JP2014065636A - セラミックス金属接合体の製造方法、及びスペーサー - Google Patents
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Abstract
【課題】筒状セラミックス体の外側に筒状金属管を被せて接合したセラミックス金属接合体の製造時間を短縮することができるセラミックス金属接合体の製造方法、及びその製造方法に用いることのできるスペーサーを提供する。
【解決手段】型締め力が50t以上のダイキャストマシン40を用いるセラミックス金属接合体の製造方法である。筒状セラミックス体11の外周面に、その外周面との間に間隙49を有した状態で筒状金属管12を被せて、ダイキャストマシン40の金型41で形成されたキャビティ内に配置する。そして、キャビティ内に200℃以下の溶湯を直径80〜100mmのプランジャーを用いて、プランジャー速度0.1〜1.0m/s以上で供給する。これにより、筒状セラミックス体11と筒状金属管12との間隙49内に溶湯を充填し、それを固化させてセラミックス金属接合体を製造する。
【選択図】図2B
【解決手段】型締め力が50t以上のダイキャストマシン40を用いるセラミックス金属接合体の製造方法である。筒状セラミックス体11の外周面に、その外周面との間に間隙49を有した状態で筒状金属管12を被せて、ダイキャストマシン40の金型41で形成されたキャビティ内に配置する。そして、キャビティ内に200℃以下の溶湯を直径80〜100mmのプランジャーを用いて、プランジャー速度0.1〜1.0m/s以上で供給する。これにより、筒状セラミックス体11と筒状金属管12との間隙49内に溶湯を充填し、それを固化させてセラミックス金属接合体を製造する。
【選択図】図2B
Description
筒状セラミックス体の外側に筒状金属管を被せて接合したセラミックス金属接合体の製造方法、及びスペーサーに関する。
セラミックスと金属を接合する方法として、ある程度の耐熱性が要求される場合は、一般的にろう付けが用いられることが多い(例えば、特許文献1,2)。セラミックスと金属の間に箔状もしくはペースト状のろう材を挟んだ状態で真空炉内に設置し、昇温することでろう材を溶かしセラミックスと金属間の接合を得る。しかしながら、筒状セラミックス体と筒状金属管を接合する場合は難しい。なぜなら、あらかじめ筒状金属管の中に筒状セラミックス体を配置し、その隙間を埋めるようにろう材を充填したとしても、熱膨張係数の違いから、昇温した際に隙間が広がってしまう。そのため、充填していたろう材では足りなくなり、大きな欠陥(ボイド)が生じるからである。セラミックス、金属の双方に対してよほど良好な濡れ性をもったろう材、または、セラミックスや金属への表面処理があれば毛細管現象にてろう材が入り込むことがありえないわけではないと思われるが、現状その様な良好な組み合わせは見つかっていない。
上記のように、筒状セラミックス体の外側に筒状金属管を被せた状態で一体化し、耐熱性、密着性がよい接合体を製造する方法が求められている。また、量産化のために、製造時間を短縮することが可能な製造方法が求められている。
本発明の課題は、筒状セラミックス体の外側に筒状金属管を被せて接合したセラミックス金属接合体の製造時間を短縮することができるセラミックス金属接合体の製造方法、及びその製造方法に用いることのできるスペーサーを提供することにある。
本発明者らは、型締め力が50t以上のダイキャストマシンを用いることにより、短時間で筒状セラミックス体の外側に筒状金属管を被せて接合したセラミックス金属接合体を製造することができることを見出した。上記課題を解決するため、本発明によれば、以下のセラミックス金属接合体の製造方法、及びスペーサーが提供される。
[1] 筒状セラミックス体の外周面に、その外周面との間に間隙を有した状態で筒状金属管を被せて、型締め力が50t以上のダイキャストマシンの金型で形成されたキャビティ内に配置し、前記キャビティ内に200℃以下の溶湯を、直径80〜100mmのプランジャーを用いてプランジャー速度0.1〜1.0m/sで供給することにより、前記筒状セラミックス体と前記筒状金属管との前記間隙内に前記溶湯を充填し、それを固化させて前記筒状セラミックス体と前記筒状金属管とを接合したセラミックス金属接合体を製造するセラミックス金属接合体の製造方法。
[2] 前記筒状セラミックス体の端面に、間隙確保用ツメが外周面の径方向に突出して形成されているスペーサーを配置した状態で、前記筒状セラミックス体と前記筒状金属管とを前記キャビティ内に配置し、前記キャビティ内に溶湯を供給する前記[1]に記載のセラミックス金属接合体の製造方法。
[3] 前記スペーサーには、軸方向に突出した、筒状セラミックス体固定用ツメが形成されている前記[2]に記載のセラミックス金属接合体の製造方法。
[4] 前記キャビティを形成する前記金型が、前記筒状金属管が嵌る筒状の前記キャビティがその両端が開口して形成された、第一金型と、前記第一金型の一方側から前記キャビティの前記開口を塞ぐ第二金型と、前記第一金型の他方側から前記キャビティの前記開口を塞ぐ第三金型と、によって構成されている前記[1]〜[3]のいずれかに記載のセラミックス金属接合体の製造方法。
