JP2014065160A - 樹脂板溶着装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂板のおもて面に段違い的な凹みが発生するのを防止する。
【解決手段】本発明の樹脂板溶着装置は、加熱対象の樹脂板1を挟んだ対向電極部を備えてなる。対向電極部は、加熱対象の樹脂板1のおもて面側に位置する電極構成部422を備え、電極構成部422は、側面1a同士の当接部位に沿った長尺状で、かつ下部が長尺方向から見て断面半円形状の電極板4221と、電極板4221の下部の断面半円形状の部位を覆い、かつ樹脂板1のおもて面と接する平坦面部4222aを有する絶縁性の補助板4222とを備えている。電極板4221の下部を断面半円形状とすることで、例えば長方形の場合のエッジ効果による電界集中をなくし電界集中による樹脂板の端の溶融を抑止して、樹脂板の段違い的な凹みの発生を防止する。
【選択図】図5
【解決手段】本発明の樹脂板溶着装置は、加熱対象の樹脂板1を挟んだ対向電極部を備えてなる。対向電極部は、加熱対象の樹脂板1のおもて面側に位置する電極構成部422を備え、電極構成部422は、側面1a同士の当接部位に沿った長尺状で、かつ下部が長尺方向から見て断面半円形状の電極板4221と、電極板4221の下部の断面半円形状の部位を覆い、かつ樹脂板1のおもて面と接する平坦面部4222aを有する絶縁性の補助板4222とを備えている。電極板4221の下部を断面半円形状とすることで、例えば長方形の場合のエッジ効果による電界集中をなくし電界集中による樹脂板の端の溶融を抑止して、樹脂板の段違い的な凹みの発生を防止する。
【選択図】図5
Description
本発明は、対向電極間に高周波電力を供給し、誘電加熱によって樹脂板同士の当接部位を溶着する装置に関する。
従来、例えば有価証券の図柄等の画線が彫刻された凹版原版から、樹脂版へのプレス転写技術、所定サイズに精度良く裁断する技術、及び複数枚の樹脂版間の端面接合技術を利用して、多面樹脂版を作製する多面版作製方法が知られている(特許文献1)。そして、この多面樹脂版から刷版が作成され、印刷処理に供されて、多数の印刷物(前記有価証券)が得られる。特許文献2には、前記多面樹脂板の溶着方法として、おもて面に画線が凸版印刷された樹脂板を複数枚準備し、互いの端面を、すなわち辺と辺とを突合せた状態とし、この突合せ部位を上下の電極で押圧挟持して誘電加熱を施し、溶着することが記載されている。
特許文献2には、突合せ部分において、おもて面が裏面より遅く冷えて固化するため、おもて面に凹みが生じるという従来の問題点を解決するための上部電極と下部電極の構造が提案されている。より詳細には、樹脂板の裏面側に接する下部電極は、立直された板状の電極の上端面と、その左右両側の保熱用の樹脂部とを備えた構造であり、一方、樹脂板のおもて面(上面)側に接する上部電極は、板状を有する電極の下部を水平に屈曲させてより広い面で接触する上表面を備えた構造である。かかる構造により、樹脂板は、誘電加熱処理が施されると、突合せ部分において略V字型断面領域で溶融され、次いで、誘電加熱処理後に、保熱用の樹脂で囲まれた下面側よりも、広い接触面の上部電極からの放熱を利用して、おもて面側が速く冷やされ、固化されるようにしている。そして、この結果、凹みが樹脂板の裏面側に形成され、おもて面側への凹みの形成が防止される。
しかしながら、特許文献2では、樹脂板のおもて面側と裏面側との冷却に時間差を持たせるために電極周りの構造を工夫したものである一方、誘電加熱による樹脂板の溶融領域が、おもて面側まで充分に乃至むしろ広くなるような略V字型断面領域であることから、溶融時に上部電極からの所定の押圧力による挟持によって、上部電極の下表面と当接している部位に電極の形状に一致した跡が、段違い的な凹みとして形成される虞があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、樹脂板のおもて面に段違い的な凹みが発生するのを防止する樹脂板溶着装置を提供するものである。
本発明は、互いの側面同士が当接された樹脂板の当接部位を板面の表裏側から挟んで対向配置された対向電極部で前記当接部位を誘電加熱して溶着する樹脂板溶着装置において、
前記対向電極部は、前記樹脂板のおもて面側に位置する上部電極部を備え、前記上部電極部は、前記当接部位に沿うようにされた長尺状で、かつ前記樹脂板のおもて面と対向する部位が長尺方向から見て断面凸曲線形状を有する上部電極と、前記上部電極の少なくとも前記断面凸曲線形状の部位を覆い、かつ前記樹脂板のおもて面と接する平坦面部を有する絶縁性の上部補助部材とを備えたことを特徴とするものである。
前記対向電極部は、前記樹脂板のおもて面側に位置する上部電極部を備え、前記上部電極部は、前記当接部位に沿うようにされた長尺状で、かつ前記樹脂板のおもて面と対向する部位が長尺方向から見て断面凸曲線形状を有する上部電極と、前記上部電極の少なくとも前記断面凸曲線形状の部位を覆い、かつ前記樹脂板のおもて面と接する平坦面部を有する絶縁性の上部補助部材とを備えたことを特徴とするものである。
