JP2014065018A - 熱処理装置および熱処理装置における基板支持部材の製造方法 - Google Patents

熱処理装置および熱処理装置における基板支持部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 極めて簡易な構成でありながら、高精度に微小な間隙を形成することができ、均一な温度分布と配置の自由度を得ることが可能な熱処理装置および熱処理装置における基板支持部材の製造方法を提供する。
【解決手段】 基板支持部材1は、熱処理プレート10における熱処理面9に対して、マスク11を介して液状のセラミックを溶射して溶射部2を形成する溶射工程と、このセラミックによる溶射部2を凝固させることにより、このセラミック製の溶射部2を熱処理面9に固定させる凝固工程と、凝固した溶射部2における熱処理プレート10とは逆側の端部を研削して平面状の基板Sとの当接部100を形成する研削工程とを実行することにより製造される。
【選択図】 図6

Description

この発明は、基板を加熱または冷却するための熱処理装置およびこの熱処理装置における基板支持部材の製造方法に関する。
熱処理の一種である基板のベーク処理においては、プロキシミティベークという加熱処理が行われる。このプロキシミティベークは、基板の下面を熱処理プレートにおける熱処理面に接触させることなく、基板の下面と熱処理面との間にプロキシミティギャップと呼称される0.1mm〜0.5mm程度の微小な隙間を設け、放射熱により基板を加熱する方法である。そして、このようなベーク処理装置において、プロキシミティギャップを形成するためには、プロキシミティベークピン(Proximity Bake Pin)が使用される。
このプロキシミティベークピンは、熱処理プレートに対して孔部を形成し、この孔部にねじ込まれることにより熱処理プレートにおける熱処理面上に設置される。特許文献1には、合成樹脂から構成され、加熱処理装置の加熱面の上方から加熱処理装置にねじ込まれて取り付けられたピンを有する熱処理装置が開示されている。
特開2003−188068号公報
基板として、液晶表示パネル用ガラス基板を対象とした場合、近年の基板の薄型化により、基板の撓みを防止するためにピンの設置密度を高くする必要が生じている。このとき、熱処理プレート内には、熱処理プレートを加熱するためのヒータの熱線や、熱処理プレートを冷却するためのクーラの配管が設置されている。このため、従来のようにピンを熱処理プレートに埋め込ませる構成を採用した場合には、ヒータの熱線やクーラの配管がピンと干渉するため、ピンの配置に制約が生ずるという問題がある。
また、基板として液晶表示パネル用ガラス基板を対象とした場合、近年の基板の大型化により、ピンの設置本数を極めて多数とする必要がある。例えば、第6世代と呼称される1500mm×1800mmのサイズのガラス基板に対してプロキシミティギャップを形成するためには、数百本以上のピンを設置する必要が生じる。これらのピンの高さ位置を、プラスマイナス50μm程度の高精度に位置決めすることは、極めて煩雑な作業となる。
さらに、特許文献1に記載されたようなピンを熱処理プレートにおける熱処理面にねじ込むためには、例えば、M2程度のネジ穴を形成する必要がある。このようなネジ穴を熱処理プレートの熱処理面に多数形成する場合においては、ネジ穴間の距離をあまり小さくできないという問題が生ずるばかりではなく、このネジ穴により熱処理プレート上の温度分布が不均一になるという問題も生ずる。
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、極めて簡易な構成でありながら、高精度に微小な間隙を形成することができ、均一な温度分布と配置の自由度を得ることが可能な熱処理装置および熱処理装置における基板支持部材の製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、基板を加熱または冷却するための熱処理装置であって、水平方向を向く熱処理面を備えた熱処理プレートと、前記熱処理プレートを加熱または冷却する熱伝導部材と、前記熱処理プレートの熱処理面に射出され、前記熱処理面で凝固することにより前記熱処理面に固定された複数の基板支持部材と、を備え、前記基板支持部材により、前記基板と前記熱処理プレートにおける熱処理面との間に所定の間隙を形成した状態で前記基板を支持することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記基板支持部材は、前記熱処理プレートの熱処理面に射出され、前記熱処理面で凝固することにより前記熱処理面に固定された後に、前記熱処理プレートとは逆側の端部が研削されることにより前記基板との当接部が形成される。