JP2014065204A - 紫外線照射器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】紫外線放電ランプ14が放射する紫外線Uを照射する紫外線照射器10において、照射される紫外線Uの漏れ光Uaを遮光する遮光板35と、遮光板35を支持する支持フレーム25とを有する遮光ユニット23を備え、紫外線放電ランプ14からみて遮光板35に隠れた箇所に支持フレーム25を配置している。
【選択図】図2
Description
また印刷機の紫外線照射器では、一般に高出力の光源が用いられる。このため漏れ光を遮る遮光板を単純に設けただけでは、遮光板が光源の輻射熱により熱変形して遮光範囲が変わってしまい、漏れ光が確実に遮光できなくなるばかりか、照射光の照射範囲にも影響を与える。
これに加え、この遮光板を支持する支持フレームを、紫外線光源からみて遮光板に隠れた箇所に配置する構成であるため、支持フレームが紫外線光源の紫外線や輻射熱に曝されることがない。このため、紫外線光源の出力が大きい場合でも、紫外線や輻射熱による支持フレームの熱変形が抑えられる。これにより、支持フレームの熱変形に伴う遮光板の変形や変位が抑えられるから、かかる変形や変位により照射範囲が変化する等を防止できる。
図1は本実施形態に係る紫外線照射器10を有する印刷機1の構成の一部を示す図である。
印刷機1は、紫外線硬化型のUVインキをインキヘッド(図示せず)から吐出してシート4に塗布し、これに紫外線Uを照射してUVインキを硬化させることで印刷する。すなわち、印刷機1は、図1に示すように、インキヘッドでUVインキが塗布されたシート4を搬送路5aに沿って搬送する搬送手段5と、シート4に紫外線Uを照射してUVインキを硬化させる一対の紫外線照射器10と、シート4への紫外線照射を窒素雰囲気下で行うための窒素パージボックス6と、を備えている。
印刷機1は、図1に示す部材の他にも、UVインキ塗布前の未印刷のシート4をストックする貯シート部等の通常の印刷機が備える部材を備えている。なお、この図では、シート4として枚葉紙を図示しているが、ロール紙等の連続紙であっても良い。
搬送手段5は、この搬送路5aに沿ってシート4を搬送するものであり、搬送路5aに沿って延在する搬送ベルト5bと、当該搬送ベルト5bを移送する複数のスプロケット8a〜8cとを有している。
一対の紫外線照射器10は、それぞれ略同一に構成されており、照射器本体11と、遮光装置20と、を備えている。
照射器本体11は、図3に示すように、シート4のシート幅方向E(搬送方向Dに直交する方向)に長く延びる略箱型の筐体13を備え、この筐体13には、紫外線Uを放射するランプユニット12が内設されている。
ランプユニット12は、線状の紫外線光源である紫外線放電ランプ14、及び反射鏡16を備えている。紫外線放電ランプ14は、1本、又は直線状に配置された複数本の直管型の線状光源を構成するランプであり、シート4の幅の全長に亘ってシート幅方向Eに延在する。反射鏡16は、紫外線放電ランプ14に沿って延び、当該紫外線放電ランプ14を包囲する楕円反射鏡である。
これにより、照射器本体11から照射された紫外線Uが効率良く窒素パージボックス6に導かれ、搬送路5aをシート幅方向Eの全域に亘り、なおかつ搬送方向Dに沿って広範囲に照射される。
具体的には、照射器本体11の筐体13は、図2に示すように、照射開口13aがガラス板17で閉塞されることで気密に構成されるとともに、筐体13の天面には送風ダクト15a、及び排気ダクト15bが接続されている。送風ダクト15aには図示せぬ送風ファンが接続されており、この送風ファンの送風動作によって外部から筐体13の内部に冷却風が送り込まれる。冷却風は筐体13の内部を循環しながら紫外線放電ランプ14,及び反射鏡16を冷却し、排気ダクト15bから排出される。
そこで、この印刷機1では、上記の通り、遮光装置20を照射器本体11の照射開口13aに設けることで、かかる漏れ光Uaを遮光することとしている。ただし、印刷機の構成や照射器本体11の配置レイアウト、紫外線Uの出力によっては、漏れ光対策が不要な場合がある。そこで、この遮光装置20は、漏れ光対策の必要性に応じて適宜に設置可能にすべく、照射器本体11の外側に後付けにより取り付けられている。