まず、誘電体からなる加熱対象物の誘電加熱について説明する。通常、所要厚を有する板状の加熱対象物は、対向して配置された電極間に高周波電力が供給されると、その内部に高周波電界が発生し、誘電体の性質から誘電損に起因して熱エネルギーを生じ、この熱エネルギーによる内部加熱によって溶融が行われる。このように、対向する電極間に挟まれた部分に内部加熱が生じるため中心部の温度が高くなり、周囲にいくほど放熱作用で温度が低くなる。従って、隣接する樹脂板の側面同士の当接部位を溶着する場合、この当接部位が電極面の中心に対応するように対向電極を表裏側に配置すると、当接部位がなるべく集中的に加熱され、溶着されることになる。
本発明に係る樹脂板溶着装置は、互いの側面同士が当接された樹脂板の前記当接部位を板面の表裏側から挟んで対向配置された対向電極部で前記当接部位を誘電加熱して溶着する。対向電極部の一方である上部電極部は、樹脂板のおもて面側に配置され、上部電極と上部補助部材とを備えて構成されている。上部電極は、樹脂板の当接部位に沿うように長尺状であり、当接部位のおもて面側に配置される。かつ上部電極は、樹脂板のおもて面と対向する部位(電極面)が長尺方向から見て断面凸曲線形状を有しており、これによって、上部電極の電極面において、樹脂板内に生じる高周波電界が当接部位付近に集中し、その周囲は緩和される。また、上部補助部材は、上部電極の少なくとも前記断面凸曲線形状の部位を覆うことから、上部電極と樹脂板との間に少なくとも上部補助部材が介在した離間距離が確保されることになる。これによって、前記断面凸曲線形状の電極面では電界(電気力線)の集中が緩和され、しかも上部補助部材の介在によって電界は一層分散されて樹脂板内に形成される。従って、樹脂板内での偏在的な加熱箇所の発生は可及的に抑止される。しかも上部補助部材は、樹脂板のおもて面と接する平坦面部を有することから、樹脂板は上部補助部材の平坦面部と当接して実質的、すなわち溶着領域の範囲内での平面性が維持、確保されることとなる。平坦面部は、平面の他、起伏の小さい断面凸曲線形状を含んでもよい。このように、樹脂板は、当接部位とその周辺が効果的に溶融され、それ以外の箇所は可及的に溶融が抑制されるため、当接部位が集中して溶着され、かつ樹脂板のおもて面の平面性も維持される。
なお、電極面の端部がエッジ形状、例えば断面長方形のような形状を想定した場合、エッジ効果によって角部に電界集中が生じ、その角部周囲の熱エネルギーが高くなり、樹脂板の溶融が局部的に強くなって電極板の端部の跡を示す、段違い的な凹みが薄く残る可能性がある。このような場合を考慮して電極面のサイズを大きくするなど工夫する必要があるが、本発明に係る樹脂板溶着装置では、上述のとおり、そのような工夫は不要となる。
また、本発明は、前記断面凸曲線形状が、半楕円であることを特徴とするものである。この構成によれば、エッジのない形状が得られ、かつ左右対称となるため、樹脂板に対する溶融箇所が当接部位を挟んで対称となり、溶着がより均一化する。従って、樹脂板のおもて面に段違い的な凹みの発生が抑制される。なお、半楕円は、長軸と短軸とが等しい態様の半円を含む。
また、本発明は、前記上部電極における前記樹脂板のおもて面と対向する部位が、前記上部補助部材の平坦面部から所定の深さ位置に埋設されていることを特徴とするものである。この構成によれば、上部電極の電極面に生じる電界が集中した状態で直接樹脂板に印加されず、ある程度分散された状態で印加されるので、局部的な溶解が防止される。従って、樹脂板のおもて面に段違い的な凹みの発生が抑制される。
また、本発明は、前記上部電極が、前記上部補助部材の平坦面部に対して立直した板状体であることを特徴とするものである。この構成によれば、上部電極への電力供給を板状の適所(例えば上端側)から容易に行うことが可能となる。
また、本発明は、前記上部補助部材の平坦面部が、前記上部電極の長尺方向と平行な方向から見て断面凸曲線形状を有するものであることを特徴とするものである。この構成によれば、電界が上部補助部材の平坦面部と樹脂板との当接部位から主に樹脂板に浸透する傾向を示すことから、樹脂板の当接部位付近の溶融が可能となる。
また、本発明は、前記上部電極部と対向する下部電極部を備え、前記下部電極部が、前記樹脂板の裏面と対向する部位に平面部を有する下部電極と、前記長尺方向から見て前記下部電極の左右位置に設けられ、前記下部電極の平面部と面一となる平面部を有する絶縁性の下部補助部材とを備えることを特徴とするものである。この構成によれば、対向する上部電極部の上部電極は先端が断面凸曲線形状であり、一方、対応する下部電極は平面部を有することから、樹脂板のおもて面側の溶融部位が相対的に狭くなり、凹みが生じることのない効果的な溶着処理が可能となる。
