JP2014062814A - 抗原固定化免疫蛍光スライドの製造方法及びそれにより製造される免疫蛍光スライド - Google Patents

抗原固定化免疫蛍光スライドの製造方法及びそれにより製造される免疫蛍光スライド Download PDF

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Abstract

【課題】抗原固定化免疫蛍光スライドの製造方法及びそれにより製造される免疫蛍光スライドを提供する。
【解決手段】C反応性タンパク質をスライドに固定化するために、3−アミノプロピルトリメトキシシランで改質されたスライドを製造する段階、3−アミノプロピルトリメトキシシランで改質されたスライドを水和する段階、グルタルアルデヒド溶液を使って、改質されたスライドを活性化させる段階、30〜70mMリン酸バッファ溶液(pH6.5〜7.8)にC反応性タンパクを0.01〜0.5mg/ml濃度で溶解して固定化用の抗原溶液を製造する段階、スポッティングガイド上にスライドを含むペトリ皿を載せ、製造した抗原溶液を1〜100μlの滴下点にスポッティングする段階、該段階によって準備されたスライドを1〜6時間反応させて抗原を固定化する抗原固定化免疫蛍光スライドの製造方法及びこれによって製造される免疫蛍光スライド。
【選択図】図3

Description

本発明は、C反応性タンパク質をスライドに固定させてタンパク質チップを製造する段階、分析しようとするタンパク質に特異的に結合する抗体をストレプトアビジンと混合して蛍光ナノ粒子で標識させる段階、前記抗体を混合競争的に免疫反応させる段階、及び蛍光カメラで分析する段階からなる抗原固定化免疫蛍光スライドの製造方法及びそれにより製造される免疫蛍光スライドに関する。
バイオチップ(Biochip)は、多種のプローブを単位面積の固相支持体の表面に固定化したものであって、このようなバイオチップを利用すれば、少量の試料で疾病の診断、高効率スクリーニング(High Throughput Screening;HTS)、酵素活性測定などの実験を大規模で容易に実施することができる。
プローブをスライドやスライドに固定させる方法のほとんどは、コーティング物質で表面を前処理したガラススライド上にプローブを固定させることで製作される。このために、多様な表面化学物質が提案され、代表的に自己組立単分子層(Self−assembled monolayer)などの技術が適用される(特許文献1)。
これに対して、固定化されるプローブ量を増大させてプローブの活性を保持するための試みとして、3次元固定化方法が開発された(Gill及びBallesteros、Trends in Biotechnology 18:282、2000)。例えば、パッカードバイオサイエンス(Packard Bioscience)のヒドロゲル(R)(Hydrogel)コーティングスライド、バイオセプト社のポリエチレングリコール系ヒドロゲル、及びLG化学のゾルゲルなどを利用した3次元の固定化方法を例として挙げられる。
免疫センサー用のスライドとしては、ガラス、シリコン、ヒドロゲル、金属、セラミックス、多孔性メンブレンで構成されたグループから選択される。
現在、対応する抗原または抗体の特異的反応性に基づいて、抗体または抗原が基材上に固定化された抗体または抗原プローブプレートが、検出するために広く使われている。このような使用のための3種の代表的キットは、ラピッド(rapid)テストキット、ルーチン(routine)テストキット及びバイオチップキットである。
これらは、固定化された抗体プローブまたは抗原プローブに対応するターゲット抗原またはターゲット抗体を検出するために使われる。
一部の場合には、多様な反応器が一プローブプレートに組み合わせられるが、前記反応器のそれぞれは、抗原または抗体を検出するテストストリップをそれぞれ含む。
一方、最近、健康機能食品法が発効されながら、国内でも天産物に基づいて食品素材及び加工食品を製造し、これを健康機能食品として認められる門戸が開放された。しかし、そのためには、健康機能食品の機能性、例えば、心血関係疾患予防、老化抑制、癌予防、肥満防止、免疫調節、胃・腸管疾患予防などの健康機能食品の機能性を科学的に立証する資料を提示しなければならないので、食品の機能性評価の重要性は次第に増大しており、その結果として機能性評価分野の事業化可能性も非常に高い実情である。
食品の機能性評価は、前記の6大機能性類型を中心に生体外(in vitro)機能性評価、ラット(rat)のような実験動物を利用した生体内(in vivo)機能性評価及び臨床実験を網羅しているが、食品産業の側面から見る時、食品素材及び機能性食品の機能性評価を効率的かつ迅速に行うための実験動物を利用した生体内機能性の検索技術開発の必要性が増大しつつある。
機能性食品として認められるためには、心血関係機能性のような目的する機能性が科学的に立証されなければならないが、食品に対する機能性の評価の重要性は、いくら強調しても強調しすぎることはない(Kimなど、直接結合水晶振動子免疫センサーによるC−reactive protein検出、韓国生物工学会誌、Vol.22、p.443、2007)。臨床実験に先立って、前段階として行われる実験動物を利用した生体内機能性評価は、従来から体重、血圧、及び器官形態のような身体的要素の変化を測定することであった。しかし、このような方法は、不均一な結果をもたらすだけではなく、評価プロトコルの多様性、熟練された専門家及び高価の分析器具などが必要であるという短所がある。生体内食品機能性に対する均一な評価方法は、ラットのような実験動物体内で特定の疾患や代謝症状と関連した特定のバイオマーカータンパク質の上昇及び下降を測定することである。この場合は、機能性食品として認められようとする食品を含むことを実験動物に投与する。