この装置筐体21の高さは、照射器本体11と窒素パージボックス6との間の隙間αに収まる高さに制限されており、照射器本体11の配置を変更することなく照射器本体11に後付可能としている。
遮光ユニット23は、この漏れ光Uaを遮光すべく、紫外線通し窓21aの長手方向(シート幅方向E、すなわち紫外線放電ランプ14の延在方向)の一端24aから他端24bに架け渡した遮光板35を備え、この遮光板35によって漏れ光Uaが遮光される。
特に、この印刷機1では、内部空冷を要する程に高出力な紫外線放電ランプ14を紫外線光源に用いていることから、遮光ユニット23が紫外線放電ランプ14の紫外線(漏れ光Ua)や輻射熱(遠赤外線等)により熱変形する虞がある。これに加え、遮光装置20は、前掲図3に示したように、遮光ユニット23がシート幅方向Eに長いため、この長手方向の中央部Cに大きな荷重が加わり、熱の影響と相まって下方へ垂れるような変形が起こりやすい。
そこで、本実施形態では、紫外線放電ランプ14の熱影響があっても、照射位置Pでの紫外線照射が影響され難いように遮光ユニット23を構成しており、係る構成について、以下に詳述する。
遮光ユニット23は、上記遮光板35の他に、支持フレーム25と、スペーサ30とを備えている。支持フレーム25は、紫外線通し窓21aの長手方向に沿って遮光板35を支持するための支持材であり、本実施形態では、繋ぎ目が無い1本の柱状部材が用いられている。スペーサ30は、支持フレーム25に長手方向に沿って所定の間隔で固定され、遮光板35を支持フレーム25から離間した位置で支持する。
この遮光板35は、1枚の板材ではなく、図5に示すように、長手方向に複数の矩形状の板片36、37を連結して構成されている。板片36、37は、紫外線放電ランプ14の輻射熱(遠赤外線など)を反射する反射特性を有し、なおかつ、高熱伝導性を有する例えばアルミニウム等の材料で形成されている。板片36、37が輻射熱を反射することで紫外線放電ランプ14の輻射熱による加熱が抑えられている。
また高熱伝導性を有することで、板片36、37の漏れ光Uaや輻射熱に曝される側の表面の温度が上昇して、その裏面の間で温度差が生じ難くなることから、表裏面の温度差に起因した反り等の変形が防止される。
各長孔38の下には上記スペーサ30が配置され、長孔38を貫通したピン41は、図6、及び図7に示すように、スペーサ30の丸孔31に止め輪42で相対移動不能に固定される。
この構成により、板片36、37の熱変形は、ピン41が固定点となって長孔38に沿った方向、すなわち遮光板35の長手方向に制限されることとなる。
さらに上述の通り、各板片36、37は高熱伝導性材で構成されることで、表裏面の温度差に起因した反り等の変形が生じ難くなっていることから、これら板片36、37の変形は、より確実に長手方向だけに制限されることとなる。
そこで、この遮光ユニット23においては、図7、及び図8に示すように、漏れ光Uaの影になる箇所、すなわち前掲図2に示すように、紫外線放電ランプ14からみて遮光板35に隠れた箇所に支持フレーム25を配置している。
これにより、支持フレーム25が紫外線Uや漏れ光Ua、輻射熱に直接的に曝されることが無いため、これらによる当該支持フレーム25の加熱が抑えられ、熱変形が抑制される。
そこで、この遮光ユニット23においては、上記スペーサ30を支持フレーム25と遮光板35との間に介在させ、このスペーサ30によって遮光板35から支持フレーム25への熱伝達を遮断することとしている。
このとき、上面30Aと遮光板35の接触面積が大きいほど、遮光板35からスペーサ30への熱伝導が大きくなることから、スペーサ30は、図5に示すように、支持フレーム25の長手方向に延在するのではなく、板片36、37の連結部分に対応した位置に点在配置されている。
また、このスペーサ30は、遮光板35よりも熱伝導性が低い例えばSUSなどの低熱伝導性材料で形成されており、スペーサ30を通じて遮光板35から支持フレーム25に熱が伝達されるのを防止している。
このように、支持フレーム25は、スペーサ30によって遮光板35との間の熱的な結合が遮断されるから、遮光板35の熱的な影響により熱変形することが防止される。
これに加え、支持フレーム25は、図6〜図8に示すように、その断面構造が、一対の柱状基体26の各々の周囲に外枠片28をアーム27で支持した構造とし、自重によって垂れが生じない程度に剛性を有している。