[5] 前記第二金型には、前記第一金型の前記セラミックス金属接合体を前記キャビティから押し出すための押出機構が備えられている前記[4]に記載のセラミックス金属接合体の製造方法。
[6] 前記第三金型には、前記筒状セラミックス体の前記第三金型側の端面に配置されたスペーサーを前記筒状セラミックス体側に押しつけるバネ機構が備えられている前記[4]または[5]に記載のセラミックス金属接合体の製造方法。
[7] 前記第一金型と前記第三金型との合わせ面に、溶湯が前記キャビティに流入する湯道が形成されている前記[4]〜[6]のいずれかに記載のセラミックス金属接合体の製造方法。
[8] 前記第一金型と前記第二金型との合わせ面に、溶湯がキャビティから流出する湯道が形成されている前記[4]〜[7]のいずれかに記載のセラミックス金属接合体の製造方法。
[9] 前記第一金型と前記第二金型との前記合わせ面に溶湯溜まりが形成されている前記[8]に記載のセラミックス金属接合体の製造方法。
[10] 板状に形成され、その外周面に径方向に突出した間隙確保用ツメが設けられ、筒状セラミックス体の外周面に、その外周面との間に間隙を有した状態で筒状金属管を被せ、前記筒状セラミックス体と前記筒状金属管との前記間隙内に溶湯を充填し、それを固化させて前記筒状セラミックス体と前記筒状金属管とを接合したセラミックス金属接合体を製造する際に、前記筒状セラミックス体の端面に配置され、前記間隙確保用ツメによって前記筒状セラミックス体と前記筒状金属管との前記間隙を確保して前記溶湯を前記間隙に充填させるためのスペーサー。
[11] 軸方向に突出し、前記筒状セラミックス体の端面に配置された場合に、前記セラミックス体の前記外周面に嵌合して前記筒状セラミックス体を固定する筒状セラミックス体固定用ツメが設けられている前記[10]に記載のスペーサー。
型締め力が50t以上のダイキャストマシンを用いることにより、高い圧力で溶湯を筒状金属管と筒状セラミックス体との間に注入することができる。これにより、金型の温度を高温にする必要がなく、短時間で、セラミックス金属接合体を製造することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。
(セラミックス金属接合体)
図1Aに、本発明のセラミックス金属接合体の製造方法によって製造されるセラミックス金属接合体(以下、単に接合体ともいう)10を軸方向の一方の端面から見た模式図、図1Bに、接合体10の斜視図を示す。接合体10は、筒状セラミックス体11と、その筒状セラミックス体11の外周面7hに被された筒状金属管12と、を含む。そして、筒状セラミックス体11と筒状金属管12との間に、金属が溶融状態で充填され、それが固化して金属接合材層13となり、筒状セラミックス体11と筒状金属管12とが接合されている。本明細書における溶融状態とは、完全溶融状態のみならず、半溶融状態(固体から、固液共存になった状態)、半凝固状態(一度液体にしてから、液固共存になった状態)のセミソリッドも含む。
図1Aに、本発明のセラミックス金属接合体の製造方法によって製造されるセラミックス金属接合体(以下、単に接合体ともいう)10を軸方向の一方の端面から見た模式図、図1Bに、接合体10の斜視図を示す。接合体10は、筒状セラミックス体11と、その筒状セラミックス体11の外周面7hに被された筒状金属管12と、を含む。そして、筒状セラミックス体11と筒状金属管12との間に、金属が溶融状態で充填され、それが固化して金属接合材層13となり、筒状セラミックス体11と筒状金属管12とが接合されている。本明細書における溶融状態とは、完全溶融状態のみならず、半溶融状態(固体から、固液共存になった状態)、半凝固状態(一度液体にしてから、液固共存になった状態)のセミソリッドも含む。
筒状セラミックス体11とは、セラミックスで筒状に形成され、軸方向の一方の端面2から他方の端面2まで貫通する流体の流路を有するものである。筒状とは、円筒状(円柱状)に限らず、四角柱状やその他の形状であってもよい。筒状セラミックス体11としては、隔壁4を有し、隔壁4によって、流体の流路となる多数のセルが区画形成されたハニカム構造体1を挙げることができる。隔壁4を有することにより、筒状セラミックス体11の内部を流通する流体からの熱を効率よく集熱し、外部に伝達することができる。図1A及び図1Bは、多数のセル3が形成されたハニカム構造体1を筒状セラミックス体11として用いた実施形態である。なお、ハニカム構造体1を直列に複数組み合わせた状態で使用してもよい。その際に、セル3内を通過する流体の流路抵抗を増加させるために、それぞれのハニカム構造体1のセル3の位相を回転させた状態(例えば、2本のハニカム構造体1の相対角度を45°回転させた状態)で筒状金属管12をハニカム構造体1(筒状セラミックス体11)に被せてもよい。
図1A、及び図1Bに示すセラミックス金属接合体10の実施形態は、ツバ部12aを有する。図1Bに示すように、接合体10は、筒状金属管12の長さよりも筒状セラミックス体11の長さが短く、筒状セラミックス体11の軸方向の端面11s(ハニカム構造体1の端面2)が筒状金属管12内に収まっている。筒状金属管12に筒状セラミックス体11と接しないツバ部12aが形成されている。筒状セラミックス体11の端面11sが筒状金属管12内に収まってツバ部12aが形成されていると、接合体10を加工して、配管等に接続しやすく、利用しやすい。