特許文献2では、食品素材及び機能性食品の心血関係機能性を迅速に検索することができる生体内機能性評価のための新たな方法の1つであって、冠状動脈疾患、高血圧などに対する主要バイオマーカー(biomarker)の1つとして知られており、哺乳動物の肝でインターロイキン−6(interleukin−6)及びインターロイキン−1β(interleukin−1β)による誘導刺激で合成される分子質量118キロダルトン(killodalton、kDa)程度のペンタマータンパク質であるC反応性タンパク(C−reactive protein)(Biosensors and Bioelectronics、Vol.19、p.1193、2004;Clinical Chemistry、Vol.47、p.403、2001;New England Journal of Medicine、Vol.340、p.448、1999;Biochemical Journal、Vol.327、p.425、1997)を水晶振動子免疫センサー(quartz crystal microbalance immunosensor)を用いて高感度で検出する測定方法について記述した。
前記の方法は、C反応性タンパクを測定するための既存の方法の1つである酵素免疫分析法(enzyme−linked immunosorbent assay、ELISA)(American Journal of Cardiology、Vol.1、p.155、2005;American Journal of Veterinary Research、Vol.1、p.62、2005;Journal of Clinical Laboratory Analysis、Vol.18、p.280、2004)に比べて、着色物質による測定阻害を受けないながらも、簡便に使うことができる長所があり、測定感度も既存の他のセンサー測定法に比べて、優秀または類似しているレベルで表われた(Biosensors and Bioelectronics、Vol.22、p.973、2007;Biosensors and Bioelectronics、Vol.21、p.1987、2006;Biosensors and Bioelectronics、Vol.21、p.1631、2006;Biosensors and Bioelectronics、Vol.21、p.1141、2006;Analytical Biochemistry、Vol.328、p.210、2004)。
最近、バイオセンサーを利用したセンサー計測に金属コロイド(metallic colloid)、炭素ナノチューブ(carbon nanotube)、蛍光シリカナノ粒子(fluorescent silica nanoparticle)、半導体量子点(semiconductor quantum dot)のようなナノ素材を利用する頻度が増加しており、その適用を通じてセンサー信号の感応性、安定性、選択性などを増進した研究結果が多数報告されている(Analytical Chemistry、Vol.79、p.630〜707、2007;Biosensors and Bioelectronics、Vol.21、p.1900、2006;Langmuir、Vol.22、p.4357、2006;Nano Letters、Vol.5、p.113、2005;Biosensors and Bioelectronics、Vol.20、p.2454、2005;Proceedings of the National Academy of Sciences、Vol.100、p.4984、2003;Biochemical and Biophysical Research Communications、Vol.274、p.817、2000)。
バイオセンサーによって実験動物の血液中に存在するバイオマーカーとしてのC反応性タンパクを測定して、食品の生体内心血関係機能性を評価しようとする時、センサー感度の増大は依然として重要であり、また簡易測定の必要性が絶え間なく提起されてきた。
大韓民国特許公開第2003−0038932号 大韓民国登録特許10−921237号
本発明は、バイオチップの製作及び測定にバイオチップアレイやマイクロアレイスキャナのように複雑な装置の使用なしにユーザがマイクロディスペンシングピペットを使って、スライド上に一定体積の抗原を固定化して分析しようとするタンパク質と抗体及び蛍光ナノ粒子の接合体との間の免疫反応あるいは固定化された抗原と蛍光性ナノプローブ及び特定の標的分子の混合物の免疫反応を免疫蛍光スライド上の抗原コーティング部位で行った後、免疫反応によって特異的にスライドの表面に結合されたナノプローブを蛍光顕微鏡によって簡便に蛍光強度や蛍光粒子数を測定し、その結果として生体指標のような特定の標的分子の濃度が分かるようにするセンサーの感度が高い1回用の免疫センサー用のスライドを提供することである。
本発明は、前記のような課題を解決するために、分析しようとするタンパク質(抗原)をスライドに固定させ、前記抗原と特異的に結合する抗体とを蛍光性物質で標識させ、検体から採取した分析しようとするタンパク質を前記蛍光標識された抗体と混合させ、前記混合された混合物を前記スライドに固定された抗原部位と反応させ、反応されていない抗体と抗原とを蒸留水を使って洗浄させ、前記スライドをインキュベーターに位置させて乾燥した後、蛍光顕微鏡を使って蛍光強度または蛍光粒子数を測定する段階からなる。
試料を分析するために、本発明では、間接競合法(indirect−competitive assay format)を使うことを見せているが、当業者は、直接競合法(direct−competitive assay format)やサンドイッチ法(sandwich assay format)によって行うことができるということを容易に理解できるであろう。
本発明で使われる免疫センサー用のスライドは、ガラス、シリコン、ヒドロゲル、金属、セラミックス、多孔性メンブレンで構成されたグループから選択され、20〜40X70〜80mmの横/縦の規格を有する。
本発明では、分析しようとする試料としてC反応性タンパク(以下、“CRP”と称する)を使ったが、当業者は、本発明の方法をその他の食品機能性バイオマーカーである低密度リポタンパク質(LDL)、フィブリノーゲン(fibrinogen)、アンジオテンシンII(angiotensin II)、心臓トロポニン(cardiac troponin)などの心血関係バイオマーカーと老化抑制、癌予防、肥満防止、免疫調節、胃・腸管疾患予防などと関連したバイオマーカータンパク質を使うことができるということを容易に理解できるであろう。
C反応性タンパク抗体は、ラット(rat)、マウス(mouse)、兎、猿、人などの哺乳動物来由のC反応性タンパクを使って製造した抗体のうちから選択された何れか1つであるものを使うことができる。
検体から採取される試料は、C反応性タンパクが反応緩衝溶液に溶解された標準溶液、血液、血清、血漿、唾液、体液、肝などの組職抽出物のうちから選択された何れか1つを使うことができる。