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記基板支持部材はセラミックから構成される。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記セラミックが導電性を有する。
請求項5に記載の発明は、請求項3または請求項4に記載の発明において、前記基板支持部材は前記熱処理プレートの表面に溶射される。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記基板支持部材はマスクを介して前記熱処理プレートの表面に溶射される。
請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の発明において、前記基板支持部材は、前記熱処理プレートにおける熱処理面にランダムに配置される。
請求項8に記載の発明は、基板を加熱または冷却するための熱処理装置における熱処理プレートの熱処理面に対して、所定の間隙を介して基板を支持するための基板支持部材を形成するための熱処理装置における基板支持部材の製造方法であって、熱処理プレートにおける熱処理面に対して、液状のセラミックを溶射する溶射工程と、前記セラミックを凝固させることにより前記セラミックを前記熱処理面に固定させる凝固工程とを有することを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、前記溶射工程においては、熱処理面に対して、マスクを介して液状のセラミックを溶射する。
請求項10に記載の発明は、請求項8または請求項9に記載の発明において、前記凝固工程の後に、凝固したセラミックにおける前記熱処理プレートとは逆側の端部を研削して前記基板との当接部を形成する研削工程をさらに有する。
請求項1に記載の発明によれば、基板支持部材の設置密度が小さい場合や、基板支持部材を多量に設置する必要がある場合においても、それらを簡易に、かつ、高精度に設置することが可能となる。また、基板支持部材により形成される間隙を小さく、かつ、高精度に維持することが可能となることから、基板を効率的で、かつ、高精度に熱処理することが可能となる。また、従来のようにピンを熱処理プレートに埋め込む必要がないことから、基板の支持位置を自由に設定することが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、研削により、基板支持部における基板との当接部の高さ位置を、均一かつ高精度に維持することが可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、耐熱性を有するセラミックを使用することにより、基板を高温で熱処理する場合においても、基板を精度よく支持することが可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、基板支持部材が導電性を具備することにより、熱処理プレートから基板を剥離するときに静電破壊を生ずることを有効に防止することが可能となる。
請求項5に記載の発明によれば、溶射により基板支持部を容易に形成することが可能となる。
請求項6に記載の発明によれば、マスクを利用することにより、基板支持部をさらに容易に形成することが可能となる。
請求項7に記載の発明によれば、基板の基板支持部との当接部に支持跡が生じたとしても、その支持跡に周期性がないことから、ムラが目立たず、欠陥として認識される可能性が低くなる。
請求項8に記載の発明によれば、基板支持部材に設置密度が小さい場合や、基板支持部材を多量に設置する必要がある場合においても、それらを溶射により、簡易に、かつ、高精度に設置することが可能となる。また、基板支持部材により形成される間隙を小さく、かつ、高精度に維持することが可能となることから、基板を効率的で、かつ、高精度に熱処理することが可能となる。さらに、従来のようにピンを熱処理プレートに埋め込む必要がないことから、基板の支持位置を自由な位置に設定することが可能となる。従って、熱処理に適した基板支持部を容易かつ高精度に製造することが可能となる。