筒状セラミックス体11は、熱伝導率が100W/m・K以上であることが好ましい。より好ましくは、120〜300W/m・K、さらに好ましくは、150〜300W/m・Kである。この範囲とすることにより、熱伝導性が良好となり、効率的に筒状セラミックス体11内の熱を筒状金属管12の外側に排出できる。
筒状セラミックス体11は、耐熱性に優れるセラミックスを用いることが好ましく、特に伝熱性を考慮すると、熱伝導性が高いSiC(炭化珪素)が主成分であることが好ましい。なお、主成分とは、筒状セラミックス体11の50質量%以上が炭化珪素であることを意味する。
但し、必ずしも筒状セラミックス体11の全体がSiC(炭化珪素)で構成されている必要はなく、SiC(炭化珪素)が本体中に含まれていれば良い。即ち、筒状セラミックス体11は、SiC(炭化珪素)を含むセラミックスからなるものであることが好ましい。
SiC(炭化珪素)であっても多孔体の場合は高い熱伝導率が得られないため、筒状セラミックス体11の作製過程でシリコンを含浸させて緻密体構造とすることが好ましい。緻密体構造にすることで高い熱伝導率が得られる。例えば、SiC(炭化珪素)の多孔体の場合、20W/m・K程度であるが、緻密体とすることにより、150W/m・K程度とすることができる。
筒状セラミックス体11として、Si含浸SiC、(Si+Al)含浸SiC、金属複合SiC、再結晶SiC、Si3N4、及びSiC等を採用することができるが、高い熱交換率を得るための緻密体構造とするためにSi含浸SiC、(Si+Al)含浸SiCを採用することができる。Si含浸SiCは、SiC粒子表面を金属珪素融体の凝固物が取り囲むとともに、金属珪素を介してSiCが一体に接合した構造を有するため、炭化珪素が酸素を含む雰囲気から遮断され、酸化から防止される。さらに、SiCは、熱伝導率が高く、放熱しやすいという特徴を有するが、Siを含浸するSiCは、高い熱伝導率や耐熱性を示しつつ、緻密に形成され、伝熱部材として十分な強度を示す。つまり、Si−SiC系(Si含浸SiC、(Si+Al)含浸SiC)材料からなる筒状セラミックス体11は、耐熱性、耐熱衝撃性、耐酸化性をはじめ、酸やアルカリなどに対する耐蝕性に優れた特性を示すとともに、高熱伝導率を示す。
筒状セラミックス体11を、一方の端面2から他方の端面2まで貫通する流体の流路となる複数のセル3が隔壁4によって区画形成されたハニカム構造体1として形成することができる。この場合、セル3の軸方向に垂直な断面の形状は、円形、楕円形、三角形、四角形、その他の多角形等の中から所望の形状を適宜選択すればよい。
ハニカム構造体1のセル密度(即ち、単位断面積当たりのセルの数)については特に制限はなく、目的に応じて適宜設計すればよいが、25〜2000セル/平方インチ(4〜320セル/cm2)の範囲であることが好ましい。セル密度をこの範囲とすることにより、隔壁4の強度、ひいてはハニカム構造体1自体の強度及び有効GSA(幾何学的表面積)の不足を防止しつつ、熱媒体がセル3を流れる際の圧力損失が大きくなることを防止することができる。
また、ハニカム構造体1の1つ当たりのセル数は、1〜10,000が望ましく、200〜2,000が特に望ましい。セル数をこの範囲とすることにより、ハニカム自体が大きくなることによって、第一の流体側から第二の流体側までの熱伝導距離が長くなり、熱伝導ロスが大きくなることを防止することができる。また、第一の流体側の熱伝達面積が小さくなり第一の流体側の熱抵抗を下げることが出来ず熱流束が小さくなることを防止することができる。
ハニカム構造体1のセル3の隔壁4の厚さ(壁厚)についても、目的に応じて適宜設計すればよく、特に制限はない。壁厚を50μm〜2mmとすることが好ましく、60〜500μmとすることが更に好ましい。壁厚をこの範囲とすることにより、機械的強度を増加させ、衝撃や熱応力によって破損することを防止することができる。また、ハニカム構造体側に占めるセル容積の割合を大きくし、流体の圧力損失を小さくすることができる。さらに、熱交換率を向上させることができる。
ハニカム構造体1のセル3の隔壁4の密度は、0.5〜5g/cm3であることが好ましい。この範囲とすることにより、隔壁4の強度を十分なものとすることができる。また、隔壁4の強度を十分なものとしつつ、軽量化することができる。さらに、熱伝導率を向
上させる効果も得られる。
上させる効果も得られる。
後述するように、接合体10は、熱交換器30(図5参照)に利用することができる。熱交換器30に流通させる第一の流体が排ガスの場合、第一の流体が通過するハニカム構造体1のセル3内部の壁面には、触媒が担持されていることが好ましい。これは、排ガス浄化の役割に加えて、排ガス浄化の際に発生する反応熱(発熱反応)も熱交換することが可能になるためである。触媒としては、貴金属(白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、インジウム、銀、及び金)、アルミニウム、ニッケル、ジルコニウム、チタン、セリウム、コバルト、マンガン、亜鉛、銅、亜鉛、スズ、鉄、ニオブ、マグネシウム、ランタン、サマリウム、ビスマス及びバリウムからなる群から選択された元素を少なくとも一種を含有すると良い。これらは金属、酸化物、及びそれ以外の化合物であっても良い。