また、本発明は、前記長尺方向から見たときの前記上部電極の厚さ寸法が、前記下部電極の平面部の厚さ寸法に比して小さいことを特徴とするものである。この構成によれば、樹脂板のおもて面側の溶融部位が裏面側より狭くなる分、溶融に起因する表面の平面性のむらが小さくできる。
また、本発明は、前記下部電極部の上面に熱担持層材を敷設することを特徴とするものである。この構成によれば、熱担持層材を設けることで、樹脂板の裏面側の温度が嵩上げされるため、下面側の溶融もより効果的に行われる。
本発明によれば、樹脂板のおもて面に、上部電極部の当接による段違い的な凹みが発生するのを防止することができる。
図1〜図3は、本発明に係る樹脂板溶着装置の一実施形態を示す概略構成図で、図1は平面図、図2は正面図、図3は左側面図である。図4は、複数枚の樹脂板の配列載置状態を示す平面図である。
これらの図に示すように、樹脂板溶着装置は、溶着処理を実行するための各処理部を支持するための金属等からなる堅牢な本体10を備えている。溶着処理を実行するための各処理部として、複数の樹脂板1を配列して載置する載置部20、載置部20を移送する移送部30、及び配列されている樹脂板1の側面同士の当接部位を溶着する溶着部40が設けられている。本体10は、各処理部を支持するためのもので、種々の形状、構造が採用可能であるが、本実施形態では、複数の枠体を組み付けた構造体を採用している。本体10は、載置部20を支持する枠体部11と、溶着部40を支持する枠体部12とを備えている。枠体部11と枠体部12とは、図2から判るように、水平方向に隣接して、例えば一体構成とされている。移送部30は枠体部11、枠体部12間に亘って配置されている。枠体部11,12はいずれも、略正方形をなす枠体が立直支柱を介して平行で、かつ上下方向に所定距離離して複数段組み付けられている。本実施形態では、枠体部11は2段構成であり、枠体部12は3段構成である。枠体部12の最上段には複数の桁121(図1参照)が掛けられており、この桁121に、後述する上電極部42等が支持されている。
載置部20は、所定枚数の樹脂板1をマトリクス状に位置決めして載置するものである。載置部20は、図4にも示すように、アルミニウム等の金属材からなる略正方形をした平面状の載置板21と、載置板21の周縁の嵩上げされた段部22と、載置板21の直交する2辺に設けられた位置決め固定板231,232と、位置決め固定板231,232と対向し、接離方向にスライド可能な位置決めスライド板241,242とを備えている。
図4(図1も同様)においては、載置板21自体の平面図として説明することもできる(断面図は図5参照)が、以下では載置板21上に複数の樹脂板1等が配列載置された状態として説明している。載置板21の上面中央域には所定サイズ及び所定形状(主に四角形)の樹脂板1が例えばマトリクス状に配列され、その前後左右の周囲にはダミー用の樹脂板1fが配設されている。樹脂板1及びダミー樹脂板1fは、ここでは、例えばポリ塩化ビニル材(PVC:Poly vinyl chloride)で製造されている。樹脂板1は、所定サイズ、例えばセンチメートル(cm)オーダ〜数十センチメートル(cm)オーダのサイズを有するものが想定され、本実施形態では縦横が数cm及び十数cmである。また、厚さは0.数mm〜数mm程度が想定され、本実施形態では一般的な0.7mmである。樹脂板1は、本実施形態では、6枚×4枚の長方形の樹脂板1がマトリクス状に配置され、その周囲にダミー樹脂板1fが配置されている。ダミー樹脂板1fは、溶着後の多面樹脂板の周縁部位を側面1aと同様な溶着状態に仕上げるためのもので、用途等を考慮し、必要に応じて採用されるものである。
この配置状態で、位置決めスライド板241,242を対向する位置決め固定板231,232に接離操作することで、全ての樹脂板1が側面1a同士を当接された状態で所定位置に位置決めされる。載置板21上には、位置決めスライド板241,242を前記接離方向へスライドさせるための方向規制ガイド241a,242aが設けられている。さらに載置板21には、位置決めスライド板241,242が位置決めされた状態で、当該位置決めスライド板241,242の位置ずれを規制する位置ずれ規制部材241b,242bが設けられている。位置ずれ規制部材241b,242bは公知の機構的なロック部材が採用可能であり、あるいはエアシリンダ等を用いて付勢力を付与することで位置ずれ規制をする態様としてもよい。
載置板21は、樹脂板1の載置予定位置の範囲内には所要数の吸引孔25が穿設されている。各吸引孔25は、この実施例では後述する熱担持層材413上面から載置板21の裏面側まで形成され、さらに図略の連通管を介して図略のコンプレッサに連設されている。これは、載置板21上に載置された樹脂板1を裏面から吸引することで、めくれ等を防止して位置精度を確保するものである。なお、吸引孔25はダミー樹脂板1f側にも設けられている。
