JP2010243110A - 塗布膜形成用加熱乾燥装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ピン跡ムラ等の乾燥ムラの発生が効果的に抑制でき、かつ短時間で塗布膜溶液の乾燥処理が行なえる塗布膜形成用加熱乾燥装置を提供する。
【解決手段】塗布膜形成用加熱乾燥装置は、配向膜としてのポリイミド膜をガラス基板100上に形成するためにガラス基板100上に塗布されたポリイミド溶液200を乾燥させるためのものであり、加熱源としてのホットプレート2と、ホットプレート2の上面側に取付けられた複数のプロキミシティピン10とを備える。ホットプレート2は、プロキミシティピン10を受け入れ保持する保持用穴部3をその上面に有しており、プロキミシティピン10は、上方に向けて突出する支持ピン部12と、保持用穴部3に受け入れ保持された基部11とを有する。基部11は、当該基部11と保持用穴部3を規定する部分のホットプレート2の内周面との接触領域の大きさを減じるための凹部13をその周面に有する。
【選択図】図3
【解決手段】塗布膜形成用加熱乾燥装置は、配向膜としてのポリイミド膜をガラス基板100上に形成するためにガラス基板100上に塗布されたポリイミド溶液200を乾燥させるためのものであり、加熱源としてのホットプレート2と、ホットプレート2の上面側に取付けられた複数のプロキミシティピン10とを備える。ホットプレート2は、プロキミシティピン10を受け入れ保持する保持用穴部3をその上面に有しており、プロキミシティピン10は、上方に向けて突出する支持ピン部12と、保持用穴部3に受け入れ保持された基部11とを有する。基部11は、当該基部11と保持用穴部3を規定する部分のホットプレート2の内周面との接触領域の大きさを減じるための凹部13をその周面に有する。
【選択図】図3
Description
本発明は、ガラス基板や半導体基板等の主表面上に塗布膜を形成する過程において使用される塗布膜形成用加熱乾燥装置に関し、より特定的には、基板の主表面に塗布された塗布膜溶液を加熱することで塗布膜溶液に含まれる溶媒を蒸発させて乾燥させ、これにより基板の主表面上に塗布膜となる溶質のみを残留させる塗布膜形成用加熱乾燥装置に関する。
ガラス基板や半導体基板等の基板の主表面上には、各種の塗布膜が形成される。たとえば、液晶ディスプレイの構成部品であるガラス基板としてのTFT(Thin Film Transistor)基板および対向基板の主表面上には、配向膜と呼ばれる塗布膜が形成される。配向膜は、TFT基板と対向基板との間に充填される液晶分子を所定の方向に向けて配列させるためのものであり、たとえば厚さ数十nm程度のポリイミド(PI)薄膜にて構成される。
一般的に、配向膜は、基板の主表面にポリイミド溶液をたとえばフレキソ印刷法やスプレー法、インクジェット法等を利用して塗布し、塗布されたポリイミド溶液を加熱するこで当該ポリイミド溶液に含まれる溶媒を蒸発させて乾燥させ、その後、基板上に残留している溶質としてのポリイミドを熱硬化させることで成膜される。
通常、上述したポリイミド溶液の乾燥には、ホットプレートを用いた加熱乾燥装置が利用される。当該ホットプレートを用いた加熱乾燥装置を使用する場合には、加熱源であるホットプレート上にポリイミド溶液が塗布された基板を載置し、ホットプレートにて生じる熱を基板を介してポリイミド溶液に伝熱させ、これによりポリイミド溶液を加熱してその乾燥が行なわれる。
ところで、上述したポリイミド溶液の乾燥工程においては、乾燥ムラが発生することを効果的に抑制することが重要である。この乾燥ムラは、主として基板に塗布されたポリイミド溶液が全体にわたって均一に加熱できていない場合に生じるものであり、基板上に塗布されたポリイミド溶液の部位毎に乾燥速度にばらつきが生じることで発生する不具合である。このような乾燥ムラが発生した場合には、成膜後の配向膜の膜厚が部位毎に不均一となってしまい、結果として液晶ディスプレイの表示ムラを招いてしまうことになる。
