JP2014065938A - 成膜装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】堆積物の除去作業を簡易化することが可能な成膜装置を提供すること。
【解決手段】本発明の一側面はプラズマビームによって成膜材料Maを加熱し、成膜材料Maから気化した成膜材料粒子Mbを被処理物11に付着させる成膜装置1である。成膜装置1は、成膜材料Maが充填されると共に、プラズマビームPを成膜材料Maへ導く主陽極である主ハース21と、主ハース21の周囲に配置されると共に、プラズマビームPを誘導する補助陽極である輪ハース6と、主ハース21と輪ハース6との間に配置されたアウターリム28と、主ハース21に対してアウターリム28を電気的に絶縁させるインシュレータ22と、主ハース21とアウターリム28とに電気的に接続可能な電源42を有する回路部41と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、成膜装置に関する。
被処理物の表面に膜を形成する成膜方法には、例えばイオンプレーティング法がある。イオンプレーティング法では、蒸発させた成膜材料を真空容器内に拡散させて、被処理物の表面に成膜材料を付着させる。イオンプレーティング法のための成膜装置では、拡散させた成膜材料の一部が当該成膜材料付近に留まり、成膜材料を保持する主ハース(主陽極)や主ハースの周囲に配置された輪ハースに堆積することがある。主ハースや輪ハースへの成膜材料の堆積量が増加すると、被処理物の表面に形成される膜の均一性に影響を及ぼすおそれがある。さらに、堆積量が増加して主ハースと輪ハースとが互いに短絡されると、成膜の実施を妨げるおそれがある。そこで、成膜装置内に堆積した成膜材料を除去する必要性が生じていた。
上述した必要性に対処した方法には、例えば、主ハースと輪ハースとの間にカバーを配置し、成膜材料が堆積したカバーを定期的に交換する方法がある。また、特許文献1には、堆積物を除去可能な付着物除去装置を備えた蒸着装置が記載されている。
特開2001−00854号公報
しかしながら、特許文献1の装置によれば、その都度、熟練した技量を有する作業員が付着物除去装置を操作して堆積物を除去する必要がある。また、量産機では、堆積物の除去作業の頻度が増加することもある。そのため、当該技術分野では、成膜装置内の堆積物を除去する作業の一層の簡易化が求められている。
本発明は、堆積物の除去作業を簡易化することが可能な成膜装置を提供することを目的とする。
本発明による成膜装置は、プラズマビームによって成膜材料を加熱し、成膜材料から気化した粒子を被成膜物に付着させる成膜装置であって、成膜材料が充填されると共に、プラズマビームを成膜材料へ導く主陽極である主ハースと、主ハースの周囲に配置されると共に、プラズマビームを誘導する補助陽極である輪ハースと、主ハースと輪ハースとの間に配置されたアウターリムと、主ハースに対してアウターリムを電気的に絶縁させる絶縁体と、主ハースとアウターリムとに電気的に接続可能な電源を有する回路部と、を備えることを特徴としている。
このような成膜装置によれば、主ハースとアウターリムとの間に電位差を生じさせて、主ハースとアウターリムとの間で放電を生じさせることが可能である。この放電によりアウターリムに堆積した成膜材料の堆積物を除去することができる。従って、主ハースとアウターリムとの間で放電を生じさせるだけで、アウターリムに堆積した堆積物を除去することが可能となり、堆積物の除去作業を容易化することができる。
また、回路部は、主ハースとアウターリムとを短絡させる第1のスイッチを更に有している。この第1のスイッチにより、絶縁体で電気的に絶縁状態となるように配置されている主ハースとアウターリムとの間を短絡させることができる。
また、回路部は、電源に直列接続された第2のスイッチを更に有しているので、主ハース及びアウターリムに対して電圧を印可又は遮断することができる。
また、主ハースは、成膜材料が充填された筒状の充填部と、充填部から突出したフランジ部と、を有し、アウターリムは、充填部を取り囲む側壁部と、フランジ部側における側壁部の端部に設けられた底部と、を有し、絶縁体は、フランジ部と底部との間に挟まれている。主ハースのフランジ部とアウターリムの底部との間に絶縁体が挟まれているので、主ハースとアウターリムとの間を確実に電気的に絶縁することができる。