また、載置板21は溶着部40の下電極部41の一部を構成している。下電極部41の構造については後述する。
移送部30は、載置部20を搭載する支持部31と、支持部31の下方に配設され、載置部20を支持部31の上方で昇降させる昇降部32と、支持部31を枠体部11と枠体部12との間で移動させる移動機構部33と、移動機構部33を介して支持部31に移動力を付与するための移動駆動部34とを備えている。
支持部31は、載置板21の四角形より多少小さい面積を有する環状体311を有する。環状体311の周囲上面であって、載置板21の下面適所と対面する位置(あるいは段部22と対面する位置)には、少なくとも2個の位置合わせ構造(図略)が採用されている。位置合わせ構造は公知のものが採用可能であり、図示していないが、例えば、載置板21(あるいは段部22)の下面に1個のピンが下方に立設され、一方、環状体311の上面に中心角で90度離れた周方向位置に2個の位置合わせ穴が穿設されている構造が好ましい。これによれば、載置部20側の1個のピンを各位置合わせ穴に嵌挿することで載置部20を、すなわち載置部20に載置された樹脂板1を90度方向に向きを変換し、その向きを維持することが可能となる。
昇降部32は、環状体311の下方であって、枠体部11に固定された円板状の水平基板320と、水平基板320の周囲の適所に、少なくとも1個、ここでは2個のシリンダ321が上下方向に向けて取り付けられている。シリンダ321の上部からはプランジャ322が出没可能にされている。プランジャ322の上端には水平に向けられた昇降板326が取り付けられ、プランジャ322の昇降と一体で昇降可能にされている。なお、昇降機構はシリンダ321に限定されず、他の公知の駆動機構でもよい。また、水平基板320には環状体311の中心から(環状体311の環の内側となる)所定半径の円周上に等間隔で3個以上、ここでは4個のキャスタ基部323が上下方向に向けて取り付けられている。キャスタ基部323は筒体であり、上部から出没可能にされたスライド軸324が内嵌されている。スライド軸324の上端にはキャスタ325が水平軸周りに従動可能に取り付けられている。なお、キャスタ325の回転軸は環状体311の中心に向けられている。かかる構造を採用することで、プランジャ322が上昇して(前述のピンと位置決め穴との係合が外れて)、キャスタ325が環状体311の内側隙間から上方へ抜けて載置部20を持ち上げることができ、この状態で、載置部20に周方向への回転力を付与すると、キャスタ325が転動して、支持部31に対する載置部20の向き、すなわち樹脂板1の向きを90度変更することが可能となる。そして、プランジャ322を降ろすと、ピンと新たな位置決め穴とが嵌挿することとなり、90度移相された向きでの位置がロックされる。
移動機構部33は、枠体部11,12間に亘って配置された互いに平行な2本のリニアガイド331と、支持部31の裏面、すなわち環状体311の内側一部に配設された底板の適所に取り付けられ、リニアガイド331に嵌合されて摺動する移動体332とを備えていると共に、枠体部11,12間に亘って配置され、リニアガイド331と平行な長尺のボールネジ部333と、環状体311の底板の適所に取り付けられ、ボールネジ部333に螺設される雌ねじ部334とを備えている。なお、リニアガイド331は本実施形態では、2本であり、水平面上で所定距離離間して互いに平行配置されている。
かかる構造によれば、ボールネジ部333が回動すると、その回動力は雌ねじ部334を介して、支持部31に伝達され、支持部31及びその上に載置された載置部20がリニアガイド331に沿って移動することとなる。
移動駆動部34は、枠体部12に取り付けられ、ボールネジ部333に回転力を付与するものである。移動駆動部34は、外部から操作可能な、例えばハンドルである第1操作部341及び第2操作部342と、第1操作部341及び第2操作部342とボールネジ部333との間に介在され、第1操作部341及び第2操作部342からの回転力を複数のギア段を経由してボールネジ部333に伝達する回転力伝達機構部343とを備えている。なお、第1操作部341及び第2操作部342は、2経路の伝達系内においてそれぞれのギア比によって、第1操作部341は高速移動用として、また第2操作部342は低速移動用、すなわち精度出し用(位置決め用)として使用される(図2では第2操作部342は省略されている)。なお、例えば第2操作部342側に一方向クラッチ等を介在させておけば、第1操作部341の操作時における供回りは防止できる。かかる構造によれば、第1操作部341を操作すると、回転力が回転力伝達機構部343を経てボールネジ部333に伝達され、この結果、載置部20が、図2の左右方向に素速く移動する。第2操作部342は、載置部20が溶着部40側に移送されてきた後の、細かい位置合わせに使用されることで、正確に溶着位置に位置決め可能となる。