抗原が固定化されたスライドの表面の抗原と反応していない部位をブロッキング(blocking)するために使われる溶液としては、1〜5%のBSA(Bovine Serum Albumin)、RSA(Rat Serum Albumin)、HSA(Human Serum Albumin)、MSA(Mouse Serum Almumin)、GSA(Goat Serum Albumin)溶液のうちから選択された何れか1つを使うことができる。
以下、本発明を各段階別に詳しく説明する。
本発明のスライドに抗原であるC反応性タンパクの固定化は、下記の2つの方法のうちの1つを選択して実施することができる。
第1に、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(3−Aminopropyltrimethoxysilane、以下、“APTMS”と称する)を用いて抗原を固定化する方法である。この方法を利用するために、まず、APTMSで改質されたスライドを製造する。前記改質のために、ピラニア溶液(Piranha solution、HSO:H=2:1〜4:1、体積比率)にスライドを5〜15分浸漬した後、取り出して蒸留水で濯いだ後、蒸留水内で3〜10分間超音波処理し、85〜95℃の熱水で30〜90分間水和させて洗浄した後、キムワイプ上にスライドを置いて20〜120分間室温乾燥する。表面洗浄を行った準備されたスライドをアセトンに5〜15%濃度で溶解されたAPTMS溶液が入れられたペトリ皿に入れて室温で30〜90分間反応させる。アセトン、30〜70mMリン酸バッファ溶液(pH6.5〜7.8)、蒸留水でスライドの前/後を3〜4回ずつ順次に濯いで蒸留水が入れられたビーカーで1〜60分間浸漬させる。これを取り出してキムワイプ上で20〜120分間室温乾燥した後、30〜150℃の対流オーブンで3〜7時間熱処理した後、放冷して使うまでデシケーターに乾燥状態で保管する。
APTMSで改質されたスライドを蒸留水に10〜20分間浸漬して水和させる。浸漬されたスライドを取り出してグルタルアルデヒド1〜4%溶液が入れられたペトリ皿に入れて30〜90分間反応させて、スライドの表面にタンパク質が結合できるように活性化させる。30〜70mMリン酸バッファ溶液(pH6.5〜7.8)で活性化されたスライドの前/後を3〜4回洗浄する。蒸留水が入れられたビーカーにスライドを1〜60分間浸漬させる。これを取り出してキムワイプ上にスライドを置いて20〜120分間室温乾燥する。
前記で使われるグルタルアルデヒド(Glutaraldehyde)は、46〜49mlの蒸留水に30〜70%濃度のグルタルアルデヒド1〜4mlを加えて30〜70mlに定容して製造する。
分析しようとするタンパク質、例えば、C反応性タンパクを固定化するために、まず、30〜70mMリン酸バッファ溶液(pH6.5〜7.8)にC反応性タンパクを0.01〜0.5mg/ml濃度で溶解して固定化用の抗原溶液を製造する。格子状のスポッティングガイド(Spotting guide)上にグルタルアルデヒド活性化スライドを含むペトリ皿を載せ、あらかじめ製造した抗原溶液1〜100μlをスポッティングガイド上の滴下点に該当するスライド部位にスポッティングした後、蓋を覆いで1〜6時間反応させて抗原の固定化を行った後、30〜70mMリン酸バッファ溶液(pH6.5〜7.8)でスライドの表/裏面を3〜4回洗浄し、蒸留水が入れられたビーカーで1分間浸漬させる。抗原の固定化を行ったグルルタルアルデイド活性化スライドの表面の抗原と反応していない部位をブロッキングするために、30〜70mMリン酸バッファ溶液(pH6.5〜7.8)に溶解された1〜5%BSA溶液が入れられた小さなプラスチックペトリ皿にスライドを入れ、蓋を覆いで1〜5時間反応させ、反応が終わった後、30〜70mMリン酸バッファ溶液(pH6.5〜7.8)でBSAブロッキングされたスライドの前/後を3〜4回洗浄した後、蒸留水が入れられたビーカーにスライドを1〜60分間浸漬させる。これを取り出してキムワイプ上にスライドを置いて20〜120分間室温乾燥する。
第2に、MPTMS−GMBS(3−Mercaptopropyltrimethoxysilane−N−gamma−maleimidobutyryloxy succinimide ester)方法で固定化する方法を使う。まず、表面洗浄のために、スライドを濃い塩酸(18〜36%)とメタノール(50〜100%)との混合溶液(HCl:MtOH=1:1〜1:2、体積比率)に15〜45分浸漬させた後、蒸留水でスライドの表/裏面を3〜4回濯ぐ。85〜95℃の蒸留水でスライドを洗浄した後、キムワイプ上に置いて室温で20〜120分間乾燥する。
このように準備されたスライドをシラン化させるために、1〜3%のトルエン、ジメチルホルムアミド、及びアセトンからなる群から選択される有機溶媒溶液に溶解されたMPTMS溶液50〜500mlを準備する。前記溶液が入れられたペトリ皿にスライドを入れて室温で1〜3時間反応させる。前記のMPTMS溶液の調剤に使われた同じ有機溶媒でスライドの表/裏面を3〜4回洗浄した後、キムワイプ上に置いて20〜120分間室温乾燥する。
スライドの表面を活性化させるために、1〜3mM GMBS溶液を次のように製造する。GMBS試料14〜42mgを100μlのDMF(N,N−Dimethylformamide;シグマアルドリッチ社、アメリカ)に溶かした後、エタノール49.9mlを加える。前記シラン化段階を経たスライドをGMBS溶液が入れられたペトリ皿に入れて室温で30〜90分間反応させる。蒸留水と30〜70mMリン酸バッファ溶液(pH6.5〜7.8)とでスライドの表/裏面を3〜4回洗浄する。次いで、スライドをキムワイプに置いて20〜120分間室温乾燥する。
CRP抗原の固定化は、次のように実施する。まず、30〜70mMリン酸バッファ溶液(pH6.5〜7.8)にC反応性タンパクを0.01〜0.5mg/ml濃度で溶解して固定化抗原溶液を製造する。前記のスポッティングガイド上にGMBS活性化スライドを含むペトリ皿を載せ、あらかじめ製造した抗原溶液1〜100μlをスポッティングガイド上の滴下点に該当するスライド部位にスポッティングした後、蓋を覆いで1〜6時間反応させて抗原の固定化を行った後、30〜70mMリン酸バッファ溶液(pH6.5〜7.8)でスライドの表/裏面を3〜4回濯いで蒸留水が入れられたビーカーにスライドを1〜60分間浸漬させる。分析の正確度を高めるために、1〜5%BSA溶液が入れられた小さなプラスチックペトリ皿にスライドを入れて蓋を覆いで1〜5時間反応させる。前記のようなリン酸バッファ溶液を使ってスライドの表/裏面を3〜4回洗浄する。蒸留水が入れられたビーカーに1〜60分間浸漬させた後、キムワイプ上にスライドを位置させて20〜120分間室温乾燥する。