請求項9に記載の発明によれば、マスクを介してセラミックを溶射することにより、基板支持部をより容易に製造することが可能となる。
請求項10に記載の発明によれば、研削工程により、基板支持部における基板との当接部の高さ位置を、均一かつ高精度に維持することでき、基板支持部を高精度に製造することが可能となる。
この発明に係る熱処理装置を複数個配設することにより構成された熱処理システムの概要図である。 この発明に係る熱処理装置である加熱処理装置HPまたは冷却処理装置CPの概要図である。 加熱処理装置HPにおける熱処理プレート10の内部構造を示す説明図である。 冷却処理装置CPにおける熱処理プレート10の内部構造を示す説明図である。 熱処理プレート10における熱処理面9に形成された基板支持部材1の拡大図である。 基板支持部材1の製造工程を示す説明図である。 基板支持部材1に対する研削工程を示す説明図である。 熱処理プレート10における熱処理面9に形成された基板支持部材1の平面図である。 熱処理プレート10における熱処理面9に形成された基板支持部材1の、他の実施形態を示す平面図である。 基板支持部材1の製造工程の他の実施形態を示す説明図である。 この発明の他の実施形態に係る熱処理装置の要部を示す概要図である。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。最初に、この発明に係る熱処理装置を使用した熱処理システムの構成について説明する。図1は、この発明に係る熱処理装置を複数個配設することにより構成された熱処理システムの概要図である。
この熱処理システムは、矩形状の液晶表示パネル用ガラス基板を熱処理するためのものであり、この発明に係る熱処理装置としての一対の加熱処理装置HPと、単一の冷却処理装置CPとから構成される。ここで、加熱処理装置HPは、例えば、ベーク処理等、基板を加熱処理するためのものである。また、冷却処理装置CPは、例えば、加熱後の基板を常温に戻す等、基板を冷却処理するためのものである。図1において矢印で示すように、熱処理前の基板は図示しない搬送アームにより、加熱処理装置HPおよび冷却処理装置CPに搬入され、熱処理後の基板は、図示しない搬送アームにより、加熱処理装置HPおよび冷却処理装置CPから搬出される。
図2は、この発明に係る熱処理装置である加熱処理装置HPまたは冷却処理装置CPの概要図である。
加熱処理装置HPまたは冷却処理装置CPは、チャンバー29内に配設された熱処理プレート10を有する。この熱処理プレート10は、例えば、アルミニウムから構成され、熱処理プレート10における熱処理面9には、多数の基板支持部材1が配設されている。また、この加熱処理装置HPまたは冷却処理装置CPは、基板Sの下面を支持した状態で、この基板Sを図示しない搬送アームと受け渡すための複数の昇降ピン21を備える。これらの昇降ピン21の下端部は、昇降機構23における連結部材22により支持されており、この連結部材22が昇降することにより、熱処理プレート10を貫通した状態で昇降する。
図3は、加熱処理装置HPにおける熱処理プレート10の内部構造を示す説明図である。
加熱処理装置HPにおける熱処理プレート10内には、この熱処理プレート10を加熱するための熱伝導部材としての複数のヒータ26が配設されている。熱処理プレート10は、これらのヒータ26により加熱される。
図4は、冷却処理装置CPにおける熱処理プレート10の内部構造を示す説明図である。
冷却処理装置CPにおける熱処理プレート10内には、この熱処理プレート10を冷却するための熱伝導部材としての複数の冷却水管路25が配設されている。熱処理プレート10は、これらの冷却水管路25により冷却される。
次に、上述した基板支持部材1の構成およびその製造方法について説明する。図5は、熱処理プレート10における熱処理面9に形成された基板支持部材1の拡大図である。また、図6は、基板支持部材1の製造工程を示す説明図である。さらに、図7は、基板支持部材1に対する研削工程を示す説明図である。