溶着部40は、下電極部41と、上電極部42と、高周波電流(電力)を生成する発振器及び操作部からなる、例えばコンソール型の電源部43とを備えている。上電極部42は、枠体部12の上部の桁121に取り付けられた昇降部421と、昇降部421に支持された電極構成部422とを備えている。昇降部421は、種々の駆動機構が採用可能であるが、本実施形態ではシリンダが採用されてなり、シリンダ本体4211の下端からプランジャ4212が下方に向けて出没可能に配設されている。また、昇降部421は、シリンダの両側に昇降ガイド部4213,4214(図3参照)が下方に向けて一対設けられている。プランジャ4212及び昇降ガイド部4213,4214の下端には水平な支持板4215が取り付けられている。昇降ガイド部4213,4214は枠体部12との取付部分が筒体で形成され、この筒体に摺動可能にスライド棒が遊嵌されている。従って、プランジャ4212の昇降に連動して昇降ガイド部4213,4214のスライド棒も昇降し、その結果、これらに取り付けられた支持板4215は水平姿勢を維持しながら昇降される。この支持板4215の下部には絶縁材からなる複数本の支柱4216が上下方向に立直され、その下端に電極構成部422を支持する金属製の支持部4217が取り付けられている。支持部4217は電極構成部422の長さに対応する長さ寸法、例えば多少長めの寸法を有する長尺体で、長さ方向の中央位置(図3参照)には、高周波電力の導線接続用としての導電部4218が設けられている。
電極構成部422は、図3に示すように、載置板21上に配列された複数枚の樹脂板1に対して、(ダミー樹脂板1fも含めた)最大寸法の1ライン分を一度に誘電加熱処理可能な長尺寸法を有している。
図5(A)は電極構成部の詳細構造を示す一部断面図、図5(B)は補助板の他の形状を説明するための部分断面図である。図5(A)は、説明の便宜上、厚さ方向等を誇張して示している。図5(A)において、上電極部42の電極構成部422は、支持部4217から下方に突出された電極板4221と、樹脂の切削加工等によって電極板4221を覆うように一体化した絶縁性の耐熱用樹脂、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK;poly ether ether ketone)を補助部材とする補助板4222とを有している。電極板4221は、前記1ライン分(すなわち側面1a同士の当接部位の長さ)に相当する長さを有する例えば銅からなる金属製の長尺体で、本実施形態では厚みが一定にされた板状をなしている。電極板4221の厚みは、0.数mm〜数mmの範囲、好ましくは0.5mm〜2mmの範囲がよく、本実施形態では略1mmが採用されている。0.5mm未満では先端に電界集中が生じ易い傾向が顕在化する分、下電極部41と合わせた形状設計等が必要となる。そして、電極板4221の下端は、樹脂板1のおもて面に対向する部位となる。この電極板4221の下端であって樹脂板1のおもて面に対向する部位の形状は、長尺方向(図5(A)の紙面奥行き方向)から見た断面の形状が断面凸曲線形状であること、より好適には左右対称形状であることが好ましく、本実施形態では半円形である。なお、断面凸曲線形状は半楕円でよく、その他、エッジのない凸曲線形であることが好ましい。一方、大きなエッジ角度を持つ複数の角部を有してなる多角形の場合、(本発明が問題とする、凹みが生じるような)大きな電界集中を生じないことから、実質的に断面凸曲線形状と同様として扱うことが可能である。
補助板4222は、長尺方向における電極板4221の長さと同一長を有する長尺体で、直方体形状を有する。長尺方向から見た補助板4222の厚さは、誘電加熱時に軟化する樹脂板1の側面1a同士の当接部位を含む領域の寸法以上となる数mm、本実施形態では電極板4221の左右各々5mmに設定されている。また、補助板4222の下端は樹脂板1と当接するための平面状の平坦面部4222aを有する。電極板4221の下端部は補助板4222から露出しないようにして、電界集中を回避している。平坦面部4222aからの電極板4221の下端までの深さは、0.数mm〜数mmが好ましく、本実施形態では0.7mmに設定されている。この深さは、電極板4221の厚さや下端部の形状、補助板4222の誘電率等の材質、また印加電圧等によって設定される。なお、図5(B)に一例を示すように、平坦面部4222aの形状として、平面の他、図5(B)の紙面奥行き方向から見た断面の形状が、上述した電極板4221の断面凸曲線形状よりも曲率半径の大きな乃至はより平坦性(例えば起伏が小さい)を有する断面凸曲線形状となるものを含めてもよい。例えば平坦面部4222aの曲率半径は、誘電加熱時に軟化する樹脂板1の側面1a同士の当接部位を含む領域乃至はその左右両域を実質的に均一に押圧し、効果的な溶着が図れるものであればよい。そして、電界が、平坦面部4222aと樹脂板1との当接部位から主に樹脂板1に浸透する傾向を示すことから、樹脂板の当接部位付近の溶融が可能となる。