前記2つの方法を概略的に表わしたものを図1として表わした。
本発明の免疫センサー用のスライドを用いて特定のタンパク質を分析するに当たっては、スライドに固定される抗原と特異的に結合する抗体とを標識させる。前記抗体を標識させることは、敏感性と再現性とが高い蛍光染色法を使い、そのために、本発明では、蛍光シリカナノ粒子(Fluorescent silica nanoparticle、以下、“FSNP”と称する)を使う。
蛍光シリカナノ粒子(FSNP)を製造する方法について概略的に記述する。抗原と特異的に結合する抗体との標識に使われるFSNPは、有機蛍光色素をシリカ構造内に含ませる包括法(Dye entrapment)、活性化有機蛍光色素をアミノシラン(Amino silane)化合物と共有結合させた後、これをシリカ構造内に含ませるコアシェル法(Core shell method)、有機蛍光色素をシリカ構造内に含ませて形成された粒子を有機シラン(Organosilane)化合物と反応させて、官能基を導入して機能化する逆コアシェル法(Inverted core shell method)などによって製造されたものを使うことができる。この際、有機蛍光色素としては、ジクロロトリス(1,10−フェナントロリン)ルテニウム(II)一水化物(Dichlorotris(1,10−phenanthroline)ruthenium(II)・hydrate)、フルオレセイン(Fluorescein)、ローダミンB(Rhodamine B)、5(6)−カルボキシテトラメチルローダミン(5(6)−Carboxytetramethylrhodamine)などを使い、活性化有機蛍光色素としては、フルオレセインイソチオシアネート(Fluorescein isothiocyanate)、5(6)−カルボキシテトラメチルローダミン N−スクシンイミジルエステル(5(6)−Carboxytetramethylrhodamine N−succinimidyl ester)、テトラメチルローダミン5−イソチオシアネート(Tetramethylrhodamine 5−isothiocyanate)、ビス(2,2’−ビピリジン)−4’−メチル−4−カルボキシビピリジン−ルテニウム N−スクシンイミジルエステルヘキサフルオロホスフェート(Bis(2,2’−bipyridine)−4’−methyl−4−carboxybipyridine−ruthenium N−succinimidyl ester−bis(hexafluorophosphate))、ビス(2,2’−ビピリジン)−4,4’−ジカルボキシビピリジン−ルテニウム ジ(N−スクシンイミジルエステル)ビス(ヘキサフルオロホスフェート)(Bis(2,2’−bipyridine)−4,4’−dicarboxybipyridine ruthenium di(N−Succinimidyl ester)bis(hexafluorophosphate))などを使い、アミノシラン化合物としては、(3−アミノプロピル)トリエトキシシラン((3−Aminopropyl)triethoxysilane)などを使い、有機シラン化合物としては、カルボン酸エチル(Carboxylate)、アミン(Amine)、アミン/ホスホン酸(Amine/phosphonate)、ポリ(エチレングリコール)(Poly(ethylene glycol))、オクタデシル(Octadecyl)、カルボン酸エチル/オクタデシル(Carboxylate/octadecyl)官能基を有した化合物を使うことができる。
FSNPを使って抗体を標識させる方法を説明する。まず、FSNPをビオチン(Biotin)と特異的に結合するストレプトアビジン(Streptavidin、以下、“SA”と称する)で改質することが必要であるが、これは、以下で説明するSAが付着されたFSNPをビオチニル化された抗体と結合させるためである。FSNPをSAで改質するために、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン((3−Mercaptopropyl)trimethoxy silane、以下、“MPTMS”と称する)と反応させて、チオール−改質されたFSNPを先に製造する。10〜70ml容量のキャップチューブに前記のFSNP1〜5mgとエタノール、メタノール、プロパノールなどのアルコール5〜15mlを加えてよく振った後、FSNPをアルコールに完全に溶解させるために、10〜30分間超音波処理する。次いで、キャップチューブにMPTMS30〜70〜200μlを添加し、室温で30〜200rpmの低速で撹拌しながら、2〜6時間反応させる。反応混合物を3〜10℃で20〜40分間7000〜17000rpmで遠心分離して得た沈殿物を反応に使われた同じアルコールを使って1〜5回洗浄し、それぞれの洗浄後、同じ条件で遠心分離して沈殿物を得る。チューブのキャップを分離してアルミニウムホイルを軽く覆って室温乾燥する。沈殿物を30〜70mMリン酸バッファ溶液(pH6.5〜7.8)2〜6mlに再溶解してチオール−改質されたFSNP溶液を製造する。
チオール−改質されたFSNPにマレイミド活性化された(Maleimide−activated)SAを付け加えて、SAが付着されたFSNPを製造する。より具体的に、10〜70ml容量のキャップチューブにSA−マレイミド0.1〜0.5mgと30〜70mMリン酸バッファ溶液(pH6.5〜7.8)3〜7mlとを加えて溶解させてSA−マレイミド溶液を製造する。ここに、前記で製造したチオール−改質されたFSNP溶液0.5〜2.0mlを加えて30〜200rpmの低速でかき混ぜ続けながら、室温で1〜3時間反応させる。3〜10℃で20〜40分間7000〜17000rpmで遠心分離して沈殿物を取る。前記段階で取った沈殿物を30〜70mMリン酸バッファ溶液(pH6.5〜7.8)で1〜5回洗浄し、それぞれの洗浄後、同じ条件で遠心分離して沈殿物を得る。前記段階で洗浄された沈殿物を30〜70mMリン酸バッファ溶液(pH6.5〜7.8)1〜5mlに再懸濁させる。これをキャップチューブに入れてアルミニウムホイルを取り囲んだ後、冷蔵保管して、以下で説明するビオチニル化された抗体と反応させる。