この発明に係る基板支持部材1は、熱処理プレート10における熱処理面9に対して、マスク11を介して液状のセラミックを溶射して溶射部2を形成する溶射工程と、このセラミックによる溶射部2を凝固させることにより、このセラミック製の溶射部2を熱処理面9に固定させる凝固工程と、凝固した溶射部2における熱処理プレート10とは逆側の端部を研削して平面状の基板Sとの当接部を形成する研削工程とを実行することにより製造される。
すなわち、図6(a)に示すように、熱処理プレート10の熱処理面9と、所定の開口部が予め形成されたマスク11とを当接させた状態で、溶射ノズル12からセラミックをマスク11における開口部に対して溶射する。このセラミックとしては、例えば、アルミナ(Al)が使用される。そして、このアルミナはチタン(Ti)を含有しており、凝固後には導電性を有するという性質を有する。
セラミックが熱処理プレート10の熱処理面9に溶射した後にマスク11を除去すると、図6(b)に示すように、熱処理面9上に溶射部2が形成される。この溶射部2は、常温で凝固することにより熱処理面9上に固定される。なお、熱処理プレート10における熱処理面9を、予め、放電加工等により粗面化しておいた場合には、溶射部2をより強固に、熱処理面9上に固定することが可能となる。
セラミックからなる溶射部2が凝固して熱処理面9上に固定されれば、図6(c)に示すように、凝固した溶射部2における熱処理プレート10とは逆側の端部を研削して、平面状の基板Sとの当接部100を形成する。この研削工程においては、図7に示すように、熱処理プレート10を複数の搬送ローラ31により搬送し、溶射部2の上端を高速で回転する研削ローラ32により研削する。これにより、図5においてハッチングで示すように、溶射部2の上端部分が切削され、平面状の基板Sとの当接部100を有する基板支持部材1が形成される。
この基板支持部材1の幅W(図5参照)は、例えば、1mm程度となっている。また、この基板支持部材1の高さH(図5参照)は、例えば、50μm程度となっている。この基板支持部材1の高さHの誤差は、上述した切削工程により、例えば、プラスマイナス5μm程度の範囲内とすることが可能となる。従って、従来の埋め込み式のピンと比較して、その高さの誤差を、極めて小さなものとすることが可能となる。
図8は、熱処理プレート10における熱処理面9に形成された基板支持部材1の平面図である。
この図に示すように、この実施形態においては、熱処理プレート10の熱処理面9に多数の基板支持部材1が規則的に配置される。この基板支持部材1の数は、第6世代と呼称される1500mm×1800mmのサイズの基板Sに対して熱処理を行う熱処理プレート10の場合においては、数百個以上となる。この場合に、この基板支持部材1は、溶射後の溶射部2の表面を切削加工することにより形成されることから、その数を極めて多数とした場合においても、その製造が容易であり、かつ、その高さの精度を高精度に維持することが可能となる。このため、基板Sを熱処理するときの温度分布を、より均一なものとすることが可能となる。
また、この基板支持部材1は、熱処理プレート10の熱処理面9に溶射により形成されることから、その高さHを小さなものとすることが可能となる。また、この高さHは、切削工程により任意に設定することが可能となる。このため、この高さHを小さく設定することにより、基板Sの下面と熱処理面9との距離を小さなものとすることができる。前述した距離は、プロキシミティギャップとも呼ばれ、本実施例においては、基板Sの下面と熱処理面との間に設けられた0.1mm〜0.5mm程度の微小な間隙である。このような微小間隙を利用した輻射熱による熱処理時には、基板Sの温度は熱源からの距離の自乗に反比例する。このため、基板支持部材1の高さHを小さく設定することにより、加熱処理の場合には発熱量の小さいヒータを使用しても基板Sを高温に加熱することができ、冷却処理の場合には、同じ冷却水を利用しても基板Sをより迅速に冷却することが可能となる。さらに、基板Sの下面と熱処理面9との距離を小さなものとした場合には、基板Sの下面と熱処理面9との間で対流が発生することを抑制できることから、基板Sをより均一に熱処理することが可能となる。