第一の流体が通過するハニカム構造体1の第一流体流通部5のセル3の隔壁4に担持される触媒(触媒金属+担持体)の担持量としては、10〜400g/Lであることが好ましく、貴金属であれば0.1〜5g/Lであることが更に好ましい。触媒(触媒金属+担持体)の担持量をこの範囲とすると、触媒作用が十分に発現する。また、圧力損失の増大や、製造コストの上昇を防止することもできる。
筒状金属管12としては、耐熱性、耐蝕性のあるものが好ましく、例えば、SUS管、Cr−Mo合金鋼管等の鋼管、銅管、真鍮管等の銅合金管、アルミ管、アルミ合金等の非鉄管を用いることができる。原子力等の特殊な用途の場合は、チタン管、ニッケル合金管、コバルト合金管等を用いることもできる。筒状金属管12の内径は、筒状セラミックス体11の外径よりも大きく、筒状金属管12の内径をdm、筒状セラミックス体11の外径をdcとした場合、dm=dc+0.1mm〜dc+4.0mmであることが好ましく、dm=dc+0.2mm〜dc+2.0mmであることがより好ましく、dm=dc+0.5mm〜dc+1.5mmが特に好ましい。この範囲にあることが、溶湯を筒状金属管12と筒状セラミックス体11との間隙49に充填し、強固なセラミックス金属接合体10とするために好ましい。また、筒状金属管12の内面や筒状セラミックス体11の外面に、メッキ等で表面処理をしておくことも好ましい。溶湯との濡れ性が向上し、製品品質が向上する。あるいは、同様の理由で、同面にフラックスを塗っておくことも好ましい。
(製造方法)
次に、接合体10の製造方法を説明する。まず、セラミックス粉末を含む坏土を所望の形状に押し出し、ハニカム成形体を作製する。ハニカム構造体1の材料としては、前述のセラミックスを用いることができるが、例えば、Si含浸SiC複合材料を主成分とするハニカム構造体1を製造する場合、所定量のC粉末、SiC粉末、バインダー、水又は有機溶媒を混練し坏土とし、成形して所望形状のハニカム成形体を得る。
次に、接合体10の製造方法を説明する。まず、セラミックス粉末を含む坏土を所望の形状に押し出し、ハニカム成形体を作製する。ハニカム構造体1の材料としては、前述のセラミックスを用いることができるが、例えば、Si含浸SiC複合材料を主成分とするハニカム構造体1を製造する場合、所定量のC粉末、SiC粉末、バインダー、水又は有機溶媒を混練し坏土とし、成形して所望形状のハニカム成形体を得る。
そしてハニカム成形体を乾燥し、Si含浸焼成することによって、隔壁4によってガスの流路となる複数のセル3が区画形成されたハニカム構造体1を得ることができる。
次に、ハニカム構造体1の外周面7hに、その外周面7hとの間に間隙49を有した状態で筒状金属管12を被せて、ダイキャストマシン40を用いて接合する。
図2A〜図2Dは、ダイキャストマシン40を用いてセラミックス金属接合体10を製造する工程を示す模式図である。本発明のセラミックス金属接合体10の製造方法は、筒状セラミックス体11の外周面に、その外周面との間に間隙49を有した状態で筒状金属管12を被せて、型締め力が50t以上のダイキャストマシン40の金型41で形成されたキャビティ42内に配置する。そして、キャビティ42内に200℃以下の溶湯を、直径80〜100mmのプランジャーを用いて、プランジャー速度0.1〜1.0m/sで供給する。これにより、筒状セラミックス体11と筒状金属管12との間隙49内に溶湯を充填し、それを固化させて筒状セラミックス体11と筒状金属管12とを接合したセラミックス金属接合体10(図1Aおよび図1B参照)を製造する。溶湯の温度を低く、プランジャー速度を速くすることにより、接合体10を短時間で製造することができる。ただし、プランジャー速度を速くするためには、型締め力を大きくする必要があり、型締め力を大きくするためには、装置が大型化する。型締め力との兼ね合いからは、プランジャー速度は、1.0m/s以下とすることが好ましい。また、溶湯の温度は、製造コストや溶湯タクトタイムを抑制するためには、200℃以下とすることが好ましく、溶湯の流動性確保の点からは、140℃以上が好ましい。
金型41内のキャビティ42に配置した筒状セラミックス体11と筒状金属管12との間隙49内に溶湯を充填する方法として、ダイキャスト(高圧鋳造)を用いる。ダイキャストは、サイクルタイム(コスト)に優れ、狭い隙間に溶湯を充填しやすい。また、低圧鋳造は、サイクルタイムは長くなるが、品質、材料歩留り等に優れる。以下、さらに詳しく、ダイキャストマシン40、及び各工程について説明する。
本発明のセラミックス金属接合体10の製造方法には、図2A等に示す型締め力が50t以上のダイキャストマシン40を用いる。型締め力としては、50t以上であることが好ましく、250t以上であるとさらに好ましい。型締め力が大きいダイキャストマシン40を用いることにより、溶湯の温度を低く、プランジャー速度を速くすることができる。