C反応性タンパク抗体のビオチニル化は、次の2つの方法のうちの何れか1つを用いて実施することができる。
第1の方法として、C反応性タンパク抗体に炭酸緩衝溶液(Carbonate−bicarbonate buffer)を加えてC反応性タンパク抗体を含む炭酸緩衝溶液を得る段階、有機溶媒であるジメチルホルムアミド(Dimethyl formamide)に溶解したビオチン化試薬であるビオチンアミドヘキサン酸 N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(Biotinamidohexanoic acid N−hydroxysuccinimide ester、NHS−LC−ビオチン)溶液を前記段階の炭酸緩衝溶液と反応させる段階、前記段階で得た溶液を塩化ナトリウム溶液に透析して未反応ビオチン化試薬を除去する段階からなる方法が挙げられる。
より具体的に、C反応性タンパク抗体に炭酸緩衝溶液を加えてC反応性タンパク抗体の濃度が1.0〜3.0mg/mlである炭酸緩衝溶液を得る段階、ジメチルホルムアミドに1〜5mg/ml濃度で溶解したNHS−LC−ビオチン溶液30〜100μlを前記段階の炭酸緩衝溶液25〜75μlと1ないし5時間氷水下で反応させる段階、前記段階で得た溶液75〜175μlを0.1〜0.3M塩化ナトリウム溶液で一晩透析して未反応ビオチン化試薬を除去する段階からなる。
第2の方法として、C反応性タンパク抗体にリン酸緩衝食塩水を加えてC反応性タンパク抗体を含むリン酸緩衝食塩水を得る段階、再蒸留水に溶解した水溶性のビオチン化試薬であるスルホスクシンイミジル−6−(ビオチナミド)ヘキサノエート(Sulfosuccinimidyl−6−(biotinamido)hexanoate、スルホ−NHS−LC−ビオチン)溶液を前記段階のリン酸緩衝食塩水と反応させる段階、前記段階で得た溶液をリン酸緩衝食塩水に透析して未反応ビオチン化試薬を除去する段階からなる方法が挙げられる。
より具体的に、C反応性タンパク抗体にリン酸緩衝食塩水を加えてC反応性タンパク抗体の濃度が0.5〜3.0mg/mlであるリン酸緩衝食塩水を得る段階、再蒸留水に2〜20mM濃度で溶解したスルホ−NHS−LC−ビオチン溶液5〜20μlを前記段階のリン酸緩衝食塩水30〜800μlと氷水下で1ないし5時間反応させる段階、前記段階で得た溶液55〜820μlを0.05〜0.25Mリン酸緩衝食塩水に対して一晩透析して未反応ビオチン化試薬を除去する段階からなる。
次の段階として、ナノ物質が付着された抗体を製造する。前記で製造したSA改質されたFSNPとビオチン化された抗体とを加えて混合すれば、ビオチンがSAと特異的に結合するために、蛍光物質で標識された抗体が製造される。
より具体的に、前記で製造したSA−改質されたFSNP溶液を10〜30分間超音波処理した後、そのうち、200〜600μlを前記で製造した0.05〜0.25mg/ml濃度のビオチン化された抗体溶液1〜3mlに加えて30分間隔で30〜200rpmの低速で2〜7分ずつかき混ぜながら、室温で1〜3時間反応させる。3〜10℃で20〜40分間7000〜17000rpmで遠心分離して、上澄み液は捨てて沈殿物を取る。前記段階で取った沈殿物を30〜70mMリン酸バッファ溶液(pH6.5〜7.8)で1〜5回洗浄し、それぞれの洗浄後、前記と同じ条件で遠心分離して沈殿物を得る。前記段階で洗浄された沈殿物を30〜70mMリン酸バッファ溶液(pH6.5〜7.8)0.4〜1.2mlに再懸濁させる。
本発明のCRPと特異的に結合する抗体とを蛍光性物質で標識する概略的な方法を図2として表わした。
本発明の免疫センサー用のスライドを用いて特定のタンパク質を分析するに当って、検体から採取した分析しようとするタンパク質を前記のように標識された抗体と混合させる。
より具体的に、エペンドルプチューブにある30〜70mMリン酸バッファ溶液(pH6.5〜7.8)を使って、段階別に希釈して製造したそれぞれの濃度別C反応性タンパク試料溶液にビオチンとSAの特異的結合によって、前記のように製造したナノ物質としてFSNPが付着されたC反応性タンパク抗体溶液を同量加えて混合させた後、室温で5〜300分間静置させる。
次の段階で、前記のように混合された混合物をスライドに固定された抗原部位と反応させる。
より具体的に、前記のグルタルアルデヒド工程やMPTMS−GMBS工程によって、抗原であるC反応性タンパクを固定化し、BSA(Bovine Serum Albumin)ブロッキング工程によって、非選択的なタンパク質の吸着を最小化したバイオトランスデューサー(bio−transducer)としてのスライドを含むペトリ皿を格子状のスポッティングガイド上に載せ、スライド上の抗原が固定化されている部位に前記のように混合して、室温で5〜300分間静置させた検体から採取した分析しようとするタンパク質と前記のように標識された抗体の混合物1〜100μlを正確にスポッティングした後、蓋を覆いで室温で0.5〜16時間反応させてFSNPで標識された抗体及びスライド上に固定された抗原と検体から採取した分析しようとするタンパク質との間の間接競合反応を行う。反応が終わった後、反応されていない抗体と抗原とを蒸留水を使ってスライドの前/後を3〜4回洗浄した後、蒸留水が入れられたビーカーにスライドを1〜60分間浸漬させて除去する。
本発明のスライドに固定化された抗原と蛍光標識された抗体とが間接競合方式によって結合する方式を説明する形状を図3に表わし、検体から採取したC反応性タンパクの代わりに、30〜70mMリン酸バッファ溶液(pH6.5〜7.8)を前記のように標識された抗体と混合した後、スライド上の抗原が固定化されている部位に滴下して経時的な抗原・抗体反応を行った時、スライドに結合された蛍光粒子数の変化を図4に表わした。
前記スライドをインキュベーターに入れて20〜120分間乾燥する。