本発明によれば、主ハース又はアウターリムに堆積した堆積物の除去作業を容易化することができる。
本発明による成膜装置の一実施形態の構成を示す側断面図である。 図1中の主ハース及びアウターリムを拡大して示す断面図である。 図1中の主ハース及びアウターリムを拡大して示す断面図であり、成膜運転モード実行時のスイッチの開閉状態を示す図である。 図1中の主ハース及びアウターリムを拡大して示す断面図であり、清掃運転モード実行時のスイッチの開閉状態を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明による成膜装置の一実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の成膜装置の一実施形態の構成を示す側断面図である。図2は、図1中の主ハースおよびアウターリムを拡大して示す断面図である。本実施形態の成膜装置1は、いわゆるイオンプレーティング法に用いられるイオンプレーティング装置である。なお、説明の便宜上、図1には、XYZ座標系を示す。X軸方向は、後述する被処理物が搬送される方向である。Z軸方向は、被処理物と後述するハース機構とが対向する方向である。Y軸方向は、X方向とZ方向とに直交する方向である。
図1に示すように、本実施形態の成膜装置1は、被処理物の板厚方向が略鉛直方向となるように被処理物が真空容器内に配置されて搬送されるいわゆる横型の成膜装置である。この場合には、X軸及びY軸方向は水平方向であり、Z軸方向は鉛直方向且つ被処理物の板厚方向となる。一方、本発明による成膜装置の一実施形態では、被処理物の板厚方向が水平方向となるように、被処理物を直立又は直立させた状態から傾斜した状態で、被処理物が真空容器内に配置されて搬送される、いわゆる縦型の成膜装置であってもよい。この場合には、X軸方向は水平方向であり、Y軸方向が鉛直方向であり、Z軸方向は水平方向且つ板厚方向となる。なお、以下の実施形態では、横型の場合を例に、本発明の成膜装置の一実施形態を説明する。
本実施形態の成膜装置1は、ハース機構2、搬送機構3、輪ハース6、プラズマ源7、圧力調整装置8及び真空容器10を備えている。
真空容器10は、成膜材料の膜が形成される被処理物11を搬送するための搬送室10aと、成膜材料Maを拡散させる成膜室10bと、プラズマ源7から照射されるプラズマビームPを真空容器10に受け入れるプラズマ口10cとを有している。搬送室10a、成膜室10b、及びプラズマ口10cは互いに連通している。搬送室10aは、所定の搬送方向(図中の矢印A)に(X軸に)沿って設定されている。また、真空容器10は、導電性の材料からなり接地電位に接続されている。
搬送機構3は、成膜材料Maと対向した状態で被処理物11を保持する被処理物保持部材32を搬送方向Aに搬送する。搬送機構3は、搬送室10a内に設置された複数の搬送ローラ31によって構成されている。搬送ローラ31は、搬送方向Aに沿って等間隔に配置され、被処理物保持部材32を支持しつつ搬送方向Aに搬送する。なお、被処理物11は、例えばガラス基板やプラスチック基板などの板状部材が用いられる。
プラズマ源7は、圧力勾配型であり、その本体部分が成膜室10bの側壁に設けられたプラズマ口10cを介して成膜室10bに接続されている。プラズマ源7において生成されたプラズマビームPは、プラズマ口10cから成膜室10b内へ出射される。プラズマビームPは、プラズマ口10cに設けられたステアリングコイル(不図示)によって出射方向が制御される。
圧力調整装置8は、真空容器10に接続され、真空容器10内の圧力を調整する。圧力調整装置8は、例えば、ターボ分子ポンプやクライオポンプ等の減圧部と、真空容器10内の圧力を測定する圧力測定部とを有している。
ハース機構2は、成膜材料Maを保持するための機構である。ハース機構2は、真空容器10の成膜室10b内に設けられ、搬送機構3から見てZ軸方向の負方向に配置されている。ハース機構2は、プラズマ源7から出射されたプラズマビームPを成膜材料Maに導く主陽極又はプラズマ源7から出射されたプラズマビームPが導かれる主陽極である主ハース21を有している。
図2に示すように、主ハース21は、成膜材料Maが充填されたZ軸方向の正方向に延びた筒状の充填部21aと、充填部21aから突出したフランジ部21bとを有している。主ハース21は、真空容器10が有する接地電位に対して正電位に保たれているため、プラズマビームPを吸引する。このプラズマビームPが入射する主ハース21の充填部21aには、成膜材料Maを充填するための貫通孔21cが形成されている。そして、成膜材料Maの先端部分が、この貫通孔21cの一端において成膜室10bに露出している。