下電極部41は、本実施形態では、載置板21の上面に形成されている。下電極部41は、載置板21上であって、図4に示すように、複数配列された樹脂板1及びダミー樹脂板1fの載置面を少なくとも覆う領域に設けられている。下電極部41は、上側の電極板4221に対応して配置される例えば銅からなる金属製の電極板411と、電極板411の両側面側(図5の左右側)に面一で配置される、エポキシ樹脂等の絶縁性を有する樹脂製の補助部材としての補助板412と、電極板411及び補助板412の上面に敷設されるテフロン(登録商標)等の絶縁性を有する熱担持層材413と、電極板411を載置板21に固設する、例えばボルトナット等の締結具414とを有している。なお、アルミニウムからなる載置板21側は高周波電流のアース側とされている。
電極板411は、載置板21上に載置される樹脂板1及びダミー樹脂板1fの配列位置が予め決まっている関係を利用しており、その決まっている配列に合わせた長さ形状に形成されている。すなわち、電極板411の平面視形状は、図4に示すように、樹脂板1同士及び樹脂板1とダミー樹脂板1fとの側面1aの当接位置(及び図5参照)に沿ったものとなっている。電極板411は、電極板4221の厚さと同程度か多少広幅に、本実施形態では上面の厚さ(図5の左右方向の寸法)が2mm程度に、すなわち本実施形態における電極板4221の厚さ1mmより多少大きく設定されている。図5中に垂直な破線で示すように、加熱に際して電極板4221と電極板411とが対向する場合、その厚さ寸法(図5の左右方向)の中間位置に、溶着対象の樹脂板1(また樹脂板1とダミー樹脂板1fと)の側面1a同士の当接部位が位置するようになされている。
電極板411は、屈曲された下部4111で締結具414を介して載置板21に締結されている。電極板411の載置板21への取付構造は、本実施形態に限定されず、補助板412と係合させる形態等、種々の方法が採用可能である。補助板412は、電極板411の両側面側に敷設され、載置板21に例えば接着等されている。なお、補助板412の一方側、例えば図5の右側には、締結具414のための切欠が穿設されている。
また、下電極部41は載置板21上に設けられる構造に限定されない。例えば載置板21は、図5に示す水平な破線の下部側の部材とし、一方、この破線の上部側を下電極の基板41aとするようにしてもよく、これによれば、下電極部41を強固な基板41a上に予め製造することができる。
熱担持層材413は、電極板411の上面及び補助板412の上面を覆うように敷設されるもので、誘電加熱時に溶着対象の樹脂板1(及びダミー樹脂板1f)の側面1a同士の当接部位及び誘電加熱で溶融乃至は軟化する領域に積層させるものである。熱担持層材413は、本実施形態では、側面1a同士の当接部位を挟んで、左右両側に所定幅、例えば幅50mm程度を有するものである。図4において、破線で示す部分は、熱担持層材413の敷設領域の一部を例示している。熱担持層材413は、後述するように熱を担持する機能を発揮するものであり、誘電加熱で自己発熱する材料でもよいし、樹脂板1の発熱量を受けて(あるいは他の外部加熱を受けて)、熱を逃がさないような熱伝導性の良い材料でもよい。本実施形態では所要厚のフッ素樹脂等のテフロン(登録商標)を採用している。厚さは担持熱量(温度)と関連するもので、ここでは0.5mm程度としている。なお、熱担持層材413は電極板411の上面及び補助板412の一部上面に限定されず、全面に敷設する態様であってもよい。この場合、敷設作業は容易となる。
誘電加熱処理に際しては、まず、溶着対象の複数枚の樹脂板1等が配列載置された載置部20が、移動機構部33、移動駆動部34によって、溶着部40の位置まで移送される。次いで、上電極部42が昇降シリンダ421によって樹脂板1上に降下されて、下電極部41との間で樹脂板1が挟持され、所要圧で押圧される。そして、電源部43が駆動される。電源部43は、電源部と、前記電源部から、例えば10MHz〜40MHzのうちの所定周波数の高周波電流を生成する高周波部と、操作部とを備えている。操作部は、供給電力レベルや1回当たりの電力供給時間の設定を可能とする他、各駆動部に対する動作指示や誘電加熱処理の起動指示を行うボタン等の操作部を備えている。なお、供給電力は、樹脂板1とダミー樹脂板1fとの側面1aへの処理と、樹脂板1同士の側面1aへの処理とで、また縦横方向でライン長が異なる場合の処理長さ(寸法)に応じた電力が予め設定される。電力の大小は、供給レベルあるいは供給時間で調整されて、溶融域の均一化を図っている。
図6は、誘電加熱を説明するための電極構成部及び加熱対象樹脂板の部分縦断面図で、(A)は温度勾配Tdを説明するための図、(B)は電界Efの状態を説明するための図である。なお、電極板4221は厚さ1mmとし、電極板411は厚さ2mmとし、樹脂板1の厚さは0.7mmとし、熱担持層材413の厚さは0.5mmとし、図5の構造を基本としている。