蛍光顕微鏡を使って蛍光強度及び蛍光粒子数を測定する。検体中のCRP濃度が高ければ、蛍光標識された抗体と反応を多くするために、スライドに固定化された抗原と蛍光標識された抗体とが結合する数が少なくて蛍光強度と蛍光粒子数とが減るために、蛍光が低く表われる。このようにスライドに固定された抗原と検体中の抗原は、蛍光標識された抗体と競争的な相互作用を通じて蛍光度が異ならせて表われるために、CRPを短時間内に簡単に測定させうる。
本発明によって冠状動脈疾患、高血圧及び炎症に対する主なバイオマーカーの1つとして知られているC反応性タンパクをスライドにコーティングし、蛍光性ナノプローブと結合されている抗体を反応させることによって、ナノモルレベルで測定することができて、特定の生体内食品機能性の指標である当該バイオマーカーを高感度で簡便に測定しうる免疫センサー用のスライドが提供される。
本発明は、C反応性タンパクの以外に、今後の低密度リポタンパク質(low density lipoprotein、LDL)、フィブリノーゲン(fibrinogen)、アンジオテンシンII(angiotensin II)などの実験動物の血液などに多様な濃度範囲で存在するバイオマーカーに対する超高感度高速同時測定に必要な食品の機能性評価と関連した基盤技術を確立することができる。
C反応性タンパクを抗原に固定させる2つの方法を示す概路図である。 CRPと特異的に結合する抗体とを蛍光性物質で標識する方法を示す概路図である。 本発明のスライドに固定化された抗原と蛍光標識された抗体とが間接競合方式によって結合する方式を説明する図である。 検体から採取したC反応性タンパクの代わりに、30〜70mMリン酸バッファ溶液(pH6.5〜7.8)を本発明による標識された抗体と混合した後、スライド上の抗原が固定化されている部位に滴下して経時的な抗原・抗体反応を行った時、スライドに結合された蛍光粒子数の変化を示すグラフである。 a、b、cは、ピラニア溶液処理前のスライドの表面に存在する不純物などの汚染物質の阻害斑点がピラニア処理を通じて除去されるということを示す図であって、APTMSによるシラン化を経た後にも、蛍光映像上の阻害斑点が観察されないということを示す図である。dは、グルタルアルデヒド2.5%溶液で処理した基板を処理して蛍光映像写真を撮って阻害斑点が発見されないということを示す図である。eは、抗原固定化の後、BSAブロッキングスライドの表面で阻害斑点は発見されないということを示す図である。fは、本発明の方法によって間接競合反応を行ったスライドの表面に結合した蛍光シリカナノ粒子標識抗体の蛍光斑点を示す図である。 蛍光分析のための装置を示す図である。 抗原固定化免疫蛍光スライド及びFSNP標識抗体基盤C反応性タンパクの検量線を示すグラフである。
以下、本発明の具体的な方法を実施例を挙げて説明する。しかし、本発明の権利範囲は、これら実施例にのみ限定されるものではない。
本実験で使われる材料は、次の通りである:
マウス骨髄腫細胞株(NSO)から発現された組替えヒスチジンタグされたラットCRP(純粋な状態)は、R&D Systems、Inc.(ミネアポリス、MN、アメリカ合衆国)で入手して、本実験の全過程で使った。そのホモペンタメリック(homopentameric)構造は、3つの非共有及び2つの共有結合されたサブユニットからなる。マウス骨髄腫と精製されたNSO−来由から得られた組替えラットCRPで兔疫されたマウスから得たBセルを融合したものから出たハイブリドーマから生成された単一クローン抗−ラットCRP抗体も、前記R&D Systems Inc.から入手した。ガラススライドは、Coring Inc.(Kennebunk、ME、アメリカ合衆国)から入手した。水溶性のビオチン化試薬(スルホスクシンイミジル−6−(ビオチナミド)ヘキサノエート(スルホ−NHS−LC−ビオチン)は、Pierce Biotechnology、Inc.(Rockford、IL、アメリカ合衆国)から購入した。3−アミノプロピルトリメトキシシラン(APTMS)、グルタルアルデヒド及び牛血清アルブミン(BSA)は、Sigma−Aldrich Chemical Co.(St.Louis、MO、アメリカ合衆国)から入手した。あらゆる他の化合物は、多様な供給者から保証されたものであり、実験の全過程で二重蒸留水を使った。
実施例1:APTMS−GA処理スライド上での抗原固定化
抗原をスライドに固定することは、次のような過程を経て準備した。すなわち、表面クリーニングのために、スライドをピラニア溶液(HSO:H=3:1、体積比率)に10分間浸漬した後、蒸留水で濯いだ後、蒸留水内で5分間超音波処理して90℃の熱水で1時間水和させて洗浄した後、キムワイプ上にスライドを置いて30分間室温乾燥した。
抗原の固定化に必要な反応基であるアミノ基(−NH)をスライドの表面に導入するためのシラン化を行うために、表面洗浄を行った準備されたスライドをアセトンに10%濃度で溶解されたAPTMS溶液が入れられたペトリ皿に入れて室温で1時間反応させた。アセトン、50mMリン酸バッファ溶液(pH7.4)、蒸留水でスライドの前/後を3回ずつ順次に洗浄し、蒸留水が入れられたビーカーで1分間浸漬させた。これを取り出してキムワイプ上で30分間室温乾燥した後、120℃の対流オーブンで5時間熱処理した後、放冷して蛍光映像写真を撮った(図5のa、b、c)。図5のa、b、cで見られるように、ピラニア処理前のスライドの表面に存在する不純物などの汚染物質の阻害斑点がピラニア処理を通じて除去されるということが分かり、APTMSによるシラン化を経た後にも、蛍光映像上の阻害斑点が観察されないということが分かった。
APTMSで改質されたスライドを活性化させるために、蒸留水に15分間浸漬して水和させた。浸漬されたスライドを取り出してグルタルアルデヒド2.5%溶液が入れられたペトリ皿に入れて1時間反応させて、スライドの表面にタンパク質が結合できるように活性化させた。50mMリン酸バッファ溶液(pH7.4)で活性化されたスライドの前/後を3回洗浄した後、蒸留水が入れられたビーカーにスライドを1分間浸漬させた。これを取り出してキムワイプ上にスライドを置いて30分間室温乾燥し、蛍光映像写真を撮って確認した結果、GA活性化スライドの表面でも、阻害斑点は発見されなかった(図5のd)。