このような乾燥ムラの発生を効果的に抑制することを目的として考案された塗布膜形成用加熱乾燥装置として、たとえば特開2003−57625号公報(特許文献1)に開示のものや、特開2003−57656号公報(特許文献2)に開示のものがある。上記特許文献1に開示の加熱乾燥装置は、上述したホットプレートによる加熱に加え、基板上に塗布された塗布膜溶液に直接熱風を吹き付けて加熱するように構成されたものであり、上記特許文献2に開示の加熱乾燥装置は、ホットプレートの温度を経時的に精緻に制御可能となるように温度制御部を追加した構成のものである。
しかしながら、上記特許文献1に開示の如くの加熱乾燥装置とした場合には、塗布膜溶液に向けて吹き付ける熱風の送風量を全面にわたって均一に保つことが必要であり、その制御が非常に困難となってしまう。また、上記特許文献2に開示の如くの加熱乾燥装置とした場合には、ホットプレートの温度を全面にわたって均一に保つことが必要であり、その制御が非常に困難となってしまう。
そこで、従来、これに代わる塗布膜形成用加熱乾燥装置として、基板が載置されるホットプレートの主面にプロキミシティピンと呼ばれる基板支持用ピンが多数設けられてなるものが使用されている。このプロキミシティピンが設けられてなる塗布膜形成用加熱乾燥装置は、塗布膜溶液が塗布された基板をこの多数のプロキミシティピンによって支持し、ホットプレートの主面と基板の裏面とが非接触となるように離間させた状態で基板を加熱して塗布膜溶液を乾燥させるものである。このような構成の塗布膜形成用加熱乾燥装置を利用することにより、基板をホットプレートから熱的に浮いた状態とすることが可能となり、空気を介した熱伝達およびホットプレートから放射される輻射熱を利用して基板を加熱することが可能になる。したがって、基板を全面にわたってより均一に加熱することが可能となって乾燥ムラの発生が効果的に抑制できるようになる。
しかしながら、上述したプロキミシティピンを用いた塗布膜形成用加熱乾燥装置を利用した場合にも、上述した従来の乾燥ムラと比較してその大きさや程度は小さいものの、ピン跡ムラと呼ばれる微細な乾燥ムラが発生してしまう問題がある。このピン跡ムラは、プロキミシティピンの熱伝導率と空気の熱伝導率との間に差があることに起因して発生するものである。すなわち、基板のプロキミシティピンによって支持された部分と、基板のプロキミシティピンによって支持されていない部分との間で昇温速度に差が生じるため、これが基板に塗布された塗布膜溶液の部位毎の乾燥速度のばらつきを招来し、結果としてピン跡ムラを生じさせている。
このピン跡ムラは、理論的にはプロキミシティピンの熱伝導率を空気の熱伝導率(0.0241W/m・K)に近いものとすることで抑制可能である。しかしながら、プロキミシティピンの材質選択にあたっては、上述した熱伝導率のほかにも耐熱性、耐薬品性、加工性および経済性等の観点からの検討が必要であり、熱伝導率のみに着目して材料選択を行なうことはできない。したがって、従来の塗布膜形成用加熱乾燥装置においては、上述した観点から、プロキミシティピンの材質として、熱伝導率が0.11W/m・Kであるポリサルフォン(PSF)樹脂が好適に採用されていた。
しかしながら、このポリサルフォン樹脂製のプロキミシティピンを利用した場合にも、依然として空気との間に熱伝導率差があるため、上述した如くのピン跡ムラが発生してしまう。そのため、従来においては、プロキミシティピンによる基板の支持高さを高くしてホットプレートの主面と基板の裏面との間の距離を長くすることでピン跡ムラの発生を効果的に抑制していた。しかしながら、このようにプロキミシティピンによる基板の支持高さを高くした場合には、乾燥処理に要する時間が長くなってしまう問題があり、その改善が求められていた。
したがって、本発明は、このような問題点を解決すべくなされたものであり、ピン跡ムラ等の乾燥ムラの発生が効果的に抑制でき、かつ短時間で塗布膜溶液の乾燥処理が行なえる塗布膜形成用加熱乾燥装置を提供することを目的とする。