これにより、紫外線光源が高出力であっても、更には、シート幅方向Eが長い場合であっても、支持フレーム25は、上記の熱による変形、及び自重による変形が抑えられることとなる。そして、このように変形が無い支持フレーム25に上記遮光板35を支持させることで、当該支持フレーム25の変形に起因した遮光板35の変形が抑えられることから、照射位置Pでの紫外線照射に影響を与えることなく、所望の漏れ光Uaを確実に遮光できる。
すなわち、本実施形態の紫外線照射器10によれば、遮光ユニット23を有した遮光装置20を備え、この遮光ユニット23が照射器本体11から照射される紫外線Uの漏れ光Uaを遮光する遮光板35を備える構成としたため、紫外線照射を避けるべき箇所Sへの漏れ光Uaの照射を防止できる。
これに加え、本実施形態では、遮光ユニット23が遮光板35を支持する支持フレーム25を備え、この支持フレーム25を紫外線放電ランプ14からみて遮光板35に隠れた箇所に配置する構成とした。
この構成により、支持フレーム25が紫外線放電ランプ14の紫外線U(漏れ光Ua)や輻射熱に直接的に曝されることがないため、紫外線放電ランプ14の出力が空冷を要する程に大きい場合でも、紫外線Uや輻射熱による支持フレーム25の熱変形が抑えられる。これにより、支持フレーム25の熱変形に伴う遮光板35の変形が抑えられ、照射位置Pでの紫外線照射に影響を与えることなく、所望の漏れ光Uaを確実に遮光できる。
これにより、遮光板35の表裏面の温度差に起因した反り等の変形が抑制される。
これにより、遮光板35に熱変形が生じたとしても、その変形を、予め許容された方向、すなわち照射位置Pでの紫外線照射に影響を与えない方向に制限することができる。
これにより、支持フレーム25が遮光板35を通じて加熱されることがないため、当該支持フレーム25の熱変形を防止することがき、当該支持フレーム25の変形に伴う遮光板35の変形を防止できる。
すなわち、遮光板35は、遮光すべき漏れ光Uaに応じた形状、及び大きさで形成され、また、当該漏れ光Uaを遮光可能に紫外線通し窓21aに配置される。このとき、遮光板35は、紫外線通し窓21aを横断するように架け渡され、この架け渡された方向が遮光板35の変形を許容する方向となる。
また例えば、紫外線照射器10は、シート4に印刷されたUVインキを硬化させる印刷機1に組み込まれるものとして説明したが、他の用途で紫外線を照射する機器に組み込まれても、もちろん本発明を適用可能である。
11 照射器本体
12 ランプユニット
13a 照射開口
14 紫外線放電ランプ(紫外線光源)
16 反射鏡
20 遮光装置
21a 紫外線通し窓
23 遮光ユニット(遮光手段)
25 支持フレーム
30 スペーサ(熱遮断手段)
35 遮光板
38 長孔
D 搬送方向
E シート幅方向
P 照射位置
U 紫外線
Ua 漏れ光
Claims (5)
- 紫外線光源が放射する紫外線を照射する紫外線照射器において、
照射される前記紫外線の漏れ光を遮光する遮光板と、前記遮光板を支持する支持フレームとを有する遮光手段を備え、
前記紫外線光源からみて前記遮光板に隠れた箇所に前記支持フレームを配置した
ことを特徴とする紫外線照射器。 - 前記遮光板を、前記紫外線光源の紫外線に曝される側の表面と、その裏面の間での温度差を抑える高熱伝導性材としたことを特徴とする請求項1に記載の紫外線照射器。
- 前記遮光板を、前記紫外線光源の輻射熱を反射する反射性材としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の紫外線照射器。
- 前記遮光板を前記支持フレームにピン留めするための複数の孔部を、前記遮光板の変形を許容する方向に延びた長孔にしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の紫外線照射器。
- 前記遮光板と前記支持フレームの間に、前記遮光板から前記支持フレームへの熱伝達を遮断する熱遮断手段を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の紫外線照射器。
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