抗原(CRP、C反応性タンパク)をスライド上に固定させるために、まず、50mMリン酸バッファ溶液(pH7.4)にC反応性タンパクを0.1mg/ml濃度で溶解して固定化用の抗原溶液を製造した。格子状のスポッティングガイド(Spotting guide)上にグルタルアルデヒド活性化スライドを含むペトリ皿を載せ、あらかじめ製造した抗原溶液20μlをスポッティングガイド上の滴下点に該当するスライド部位にスポッティング(滴下、spotting)した後、蓋を覆いで1時間反応させて抗原の固定化を行った後、50mMリン酸バッファ溶液(pH7.4)でスライドの表/裏面を3回洗浄し、蒸留水が入れられたビーカーで1分間浸漬させた。抗原の固定化を行ったグルタルアルデヒド活性化スライドの表面の抗原と反応していない部位をブロッキング(blocking)するために、50mMリン酸バッファ溶液(pH7.4)に溶解された1%BSA(Bovine Serum Albumin)溶液が入れられた小さなプラスチックペトリ皿にスライドを入れて蓋を覆いで1時間反応させた。このスライドを50mMリン酸バッファ溶液(pH7.4)で前/後を3回洗浄し、蒸留水が入れられたビーカーに1分間浸漬させ、キムワイプ上に位置させた後、30分間室温乾燥し、蛍光映像写真を撮って確認した結果、抗原固定化の後、BSAブロッキングスライドの表面でも、阻害斑点は発見されなかった(図5のe)。
実施例2:MTS−GMBS処理スライド上での抗原固定化
抗原をスライドに固定することは、次のような過程を経て準備した。すなわち、表面クリーニングのために、スライドを濃い塩酸(35%)とメタノール(70%)とが1:1の体積比率で混合された溶液に30分間浸漬した後、蒸留水でスライドを3回洗浄した。濃い硫酸に30分浸漬した後、蒸留水でスライドの表/裏面を3回洗浄し、沸く蒸留水でスライドを洗浄した後、キムワイプ上に置いて室温で30分間乾燥した。
抗原の固定化に必要な反応基であるチオール基(−SH)をスライドの表面に導入するためのシラン化を行うために、トルエン98mlにMPTMS((3−Mercaptopropyl)trimethoxy silane)2mlを添加して、2%MPTMS溶液を製造した。前記の溶液が入れられたペトリ皿にスライドを入れて室温で2時間反応させた。次いで、トルエンでスライドを3回洗浄した後、キムワイプにスライドを位置させて30分間室温で乾燥した。
MPTMSで改質されたスライドを活性化させるために、28mgのGMBSを100μlのDMF(N,N−Dimethylformamide、chromosllvr(R)Plus、St.Louis、MO、アメリカ合衆国、HPLC≧99.9%)に溶解した後、ここにエタノール49.9mlを加えて2mM GMBS溶液を製造した。シラン化されたスライドを2mM GMBS溶液が入れられたペトリ皿に入れて室温で1時間反応させた。蒸留水と50mMリン酸緩衝溶液(pH7.4)とでスライドの前/後を3回洗浄し、キムワイプで30分間室温乾燥した。
抗原(CRP、C反応性タンパク)をスライド上に固定させるために、まず、50mMリン酸バッファ溶液(pH7.4)にC反応性タンパクを0.1mg/ml濃度で溶解して固定化用の抗原溶液を製造した。前記のスポッティングガイド上にGMBS活性化スライドを含むペトリ皿を載せ、あらかじめ製造した抗原溶液20μlをスポッティングガイド上の滴下点に該当するスライド部位に滴下した後、蓋を覆いで1時間反応させて抗原の固定化を行った。このスライドを50mMリン酸バッファ溶液(pH7.4)でスライドの表/裏面を3回洗浄し、蒸留水が入れられたビーカーで1分間浸漬させた。抗原の固定化を行ったGMBS活性化スライドの表面の抗原と反応していない部位をブロッキングするために、50mMリン酸バッファ溶液(pH7.4)に溶解された1%BSA溶液が入れられた小さなプラスチックペトリ皿にスライドを入れて蓋を覆いで1時間反応させた。このスライドを50mMリン酸緩衝溶液(pH7.4)で前/後を3回洗浄し、蒸留水が入れられたビーカーに1分間浸漬させ、キムワイプ上に位置させた後、30分間室温乾燥させた。
MTS−GMBS処理スライド上での抗原固定化過程の各段階である表面クリーニング、シラン化、活性化、抗原固定化及びBSAブロッキングを行ったスライドに対して蛍光映像写真を撮って確認した結果、濃い塩酸とメタノール混合溶液(1:1、体積比率)処理前のスライドの場合を除いては、スライドの表面でセンサー計測を阻害する阻害斑点は発見されなかった。
実施例3:SAで改質されたFSNPの製造
25ml容量のキャップチューブに前記のFSNP2mgとエタノール10mlとを加えてよく振った後、FSNPをエタノールに完全に溶解させるために、15分間超音波処理した。次いで、キャップチューブにMPTMS100μlを添加して室温で100rpmで低速撹拌しながら、4時間反応させた。反応混合物を4℃で30分間13000rpmで遠心分離して得た沈殿物をエタノールで3回洗浄し、それぞれの洗浄後、同じ条件で遠心分離して沈殿物を得た。チューブのキャップを分離してアルミニウムホイルを軽く覆って室温乾燥させた。沈殿物を50mMリン酸バッファ溶液(pH7.4)4mlに再溶解して、チオール−改質されたFSNP溶液を製造した。
25ml容量のキャップチューブにSA−マレイミド0.25mgと50mMリン酸バッファ溶液(pH7.4)5mlとを加えて溶解させてSA−マレイミド溶液を製造した。ここに、前記のチオール−改質されたFSNP溶液1mlを加えて100rpmの低速でかき混ぜ続けながら、室温で2時間反応させた。4℃で20分間10000rpmで遠心分離して沈殿物を取った。前記段階で取った沈殿物を50mMリン酸バッファ溶液(pH7.4)で3回洗浄し、それぞれの洗浄後、前記と同じ条件で遠心分離して沈殿物を得た。前記段階で洗浄された沈殿物を50mMリン酸バッファ溶液(pH7.4)2mlに再懸濁させた。これをキャップチューブに入れてアルミニウムホイルを取り囲んだ後、冷蔵保管して、以下で説明するビオチニル化された抗体と反応させた。
実施例4:抗体のビオチニル化
冷蔵保管する水溶性のビオチン化試薬であるスルホスクシンイミジル−6−(ビオチナミド)ヘキサノエート(Sulfosuccinimidyl−6−(biotinamido)hexanoate、スルホ−NHS−LC−ビオチン)1mgバイアル(vial)を実験の当日に冷蔵庫から取り出して室温条件で移し、単一クローン抗−ラットCRP抗体30〜700μgバイアルに0.1Mリン酸緩衝食塩水(pH7.2)30〜700μlを加えて溶解させた。前記のスルホ−NHS−LC−ビオチン1mgバイアルに蒸留水180μlを加えて10mMスルホ−NHS−LC−ビオチン溶液を製造した後、そのうち、6.67μlを前記の抗体溶液に加えてビオチンと抗体との分子比率を20:1に調整した。反応混合物が入れられたバイアルを軽く振って混ぜた後、エペンドルプチューブラックに入れて氷水に入れて2時間反応させた。Slide−A−lyzer kit(Pierce Biotechnology、Inc)に反応混合物を入れた後、0.1Mリン酸緩衝食塩水(pH7.2)に対して一晩透析して未反応試薬を除去し、透析膜内の内容物を回収した後、同じリン酸緩衝食塩水を使って総体積を1mlに調節してビオチニル化抗体を製造した。