輪ハース6は、プラズマビームPを誘導するための電磁石を有する補助陽極である。輪ハース6は、成膜材料Maを保持する主ハース21の充填部21aの周囲に配置されている。輪ハース6は、コイル6aと永久磁石6bと環状の容器6cを有し、コイル6a及び永久磁石6bは輪状の容器6cに収容されている。輪ハース6は、コイル6aに流れる電流の大きさに応じて、成膜材料Maに入射するプラズマビームPの向き、または、主ハース21に入射するプラズマビームPの向きを制御する。
成膜材料Maには、ITOやZnOなどの透明導電材料が例示される。成膜材料Maが導電性物質からなる場合、主ハース21にプラズマビームPが照射されると、プラズマビームPが成膜材料Maに直接入射し、成膜材料Maの先端部分が加熱されて気化し、プラズマビームPによりイオン化された成膜材料粒子Mbが成膜室10b内に拡散する。成膜室10b内に拡散した成膜材料粒子Mbは、成膜室10bの上方(Z軸正方向)へ移動し、搬送室10a内において被処理物11の表面に付着する。なお、成膜材料Maは、所定長さの円柱形状に成形された固体物であり、一度に複数の成膜材料Maがハース機構2に充填される。そして、最上部の成膜材料Maの先端部分が主ハース21の上端との所定の位置関係を保つように、成膜材料Maの消費に応じて、成膜材料Maがハース機構2の下方向から順次押し出される。
また、ハース機構2は、主ハース21の周囲に配置されたアウターリム28を更に有している。このアウターリム28は、成膜材料Maが成膜時に主ハース21の周囲に堆積することによる主ハース21と輪ハース6との短絡を防止する。
アウターリム28は、円筒状の有底容器である。アウターリム28は、主ハース21の充填部21aを取り囲む側壁部28bと、主ハース21のフランジ部21b側における側壁部28bの端部に設けられた底部28cとを有している。アウターリム28の底部28cには、主ハース21の充填部21aが挿通される円形の開口28aが形成されている。そして、アウターリム28の側壁部28bの上部は、アウターリム28の側方へ向けて徐々に反っており、成膜室10b側に開口している。
また、ハース機構2は、主ハース21とアウターリム28との間にインシュレータ22を更に有している。インシュレータ22は、主ハース21とアウターリム28とを電気的に絶縁するための絶縁体であり、例えば、セラミック等を用いることができる。インシュレータ22は、環状の形状を有し、主ハース21が挿通される開口22aを有している。図2では、インシュレータ22の外周縁の直径はアウターリム28における底部28cの外周縁の直径と同等とされているが、インシュレータ22の外周縁の直径は底部28cの外周縁の直径よりも大きくてもよいし小さくてもよい。また、図2では、インシュレータ22の開口22aの内径はアウターリム28の開口28aの内径と同等とされているが、開口22aの内径は底部28cの内径よりも大きくてもよいし小さくてもよい。インシュレータ22の主面22bは、アウターリム28の底部28cに接触している。インシュレータ22の裏面22cは、主ハース21のフランジ部21bに接触している。すなわち、インシュレータ22は、主ハース21のフランジ部21bとアウターリム28の底部28cとの間に挟まれている。従って、主ハース21とアウターリム28とは互いに接触していない。なお、インシュレータ22の形状は、主ハース21とアウターリム28とを電気的に絶縁することが可能であれば、環状に限定されることはない。例えば、インシュレータ22の形状は、主ハース21を挿通させるための開口を有する平面形状が矩形等の多角形状であってもよい。