まず、誘電加熱とは、樹脂を代表とする誘電体に高周波電圧を印加すると、電界の向きの交互反転に追従せんとする誘電体の分子の極の運きに時間遅れが生じ、この時間遅れと誘電率とに起因する誘電損失に応じた熱エネルギーによる内部加熱をいう。誘電損失の大きなポリ塩化ビニル(PVC)などの熱可塑性樹脂が樹脂板1の好適な材料の一例とされている。
図6において、電極板4221と電極板411間に高周波電圧が印加されると、電極板4221と電極板411との間に電界Efが生じる。電界Efは、図6(B)に示すように電極板4221と電極板411の中心を結ぶ線上にある、樹脂板1の側面1a同士の当接部位で密度が最大となり、左右側に離れるに従って分散する。従って、当接部位近傍が比較的集中して内部加熱されて溶融され、それ以外の箇所では加熱は漸減し、局部的な内部加熱はない。また、樹脂板1のおもて面と電極板4221との間は補助板4222により離間していることから、樹脂板1への過度な電界集中も緩和されている。以上のようにして、樹脂板1は内部加熱される。そして、樹脂板1の両面の境界条件を含めて、厚み方向に温度勾配が発生する。
図6(A)において、誘電加熱によって、自己発熱あるいは熱伝導で発熱する結果(テフロン(登録商標)は誘電率は低く、伝熱で発熱)、熱担持層材413は所定の温度を有することとなる。同様に、誘電加熱によって補助板4222には電極板4221と接する位置から樹脂板1と接する位置に向けて温度勾配を生じる。これにより、電極板4221と電極板411とで挟まれた樹脂板1を含む厚さ方向の温度勾配Tdは、電極板4221から樹脂板1のおもて面に向けて補助板4222内で温度が高くなり、一方、電極板411から樹脂板1の裏面に向けて熱担持層材413内で温度が高くなり、そして、樹脂板1の肉厚内の適所で最も高い温度になる(最高温度位置P)。このように、電極板4221の下部形状に加えて、位置Pを樹脂板1の肉厚内に設定することで、樹脂板1の側面1a同士の当接部位周囲の溶融領域を一層調節することが可能となる。なお、位置Pは電極板4221、411の形状、補助板4222,412、熱担持層材413の形状、材質等によって調整可能である。
樹脂板1として熱可塑性樹脂材、例えばポリ塩化ビニルが採用された場合、その融点は180℃であり、一方、熱担持層材413としてフッ素樹脂として例えばテフロン(登録商標)が採用された場合、その融点は300℃以上であり、また誘電率(すなわち誘電損)も低いことから、樹脂板の当接部位の溶融に際して、熱担持層材413が溶融することはなく、樹脂板に熱担持層材が接着するという不都合はない。また、補助板4222としてPEEK材が採用された場合、融点は330℃以上であり、かつ誘電率も低いので不都合はない。
次に、多面樹脂板の製造のための一連の動作について説明する。
複数の樹脂板1(及びダミー樹脂板1f)が図1の向きで載置板21上に載置され、位置決めされ、さらに移動駆動部34への操作を受けて動作される移送部30によって溶着部40の所定位置に移送される。この状態で、上電極部42が降下され、樹脂板1の側面1a同士(及び樹脂板1とダミー樹脂板1fと)の当接部位上に所要圧で当接する。次いで、溶着部40が駆動されて、電源部43が駆動し、誘電加熱が所定時間行われる。図4の例では、移送部30によって、上電極部42が右端のダミー樹脂板1fの側面1aとである、長いラインI1(図4参照)に対して位置決めされ、ラインI1に対して、より大きな電力の高周波が供給される。電力供給が終了すると、上電極部42を上昇させ、次いで移動駆動部34を操作してラインI2が上電極部42の真下に位置決めされて上電極部42が降下され、この状態でラインI1と同レベルの高周波電力が供給される。電力供給が終了すると、上電極部42を上昇させ、続いて移動駆動部34を操作してラインI3が上電極部42の真下に位置決めされて上電極部42が降下され、この状態で、より低い電力の高周波が供給される。同様にして、高周波電力の供給が、ラインL4、…と繰り返し行われる。
最終ラインへの高周波電力の供給処理が終了すると、上電極部42を上昇させ、移動駆動部34を操作して載置板21を枠体部11まで戻す。枠体部11の位置で、載置板21を昇降部32で持ち上げて、90°旋回(例えば図4を反時計方向に回転)させて、元の位置に降下する。続いて、移動駆動部34を操作して、枠体部12側まで移動させ、ラインK1からラインK2、…の順で、前述同様に高周波電力の供給を行う。ラインK側に対する供給電力量は、ラインI側の長さに対応して予め調整設定されている。全てのラインKに対する高周波電力の供給が終了して、多面樹脂板が作製される。
なお、本発明は、以下の態様が採用可能である。
(1)本実施形態では、証券等の有価印刷物の印版の作製に関するものであるが、その他、株券、商品券等の有価印刷物でもよく、さらに有価物に限定されない印刷物に対しても適用可能である。