実施例5:ナノ物質が付着された抗体の製造
SA−改質されたFSNP溶液を15分間超音波処理した後、そのうち、400μlを0.1mg/ml濃度のビオチン化された抗体溶液2mlに加えて30分間隔で100rpmの低速で5分ずつかき混ぜながら、室温で2時間反応させた。4℃で20分間10000rpmで遠心分離して上澄み液は捨てて沈殿物を取った。前記段階で取った沈殿物を50mMリン酸バッファ溶液(pH7.4)で3回洗浄し、それぞれの洗浄後、前記と同じ条件で遠心分離して沈殿物を得た。前記段階で洗浄された沈殿物を50mMリン酸バッファ溶液(pH7.4)0.8mlに再懸濁させた。
実施例6:検体溶液と標識抗体との混合
エペンドルプチューブにある50mMリン酸バッファ溶液(pH7.4)を使って段階別に希釈して製造したそれぞれの濃度別C反応性タンパク試料溶液にビオチンとSAの特異的結合によって、前記のように製造したナノ物質としてFSNPが付着されたC反応性タンパク抗体溶液を同量加えて混合させた後、室温で1時間静置させた。
実施例7:間接競合反応
前記の実施例1と実施例2とによって抗原であるC反応性タンパクを固定化し、BSAブロッキング工程によって非選択的なタンパク質の吸着を最小化したバイオトランスデューサーとしてのスライドを含むペトリ皿を格子状のスポッティングガイド上に載せ、スライド上の抗原が固定化されている部位に、前記のように混合して室温で1時間静置させた検体から採取した分析しようとするタンパク質と前記のように標識された抗体の混合物20μlを正確に滴下した後、蓋を覆いで室温で2時間反応させてFSNPで標識された抗体及びスライド上に固定された抗原と検体から採取した分析しようとするタンパク質との間の間接競合反応を行った。反応が終わった後、反応されていない抗体と抗原とを蒸留水を使ってスライドの前/後を3回洗浄した後、蒸留水が入れられたビーカーにスライドを1分間浸漬させて除去した。
実施例8:蛍光映像の分析
間接競合反応を行った実施例7のスライドをインキュベーターに入れて乾燥した。乾燥したスライドを蛍光顕微鏡を使って蛍光映像の分析を行い、蛍光強度及び蛍光粒子数を測定した。図6は、蛍光分析のための装置を示し、蛍光映像写真を撮って確認した結果、間接競合反応を行ったスライドの表面に結合したFSNP標識抗体の蛍光斑点を確認することができた(図5のf)。図7は、FSNP標識抗体を利用したC反応性タンパクの濃度依存的蛍光映像から相対蛍光度を測定して作成した検量線を示すが、検体中のCRP濃度が増加すれば、標識抗体との反応程度が高くなるので、スライドに固定化された抗原と標識抗体との結合程度は減って蛍光が低く表われ、非常に低いC反応性タンパクの濃度範囲で直線性を見せて、本免疫蛍光スライドによるCRP計測時の検出限界が0.1〜1.0ng/mlに至る程度に感度が非常に高いということが分かった。
実施例9:免疫蛍光スライドの製造
実施例1ないし実施例8の方法を適用して、30X70mmの横/縦の規格を有した透明な顕微鏡用のスライドを使って1回用の3−アミノプロピルトリメトキシシランまたは3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン−N−ガンママレイミドブチリルオキシスクシンイミドエステルでスライドの表面が改質され、0.01〜0.5mg/mlの濃度であるC反応性タンパクを1〜100μl含む免疫蛍光スライドを製造した。
(産業上の利用可能性)
本発明は、抗原固定化免疫蛍光スライドの製造方法及びそれにより製造される免疫蛍光スライドに関連する分野に適用可能である。

Claims (3)

  1. C反応性タンパク質をスライドに固定させてタンパク質チップを製造する段階、前記C反応性タンパク質に特異的に結合する抗体を蛍光ナノ粒子で標識させる段階、及び検体から採取した前記C反応性タンパク質を前記蛍光標識された抗体と混合させ、前記混合された混合物を前記スライドに固定された抗原部位と反応させ、蛍光顕微鏡を使って蛍光強度または蛍光粒子数を測定して分析する段階において、
    前記C反応性タンパク質をスライドに固定化するために、
    3−アミノプロピルトリメトキシシランで改質されたスライドを製造する段階と、
    3−アミノプロピルトリメトキシシランで改質されたスライドを水和する段階と、
    グルタルアルデヒド溶液を使って、前記改質されたスライドを活性化させる段階と、
    30〜70mMリン酸バッファ溶液(pH6.5〜7.8)に前記分析しようとするタンパク質を0.01〜0.5mg/ml濃度で溶解して固定化用の抗原溶液を製造する段階と、
    スポッティングガイド上に前記スライドを含むペトリ皿を載せ、前記製造した抗原溶液を1〜100μlの滴下点にスポッティングする段階と、
    前記段階によって準備されたスライドを1〜6時間反応させて抗原を固定化することを特徴とする抗原固定化免疫蛍光スライドの製造方法。
  2. 請求項1の方法によって製造される3−アミノプロピルトリメトキシシランまたは3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン−N−ガンママレイミドブチリルオキシスクシンイミドエステルでスライドの表面が改質され、0.01〜0.5mg/mlの濃度であるC反応性タンパクを1〜100μl含む免疫蛍光スライド。
  3. 請求項2による免疫蛍光スライドを使って検体中のC反応性タンパク質を測定する方法。
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CN106066400A (zh) * 2016-06-14 2016-11-02 焦作百奥泰科生物科技有限公司 一种检测玉米赤霉烯酮的荧光免疫层析试纸

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