ダイキャストマシン40としては、例えば、3ピース構造金型41を備えるものを使用することができる。図2A等に示すダイキャストマシン40は、キャビティ42を形成する金型41が、第一金型41aと、第二金型41bと、第三金型41cと、によって構成されている。
第一金型41aは、筒状金属管12が嵌る筒状のキャビティ42がその両端が開口して形成されている。第二金型41bは、第一金型41aの一方側からキャビティ42の開口を塞ぎ、第三金型41cは、第一金型41aの他方側からキャビティ42の開口を塞ぐ。第一金型41aと、第二金型41bと、第三金型41cとを型締めすることにより、内部にキャビティ42が形成される。キャビティ42は、筒状セラミックス体11と筒状金属管12が収容可能に形成されている。
第一金型41aに形成された筒状のキャビティ42は、筒状金属管12が嵌合する形状に形成されている。また、キャビティ42の長手方向の長さは、筒状金属管12の長手方向(軸方向)の長さと同等以上の長さである。
第二金型41bには、第一金型41aのセラミックス金属接合体10をキャビティ42から押し出すための押出機構が備えられている。具体的には、第二金型41bには、第一金型41aのキャビティ42の開口に対向する位置に、キャビティ42の長手方向に進退自由にピストン43が備えられている。
第三金型41cには、筒状セラミックス体11の第三金型側の端面に配置されたスペーサー52を筒状セラミックス体11側に押しつけるバネ機構44が備えられている。バネ機構44は、バネ44aと押板44bによって構成されている。バネ機構44によって、スペーサー52を筒状セラミックス体11の端面に押しつけることができる。これにより、筒状セラミックス体11の内部に溶湯が浸入することを防止することができる。
次に、ダイキャストマシン40を用いてセラミックス金属接合体10を製造する工程を説明する。図2Aに示すように、筒状セラミックス体11の外側に筒状金属管12を被せた状態で、これらを第一金型41aの筒状のキャビティ42に挿入する。ツバ部12aを有するセラミックス金属接合体10を製造する場合、筒状金属管12の長さよりも筒状セラミックス体11の長さが短い。このため筒状セラミックス体11の端面にスペーサー52を配置する。
図3A〜図3Cに、スペーサー52を示す。図3Aは、スペーサー52の平面図、図3Bは、図3Aのスペーサー52のA−A断面図、図3Cは、図3Aのスペーサー52のB−B断面図である。
スペーサー52は、板状に形成されており、筒状セラミックス体11や筒状金属管12が円筒状(円柱状)の場合、円板状に形成されていることが好ましい。スペーサー52は、円板状の本体部52aの一方の面の中央部に凹部52bが形成され、凹部52bの中央には、雌ねじ部52cが形成されている。本体部52aの外径側面52t、および凹部52bを形成する、本体部52aの内径側面52s(本体部52aと凹部52bとの境界の面)は2〜3degのテーパーが設けられていたほうが着脱しやすく、望ましい。
スペーサー52は、板状に形成されており、その外周部に、筒状セラミックス体固定用ツメ52mが等間隔で4つ備えられている(図3A)。また、図3Bに示すように、筒状セラミックス体固定用ツメ52mは、スペーサー52の厚さ方向における端面から突出して形成されており、この突出部が筒状セラミックス体11の外周面に嵌合して、筒状セラミックス体11を固定することができる。
また、図3Cに示すように、スペーサー52は、板状に形成されており、その外周面に径方向に突出した、間隙確保用ツメ52nが設けられている。これにより、筒状セラミックス体11の端面11sに配置された場合に、筒状セラミックス体11と筒状金属管12との間に均一な空間(間隙49)を確保することができる。そして、均等な間隙49を確保して溶湯を充填することができる。なお、筒状セラミックス体固定用ツメ52mによって間隙49を確保するようにして、図3Cに示すような間隙確保用ツメ52nを省略することもできる。この場合、筒状セラミックス体固定用ツメ52mが間隙確保用ツメ52nでもある。
図2Aに示すように、上記のようなスペーサー52を筒状セラミックス体11の端面11sに配置した状態で、筒状セラミックス体11と筒状金属管12とをキャビティ42内に配置する。筒状セラミックス体11は、その長手方向(軸方向)が水平方向となるようにキャビティ42内に配置される。
図2Bに示すように金型41を締める。型締め力は、50t以上であることが好ましく、150t以上であることがより好ましく、250t以上であることがさらに好ましい。図2Bに示すように金型41を締めた後に、キャビティ42内に溶湯を供給する。型締め力を50t以上とすることにより、直径80〜100mmのプランジャーを用いて、プランジャー速度0.1m/s以上で、言い換えると高圧で短時間に溶湯を充填することができる。
金型41内に溶湯を供給する際に、金型温度は融点以下の温度に設定しておくことが好ましい。具体的には、溶湯を供給する際の金型温度は、溶湯の融点よりも0〜550℃低い温度であることが好ましく、150〜500℃低い温度であることがより好ましく、300〜450℃低い温度であることが特に好ましい。金型温度が低すぎると、筒状セラミックス体11と筒状金属管12との間の間隙49に溶湯を充填させることが難しくなり、高すぎるとエネルギーコストがかかる上にリードタイムが長くなり、金型寿命も短くなる。