本発明に基づく塗布膜形成用加熱乾燥装置は、加熱源としてのホットプレートと、上記ホットプレートの上面側に取付けられた複数の基板支持用ピンとを備えたものである。上記ホットプレートは、上記基板支持用ピンを受け入れ保持する保持用穴部をその上面に有しており、上記基板支持用ピンは、上記ホットプレートの上面から上方に向けて突出して位置する支持ピン部と、上記保持用穴部に受け入れ保持された基部とを有している。上記基部は、当該基部と上記保持用穴部を規定する部分の上記ホットプレートの内周面との接触領域の大きさを減じるための凹部をその周面に有している。
上記本発明に基づく塗布膜形成用加熱乾燥装置にあっては、上記基部が、略円柱状の形状を有していることが好ましく、その場合には、上記凹部が、上記基部の軸方向に沿って延びるように設けられていることが好ましい。
上記本発明に基づく塗布膜形成用加熱乾燥装置にあっては、上記凹部が、上記基部の周方向に沿って複数設けられていることが好ましい。
上記本発明に基づく塗布膜形成用加熱乾燥装置にあっては、上記基部の周面に雄ねじが設けられかつ上記保持用穴部を規定する部分の上記ホットプレートの内周面に雌ねじが設けられていることが好ましい。そして、これら雄ねじと雌ねじとが螺合することで上記基板支持用ピンが上記ホットプレートに取付けられるように構成されていることが好ましい。
上記本発明に基づく塗布膜形成用加熱乾燥装置にあっては、上記支持ピン部が、当該支持ピン部の延在方向に沿って延びる溝をその周面に有していてもよい。
上記本発明に基づく塗布膜形成用加熱乾燥装置にあっては、上記基板支持用ピンが、ポリサルフォン樹脂にて形成されていることが好ましい。
本発明によれば、ピン跡ムラ等の乾燥ムラの発生が効果的に抑制でき、かつ短時間で塗布膜溶液の乾燥処理が行なえる塗布膜形成用加熱乾燥装置とすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す一実施の形態における塗布膜形成用加熱乾燥装置は、液晶パネルの製造時に使用されるものであり、TFT基板および対向基板としてのガラス基板の主表面上に配向膜としてのポリイミド膜を形成する過程において使用されるものである。具体的には、ガラス基板の主表面に塗布されたポリイミド溶液を加熱することでポリイミド溶液に含まれる溶媒を蒸発させて乾燥させ、これによりガラス基板の主表面上にポリイミド膜となる溶質のみを残留させるものである。
図1は、本発明の一実施の形態における塗布膜形成用加熱乾燥装置の側面図であり、図2は、本実施の形態における塗布膜形成用加熱乾燥装置の基板支持用ピンの斜視図である。また、図3は、本実施の形態における塗布膜形成用加熱乾燥装置の要部拡大断面図である。
図1に示すように、本実施の形態における塗布膜形成用加熱乾燥装置1は、ホットプレート2と、複数のプロキミシティピン10とを備えている。ホットプレート2は、加熱源として機能するものであり、図示しない電熱線等を内部に含んでいる。プロキミシティピン10は、基板を支持するための基板支持用ピンであり、ホットプレート2の上面側に複数個取付けられている。
塗布膜溶液としてのポリイミド溶液200が表面上に塗布されたガラス基板100は、その裏面が上述した複数のプロキミシティピン10によって支持されるようにホットプレート2の上方に載置される。これにより、ホットプレート2とガラス基板100とは、所定の距離を隔てて離間して位置することになり、これらホットプレート2の上面とガラス基板100の裏面とは、対向配置されることになる。
図3に示すように、ホットプレート2の上面には、プロキミシティピン10を受け入れ保持するための保持用穴部3が設けられている。保持用穴部3は、ホットプレート2の上面に略円柱状の凹状の空間が形成されるように穴を穿つことで形成されている。この保持用穴部3を規定する部分のホットプレート2の内周面には、螺旋状に雌ねじが設けられている。
