「未使用の水晶振動子がなくなった」旨のエラーを表示し、装置を停止するようにしてもよい。
その後は、蒸着源駆動機構300による蒸着源7の移動を停止し(S05)、ヒータ73を加熱を終了する(S06)。
次に、S03のステップで、一定以上の膜厚が形成されていないときには、蒸着源7が待機位置にきたか否かを判定する(S10)。
蒸着源7が待機位置にきていないときには、ヒータ加熱を継続する(S01)。
蒸着源7が待機位置にきたときには、制御部200は、移動式膜厚センサー100mと固定式膜厚センサー100fのそれぞれで測定される成膜速度の差が一定の閾値以上あるか否かを判定する(S11)。
S11のステップで、移動式膜厚センサー100mと固定式膜厚センサー100fのそれぞれで測定される成膜速度の差が一定の閾値以上ではないと判定されたときには、ヒータ加熱を継続する(S01)。
S11のステップで、移動式膜厚センサー100mと固定式膜厚センサー100fのそれぞれで測定される成膜速度の差が一定の閾値以上あると判定されたときには、移動式膜厚センサー100mの現在使用中の水晶振動子150が寿命がきたものと判断して、制御部200は、プレコートシャッター駆動系160とホルダ駆動系162に指令を与え、プレコートシャッター140とホルダ110を移動させ、移動式膜厚センサー100mの水晶振動子150を切り換える(S12)。
そして、ホルダ110の中に未使用の水晶振動子150の数が一定以上あるか否かを判定する(S13)。図6A、図6Bに示した例では、ホルダ110が8個であったが、例えば、残り2個になったかを判定する。
S13のステップで、ホルダ110の中に未使用の水晶振動子150の数が一定以上になったときには、制御部200は、表示装置210に「未使用の水晶振動子の数が少なくなった」旨の警告を表示する(S14)。
また、図示しなかったが、S12のステップの前に、移動式膜厚センサー100mのホルダ110の中に未使用の水晶振動子150がなくなったときに、制御部200は、表示装置210に「未使用の水晶振動子がなくなった」旨のエラーを表示し、装置を停止するようにしてもよい。
1…真空蒸着チャンバ、2…真空搬送室、3…基板ストッカ室、4…温度センサー、5…真空搬送ロボット、6…基板、7…蒸着源、8…マスク、9…基板保持部、10…ゲート弁、100f…固定式膜厚センサー、100m…移動式膜センサー、200…制御部、71…坩堝、72…蒸着材料、73…加熱部、74…リフレクター、75…蒸着源筐体、76…除去可能部、78…蒸着物出口部、79…防着板。
Claims (5)
- 成膜材料を供給する成膜材料供給機構と、
該成膜材料供給機構から供給される成膜材料を成膜させる基板を保持する基板保持機構と、
該成膜材料供給機構、基板保持機構を内部に有する成膜チャンバーとを備えた成膜装置であって、
さらに、前記成膜材料供給機構を、前記基板保持機構に対し相対的に移動させる成膜材料供給機構移動機構と、
該成膜材料供給機構移動機構による前記成膜材料供給機構の移動と連動して移動する成膜材料の成膜速度を検出するための移動式膜厚センサーと、
前記成膜チャンバー内に位置を固定された固定式膜厚センサーとを備えたことを特徴とする成膜装置。 - 前記固定式膜厚センサーは、前記成膜材料供給機構が待機する待機位置の近傍であって、前記成膜材料供給機構から供給される成膜材料の膜厚を検知できる位置に設けられていることを特徴とする請求項1記載の成膜装置。
- 前記移動式膜厚センサーは、水晶振動子の振動数に変化に基づき膜厚を計測する水晶振動子式膜厚センサーであることを特徴とする請求項1記載の成膜装置。
- さらに、制御部を有し、
前記制御部は、前記移動式膜厚センサーと、前記固定式膜厚センサーの成膜速度を比較し、
それぞれから測定される成膜速度の差が一定以上になるときに、前記移動式膜厚センサーの使用中の水晶振動子の寿命が来たものとして、前記移動式膜厚センサーの使用中の水晶振動子の寿命を判定することを特徴とする請求項3記載の成膜装置。 - 前記移動式膜厚センサーは、複数の水晶振動子を保持し、前記移動式膜厚センサーの使用中の水晶振動子の寿命が来たものと判定されたときには、前記移動式膜厚センサーにおいて測定する水晶振動子を切り換えることを特徴とする請求項4記載の成膜装置。
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KR101839999B1 (ko) | 2016-09-13 | 2018-03-20 | 에스엔유 프리시젼 주식회사 | 사용수명이 향상된 증착물질 감지장치 |
WO2019085111A1 (zh) * | 2017-10-30 | 2019-05-09 | 深圳市华星光电半导体显示技术有限公司 | 蒸镀装置与蒸镀方法 |
CN113897587A (zh) * | 2021-09-29 | 2022-01-07 | 佛山市博顿光电科技有限公司 | 镀膜机的设备监测方法、装置及镀膜机 |
-
2012
- 2012-09-27 JP JP2012213903A patent/JP2014065958A/ja active Pending
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