図2Bにおいて、プランジャー46により溶湯を加圧することにより、溶湯を型内に射出し、筒状セラミックス体11と筒状金属管12との間の間隙49に溶湯を充填させることができる。溶湯が加圧されてキャビティ42内に供給されるために、筒状セラミックス体11と筒状金属管12との間の間隙49に溶湯を充填することができる。そして、それが冷却されることで接合体10を得ることができる。
溶湯となる金属は特に限定されないが、700℃以下の融点をもつ金属であることが好ましく、78℃以上の融点であることがさらに好ましい。700℃以下の融点であれば、コストを抑えることができる。78℃以上の融点であれば、使用時の耐熱性に優れる。溶湯としては、例えば、Al、Mg、Sn、Cu、Ag、Zn、Cd、In、Biから少なくとも一つ以上が含まれた金属を使用することができる。金属の熱伝導率については、20W/m・K以上であることが好ましく、90W/m・K以上であることがより好ましく、150W/m・K以上であることが特に好ましい。20W/m・K以上にすることによって、伝熱特性の良好な製品を得ることができる。また、金属の耐力については、150MPa以下であることが好ましく、130MPa以下であることがより好ましく、70MPa以下であることが特に好ましい。150MPa以下にすることによって、セラミックスの割れを防ぎ製品の耐久性を向上させることができる。
第一金型41aと第三金型41cとの合わせ面に、溶湯がキャビティ42に流入する湯道48aが形成されており、キャビティ42内に溶湯を流入させることができる。これにより、筒状セラミックス体11と筒状金属管12との隙間に溶湯を流入させることができる。
第一金型41aと第二金型41bとの合わせ面に、溶湯がキャビティ42から流出する湯道48bが形成されており、キャビティ42に流入した溶湯を金型41外に流出させることができる。
第一金型41aと第二金型41bとの合わせ面に溶湯溜まり50が形成されている。また、溶湯溜まり50に連通する空気孔(図示せず)が形成されており、空気孔から空気を排出し、溶湯溜まり50によって溶湯が噴出することを防止することができる。
次に、溶湯を充填した後、図2Cに示すように、金型41を離型する。続いて、図2Dに示すように、ピストン43をセラミックス金属接合体10側へ前進させることにより、セラミックス金属接合体10を第一金型41aの筒状のキャビティ42から排出させる。このとき、第一金型41aと第二金型41bとの合わせ面に、溜まった溶湯が冷却して固まった不要部14は、ピストン43がセラミックス金属接合体10を押出することにより、折れ曲がって切り離される。
間隙49に溶湯の充填が終了して、溶湯が固化した後、図4に示すように、スペーサー取り出し用治具53を用いて、スペーサー52を取り出す。具体的には、スペーサー52の雌ねじ部52cにスペーサー取り出し用治具53の雄ねじ部53cを入れてスペーサー52を取り出すことができる。以上のようにして、ツバ部12aを有するセラミックス金属接合体10を製造することができる。
焼きばめで筒状セラミックス体11と筒状金属管12を一体化する場合は、筒状セラミックス体11の外径と筒状金属管12の内径とを精度よく作製する必要がある。しかし、本発明の製造方法のように、高圧鋳造により溶湯を充填する方法では、セラミックスの高精度の加工が不要となるためコストダウンが可能になるという利点がある。間隙49のサイズは、0.05〜5mmであることが好ましく、0.1〜3mm程度がより好ましく、0.5〜2mm程度が特に好ましい。間隙49のサイズが大きすぎると、熱伝達特性が低
下し熱交換性能が悪くなる場合があり、小さすぎると、筒状セラミックス体11と筒状金属管12との間の間隙49に溶湯を充填させることが難しくなる。ダイキャストマシン40にて高圧鋳造を行うことにより、筒状セラミックス体11と筒状金属管12との間隙49の全体に溶湯を充填することができる。間隙49の全体に溶湯が充填されて固化されるため、筒状セラミックス体11と筒状金属管12とが強固に接合される。また、これらの密着性がよいため、筒状セラミックス体11と筒状金属管12との熱伝導性もよい。
下し熱交換性能が悪くなる場合があり、小さすぎると、筒状セラミックス体11と筒状金属管12との間の間隙49に溶湯を充填させることが難しくなる。ダイキャストマシン40にて高圧鋳造を行うことにより、筒状セラミックス体11と筒状金属管12との間隙49の全体に溶湯を充填することができる。間隙49の全体に溶湯が充填されて固化されるため、筒状セラミックス体11と筒状金属管12とが強固に接合される。また、これらの密着性がよいため、筒状セラミックス体11と筒状金属管12との熱伝導性もよい。