図2および図3に示すように、プロキミシティピン10は、好適にはポリサルフォン樹脂等の樹脂部材にて構成されており、基部11と支持ピン部12とを有している。基部11は、略円柱状の形状を有しており、その周面に螺旋状に雄ねじが設けられている。支持ピン部12は、基部11の上面の中央部から上方に向かって突出して延びる棒状の部位からなる。当該支持ピン部12の上端部は、半球状の曲面形状とされており、その先端部分にてガラス基板100を支持する。なお、基部11の周面の所定位置には、凹部13が2箇所設けられているが、その詳細については後述することとする。
図3に示すように、プロキミシティピン10は、その基部11がホットプレート2に設けられた保持用穴部3に捩じ込まれることで固定されている。具体的には、プロキミシティピン10の基部11の周面に設けられた雄ねじと、保持用穴部3を規定する部分のホットプレート2の内周面に設けられた雌ねじとが螺合することにより、プロキミシティピン10がホットプレート2に固定されている。
当該状態においては、プロキミシティピン10の支持ピン部12が、ホットプレート2の上面から上方に向けて突出して位置することになり、プロキミシティピン10の基部11が、ホットプレート2の保持用穴部3によって受け入れ保持されることになる。なお、上述した捩じ込みの際に、プロキミシティピン10の基部11の上面とホットプレート2の上面とが面一となるように組付け位置が調節されることにより、ホットプレート2の上面側に取り付けられる複数のプロキミシティピン10の支持ピン部12の突出高さがすべて同一となるように調節される。
図2および図3に示すように、プロキミシティピン10の基部11の上部には、当該基部11の周方向に沿って凹部13が2つ設けられている。当該凹部13は、基部11の軸方向に沿って延びており、その軸方向の上端は、それぞれ基部11の上面にまで達している。当該凹部13が基部11の周面に設けられることにより、基部11の周面に設けられた雄ねじは、その一部が途中で分断されている。これら2つの凹部13は、プロキミシティピン10の基部11とホットプレート2の保持用穴部3を規定する部分の内周面との接触領域の大きさを減じるために設けられたものである。したがって、プロキミシティピン10がホットプレート2に固定された状態においては、当該凹部13が設けられた位置において、ホットプレート2とプロキミシティピン10とは非接触となる。
以上において説明した如くの塗布膜形成用加熱乾燥装置1を用いてポリイミド溶液の乾燥処理を行なった場合には、乾燥ムラであるピン跡ムラの発生を効果的に抑制することができる。以下においては、この点について図3を参照して詳細に説明する。
図3に示すように、プロキミシティピン10の支持ピン部12によってガラス基板100が支持された状態においては、上述したようにホットプレート2の上面とガラス基板100の裏面とが離間して対向配置されることになる。この状態においては、ホットプレート2において生じた熱が、主としてこれらホットプレート2とガラス基板100との間に位置する空気を介してガラス基板100に伝達され(図中矢印参照)、これによりガラス基板100が加熱されることになる。その際、ガラス基板100は、ホットプレート2から放射される輻射熱によっても加熱される。
ホットプレート2において生じた熱は、プロキミシティピン10を介してガラス基板100にも伝達されることになるが、上述したように本実施の形態における塗布膜形成用加熱乾燥装置1においては、プロキミシティピン10の基部11に凹部13が設けられているため、ホットプレート2とプロキミシティピン10とが直接接触する接触領域が減少することになるとともに、当該凹部13が設けられた部分においてホットプレート2とプロキミシティピン10との間に隙間が形成され、この部分が熱伝達の抵抗となる。したがって、プロキミシティピン10全体としては、凹部を設けていない構成とした場合に比べ、熱伝達し難い状態(すなわち、空気を媒体として熱伝達する場合により近い状態)となっている。