さらに、この基板支持部材1は、熱処理プレート10の熱処理面9に溶射により形成されることから、加熱処理装置HPにおけるヒータ26や冷却処理装置CPにおける冷却水管路25の配置にかかわらず、基板Sの支持位置を任意に設定することが可能となる。すなわち、この基板支持部材1は、従来のようにピンを熱処理プレート10に埋め込む構成ではないことから、基板Sの支持位置として制限を受けることがない。このため、支持位置の選択に自由度が増すばかりではなく、基板Sの薄型化に対応して基板支持部材1を小さなピッチで極めて多数配設する必要が生じた場合においても、基板支持部材1を基板Sの支持に適した任意の位置に配置することが可能となる。
また、この基板支持部材1は、セラミック製であることから、基板Sを高温で加熱処理する熱処理プレート10に使用した場合においても、熱の影響を受けて変形することなく、基板Sを高精度に支持することが可能となる。そして、セラミックとして、チタンを含有したアルミナを使用しており、基板支持部材1が導電性を有することから、熱処理プレート10から基板Sを剥離するときに静電破壊を生ずることを有効に防止することが可能となる。
図9は、熱処理プレート10における熱処理面9に形成された基板支持部材1の、他の実施形態を示す平面図である。
図8に示す実施形態においては、熱処理プレート10の熱処理面9に多数の基板支持部材1が規則的に配置されるのに対して、この実施形態においては、熱処理プレート10の熱処理面9に多数の基板支持部材1がランダムに配置された構成を有する。すなわち、この実施形態においては、基板支持部材1は、熱処理面9に対して、周期性、規則性がない状態で配置されている。このような構成を採用した場合には、基板Sの基板支持部材1との当接部100に支持跡が生じたとしても、その支持跡に周期性がないことから、ムラが目立たず、欠陥として認識される可能性が低くなるという効果を奏する。
図10は、基板支持部材1の製造工程の他の実施形態を示す説明図である。
図6に示す実施形態においては、熱処理プレート10における熱処理面9に対して、マスク11を介して液状のセラミックを溶射して溶射部2を形成している。これに対して、この実施形態においては、図10(a)に示すように、ディスペンスノズル13より熱処理プレート10における熱処理面9に対して、液状のセラミックを噴出して溶射部2を形成する構成を有する。この実施形態においても、この溶射部2は、常温で凝固することにより熱処理面9上に固定される。そして、図10(b)に示すように、凝固した溶射部2における熱処理プレート10とは逆側の端部を研削して、平面状の基板Sとの当接部100を形成する。これにより、溶射部2の上端部分が切削され、平面状の基板Sとの当接部100を有する基板支持部材1が形成される。
図11は、この発明の他の実施形態に係る熱処理装置の要部を示す概要図である。なお、図11(a)は平面概要図であり、図11(b)は側面概要図である。
上述した実施形態においては、全ての基板支持部材1を、熱処理面9に射出したセラミック製のものとしていた。これに対して、この実施形態においては、大部分の基板支持部材1は、第1実施形態と同様のものを使用する一方で、一部の基板支持部材1を、従来同様の構成を有する埋め込みピン3に変更した構成を有する。
図11(a)に示すように、基板Sを複数の昇降ピン21により、熱処理プレート10の熱処理面9から離隔した状態で支持した場合には、基板Sが撓みにより波打ち状態となる。このため、熱処理プレート10に対して基板Sの搬入と搬出を繰り返した場合には、図11において符号Eで示す領域において、基板Sがその支持部材をより早期に摩耗させるという問題が生ずる。このため、この実施形態においては、この領域Eにおいては、この発明の基板支持部材1の代わりに、従来と同様の埋め込みピン3を使用する構成を採用している。
このような構成を採用した場合においては、領域Eにおいては摩耗に対応して交換可能な埋め込みピン3を使用し、その他の領域においてはこの発明に係る基板支持部材1を使用することにより、この発明に係る基板支持部材1の特徴を利用しながら、熱処理プレート10全体の寿命をより長いものとすることが可能となる。