焼きばめは化学的な結合が無いため、熱伝達が良くない。一方、ろう付けや本発明の溶湯接合の場合は、化学的な結合が得られるため、熱伝達ではなく熱伝導になり、伝熱特性が向上する。化学結合が得られるのはろう付けも溶湯接合も同じであるが、ろう付けの場合、セラミックスや金属とろう材が高温で接している時間が長いため、反応が進みすぎ、硬くて脆い金属間化合物ができる場合が多い。それに対し、本発明のセラミックス金属接合体10の製造方法である溶湯接合の場合は、充填してから固化まで秒単位の作業なので、極小さい範囲での化学的な結合が得られ、反応が進みすぎず、機械的特性が悪い金属間化合物などができにくく好ましい。
(熱交換器)
次に、セラミックス金属接合体10を用いた一実施形態として熱交換器30を説明する。図5に接合体10を含む熱交換器30の斜視図を示す。筒状セラミックス体11の内部に第一の流体を、筒状金属管12の外周面12h側に第一の流体よりも低温の第二の流体を流通させることにより、第一の流体と第二の流体との熱交換を行うことができる。図5に示すように、熱交換器30は、接合体10(ハニカム構造体1+金属接合材層13+筒状金属管12)と、接合体10を内部に含むケーシング21とによって形成されている。筒状セラミックス体11のハニカム構造体1のセル3が第一の流体が流通する第一流体流通部5となる。熱交換器30は、ハニカム構造体1のセル3内を、第二の流体よりも高温の第一の流体が流通するように構成されている。また、ケーシング21に第二の流体の入口22及び出口23が形成されており、第二の流体は、接合体10の筒状金属管12の外周面12h上を流通する。
次に、セラミックス金属接合体10を用いた一実施形態として熱交換器30を説明する。図5に接合体10を含む熱交換器30の斜視図を示す。筒状セラミックス体11の内部に第一の流体を、筒状金属管12の外周面12h側に第一の流体よりも低温の第二の流体を流通させることにより、第一の流体と第二の流体との熱交換を行うことができる。図5に示すように、熱交換器30は、接合体10(ハニカム構造体1+金属接合材層13+筒状金属管12)と、接合体10を内部に含むケーシング21とによって形成されている。筒状セラミックス体11のハニカム構造体1のセル3が第一の流体が流通する第一流体流通部5となる。熱交換器30は、ハニカム構造体1のセル3内を、第二の流体よりも高温の第一の流体が流通するように構成されている。また、ケーシング21に第二の流体の入口22及び出口23が形成されており、第二の流体は、接合体10の筒状金属管12の外周面12h上を流通する。
つまり、ケーシング21の内側面24と筒状金属管12の外周面12hとによって第二流体流通部6が形成されている。第二流体流通部6は、ケーシング21と筒状金属管12の外周面12hとによって形成された第二の流体の流通部であり、第一流体流通部5とハニカム構造体1の隔壁4、金属接合材層13、筒状金属管12によって隔たれて熱伝導可能とされており、第一流体流通部5を流通する第一の流体の熱を隔壁4、金属接合材層13、筒状金属管12を介して受け取り、流通する第二の流体である被加熱体へ熱を伝達する。第一の流体と第二の流体とは、完全に分離されており、これらの流体は混じり合わないように構成されている。
以上のような構成の本発明の熱交換器30に流通させる第一の流体である加熱体としては、熱を有する媒体であれば、気体、液体等、特に限定されない。例えば、気体であれば自動車の排ガス等が挙げられる。また、加熱体から熱を奪う(熱交換する)第二の流体である被加熱体は、加熱体よりも低い温度であれば、媒体としては、気体、液体等、特に限定されない。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下のようにして、ツバ部12aを有するセラミックス金属接合体10を製造した。セラミックス粉末を含む坏土を所望の形状に押し出した後、乾燥し、Si含浸焼成することによって、材質が炭化珪素、本体サイズが直径(外径)42mm、長さ80mmの円柱状(筒状)のハニカム構造体1を製造した。すなわち、筒状セラミックス体11として、ハニカム構造体1を用いた。ハニカム構造体1のセル密度は23.3セル/cm2、隔壁4の厚さ(壁厚)は0.3mm、ハニカム構造体1の熱伝導率は150W/m・Kであった。
筒状金属管12として直径45mm、厚さ0.5mmのSUS管を作製した。そして、筒状セラミックス体11(ハニカム構造体1)の外周面に、その外周面との間に間隙49(1.0mm)を有した状態で筒状金属管12を被せて、筒状セラミックス体11の両端面2,2を覆う様に軟質のグラファイトシート(厚さ0.25mm)を貼り付けた後、スペーサー52を重ね、S45C製金型41で形成されたキャビティ42内に溶湯の流れを損なわない様に配置し、140℃に金型41を昇温した。つまり、キャビティ42に供給される溶湯の温度は、140℃であった。型締め力は、250tであった。
そして、熱伝導率およそ200W/m・K、耐力およそ34MPaの99.5%アルミの溶湯(融点657℃)(ダイキャスト用合金ADC12/HT−1)をキャビティ42内に、直径80mmのプランジャーを用いて、プランジャー速度0.4m/sで加圧・供給することにより、筒状セラミックス体11と筒状金属管12との間隙49内に溶湯を充填した。サーモカメラを用いて間隙49内への溶湯の充填を観測した。溶湯が間隙49に充填され、間隙49の空気層が消滅したのが観測できた。溶湯を固化させることにより、セラミックス金属接合体10が得られた。筒状金属管12や筒状セラミックス体11等を金型41にセットし、溶湯を供給して接合体10とし、それを取り出すまでの溶湯タクトタイムは、約30秒であった。