その結果、ガラス基板100のプロキミシティピン10によって支持された部分と、ガラス基板100のプロキミシティピン10によって支持されていない部分との間で昇温速度に差が生じることが抑制されることになり、ガラス基板100のより均一な加熱が可能となる。なお、その場合にも、凹部13が設けられていない部分の基部11の上部においてプロキミシティピン10とホットプレート2とが螺合しているため、プロキミシティピン10の取付け後における機械的強度が大幅に低下することが防止でき、凹部13を設けることによる支持強度の低下は、最小限に抑えることができる。
以上において説明したように、本実施の形態の如くの塗布膜形成用加熱乾燥装置1を使用してポリイミド溶液の乾燥処理を行なうことにより、ガラス基板100がその全面にわたってより均一に加熱されるようになる。そのため、当該ガラス基板100の主面に塗布されたポリイミド溶液200を全体にわたってより均一に加熱することが可能となり、ポリイミド溶液200の部位毎の乾燥速度にばらつきが生じることが抑制され、ピン跡ムラの発生が効果的に抑制できる。したがって、プロキミシティピン10の支持ピン部12の高さを従来に比して低くすることができ、乾燥処理に要する時間を短縮化することができる。
図4(A)ないし図4(C)は、本実施の形態における塗布膜形成用加熱乾燥装置の第1ないし第3変形例に係る基板支持用ピンの斜視図である。
図4(A)に示す第1変形例に係るプロキミシティピン10Aにおいては、基部11の上部に、当該基部11の周方向に沿って凹部13が3つ設けられている。当該凹部13は、基部11の軸方向に沿って延びており、その軸方向の上端は、それぞれ基部11の上面にまで達している。このように構成した場合にも、図2に示した本実施の形態におけるプロキミシティピン10とした場合と同様の効果を得ることができる。すなわち、基部11の周面に設けられる凹部13の数は特に限定されるものではなく、プロキミシティピン全体としての熱伝達のし難さと当該プロキミシティピンの支持強度との関係から適宜に選択されるものである。
図4(B)に示す第2変形例に係るプロキミシティピン10Bにおいては、基部11に当該基部11の周方向に沿って凹部13が2つ設けられている。当該凹部13は、基部11の軸方向に沿って延びており、その軸方向の上端および下端は、それぞれ基部11の上面および下面にまで達している。このように構成した場合にも、図2に示した本実施の形態におけるプロキミシティピン10とした場合と同様の効果を得ることができる。すなわち、基部11の周面に設けられる凹部13の長さは特に限定されるものではなく、プロキミシティピン全体としての熱伝達のし難さと当該プロキミシティピンの支持強度との関係から適宜に選択されるものである。
図4(C)に示す第3変形例に係るプロキミシティピン10Cにあっては、基部11の形状は、上述した図2に示す本実施の形態におけるプロキミシティピン10と同様である。本変形例に係るプロキミシティピン10Cにおいては、支持ピン部12の周面に当該支持ピン部12の延在方向に沿って延びる溝14が3つ設けられている。当該溝14は、支持ピン部12と空気との接触面積を増大させるためのものであり、この溝14が設けられることで支持ピン部12の放熱性が向上し、プロキミシティピン10C全体としての熱伝達のし難さが増大する。したがって、このように構成することにより、さらにピン跡ムラの発生を効果的に抑制することができる。
また、特に図示はしていないが、プロキミシティピンの基部の周面に設けられる凹部の位置は、必ずしも基部の上部である必要はなく、基部の軸方向の中央部や下部に設けられることとしてもよい。さらに、プロキミシティピンの基部の周面に設けられる凹部は、必ずしも基部の上面や下面にまで達している必要はない。加えて、プロキミシティピンの基部の周面に設けられる凹部の形状は、図2または図4(A)ないし図4(C)に示した如くその露出表面がC字状に湾曲している必要はなく、露出表面の形状がV字状やL字状等とされていてもよい。しかしながら、いずれの場合にも、凹部が設けられた部分において周方向にホットプレートと接触する部分が残されていることがプロキミシティピンの支持強度を確保する観点から好ましいと言える。