(2)本実施形態では、載置部20、移送部30は必ずしも必須とするものではない。例えば、載置板21と上下電極部41,42を備えた構造であればよい。また、樹脂板1の配列もマトリクス状に限定されず、求められる多面樹脂板の形態に応じた配列が採用可能である。
(3)本実施形態では、電極板4221は樹脂板1のおもて面に対して立直した板状としたが、これに限定されず、板状ではなく、すなわち電極板4221の下部のみの構造であってもよい。例えば、樹脂板1のおもて面と平行にされた柱状体(筒体含む)であって、その柱状体の下半部が、軸方向(長尺方向)から見て断面凸曲線形状であればよい。例えば図7において、(A)は円柱の電極4221Aを示し、(B)は円筒の電極4221Bを示し、(C)は下半部が円弧状の半円柱の電極4221Cを示している。また、電極板4221は、図5、図6に示すような補助板4222内に埋設される構造でもよいが、上記柱状体の電極にあっては、その一部分(主に下部側)が、図7(D)、(E)に示すように、例えば電極4221Aが補助板4222B,4222Cに埋まるようにされた構造でもよい。かかる場合、上記の埋設構造に代えて、補助板4222の上面側に電極板4221(上記柱状体の電極含む)が一体的(図7(D)の填め込み型)あるいは半一体的(図7(E)の載置型)に取り付けられるタイプとして扱うこともできる。なお、補助板4222B,4222Cの下部側は、図5(B)において説明したように断面凸曲線形状であってもよい。
(4)熱担持層材413は必要に応じて採用されるものである。熱担持層材413が採用された態様では、樹脂板1の裏面側の温度嵩上げ作用を利用する等して、位置P(図6参照)を樹脂板1の肉厚内の適所に調整することが可能であるが、熱担持層材413を採用しない態様であっても電極板4221,411の形状、補助板4222の形状、材質等によって適宜の調整は可能である。
1 樹脂板
1a 側面
20 載置部
30 移送部
40 溶着部
41 下電極部(下部電極部)
411 電極板(下部電極)
412 補助板(下部補助部材)
413 熱担持層材
42 上電極部(上部電極部)
4221 電極板(上部電極)
4222 補助板(上部補助部材)
4222a 平坦面部
1a 側面
20 載置部
30 移送部
40 溶着部
41 下電極部(下部電極部)
411 電極板(下部電極)
412 補助板(下部補助部材)
413 熱担持層材
42 上電極部(上部電極部)
4221 電極板(上部電極)
4222 補助板(上部補助部材)
4222a 平坦面部
Claims (8)
- 互いの側面同士が当接された樹脂板の当接部位を板面の表裏側から挟んで対向配置された対向電極部で前記当接部位を誘電加熱して溶着する樹脂板溶着装置において、
前記対向電極部は、前記樹脂板のおもて面側に位置する上部電極部を備え、前記上部電極部は、前記当接部位に沿うようにされた長尺状で、かつ前記樹脂板のおもて面と対向する部位が長尺方向から見て断面凸曲線形状を有する上部電極と、前記上部電極の少なくとも前記断面凸曲線形状の部位を覆い、かつ前記樹脂板のおもて面と接する平坦面部を有する絶縁性の上部補助部材とを備えてなることを特徴とする樹脂板溶着装置。 - 前記断面凸曲線形状は、半楕円であることを特徴とする請求項1記載の樹脂板溶着装置。
- 前記上部電極における前記樹脂板のおもて面と対向する部位は、前記上部補助部材の平坦面部から所定の深さ位置に埋設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂板溶着装置。
- 前記上部電極は、前記上部補助部材の平坦面部に対して立直した板状体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂板溶着装置。
- 前記上部補助部材の平坦面部は、前記上部電極の長尺方向と平行な方向から見て断面凸曲線形状を有するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂板溶着装置。
- 前記上部電極部と対向する下部電極部を備え、前記下部電極部は、前記樹脂板の裏面と対向する部位に平面部を有する下部電極と、前記長尺方向から見て前記下部電極の左右位置に設けられ、前記下部電極の平面部と面一となる平面部を有する絶縁性の下部補助部材とを備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂板溶着装置。
- 前記長尺方向から見たときの前記上部電極の厚さ寸法は、前記下部電極の平面部の厚さ寸法に比して小さいことを特徴とする請求項6に記載の樹脂板溶着装置。
- 前記下部電極部の上面に熱担持層材を敷設することを特徴とする請求項6又は7に記載の樹脂板溶着装置。
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