また、同様にして、金型41の温度が140℃で、プランジャー速度が0.1m/s、1.0m/sのとき、筒状セラミックス体11と筒状金属管12とを十分に接合できることを確認した。さらに、金型41の温度を200℃にして、プランジャー速度が0.1m/s、1.0m/sのとき、筒状セラミックス体11と筒状金属管12とを十分に接合できることを確認した。
本発明の製造方法は、筒状セラミックス体と筒状金属管との接合に利用することができる。セラミックス金属接合体は、筒状セラミックス体が筒状金属管で保護されており、熱交換体等に利用することができる。
1:ハニカム構造体、2:端面、3:セル、4:隔壁、5:第一流体流通部、6:第二流体流通部、7h:外周面、10:セラミックス金属接合体、11:筒状セラミックス体、11s:端面、12:筒状金属管、12a:ツバ部、12h:外周面、13:金属接合材層、14:不要部、21:ケーシング、22:入口、23:出口、24:内側面、30:熱交換器、40:ダイキャストマシン、41:金型、41a:第一金型、41b:第二金型、41c:第三金型、42:キャビティ、43:ピストン、44:バネ機構、44a:バネ、44b:押板、46:プランジャー、48a,48b:湯道、49:間隙、50:溶湯溜まり、52:スペーサー、52a:本体部、52b:凹部、52c:雌ねじ部、52m:筒状セラミックス体固定用ツメ、52n:間隙確保用ツメ、52s:内径側面、52t:外径側面、53:スペーサー取り出し用治具、53c:雄ねじ部。
Claims (11)
- 筒状セラミックス体の外周面に、その外周面との間に間隙を有した状態で筒状金属管を被せて、型締め力が50t以上のダイキャストマシンの金型で形成されたキャビティ内に配置し、
前記キャビティ内に200℃以下の溶湯を、直径80〜100mmのプランジャーを用いてプランジャー速度0.1〜1.0m/sで供給することにより、前記筒状セラミックス体と前記筒状金属管との前記間隙内に前記溶湯を充填し、それを固化させて前記筒状セラミックス体と前記筒状金属管とを接合したセラミックス金属接合体を製造するセラミックス金属接合体の製造方法。 - 前記筒状セラミックス体の端面に、間隙確保用ツメが外周面の径方向に突出して形成されているスペーサーを配置した状態で、前記筒状セラミックス体と前記筒状金属管とを前記キャビティ内に配置し、前記キャビティ内に溶湯を供給する請求項1に記載のセラミックス金属接合体の製造方法。
- 前記スペーサーには、軸方向に突出した、筒状セラミックス体固定用ツメが形成されている請求項2に記載のセラミックス金属接合体の製造方法。
- 前記キャビティを形成する前記金型が、
前記筒状金属管が嵌る筒状の前記キャビティがその両端が開口して形成された、第一金型と、
前記第一金型の一方側から前記キャビティの前記開口を塞ぐ第二金型と、
前記第一金型の他方側から前記キャビティの前記開口を塞ぐ第三金型と、
によって構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のセラミックス金属接合体の製造方法。 - 前記第二金型には、前記第一金型の前記セラミックス金属接合体を前記キャビティから押し出すための押出機構が備えられている請求項4に記載のセラミックス金属接合体の製造方法。
- 前記第三金型には、前記筒状セラミックス体の前記第三金型側の端面に配置されたスペーサーを前記筒状セラミックス体側に押しつけるバネ機構が備えられている請求項4または5に記載のセラミックス金属接合体の製造方法。
- 前記第一金型と前記第三金型との合わせ面に、溶湯が前記キャビティに流入する湯道が形成されている請求項4〜6のいずれか1項に記載のセラミックス金属接合体の製造方法。
- 前記第一金型と前記第二金型との合わせ面に、溶湯がキャビティから流出する湯道が形成されている請求項4〜7のいずれか1項に記載のセラミックス金属接合体の製造方法。
- 前記第一金型と前記第二金型との前記合わせ面に溶湯溜まりが形成されている請求項8に記載のセラミックス金属接合体の製造方法。
- 板状に形成され、その外周面に径方向に突出した間隙確保用ツメが設けられ、
筒状セラミックス体の外周面に、その外周面との間に間隙を有した状態で筒状金属管を被せ、前記筒状セラミックス体と前記筒状金属管との前記間隙内に溶湯を充填し、それを固化させて前記筒状セラミックス体と前記筒状金属管とを接合したセラミックス金属接合体を製造する際に、
前記筒状セラミックス体の端面に配置され、前記間隙確保用ツメによって前記筒状セラミックス体と前記筒状金属管との前記間隙を確保して前記溶湯を前記間隙に充填させるためのスペーサー。 - 軸方向に突出し、前記筒状セラミックス体の端面に配置された場合に、前記セラミックス体の前記外周面に嵌合して前記筒状セラミックス体を固定する筒状セラミックス体固定用ツメが設けられている請求項10に記載のスペーサー。
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