なお、上述したプロキミシティピンの基部の周面に設けられる凹部は、切削加工等によって形成されてもよいし、プロキミシティピンを樹脂部材にて製作する場合には、樹脂部材の成形時に一体的に形成されるようにしてもよい。ただし、成形時において流動性の高い樹脂材料を原料としてプロキミシティピンを製作する場合には、上述した如く射出成形時に凹部を一体的に形成することとできるが、上述したポリサルフォン樹脂の如く成形時において流動性の低い樹脂材料を原料としてプロキミシティピンを製作する場合には、その一体形成が困難となる。したがって、そのような場合には、プロキミシティピンの原形となる樹脂部材を射出成形した後に、当該樹脂部材を切削加工することで凹部を形成することとすることが好ましい。
上述した本発明の一実施の形態およびその変形例においては、プロキミシティピンをホットプレートに螺合することでプロキミシティピンをホットプレートに固定する構造を採用した場合を例示したが、これらの固定構造としては、他の構造のものもその採用が可能である。その一例としては、圧入や嵌合等が挙げられる。
また、上述した本発明の一実施の形態およびその変形例においては、本発明を、液晶パネルの製造時にガラス基板に設けられる配向膜としてのポリイミド膜の形成時に使用される塗布膜形成用加熱乾燥装置に適用した場合を例示して説明を行なったが、本発明を上述したポリイミド膜以外の薄膜の形成時に使用される塗布膜形成用加熱乾燥装置に適用することも当然に可能である。
このように、今回開示した上記一実施の形態およびその変形例はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1 塗布膜形成用加熱乾燥装置、2 ホットプレート、3 保持用穴部、10,10A〜10C プロキミシティピン、11 基部、12 支持ピン部、13 凹部、14 溝、100 ガラス基板、200 ポリイミド溶液。
Claims (6)
- 加熱源としてのホットプレートと、前記ホットプレートの上面側に取付けられた複数の基板支持用ピンとを備えた塗布膜形成用加熱乾燥装置であって、
前記ホットプレートは、前記基板支持用ピンを受け入れ保持する保持用穴部をその上面に有し、
前記基板支持用ピンは、前記ホットプレートの上面から上方に向けて突出して位置する支持ピン部と、前記保持用穴部に受け入れ保持された基部とを有し、
前記基部は、当該基部と前記保持用穴部を規定する部分の前記ホットプレートの内周面との接触領域の大きさを減じるための凹部をその周面に有している、塗布膜形成用加熱乾燥装置。 - 前記基部は、略円柱状の形状を有し、
前記凹部が、前記基部の軸方向に沿って延びるように設けられている、請求項1に記載の塗布膜形成用加熱乾燥装置。 - 前記凹部が、前記基部の周方向に沿って複数設けられている、請求項2に記載の塗布膜形成用加熱乾燥装置。
- 前記基部の周面には、雄ねじが設けられ、
前記保持用穴部を規定する部分の前記ホットプレートの内周面には、雌ねじが設けられ、
これら雄ねじと雌ねじとが螺合することで前記基板支持用ピンが前記ホットプレートに取付けられている、請求項1から3のいずれかに記載の塗布膜形成用加熱乾燥装置。 - 前記支持ピン部が、当該支持ピン部の延在方向に沿って延びる溝をその周面に有している、請求項1から4のいずれかに記載の塗布膜形成用加熱乾燥装置。
- 前記基板支持用ピンが、ポリサルフォン樹脂にて形成されている、請求項1から5のいずれかに記載の塗布膜形成用加熱乾燥装置。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20120703 |