本実施形態の成膜装置1は、主ハース21又はアウターリム28に堆積した堆積物を除去するための回路部41を更に有している。回路部41は、主ハース21とアウターリム28との間に電位差を発生させて、主ハース21とアウターリム28上の堆積物との間で放電を生じさせる、又は、主ハース21上の堆積物とアウターリム28上の堆積物との間で放電を生じさせることにより、堆積物を除去する。回路部41は、電源42と、電源42を主ハース21に電気的に接続するための第1の配線43と、電源42をアウターリム28に電気的に接続するための第2の配線44とを有している。回路部41は、電源42を主ハース21及びアウターリム28に電気的に接続可能にするための切り替えスイッチ(第2スイッチ)S2を有している。この切り替えスイッチS2は、電源42とアウターリム28の間に直列接続されている。回路部41は、主ハース21とアウターリム28とを互いに短絡させるための切り替えスイッチ(第1スイッチ)S1とを有している。この切り替えスイッチS1は、電源42及び切り替えスイッチS2に並列接続されている。切り替えスイッチS1,S2は、有接点スイッチ(機械式スイッチ)に限定されず、無接点スイッチでもよい。切り替えスイッチS1,S2は制御信号により電気的にON/OFFの切り替えがなされるものでもよく、オペレーターの操作により機械的にON/OFFの切り替えがなされるものでもよい。また、電源42、切り替えスイッチS1,S2は真空容器10の内部に配置されてもよいし、真空容器10の外部に配置されてもよい。電源42、切り替えスイッチS1,S2を真空容器10の外部に配置した場合には、切り替えスイッチS1,S2をオペレーターの手動操作によりON/OFFの切り替えを実施することができる。
成膜装置1は、切り替えスイッチS1,S2を制御するための制御部46を更に有している。制御部46は、切り替えスイッチS1,S2を制御することにより、被成膜物に成膜材料を付着させて成膜する運転状態である成膜運転モードと、例えば、主ハース21上の堆積物とアウターリム28上の堆積物との間で放電を生じさせて堆積物を除去する清掃運転モードとを切り替える切り替え手段である。制御部46は、真空容器10外に配置され、切り替えスイッチS1,S2に電気的に接続されている。制御部46は、切り替えスイッチS1,S2に指令信号を送信することにより、ON/OFF状態の切り替えを行う。
制御部46は、切り替えスイッチS2をOFF状態とし、切り替えスイッチS1をON状態とすることで、主ハース21とアウターリム28との間を短絡させることにより成膜運転モードへの切り替えを行う。
制御部46は、切り替えスイッチS2をON状態とし、切り替えスイッチS1をOFF状態とすることで、主ハース21とアウターリム28との間に電位差を生じさせて、清掃運転モードへの切り替えを行う。
また、制御部46は、圧力調整装置8を制御するための指令信号を生成し、圧力調整装置8に送信する。圧力調整装置8は、指令信号に基づいて真空容器10内を所定の圧力に調整する。所定の圧力とは、主ハース21とアウターリム28との間で放電を好適に生じさせることができる圧力とされている。
また、制御部46は、成膜運転モードでの運転時間を積算しておき、運転時間の積算値が、運転モードの切り替えを判定するための判定閾値に達したか否かの判定を行う機能を有している。成膜装置1には、運転時間の積算値が判定閾値に達していることを報知する警告手段が設けられている。制御部46は、成膜運転モードによる運転時間の積算値が判定閾値に達した場合に、警告手段であるアラームランプやモニター画面を用いた警告を行い、清掃運転モードへの切り替え操作の実行をオペレーターに報知することができる。オペレーターは、警告手段による警告を受け、所定の操作を行い清掃運転モードへの切り替えを行う。このような構成を有する制御部46によれば、例えば、モニター画面に表示された操作画面において清掃運転モードを選択することにより、清掃運転モードに切り替えることができるので、除去作業を簡易化できる。
なお、運転時間の積算値が判定閾値に達した場合に、清掃運転モードへの切り替えを自動的に実行可能としてもよい。このような機能を有する制御部46によれば、オペレーターの手動の操作によらず、堆積物の除去を自動的に行うことができる。また、制御部46に運転時間の積算値に基づいて判定閾値に達したか否かの判定を行う機能を設けずに、カメラなどを用いて、オペレーターが堆積物の量を確認して、清掃運転モードへの切り替え時期を判定してもよい。
次に、成膜装置1を用いた成膜方法について説明する。まず、主ハース21へ成膜材料Maを装着するとともに、被処理物11を保持した被処理物保持部材32を搬送機構3に複数セットする。そして、真空容器10内を減圧し、真空状態とする。