なお、上述した実施形態においては、凝固した溶射部2における熱処理プレート10とは逆側の端部を研削して平面状の基板Sとの当接部100を形成する構成を有する。このように、研削により当接部100を形成した場合には、基板支持部材1の高さを、例えば、プラスマイナス5μ程度とすることが可能となる。ただし、セラミックを熱処理プレート10の熱処理面9に対して射出した状態においても、溶射部2の高さを、プラスマイナス10μm程度とすることは可能である。このため、基板Sを支持するときに必要とされる精度によっては、研削工程を省略し、基板Sを溶射部2の上端で支持するようにしてもよい。
また、上述した実施形態においては、セラミックとしてのチタンを含有したアルミナにより基板支持部材1を構成しているが、紫外線硬化樹脂等により基板支持部材1を構成してもよい。この場合においては、上述した実施形態のように、溶射ノズル12やディスペンスノズル13による射出工程に替えて、インクジェット方式により紫外線硬化樹脂等を熱処理プレート10における熱処理面9に射出する構成を採用してもよい。
1 基板支持部材
2 溶射部
3 埋め込みピン
9 熱処理面
10 熱処理プレート
11 マスク
12 溶射ノズル
13 ディスペンスノズル
21 昇降ピン
25 ヒータ
26 冷却水管路
29 チャンバー
31 搬送ローラ
32 研削ローラ
S 基板
HP 加熱処理装置
CP 冷却処理装置


































Claims (10)

  1. 基板を加熱または冷却するための熱処理装置であって、
    水平方向を向く熱処理面を備えた熱処理プレートと、
    前記熱処理プレートを加熱または冷却する熱伝導部材と、
    前記熱処理プレートの熱処理面に射出され、前記熱処理面で凝固することにより前記熱処理面に固定された複数の基板支持部材と、を備え、
    前記基板支持部材により、前記基板と前記熱処理プレートにおける熱処理面との間に所定の間隙を形成した状態で前記基板を支持することを特徴とする熱処理装置。
  2. 請求項1に記載の熱処理装置において、
    前記基板支持部材は、前記熱処理プレートの熱処理面に射出され、前記熱処理面で凝固することにより前記熱処理面に固定された後に、前記熱処理プレートとは逆側の端部が研削されることにより前記基板との当接部が形成される熱処理装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の熱処理装置において、
    前記基板支持部材はセラミックから構成される熱処理装置。
  4. 請求項3に記載の熱処理装置において、
    前記セラミックが導電性を有する熱処理装置。
  5. 請求項3または請求項4に記載の熱処理装置において、
    前記基板支持部材は前記熱処理プレートの表面に溶射される熱処理装置。
  6. 請求項5に記載の熱処理装置において、
    前記基板支持部材はマスクを介して前記熱処理プレートの表面に溶射される熱処理装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の熱処理装置において、
    前記基板支持部材は、前記熱処理プレートにおける熱処理面にランダムに配置される熱処理装置。
  8. 基板を加熱または冷却するための熱処理装置における熱処理プレートの熱処理面に対して、所定の間隙を介して基板を支持するための基板支持部材を形成するための熱処理装置における基板支持部材の製造方法であって、
    熱処理プレートにおける熱処理面に対して、液状のセラミックを溶射する溶射工程と、
    前記セラミックを凝固させることにより前記セラミックを前記熱処理面に固定させる凝固工程と、
    を有することを特徴とする熱処理装置における基板支持部材の製造方法。
  9. 請求項8に記載の熱処理装置における基板支持部材の製造方法において、
    前記溶射工程においては、熱処理面に対して、マスクを介して液状のセラミックを溶射する熱処理装置における基板支持部材の製造方法。
  10. 請求項8または請求項9に記載の熱処理装置における基板支持部材の製造方法において、
    前記凝固工程の後に、凝固したセラミックにおける前記熱処理プレートとは逆側の端部を研削して前記基板との当接部を形成する研削工程をさらに有する熱処理装置における基板支持部材の製造方法。









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