続いて、接地電位にある真空容器10を挟んで、負電圧をプラズマ源7に、正電圧を主ハース21に印加して放電を生じさせプラズマビームPを生成する。このとき、制御部46は、切り替えスイッチS2をOFF状態とし、切り替えスイッチS1をON状態として主ハース21とアウターリム28とを同じ電位とする(図3を参照)。プラズマビームPは、輪ハース6に案内されて主ハース21へ照射される。プラズマビームPによって昇華し、活性化された成膜材料粒子Mbは、成膜室10b内をZ軸方向の正方向に上昇する。
他方、被処理物11は、搬送機構3によって搬送されて成膜室10bの上方に達し、成膜室10b内を拡散している成膜材料粒子Mbに曝される。そして、主ハース21と対向する被処理物11の成膜面に、成膜材料Maのイオン化粒子が膜状に付着する。被処理物11が一定速度で搬送されながら成膜材料粒子Mbに所定時間曝されることにより、被処理物11の表面に所定厚さの膜が形成される。こうして、被処理物11の表面に所望の膜が形成される。
以上の成膜工程においては、複数の被処理物11を搬送しながらこれら被処理物11に対して成膜する。また、主ハース21には複数の成膜材料Maを装着することが可能となっている。従って、真空容器10の真空状態を維持したまま長時間にわたって成膜作業を行うことができる。ここで、図3に示すように、長時間の成膜作業の結果、アウターリム28の側壁部28bの内側面や主ハース21の充填部21aの側壁上に成膜材料Maの堆積物Dが堆積する。この堆積物Dは、蒸発した成膜材料Maが上昇せずに主ハース21の周囲に留まることにより次第に大きく形成される。そして、堆積物Dは、アウターリム28の側壁部28b上や主ハース21の充填部21a上に膜状に堆積しつつ、所定の条件が整う場所では突起状に成長する。
図4に示すように、制御部46は、成膜運転モードから清掃運転モードへの切り替えを行う。このとき、制御部46は、切り替えスイッチS1をOFF状態とした後に、切り替えスイッチS2をON状態とすることで、主ハース21とアウターリム28との間に電位差を生じさせて、清掃運転モードへの切り替えを行う(図4参照)。
ところで、従来の堆積物を除去する方法では、成膜材料が堆積したアウターリムを定期的に交換していた。しかし、アウターリムを交換する場合には、真空容器を大気開放して手作業で交換する必要があるため、交換作業に時間を要していた。また、真空容器を大気開放することなく堆積物を除去することが可能な成膜装置では、除去作業に熟練を要する場合もあり、堆積物を容易に除去することが困難であった。
このような成膜装置1によれば、主ハース21とアウターリム28との間に電位差を生じさせて、主ハース21とアウターリム28との間で放電Cを生じさせることが可能である。より詳細には、主ハース21とアウターリム28に堆積した堆積物Dとの間で放電Cを生じさせることが可能である。また、主ハース21に堆積した堆積物Dとアウターリム28との間で放電Cを生じさせることが可能である。さらに、主ハース21に堆積した堆積物Dとアウターリム28に堆積した堆積物Dとの間で放電Cを生じさせることが可能である。この放電Cによりアウターリム28に堆積した成膜材料Maの堆積物Dを加熱して、再び昇華させることができる。特に、この放電Cは、突起状に成長した堆積物Dの先端で生じることが多いため、突起状に成長した堆積物Dを効率的に除去することができる。従って、主ハース21とアウターリム28との間で放電Cを生じさせるだけで、アウターリム28に堆積した堆積物Dを除去することが可能となり、堆積物Dの除去作業を容易化することができる。
また、成膜装置1によれば、堆積物Dを除去する場合に、真空容器10を大気開放する必要がないため、堆積物Dの除去作業を効率的に実施することができる。
また、回路部41は、主ハース21とアウターリム28とを短絡させる切り替えスイッチS1を有している。この切り替えスイッチS1により、絶縁体22で電気的に絶縁状態となるように配置されている主ハース21とアウターリム28との間を短絡させることができる。
また、回路部41は、電源42に直列接続された切り替えスイッチS2を有しているので、主ハース21及びアウターリム28に対して電源42により電圧を印可又は遮断することができる。
また、主ハース21のフランジ部21bとアウターリム28の底部28cとの間に絶縁体22が挟まれているので、主ハース21とアウターリム28との間を確実に電気的に絶縁することができる。
また、成膜装置1によれば、堆積物Dを機械的な方法により除去するための機構を真空容器10内に設置する必要がないので、成膜装置1の構成の複雑化を抑制し、成膜装置1の構成を簡素化できる。
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
成膜装置1の回路部41は、主ハース21とアウターリム28との間の電位差を制御可能な構成であればよい。例えば、回路部41は、主ハース21と接地電位とに接続された第1の電源と、アウターリム28と接地電位とに接続された第2の電源とを有していてもよい。制御部46が、第1の電源と第2の電源とを同じ電圧に設定することにより、主ハース21とアウターリム28との間の電位差をなくして、成膜運転モードに設定することができる。また、制御部46が、第1の電源と第2の電源とを互いに異なる電圧に設定することにより、主ハース21とアウターリム28との間に電位差を生じさせて、清掃運転モードに設定することができる。
また、回路部では、スイッチS2がトランジスタを用いたものであってもよい。このような回路部は、主ハースとアウターリムとの間に電位差を与えるための構成として、放電用電源と、スイッチ用トランジスタと、スイッチング用電源とを含んでいる。放電用電源の一端は、主ハースに接続されている。スイッチ用トランジスタは、コレクタが放電用電源の他端に接続され、エミッタがアウターリムに接続され、ベースがスイッチング電源の一端に接続されている。スイッチング電源の他端は、アウターリムに接続されている。このような回路構成によれば、スイッチング用電源を制御することにより、スイッチ用トランジスタのコレクタとエミッタとの間に流れる電流が制御されるので、主ハースとアウターリムとの間の電位差を制御することができる。
また、インシュレータ22は、主ハース21のフランジ部21bとアウターリム28の底部28cとに挟まれた部位に加えて、アウターリム28における開口28aの内側面と、主ハース21の充填部21aの側面との間に挟まれた部位を有していてもよい。
また、成膜装置1は、真空容器10を大気開放することなく堆積物Dを除去することが可能であるが、例えば、堆積物Dの除去以外の目的で真空容器10を大気開放した後に所定の圧力まで減圧して堆積物Dを除去してもよい。
1…成膜装置、2…ハース機構、3…搬送機構、6…輪ハース、7…プラズマ源、8…圧力調整装置、10…真空容器、11…被処理物、21…主ハース、22…インシュレータ、28…アウターリム、31…搬送ローラ、32…被処理物保持部材、41…回路部、42…電源、43…第1の配線、44…第2の配線、46…制御部、C…放電、D…堆積物、Ma…成膜材料、P…プラズマビーム、S1,S2…スイッチ。

Claims (4)

  1. プラズマビームによって成膜材料を加熱し、前記成膜材料から気化した粒子を被成膜物に付着させる成膜装置であって、
    前記成膜材料が充填されると共に、前記プラズマビームを前記成膜材料へ導く主陽極である主ハースと、
    前記主ハースの周囲に配置されると共に、前記プラズマビームを誘導する補助陽極である輪ハースと、
    前記主ハースと前記輪ハースとの間に配置されたアウターリムと、
    前記主ハースに対して前記アウターリムを電気的に絶縁させる絶縁体と、
    前記主ハースと前記アウターリムとに電気的に接続可能な電源を有する回路部と、
    を備えることを特徴とする成膜装置。
  2. 前記回路部は、前記電源に並列接続された第1のスイッチを更に有することを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
  3. 前記回路部は、前記電源に直列接続された第2のスイッチを更に有することを特徴とする請求項1又は2に記載の成膜装置。
  4. 前記主ハースは、前記成膜材料が充填された筒状の充填部と、前記充填部から突出したフランジ部と、を有し、
    前記アウターリムは、前記充填部を取り囲む側壁部と、前記フランジ部側における前記側壁部の端部に設けられた底部と、を有し、
    前記絶縁体は、前記フランジ部と前記底部との間に挟まれていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の成膜装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105970161A (zh) * 2016-06-24 2016-09-28 李晓马 一种不锈钢真空多弧离子镀膜卧式炉

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